JP2005288549A - 金属溶融射出成形装置、ゲート構造 - Google Patents

金属溶融射出成形装置、ゲート構造 Download PDF

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義巳 岩村
Hideaki Miyagawa
秀明 宮川
Jiro Fukuyama
二郎 福山
Akio Endo
晃生 遠藤
Yasuyoshi Makino
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Abstract

【課題】 簡単な構成で品質の安定した射出成形品が得られる、金属溶融射出成形装置を得る。
【解決手段】 金属の少なくとも一部を溶融しノズルから吹き出す射出成形機と、ノズルから吹き出された金属を製品の成形品に成形する金型と、を備えた金属溶融射出成形装置について、一方が凸形状で他方が凹形状の金型を組み合わせた間の空間に金属を充填することにより製品成形品を形成させるとともに凹形状の固定側金型22に凸形状の可動側金型を印篭部43にて嵌合させる。
【選択図】 図12

Description

この発明は低融点合金、例えばマグネシウム合金のような金属を射出成形して製品を製造する技術に関するものである。
金属製のシロッコファンのような製品は主に台所用途など火災の問題で不燃性が必要な場合や周囲温度が高くなる恐れのある場合に使用され、其の製造には薄板鋼板や薄板アルミニウム板などを使用し、回転軸部を有する主板と吸い込み側部分の側板と複数の翼をカシメ結合などにより固定していた。薄板鋼板の構成は部品が重くなりバランス取り作業が重要となる。また薄板アルミニウム板を使用する場合は材料費が掛かり、カシメ部分の補強に溶接が困難であった。カシメ部分の結合が弱いためカシメた後に連続的に溶接にて補強したり、塗装、接着剤を使う、等に関する技術として、実開昭62−14199号、特開平8−42495号公報などが知られている。
プロペラファンのような製品は一般的にプラスチック材料の射出成形品で作られる。これは金型に樹脂が注入され熱と温度が加えられて製品が一体に成形される。これにより薄い翼となる羽根や主軸のような構造体が一体に形成される。一方アルミダイキャストのような製造法では金型の抜き勾配が大きくなることや溶融金属が流れにくいので薄い厚みの翼のような構造を形成させることは困難であった。
しかしながらプラスチック、特にファンのようにガラス繊維が混入された強度の強い特殊プラスチックの製品は再利用が難しく地球環境対策としてのリサイクルの問題より混合材料を止めて金属化への見直しが行われている。金属の部品でも分離しにくい異種金属の組み合わせやアルミニウムのように製造に多大のエネルギーがかかる金属の利用よりは融点の低い金属の利用が望まれている。融点の低い金属の代表であるマグネシウム合金を射出成形するチクソモールディング法に付いては日経メカニカル1996.12.9、495号、日経メカニカル1998.3、522号、工業材料1998年5月号(Vol.46No.5)、同1998年10月号(Vol.46No.10)に詳しく報告されている。チクソモールディング法はチクソロピーとインジェクションモールディングからできた造語であり米国にて開発された低融点合金の半溶融射出成形法を意味する。マグネシウム合金インゴットから作製した米粒状のチップを原料としプラスチックの射出成形のように製品の金型内に高速で射出し成形品として取り出すが、この際射出するマグネシウム合金を完全な液相から任意の固体を含んだ状態など用途に応じて変えて行える。
図19は射出成形装置であるチクソモールディング装置の構造図である。101はフィーダ105へ原料を投入するホッパー、102はスクリュー103が内部で回転し電気ヒータ107で加熱されるシリンダ、104は逆流防止リング、106は不活性雰囲気、109は製品の金型、112は射出成形機から貯留部122に溜まった溶融金属を高速ショットシステムにて射出するノズル、121はロータリードライブである。図19においてペレット状のマグネシウム合金をホッパー101から投入し、フィーダ105により計量された分をシリンダ102に投入する。シリンダの外周部は電気ヒータ107により加熱され半溶融マグネシウム合金となっているので、不活性雰囲気106でフィーダと分離されている。半溶融マグネシウム合金の量を適正に管理するため射出した量のみフィーダにより計量し供給されるが樹脂成形のように射出量と供給量が完全に一致することはない。シリンダ102に投入されたマグネシウム合金はスクリュー103の回転で前方に搬送されるとともにスラリ状にされスクリューにて射出される。チクソモールディングはマグネシウム合金が持つチクソトロピ性を利用する。マグネシウム合金は固液共存状態では固層のデンドライトが枝状につながった状態で存在している。従ってこの状態では粘度が高い。回転するスクリュー103によりせん断力を連続的にかけると、デンドライトが切れて細かく粒状化する。従って流動性が高くなる。
図20に成形機のノズル部分の構造図を示す。110は半溶融マグネシウム合金111が先端ノズル112から流れ出るのを防ぐ凝固プラグ、113は金型109内のゲート部分である。成形機の先端ノズル112は半球面状の凸状をしており金型109のゲート部分113の入口部はこれよりわずかに大きな半球面状の凹状をし、両者は球面にて接触結合されている。この接触結合がぴったりしなければ半溶融マグネシウム合金111が周囲の空気中に吹き出し燃焼する恐れがありこの接触結合の調整には注意が必要である。半溶融マグネシウム合金111の先端には凝固プラグ110と呼ばれる金属が固まった固まりがあり、射出する際にはこの凝固プラグが吹き飛ばされて飛び出し、続いてノズルから少なくとも一部が溶融された金属が飛び出し百分の数秒から数十秒というきわめて短時間に射出が終了する。図21は射出が終了した後で射出成形機と金型が切り離された状態の説明図である。ゲート部分113に冷やされ固体となった金属片が詰まりその切り離された部分にも凝固プラグ110が残る。
薄板鋼板や薄板アルミニウム板などを使用し、複数の部品どおしをカシメ結合などにより結合する構造では重くなり過ぎたり回転体ではバランス取り作業が必要になったり、カシメ結合のように凹凸部が多くなり回転体では風切り音や騒音が大きいという問題があった。アルミニウム板を使用する場合やプラスチックでは材料の製造に大きなエネルギーが必要だったり、材料を再利用するリサイクルに問題がある等地球環境から望ましくないという問題があった。一方融点の低い金属の代表であるマグネシウム合金を射出成形するチクソモールディング法はマグネシウム合金が金型材料の鉄との反応性は小さいが、プラスチックと比べて収縮率が非常に小さいため金型とマグネシウム合金の離型の問題からプラスチック成形では通常使用しない離型剤を金型に塗布する等離型に課題が有りまた金型の抜き勾配はプラスチック成形では5/1000程度で可能なものが25/1000程度、すなわち約1.5゜必要とされている。このため抜き勾配が大きくなると翼の根元寸法が非常に厚くなり要求される形状や性能が確保できないという問題があった。しかも極短時間で射出を終了させるため均等にマグネシウム合金を製品に充填させることが難しく実用化が困難であるというという問題があった。すなわちチクソモールディングでは、複雑な形状の製品に溶融金属を充填させる場合は実用的ではなく離型等金型対策も問題があり、要求される製品の特性が得られず叉製造には時間やコストが掛かるという課題があった。
この発明は上記のような問題点を解消するためになされたもので、マグネシウムのような低融点合金の射出成形により所望の性能を有する製品を製造する技術を提供しようというものである。更に簡単な構成で品質の安定した射出成形品が得られる、金属溶融射出成形装置、ゲート構造を得ようというものである。
請求項1に係る金属溶融射出成形装置は、金属の少なくとも一部を溶融しノズルから吹き出す射出成形機と、ノズルから吹き出された金属を製品の成形品に成形する金型と、を備えた金属溶融射出成形装置について、一方が凸形状で他方が凹形状の金型を組み合わせた間の空間に金属を充填することにより製品成形品を形成させるとともに凹形状の金型に凸形状の金型を印篭結合部にて嵌合させるようにしたものである。
請求項2に係る金属溶融射出成形装置は、金属の少なくとも一部を溶融しノズルから吹き出す射出成形機と、ノズルから吹き出された金属を製品の成形品に成形する金型と、を備えた金属溶融射出成形装置について、金型は、ノズルから製品成形品形状部の方向に金属を流すゲート部と、このゲート部のノズルと対抗する位置に、ノズルに金属が凝固した凝固プラグがノズルから吹き出された際この凝固プラグを収納するプラグキャッチャーと、ゲート部の先端に設けられ製品成形品形状部に接続される複数の径の縮小された接続部と、を備え、複数の接続部の金属が流れる面積はノズルの面積以下とするとともに製品成形品形状部へ充填可能な面積以上とするものである。
請求項3に係る金属溶融射出成形装置は、製品成形品形状部で、ゲート部の接続部と接続する位置の肉厚を周囲の肉厚より厚くしたものである。
請求項4に係る金属溶融射出成形装置は、製品成形品形状部がプロペラファンやシロッコファン形状であり、その同一面上にゲート部の接続部を円周方向に同一ピッチで配置するとともにゲート部の接続部と接続する製品成形品形状部の接合部分を凹部としたものである。
請求項5に係る金属溶融射出成形装置は、筒状叉は中央部が筒状を有する製品成形品形状部に対し複数の接続部が接続される位置を前記筒状の外周部としたものである。
請求項6に係るゲート構造は、金属の少なくとも一部を溶融しノズルから吹き出す射出成形機のノズルから吹き出された金属により金型の製品成形品形状部にて製品を金属溶融射出成形する金型のゲート構造に対して、ノズルから製品成形品形状部の方向に径が拡大されながら金属を流す第1スプールと、この第1スプールの先端に設けられ、ノズルに金属が凝固した凝固プラグがノズルから吹き出された際この凝固プラグを収納するプラグキャッチャーと、第1スプールの先端の外周から製品成形品形状部の方向に金属を流す複数の脚状にまたは円錐状に径が拡大された第2スプールと、第2スプールの先端から周方向に金属を流すランナーと、ランナーに接続され製品成形品形状部の方向に向かってその径を縮小しながら製品成形品形状部に接続され金属を流す接続部と、を備えたものである。
請求項7に係るゲート構造は、ランナーの外周部を製品成形品形状部の方向に向かうに従って製品成形品の中心部まで縮小される径としたものである。
請求項8に係るゲート構造は、接続部は複数の脚状の先端にそれぞれピンゲートまたは円錐状の先端に複数のピンゲートが製品成形品形状部と接続しているものである。
請求項9に係るゲート構造は、金属の少なくとも一部を溶融しノズルから吹き出す射出成形機のこのノズルから吹き出された金属により金型の製品成形品形状部にて製品を金属溶融射出成形する金型のゲート構造について、ノズルから製品成形品形状部の方向に流路が拡大されながら金属を流す第1スプールと、この第1スプールの先端に設けられ、ノズル先端に金属が凝固した凝固プラグがノズルから吹き出された際この凝固プラグを収納するプラグキャッチャーと、第1スプールのプラグキャッチャー近傍の外周からプラグキャッチャーを包囲する形でプラグキャッチャーよりも軸方向寸法が長く製品成形品形状部の方向に流路が縮小されながら金属を流す第2スプールと、第2スプールの先端から製品成形品形状部に接続され金属を流す複数のピンゲートと、を備えたものである。
請求項10に係るゲート構造は、製品成形品形状部に接続される複数のピンゲートの面積はノズルの面積以下で製品成形品形状部に流し易い面積以上としたものである。
請求項1に関る本発明は、金属の少なくとも一部を溶融しノズルから吹き出す射出成形機と、ノズルから吹き出された金属を製品の成形品に成形する金型と、を備えた金属溶融射出成形装置において、一方が凸形状で他方が凹形状の金型を組み合わせた間の空間に金属を充填することにより製品成形品を形成させるとともに凹形状の金型に凸形状の金型を印篭結合部にて嵌合させるものであるため、溶融金属が短時間に射出充填されても金型の開き現象を押さえ型締め力を低下できる。
請求項2に関る本発明は、金属の少なくとも一部を溶融しノズルから吹き出す射出成形機と、ノズルから吹き出された金属を製品の成形品に成形する金型と、を備えた金属溶融射出成形装置において、金型は、ノズルから製品成形品形状部の方向に金属を流すゲート部と、このゲート部のノズルと対抗する位置に、ノズルに金属が凝固した凝固プラグがノズルから吹き出された際この凝固プラグを収納するプラグキャッチャーと、ゲート部の先端に設けられ製品成形品形状部に接続される複数の縮小された接続部と、を備え複数の接続部の金属が流れる総面積はノズルの面積以下とするものであるため、製品とゲート部が簡単に分離できる装置が得られる。
請求項3に関る本発明は、製品成形品形状部でゲート部の接続部と接続する位置の肉厚を周囲の肉厚より厚くしたものであるため、効率よくマグネシウム合金の方向が変更できる。
請求項4に関る本発明は、製品成形品形状部の同一面上にゲート部の接続部を円周方向に同一ピッチで配置するとともにゲート部の接続部と接続する製品成形品形状部の接合部分を凹部としたものであるため、ゲート処理が良好に出来る。
請求項5に関る本発明は、筒状叉は中央部が筒状を有する製品成形品形状部に対し複数のピンゲートが接続される位置を筒状の外周付近としたので、高速回転の軸を支持する軸受け部のように高精度を必要とする部品であっても成形性が良い製品を常に安定して量産できる。
請求項6に関る本発明は、金属の少なくとも一部を溶融しノズルから吹き出す射出成形機のノズルから吹き出された金属により金型の製品成形品形状部にて製品を金属溶融射出成形する金型のゲート構造において、ノズルから製品成形品形状部の方向に径が拡大されながら金属を流す第1スプールと、この第1スプールの先端に設けられ、ノズルに金属が凝固した凝固プラグがノズルから吹き出された際この凝固プラグを収納するプラグキャッチャーと、第1スプールの先端の外周から前記製品成形品形状部の方向に金属を流す複数の脚状にまたは円錐状に径が拡大された第2スプールと、第2スプールの先端から周方向に金属を流すランナーと、ランナーに接続され製品成形品形状部の方向に縮小されながら製品成形品形状部に接続され金属を流す接続部と、を備えたので、製品と容易に分離できリサイクルし易いゲートが得られる。
請求項7に関る本発明は、環状ランナーの外周部を製品成形品形状部の方向に縮小される径としたので、簡単な構成で確実にランナーを形成する金型にゲートを保持できる。
請求項8に関る本発明は、接続部は複数の脚状の先端にそれぞれピンゲートまたは円錐状の先端に複数のピンゲートが製品成形品形状部と接続しているので成形性の良いゲート構造が簡単に得られる。
請求項9に関る本発明は、金属の少なくとも一部を溶融しノズルから吹き出す射出成形機のこのノズルから吹き出された金属により金型の製品成形品形状部にて製品を金属溶融射出成形する金型のゲート構造において、ノズルから製品成形品形状部の方向に拡大されながら金属を流す第1スプールと、この第1スプールの先端に設けられ、ノズル先端に金属が凝固した凝固プラグがノズルから吹き出された際この凝固プラグを収納するプラグキャッチャーと、第1スプールのプラグキャッチャー近傍の外周から前記プラグキャッチャーよりも長く製品成形品形状部の方向に縮小されながら金属を流す第2スプールと、第2スプールの先端から製品成形品形状部に接続され金属を流す複数のピンゲートと、を備えたので、ゲート構造を小さく出来経済的な製品を得る事が出来る。
請求項10に関る本発明は、製品成形品形状部に接続される複数のピンゲートの面積はノズルの面積以下で製品成形品形状部に流し易い面積以上とするので成形品の隅々まで溶融金属を充填でき、確実に成形品を分離できるゲート構造が得られる。
実施の形態1.
以下、本発明の一実施の形態の例について図を用いて説明する。図1乃至図4は本発明の一実施例であるプロペラファンの羽根車を製造する場合の説明図を示しており、図1は、金型構造全体の断面図、図2は金型を分離した構造の説明図、図3はゲート構造を取り出す説明図、図4は製品を取り出す説明図を示す。1は製品であるプロペラファンを成形形成する製品成形品形状部、2は射出成形機のノズル21から射出吹き出された溶融金属である半溶融マグネシウム合金27が製品の成形品形状部に径が拡大されながら射出吹き出し方向である軸方向に流れる金型で形成されたゲート構造である第1スプール部、4は溶融金属を軸方向とは90度の方向へ流すランナー、5は溶融金属を第1スプール部2と第2スプール部14を通してランナー4へ流す環状のリングからなる環状ランナー、6は溶融金属をランナー4から製品成形品形状部1へ流す軸方向に円錐状に径が縮小されながら形成され先端にピンゲート7構造を有する第3スプール部、9は射出成形機のノズル部分をふさいでいた凝固プラグ3を収納する凝固金属収納部であるプラグキャッチャー、12はファン中心部に形成されたボス部13に設けられモーターなどに嵌合されてファンを回転させる回転軸穴である。図1乃至図4の製品のプロペラファン1a構造が、すなわち、回転軸穴12に直結されたモーターの回転により回転し空気を吸いこみ吹き出すファンが、射出成形機から射出された溶融金属にて金型の中でゲート構造とともに形成される。
本発明で採用したピンゲートを使用したダイレクトゲート方式の製造方法、すなわち図1−4で示す金型で射出成形された成形品のゲート構造を分離する方法を説明する。図において1はプロペラファン1a構造である製品の成形部、20は各ゲートである第1スプール第2スプール第3スプールなどにより形成されるゲート構造、21は射出する出口に凝固プラグ3が詰まっている射出成形機の先端ノズル、22は金型である固定側モールドベースのバックプレート22cを有し且つ固定側の中でゲート分離に使用される稼動できるモールドベース22aとストッパープレート22b、組み込まれた製品形状が彫り込まれた入れ駒22dとともに一緒に固定側取付板23を介して基礎である架台に固定されている主としてゲート構造部分を形成する固定側金型、24は成形後に可動側取付板25により動くように構成されている製品成形品形成部の側を形成する可動側金型、26は製品成形品を取り出すための押し出し装置、24aはモールドベース、24bはエジェクター、24cはスペーサーブロック、24dはストッパープレートの役割を果たす入れ駒、27は半溶融マグネシウム合金である。
成形装置は固定側金型であるキャビティが固定側取付板23により成形機にボルト等で固定され、入れ駒22dと呼ばれる部品に製品の片側形状が彫り込まれており、この入れ駒がモールドベース22aの内部に組み込まれている。可動側金型のコアはキャビティと同様モールドベース24aと呼ばれる部品の内部の入れ駒24dに製品の片側の形状が彫り込まれている。コアはモールドベース部品とエジェクター24bと呼ばれる製品を押し出す部品とスペーサーブロック24cと呼ばれる部品とからなりエジェクター24bは押し出し装置26の力を得てスペーサーブロック24cの範囲で左右に摺動する。エジェクター24bの先端にはストッパープレートが取り付けられておりこれにより製品は可動側モールドベースから離型され取り出される。
成形プロセスを説明する。図1のように先ずバックプレート22cに組み込まれたゲート部入れ駒22fに形成されたプラグキャッチャー9には成形機のノズル21から射出された凝固プラグが収納される。円錐状の第1スプール2の先端の外周部に設けられた複数の蛸足状の第2スプールに続いて溶融金属が流れる。ここまでの流れは径を拡大させ、ノズルの径、すなわち凝固プラグの径よりも拡大している。なお第2スプール14は複数の蛸足状の流路でありこの複数の流路を含む仮想の円周の径が軸方向に拡大していることによりこの第2スプールを含めたゲートが製品方向に抜け易くしている。ここでゲート部入れ駒22fはバックプレート22cとストッパープレート22bのほぼ中央でバックプレート22c側に固定されておりストッパープレート22bとは其の外周部で射出方向に摺動自在に取付けられている。次に第2スプールの先端に設けられた環状ランナー5を介してランナー4で溶融金属は軸方向から平面方向へ流れ、其のランナーの先に設けられた先端、すなわち製品側が円錐状に縮小した複数本の第3スプールを通り製品成形品形状部1のハブ部11の外周部に設けられたゲート凹部8から固定側モールドベースと可動側モールドベースに彫り込まれた、あるいは図のようにモールドベース内に組み込まれた入れ駒に彫り込まれた製品形状内に非常に短時間に充填される。
ノズル21から射出された溶融状態のマグネシウム合金27は、固定側のモールドベースと可動側のモールドベース、あるいは両方の側の入れ駒に彫り込まれた製品形状内に非常に短時間、例えば型締め力450トンの成形機の場合、10/100秒程度、で充填され、そのままの状態で金型内の図示されていない配管に注油されて20秒程度冷却され、モールドベース内で固着状態の製品1となる。この際製品1とノズル21の先端をつなぐ部分をゲート部分と呼び、図では第1、第2、第3スプール2、14、6としている。通常ゲート部分の呼び名として射出方向である軸方向はスプール、この方向と直角の水平方向をランナーと呼んでいる。図1ではモールドベース22aに組み込まれた製品形状が彫り込まれた入れ駒22dと固定側取付板23の間に入れ駒側にはストッパープレート22bが、固定側取付板側にはバックプレート22cが構成されている。入れ駒22dにはゲート構造20の中の第3スプール6とランナー4が成形される部分が彫り込まれている。ストッパープレート22bには第2スプール14とプラグキャッチャー9が成形される部分が彫り込まれている。更にバックプレート22cには第1スプール2が成形される部分が彫り込まれている。
次に図2のように軸方向に移動可能に設けられた射出成形機のノズル21が矢印1の方向に後退し、すなわち図面では右方向に移動して固定側であるキャビティから離れる。この動きにより第1スプール2のノズル側の先端部の凝固プラグ3でほぼ固着した金属のつながりが切断され金型部分とノズルの先端は凝固した金属部の凝固プラグのほぼ中央でせん断される。通常のプラスチック成形では樹脂のためせん断力は非常に小さいが凝固プラグのせん断力は450トン成形機でノズル径14mmとし、マグネシウム合金が完全には固着していない状態すなわち300゜C度程度の温度でせん断されるため固着状態のせん断力である4トンの20パーセント程度すなわち1トン弱の力でせん断される。従って矢印1の方向に成形機を移動させる力はこの凝固プラグのせん断力以上が必要である。
次に可動側のコア全体が固定側金型のモールドベース22aと一緒に成形機の動作により左方向である矢印2の方向へ移動し固定側のキャビティから離れる。この際ゲート構造20は第3スプール6の先端のピンゲート7で製品成形品形状部1のゲート凹部8でせん断され切り離される。これにはゲート構造20がゲート部入れ駒22f側に残されることが必要で、すなわち第3スプール6と入れ駒22dの間の離型抵抗と製品1と第3スプール6の先端部のピンゲート7のせん断力の合計より、ゲート部入れ駒22fの離型抵抗が大きくなければならない。ランナーから第3スプールの先端にかけて流路は直線的に縮小している。更にノズルの面積よりピンゲート全部の面積を小さくすればゲート構造20の中ではもっとも断面積の小さくなるのはピンゲート7でありここでせん断することになる。ピンゲート全部の面積をノズル面積以下にすることによりピンゲートのせん断力は成形機を移動させる力より小さくてよく、射出成形装置の軸方向へ移動させる装置はバランスが取れ、すなわち成形機と製品とゲート構造の分離がほぼ同一の力で引き離すことにより分離が出来、自動化のための装置構成が簡単となり、大量生産した場合も同一の品質の確保が容易である。
ゲート部入れ駒22fの離型抵抗が第3スプール6と入れ駒22dの間の離型抵抗と製品1と第3スプール6の先端部のピンゲート7のせん断力の合計より、大きくするため、ゲート部入れ駒22fと第2スプール14の離型抵抗をランナーである環状リング5の外周部を先端にかけて縮小する径とするいわゆるアンダーカット形状5aを採用し大きくしている。すなわち第2スプール14までは径が拡大しそのまま製品側へ抜け易いため、このアンダーカットとした引っかけ部の長さや外周部の傾きを調整することにより離型抵抗を容易に調整することが出来る。このアンダーカット部でゲート20が引っかかり、縮小する流路はあまり抵抗にならずこの結果ピンゲート7でせん断するとともにゲート20は固定側金型のモールドベース22aから抜け出すことになる。この様に溶融金属の流れを拡大から縮小に変化させる部分で分離できるような金型にしておくことにより製品とゲートをたやすく分離でき、ゲートを構成する一体の金属を金型から露出させることが出来る。ゲート部入れ駒22fは単一部品とすることで、例えばこの部分に溶融金属が詰まってしまった場合でもこの部分のみ金型から容易に取り外しが出来るためスペアーと取り替えたりワイヤーブラシでの清掃などメインテナンスが容易となる。
次に図3の矢印3に示すようにストッパープレート22bをバックプレート22cからわずかに移動させることによりゲート構造20はストッパープレート22bがランナー4を押して引っかかっていたアンダーカット5aを外すことにより固着していたゲート部入れ駒22fから外れることになる。すなわちゲート構造20のランナー4の外周部は、ストッパープレート22bのゲート部入れ駒22fが取り付けられている外周部により矢印3の方向に移動され、アンダーカット部分の離型抵抗に打ち勝ってゲート構造20はゲート部入れ駒22fから取り外される。さらに第3スプールを成形ロボットでつかんでゲート構造20をゲート部入れ駒22fから外せば良い。最後に図4の矢印4と5のようにエジェクター24bの先端に取り付けられたストッパープレートが押し出し装置26の力により固定側の方に摺動し製品1を可動側のモールドベース24aから露出させる。この後製品であるプロペラファンを成形ロボットでつかんで入れ駒であるストッパープレートから取り出せばよい。以上の成形機の動作は溶融金属を使用し離型に大きな力を必要としてもバックプレート22cを中心に軸方向の移動で可能であり、機械により自動化でき、短い射出時間による高精度の製品が得られる一体成形と、製品とゲートの安全で簡単な切り離しとあいまつて、安定した品質での量産が簡単な装置で行える。
以上の構造を金型を除いた状態の斜視説明図にて説明する。図5はゲート構造20とプロペラファン1aの結合状態を示す斜視説明図で、図6はゲート部を切り離した状態の製品説明図であり、いずれも金型を除いているという仮想の状態である。10はプロペラファンの羽根、11はハブ部分である。図のゲート構造でマグネシウム合金を使用しチクソモールディング法で一体成形するプロペラファンは円筒状のハブ部分11の外周部に複数枚の羽根10を一体にて有している。ハブ部分11の軸中心部には回転軸穴12を有するボス13が有りこのボスにより駆動モーターの回転軸に直結され回転駆動されて羽根により送風される。図5のチクソモールディング法のゲート構造は円錐状に拡大された第1スプールの先端には凝固プラグを収納するプラグキャッチャー9を設け其のプラグキャッチャーの外周部に複数個の蛸足状の第2スプール14を設け、其の先端にはランナー4を有し、ランナー4の先端には更に円錐状に縮小された複数個の第3スプール6を設け、第3スプールの先端にはピンゲート7を有するものであり、蛸足状の第2スプール14の先端をドーナツリング状の環状ランナー5でつなぎ、この環状ランナーの外周部をアンダーカット状5aにしている。ボス13の外周にあたるハブ部分11の羽根の吸い込み側である負圧面側10aにはマグネシウム合金を充填する複数のビンゲート部7が結合されており、この結合部はゲート処理をするためのゲート凹部8を翼の枚数叉は其の整数倍が形成されている。なお既に述べてきたようにゲート構造離型のため第1スプール2から第2スプール14までは射出方向である軸方向に向け径の寸法が軸方向にゲート部入れ駒22fから抜けるように拡大され、ランナー4と第3スプール6からは入れ駒22dから抜けるように流路断面積が縮小されるとともに環状リング5は外周部がゲート構造全体が射出方向に抜けにくいようにアンダーカット形状で射出方向に縮小され引っかかるようになっている。マグネシウム合金の溶融射出成形はプラスチック成形とは多くの点で異なり多くの問題が存在する。例えば材料強度がプラスチックより大幅に強いので金型の離型のための構造や金型から製品を押し出したり引き抜く構造に上述したような新しい考えの導入が必要である。ゲート構造は製品ではなく製品を製造する過程で必要になったもので成形後にペレット状に加工しそのまま再利用、すなわち材料としてリサイクルすることが好ましい。もしこのゲートを機械加工で製品から除こうとすると切削油等が付着してしまいこれを取り除く工程が余計に掛かったり、切削屑などはもはやリサイクルできず水にでも溶かして処分せざるをえない。この発明ではゲート構造を一体の金属のまま、機械加工無しに、すなわち加工屑のような微細な金属片を発生させることなく製品から取り除くので切削時の燃焼の恐れも無く安全な状態で簡単に再利用のための材料を確保できる。以上のように成形機により例えばマグネシウム合金を使用し軸中心からねじられた多数の翼が形成されるプロペラファンのような複雑な形状で、且つ捩じれ角や厚みの変化等の精度が性能を得るため重要な製品に対しても短時間でしかも高精度に一体成形することが出来、更には製品とゲート部との切り離し作業を成形作業時に同時に行うことが出来る。
実施の形態2.
またマグネシウム溶融射出成形は圧力や粘度の関係で0.1秒足らずの非常に短時間に射出して成形するので製品全体の隅々まできちんと充填され且つきれいな状態に仕上げるために製品形状成形部へのゲート接続部、すなわちピンゲートとのつながりは凹部として製品へスムースに金属が流入しこの近傍で空隙などができないようにしている。また製品形状成形部のピンゲートと対抗する背面を突出させてこの部分の肉厚を周囲の部分より厚くすることにより製品形状成形部へ流入した金属が他の部分へ流れ易くしている。更に複数のピンゲートのそれぞれの配置位置を円周方向に同一ピッチとすることにより製品形状成形部全体に均等に流れるようにしている。しかも複数のピンゲートの面積も小さすぎるところがネックとなって製品成形形状部へ入りにくくなるためノズル面積の50パーセント以上として非常に短時間での製品形状成形部への金属の充填が隅々まできちんと行えるようにしている。ピンゲートがこれよりも小さい面積では製品形状成形部全体への充填に追いつかず局部的に足りない個所、特に流れの最後の部分や薄板部分などに発生する。
図7、図8、図9にてこの構造を説明する。図7はゲート部とプロペラファンの結合状態を示す説明図で、64はボス13の外周にあたる羽根の吹き出し側であって圧力面側のハブ平面外周部、16は湯だまりである。プロペラファンは円筒状のハブ部分11の外周部に複数枚の羽根10を一体にて有し、ボス13の外周にあたるハブ部分11の羽根の吸込側であって負圧面側にマグネシウム合金を充填する複数のピンゲート7が結合されており、この結合部はゲート処理するためのゲート凹部8を羽根の枚数と同じまたはそれより多く形成している。図7に示すように羽根の吹出側であって圧力が掛かる面側のハブ平面外周部64は他の部分の厚みの1.5倍以上になっている。ゲート凹部8の大きさは其の外径寸法がピンゲート径のほぼ2倍の直径を有し、凹深さは手入れし易いように浅く約1mmである。ゲート凹部8の裏面側は半球面状の湯だまり16が設けられており、ピンゲート7から高速で軸方向に射出された溶融マグネシウム合金は湯だまり16に衝突し其の半球面形状により軸方向から水平方向へと方向が変更される。叉湯だまり16を含めたハブ平面部11aの厚みは他の部分の厚みの1.5倍以上となっており効率よく溶融マグネシウム合金の方向が変更されるようになっている。
なおプラスチック成形の場合はピンゲートの裏面に湯だまりを設けることはあってもひけなどの問題があり、叉流れが遅いためピンゲートの厚みを他の部分に比べ意識的に厚くすることはなく叉ピンゲートの外径は1mm程度で比較的小さい。更にドーナツリング状の環状ランナー5は複数個の第3スプール6に溶融金属を均一に射出するために必要でプラスチック成形のように射出速度が低い場合は流れが遅く各ピンゲートの流れのばらつきが発生しにくいため必要としない構造である。ゲート処理をするためのゲート凹部8の形状は、この発明では当初ピンゲート外径3mmに対し凹部の外径を6mmで深さを1mmとした。叉ピンゲートの個数は羽根枚数4枚に対し8箇所とした結果、ゲート処理も良好で例えば清掃などの場合この部分で雑巾などが引っかかるというような事はなく、且つ、この部分で破断痕跡が表面より突出し機械加工を要することも無かった。更にピンゲート外径を5mmと大きくし、ゲート凹部10の外径を6mm、深さを1mmとし、ピンゲートの個数を4個としたところ、更にピンゲートの強度が高く出来、叉各ピンゲートに射出される射出量のバラツキが小さくなり成形性が向上した。これにより高い精度の性能の良い製品が得られる。
図8はモーターの外殻をピンゲート方式で製造する場合の説明図で、15はモーターの外殻、64は外周の平面部である。図においてモーターの外殻15は軸中心を有する円柱状をしており、円筒状の外殻部15aとこれと同軸を有しモーターの回転子の軸受け部が嵌合される軸受け嵌合部15bと、この軸受け嵌合部15bが構成され円筒状の外殻部15aをふさぐ軸受け平面部15e、円筒状の外殻部15aと同軸の図示されていない固定子巻線の外殻が嵌合される固定子嵌合部15cとこの外周部に拡開され軸受け平面部15eと平行な面を有する取り付けフランジ部15dから構成されている。円形の軸受け平面部15eの外周部には、複数のピンゲート7の処理のためゲート凹部8を有している。軸受け平面部15eの外周部にあたる平面部64の厚みは外殻の他の部分で例えば円筒状の外殻部15aの厚みの1.5倍以上になっている。裏面側には半球面状の湯だまり16が設けられている。ピンゲート7よりゲート凹部8を介してモーターの外殻に射出された溶融金属は半球面状の湯だまり16と厚みの大きい外周の平面部64の厚みを通して軸受け嵌合部15bおよび取り付けフランジ部15dまで軸中心から周縁部にごく短時間にスムースに充填され、高速回転の軸を支持する軸受け部のように高精度を必要とする部品であっても成形性が良い製品を常に安定して量産できる。しかもダイレクト方式でピンゲートを使用したので金型投影面積が小さく出来るため成形機が小型に出来、ゲート構造も小さく且つゲート処理加工が不要でありリサイクルが容易なため経済性に優れたモーター製造が行える。
図9はシロッコファンをピンゲートを使用して製造する場合の説明図であって、65は円盤状の主板、66は其の外周部に設けられ補強リング67により片側を支持された複数の翼である。円錐台状の絞り部65aを有する円盤状の主板65の外周部に翼66を垂直に結合しこの翼66の先端の外周部に翼の外周を覆う補強リング67を有し、これらを一体にてピンゲート7からゲート凹部8へ射出される溶融金属により成形されるものである。主板の軸中心には回転軸穴12を有するボス13が有り、このボスにより図示の無い駆動モーターの回転軸に結合され翼66により内周から外周へ送風される。ボス13の外周にあたる主板の平面部64の背面側であり翼の無い側にはマグネシウム合金を充填する複数のピンゲート7が結合されており、この結合部は外観上見苦しくないようにゲート処理するため意匠部品であっても、あるいは意匠的に問題の無い部品であっても処理がし易いゲート凹部が複数個形成されている。この構造で製造した試作品では翼の枚数が43枚で、ピンゲートの数は8個である。主板の平面部64の厚みは主板で他の部分で例えば絞り部65aの厚みの1.5倍以上になっている。ゲート凹部8の裏面側の羽根吸込側は半球面状の湯だまり16が設けられ溶融金属の急速な流れに対応できるようにしてある。ゲートの凹部が存在する平面部64の形状や厚みなどの寸法、および湯だまり16の形状や寸法は本発明に記載された形状や寸法に限定されるものでなく、ピンゲートからの非常に急速な流れを制限したり対流させたり周縁部への偏りを発生させない形状や寸法であればよいことは当然である。例えば平面部64が球面や楔形状であったり、半球面状の湯だまり16に直線部が存在するなど製品の形状に合わせて設ければ良い。これによりゲート処理加工により細かい粉末が発生しないので激しい燃焼などの問題がなく安全な製造設備による量産が可能になり、且つ短時間の射出成形で精度の高い品質の安定したシロッコファンを製造できる。これによりマグネシウムを使用してリサイクル性が良いだけでなく、軽くて強度が強く更に電気的なノイズを外部へ出さない、振動を伝えにくいシロッコファンが形成できる。
実施の形態3.
図10は固定側金型であるキャビティの斜視説明図を、図11は可動側金型であるコアの斜視説明図を示す。30、31は金型を軸方向に移動させるガイドであるガイドポスト、32は金型の温度を調整する油を流す油温調整回路、33は固定側モールドベース22aの移動の力をストッパープレート22bに伝達させるためのものでストッパープレート22bをバックプレート22cからわずかに移動させる引っ張り棒である。引っ張り棒33は一端がバックプレート22cに固定され、この引っ張り棒33の棒部分を修道させる箱体は固定側モールドベース22aに固定されている。ストッパープレート22bが移動すると棒の先端の膨らみが箱体に引っ掛かり固定側モールドベース22aの移動の力がストッパープレート22bに伝えられることになる。図10の入れ駒22dが形成する凹部と図11のストッパープレートと一体に形成された入れ駒34の凸部の両者により、プロペラファンの羽根の吸込側形状を形成する側と吹き出し側形状を形成する側の2面を形成しこの間の空間に製品を形成する溶融金属が充填される。この凹凸2面の金型を密着させる時に2面の金型を合わせる外周部の円筒状の部分をテーパーを付けた印篭結合としている。なおガイドポスト30、31は一体でも固定側と可動側で別れていてもよい。金型の温度を調整する油を流す油温調整回路32は射出された高温の溶融金属により加熱された金型を短時間に冷却して成形品を凝固させるために使用される。
凹凸2面の金型を密着させる印篭結合についての説明を図12、図13に示す。図12は固定側金型の入れ駒22dの斜視説明図を、図13は可動側金型の入れ駒24dの斜視説明図で有り、41は入れ駒22dに彫り込まれた羽根10に対応する固定側金型の吸込側羽根部、42は羽根外周部の羽根形状を延長した部分で可動側の入れ駒24dと密着接合される固定側金型の金型合わせ面であるパーティング部、43は固定側金型のパーティング部の更に外周部に位置しパーティング部42とは立体的に異なる方向に配置された固定側金型の印篭部、44は可動側金型の入れ駒24dに彫り込まれた羽根10に対応する可動側金型の吹き出し側羽根部、45は羽根外周部の羽根形状を延長した部分で固定側の入れ駒22dのパーティング部42と密着接合される可動側金型のパーティング部、46は可動側金型のパーティング部の更に外周部に位置しパーティング部45とは立体的に異なる方向に配置された可動側金型の印篭部で固定側金型の印篭部43と密着結合される。47と48はオーバーフロー回路である。固定側金型のパーティング部の更に外周部に位置する固定側金型の印篭部43と可動側金型のパーティング部の更に外周部に位置する可動側金型の印篭部46とは勾配3度程度で印篭結合されている。プラスチック金型の場合は固定側金型の入れ駒と可動側金型の入れ駒の密着接合される部分は両方のパーティング部だけでプロペラファンのようにパーティング部の金型製作が3次元平面形状となるので印篭部は設けられず隙間構造にしている。本発明のように金型製作で固定側金型の入れ駒22dと可動側金型の入れ駒24dの密着接合される部分は両方のパーティングだけでなく両方の印篭が加わり3次元立体形状となり一層複雑な金型でこの金型製作も多大な時間が掛かるが、これにより溶融金属が射出されたときのものすごい膨れようとする膨張力に抗する事が出来るようになる。
図13のオーバーフロー回路47、48は印篭結合部である印篭部とパーティング部の一部に幅10mm程度で深さ0.5mm程度の溝を羽根10に相当する空間につながるように設けるものである。マグネシウム合金を成形する場合射出成形機に挿入する金属の量をトライしてうまく成形できる条件を得ることが重要で、金型内に完全には充填されないショートショット状態から徐々に充填量を増やし最後に完全にオーバーフロー回路を除く製品に充填されたフルパック状態とする。もし金型の金属を充填する容積以上に射出すると金型の合わせ面の隙間から必要以上にバリが発生し最悪の場合には固定側と可動側が離型できない状態に陥ってしまう。チクソモールディングの場合更に極めて短時間にしかも粘性の低い状態で充填する必要があるため溶融金属の部分的な飛びという現象が発生する。この現象は金型のゲート付近の最初に充填される部分から順に充填されるのではなく、ショートショット状態でいきなり最後に充填される金型の先端部分に溶融金属が飛んで引っ付きショートショットされて充填されただけでなく金型先端部部分にも金属が存在する状態になってしまう。このような現象になった場合は金型の先端部分に充填された金属を取り出せないで次の製品を製作するための成形ができない状態も起こる。従ってチクソモールディングでは製品成形形状の端部の複数箇所に羽根のような製品成形形状部には溶融金属が過不足なく充填されるとともに余剰になった若干の溶融金属を流し込めるオーバーフロー回路を必要とする。
図12、図13では外周部に羽根を一体成形にて構成するプロペラファンで羽根の吸込側形状を形成する側と吹出側形状を形成する側の2面の金型のファン形状周縁を密着させ、羽根外周部に羽根形状を延長させた部分を設け、この部分で2面の金型を合わせる構造とし其の中間の空洞部にマグネシウム合金を射出することにより成形品をえることができる。この2面の金型を合わせた部分の外周部の円筒状の部分に更に凹に凸を差し込む印篭結合とすることにより2面の金型の接触する結合面積が大幅に増えるとともに、3次元立体形状で結合されるので射出圧力の影響による金型の開き現象が発生しにくくなり、寸法精度の良い成形品が常に同一品として生産出来るとともに金型の寿命も延びる。更に印篭結合部分に対しテーパーを付け差し込み易くするとともにバリの発生を押さえ、且つ、金型の固着を押さえる構造にしている。更にこのテーパー印篭部にあふれた金属を収容するオーバーフロー回路を設けオーバーフローの形状が一定することで余分の材料の節約および取り除き作業の容易化が図れる。なおパーティング部では両方の金型を面あたりさせているが印篭部ではテーパーの角度を持たせている。この様に立体的に結合させることにより成形機の型締めだけでなく射出時の膨張力によっても金型が動きにくくなり製品の成形精度をあげることが出来る。
この様に入れ駒の空間部分すなわち固定側金型と可動側金型の間の空間部に溶融マグネシウム合金が充填され密着接合された両方のパーティング部と印篭部で溶融マグネシウム合金がはみ出すのを防いでいる。ここで固定側金型と可動側金型を密着させる力、すなわち型締め力は成形機の大きさで異なり製品投影面の単位面積当たり700−1000kg/(cm*cm)で設計される。金型の耐久性向上や型締力低下はすなわち成形機の小型化は最終的に製品コストに反映されるため重要であり、型締め力が不足すればパーティング間に隙間が発生し固定側金型と可動側金型の軸中心の傾いたずれ、すなわちカタギが発生し製品の羽根10の厚みが違ってきて性能が発揮できないだけでなく、羽根10の外周部にバリが発生し成形品の仕上げが必要になり量産に問題となる。これの対策としてパーティングだけでなく印篭部を設け3次元立体面で密着させて固定側金型と可動側金型の軸中心のカタギを防止している。この3次元立体結合により圧力を持った高速射出による金型の開き現象を押さえ、型締め力を低下できる。更に印篭結合部にオーバーフロー回路を設け余分なバリなどのオーバーフローが無いため材料費が節減できる。
図14はシロッコファンの可動側金型の入れ駒部分を示す斜視図で、49は翼である薄板部分の金型内面の表面に形成した微細な凹凸部分である。平板状あるいは中央部に円錐台状の絞り部を有する主板の外周部に多数の翼を垂直に結合し翼の先端の外周部に外側から翼を覆い支持する補強リングを一体にマグネシウム合金で成形する金型に対し、翼部分を形成する金型内面の表面をブラスト処理、すなわち微細な固い粒子を当てて表面を荒らし、金型内面の溶融金属があたる面に微細な凹凸を形成させる。この処理により射出成形時、成形品と金型の間に微細な空気層を結果的に形成させて成形品を金型から引き抜くときの離型抵抗を低減するものである。この結果金型の抜き勾配の小さな翼が成形可能となり、成形性も向上する。叉金型内で成形品が取り外しできないというようなトラブルを減らすことができる。これにより薄板の翼の精度がえられ、性能の良いシロッコファンを製造できるだけでなく、強度が高く騒音の小さなファンが得られる。更にファン以外の軽くて強度があり電磁遮蔽の能力の高い薄板製品を精度良く、簡単に短時間で製造できるようになり、電気品を収納する箱やアンテナ部品など量産品の用途を広げることが出来る。
チクソモールディング成形の場合、樹脂成形とは違い高速、且つ粘度が小さいため射出量が定まらず、充填が多くなりすぎ金型におさまらない問題や、不足したり止まってしまい、多数の薄板で複雑な形状の翼と軸のような厚い部品を一体にした構造品は実用化されなかった。しかしゲート配置や溶融金属の流れを考えた構造や、翼の寸法配分などや抜き構成を考えた金型構造などを、樹脂成形やダイキャストと全く異なる考えによりまとめることにより、エネルギーの低い種類の金属により一体成形を可能にし生産のみならずリサイクルなど再生産も容易にして地球環境にやさしい金属製品を製造できるようになった。
実施の形態4.
図15、図16、図17、図18はゲート形状が異なる別の実施の形態のゲート構造を説明する図である。図15はチクソモールディング法のゲートであり、円錐状に拡大された第1スプール2の先端に凝固プラグを収納するプラグキャッチャー9を設け、このプラグキャッチャー9の外周部に蛸足状の第2スプール14を設け其の先端にはランナー5を有しランナーの先端には更に円錐状に縮小された複数個の第3スプール6を設け、第3スプールの先端にはピンゲート7を設けている。この構成においてもノズルの径である凝固プラグ3からランナー5まで径を拡大させるとともに、固定側金型で外部から覆うことになる。なおランナー5には外周部の径を縮小させゲート構造と固定側金型との離型抵抗を大きくするアンダーカット部5aを設けている。第3スプール6には拡大された部分から製品成形品形状部に向かって縮小する流路、すなわちピンゲートまで可動側金型でカバーされ且つ抜け易いゲート部分が存在している。蛸足状の第2スプール14の先端をアンダーカットを有するドーナツリング状の環状ランナーでつなぐことにより固定金型からランナーを取り外し易くしている。
図16は円錐状に拡大された第1スプール2の先端に凝固プラグを収納するプラグキャッチャー9を設け、このプラグキャッチャー9の外周部にリング状の第2スプール74を設け其の先端にはランナー5を有しランナーの先端には更に円錐状に縮小された複数個の第3スプール6を設け、第3スプールの先端にはピンゲート7を設けている。この構成においてもノズルの径である凝固プラグ3からランナー5まで径を拡大させるとともに、固定側金型で外部から覆うことになる。なおランナー5には外周部の径を縮小させゲート構造と固定側金型との離型抵抗を大きくするアンダーカット部5aを設けている。第3スプール6には拡大された部分から製品成形品形状部に向かって縮小する流路、すなわちピンゲートまで可動側金型でカバーされるゲート部分が存在している。この構成では第2スプール74をリング状にしたため第3スプールに一層均等に射出が行える。
図17は円錐状に拡大された第1スプール2の先端に凝固プラグを収納するプラグキャッチャー9を設け、このプラグキャッチャー9の外周部にリング状の第2スプール74を設け其の先端にはランナー5を有しランナーの先端には更に円錐状に縮小されたリング状の第3スプール76を設け、第3スプールの先端には複数のピンゲート7を設けている。この構成においてもノズルの径である凝固プラグ3からランナー5まで径を拡大させるとともに、固定側金型で外部から覆うことになる。なおランナー5には外周部の径を縮小させゲート構造と固定側金型との離型抵抗を大きくするアンダーカット部5aを設けている。第3スプール76には拡大された部分から製品成形品形状部に向かって径を縮小する流路、すなわちピンゲートまで可動側金型でカバーされるゲート部分が存在している。この構成では第3スプール76も円錐状に縮小されたリング状にしたものでこれにより金型から第3スプールの離型がより容易になる。
図18は円錐状に拡大された第1スプール2の先端に凝固プラグを収納するプラグキャッチャー9を設け、このプラグキャッチャー9の外周部にリング状の第2スプール84を設けたもので、第1スプール2の先端にはランナー5を有しノズルの径である凝固プラグ3からランナー5まで径を拡大させるとともに、固定側金型で外部から覆う。なおランナー5には外周部の径を縮小させゲート構造と固定側金型との離型抵抗を大きくするアンダーカット部5aを設け、このランナーの先端には更に円錐状に縮小されたリング状の第2スプール84を設けこの先端に複数のピンゲートを有している。第2スプール84の拡大された部分から製品成形品形状部に向かって径を縮小する流路、すなわち複数のピンゲートまで可動側金型でカバーされるゲート部分が存在している。このゲートの形状は例えばゲート部の軸方向寸法が短く、前述のモーター外殻のような成形品外殻がゲート側に突出していないような場合に適している。第2スプール84を円錐状に縮小されたリング状にしプラグキャッチャーより長くし其の先端に複数のピンゲートで直接製品の成形品につながるようにしている。この構成ではゲート形状がより簡単でしかも軽量化できるという効果がある。
このような複数のピンゲートを有するゲート形状を使用することにより、筒状の部品あるいは中央部が筒状の部品で其の中央部に軸穴や他の部品を嵌合させる部分がある場合筒状の部品の外周付近で複数のピンゲートを円周方向に均等なピッチであるいは溶融金属の流れが端縁まで充填するように配置することにより成形性の良い製品が得られる。このピンゲート径およびピンゲート個数を成形機の先端ノズル径すなわち凝固プラグの面積に対し、ピンゲート面積とピンゲート個数を乗じた面積の割合を50パーセント以上100パーセント以下にすることによりマグネシウム合金が成形品形状部に確実にしかも短時間で十分に行き渡り、きれいな成形品を得ることができる。なおゲート処理部分は若干の痕跡が残るため意匠的に問題の無い個所に設けることでもよい。この様にマグネシウム合金のような金属の特性を生かし、高精度な部品の製造が安全に、経済的に行うことが出来、リサイクル性や品質などいずれも優れたものを得ることができる。
この発明の一実施の形態による金型構造全体の断面図である。 この発明の一実施の形態による金型を分離した構造の説明図である。 この発明の一実施の形態によるゲート構造を取り出す説明図である。 この発明の一実施の形態による製品を取り出す説明図である。 この発明の一実施の形態によるゲート構造とプロペラファンの説明図である。 この発明の一実施の形態によるゲート部を切り離した状態の製品説明図である。 この発明の他の実施の形態によるゲート部とプロペラファンの結合状態を示す説明図である。 この発明の他の実施の形態によるモーターの外殻をピンゲートで製造する説明図である。 この発明の他の実施の形態によるシロッコファンをピンゲートで製造する説明図である。 この発明の他の実施の形態による固定側金型の斜視説明図である。 この発明の他の実施の形態による可動側金型の斜視説明図である。 この発明の他の実施の形態による固定側金型いれ駒構造説明図である。 この発明の他の実施の形態による可動側金型いれ駒構造説明図である。 この発明の他の実施の形態による可動側金型いれ駒構造説明図である。 この発明の他の実施の形態によるゲート構造説明図である。 この発明の他の実施の形態によるゲート構造説明図である。 この発明の他の実施の形態によるゲート構造説明図である。 この発明の他の実施の形態によるゲート構造説明図である。 従来のマグネシウム合金射出成形機の構造説明図である。 従来の射出成形機ノズル部分の構造説明図である。 従来の射出成形機ノズル部分と金型が切り離された状態の説明図である。
符号の説明
1 製品成形品形状部、 2 ゲートである第1スプール部、 3 凝固プラグ、 4 ランナー、 5 環状ランナー、 6 第3スプール部、 7 ピンゲート、 8 ゲート凹部、 9 プラグキャッチャー、 10 羽根、 11 ハブ部分、 12 回転軸穴、 13 ボス、 14 第2スプール部、 15 モーターの外殻、 16 湯だまり、 21 射出成形機の先端ノズル、 22 固定側金型、 23 固定側取付板、 24 可動側金型、 25 可動側取付板、 26 押し出し装置、 27 半溶融マグネシウム合金、 30 ガイドポスト、 31 ガイドポスト、 32 油温調整回路、 33 引っ張棒、 34 いれ駒、 41 吸い込み側羽根部、 42 固定側金型のパーディング部、 43 固定側金型の印篭部、 44 吹き出し側羽根部、 45 可動側金型のパーディング部、 46 可動金型の印篭部、 47 オーバーフロー回路、 48 オーバーフロー回路、 49 微少な凹凸部分、 64 平面部、 65 主板、 66 翼、 67 補強リング、 74 第2スプール部、 76 第3スプール部、 84 第2スプール部、 101 ホッパー、 102 シリンダ、 103 スクリュー、 104 逆流防止リング、 105 フィーダ、 106 不活性雰囲気、 107 電気ヒータ、 109 金型、 110 凝固プラグ、 111 半溶融マグネシウム合金、 112 先端ノズル、 113 ゲート部分。

Claims (10)

  1. 金属の少なくとも一部を溶融しノズルから吹き出す射出成形機と、前記ノズルから吹き出された金属を製品の成形品に成形する金型と、を備えた金属溶融射出成形装置において、一方が凸形状で他方が凹形状の金型を組み合わせた間の空間に金属を充填することにより製品成形品を形成させるとともに前記凹形状の金型に前記凸形状の金型を印篭結合部にて嵌合させることを特徴とする金属溶融射出成形装置。
  2. 金属の少なくとも一部を溶融しノズルから吹き出す射出成形機と、ノズルから吹き出された金属を製品の成形品に成形する金型と、を備えた金属溶融射出成形装置において、前記金型は、前記ノズルから製品成形品形状部の方向に金属を流すゲート部と、このゲート部の前記ノズルと対抗する位置に、前記ノズルに金属が凝固した凝固プラグが前記ノズルから吹き出された際この凝固プラグを収納するプラグキャッチャーと、前記ゲート部の先端に設けられ製品成形品形状部に接続される複数の径の縮小された接続部と、を備え、前記複数の接続部の金属が流れる面積はノズルの面積以下とするとともに前記製品成形品形状部へ充填可能な面積以上とすることを特徴とする金属溶融射出成形装置。
  3. 製品成形品形状部で、ゲート部の接続部と接続する位置の肉厚を周囲の肉厚より厚くしたことを特徴とする請求項2記載の金属溶融射出成形装置。
  4. 製品成形品形状部がプロペラファンやシロッコファン形状であり、その同一面上にゲート部の接続部を円周方向に同一ピッチで配置するとともに前記ゲート部の接続部と接続する前記製品成形品形状部の接合部分を凹部としたことを特徴とする請求項2記載の金属溶融射出成形装置。
  5. 筒状叉は中央部が筒状を有する製品成形品形状部に対し複数の接続部が接続される位置を前記筒状の外周部としたことを特徴とする請求項2記載の金属溶融射出成形装置。
  6. 金属の少なくとも一部を溶融しノズルから吹き出す射出成形機のノズルから吹き出された金属により金型の製品成形品形状部にて製品を金属溶融射出成形する金型のゲート構造において、前記ノズルから製品成形品形状部の方向に径が拡大されながら金属を流す第1スプールと、この第1スプールの先端に設けられ、前記ノズルに金属が凝固した凝固プラグが前記ノズルから吹き出された際この凝固プラグを収納するプラグキャッチャーと、前記第1スプールの先端の外周から前記製品成形品形状部の方向に金属を流す複数の脚状にまたは円錐状に径が拡大された第2スプールと、前記第2スプールの先端から周方向に金属を流すランナーと、前記ランナーに接続され前記製品成形品形状部の方向に向かってその径を縮小しながら前記製品成形品形状部に接続され金属を流す接続部と、を備えたことを特徴とするゲート構造。
  7. ランナーの外周部を製品成形品形状部の方向に向かうに従って製品成形品形状部の中心部まで縮小される径とすることを特徴とする請求項6記載のゲート構造。
  8. 接続部は複数の脚状の先端にそれぞれピンゲートまたは円錐状の先端に複数のピンゲートが製品成形品形状部と接続していることを特徴とする請求項6記載のゲート構造。
  9. 金属の少なくとも一部を溶融しノズルから吹き出す射出成形機のこのノズルから吹き出された金属により金型の製品成形品形状部にて製品を金属溶融射出成形する金型のゲート構造において、前記ノズルから製品成形品形状部の方向に流路が拡大されながら金属を流す第1スプールと、この第1スプールの先端に設けられ、前記ノズル先端に金属が凝固した凝固プラグが前記ノズルから吹き出された際この凝固プラグを収納するプラグキャッチャーと、前記第1スプールの前記プラグキャッチャー近傍の外周から前記プラグキャッチャーを包囲する形で前記プラグキャッチャーよりも軸方向寸法が長く前記製品成形品形状部の方向に流路が縮小されながら金属を流す第2スプールと、前記第2スプールの先端から前記製品成形品形状部に接続され金属を流す複数のピンゲートと、を備えたことを特徴とするゲート構造。
  10. 製品成形品形状部に接続される複数のピンゲートの面積はノズルの面積以下で前記製品成形品形状部に流し易い面積以上とすることを特徴とする請求項8または9記載のゲート構造。
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