JP3861539B2 - プロペラファン - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は低融点の合金、例えばマグネシウム(Mg)合金のような金属を、射出成形等の金属成形をしてプロペラファンとする技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プロペラファンは、一般用途はプラスチック材料で作られる。また、台所用途など火を使う場所や高温の場所で使用するときは金属にて製造されている。金属にて製造されるものの製造方法は、薄板鋼板や薄板アルミニウム板等を使用し、羽根部分を一体絞りにて構成し、別部品にて構成した回転軸部分を結合固定していた。このため、薄板鋼板で一体絞りにて構成した羽根は、翼のハブ部が急激に絞られるため、絞り部に亀裂が入ることがあり、強度的に問題があった。また、羽根形状も、スプリングバックという一旦絞られた形状が多少元に戻る現象から寸法精度が悪かった。また、羽根の材料が薄板アルミニウム板等を使用したものでは、薄くて軽いが、材料費が高くなったり、翼のハブ部が鋼板製に比べ急激に絞れない為、理想の羽根形状とはならず、特性が悪かった。また、回転軸部分が別部品であるため、製造時間がかかった。
【0003】
また、大型のプロペラファンは、羽根部分と回転軸部分は別部品にて構成されているが、その羽根部分は一体になっておらず、複数の金属製羽根を用い、羽根部分より厚い鋼板等で形成したスパイダーと呼ばれる部品で羽根を回転軸に固定するものであった。このため、羽根の材料が安価である鋼板製の場合には、部品が重くなり、羽根のバランスが悪く、バランス取りの作業が必要となり、また、製造されたプロペラファンは羽根の固有振動数が低く、高速回転には向かなかった。また、回転軸部分が別部品であるため、製造時間がかかった。
【0004】
また、プラスチック、特に強度を上げるためにガラス繊維を混入した特殊プラスチックのファン等の製品は、再利用が難しく、地球環境対策としてのリサイクルの問題から、混合材料を止めて金属部品にする見直しが行われている。また、金属部品でも、分離しにくい異種金属の組み合わせや、鋼板やアルミニウムのように製造に多大のエネルギーがかかる金属の利用よりは融点の低い金属の利用が望まれている。融点の低い金属の代表であるマグネシウム合金を射出成形するチクソモールディング法については、日経メカニカル1996.12.9,495号、日経メカニカル1998.3、522号、工業材料1998年5月号(Vol.46 No.5)、工業材料1998年10月号(Vol.46 No.10)に詳しく記載されている。チクソモールディング法はチクソロピーとインジェクションモールディングからできた造語であり、米国にて開発された低融点合金の半溶融射出成形法を意味する。マグネシウム合金インゴットから作製した米粒状のチップを原料とし、プラスチックの射出成形のように製品の金型内に高速で射出し成形品として取り出すが、この際射出するマグネシウム合金を完全な液相から任意の固体を含んだ状態など用途に応じて変えて行うことができる。
【0005】
図16は射出成形装置であるチクソモールディング装置の構造図である。151はフィーダ155へ原料を投入するホッパー、152はスクリュー153が内部で回転し電気ヒータ157で加熱されるシリンダ、154は逆流防止リング、156は不活性雰囲気、109は製品の金型、112は射出成形機から貯留部122に溜まった溶融金属を高速ショットシステムにて射出するノズル、121はロータリードライブである。図16において、ペレット状マグネシウム合金をホッパー151から投入し、フィーダ155により計量された分をシリンダ152に投入する。シリンダ152の外周部は電気ヒータ157により加熱され半溶融マグネシウム合金となっているので、不活性雰囲気156でフィーダ155と分離されている。半溶融マグネシウム合金の量を適正に管理するため射出した量のみフィーダにより計量し供給されるが、樹脂成形のように射出量と供給量が完全に一致することはない。シリンダ152に投入されたマグネシウム合金はスクリュー153の回転で前方に搬送されると共にスラリ状にされスクリューにて射出される。チクソモールディングはマグネシウム合金が持つチクソトロピ性を利用する。マグネシウム合金は固液共存状態では固相のデンドライトが枝状につながった状態で存在している。従ってこの状態では粘度が高い。回転するスクリュー153によりせん断力を連続的にかけると、デンドライトが切れて細かく粒状化する。したがって流動性が高くなる。
【0006】
図17に成形機のノズル部分の構造図を示す。110は半溶融マグネシウム合金111が先端ノズル112から流れ出るのを防ぐ凝固プラグ、113は金型109内のゲート部分である。成形機の先端ノズル112は半球面状の凸状をしており金型109のゲート113入口部はこれよりわずかに大きな半球面状の凹状をし、両者は球面にて接触結合されている。この接触結合がぴったりしなければ半溶融マグネシウム合金111が空気中に吹き出し燃焼する恐れがあり、この接触結合の調整には注意が必要である。半溶融マグネシウム合金111の先端には凝固プラグ110と呼ばれる金属が固まった固まりがあり、射出する際にはこの凝固プラグが飛び出し、百分の数秒から数十秒という極めて短時間に射出が終了する。図18は射出が終了した後で射出成形機と金型が切り離された状態の説明図である。ゲート部分113に金属片が詰まりその切り離された部分にも凝固プラグ110が残る。
【0007】
尚、プロペラファンの形状の例としては以下のものがある。
樹脂製の羽根であり低騒音化のため羽根に中空部を設けているものは、特開平10−47298号公報、特開平7−18991号公報に記載があるが、ファンの材料が樹脂であるため、高温運転時に羽根の翼が変形してしまうという問題があった。
【0008】
薄板鋼板や薄板アルミニウム板等を使用し、羽根部分を一体絞りにて構成し、例えばアルミダイカスト製の回転軸部分(ボス部のフランジを結合部品)にては別部品(例えばリベット)にてカシメ結合しファンを構成しているものは、実公平3−54337号公報に記載があるが、薄板鋼板で一体絞りにて構成した羽根は、翼のハブ部が急激に絞られるため、絞り部に亀裂が入ることがあり、強度的に問題があった。また、羽根部分の材料は同様で、スパイダーを用いたものは、実公平5−45838号公報、実公平7−23600号公報に記載されている。
【0009】
羽根の翼形状を、遠心力を利用し速度境界層を制御し、低騒音にするため遠心力に逆らった形状をしたものは、特許1577205号に記載されているが、この形状は、応力的にみて非常に不利な形状をしているという問題があった。
【0010】
羽根の負圧面側に気流剥離抑制リブを設けて、騒音を低下させるものは、特開平9−228995号公報、特許2566183号公報に記載がある。
【0011】
マグネシウム合金を使用したプロペラファンの形状及び製造方法は、例えば特開平10−205493号公報に記載されている。また、マグネシウム合金を使用した軸流ファンについては、1950年頃に冷却塔のファン(羽根車)で実用化されていることが、「マグネシウム読本 諸住正太郎 カロス出版」に記載されており、ダイカスト法でも自動車関係がクーリングファンとして実用化しており、更にはアルミダイカストを用いたもの等は多数実用化されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
薄板鋼板や薄板アルミニウム板等を使用し、羽根部分を一体絞りにて構成し、回転軸部分は別部品にてカシメ結合しファンを構成しているものは、重量が大きくなりバランス取り作業が必要となったり、カシメの凹凸部が多くなり、ファンが回転する時に風切り音や騒音が大きくなるという問題があった。また、アルミニウムやプラスチックを使用する場合は、材料費が高いだけではなくリサイクルにも問題がある等、地球環境から見て望ましくないという問題があった。一方、融点の低い金属の代表であるマグネシウム合金を射出成形するチクソモールディング法はマグネシウム合金が金型材料の鉄との反応性は小さいが、プラスチックと比べて収縮率が非常に小さいため金型とマグネシウム合金の離型の問題からプラスチック成形では通常使用しない離型剤を金型に塗布することが一般的であった。また、短時間で射出を終了させるため薄くかつ多くの翼に均等にマグネシウム合金を充填させることが難しく実用性が困難であるという問題があった。すなわち、チクソモールディング法では、ファンのような複雑な形状に溶融金属を充填させる場合は実用的ではなく離型などの金型対策にも問題が、製造には時間やコストがかかるという課題があった。また、マグネシウムダイカスト法においても同様の課題があった。
【0013】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、マグネシウムのような低融点合金の射出成形等の金属成形により製造したプロペラファンを提供しようというものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
この発明のプロペラファンは、円筒状または円錐状のハブ部の外周部に多数の翼を一体に成形した羽根部と、前記ハブ部の中央部に設けられ前記羽根部を支持するとともにモーターにて回転駆動される軸部分を有し、前記羽根部と共に前記軸部分も金属を溶融させて一体に成形したプロペラファンであって、前記軸部は成形する際に前記羽根部への金属の流路となる成形される金型のゲート部分かあるいは凝固された凝固金属を収納する収納部の少なくともどちらかの一部分であり、前記ハブ部の吸込側には、前記ゲート部分の前記翼を成形するための複数のピンゲートのゲート処理をするための複数の凹部を設けたものである。
【0015】
また、この発明のプロペラファンは、請求項1に係る前記手段における凹部の数は、羽根部の翼の枚数と同一又は、翼の枚数より多くしたものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1につき図を用いて説明する。図1乃至図3は本発明の一実施の形態であるプロペラファンを製造する場合の説明図を示している。図1はゲート加工状態の断面図、図2はゲート加工前の断面図、図3はゲート加工前の斜視図である。図において、6は円筒状または円錐状(円錐台状を含む)のハブ部、5はハブ部6に一体となって羽根部33を構成する多数設けられた翼、8は成形された後で加工される回転軸穴7を有するボス部、2は射出成形機から射出される溶融金属がボス部8から羽根部33へ流れて充填される金型の入り口であるゲート部、3は射出成形機のノズル部分で引きちぎられた凝固プラグ(ゲート部2の端部に接続されたプラグ部)、4は射出成形機のノズル出口を塞いでいた凝固した金属を収納する収納部(ゲート部2の端部に接続されたプラグキャッチャー部)である。9は羽根部33の吸込側(負圧面側)に一体成形にて設けられた気流剥離抑制リブである。30はオーバーフロー部である。
【0029】
図1乃至図3の構造において、回転軸穴7に直結されたモーターの回転により羽根部33が回転している。羽根部33を支え回転させる軸部分は、射出成形される金型のゲート部2を図1の点線のように取り除いてボス部8が完成する。ここで、金型の設計時に軸部分のボス部8の外径寸法をゲート部2の外径寸法と同一にしておくと、プラグキャッチャー4の先端若しくはゲート部2の射出側を機械加工で切り落とし、且つ回転軸穴7を加工するだけで良い。また、軸を長くする場合や軸径を変えたい場合は、金型のゲート寸法などを選択することにより自由に設計できる。
【0030】
以上より、円錐状のゲート部2の位置をハブ部6の中心とすることにより、射出成形機から射出するゲート部分、の形状をうまく利用することにより、プロペラファンの金型設計を有効に生かしながら材料を節約でき、加工の少ない構造を得ることができる。またマグネシウムの加工屑も少なくなり加工作業の安全性を高められる。以上、ゲート部2はハブ部6の偏った部分に設けるものではないので、軸中心から多数の翼5が形成される周囲へ、均等にマグネシウム合金を充填させることができた。例えばチクソモールディング法等の金属成形でマグネシウム合金を使用し金属製ファンを一体成形する場合、軸中心から多数の翼が形成される周囲へ、溶融金属を均等に充填させることができ、また軸を長くする場合や、軸径を変えたい場合等、容易に対応できる。
【0031】
マグネシウム合金で一体成形した羽根は非常に強度面で優れ、例えば高速回転に適する。同一羽根で回転数を2倍にした場合には風量は2倍で圧力は4倍、軸動力は8倍となる。また、モーターの出力は軸動力と同じになるが、一般的には出力が増すにつれモーター軸、すなわち回転軸穴7の大きさが異なる。すなわち、本特許によれば羽根形状は同一で出力の異なる、すなわち回転軸穴7の異なるものを容易に製造することが可能となる。
【0032】
図3において30はオーバーフロー部である。このオーバーフロー部30は、金型内の溶融金属が成形品(ファン)を充填するとき真空引きが行われるが、その真空引きする部分をオーバーフロー部30として翼5に設ける。このようなオーバーフロー部30を設けることにより、チクソモールディング法の射出量と供給量が完全に一致しないという欠点から発生する、部分的に充填されない、いわゆる欠肉や巣の発生を防ぐことができ、成形品の品質向上が図れる。通常、オーバーフロー部30は薄い接続部としているため、翼5からの取り外しは簡単にできる。
【0033】
図1は、羽根の外周部の厚みに対し、ハブ部6と結合する翼5の根元部分の厚みを2倍より小さく収めたものである。翼根元厚みを1.0mmから1.5mmにする効果は構造解析プログラムで計算すると応力値で38%低下、翼変形量で46%低下することが分かった。また同時に翼厚みに分布をもたせ、すなわち翼の外周部の厚みに対し、翼の根元部分の厚みを1.5倍以内とすれば、騒音特性が悪化しなく2倍より小さくすれば実用上さしつかえないことが実験的にも明らかになった。また、従来のプラスチックで構成されたファンより騒音を低下でき、最も騒音が低くできる翼厚みの一定な薄翼ファンに比べても騒音悪化が少なく、応力も低下でき、成形性も良いファンができる。
以上より、騒音特性を悪化させることなく強度的に優れた羽根が出来、しかも材料費もあまり変わらないことから、製造コストもほぼ同様に出来るものである。
【0034】
図1乃至図3のプロペラファンはマグネシウム合金製のものである。図において、羽根外径XはΦ260、羽根内径(ハブ径)YはΦ92である。また、羽根部33の各翼の厚みについては、通常のプラスチックで構成される翼の根元厚みは強度を保つために3.5mmは必要としており、大変厚くなっているが、本願の翼5の根元厚みZ(翼5がハブ部6に結合する場所のrが無くなったところ)はマグネシウム合金製であるため、プラスチックより強度が強いため、1.5mmとなっている。また、ファンの高速回転にも耐えられる翼5とするためには、翼根元厚みZは1.5mmにする。これに伴い、ハブ部6の厚みは、翼根元厚み(翼の内周部厚み)Zの1.5mmより多少厚い1.75mmとした。尚、翼根元厚みZを1.0mmから1.5mmにすると、構造解析プログラムで計算すると、応力値で38%程度低下、変形量で46%程度低下する。尚、羽根部33全体を同じ厚みにすると、性能が良くなる。
【0035】
図7は羽根外径Φ260、4枚羽根についての騒音特性と強度及び成形性の関係を示す表である。翼先端厚みを1.0mmとして、翼根元厚みを変化させた場合を示している。横軸は翼根元厚み、縦軸は騒音値及び応力値である。図7において、実線は応力値を示しており、翼の根元厚みが薄い程応力は上がる。また、点線は騒音値を示しており、根元厚みが薄いほど騒音も低くなる。
よって、騒音特性が良好であり、成形が容易であり、強度が有利である、翼の根元厚みは1.5mm付近が良いが、騒音特性を見ると、根元厚みは2mmより小さければ騒音の悪化は0.3dB程度であり実用上さしつかえがないことから2倍より小さくすれば良いことが分かる。また、従来のプラスチック羽根と比較すれば、翼の根元厚みは3.5mmであるため、騒音は約2dB高くなり、しかも剛性が弱く寸法精度も悪いため、更に騒音が高くなる。よって、本発明の羽根の方が約3dB程度低くなる。
【0036】
図3において、9は羽根5の吸込側(負圧面側)に一体成形にて設けられた気流剥離抑制用リブである。本実施の形態によれば、マグネシウム合金で一体成形する羽根であるため、金属製にもかかわらず、プラスチック製の羽根のように、非常に容易に気流剥離抑制用リブ9を設けることができ、製造コストをほとんど上げることなく騒音が低下する。
これに対し、従来の金属製羽根のように、羽根を薄鋼板や薄アルミニウム板で構成する場合には、上記気流剥離抑制用リブ9を精度良くしかも低コストで設けることは困難である。例えば、金型による絞りでは、リブの先端の外周部に丸みがついてしまい気流剥離抑制効果が十分に発揮できないという問題がある。
【0037】
本発明で採用したダイレクトゲート方式の製造方法、すなわち図3で示すゲート部2加工前の断面図のものを製造する方法を次に説明する。図4乃至図6にて金型構造および離型動作を説明する。
図4乃至図6はプロペラファンを製造する金型構造の断面図である。図において、1は羽根部である製品の成形部、2はゲート部、101は射出する出口に凝固プラグ3が詰まっている射出成形機(チクソーモールディング装置)の先端ノズル、102は金型の固定側金型(キャビティー)で、固定側取付板103により、成形機にボルト等で固定される。104は可動側金型(コア)で、可動側取付板105により、成形機にボルト等で固定される。キャビティー102はモールドベース102aと固定側取付板103により構成され、モールドベース102aは、右側に型抜きされる製品の片側形状が掘りこまれている。場合によっては、入れ駒と呼ばれる部品に製品の片側形状が彫り込まれ、この入れ駒が前記モールドベース102aに組み込まれる場合もある。キャビティー102と反対側のコア104は、モールドベース104aと可動側取付板105、エジェクター104bと、スペーサーブロック104cにより構成されている。モールドベース104aは、左側に型抜きされる製品の片側形状が掘りこまれている。エジェクター104bは押し出し装置106の力を得て成形品を金型から押し出すものであり、スペーサーブロック104cはエジェクター104bの左右の摺動範囲を決めるものである。エジェクター104bの先端にはストッパープレート104dが取り付けられており、これにより成形部1は可動側のモールドベース104aから離型され、成形品をスムーズに取り出される。
【0038】
次に成形プロセスを説明する。
先ず、先端ノズル101内には成形部(製品)1の材料であるマグネシウム合金107が溶融状態で入っている。先端ノズル101から射出された溶融状態のマグネシウム合金107は、固定側金型102のモールドベース102a及び可動側金型であるコア104のモールドベース104aに掘り込まれた製品形状の中に、非常に短時間(型締め力450t成形機の場合百分の数秒から数十秒)で充填され、その後金型内で数秒程度冷却され、モールドベース102a、104a内で固着状態の成形品1となる。この際、成形品1と先端ノズル101をつなぐ部分はゲート部と呼ばれ、ゲート部2と、ゲート部を構成する成形部側に設けられたプラグキャッチャー4と金属射出側に設けられた凝固プラグ3とから成っている。
ここで、凝固プラグ3をプラグキャッチャー4に確実に収納させるため、衝突した後動かないような外径にすると良い。ゲート部2のハブ部6に接する径、プラグキャッチャー4の径、凝固プラグ3の径の順に径を小さくすることにより、成形時に凝固プラグをプラグキャッチャーに確実に収納させる事ができるため、凝固プラグがゲート部の溶融金属の流れをさまたげて成形性が悪くなるという問題は発生しない。例えばゲート部2のハブ部6と交わる径を30mm、プラグキャッチャー4の径を18mm、凝固プラグ3の径を14mmにする。
【0039】
次に、図5に示すように、先端ノズル101が固定側金型102から矢印1の方向に後退(右方向に移動)することにより、ゲート部2の先端部の凝固プラグ3でせん断され、成形品1と先端ノズル101は切り離される。
【0040】
次に、可動側金型104が矢印2の方向に成形機の動作により、固定側金型102から離れる。この際、成形品1は可動側金型104のモールドベース104aと成形品1の離型抵抗は固定側は可動側より小さくしなければならない。
【0041】
最後に、図6に示すように、エジェクター104bの先端に取り付けられたストッパープレート104dが押し出し装置106の力を得て、固定型金型102に摺動し、成形品1を可動型金型104のモールドベース104aから取り出す。
以上のような成形機により、例えばマグネシウム合金を使用し、軸中心から多数の翼が形成されるプロペラファンを短時間でしかも高精度に一体成形することができる。
【0042】
以上、主にチクソモールディング法により射出成形する方法を説明したが、マグネシウム合金を使用しプロペラファンを一体成形する金属成形方法としてはダイカスト法もある。ダイカスト法については前記「マグネシウム読本 諸住正太郎 カロス出版」に記載されている。
ダイカスト法には、コールドチャンバー法とホットチャンバー法がある。以下、図により簡単に説明する。図12はコールドチャンバー法の成形プロセスの説明図、図13はホットチャンバー法の成形プロセスの説明図である。図において、109は金型、109aは固定型、109bは可動型、109cは金型空間、130は溶湯、132は加圧室(ショットスリーブ)、133は自動給湯機、134はピストン、135は溶湯130が成形された成形品(製品)、136はゲート部、137、138はエジェクターピン、139は先端ノズル、140はるつぼである。
図12においてコールドチャンバー法を説明する。この方法は以下のステップ(step)からなっており、図12(a)の様な溶湯130を加圧室132へ注ぐstep1、図12(b)の様な金型109内へ溶湯130を射出するstep2、図12(c)の様な金型109の可動型109bを開くstep3、図12(d)の様な溶湯130が成形されて出来上がった成形品(製品)135を金型109から押し出すstep4とからなる。
【0043】
コールドチャンバー法では、加圧室132が溶融マグネシウム合金である溶湯130の中になく、加熱されていない。溶湯130は図示のない保温炉より手汲みか自動給湯機133により、サイクル毎に加圧室132に注ぎ込まれる(step1)。次にピストン134が加圧室132内を左側に摺動することにより溶湯130は金型109に彫り込まれた金型空間109cの内部に射出される(step2)。次に金型109の可動側金型109bを図示の左側に移動し金型109を開く(step3)。最後に、固定側金型109bから製品135を押し出し手段であるエジェクターピン137、138を使用し押出す(step4)。この際、製品135には成形時に同時にできたゲート部136が付いているため、後加工で取り除く。コールドチャンバー法はホットチャンバー機より成形時間が長くなるが、加圧室132が溶湯130の中にないため高融点金属の鋳造が可能となる。
【0044】
これに対し、ホットチャンバー法を図13により説明する。この方法は以下のステップ(step)からなっており、図13(a)の様な加圧室132へ溶湯130が流れ込むstep1’、図13(b)の様な金型109内へ溶湯130を射出するstep2’、図13(c)の様な金型109の可動型109bを開くstep3’、図13(d)の様な溶湯130が成形されて出来上がった成形品(製品)135を金型109から押し出すstep4’とからなる。
【0045】
加圧室132が溶湯130の中にあり加熱されている。成形法はちょうど水鉄砲の様であり、先ず、るつぼ140の中に溶湯130が600℃程度の高温で加熱されている。加圧室132には、加圧室湯口141よりピストン134が上昇した状態で給湯される(step1’)。次にピストン134が加圧室132内を下側に摺動することにより溶湯130は先端ノズル139より金型109に彫り込まれた金型空間109cの内部に射出される(step2’)。この際、先端ノズル139と金型109との接合面はぴったりしていなければ、溶融状態のマグネシウム合金が空気中に吹出し燃焼する恐れがあるため、この接触結合の調整には注意が必要である。また、るつぼ140は、例えばフタ(図示せず)等で密閉されており、溶湯130の材料となるマグネシウム合金インゴットを追加する時はフタ等を開けるがこの時溶融マグネシウム合金が空気と反応するのを防ぐためフタと溶湯130の空間部は常にSF6+Airで充填されており、常に溶湯130の品質を保つために密閉している。次に金型109の可動側金型109bを図示の左側に移動し金型109を開き、ピストン134を上昇させる(step3’)。最後に、可動側金型109bから製品135をエジェクターピン137、138を使用し押出す(step4’)。この際、製品135には製品135成形時に同時に形成されたゲート部136が付いているため、後加工で取り除く。この状態で加圧室132とピストン134は次の射出が可能な状態となる。
【0046】
このようにホットチャンバー法はサイクル毎に加圧室132に給湯する必要がないので、成形時間が早く出来る。但し、加圧室132が溶湯130の中にあるため、加圧室132およびピストン134の材料は耐熱性に優れかつ溶融マグネシウムとの反応性の低い材料が使用される。ここでマグネシウムは鉄との反応性が低いため融点が高い耐熱鋼を使用することが出来るが、600℃程度の高温の溶湯130内で溶融金属を射出するため加圧室132内をピストン134が高速で上下動するため、例えば10万ショット毎に加圧室132内とピストン134をオーバーホールする必要がありこれが成形コストの上昇原因となる。ここで、アルミニウムダイカストとの大きな相違は、マグネシウムは鉄との反応性が低いためホットチャンバー法ができ、チクソモールディングと同様連続成形が可能であるが、安全面での注意が必要である。アルミニウムは鉄との反応性が高いためホットチャンバー法は実用化に至っていない。
【0047】
それぞれの特徴は機構上、コールドチャンバー機では大型部品が作られるが、ホットチャンバー機は小型部品に限られる。しかし、溶湯の酸化防止、鋳造圧力、生産性等の点ではホットチャンバー機が優れる。すなわち小物部品で大量生産が必要なものはコールドチャンバー機に比べ連続成形が可能で成形時間が早いホットチャンバー機を使用しないと、生産個数が多い場合には、1つの金型では生産できなくなり同じ金型が余分に必要となる。
ダイカスト法はチクソモールディング法に比べると成形機の型締め力が半分程度に出来るため小型の成形機で成形が可能となるが、射出速度が低いため例えばシロッコファンのような薄翼で軸方向に長い製品には不向きである。また、金型の抜き勾配も大きくとる必要があるため、図3のハブ部6の外周部に翼5の根元の後縁側と次の翼の前縁側を接続するすなわち金型の合わせ面の段差はチクソモールディングでは0.3mmであった段差が1mm発生するが、機能上問題なくダイカスト法でも成形は可能であり、この場合には、チクソモールディングの場合必要であった凝固プラグ3を収納する収納部4を設ける必要はないが、ゲート部は同様の形状である。
【0048】
コールドチャンバー法では、作業手順が正しく、金型の精度が確保されていれば突然異常が起こったりすることはない。しかし、ホットチャンバー法では、予期しない時に異常が起きることがある。特に多いのはチクソモールディングと同様、先端ノズル139と金型109の接触不良による半溶融マグネシウム合金111の吹出し燃焼である。このほかに、ホットチャンバー法では、パレットに入れた材料のインゴットは通常乾燥炉に入れ、乾燥しインゴット内の水分を完全に取り除く必要があるが、乾燥が不十分でインゴットの中央部に結露がありるつぼに投入した際に溶湯が飛散した。離型剤の二度吹きによるキャビティー内に残った水分とマグネシウムがキャビティー内で反応し異常な燃焼をした。作業前にショットスリーブを十分加熱しなかったため、ショットスリーブ内に結露しその水分とマグネシウムが反応して異常が起きた、等の事例が報告されており、これを対策するため自動化が行われている。
【0049】
図14に図3に記載のオーバーフロー部30を取除く方法の一例を示す。図14(a)はトリミング上型の斜視図、図14(b)はトリミング下型の斜視図である。
手作業で加工する方法と本実施の形態のようにトリミング金型を使用しプレス機で切断する方法がある。141はトリミング上型、142はトリミング下型であり、プレス機に取付け、トリミング下型の上にオーバーフロー部30が取付いた製品で例えば図3の状態のものを乗せ、上方からトリミング上型141を下降させ、羽根外周部をプレスすることにより取り除くものである。
【0050】
このトリミング金型は平板状の物であれば比較的安価に製造できるが、プロペラファンの羽根の外周部のように3次元形状をしている物については高価となる。すなわち、大量生産でトリミング金型の償却が出来るものは、トリミング金型費用が余分に必要であるが加工費用が安価にできる本方式が適しており、逆に生産台数が少ないものはトリミング金型を製作せず手作業で加工した方が良い。
【0051】
実施の形態2.
以下、この発明の実施の形態2につき図を用いて説明する。
図8、図9はプロペラファンの製造方法をピンゲート方式としたものである。
【0052】
プロペラファンは、ダイレクトゲート方式またはピンゲート方式を用いて製造できる。ダイレクトゲート方式は、回転軸中心(ハブ部6の中央部)から羽根の材料であるマグネシウム合金を直接充填するものであり、ピンゲート方式は、ハブ部6の数箇所から羽根の材料であるマグネシウム合金を直接充填するものである。尚、ゲート方式にはサイドゲート方式もあるが、この方式は、複数枚の薄翼に均等に充填させることが困難なことや、翼の外径部は3次元形状でゲート処理や金型製作が複雑で、しかも製品の投影面積のみならず、ゲート部分を含めると成形部品全体の投影面積が大きくなり、結果的にみて金型が大型になり成形機も大型になるという欠点があり不向きと考える。
実施の形態1の説明では、溶融金属をノズルから射出するゲートは1箇所からのケースを示している。しかしながら一つのノズルから射出された金属をゲート部分で複数に分岐して成形品には複数の小さな流入口からピンゲート2を通し充填することも可能である。この場合、射出成形機のノズルと金型の成形品の間にピンゲート2を設ければ良い。
図8はプロペラファンの斜視図である。図において、5は翼、6はハブ部、8はボス部、9は翼5の負圧面側(吸込側)に一体成形にて設けられた気流剥離抑制リブ、10はハブ部6に設けられた凹部である。また、図9は図8の断面図である。
【0053】
この方法によれば、回転軸穴7部分のボス部8の後加工を必要とせずに、さらに容易にファンを製造できる。
これを実施するための形状として、羽根の吹出側(圧力面側)のハブ部分の外周部を他のハブ部分の厚みの1.5倍以上とし、ハブ部分6の翼5の吸込側(負圧面側)にはマグネシウム合金を充填するゲート部の複数のピンゲートのゲート処理をするため、凹部10を翼の枚数と同一または多く形成したものである。凹部が翼の枚数より少ない場合に比べて、複数の各翼に均等に溶融金属を充填でき、成形性も良い。
ゲート処理をするため凹部10の形状を、ピンゲート部外径Φ4に対し外径Φ6で深さを1mmとした。またピンゲートの個数は、羽根枚数4枚の羽根で4箇所とした。この場合には、ゲート処理も良好で例えば清掃などの場合、この部分で雑巾等が引っ掛かるというようなことはなかった。但し、この製造方法によれば回転軸穴9を任意に変更することはできない。
以上より、回転軸穴部分のボス部の後加工を必要とせずに、さらに容易にファンを製造できる。また、ゲート処理も良好で例えば清掃などの場合、この部分で雑巾等が引っ掛かるというようなことはないファンが提供できる。
【0054】
実施の形態3.
図10は、実公平3−54337号公報に記載の、翼5の材質がアルミニウム板製で板厚が1.2mm、羽根外径がΦ260の場合と、本実施の形態1(図1〜図3)で気流剥離抑制用リブ9を設け製作した場合の性能比較表である。図10(a)の横軸はファンの風量Q[m3/h]、縦軸は回転数N[min-1]、図10(b)の横軸はファンの風量Q[m3/h]、縦軸は騒音レベルSPLA[dB(A)]、図10(c)の横軸はファンの風量Q[m3/h]、縦軸は静圧Ps[Pa]である。
【0055】
図10において、実線はマグネシウム合金製羽根車、破線はアルミニウム板製羽根車である。図において、大風量領域では3dB程度マグネシウム合金製羽根車の騒音が低い。これは気流剥離抑制リブ9を一体に設けたことによる寄与度が大きい。更に、中風量領域でも約4dB程度騒音が低い。これはアルミ板を一体絞りにて製造したファンは、急激な絞り加工が出来ないため、ハブ部分の翼形状が理想的に製造できないことから中風量領域で流れる風の騒音が発生するためである。従って、全風量領域においてマグネシウム合金製羽根車は騒音を低下することが出来る。
【0056】
チクソモールディングの場合、先端ノズルの先に凝固プラグ3があり、溶融金属が流れ出るのを防ぎ、射出することにより凝固プラグ3が収納部4に収められ、溶融金属がゲート部2に流れる構成である。ホットランナーとは、金型キャビティーまで溶融した状態で溶融金属を供給する仕組みで、エンプラ(エンジニアリングプラスチック;特殊プラスチック)の射出成形機などでは普通に用いられている仕組みである。
マグネシウム合金の射出成形は、溶融温度が600℃とエンプラの200℃前後に比べてはるかに高温なため、ホットランナーのマニホールドとホットチップを特殊な耐熱鋼製として解決している。以上までの成形では、図4乃至図6で説明した通り、溶融金属を金型まで流す通り道のダイレクトゲート部2が必要であり、その後取り除いていたため、材料の歩留まりが低かった。さらに、成形のサイクルタイムも30%程度短縮可能で、実際に射出成形する溶融金属の量が減ったため、型締め力の小さい射出成形機で成形できるケースもあると報告されている。
ホットランナー機構部は、加熱・冷却機構に独自の電磁誘導加熱コイルの耐熱性などを改善し実用化したものである。この技術が改良されれば、チクソモールディングの欠点である射出量と充填量の不一致のために必要であったオーバーフロー回路が小さくなりこの部分を取り除く作業が容易となり、製造コストの削減やこの部分のリサイクルも容易となる可能性も出てきた。
【0057】
実施の形態4.
図11は本発明の別の実施の形態を示すプロペラファンの図である。図11(a)は側面図、図11(b)は正面図である。図において、5は羽根、7は回転軸穴、8はボス部、13はスパイダーである。厚みの薄い羽根5と羽根部分より厚みの厚いスパイダー13とを一体成形にて構成し羽根5の吸込側(負圧面側)のスパイダー13に設けられた回転軸穴7部分にマグネシウム合金を充填するゲート部2を有し、その反対面の翼の吹出側(圧力面側)にチクソモールディングの凝固プラグ3を収めるプラグキャッチャー4を有し、ゲート部2及びプラグキャッチャー4を後加工にて加工し、回転軸穴7を有するボス部8を構成したものである。本実施の形態によれば、プロペラファンをマグネシウム合金で一体成形できるため、例えば羽根とスパイダーの結合部の厚みを自由に設計でき、強度的にも優れ、騒音も低く、更にはリサイクルにも優れる比較的大型の金属製のファンが一体成形で容易に製造できる。
【0058】
プロペラファンの羽根部の翼の厚みをすべて均一にすると、強度面や成形性で問題がない場合には最も低騒音、軽量で材料費の安価なファンが提供できる。
以上説明したマグネシウム合金は、例えばAZ91Dである。マグネシウムは低融点であるだけでなく、他の金属に比べ密度が低く(アルミニウムの2/3、鉄の1/4)、軽いプロぺラファンができ、回転体には最も適していると言える。また、比強度、比耐力、振動吸収力、放熱性、寸法安定性、電磁波遮蔽性などに優れた特徴を示す。
尚、マグネシウム合金を用いて製造された部品には、その部品がマグネシウム合金で作られているマーク、例えばAZ91Dをつけることにより、リサイクル率が上がる。
【0059】
実施の形態5.
図15は、この発明の実施の形態5によるプロペラファンのゲート加工状態の断面図であり、図1、図4と同一符号は同一部品を示す。図において、2はゲート部、5は翼、6はハブ部、7は回転軸穴、8はボス部、102aは右側に型抜きされる製品の片側形状が掘りこまれているモールドベース、143は回転軸金型ピンである。
図15において、本実施の形態は、前記したマグネシウムダイカスト法やチクソモールディング法のホットランナー法の場合に応用される形状で、図1に記載の溶融金属が流れ出るのを防ぐ凝固プラグ3とこれを収納する収納部4が不要である。収納部4が不要となるため、図1のように後加工でこの部分を取り除く必要が無くなる。また、金型の可動側のハブ部6の内面側を構成する部分に軸穴と同一形状の回転軸金型ピン143を設けておくと成形と同時に回転軸穴7が形成でき、後加工はゲート部2の先端を切断するだけの加工となり非常に容易となる。また特に軸穴加工を後加工で形成する場合は、ハブ部6との軸中心の0.1〜0.2mm程度のズレによるバランス不良などが発生する恐れがあり加工治具は精度を要するが、本実施の形態においては回転軸穴7は一体成形により形成されるため非常に高精度となる。
図のように、回転軸金型ピン143の先端(図では右側)を砲弾型か半球面状にすれば、ゲート部2からハブ部6に溶融金属が流れる時に前記回転軸金型ピン143により溶融金属の流れが阻害されることが低減される。なお、回転軸穴7の径寸法が大きくなった場合には、ゲート部2の溶融金属の流路面積を確保するため当然ボス部8の外径寸法を大きくとる必要があるが、ボス部8の外径寸法を大きくとれない場合には後加工で前記回転軸金型ピン143により形成された回転軸穴を大きくすればよく、この場合は最初から軸穴加工をするのではなくあらかじめ軸穴が開いているため容易で、さらには、前記で述べたように駆動モーターのパワーが大きくなり、これにつれて駆動モーター軸径が大きくなる場合も同様に対応が可能である。
回転軸金型ピン143は、ゲート部分2の射出側の反対側の金型可動型側に、回転軸穴7と同一形状のピンを設けたものでも良い。
【0060】
以上、金型に回転軸穴7と同一形状の回転軸金型ピン143を設け、ハブ部の中央部に設けられ羽根部を支持すると共にモーターにて回転駆動される軸部であって羽根部と共に金属を溶融させ一体に成形する軸部から溶融金属を射出するステップと、溶融金属を射出し成形品とした後にゲート部分の一部を取り除いて回転軸穴7を形成させるステップとを備えたことになる。よって、回転軸穴7は成形した後に余分のゲート部分を取り除くだけで構成可能となる。また、軸部の回転軸穴7の機械加工が不要でしかも高精度となり、成形後の加工が少ない高精度なプロペラファンが得られる。
【0061】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0064】
の発明のプロペラファンは、回転軸穴部分のボス部の後加工を必要とせずに、ゲート処理も良好である。
【0065】
また、この発明のプロペラファンは、複数の翼に均等に溶融金属を充填でき、成形性も良い
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるプロペラファンのゲート加工状態の断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1によるプロペラファンのゲート加工前の断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態1によるプロペラファンのゲート加工前の斜視図である。
【図4】 この発明の実施の形態1によるプロペラファンの金型構造の断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態1によるプロペラファンの金型構造の断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態1によるプロペラファンの金型構造の断面図である。
【図7】 この発明の実施の形態1によるプロペラファンの騒音特性と強度と成形性の関係図である。
【図8】 この発明の実施の形態2によるプロペラファンのゲート加工状態の斜視図である。
【図9】 この発明の実施の形態2によるプロペラファンのゲート加工前の断面図である。
【図10】 この発明の実施の形態3によるプロペラファンの性能比較図。
【図11】 この発明の実施の形態4によるプロペラファンの側面図及び正面図。
【図12】 コールドチャンバー法の成形プロセスの説明図である。
【図13】 ホットチャンバー法の成形プロセスの説明図である。
【図14】 トリミング金型の斜視図である。
【図15】 この発明の実施の形態5によるプロペラファンのゲート加工状態の断面図である。
【図16】 従来の射出成形機の断面図である。
【図17】 従来の射出成形機の部分断面図である。
【図18】 従来の射出成形機の部分断面図である。
【符号の説明】
1 成形部、2 ゲート部、3 凝固プラグ、4 プラグキャッチャー、5 翼、6 ハブ部、7 回転軸穴、8 ボス部、33 羽根部、130 溶湯、 132 加圧室、133 自動給湯機、134 ピストン、135 製品、136 ゲート部、137 エジェクターピン、138 エジェクターピン、139先端ノズル、140 るつぼ、141 トリミング上型、142 トリミング下型、143 回転軸金型ピン。

Claims (2)

  1. 円筒状または円錐状のハブ部の外周部に多数の翼を一体に成形した羽根部と、前記ハブ部の中央部に設けられ前記羽根部を支持するとともにモーターにて回転駆動される軸部分を有し、前記羽根部と共に前記軸部分も金属を溶融させて一体に成形したプロペラファンであって、前記軸部分は成形する際に前記羽根部への金属の流路となる成形される金型のゲート部分かあるいは凝固された凝固金属を収納する収納部の少なくともどちらかの一部分であり、前記ハブ部の吸込側には、前記ゲート部分の前記翼を成形するための複数のピンゲートのゲート処理をするための複数の凹部を設けたことを特徴とするプロペラファン。
  2. 凹部の数は、羽根部の翼の枚数と同一又は、翼の枚数より多く形成したことを特徴とする請求項1に記載のプロペラファン。
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