JP2967385B2 - 金属射出成形品の製造方法および金属射出成形品 - Google Patents

金属射出成形品の製造方法および金属射出成形品

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JP2967385B2
JP2967385B2 JP5044444A JP4444493A JP2967385B2 JP 2967385 B2 JP2967385 B2 JP 2967385B2 JP 5044444 A JP5044444 A JP 5044444A JP 4444493 A JP4444493 A JP 4444493A JP 2967385 B2 JP2967385 B2 JP 2967385B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属原料をインライン
スクリュ式射出機に供給する供給工程と、該供給工程に
より供給された金属原料をスクリュを駆動して混練する
と共に、混練により得られる熱とシリンダバレルの外部
に設けられている加熱装置から加える熱とで混練溶融す
る混練溶融工程と、該混練溶融工程で混練溶融された金
属原料を射出シリンダバレル内に所定量貯蔵する貯蔵工
程と、該貯蔵工程により貯蔵された金属原料を金型へ射
出する射出工程とにより金属射出成形品を製造する、金
属射出成形品の製造方法およびこの方法により製造され
る金属射出成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】機械構成部品は、周知のように金属から
も、また合成樹脂からも製作されている。合成樹脂から
機械構成部品を成形するときは、大部分は射出成形によ
っている。射出成形法は、精密成形品の多品種多量生産
に適している。したがって、この射出成形法により自動
車部品、OA機器用部品、FA機器用部品、事務機器用
部品等を得ることができる。しかしながら、樹脂の種類
は多く、成形品も多岐にわたっているので、不要になっ
た合成樹脂成形品を回収しても、樹脂を種類毎に分離す
ることは、化学的操作を用いても、また物理的手法によ
っても極めて困難で、経済的にできない現状にある。異
種樹脂が混在した材料で成形すると、所望の品質の成形
品が得られないので、回収した合成樹脂からは品質に比
較的厳しさが要求されない敷石、ベンチ等を成形する程
度に留まり、用途が限定され、再生利用も充分には行わ
れていない。
【0003】一方、金属からは上記のような機械構成部
品は、切削、プレス等の機械加工によって製作され、ま
た金属粉末から得られる焼結法、鋳造法等によっても製
造されている。鋳造法は、製造しようとする製品の形
状、寸法をもった空隙を有する砂あるいは鋳型に、溶け
た金属を注入して製品を得る方法で、鋳型に溶融金属を
鋳込むだけで、鋳型通りの所望の鋳物あるいは製品を製
造できる利点がある。また使い古された鋳物製品は、回
収して溶解炉で溶融して、再利用することも比較的簡単
である。しかしながら、鋳造法によると、溶融金属は重
力の作用のもとで凝固しているので、鋳物製品には巣が
でき品質が劣るという欠点がある。また重力の作用のも
とで凝固しているので、精巧な鋳物製品はできない。そ
こで、品質の改善、より複雑、精巧な鋳物製造、あるい
は生産の合理化のため、重力以外の力を利用する加圧鋳
造法が提案されている。加圧鋳造法としてはホットチャ
ンバー法、コールドチャンバー法、スクイズキャスト法
等が知られ、スクイズキャスト法により、自動車のアル
ミホイールのような大型製品が鋳造され、中小の小物品
は、ホットチャンバー法、コールドチャンバー法等で製
造されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の加圧鋳造法によ
ると、鋳物から巣をある程度除去することができので、
品質はある程度向上する。また加圧するので色々な形状
の金属製品を比較的精度良く得ることはできる。また加
圧鋳造法による鋳物製品も、回収すれば溶解炉で再溶融
することができるので、再利用も比較的簡単にできる。
しかしながら、鋳型全体を容器に入れ、雰囲気をガス圧
で高めて鋳造するので、雰囲気圧力が一般に低い。した
がって、鋳物に気泡が残ることが多く、充分な機械強度
の製品が得られないし、また寸法および重量精度も充分
ではなく、精密成形ができない現状にある。さらには、
一般の鋳物製造と同様に、金属を溶解するための溶解炉
の放熱量が大きく、多量のエネルギを必要とする欠点も
ある。また、加圧鋳造法も従来の鋳造法と同様に作業環
境が悪い欠点がある。すなわち金属は溶解炉で溶解しな
ければならないので、高温作業となる。また、溶解炉か
ら飛散する溶湯で火傷する危険もある。さらには、溶解
炉があるため装置が大型あるいは工場が大規模にもな
る。
【0005】したがって、本発明は、再生利用が容易
で、機械強度が大きく、寸法および重量精度の高い金属
射出成形品を提供すること、および機械強度が大きく、
寸法および重量精度の高い金属射出成形品を良好な作業
環境のもとで、安全に、且つ低コストで製造できる金属
射出成形品の製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、請求項1記載の発明は、融点が450°
C以下の、亜鉛、錫、鉛、ビスマス、テルビウム、テル
ル、カドミウム、タリウム、アスタチン、ポロニウム、
セレン、リチウム、インジウム、ヨウ素、硫黄、ナトリ
ウム、カリウム、リン、ルビジュウム、セシウム、フラ
ンシウム、ガリウムの金属元素又は合金元素単独あるい
は金属元素又は合金元素の1種もしくは2種以上の混合
物からなる金属原料をインラインスクリュ式射出機に供
給する供給工程と、該供給工程により供給された金属原
料をスクリュを駆動して混練すると共に、混練により得
られる熱とシリンダバレルの外部に設けられている加熱
装置から加える熱とで混練溶融する混練溶融工程と、該
混練溶融工程で混練溶融された金属原料を射出シリンダ
バレル内に所定量貯蔵する貯蔵工程と、該貯蔵工程によ
り貯蔵された金属原料を金型へ射出する射出工程とによ
り金属射出成形品を製造するとき、金属原料には、粒径
が5mm以下で、長さが10mm以下の粒状あるいは柱
もしくは長さが15mm以下の機械加工の切削片
形状をしたものを使用すると共に、シリンダバレルの外
部から加える熱を金属原料の融点のプラス・マイナス1
5°C以内に制御するように構成される。請求項2に記
載の発明は、融点が450°C以下の、亜鉛、錫、鉛、
ビスマス、テルビウム、テルル、カドミウム、タリウ
ム、アスタチン、ポロニウム、セレン、リチウム、イン
ジウム、ヨウ素、硫黄、ナトリウム、カリウム、リン、
ルビジュウム、セシウム、フランシウム、ガリウムの金
属元素又は合金元素単独あるいは金属元素又は合金元素
の1種もしくは2種以上の混合物からなる金属原料をイ
ンラインスクリュ式射出機に供給する供給工程と、該供
給工程により供給された金属原料をスクリュを駆動して
混練すると共に、混練により得られる熱とシリンダバレ
ルの外部に設けられている加熱装置から加える熱とで混
練溶融する混練溶融工程と、該混練溶融工程で混練溶融
された金属原料を射出シリンダバレル内に所定量貯蔵す
る貯蔵工程と、該貯蔵工程により貯蔵された金属原料を
金型へ射出する射出工程とにより金属射出成形品を製造
するとき、インラインスクリュ式射出機のスクリュに
は、圧縮比が1.1〜2.0のスクリュを使用すると共
に、シリンダバレルの外部から加える熱を金属原料の融
点のプラス・マイナス15°C以内に制御するように構
成される。請求項3に記載の発明は、融点が450°C
以下の、亜鉛、錫、鉛、ビスマス、テルビウム、テル
ル、カドミウム、タリウム、アスタチン、ポロニウム、
セレン、リチウム、インジウム、ヨウ素、硫黄、ナトリ
ウム、カリウム、リン、ルビジュウム、セシウム、フラ
ンシウム、ガリウムの金属元素又は合金元素単独あるい
は金属元素又は合金元素の1種もしくは2種以上の混合
物からなる金属原料をインラインスクリュ式射出機に供
給する供給工程と、該供給工程により供給された金属原
料をスクリュを駆動して混練すると共に、混練により得
られる熱とシリンダバレルの外部に設けられている加熱
装置から加える熱とで混練溶融する混練溶融工程と、該
混練溶融工程で混練溶融された金属原料を射出シリンダ
バレル内に所定量貯蔵する貯蔵工程と、該貯蔵工程によ
り貯蔵された金属原料を金型へ射出する射出工程とによ
り金属射出成形品を製造するとき、金属原料には、粒径
が5mm以下で、長さが10mm以下の粒状あるいは柱
もしくは機械加工の切削片の形状をした長さが15
mm以下のものを使用し、インラインスクリュ式射出機
のスクリュには、圧縮比が1.1〜2.0のスクリュを使
用すると共に、シリンダバレルの外部から加える熱を金
属原料の融点のプラス・マイナス15°C以内に制御す
るように構成される。そして、請求項4に記載の発明
は、請求項1〜3のいずれかの項に記載の製造方法によ
り得られる金属射出成形品のように構成される。
【0007】本発明における金属原料とは、金属元素又
は合金元素単独あるいは金属元素又は合金元素の1種も
しくは2種以上の混合物を称する。実際的な例としては
例えば亜鉛、錫、鉛、ビスマス、テルビウム、テルル、
カドミウム、タリウム、アスタチン、ポロニウム、セレ
ン、リチウム、インジウム、ヨウ素、硫黄、ナトリウ
ム、カリウム、リン、ルビジュウム、セシウム、フラン
シウム、ガリウム等を挙げることできる。これらの金属
原料は、いずれも融点が450゜C以下で、インライン
スクリュ式射出機で混練溶融し、射出成形できる金属元
素あるいは合金である。
【0008】これらの金属原料は、色々な方法で得るこ
とができる。例えばインゴットをチッピングマシンでチ
ップ化して得ることもできる。あるいは切削マシンで切
削して得られる切削片を利用することもできる。これら
の方法により得られる金属原料は、比較的薄くそして長
い。長いので、シリンダバレル2内で先端部から容易に
溶融する。さらには、従来周知の還元法、ガス噴霧法、
真空噴霧法、回転消耗電極法等により得ることもでき
る。
【0009】本発明に適用される原料金属の粒径あるい
は大きさは、シリンダバレルに供給することができ、経
済的に混練溶融できる粒径であればよいが、シリンダバ
レル内での混練・溶融する容易さ、金属原料を得るコス
ト等を考慮すれば、いずれにしても金属原料の大きさ
は、10mm以下で、好ましくは5mm以下が望まし
い。すなわち、金属原料が粒状あるいは柱状のときは、
粒径が5mm、長さが10mm以下であり、機械加工の
切削片等の形状をしているときは、長さは10mm以下
が望ましい。
【0010】上記のようにして選定される金属原料は、
従来周知のインラインスクリュ式射出機から金型装置内
に射出されるが、スクリュには、供給部、圧縮部、計量
部等からなるスクリュが適用される。そして、スクリュ
の圧縮比すなわち供給部の溝内空間容量と、計量部の溝
内空間容量との比は、1.1〜2.0に選定されてい
る。圧縮比が1のスクリュすなわち圧縮しないスクリュ
でも、前述の金属を溶融させることはできるが、溶融効
率が悪くなる。これに対し圧縮比が2を越えると、金属
原料を押しつぶすためのトルクが過大になり、金属原料
を前方へ前進させる抵抗も大きくなりすぎ「閉塞」状態
となる。実験の結果好ましい圧縮比は、1.2〜1.8
であった。
【0011】インラインスクリュ式射出機のシリンダバ
レルの外周部には加熱装置が設けられるが、この加熱装
置の温度は精密、且つ緻密に制御される。すなわち、対
象とする金属原料の融点のプラス・マイナス15゜C以
内、好ましくはプラス・マイナス10゜C以内に制御さ
れる。この温度よりも低いと、スクリュの回転トルクが
増大し、モータ、駆動機構等が大型化し、コストアップ
になってしまう。これに対し温度が上記範囲を越える
と、溶融が早く起こりすぎる。その結果、溶融した金属
原料および未溶融金属原料を供給部から次の圧縮部へと
圧送しなくなる。金属原料は、プラスチックに比較する
と熱伝導が高く、金型内でも急速に冷却固化する。した
がって、射出速度もプラスチックを射出成形するときに
比較して早い速度すなわち20cm/s以上、好ましく
は50cm/s以上の速度で射出することが望ましい。
【0012】次に、射出成形機の実施例を説明する。射
出成形機Sは、図1に示されているように、インライン
スクリュ式射出機1と、金型装置40とからなる。射出
機1は、シリンダバレル2、該シリンダバレル2内で回
転駆動されると共に軸方向にも駆動されるスクリュ1
0、該スクリュ10を駆動する駆動装置20、シリンダ
バレル2に金属原料を供給するための供給装置30等か
ら構成されている。
【0013】シリンダバレル2は、筒状をしている。そ
してその先端部に溶融金属原料を射出するノズル3が設
けられ、ノズル3と反対側の端部は駆動装置20のケー
シング21に接続されている。そして、シリンダバレル
2には、中間部より駆動装置20に寄った位置に金属原
料を供給するための開口部4が明けられている。シリン
ダバレル2の外周部には、開口部4からノズル3にかけ
て加熱装置5、5、…が設けられている。この加熱装置
5、5、…は、図には示されていないが、制御装置によ
りきめ細かに温度制御ができるようになっている。
【0014】スクリュ10は、図1の(ロ)にもその一
部が示されているように、金属原料をスクリュ溝11、
11に食い込ませ、次の圧縮部13に送り込む供給部1
2と、スクリュ溝11、11が次第に浅くなり溶融金属
が圧縮され、巻き込まれた空気を開口部4側へ逆流させ
る圧縮部13と、溶融金属が貯えられる計量部14とか
らなり、その先端部に逆流防止リング16が設けられて
いる。圧縮比すなわち供給部12の溝内空間容量V2
と、計量部14の溝内空間容量V1との比は、1.1〜
2.0に選定されている。
【0015】駆動装置20は、電動モータあるいは油圧
モータ22を備えている。ケーシング21内には減速機
が収納され、スクリュ10は減速機を介して所定速度で
回転駆動される。また、ケーシング21内には射出ラム
が設けられ、スクリュ10は比較的高速で軸方向に駆動
される。モータおよびラムの駆動速度も制御装置により
制御される。供給装置30は、漏斗状のホッパ31と、
ホッパ31の下部に設けられているスクリュフィーダ3
3と、供給路34とから構成されている。スクリュフィ
ーダ33のスクリュは、制御装置により制御された速度
で駆動される。供給路34の下端部は、シリンダバレル
2の開口部4に接続されている。
【0016】金型装置40は、固定盤41と、可動盤4
2とを備えている。そして、これらの盤41、42に固
定金型44と、可動金型43とがそれぞれ取り付けられ
ている。固定金型44には、軸方向にスプルー45が形
成され、固定金型44と可動金型43とのパーティング
ラインに沿ってランナ46が形成されている。可動金型
43には製品を成形するキャビテイ47が設けられてい
る。なお、可動盤42は、固定盤41に対して型開き方
向あるいは型閉じ方向に駆動されるが、駆動機構は示さ
れていない。また固定盤41と可動盤42は、タイバー
48、48、…により接続され、可動金型43は固定金
型44に対してトグル機構により型締めされるが、トグ
ル機構も示されていない。
【0017】次に、上記射出成形機を使用して金属射出
成形品を製造する例を説明する。10mm以下の金属原
料Kを準備し、ホッパ31に収納する。一方、加熱装置
5、5、…の温度を制御装置により、金属原料Kの融点
のプラス・マイナス15゜C以内に設定する。モータ2
2を起動してスクリュ10を駆動すると共に、スクリュ
フィーダ33を所定速度で駆動する。そうすると、ホッ
パ31に収納されている金属原料Kは、スクリュフィー
ダ33の回転速度によって決められる所定量宛供給路3
4から、開口部4を介してシリンダバレル2内の供給部
12に供給される。供給された金属原料Kは、回転する
スクリュ10により混練される。混練されると共に、摩
擦熱および加熱装置5、5、…から加えられる熱とによ
り溶融し、次の圧縮部13に送られる。圧縮部13のス
クリュ溝11、11は次第に浅くなっているので、溶融
金属は圧縮され、巻き込まれた空気はを開口部4側へ逆
流する。そして溶融混練された金属は計量部14へ送ら
れる。それにつれてスクリュ10が後退し、所定量貯え
られる。
【0018】金型装置40を型閉じして、シリンダバレ
ル2の先端部に設けられているノズル3をスプルー45
にタッチする。そうして、射出ラムによりスクリュ10
を駆動して貯えられていた溶融金属をキャビテイ47に
射出する。溶融金属の固化は早いので、溶融金属が20
cm/s以上、好ましくは50cm/s以上の速度で射
出されるように、射出ラムの速度を制御する。冷却固化
を待って型開きし、金属射出成形品を取り出す。この間
に次の射出のための、混練溶融、圧縮、貯蔵を前述した
ようにして行う。そして、同様にして射出する。このと
き、前回の射出によりノズル3先端部に固化している金
属を同時に射出する。以下、上記動作を繰り返して、前
述したような金属原料を使用して金属射出成形品、例え
ば自動車部品、OA機器用部品、FA機器用部品、事務
機器用部品、家電製品用部品、電動工具用部品、通信機
用部品等を得る。
【0019】
【実施例】実施例1:[金属原料の調整] 金属原料は鉛−錫の2元素の鉛合金のインゴットを切削
して得た。得られた金属原料について、粒度分布および
最大きさを測定した。その結果を表1に示す。 なお、最大長さ18mmであった。 [射出成形] 上記金属原料を前述した圧縮比が1.5のインラインス
クリュ式射出機により金型に射出して2輪車用バッテリ
の端子を得た。このとき、鉛合金の融点は329゜Cで
あるので、シリンダバレル2の加熱装置5、5、…の温
度をスクリュとの摩擦熱を考慮して325゜Cに設定し
た。ノズル3の加熱装置5の温度はこれより高い330
゜Cに設定した。射出速度は30cm/sであった。
【0020】[結果] 上記の条件で成形した2輪車用バッテリの端子の寸法精
度、重量精度を測定した。金型のキャビテイには鋭角部
分もあったが、鋭角部分にも射出され、寸法精度も重量
精も良好であった。
【0021】具体例:ビスマスー錫合金のロストコア成
形法に用いられるコアの具体的成形法について述べる。
このビスマスー錫合金の融点は90゜Cであるので、シ
リンダバレル2の加熱装置5、5、…の温度をスクリュ
との摩擦熱を考慮して85゜Cに設定する。ビスマスー
錫合金の融点は低いので、ノズル3の加熱装置5の温度
も85゜Cに設定する。射出速度は他の実験例から55
cm/sにする。そうしてインラインスクリュ式射出機
により金型に射出すると、寸法および重量精度に優れた
コア成形品を得ることができる。得られたコア成形品を
プラスチック用金型にインサートし、コアを包み込むよ
うな形状としたガラス入りナイロンのプラスチック成形
品を得る。その後プラスチック成形品を、ビスマスー錫
合金の融点より高い温度90〜100゜Cに加熱する。
そうすると、コアはビスマスー錫合金で成形されている
ので、溶融する。そしてプラスチック成形品に設けられ
ている孔から溶け出る。こうして中空のガラス入りナイ
ロンの継ぎ目のない成形品が得られる。なお、鉛−錫の
2元素の鉛合金から2輪車用バッテリの端子を成形する
実施例と、ビスマスー錫合金のロストコア成形法に用い
られるコアの具体的成形法について述べたが、融点が4
50゜C以下の他の金属原料からも同様にして前述した
自動車部品、OA機器用部品等得ることができることは
明らかである。
【0022】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明に
よると、融点が450°C以下の金属原料を、インライ
ンスクリュ式射出機により金属原料を混練・溶融し、金
型に射出して金属射出成形品を製造するとき、融点が4
50°C以下で、粒径が5mm以下で、長さが10mm
以下の粒状あるいは柱状の金属原料もしくは長さが1
5mm以下の機械加工の切削片の形状をした金属原料
使用すると共に、シリンダバレルの外部から加える熱を
金属原料の融点のプラス・マイナス15°C以内に制御
するので、また、請求項2に記載の発明によると、イン
ラインスクリュ式射出機のスクリュに圧縮比が1.1〜
2.0のスクリュを使用するので、さらには請求項3に
記載の発明によると、融点が450°C以下で、粒径が
5mm以下で、長さが10mm以下の粒状あるいは柱状
の金属原料もしくは長さが15mm以下の機械加工の
切削片の形状をしたものを使用すると共に、インライン
スクリュ式射出機のスクリュに圧縮比が1.1〜2.0の
スクリュを使用するので、金属原料はインラインスクリ
ュ式射出機により経済的に、且つ効率的に溶融・混練さ
れる。したがって、本発明によると、エネルギのロスが
少なく、作業環境に優れ、寸法および重量精度に優れて
いると共に、機械的強度も大きい金属射出成形品を、安
全に且つ低コストで製造することができるという、本発
明特有の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施に供される射出成形機例を示す
図で、その(イ)は一部を断面にして示す正面図、
(ロ)はスクリュ部分の一部拡大図である。
【符号の説明】
1 インラインスクリュ式射出機 2 シリンダバレル 3 ノズル 5 加熱装置 10 スクリュ 11 スクリュ溝 12 供給部 13 圧縮部 14 計量部 40 金型装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 17/00 B22D 17/20

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 融点が450°C以下の、亜鉛、錫、
    鉛、ビスマス、テルビウム、テルル、カドミウム、タリ
    ウム、アスタチン、ポロニウム、セレン、リチウム、イ
    ンジウム、ヨウ素、硫黄、ナトリウム、カリウム、リ
    ン、ルビジュウム、セシウム、フランシウム、ガリウム
    の金属元素又は合金元素単独あるいは金属元素又は合金
    元素の1種もしくは2種以上の混合物からなる金属原料
    (K)をインラインスクリュ式射出機(1)に供給する
    供給工程と、 該供給工程により供給された金属原料(K)をスクリュ
    (10)を駆動して混練すると共に、混練により得られ
    る熱とシリンダバレル(2)の外部に設けられている加
    熱装置(5)から加える熱とで混練溶融する混練溶融工
    程と、 該混練溶融工程で混練溶融された金属原料(K)を射出
    シリンダバレル(2)内に所定量貯蔵する貯蔵工程と、 該貯蔵工程により貯蔵された金属原料(K)を金型(4
    0)へ射出する射出工程とにより金属射出成形品を製造
    するとき、 金属原料(K)には、粒径が5mm以下で、長さが10
    mm以下の粒状あるいは柱状、もしくは長さが15mm
    下の機械加工の切削片の形状をしたものを使用すると
    共に、シリンダバレル(2)の外部から加える熱を金属
    原料(K)の融点のプラス・マイナス15°C以内に制
    御する、ことを特徴とする金属射出成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 融点が450°C以下の、亜鉛、錫、
    鉛、ビスマス、テルビウム、テルル、カドミウム、タリ
    ウム、アスタチン、ポロニウム、セレン、リチウム、イ
    ンジウム、ヨウ素、硫黄、ナトリウム、カリウム、リ
    ン、ルビジュウム、セシウム、フランシウム、ガリウム
    の金属元素又は合金元素単独あるいは金属元素又は合金
    元素の1種もしくは2種以上の混合物からなる金属原料
    (K)をインラインスクリュ式射出機(1)に供給する
    供給工程と、 該供給工程により供給された金属原料(K)をスクリュ
    (10)を駆動して混練すると共に、混練により得られ
    る熱とシリンダバレル(2)の外部に設けられている加
    熱装置(5)から加える熱とで混練溶融する混練溶融工
    程と、 該混練溶融工程で混練溶融された金属原料(K)を射出
    シリンダバレル(2)内に所定量貯蔵する貯蔵工程と、 該貯蔵工程により貯蔵された金属原料(K)を金型(4
    0)へ射出する射出工程とにより金属射出成形品を製造
    するとき、 インラインスクリュ式射出機(1)のスクリュ(10)
    には、圧縮比が1.1〜2.0のスクリュを使用すると共
    に、シリンダバレル(2)の外部から加える熱を金属原
    料(K)の融点のプラス・マイナス15°C以内に制御
    する、ことを特徴とする金属射出成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】 融点が450°C以下の、亜鉛、錫、
    鉛、ビスマス、テルビウム、テルル、カドミウム、タリ
    ウム、アスタチン、ポロニウム、セレン、リチウム、イ
    ンジウム、ヨウ素、硫黄、ナトリウム、カリウム、リ
    ン、ルビジュウム、セシウム、フランシウム、ガリウム
    の金属元素又は合金元素単独あるいは金属元素又は合金
    元素の1種もしくは2種以上の混合物からなる金属原料
    (K)をインラインスクリュ式射出機(1)に供給する
    供給工程と、 該供給工程により供給された金属原料(K)をスクリュ
    (10)を駆動して混練すると共に、混練により得られ
    る熱とシリンダバレル(2)の外部に設けられている加
    熱装置(5)から加える熱とで混練溶融する混練溶融工
    程と、 該混練溶融工程で混練溶融された金属原料(K)を射出
    シリンダバレル(2)内に所定量貯蔵する貯蔵工程と、 該貯蔵工程により貯蔵された金属原料(K)を金型(4
    0)へ射出する射出工程とにより金属射出成形品を製造
    するとき、 金属原料(K)には、粒径が5mm以下で、長さが10
    mm以下の粒状あるいは柱状、もしくは長さが15mm
    下の機械加工の切削片の形状をしたものを使用し、イ
    ンラインスクリュ式射出機(1)のスクリュ(10)に
    は、圧縮比が1.1〜2.0のスクリュを使用すると共
    に、シリンダバレル(2)の外部から加える熱を金属原
    料(K)の融点のプラス・マイナス15°C以内に制御
    する、ことを特徴とする金属射出成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかの項に記載の製
    造方法により得られる金属射出成形品。
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