JP2009285658A - シリンダブロックの製造方法及びその成形用金型 - Google Patents

シリンダブロックの製造方法及びその成形用金型 Download PDF

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雅文 西田
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Abstract

【課題】ジャーナル部成形部位における引け巣の発生を防止して、ジャーナル部をより薄肉に形成することができるシリンダブロックの製造方法及びその成形用金型を提供すること。
【解決手段】成形用金型20の内部に形成されるキャビティ30にAl溶湯Mを注入してシリンダブロック10を成形するシリンダブロック10の製造方法において、シリンダ11の側壁14の下部にクランクシャフトを支持するために形成される複数のジャーナル部成形部位32のすべてに連通するよう直線状に設けられた一つの湯道35により、キャビティ30のうちジャーナル部15を成形するためのジャーナル部成形部位32からAl溶湯Mを供給してシリンダブロック10を成形する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ダイカスト鋳造により製造されるシリンダブロックの製造方法及びその成形用金型に関する。
一般に、シリンダブロックには、所定の位置に複数のシリンダが形成されており、その上面がシリンダヘッドに接続されている。また、シリンダブロックの下部は、クランクシャフト等を被う薄肉のスカート部となっており、この内側にクランクシャフトを支持するためのジャーナル部が所定間隔で複数個形成されている。さらに、シリンダの周囲には、冷却水の通路であるウォータジャケットが形成されている。
こうしたシリンダブロックを鋳造するためのシリンダブロック成形用金型は、複数の金型から構成されている。そして、これらの金型を組み合わせることにより、金型の内部にキャビティが形成されるようになっている。このキャビティには、下方に設けられた湯道から溶湯が注入される。すなわち、溶湯は、キャビティのスカート部成形部位を通過してから、ジャーナル部成形部位及びシリンダ部成形部位へと充填される。
ところで、ジャーナル部には、クランクシャフトが支持されることから、他の部位よりも大きな負荷がかかる。このため、ジャーナル部には、他の部位よりも高い強度が要求されている。こうした事情から、一般的には、ジャーナル部を他の部位よりも厚く設計することにより、強度の確保がなされている。しかしながら、ジャーナル部を厚く形成することは、シリンダブロックの製造コストの増加、重量化や大型化の点で好ましくない。
そこで、例えば特許文献1に開示されたV型シリンダブロックの成形用金型は、左右に設けられた各スカート部成形部位から溶湯を注入できるように形成されるとともに、各スカート部成形部位を通過する溶湯の鋳込み口からジャーナル部成形部位までの経路長が不等長となるように形成されている。
ここで、溶湯の合流点では、溶湯の流れが乱れて組織が不均一になることや、空気の巻き込みにより巻き込み巣が発生することなどから、強度が低下するおそれがある。これに対して、この成形用金型によれば、左右のスカート部成形部位からジャーナル部成形部位に流れ込む溶湯の合流点を、ジャーナル部成形部位の中心位置からずらすことができる。これにより、ジャーナル部成形部位における組織の不均一や巻き込み巣の発生を抑制して、成形後におけるジャーナル部の強度低下を防止することができる。その結果、従来の設計に比べて、ジャーナル部を薄く設計することが可能となる。
特開2006−35243号公報
しかしながら、上記したシリンダブロックの成形用金型では、鋳巣のうち巻き込み巣についての対策は施されているが、薄肉のスカート部成形部位から溶湯を流入する構成であるため、スカート部成形部位よりも厚肉となるように形成されたジャーナル部成形部位にまでダイカストによる鋳造圧力が伝わり難い。これにより、鋳巣のうち凝固収縮による引け巣が生じやすいという問題があった。このように引け巣が生じると、成形後におけるジャーナル部の強度が低下するので、エンジンの筒内圧が高い設計では、強度上の問題から、ジャーナル部を所定の肉厚より薄く設計することができないという問題があった。
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、ジャーナル部成形部位における引け巣の発生を防止して、ジャーナル部をより薄肉に形成することができるシリンダブロックの製造方法及びその成形用金型を提供することを課題とする。
上記問題点を解決するためになされた本発明に係るシリンダブロックの製造方法は、金型内のキャビティに溶湯を注入してシリンダブロックを成形するシリンダブロックの製造方法において、前記キャビティのうちシリンダの側壁の下部にクランクシャフトを支持するために形成される複数のジャーナル部を成形するためのジャーナル部成形部位から溶湯を供給することを特徴とする。
このシリンダブロックの製造方法では、キャビティのうちジャーナル部成形部位から溶湯の供給を行うことにより、鋳造圧力をジャーナル部成形部位に直接かけることができる。これにより、ジャーナル部成形部位における引け巣の発生を防止することができる。したがって、高い強度が要求されるシリンダブロックのジャーナル部を、より薄肉に形成することができる。
ここで、各ジャーナル部を成形するジャーナル部成形部位に対して、それぞれ独立した湯道により溶湯の供給を行う方法では、鋳造圧力をジャーナル部成形部位に直接かけることはできるが、その実現手法は煩雑なものとなってしまう。
そこで、本発明に係るシリンダブロックの製造方法において、前記ジャーナル部成形部位すべてを連通させる湯道により、前記ジャーナル部成形部位に溶湯を供給し、前記成形されたシリンダブロックの前記ジャーナル部に機械加工を施してクランクシャフトを支持する軸受部を形成することが望ましい。
このシリンダブロックの製造方法では、一本の湯道を介してジャーナル部成形部位すべてに直接溶湯の供給を行うことができる。これにより、簡単な手法で本発明に係るシリンダブロックの製造方法を実現することが可能となる。
そして、成形されたシリンダブロックに機械加工を施してクランクシャフトの軸受部を形成することにより、高い強度が要求されるシリンダブロックのジャーナル部において、クランクシャフトを支持する軸受部をより高精度に形成することができる。これにより、例えばエンジンの筒内圧が高い設計でも、強度上問題のないシリンダブロックを製造することができる。
上記問題点を解決するためになされた本発明に係るシリンダブロックの成形用金型は、金型内のキャビティに溶湯を注入してシリンダブロックを成形するシリンダブロックの成形用金型において、前記金型内に溶湯を注入する鋳込み口から、前記キャビティのうちシリンダの側壁の下部にクランクシャフトを支持するために形成される複数のジャーナル部を成形するためのジャーナル部成形部位すべてに、直接連通するように形成された湯道を備えていることを特徴とする。
このシリンダブロックの成形用金型によれば、溶湯の供給が、ジャーナル部成形部位から他の成形部位へと行われる。これにより、鋳造圧力をジャーナル部成形部位に直接かけることができるので、ジャーナル部成形部位における引け巣の発生を防止することができる。したがって、高い強度が要求されるシリンダブロックのジャーナル部を、より薄肉に形成することができる。
ここで、鋳込み口から各ジャーナル部成形部位に対して、それぞれ独立した湯道を備えた金型を製作すると、鋳造圧力をジャーナル部成形部位に直接かけることはできるが、金型の構造が複雑になってしまう。
そこで、本発明に係るシリンダブロックの成形用金型において、前記金型は、前記シリンダを成形する第一金型と、前記第一金型とともに前記ジャーナル部を成形する第二金型とを備え、前記湯道は、前記第一金型及び第二金型により、前記ジャーナル部成形部位すべてを連通させるように形成されていることが望ましい。
このシリンダブロックの成形用金型によれば、鋳込み口から一本の湯道を介してジャーナル部成形部位すべてに直接溶湯の供給を行うことができる。これにより、簡単な構成で本発明に係るシリンダブロックの成形用金型を構築することができる。
本発明に係るシリンダブロックの成形用金型において、前記第一金型のボア入子先端には、凸部が形成され、前記第二金型には、前記凸部と嵌合する凹部が形成されていることが望ましい。
このシリンダブロックの成形用金型によれば、第一金型のボア入子先端に形成された凸部と、第二金型に形成された凹部とを嵌合させることにより、第一金型と、第二金型とをより正確に組み付けることができる。こうして、第一金型と第二金型との間に隙間ができないようにすることで、成形後にバリが発生するのを防止することができる。
本発明に係るシリンダブロックの成形用金型及び製造方法によれば、ジャーナル部成形部位における引け巣の発生を防止して、ジャーナル部をより薄肉に形成することができる。
以下、本発明に係るシリンダブロックの成形用金型及び製造方法を具体化した一実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。本実施形態では、直列四気筒エンジンに用いられるシリンダブロックを、金型内のキャビティに金属溶湯(本実施形態ではAl溶湯)を注入して成形するダイカスト鋳造により製造する場合について説明する。
本実施形態に係るシリンダブロック10について、図1及び図2を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るシリンダブロックを示す斜視図である。図2は、図1に示すシリンダブロックを下方から見上げた下面図である。なお、図2では、参考までに、湯道におけるAl溶湯の流れを太線矢印で示している。
シリンダブロック10は、図1に示すように、A方向へ直列に配置された四つのシリンダ11と、各シリンダ11の下部に設けられたスカート部12と、スカート部12の内側に設けられた複数のジャーナル部15(図2参照)とを備えている。
各シリンダ11の内部には、ピストン(図示せず)を摺動可能に嵌挿するためのボア11aが形成されている。また、各シリンダ11の周囲には、シリンダ11を冷却するための冷却水の通路であるウォータジャケット13が形成されている。
スカート部12は、シリンダ11の下方に配置されるクランクシャフト(図示せず)等を被うものである。このスカート部12は、図2に示すように、シリンダ11の配列方向Aと直交する方向Bへ広がるように設けられている。また、スカート部12の肉厚は、後述するジャーナル部15より薄肉に形成されている。
ジャーナル部15は、A方向に並設された各シリンダ11の側壁14(図1参照)の下部に、クランクケースの一部を形成するように設けられている。このジャーナル部15は、クランクシャフトを支持するための軸受部15aを備えている。そして、各ジャーナル部15の軸受部15aは、ベアリングキャップ(図示せず)とともに、クランクシャフトを回転自在に支持するようになっている。このように、ジャーナル部15の軸受部15aには、クランクシャフトが支持されることから、他の部位よりも大きな負荷がかかる。このため、ジャーナル部15は、必要な強度を確保できるように、他の部位よりも相対的に肉厚に形成されている。
続いて、本実施形態に係るシリンダブロック10を成形するための成形用金型20について、図3〜図6を参照しながら詳細に説明する。図3は、本実施形態に係るシリンダブロックを成形するための成形用金型を示す断面図である。図4は、同成形用金型における一気筒分のボア入子及びスカート型部を示す模式図である。図5は、図3に示す成形用金型のV−V断面図である。図6は、図3に示す成形用金型のVI−VI断面図である。
成形用金型20は、図3に示すように、シリンダブロック10の上部を成形するための可動型21と、シリンダブロック10の下部を成形するための固定型25と、レール上を移動してシリンダブロック10の側面を成形するための摺動型28,29とを備えている。可動型21は、固定型25に対してシリンダ11の軸方向へ進退可能に設けられている。また、摺動型28,29は、固定型25に摺動しながらA方向へスライド可能に設けられている。なお、本実施形態において、可動型21が本発明の「第一金型」に該当し、固定型25が本発明の「第二金型」に該当する。
可動型21は、各シリンダ11のボア11a(図1参照)を成形するための四つのボア入子22と、ウォータジャケット13(図1参照)を形成するためのジャケット型部24とを備えている。
ボア入子22は、可動型21の内壁から直列に四つ突出形成されている。そして、各ボア入子22は、図4に模式的に示すように、シリンダボア11a(図1参照)と同径の円柱形状をなしている。また、各ボア入子22の先端には、後述する固定型25の凹部26aと嵌合する凸部22aが形成されている。
そして、図5に示すように、ジャケット型部24は、すべてのボア入子22の周囲を囲むように、ボア入子22と同軸かつボア入子22より大径の円筒を一体に連接させた形状をなしている。
固定型25は、スカート部12(図2参照)を成形するためのスカート型部26(図5参照)と、ジャーナル部15(図2参照)を形成するためのジャーナル型部27(図6参照)とを備えている。
スカート型部26は、各ボア入子22の対面位置に、固定型25の内壁から四つ突出形成されている。各スカート型部26は、図4に示すように、ボア入子22側へ膨らんだ略半円柱形状をなしている。このスカート型部26の曲面には、上記した可動型21の凸部22aと嵌合する凹部26aが形成されている。そして、図5に示すように、凹部26aの深さDは、凸部22aの高さHより大きく形成されている。これにより、凸部22aの上面と凹部26aの底面との間には、後述する湯道35の一部を形成する流路C1が形成されている。
ジャーナル型部27は、各スカート型部26と交互な位置に、固定型25の内壁から5つ突出形成されている。そして、図6に示すように、各ジャーナル型部27の高さL2は、スカート型部26の高さL1(図5参照)より低く形成されている。また、このジャーナル型部27の可動型21側の面には、凹部27aが設けられている。この凹部27aにより、上記したスカート型部26の流路C1(図5参照)と同形状の流路C2が、流路C1と流路C2とを連通させるように形成されている。こうして、各流路C2は各ジャーナル部成形部位32に連通し、各流路C1はその両側に位置する流路C2と連通する構成となっている。
そして、固定型25、可動型21及び摺動型28,29を組み付けることにより、図3に示すように、内部にキャビティ30が形成されるようになっている。このキャビティ30は、シリンダブロック10の形状をなす製品成形部31,32,33と、Al溶湯Mをキャビティ30内に注入するための湯口36と、湯口36から製品成形部31,32,33までAl溶湯Mを導くための通路である湯道35とを備えている。
製品成形部31,32,33は、シリンダ11(図1参照)を成形するための空間であるシリンダ成形部位31と、ジャーナル部15(図2参照)を成形するための空間であるジャーナル部成形部位32と、スカート部12(図2参照)を成形するための空間であるスカート部成形部位33(図5参照)とを備えている。そして、このキャビティ30に、溶融状態のアルミニウムであるAl溶湯Mを注入して凝固させることにより、シリンダブロック10を成形できるようになっている。
湯口36は、固定型25と摺動型29との間に形成された開口部である。この湯口36には、パイプ状のスリーブ40が連通するように組み付けられている。そして、スリーブ40には、Al溶湯Mを注入するための注入口41が形成されている。また、スリーブ40の内部には、Al溶湯Mを湯口36からキャビティ30へと射出するためのピストン42が、摺動可能に設けられている。
湯道35は、各ジャーナル部成形部位32に連通する流路C2(図6参照)と、各流路C2及び湯口36に連通する流路C1(図5参照)とを備えている。そして、各流路C1,C2は、湯口36から交互に一直線状に設けられている。このように湯道35を構成することにより、湯口36から一本の直線状に形成された湯道35を介して、ジャーナル部成形部位32のすべてに直接溶湯の供給を行えるようになっている。
次に、上記のように構成された成形用金型20を用いてシリンダブロック10を製造する方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、図3に示すように、摺動型28,29を、固定型25に沿ってA方向両側から中央寄りにスライドさせる。そして、可動型21を、摺動型28,29及び固定型25に当接させてキャビティ30を形成する。このとき、可動型21のボア入子22先端に形成された凸部22aと、固定型25のスカート型部26に形成された凹部27aとを嵌合させる(図5参照)。これにより、可動型21と、固定型25とをより正確に組み付けることができる。こうして、可動型21と固定型25との当接部の間に隙間ができないようにすることで、成形後にバリが発生するのを防止することができる。
次に、注入口41からスリーブ40内にAl溶湯Mを流し込んだ後、ピストン42によってAl溶湯Mを湯口36からキャビティ30内に射出する。湯口36から射出されたAl溶湯Mは、湯道35を介してすべてのジャーナル部成形部位32へと供給される。このように、キャビティ30のうちジャーナル部成形部位32からAl溶湯Mの供給を行うことにより、ピストン42の動作で生じる鋳造圧力を、ジャーナル部成形部位32に直接伝えることができる。こうして、ジャーナル部成形部位32における引け巣の発生を防止することができる。したがって、高い強度が要求されるシリンダブロック10のジャーナル部15を、より薄肉に形成することが可能となる。
ここで、例えば、各ジャーナル部を成形するジャーナル部成形部位に対して、それぞれ独立した湯道によりAl溶湯の供給を行う場合には、湯口から各ジャーナル部成形部位に対してそれぞれ独立した湯道を備える金型を製作する必要がある。しかしながら、このような方法では、鋳造圧力をジャーナル部成形部位に直接かけることはできるが、金型の構造が複雑となり、その実現手法は煩雑なものとなってしまう。
これに対して、本実施形態では、流路C1,C2により、ジャーナル部成形部位32のすべてを一直線状に連通させるように湯道35が形成されている。これにより、湯口36から一本の直線状の湯道35を介してジャーナル部成形部位32のすべてに直接溶湯の供給を行うことができる。したがって、本実施形態の成形用金型20を、このように簡単な構成の湯道35で構築することができる。その結果、より簡単な手法で本実施形態に係るシリンダブロック10を製造することができる。
次に、キャビティ30内がAl溶湯Mで充填された後、ピストン42を停止させてAl溶湯Mの注入を終了する。このとき、キャビティ30内に存在していた空気はガス抜き孔(図示せず)から外部へと排出される。そして、Al溶湯Mが十分に冷却、固化した後に、可動型21及び摺動型28,29を固定型25から離間させる。こうして、すべてのジャーナル部15が湯道35部分で一体に成形された状態のシリンダブロックが得られる。
最後に、この成形後のシリンダブロックのジャーナル部15に機械加工を施して、クランクシャフトを支持するための軸受部15aを形成する。このようにジャーナル部15の軸受部15aを形成することにより、高い強度が要求されるシリンダブロック10のジャーナル部15において、軸受部15aをより高精度に形成することができる。これにより、例えばエンジンの筒内圧が高い設計でも、強度上問題のないシリンダブロック10を製造することができる。そして、この機械加工の後に、本実施形態に係るシリンダブロック10が得られる。
以上、詳細に説明したように本実施形態に係るシリンダブロック10の成形用金型20及びその製造方法によれば、ジャーナル部成形部位32における引け巣の発生を防止して、ジャーナル部15をより薄肉に形成することができる。また、簡単な構成の湯道35によりジャーナル部成形部位32のすべてに直接溶湯の供給を行うことができる。さらに、クランクシャフトを支持する軸受部15aをより高精度に形成して、強度の高いシリンダブロックを製造することができる。
[第二実施形態]
本発明に係るシリンダブロック10の成形用金型及びその製造方法を具体化した第二実施形態について、図7及び図8を参照しながら詳細に説明する。図7は、第二実施形態に係る成形用金型における一気筒分のボア入子及びスカート型部を示す模式図である。図8は、図7に示すボア入子及びスカート型部の一部拡大断面図である。なお、第二実施形態において、上記第一実施形態と同一の構成品については、図面に同符号を付してその説明を適宜省略し、以下では相違点を中心に説明する。
第二実施形態に係る成形用金型は、図7に示すように、可動型のボア入子52及び固定型のスカート型部56の形状において、上記第一実施形態のものと相違している。
ボア入子52は、可動型の内壁から直列に四つ突出形成されている(図3参照)。そして、各ボア入子52は、図7に示すように、シリンダボア11a(図1参照)と同径の円柱形状をなしている。また、各ボア入子52の先端には、後述する固定型の第一凹部56aと嵌合する第一凸部52aが形成されている。さらに、本実施形態では、各ボア入子52の第一凸部52aの先端中央に、後述する固定型の第二凹部57と嵌合する第二凸部53が形成されている。
スカート型部56は、各ボア入子52の対面位置に、固定型の内壁から四つ突出形成されている。各スカート型部56は、図7に示すように、ボア入子52側へ膨らんだ略半円柱形状をなしている。このスカート型部56の曲面には、上記した可動型の第一凸部52aと嵌合する第一凹部56aが形成されている。さらに、本実施形態では、各第一凹部56aの底面中央に、上記した可動型の第二凸部53と嵌合する第二凹部57が形成されている。
そして、図8に示すように、第一凹部56aの深さD1は、第一凸部52aの高さH1より大きく形成されている。これにより、第一凸部52aと第一凹部56aとを嵌合した状態において、凸部56aの上面と凹部57aの底面との間に、Al溶湯Mの流路を確保できるようになっている。さらに、第一凸部52aと第一凹部56aとを嵌合した状態で、第二凸部53の先端が、第二凹部57の底面に当接するように形成されている。こうして、本実施形態では、第二凸部53の両側に、二つの流路C3,C3が形成されている。
このような構成によれば、上記第一実施形態に比べて、可動型と固定型とがより正確に組み付けられるようになる。こうして、可動型と固定型との当接部の間に隙間ができないようにすることで、成形後にバリが発生するのをより一層効果的に防止することができる。
また、本実施形態における湯道は、各ジャーナル部成形部位32に連通する流路C2(図6参照)と、各流路C2及び湯口36に連通する流路C3(図8参照)とを備えている。そして、各流路C2,C3は、湯口36から交互に一直線状に設けられている。このように湯道を構成することにより、湯口36から一本の直線状に形成された湯道を介して、ジャーナル部成形部位32のすべてに直接溶湯の供給を行うことができる。したがって、上記第一実施形態と同様に、ジャーナル部成形部位32における引け巣の発生を防止して、ジャーナル部15をより薄肉に形成することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
例えば、上記実施形態では、直列4気筒エンジンに用いられるシリンダブロック10の製造方法及びその成形用金型20について説明したが、本発明を他の気筒配置(例えばV型配置)や異なる気筒数のエンジンに用いられるシリンダブロックの製造方法及びその成形金型に対しても適用することができる。
第一実施形態に係るシリンダブロックを示す斜視図である。 図1に示すシリンダブロックを下方から見上げた下面図である。 同シリンダブロックを成形するための成形用金型を示す断面図である。 同成形用金型における一気筒分のボア入子及びスカート型部を示す模式図である。 図3に示す成形用金型のV−V断面図である。 図3に示す成形用金型のVI−VI線断面図である。 第二実施形態に係る成形用金型における一気筒分のボア入子及びスカート型部を示す模式図である。 図7に示すボア入子及びスカート型部の一部拡大断面図である。
符号の説明
10 シリンダブロック
11 シリンダ
14 側壁
15 ジャーナル部
15a 軸受部
20 成形用金型
21 可動型(第一金型)
22 ボア入子
22a 凸部
24 ジャケット型部
25 固定型(第二金型)
26 スカート型部
26a 凹部
27 ジャーナル型部
27a 凹部
30 キャビティ
32 ジャーナル部成形部位
35 湯道
36 湯口(鋳込み口)
M Al溶湯

Claims (5)

  1. 金型内のキャビティに溶湯を注入してシリンダブロックを成形するシリンダブロックの製造方法において、
    前記キャビティのうちシリンダの側壁の下部にクランクシャフトを支持するために形成される複数のジャーナル部を成形するためのジャーナル部成形部位から溶湯を供給する
    ことを特徴とするシリンダブロックの製造方法。
  2. 請求項1に記載するシリンダブロックの製造方法において、
    前記ジャーナル部成形部位すべてを連通させる湯道により、前記ジャーナル部成形部位に溶湯を供給し、
    前記成形されたシリンダブロックの前記ジャーナル部に機械加工を施してクランクシャフトを支持する軸受部を形成する
    ことを特徴とするシリンダブロックの製造方法。
  3. 金型内のキャビティに溶湯を注入してシリンダブロックを成形するシリンダブロックの成形用金型において、
    前記金型内に溶湯を注入する鋳込み口から、前記キャビティのうちシリンダの側壁の下部にクランクシャフトを支持するために形成される複数のジャーナル部を成形するためのジャーナル部成形部位すべてに、直接連通するように形成された湯道を備えている
    ことを特徴とするシリンダブロックの成形用金型。
  4. 請求項3に記載するシリンダブロックの成形用金型において、
    前記金型は、前記シリンダを成形する第一金型と、前記第一金型とともに前記ジャーナル部を成形する第二金型とを備え、
    前記湯道は、前記第一金型及び第二金型により、前記ジャーナル部成形部位すべてを連通させるように形成されている
    ことを特徴とするシリンダブロックの成形用金型。
  5. 請求項4に記載するシリンダブロックの成形用金型において、
    前記第一金型のボア入子先端には、凸部が形成され、
    前記第二金型には、前記凸部と嵌合する凹部が形成されている
    ことを特徴とするシリンダブロックの成形用金型。
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WO2019116894A1 (ja) * 2017-12-15 2019-06-20 マツダ株式会社 エンジンのシリンダブロックの鋳造装置、その鋳造金型、及びその鋳造方法

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