JP7187345B2 - モータケースのシリンダ - Google Patents

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Description

本発明は、モータケースのシリンダに関する。
モータケースにはモータが収容される。モータを冷却するために、モータケースには冷却用の通路が形成される。冷却用の通路には水等の冷媒が流される。下記特許文献1では、モータケースとしてのハウジングに、冷却用の通路として鋳抜き孔が形成されている。この鋳抜き孔はハウジングの中心線方向(モータ軸の軸線方向)に沿って延びている。鋳抜き孔は、貫通していない孔である。鋳抜き孔は、ハウジングの第一の端部と第二の端部のうち第一の端部のみに開口している。鋳抜き孔は、ハウジングの第一の端部から鋳抜くことにより形成されている。鋳抜き孔の壁面(内壁面)は抜き勾配を有している。そのため、鋳抜き孔は、閉口端側から開口端側に向けて徐々にハウジングの内周面に接近していく。従って、モータは、鋳抜き孔の閉口端に近い部分よりも鋳抜き孔の開口端に近い部分の方が冷やされる。
特開2015-19494号公報
本発明は、金型の抜き抵抗を抑制しつつ冷却効率を向上させることを課題とする。
本発明に係るモータケースのシリンダは、モータケースにおける鋳造製のシリンダであって、冷媒が流される冷却通路を有し、冷却通路は、シリンダの中心線方向に鋳抜かれた鋳抜き孔を有し、鋳抜き孔の壁面のうちシリンダの内周面に近い内側部分の抜き勾配は、シリンダの外周面に近い外側部分の抜き勾配よりも小さい。
このシリンダは、冷却通路を有している。冷却通路は、シリンダの中心線方向に鋳抜かれた鋳抜き孔を有している。鋳抜き孔の壁面のうち内側部分の抜き勾配は小さい。そのため、収容されるモータを効率良く冷却できる。
また、鋳造されたシリンダから金型を抜く際、ボアの存在によってシリンダは内側に収縮しようとする。そのため、鋳抜き孔の壁面の内側部分の抜き勾配が小さくても、金型を容易に抜くことができる。一方、鋳抜き孔の壁面の外側部分の抜き勾配は内側部分の抜き勾配よりも大きいので、金型の抜き抵抗、即ち離型抵抗が過度に大きくなることを抑制することができる。
特に、鋳抜き孔の壁面の内側部分の抜き勾配は、0であることが好ましい。この構成によれば、鋳抜き孔とシリンダの内周面との間の距離は、シリンダの中心線方向に沿って一定となる。そのため、収容されるモータを中心線方向に沿ってバランス良く冷却することができ、冷却効率が向上される。一方、鋳抜き孔の壁面の外側部分は抜き勾配を有しているので、離型抵抗の過度の増加を抑制できる。
また、鋳抜き孔をシリンダの中心線方向と直交する方向に切断したときの断面形状は、シリンダの周方向に長い偏平形状であり、鋳抜き孔の壁面の外側部分の抜き勾配は、鋳抜き孔の壁面のうちシリンダの周方向の両端部分の抜き勾配よりも小さいことが好ましい。このように鋳抜き孔の断面形状が偏平形状であると、モータを効率良く冷却できる。鋳抜き孔の壁面の周方向の両端部分の抜き勾配によって、鋳抜き孔の周方向の長さは鋳抜きの方向に向けて徐々に長くなる。また、鋳抜き孔の壁面の外側部分の抜き勾配によって、鋳抜き孔の径方向の長さは鋳抜きの方向に向けて徐々に長くなる。鋳抜き孔の断面形状が偏平形状である場合、鋳抜き孔の周方向の長さは径方向の長さよりも長い。鋳抜き孔の壁面の外側部分の抜き勾配と周方向の両端部分の抜き勾配が同じであると、抜き勾配による長さの変化量は径方向と周方向で同じである。その一方、元の長さは周方向の長さの方が径方向の長さよりも長い。そのため、元の長さに対する、抜き勾配による長さの変化量の比率、即ち、(抜き勾配による長さの変化量)/(元の長さ)は、周方向の方が径方向よりも小さくなる。即ち、抜き勾配が長さの変化に与える影響は、周方向の方が径方向よりも小さい。そこで、外側部分の抜き勾配を相対的に小さくし、周方向の両端部分の抜き勾配を大きくすることにより、抜き勾配が鋳抜き孔の断面形状の変化に与える影響を抑制することができると共に、壁面の抜き勾配を確保することができる。従って、金型の抜き抵抗を抑制しつつ、冷却効率を総合的に向上させることができる。
以上のように、鋳抜き孔の壁面の内側部分における抜き勾配が外側部分における抜き勾配よりも小さいので、金型の抜き抵抗を抑制しつつ冷却効率を向上させることができる。
本発明の一実施形態におけるモータケースのシリンダを第二の端部側から中心線方向に見た図。 図1のA-A断面図。 (a)は図2の要部拡大図、(b)は鋳抜き孔の断面形状を示す拡大図。 同シリンダを周方向に沿って切断した展開図。 一方向に鋳抜いた鋳抜き孔のみを有するシリンダの展開図。 同シリンダを鋳造するための金型の要部を示し、(a)はボア形成部と第一の鋳抜き孔形成部を先端側から中心線方向に見た正面図、(b)は第二の鋳抜き孔形成部を先端側から中心線方向に見た正面図。 同シリンダの鋳造方法を示す概略図。 (a)は本発明の他の実施形態におけるシリンダの要部断面図、(b)は同シリンダの機械加工前の状態を示す要部断面図。 本発明の他の実施形態におけるシリンダを周方向に沿って切断した展開図。 同シリンダの加工方法を示す図9に対応した展開図。
以下、本発明の一実施形態にかかるモータケースのシリンダとその鋳造方法について図1~図7を参酌しつつ説明する。図1及び図2に、本実施形態にかかるモータケースのシリンダ1を示している。図1は、シリンダ1をその第二の端部12側から見た図である。尚、以下、シリンダ1の中心線方向を、単に中心線方向と称する。モータケースは、シリンダ1と、第一のカバー2と、第二のカバー3とを備えている。シリンダ1は、ボア10を有している。ボア10は、シリンダ1を中心線方向に貫通している。シリンダ1は、第一の端部11と第二の端部12に、それぞれボア10の開口部を有している。第一のカバー2は、シリンダ1の第一の端部11にネジ止めされる。第一のカバー2は、シリンダ1の第一の端部11の開口部を覆う。第二のカバー3は、シリンダ1の第二の端部12にネジ止めされる。第二のカバー3は、シリンダ1の第二の端部12の開口部を覆う。第一のカバー2と第二のカバー3は、互いに、中心線方向に対向する。シリンダ1の両端部11,12には、それぞれ第一及び第二のカバー2,3をネジ止めするためのネジボス13が設けられている。ネジボス13は、シリンダ1の外周面から局所的に径方向外側に膨出している。尚、ボア10はシリンダ1の第一の端部11と第二の端部12にそれぞれ開口しているものでなくてもよく、第一の端部11と第二の端部12のうちの一方のみに開口するものであってもよい。
モータケースには図示しないモータが収容される。モータのステータコイルは、シリンダ1の内周面14に固定される。ステータコイルは、モータの主要な発熱源である。モータケースは、モータを冷却するための冷却通路を有している。冷却通路には、水等の冷媒が流される。冷却通路の構造は種々であってよい。例えば、冷却通路は、シリンダ1と両カバー2,3とに形成される。シリンダ1は、冷却通路として複数の貫通孔20を有している。貫通孔20は、中心線方向に沿って延びていて、シリンダ1の両端部11,12にそれぞれ開口している。シリンダ1の両端部11,12は、それぞれ中心線方向に対して直交する平面である。
シリンダ1は鋳造製であり、ダイカストにより製造されている。尚、シリンダ1の両端部11,12や内周面14、ネジボス13のネジ孔13aは、鋳造後に切削加工等の機械加工により形成されている。シリンダ1の内周面14は勾配を有しないストレート形状である。貫通孔20は、シリンダ1の全長に亘って鋳抜かれた鋳抜き孔である。鋳抜き孔は鋳造時に金型によって鋳抜かれる。従って、鋳抜き孔の壁面は鋳抜きにより形成されており、機械加工されていない。複数の貫通孔20は、シリンダ1の周方向に一定間隔毎に並んでいる。貫通孔20の個数は任意であるが、好ましくは偶数であり、本実施形態では12個である。複数の貫通孔20のうち半数は第一の鋳抜き孔21であって残りの半数は第二の鋳抜き孔22である。即ち、第一の鋳抜き孔21と第二の鋳抜き孔22は、互いに同数であり、六個ずつである。第一の鋳抜き孔21は、シリンダ1の第一の端部11側から鋳抜かれている。そのため、第一の鋳抜き孔21の断面積は、シリンダ1の第二の端部12から第一の端部11に向けて徐々に大きくなっている。第二の鋳抜き孔22はシリンダ1の第二の端部12側から鋳抜かれている。そのため、第二の鋳抜き孔22の断面積は、シリンダ1の第一の端部11から第二の端部12に向けて徐々に大きくなっている。第一の鋳抜き孔21と第二の鋳抜き孔22はシリンダ1の周方向に交互に並んでいる。シリンダ1を第二の端部12側から見ると図1のようになる。シリンダ1の第二の端部12において、第一の鋳抜き孔21の開口部は小さく、第二の鋳抜き孔22の開口部は大きい。逆に、シリンダ1の第一の端部11においては、第一の鋳抜き孔21の開口部は大きく、第二の鋳抜き孔22の開口部は小さい。
鋳抜き孔21,22の詳細について説明する。尚、第一の鋳抜き孔21と第二の鋳抜き孔22は、鋳抜きの方向が異なる以外は同じである。図3(b)のように、鋳抜き孔21,22は、シリンダ1の周方向に長い偏平形状である。即ち、鋳抜き孔21,22をシリンダ1の中心線方向と直交する方向に切断したときの断面形状は、シリンダ1の周方向に長くシリンダ1の径方向に短い偏平形状である。鋳抜き孔21,22は、シリンダ1の周方向に長いトラック形状である。鋳抜き孔21,22は、シリンダ1の中心線を中心として、シリンダ1の周方向に沿って断面視円弧状に湾曲している。鋳抜き孔21,22の壁面は、シリンダ1の内周面14に近い内側部分23と、シリンダ1の外周面に近い外側部分24と、シリンダ1の周方向の両端部分25とを有している。鋳抜き孔21,22の壁面の内側部分23と外側部分24は、シリンダ1の周方向に沿って径方向外側に向けて断面視円弧状に湾曲している。鋳抜き孔21,22の壁面のうちシリンダ1の周方向の両端部分25を、以下、鋳抜き孔21,22の壁面の周方向両端部分25という。この鋳抜き孔21,22の壁面の周方向両端部分25は、断面視半円状である。
鋳抜き孔21,22の壁面は抜き勾配を有している。尚、図面では、抜き勾配を誇張して示している。抜き勾配は壁面の各部で異なっている。壁面の内側部分23の抜き勾配は、壁面の外側部分24の抜き勾配よりも小さい。壁面の外側部分24の抜き勾配は、壁面の周方向両端部分25の抜き勾配よりも小さい。壁面の周方向両端部分25の抜き勾配は互いに等しい。即ち、壁面の抜き勾配は、内側部分23、外側部分24、周方向両端部分25という順で大きくなっている。壁面の内側部分23の抜き勾配は0であることが好ましい。壁面の内側部分23の抜き勾配が0であると、壁面の内側部分23は、シリンダ1の中心線と平行になる。図3(a)のように、壁面の内側部分23とシリンダ1の内周面14との間の距離は、シリンダ1の全長に亘って一定である。一方、壁面の外側部分24は所定の抜き勾配を有している。壁面の外側部分24は、鋳抜きの方向に向けて徐々にシリンダ1の外周面に接近していく。
図4に、シリンダ1を周方向に展開した展開図を示している。上述のように第一の鋳抜き孔21と第二の鋳抜き孔22は周方向に交互に設けられている。第一の鋳抜き孔21は、シリンダ1の第二の端部12から第一の端部11に向けて徐々に幅が拡がっている。尚、幅は、周方向の寸法である。第二の鋳抜き孔22は、シリンダ1の第一の端部11から第二の端部12に向けて徐々に幅が拡がっている。第一の鋳抜き孔21と第二の鋳抜き孔22は、互いの壁面の周方向両端部分25の抜き勾配の大きさが等しくその向きが反対である。そのため、隣り合う第一の鋳抜き孔21と第二の鋳抜き孔22との間の周方向の距離は、シリンダ1の全長に亘って一定である。
図5に、一方向のみの鋳抜き孔21のみが形成されたシリンダ1を示している。図5は、全ての貫通孔が第一の鋳抜き孔21である場合を示している。この場合、隣り合う鋳抜き孔21,21同士の間の周方向の距離は、シリンダ1の第一の端部11から第二の端部12に向けて徐々に大きくなる。即ち、鋳抜き孔21,21同士の間の隔壁部26の幅は、シリンダ1の第一の端部11から第二の端部12に向けて徐々に大きくなる。そのため、隔壁部26に駄肉が生じる。一方、図4のように第一の鋳抜き孔21と第二の鋳抜き孔22とが周方向に交互に設けられていると、第一の鋳抜き孔21と第二の鋳抜き孔22との間の隔壁部26はシリンダ1の全長に亘って幅一定となり、隔壁部26に駄肉が生じない。
図2及び図4に示すように、両カバー2,3には冷却通路の一部が形成されている。シリンダ1の第一の端部11と対向する第一のカバー2の内面2aと、シリンダ1の第二の端部12と対向する第二のカバー3の内面3aとには、それぞれ冷却通路としての凹溝30が形成されている。凹溝30は、シリンダ1の周方向に沿って延びている。凹溝30は、隣り合う第一の鋳抜き孔21と第二の鋳抜き孔22とを連通している。冷媒が第一の鋳抜き孔21と第二の鋳抜き孔22を流れる方向は何れの方向であってもよいが、一例として、図4に矢印で冷媒の流れの方向を示している。冷媒の流れの方向は、例えば鋳抜きの方向であるが、逆であってもよい。この具体例では、第一の鋳抜き孔21を通った冷媒は、第一のカバー2の凹溝30を通って、隣の第二の鋳抜き孔22に入る。第二の鋳抜き孔22を通った冷媒は、第二のカバー3の凹溝30を通って、隣の第一の鋳抜き孔21に入る。尚、図示しないが、モータケースは、冷媒の入り口と出口を有している。入り口と出口は、例えば第一のカバー2や第二のカバー3に設けられるが、シリンダ1の外周面に設けられてもよい。
次に、シリンダ1の鋳造方法について説明する。図6及び図7に、シリンダ1を鋳造するための金型の要部を図示している。鋳造時にシリンダ1の中心線は例えば水平方向とされる。図示しない主型の型開き方向は例えばシリンダ1の中心線に対して左右方向とされる。主型は、固定型と可動型とを備えている。金型は、ボア10を形成するためのボア形成部40と、第一の鋳抜き孔21を形成するための第一の鋳抜き孔形成部41と、第二の鋳抜き孔22を形成するための第二の鋳抜き孔形成部42とを備えている。ボア形成部40と第一及び第二の鋳抜き孔形成部41,42は、中心線方向に沿って駆動される。ボア形成部40と第一及び第二の鋳抜き孔形成部41,42の移動方向は、主型の型開き方向に対して直交する方向である。第一の鋳抜き孔形成部41と第二の鋳抜き孔形成部42は、鋳造されるシリンダ1を中心として互いに反対側に対向して配置される。ボア形成部40は、シリンダ1に対して、例えば第一の鋳抜き孔形成部41と同じ側に配置される。
ボア形成部40は、所定の中心線を有する円柱状である。尚、ボア形成部40の外周面は所定の抜き勾配を有している。第一の鋳抜き孔形成部41は、ボア形成部40の中心線に沿って延びる薄い棒状であり、その断面形状は偏平形状である。第一の鋳抜き孔形成部41の個数は、第一の鋳抜き孔21の個数に対応している。合計六個の第一の鋳抜き孔形成部41は、ボア形成部40の径方向外側に一定角度毎に並んでいる。ボア形成部40と第一の鋳抜き孔形成部41をボア形成部40の先端側から見ると図6(a)のようになる。複数の第一の鋳抜き孔形成部41は、ボア形成部40を中心としてその周囲に一定角度毎に配置されている。一方、第二の鋳抜き孔形成部42は、第一の鋳抜き孔形成部41と同様の構成である。第二の鋳抜き孔形成部42は合計六個設けられていて一定角度毎に並んでいる。第二の鋳抜き孔形成部42を先端側から見ると図6(b)のようになる。第一の鋳抜き孔形成部41と第二の鋳抜き孔形成部42は互いに周方向に30度位置ずれしている。図6(a)に第二の鋳抜き孔形成部42を二点鎖線で示している。このように第一の鋳抜き孔形成部41と第二の鋳抜き孔形成部42とが互いに接近した状態では、隣り合う第一の鋳抜き孔形成部41同士の間に第二の鋳抜き孔形成部42が位置し、第一の鋳抜き孔形成部41と第二の鋳抜き孔形成部42は互いに周方向に交互に並ぶ。
シリンダ1の鋳造方法は、鋳造したシリンダ1を金型から取り出す離型工程を備えている。離型工程は、主型を型開きする型開き工程と、鋳造されたシリンダ1からスライドコアを引き抜く引き抜き工程とを備えている。上述のボア形成部40と第一及び第二の鋳抜き孔形成部41,42はスライドコアである。引き抜き工程は型開き工程よりも前に行う。引き抜き工程は、ボア形成部40を引き抜くボア抜き工程と、第一の鋳抜き孔形成部41を引き抜く第一の孔抜き工程と、第二の鋳抜き孔形成部42を引き抜く第二の孔抜き工程とを有している。ボア抜き工程では、ボア形成部40を水平方向の第一方向に駆動して、シリンダ1の第一の端部11側からボア形成部40を第一方向に引き抜く。第一の孔抜き工程では、第一の鋳抜き孔形成部41をボア形成部40と同一方向に駆動して、シリンダ1の第一の端部11側から第一の鋳抜き孔形成部41を第一方向に引き抜く。第二の孔抜き工程では、第二の鋳抜き孔形成部42をボア形成部40や第一の鋳抜き孔形成部41とは反対方向である第二方向に駆動して、シリンダ1の第二の端部12側から第二の鋳抜き孔形成部42を第二方向に引き抜く。
工程の順序の一例を挙げる。図7のように、まず、第一の孔抜き工程とボア抜き工程とを同時に行う。即ち、ボア形成部40と第一の鋳抜き孔形成部41とを同時に駆動してそれらをまとめて第一方向に移動させてシリンダ1の第一の端部11側から引き抜く。その後、第二の孔抜き工程を行う。工程の順序の別の例を挙げる。まず、ボア抜き工程を行う。その後、第一の孔抜き工程と第二の孔抜き工程とを同時に行う。尚、第一の孔抜き工程と第二の孔抜き工程とを互いに時間差を設けて行ってもよい。このように、ボア抜き工程の後に第二の孔抜き工程を行うと、シリンダ1から第二の鋳抜き孔形成部42をスムーズに抜くことができる。第二の鋳抜き孔形成部42を引き抜く際の抵抗が小さくなるので、鋳造装置の大型化も抑制できる。
以上のように、本実施形態におけるシリンダ1は、第一の端部11側から鋳抜かれた第一の鋳抜き孔21と第二の端部12側から鋳抜かれた第二の鋳抜き孔22とを有している。そのため、シリンダ1における冷却通路の断面積は、中心線方向に沿って変化しにくく、第一の端部11側に偏ったり、あるいは、第二の端部12側に偏ったりしにくくなる。従って、シリンダ1を中心線方向に沿ってバランス良く冷却することができる。特に、第一の鋳抜き孔21と第二の鋳抜き孔22がシリンダ1の周方向に交互に設けられていると、周方向に沿った冷却バラツキも抑制でき、シリンダ1を周方向にもバランス良く冷却することができる。更に、第一の鋳抜き孔21と第二の鋳抜き孔22が互いに同数であると、冷却通路のトータルとしての断面積は中心線方向に沿って一定となる。そのため、シリンダ1を中心線方向に沿って均一に冷却できる。尚、第一の鋳抜き孔21が二個、その隣に第二の鋳抜き孔22が二個というように、第一の鋳抜き孔21と第二の鋳抜き孔22が周方向に沿って二個ずつ交互に配置されていてもよい。また、シリンダ1の全周のうち半周分には第一の鋳抜き孔21のみが形成され、残る半周分には第二の鋳抜き孔22のみが形成されてもよい。このように第一の鋳抜き孔21と第二の鋳抜き孔22の配置態様は種々であってよい。但し、第一の鋳抜き孔21と第二の鋳抜き孔22とが同数であって且つ周方向に一個ずつ交互に配置されていると、シリンダ1の冷却通路の全体としての断面積は、シリンダ1の全長に亘って一定となる。そのため、シリンダ1を全長に亘って均一に冷却でき、冷却効率に優れている。
また、鋳抜き孔21,22の壁面の内側部分23の抜き勾配は、外側部分24の抜き勾配よりも小さい。そのため、モータを効率良く冷却することができる。特に、鋳抜き孔21,22の壁面の内側部分23の抜き勾配が0であると、鋳抜き孔21,22とシリンダ1の内周面14との間の距離が中心線方向に沿って一定となる。そのため、モータを中心線方向に沿って均一に冷却しやすくなり、冷却効率が向上する。
更に、鋳抜き孔21,22の断面形状が偏平形状であると、鋳抜き孔21,22の個数を過度に増やさなくても、モータを効率良く冷却できる。鋳抜き孔21,22の壁面の周方向両端部分25の抜き勾配によって、鋳抜き孔21,22の周方向の長さは鋳抜きの方向に向けて徐々に長くなる。即ち、第一の鋳抜き孔21においては、第一の端部11に向けて徐々に周方向の長さが長くなり、第二の鋳抜き孔22においては、第二の端部12に向けて徐々に周方向の長さが長くなる。また、鋳抜き孔21,22の壁面の外側部分24の抜き勾配によって、鋳抜き孔21,22の径方向の長さは鋳抜きの方向に向けて徐々に長くなる。即ち、第一の鋳抜き孔21においては、第一の端部11に向けて徐々に径方向の長さが長くなり、第二の鋳抜き孔22においては、第二の端部12に向けて徐々に径方向の長さが長くなる。鋳抜き孔21,22の断面形状が偏平形状である場合、鋳抜き孔21,22の周方向の長さは径方向の長さよりも長い。鋳抜き孔21,22の壁面の外側部分24の抜き勾配と周方向両端部分25の抜き勾配が同じであると、抜き勾配による長さの変化量は径方向と周方向で同じである。その一方、元の長さは周方向の長さの方が径方向の長さよりも長い。そのため、元の長さに対する、抜き勾配による長さの変化量の比率、即ち、(抜き勾配による長さの変化量)/(元の長さ)は、周方向の方が径方向よりも小さくなる。即ち、抜き勾配が長さの変化に与える影響は、周方向の方が径方向よりも小さい。そこで、外側部分24の抜き勾配を相対的に小さくし、周方向両端部分25の抜き勾配を大きくすることにより、抜き勾配が鋳抜き孔21,22の断面形状の変化に与える影響を抑制することができると共に、壁面の抜き勾配を確保することができる。従って、金型の抜き抵抗を抑制しつつ、冷却効率を総合的に向上させることができる。
一方、鋳造されたシリンダ1から金型を抜く際、ボア10の存在によってシリンダ1は内側に収縮しようとする。そのため、鋳抜き孔21,22の壁面の内側部分23の抜き勾配が小さくても、金型を容易に抜くことができる。一方、鋳抜き孔21,22の壁面の外側部分24の抜き勾配は内側部分23の抜き勾配よりも大きいので、金型の抜き抵抗、即ち離型抵抗が過度に大きくなることを抑制することができる。また、鋳抜き孔21,22の壁面の周方向両端部分25の抜き勾配が、鋳抜き孔21,22の壁面の外側部分24の抜き勾配よりも大きいと、離型抵抗を更に抑制できる。
尚、本実施形態では、第一の鋳抜き孔21の抜き勾配と第二の鋳抜き孔22の抜き勾配を互いに同じにしたが、互いに異なっていてもよい。例えば、ボア形成部40と第一の鋳抜き孔形成部41とを同じ方向に同時に引き抜き、その後に第二の鋳抜き孔形成部42を反対方向に引き抜く場合には、第一の鋳抜き孔21の抜き勾配を第二の鋳抜き孔22の抜き勾配よりも大きくしてもよい。第一の鋳抜き孔21の壁面全体の抜き勾配を、第二の鋳抜き孔22の壁面全体の抜き勾配よりも大きくしてもよいし、第一の鋳抜き孔21の壁面の抜き勾配のうち一部のみを第二の鋳抜き孔22の対応箇所よりも大きくしてもよい。例えば、第一の鋳抜き孔21の壁面の内側部分23の抜き勾配を、第二の鋳抜き孔22の壁面の内側部分23の抜き勾配よりも大きくしてもよい。
また、上記実施形態では、貫通孔20が全長に亘って鋳抜き孔21,22である場合について説明したが、貫通孔20の全長のうち大部分が鋳抜き孔21,22であってもよい。例えば、貫通孔20の全長のうちの大部分が鋳抜き孔21,22であって貫通孔20の全長のうちの残部は鋳造後に切削加工等の機械加工によって形成された切削孔であってもよい。一例として第一の鋳抜き孔21の場合について説明する。図8(a)のように、シリンダ1の貫通孔20は、第一の鋳抜き孔21と切削孔50とから構成される。貫通孔20の全長のうち第一の端部11側の大部分が第一の鋳抜き孔21であり、貫通孔20の残部が切削孔50である。切削孔50の壁面は、切削加工によって形成されている。図8(b)のように、鋳造時にシリンダ1の第一の端部11側から鋳抜かれることにより非貫通の第一の鋳抜き孔21が形成される。非貫通の第一の鋳抜き孔21は、シリンダ1の全長のうち第二の端部12側の一部を除く大部分に形成される。この状態において、第一の鋳抜き孔21はシリンダ1の第一の端部11に開口しているものの第二の端部12には開口していない。鋳造後にシリンダ1の第二の端部12側から切削加工によって切削孔50を第一の鋳抜き孔21と同軸状に形成し、貫通孔20を完成させる。尚、鋳造後に第一の鋳抜き孔21に切削加工用の工具を挿入してシリンダ1の第一の端部11側から切削孔50を形成してもよい。第一の鋳抜き孔21の場合について説明したが第二の鋳抜き孔22の場合も同様である。
また、冷却通路として非貫通の孔がシリンダ1に形成されていてもよい。例えば、図9のように、シリンダ1の第一の端部11側から鋳抜かれた非貫通の第一の鋳抜き孔21と、シリンダ1の第二の端部12側から鋳抜かれた非貫通の第二の鋳抜き孔22とを周方向に交互に配置することができる。隣り合う第一の鋳抜き孔21と第二の鋳抜き孔22との間の隔壁部26には連通孔51が設けられている。連通孔51は、第一の鋳抜き孔21の奥側の端部近傍の隔壁部26と、第二の鋳抜き孔22の奥側の端部近傍の隔壁部26に設けられている。この連通孔51を介して第一の鋳抜き孔21と第二の鋳抜き孔22とが連通する。図9に冷媒の流れを矢印で示している。尚、この場合には、第一のカバー2と第二のカバー3には凹溝30は形成されない。連通孔51は、鋳造後のシリンダ1に切削加工等の機械加工によって形成される。即ち、連通孔51は後加工によって形成される。図10に丸印で示している箇所に、シリンダ1の外周面から径方向内側に向けて横孔を途中まで形成することで、隔壁部26に連通孔51を形成することができる。横孔の外側部分は図示しない栓体で封止する。
尚、第一の鋳抜き孔21のみが設けられていたり、第二の鋳抜き孔22のみが設けられていたりしてもよい。
1 シリンダ
2 第一のカバー
2a 内面
3 第二のカバー
3a 内面
10 ボア
11 第一の端部
12 第二の端部
13 ネジボス
13a ネジ孔
14 内周面
20 貫通孔
21 第一の鋳抜き孔
22 第二の鋳抜き孔
23 内側部分
24 外側部分
25 両端部分
26 隔壁部
30 凹溝
40 ボア形成部
41 第一の鋳抜き孔形成部
42 第二の鋳抜き孔形成部
50 切削孔
51 連通孔

Claims (2)

  1. モータケースにおける鋳造製のシリンダであって、
    冷媒が流される冷却通路を有し、冷却通路は、シリンダの中心線方向に鋳抜かれた鋳抜き孔を有し、
    鋳抜き孔をシリンダの中心線方向と直交する方向に切断したときの断面形状は、シリンダの周方向に長い偏平形状であり、
    鋳抜き孔の壁面のうちシリンダの内周面に近い内側部分の抜き勾配は、シリンダの外周面に近い外側部分の抜き勾配よりも小さく、
    鋳抜き孔の壁面の外側部分の抜き勾配は、鋳抜き孔の壁面のうちシリンダの周方向の両端部分の抜き勾配よりも小さい、モータケースのシリンダ。
  2. 鋳抜き孔の壁面の内側部分の抜き勾配は、0である請求項1記載のモータケースのシリンダ。
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