JP4918538B2 - エンジンのクランクケース - Google Patents

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Description

本発明は、車両用エンジン等に備えられるクランクケースの構造に関するものである。
回転軸を支持するために、クランクケースに凹部や貫通孔を形成し、これらの凹部や貫通孔の内周を切削加工してベアリングのアウタレースを支持するようにした軸受構造が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。クランクケースを鋳造によって形成し、凹部などの内周を切削加工すると、鋳造時に出来た巣が加工表面に表われ、応力集中によりクランクケースの強度が低下することがある。
特許3844204号公報
本発明は、切削加工する面の近傍に油路又はボルト孔を配置した場合であっても、鋳造時に発生した巣が開口しないようにして強度を維持する手段を提供しようとするものである。
本発明は上記課題を解決したものであって、請求項1に記載の発明は、鋳造によって成形されるエンジンのクランクケースであって、鋳造後に切削加工が施される環状支持部を有するクランクケースにおいて、前記環状支持部は、鋳造成形後に環状支持部の内周面を切削加工することで形成された通常径部分と、前記鋳造成形時に、前記環状支持部の内周面の一部が凹陥するように形成されて、前記環状支持部の内周面の前記切削加工時に切削加工を免れた鋳肌面をもつ凹部とを有し、前記環状支持部に隣接して設けられた油路と前記環状支持部との距離が最も近い部分に記凹部が設けられることを特徴とするクランクケースである
請求項2に記載の発明は、鋳造によって成形されるエンジンのクランクケースであって、鋳造後に切削加工が施される環状支持部を有するクランクケースにおいて、前記環状支持部は、鋳造成形後に環状支持部の内周面を切削加工することで形成された通常径部分と、前記鋳造成形時に、前記環状支持部の内周面の一部が凹陥するように形成されて、前記環状支持部の内周面の前記切削加工時に切削加工を免れた鋳肌面をもつ凹部とを有し、前記環状支持部に隣接して設けられたボルト孔と前記環状支持部との距離が最も近い部分に記凹部が設けられることを特徴とするクランクケースである
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のクランクケースにおいて、通常径部分は環状支持部の内周面であり、前記凹部は前記通常径部分の内周面よりも大径の大径部であり、記大径部は記環状支持部の軸方向の幅の一方の側にのみ形成されることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のクランクケースにおいて、記環状支持部は、エンジンの歯車変速機のメイン軸を支持しつつ、前記歯車変速機のクラッチに隣接して設けられることを特徴とする。
請求項1の発明において、
切削加工部を凹部を除いて切削加工することによって、凹部の周辺に巣が存在していた場合に、その巣が開口することが防がれ、クランクケースの強度を部分的に高く維持することが出来る。特に、切削加工部と油路とが隣接する場合に、切削加工部と油路とを隔てる壁が薄壁となる部分の強度を高く維持することが出来る。
請求項2の発明において、
切削加工部を凹部を除いて切削加工することによって、凹部の周辺に巣が存在していた場合に、その巣が開口することが防がれ、クランクケースの強度を部分的に高く維持することが出来る。特に、切削加工部とボルト孔とが隣接する場合に、切削加工部とボルト孔とを隔てる壁が薄壁となる部分の強度を高く維持することが出来る。
請求項3の発明において、
環状部の内周面の一部を大径化することで、簡易な構成で油路に隣接する切削加工部の強度を高く維持することが出来る。また、環状支持部の軸方向の全幅にわたって大径部を形成するのではなく、大径部が形成されない部分を残して通常径に形成して切削加工するので、ボールベアリングや回転軸の支持を良好にすることが出来る。
請求項4の発明において、
上記大径部を形成した環状支持部を、メイン軸を支持しつつ、変速クラッチに隣接して設けた場合においては、ベアリングを特別に大型化することなく変速クラッチを良好に支持することが出来る。
図1は、本発明の一実施形態に係るクランクケースを備えた自動二輪車用エンジン1の縦断面を左方から見た図である。本実施形態の説明あるいは図で、前(F)、左(L)、右(R)などは、車両の前・左・右を基準にして示している。上記エンジン1の殻体は、クランクケース2、シリンダブロック3、シリンダヘッド4、およびシリンダヘッドカバー5からなる。クランクケース2は左右半割り形式で、詳しくは図3に示すが、左クランクケース2L、右クランクケース2R、左クランクケースカバー6L、および右クランクケースカバー6Rからなっている。図1には、右クランクケース2Rの左面(内側面)が示され、左クランクケース2Lとの合わせ面2Raが示されている。クランクケース2には、クランク軸7、バランサ8、常時噛合い式歯車変速機9のメイン軸10、カウンタ軸11、シフトフォーク12、およびシフトドラム13が、回転または回動可能に支持されている。シリンダブロック3にはピストン16が摺動可能に嵌装され、コンロッド17を介してクランク軸7のクランクピン18に接続され、ピストン16の動きに応じてクランク軸7を回転駆動する。シリンダヘッド4の下部、ピストン16の上部には、燃焼室19が形成されている。この燃焼室19には、吸気ポート20、排気ポート21が連なり、これらを開閉する吸気弁22および排気弁23が設けてある。吸気ポート20には、スロットルボディ24および燃料噴射弁25が接続されている。
図2は、上記エンジン1の縦断面を右方から見た図である。図には、左クランクケース2Lの右面(内側面)が示され、右クランクケース2Rとの合わせ面2Laが示されている。図には、回転軸を除去して左クランクケース2L内部のクランク軸左側軸受部78L、バランサ左側軸受部79L、メイン軸左側軸受部80L、およびカウンタ軸左側軸受部81Lが示してある。
図3は図2のIII−III断面展開図である。クランクケース2は、シリンダ軸線を通る鉛直面で分かれる左右半割り形式で、左クランクケース2L、右クランクケース2R、左クランクケースカバー6L、および右クランクケースカバー6Rからなっている。クランクケース2の上面に順に、シリンダブロック3、シリンダヘッド4、シリンダヘッドカバー5が接続されている。シリンダヘッド4の下部には燃焼室19に臨む点火プラグ26が設けてある。クランク軸7は、左右クランクケース2L、2Rに、ジャーナル軸受27A、27Bを介して支持されている。メイン軸10は、左右クランクケース2L、2Rに、ボールベアリング28A、28Bを介して支持されている。カウンタ軸11は、左右クランクケース2L、2Rに、ボールベアリング29A、29Bを介して支持されている。
クランク軸7の左方延伸部に交流発電機30が設けられ、左クランクケースに固定された左クランクケースカバー6Lによって覆われている。交流発電機30のステータ31は、左クランクケースカバー6Lの内面に固定されている。交流発電機30のロータ32は、クランク軸7の左端に固定されている。ジャーナル軸受27Aに隣接して、スタータ従動歯車35がクランク軸7に対して回転可能に設けてある。スタータ従動歯車35の回転は、ワンウエイクラッチ36と交流発電機30のロータ32とを介してクランク軸7に伝達される。クランク軸7の右方延伸部には、バランサ駆動歯車37、カムチェーン駆動スプロケット38、クランク軸7の動力を変速機9に伝えるプライマリ駆動歯車39、が順に固定されている。カムチェーン駆動スプロケット38にはカムチェーン40が巻きかけられ、カムチェーン室41を経由して、シリンダヘッド4とシリンダヘッドカバー5の内部に設けてある動弁機構に達している。
メイン軸10の右端部には、多板クラッチ42が設けてあり、そのクラッチアウタ43には、上記クランク軸7のプライマリ駆動歯車39から動力を受けるプライマリ従動歯車44が固定されている。クラッチインナ45はメイン軸10に固定されている。運転者のクラッチ操作によって、クラッチアウタ43とクラッチインナ45の間の摩擦板50によって動力が断接される。メイン軸10とカウンタ軸11には、常時噛合い式歯車変速機9の変速用歯車群46が設けられ、図示していない変速機構の操作によって、1速〜6速の変速がなされる。カウンタ軸11はこの変速機の出力軸であり、カウンタ軸11の左端には後輪駆動用スプロケット47が固定され、後輪駆動用チェーン48が掛けまわしてある。
図4は、上記エンジン1の左クランクケースカバー6Lを取外した状態の左面図である。図の左クランクケース2Lには、左クランクケースカバー6Lとの合わせ面2Lbと後輪駆動用スプロケット47の保護部49が示されている。クランクケース2の後部上面にスタータモータ52が設置されており、スタータモータ52の駆動力は、スタータモータ52の回転軸53のピニオン54から、中間軸55の大径歯車56と小径歯車57を経由して、クランク軸7のスタータ従動歯車35(図3も参照)に伝達される。図において、スタータ従動歯車35の手前側にステータ31とロータ32からなる交流発電機30が設けてある。
図5は、上記エンジン1の右クランクケースカバー6Rを取外した状態の右面図である。図の右クランクケース2Rには、右クランクケースカバー6Rとの合わせ面2Rbが示してある。右クランクケースカバー6Rを取外した開口から右クランクケース2Rの内部が見える。この部分のクランク軸7には、動弁機構のカムチェーン駆動スプロケット38が設けてあり、カムチェーン40が掛け回されている。カムチェーン40には、テンショナ58が設けてあり、シリンダブロック3の壁体を貫通して外側から設けられたテンショナリフタ59が、上記テンショナ58を内方へ押している。クランク軸7の下方にはオイルポンプ60が設けてある。メイン軸10の下方にはシフトドラム回動機構61が設けてある。
図5には、回転軸を取り除いて、バランサ右側軸受部79R、メイン軸右側軸受部80R、およびカウンタ軸右側軸受部81Rが示してある。メイン軸右側軸受部80R、およびカウンタ軸右側軸受部81Rの上方には、カウンタ軸右側軸受部81Rに連通する油路62、63が設けてある。カウンタ軸右側軸受部81Rに供給されたオイルは、図3および後述の図6に示されるように、カウンタ軸11の中心孔11aを経由して、変速用歯車群46に供給される。
図6は、図1および図5のVI−VI断面展開図である。図5の油路62から分岐する油路64は、図6に示されるように左方へ伸び、更に、図2および図6に示されるように下方へ伸びる油路65となって、メイン軸左側軸受部80Lに連通する。メイン軸左側軸受部80Lに供給されたオイルは、図3および図6に示されるメイン軸10の中心孔10aを経由して、変速用歯車群46に供給される。
図6において、メイン軸10には、多板クラッチ42と、1速〜6速歯車M1x、M2x、M3s、M4s、M5w、M6wが設けてある。カウンタ軸11には1速〜6速歯車C1w、C2w、C3w、C4w、C5s、C6sが設けてある。これらは対応する歯車が常時噛み合う変速用歯車群46である。添字xは、軸と一体または軸に固定されている歯車、添字wは、軸上の所定の位置で軸に対して空転可能の歯車、添字sは、スプラインによって保持され、空転不可であるが、軸方向摺動可能の歯車である。運転者の意思によってシフトドラム回動機構61(図5)を介してシフトドラム13(図1)が駆動され、シフトフォーク12が軸方向摺動可能歯車(添字s)を駆動して、隣の空転歯車(添字w)に係合し、所定の変速がなされる。
図2において、カウンタ軸11の上方にクランクケース2の内外を連通するブリーザ室68が形成されている。図示のブリーザ室68は左ブリーザ室68Lであり、右クランクケース2Rに形成されている右ブリーザ室68R(図1)と一体化して完全なブリーザ室68となる。左ブリーザ室68Lの上壁にはブリーザ室68の内外を連通するガス流通管69が立設されている。図1、図2に示されるように、ブリーザ室68とシリンダブロック3との間の凹部70にスタータモータ52が設けてある。
図1には、図2に示した左ブリーザ室68Lにつながる右ブリーザ室68Rが示されている。右ブリーザ室68Rに隣接して、スピードセンサ71が設けてある。図1、図2に示されるように、メイン軸10をカウンタ軸11の斜め上方に配置し、ブリーザ室68とスピードセンサ71を、カウンタ軸11の上方かつメイン軸の歯車の後方に配置してある。これによって、メイン軸10とカウンタ軸11の前後方向の距離、即ちエンジン1の前後方向長さを短くすることが出来、かつカウンタ軸11の上方のスペースを有効利用することが出来る。
図6において、クランクケース2の上部に、左ブリーザ室68Lと右ブリーザ室68Rが一体となったブリーザ室68が示されている。ブリーザ室68の上部にはガス流通管69が立設されている。スピードセンサ71は、スピードセンサ支持壁75の上面にボルト72によって取付けられている。スピードセンサ71の円筒状の軸は、ブリーザ室68の右側(変速機軸方向)に隣接して、スピードセンサ支持壁75に形成された貫通孔からクランクケース内方に嵌入される。さらに、スピードセンサ支持壁75には環状のボス部75aとその下部に環状のガイド部75bが形成され、スピードセンサ71は、ボス部75aにO-リング83を介して支持されつつ、その下部で環状のガイド部75bに沿って配置される。ガイド部75bはボス部75aの内面の一部に形成されている部分である。ブリーザ室68の側壁の一部は、ガイド部75b付近のボス部75aにより構成されている。スピードセンサ71の先端は、メイン軸10の第5速歯車M5wの歯先部に対向している。ブリーザ室68の深さXとスピードセンサ71の軸方向長さYは略同一としてある。
図7は、クランクケース2の後部の上面図である。後部にブリーザ室68とガス流通管69とスピードセンサ71が設けてある。クランク軸7を始動するスタータモータ52は、ブリーザ室68とスピードセンサ71の前方の、クランクケース2の上面の凹部70に配置されている(図1、図2)。これによって、スタータモータ52の突出を避けることが出来る。スタータモータ52のピニオン54は、左クランクケース2Lの左側上部の突出部73内に挿入されている(図4も参照)。ピニオン54と、それに接続する中間軸55の大径歯車56、小径歯車57、およびスタータ従動歯車35からなる歯車列(図4)は、左クランクケースカバー6Lによって覆われる。
図6において、クランクケース2の後部では、ブリーザ室68の上壁74を、スピードセンサ71の支持壁75と略同じ高さとし、スピードセンサ71を、変速機メイン軸10の第5速歯車M5wに対向して配置してある。上記スピードセンサ71は磁気センサであり、歯車の歯先が通過するときの磁束変化を電気信号に変換して回転速度を検出するものである。
上記メイン軸10の第5速歯車M5wは空転歯車であり、メイン軸10と連動していない。メイン軸10の第5速歯車M5wは、出力軸であるカウンタ軸11の空転不可・軸方向摺動可能歯車C5sに常時噛み合っているので、カウンタ軸11と連動している。カウンタ軸11は、更に、同カウンタ軸11に設けられた後輪駆動用スプロケット47と後輪駆動用チェーン48を介して車両の後輪に連動している。車両の後輪の回転速度は、ほぼ車両の対地速度に比例している。したがって、メイン軸10の第5速歯車M5wの回転速度を基にして車両の速度を算出することが可能である。
図6において、ボールベアリング28Bのアウタレースを支持する環状支持部76(切削加工部)には、図5に示されるように、内周の一部に大径部(凹部)76aが形成してある。この大径部76aは、鋳造時に形成されるものであり、この環状支持部76の内周を切削加工する時には、通常径部分76bのみを切削加工し、上記大径部76aは、切削加工しないまま残される。鋳造品を切削加工すると、巣が内部に存在している場合には、それが開口して強度が低下する。大径部76aは切削加工を免れるので、この部分の周辺に巣があったとしても、その巣は開口することが防がれ、大径部76aの周辺は高い強度を維持することが出来る。図5および図6において、上記環状支持部76に隣接して、油路62が設けてある。油路62と環状支持部76との距離が最も近い部分に上記大径部76aが設けてあるので、油路62と環状支持部76との間を薄肉にした場合でも、この部分の軸受部の強度を高く維持することが出来る。
上記大径部76aは、図6に示されるように、上記環状支持部76の軸方向の幅の一方の側にのみ形成されている。環状支持部76の軸方向の全幅にわたって大径部76aを形成するのではなく、大径部76aに隣接して通常径部分76bが残してあるので、ボールベアリング28Bの外周を全周にわたって通常径部分76bで支持することとなり、ボールベアリング28Bのアウタレースに対してケース側軸受部(即ち通常径部分76b)が剛に接触するので、一部にケース側軸受不存在部(すなわち大径部76a)があっても、メイン軸10の軸位置がずれることが防がれる。
図6において、メイン軸10は、一端側に大重量の多板クラッチ42を支持しているので、多板クラッチ42とメイン軸10の変速用歯車群46との間に大型ボールベアリング28Bを備えている。上記環状支持部76は、多板クラッチ42に隣接して設けられているので、大重量の多板クラッチ42を高強度で支持することが出来る。
図8は、図6のスピードセンサの近傍の拡大図、図9は、図8のIX−IX断面図であり、スピードセンサ71を除去して管状支持部としての環状のボス部75aの断面のみを示した断面図である。スピードセンサ71を収容する環状のボス部(切削加工部)75aがクランクケース2Rに形成されている。このボス部75aのセンサ収容孔82の内面の、油路62に隣接した部分には、鋳造時に成形された大径部(凹部)82aが設けられている。鋳造後、センサの環状のボス部75aをスピードセンサ71を収容可能に切削加工する際に、上記大径部82aは切削加工しないままの鋳肌表面として残される。これによって、センサ収容孔82と油路62とにはさまれる環状のボス部75aの強度を高く維持することが出来る。
図10は、図8のX−X断面図であり、スピードセンサ71を除去して管状支持部としての環状のボス部75aの断面のみを示した断面図である。スピードセンサ71のボス部75aとスピードセンサ71との間をシールするO-リング83の外側にスピードセンサ座面84が形成されている。スピードセンサ座面84が設けられている凹部85に隣接して、スピードセンサ71を固定するボルト72が螺合するボルト孔86が設けてある。上記凹部85の、ボルト孔86に隣接した部分には、鋳造時に成形された大径部(凹部)85aが設けてある。これによって、凹部85とボルト孔86とにはさまれる環状のボス部75aの強度を高く維持することが出来る。
上記の他に、クランクケース2L、2Rを締結するボルト孔の近傍に大径部(凹部)を設けて、その付近の強度を高く維持することが出来る。
メイン軸10の第5速歯車M5wは、上記高強度の環状支持部76によって支持される大型ボールベアリング28Bの近くに設けてあるので、歯先のぶれが小さい。このため、スピードセンサ71をメイン軸10の第5速歯車M5wに近づけて、高精度の速度検出を行うことが出来る。
以上詳述したように、上記実施形態においては、次の効果がもたらされる。
(1)切削加工部を凹部を除いて切削加工することによって、凹部の周辺に巣が存在していた場合に、その巣が開口することが防がれ、クランクケースの強度を部分的に高く維持することが出来る。特に、切削加工部と油路とが隣接する場合に、切削加工部と油路とを隔てる壁が薄壁となる部分の強度を高く維持することが出来る。
(2)切削加工部を凹部を除いて切削加工することによって、凹部の周辺に巣が存在していた場合に、その巣が開口することが防がれ、クランクケースの強度を部分的に高く維持することが出来る。特に、切削加工部とボルト孔とが隣接する場合に、切削加工部とボルト孔とを隔てる壁が薄壁となる部分の強度を高く維持することが出来る。
(3)環状部の内周面の一部を大径化することで、簡易な構成で油路に隣接する切削加工部の強度を高く維持することが出来る。また、環状支持部の軸方向の全幅にわたって大径部を形成するのではなく、大径部が形成されない部分を残して通常径に形成して切削加工するので、ボールベアリングや回転軸の支持を良好にすることが出来る。
(4)上記大径部を形成した環状支持部を、メイン軸を支持しつつ、変速クラッチに隣接して設けた場合においては、ベアリングを特別に大型化することなく変速クラッチを良好に支持することが出来る。
本発明の一実施形態に係るクランクケースを備える自動二輪車用エンジンの縦断面を左方から見た図である。 上記エンジンの縦断面を右方から見た図である。 図2のIII−III断面展開図である。 上記エンジンの左クランクケースカバーを取外した状態の左面図である。 上記エンジンの右クランクケースカバーを取外した状態の右面図である。 図1のVI−VI断面図である。 クランクケース後部の上面図である。 図6のスピードセンサの近傍の拡大図 図8のIX−IX断面図である(スピードセンサを除去して示してある)。 図8のX−X断面図である(スピードセンサを除去して示してある)。
符号の説明
1…自動二輪車用エンジン、2…クランクケース、7…クランク軸、9…変速機、10…メイン軸、11…カウンタ軸、28A…メイン軸左ボールベアリング、28B…メイン軸右ボールベアリング、35…スタータ従動歯車、39…プライマリ駆動歯車、42…多板クラッチ、44…プライマリ従動歯車、46…変速用歯車群、47…後輪駆動用スプロケット、48…後輪駆動用チェーン、52…スタータモータ、54…ピニオン、55…中間軸、56…大径歯車、57…小径歯車、62…油路、63…油路、64…油路、65…油路、68…ブリーザ室、69…ガス流通管、71…スピードセンサ、75…スピードセンサ71の支持壁、75a…環状のボス部、75b…環状のガイド部、76…環状支持部、76a…環状支持部の大径部、76b…環状支持部の通常径部分、80L…メイン軸左側軸受部、80R…メイン軸右側軸受部、81L…カウンタ軸左側軸受部、81R…カウンタ軸右側軸受部、82…センサ収容孔、82a…大径部(凹部)、83…O-リング、84…スピードセンサ座面、85…センサ座面が設けられている凹部、85a…大径部(凹部)、86…ボルト孔。

Claims (4)

  1. 鋳造によって成形されるエンジンのクランクケースであって、鋳造後に切削加工が施される環状支持部(76,75a)を有するクランクケースにおいて、
    前記環状支持部(76,75a)は、鋳造成形後に環状支持部(76,75a)の内周面を切削加工することで形成された通常径部分(76b)と、前記鋳造成形時に、前記環状支持部(76,75a)の内周面の一部が凹陥するように形成されて、前記環状支持部(76,75a)の内周面の前記切削加工時に切削加工を免れた鋳肌面をもつ凹部(76a,82a)とを有し、
    前記環状支持部(76,75a)に隣接して設けられた油路(62)と前記環状支持部(76,75a)との距離が最も近い部分に記凹部(76a,82a)が設けられることを特徴とするクランクケース。
  2. 鋳造によって成形されるエンジンのクランクケースであって、鋳造後に切削加工が施される環状支持部(75a)を有するクランクケースにおいて、
    前記環状支持部(75a)は、鋳造成形後に環状支持部(75a)の内周面を切削加工することで形成された通常径部分と、前記鋳造成形時に、前記環状支持部(75a)の内周面の一部が凹陥するように形成されて、前記環状支持部(75a)の内周面の前記切削加工時に切削加工を免れた鋳肌面をもつ凹部(85a)とを有し、
    前記環状支持部(75a)に隣接して設けられたボルト孔(86)と前記環状支持部(75a)との距離が最も近い部分に記凹部(85a)が設けられることを特徴とするクランクケース。
  3. 通常径部分(76b)は環状支持部(76,75a)の内周面であり、前記凹部(76a,85a)は前記通常径部分(76b)の内周面よりも大径の大径部(76a,85a)であり、
    記大径部(76a,85a)は記環状支持部(76,75a)の軸方向の幅の一方の側にのみ形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のクランクケース。
  4. 記環状支持部(76)は、エンジンの歯車変速機(9)のメイン軸(10)を支持しつつ、前記歯車変速機(9)のクラッチ(42)に隣接して設けられることを特徴とする請求項3に記載のクランクケース。
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