JP7459055B2 - 旅行用バッグ、特に可撓性または半剛体の旅行用バッグを製作するための方法 - Google Patents

Description

本発明は、旅行かばん、特に可撓性または半剛体タイプの旅行用バッグを製作するための方法

可撓性または半可撓性タイプの旅行用バッグの製作は、全体的に異なった個別要素を製作し、次いで、複数の結合領域において接着または縫製により多様な要素を組み立て、縁飾りにより多様な結合領域を隠すことを含んでいる。

欧州特許出願公開第０ ８０６ １９０号明細書

Wonseok Choi and Nancy B. Powell著「Three dimensional seamless garment knitting on V-bed flat knitting machines」published in the Journal of Textile and Apparel, Technology and Management, Volume 4, Issue 3, Spring 2005.

本発明は、旅行用バッグの堅牢さおよびその調和の取れた審美性を改良し、ならびに実施を簡素にすることを目的としている。

本発明によれば、方法は以下の
ａ） 内面および外面を備えた一部品の筐体を製作する作業であって、筐体は可撓性であり、筐体はハウジングおよびフラップを備え、フラップは、折畳み位置に載置されることに適しており、この折畳み位置において、筐体は（内面により形成された）内部空間およびスリットを備え、スリットはハウジングとフラップとの間に広がっており、スリットは（１つの）連続的なスリットである、作業と、
ｂ） シールデバイスを、スリットにおいてハウジングおよびフラップに取り付ける作業と、
を含んでいる。

「一部品の筐体を製作する」ことは、筐体が区別可能な複数の要素から形成されているのではなく、一部品として直接形成されており、これにより材料の不連続性、特に縫い目、接着部、またはそれに類似したものがないことを意味している。

したがって、旅行用バッグは複数の接合領域を有していないため、複数のこれらの接合領域に起因した機械的脆弱性は減少されている。加えて、旅行用バッグの一面にわたって均一な反復を有するパターンの繰り返しを形成することが可能である。最終的に、１つのみの部品が製作されて、筐体を形成する。

本発明の別の特徴によれば、好適に作業ａ）の間に、筐体は全体的に、少なくとも１つの構造糸を使用して編まれることにより制作されている。

したがって、少なくとも１つの構造糸は、筐体全体にわたって連続的に広がっており、一方で多様な種類の筐体の形状のために、三次元において成形可能な筐体を提供している。

本発明の捕捉的な特徴によれば、好適に、少なくとも１つの構造糸は、筐体の第１の領域において第１の密度で編まれており、少なくとも１つの構造糸は、筐体の第２の領域において第２の密度で編まれており、第２の密度は第１の密度よりも大きい。第２の密度は、好適に第１の密度の概略２倍であるか、または第１の密度の２倍よりも大きい。

したがって、第２の領域は第１の領域に対して補強されており、このことは、旅行用バッグの堅牢さを改良し、一方で筐体が全体的に第２の密度で形成されたバッグと比較して、コストおよび重量を減少させている。

本発明のさらに別の補足的な特徴によれば、好適に作業ａ）の間の筐体の製作は、異なった色の２つの構造糸の使用を含んでいる。

したがって、各色を事前に決定されたパターンにおいて筐体上に表示させることにより、旅行用バッグは所望のパターンと共に直接形成される。異なった色の２つの糸は、一方の後に他方を結合するか、または背面パターンが前面パターンの反対になるように、特に毛糸編みの分野において既知の様式で一体に編まれることが可能である。

本発明の別の特徴によれば、好適に作業ａ）の間の筐体製作は、熱可塑性ポリマ材料、好適にコポリエステルまたはコポリアミドを使用することを含み、次に筐体を熱成型することを含んでいる。

したがって、旅行用バッグの可撓性は、筐体に使用された熱可塑性ポリマ材料の量の変化により調節されることが可能であり、熱可塑性ポリマ材料の量が多ければ、旅行用バッグがその形状を維持し、潰れないことが可能となる傾向にある。

本発明の別の特徴によれば、作業ａ）の間の筐体の製作は、ポリアミド構造材料を使用することを含んでいる。

ポリアミドの使用は、旅行用バッグの耐摩耗性および耐擦傷性に関して有利であり、比較的容易な製造を可能にしている。

好適に、本発明によれば、作業ａ）の間の筐体の製作は、
主面、第１の長手面、第２の長手面、第１の側面、および第２の側面を備えた前記ハウジングを製作する作業と、
好適に主面に対応した、略平坦な構造のフラップを製作する作業と、
を含み、
フラップは、フラップが概略第２の側面の広がり内にある開位置と、スリットが、フラップの周りに、第１の長手面、第２の長手面、および第１の側面のみに沿って延びた閉位置と、に載置されるように設計されている。

したがって、筐体の製作は容易になる。

本発明の別の特徴によれば、好適に作業ｂ）の間に、剛体シェルは、スリットの各側のスリット全体にわたって、ハウジングにおよびフラップに固定される。

したがって、剛体シェルが旅行用バッグの強度を増大させ、これにより旅行用バッグが運搬可能な重量および／またはその内部容積が増大するだけでなく、スリットの両側において筐体を維持することも可能になる。

本発明の補足的な特徴によれば、剛体シェルは、筐体の内面に好適に固定される。

したがって、筐体の外面は見えたままである。

それに加えて、本発明によれば、方法は、
作業ａ）の間に、側方部分により接続された２つの長手部分を備えたＵ字形状のスリットを作製する作業と、
作業ｂ）の間に、筐体の外面に牽引デバイスを固定する作業であって、牽引デバイスはシールデバイスを形成し、且つスリット全体を覆う、作業と、
を好適に含んでいる。

したがって、旅行用バッグは、牽引デバイスを用いて牽引デバイスに沿って引くことにより移動可能であり、牽引デバイスはスリットを隠している。

それに加えて、本発明によれば、方法は好適に以下の
牽引デバイスは、伸縮バー、２つのチューブ、および保護プレートを備え、伸縮バーは、２つのアームおよびアームを接続したハンドルを備え、伸縮バーのアームは、チューブ内でバーの退避位置と展開位置との間をスライドするように装着されており、
チューブは、筐体の外面に固定され、且つスリットの長手部分を覆い、
保護プレートは、筐体の外面に固定され、且つスリットの側方部分を覆っている、
との特徴をさらに備えている。

したがって、バーは、必要とされない場合に折畳み位置に、または旅行用バッグを引くために展開位置に配置されることが可能であり、一方でスリットを隠し続ける。

本発明の別の特徴によれば、方法は以下の
切断により、筐体内にアクセス開口部を形成する作業と、
アクセス開口部内にジッパを取り付ける作業と、
を好適に含んでいる

したがって、アクセス開口部が形成され、筐体の製作によるスリットの配置の制約とは無関係に、人間工学に基づいた旅行用バックの使用を可能にしている。

アクセス開口部は、移動可能な可撓性フラップを好適に形成し、内部空間へのアクセスを容易にしている。

本発明の別の特徴によれば、方法は以下の
切断により、筐体内に切込みを形成する作業と、
切込みを通じてアクセサリの取り付け部を挿入する作業と、
アクセサリの取り付け部と筐体との間に接着剤を塗布する作業と、
アクセサリの取り付け部を、切込みの近傍において筐体に縫い付ける作業と、
を好適に含んでいる。

したがって、接着剤は見えないので、アクセサリは堅牢に且つ審美的な様式で筐体に取り付けられている。アクセサリは、好適に搬送ストラップまたは格納ポケットである。

補足的な特徴によれば、ケーシング内への切込みは、好適に超音波により形成される。

本発明の他の特徴および利点は、添付の図を参照すると共に以下の詳細な記載から明らかになるだろう。

本発明による旅行用バッグを示した平面図である。 本発明による旅行用バッグを示した背面図である。 本発明による旅行用バッグを製作するための方法の第１の作業の間に製作される筐体を示した斜視図である。 異なった構成の筐体を示した図である。 筐体の構造を示した図である。 本発明による旅行用バッグの製作における第２の作業を示した図である。 本発明による旅行用バッグの製作における第３の作業を示した図である。 本発明による旅行用バッグの製作における第４の作業を示した分解斜視図である。 図８のＩＸにより示された領域を示した拡大図である。

図１および図２は、物品を収納することを目的としたリセプタクル９と、リセプタクル９を移動させることを目的とした牽引デバイス３０と、を備えた旅行用バッグ１を示している。

リセプタクル９は略平行六面体形状であり、主面２、主面の反対側の後面７、第１の長手面３、第２の長手面４、第１の側面５、および第２の側面６を備えている。

リセプタクル９は概略主面２内に広がり、且つリセプタクル９の内部へのアクセスのために可撓性のアクセスフラップ１５を解放することを可能にしたジッパ５０を備えている。リセプタクル９には、リセプタクル９を搬送するための搬送ストラップ５２、５４と、ポケット５６と、が備わっており、これらはアクセサリを形成している。リセプタクル９は、第１の領域１６および第２の領域１８を備えている。第１の領域１６と第２の領域１８との間の分離は、実線の両側に１つずつ配置された２つの破線により示されている。第２の領域１８は、図示された実施形態においては、後面７上、および後面７の隣に、より正確には後面７内、第１の側面５上、および第２の側面６内に広がっている。

牽引デバイス３０は、伸縮バー３２、第１のチューブ３４、第２のチューブ３６、および保護プレート３５を備えている。伸縮バー３２は、２つのアーム３２ａ、３２ｃ、およびアーム３２ａ、３２ｃを接続したハンドル３２ｂを備えている。伸縮バー３２のアーム３２ａ、３２ｃは、（図２に示された）退避位置と、（図１に示された）展開位置と、の間においてチューブ３４、３６内をスライドするように装着されている。

第１のチューブ３４は、後面７と第１の長手面３とを結合した、バッグの端縁に沿って延びており、第１のチューブ３４は、部分的に後面７に面して、および部分的に第１の長手面３に面して延びている。第２のチューブ３６は第１のチューブ３４に平行であり、後面７と第２の長手面４とを結合した、バッグの端縁に沿って延びており、第２のチューブ３６は、部分的に後面７に面して、および部分的に第２の長手面４に面して延びている。保護プレート３５は、後面７と第１の側面５とを結合した、バッグの端縁に沿って延びており、保護プレート３５は、部分的に後面７に面して、および部分的に第１の側面５に面して延びている。保護プレート３５は、第１のチューブ３４と第２のチューブ３６とを接続している。

牽引デバイス３０は、第１の車輪３８および第２の車輪３９をさらに備えている。第１の車輪は、主面２、第１の長手面３、および第２の側面６の結合により形成された、リセプタクル９の角に固定されている。第２の車輪３９は、主面２、第２の長手面４、および第２の側面６の結合により形成された、リセプタクル９の角に固定されている。変形においては、旅行用バッグ１は他の２つの車輪を備え得る。

図３から図９は、旅行用バッグ１の製作を示している。図３から図５に示されたように、旅行用バッグ１の製作は、筐体１０の製作を含んでいる。筐体１０は、内面１０ａおよび外面１０ｂを備えている。筐体１０は、材料の連続性を有する一部品として直接形成されており、且つ柔軟である。

筐体１０は、主面２、第１の長手面３、第２の長手面４、第１の側面５、第２の側面６、および後面７を一体化している。筐体１０は、ハウジング１２および筐体フラップ１４を備えている。図示された実施形態においては、筐体フラップ１４は、後面７を概略形成している。

筐体フラップ１４は、図３に示された開位置と、図４に示された折畳み位置と、の間を移動することが可能である。開位置において、筐体フラップ１４は略平坦であり、概略第２の側面６に広がり方向内に広がっている。開位置は、筐体１０が製作される位置に好適に対応している。折畳み位置において、筐体フラップ１４は主面２の反対側に広がっており、スリット１３は、筐体フラップ１４とハウジング１２との間に広がっている。筐体１０は、ハウジング１２および筐体フラップ１４により外側から離間された内部空間１１を備えている。折畳み位置において、内部空間１１は、単一スロット１３のみにより外側と連通することが可能である。

スリット１３は、第１の長手部分１３ａ、側方部分１３ｂ、および第２の長手部分１３ｃを備えたＵ字形状を有する。スリット１３の第１の長手部分１３ａは、後面７と第１の長手面３とを結合した端縁に沿って延びている。スリット１３の側方部分１３ｂは、後面７と第１の側面５とを結合した端縁に沿って延びている。スリット１３の第２の長手部分１３ｃは、後面７と第２の長手面４とを結合した端縁に沿って延びている。

筐体１０は、互いに柔軟に連結された一連のループの列から形成されており、これによりループの変形が、三次元の柔軟性を筐体に与えている。図示された実施形態においては、筐体１０は、三次元の無継ぎ目編物により製作されている。好適に、図５に示されたように、筐体は第１の構造糸２２、第２の構造糸２３、弾性糸２４、および熱溶融性の熱可塑性材料の糸２５を備えている。

「熱可塑性」材料は熱可塑性ポリマを意味していると理解され、その材料は、所定の温度を越えて加熱された場合に繰り返し溶融し、その温度よりも低い温度において固体状態に復元する。

第１の構造糸２２および第２の構造糸２３は、各々が筐体全体にわたって連続的に延びている。第１の構造糸２２は第１の針床２１に沿って延び、第２の構造糸２３は第２の針床２６に沿って延びている。第１の針床２１は、筐体１０の内面１０ａに対応しており、第２の針床２６は、筐体１０の外面１０ｂに対応している。第１の構造糸２２および第２の構造糸２３は、次に、所望の編構造に対応した特定のパターンにおいて、第１の針床２１と第２の針床２６との間を前後に通される。第１の構造糸２２を第１の針床２１から第２の針床２６へと通し、第２の構造糸２３を第２の針床２６から第１の針床２１へと通すことにより、パターン８は、外観を一つ飛ばしにすることにより形成されている。内面１０ａに現れたパターンは、外面１０ｂに現れたパターンの逆になっている。図示された実施形態においては、パターンは主面２に形成されている。

弾性糸２４は随意であるが、筐体１０が編まれた後に自身の重量により完全に潰れることを防止して、（美観を改善した）調和した様式において旅行用バッグの製作を容易にし、図示された実施形態においては、筐体１０の内面１０ａと、筐体１０の外面１０ｂと、熱溶融性の熱可塑性材料の糸２５により形成されたコアと、の間の結びつきを改善することが可能である。弾性糸２４は、第１の針床２１と第２の針床２６との間を交互に行き交っている。

熱溶融性の熱可塑性材料の糸２５は、第１の針床２１と第２の針床２６との間に保持されている。

筐体１０は、第１の領域１６および第２の領域１８を備えている。第２の領域１８において、縫い目は第１の領域１６における縫い目よりも密になっており、第１の構造糸２２および第２の構造糸２３と共に形成された、より大きい密度の縫い目を形成している。特に、第２の領域１８において、針の間の間隔は半分であり、第１の構造糸２２および第２の構造糸２３を伴った縫い目は、２倍接近しており、２倍の密度を生じている。第２の領域１８は、第２の側面６の全域に広がっており、第１の長手面３および第２の長手面４内にわずかに突出している。

もちろん、第１の構造糸２２、第２の構造糸２３、弾性糸２４、および熱溶融性の熱可塑性材料２５は編まれて、図５に示された構成とは異なった様式の異なった縫い目を形成することが可能であり、これらの異なった縫い目は、特に第１の構造糸２２および／または第２の構造糸２３と供に形成された縫い目の密度を変化させることを可能にしている。

代替的に、筐体は、第１の構造糸２２のみ、または端部同士が結合された第１の構造糸２２および第２の構造糸２３の千鳥部分から成る単一の糸を備え得る。第１の構造糸２２および第２の構造糸２３は、異なった外観を有し、特に異なった色を有する。

三次元無継ぎ目編の技術のさらなる情報として、この技術を記述した多様な文献、特に非特許文献１が参照され得る。

第１の構造糸２２および第２の構造糸２３は、好適にポリアミド、特にナイロン（登録商標）として知られたポリアミド６－６製である。代替的に、第１の構造糸２２および第２の構造糸２３は、特にポリエステル、アクリル、綿、アセテート、リネン製とし得る。弾性糸２４は、好適にポリアミドおよびエラステインを基にしている。熱溶融性の熱可塑性材料の糸２５は、好適にコポリエステル（ＴＰＥＥ）またはコポリアミド製である。

形成後に、筐体１０は好適に洗浄され、筐体に撥水性処理および耐汚染性処理を施すために、樹脂を浸透させられる。

次に、図６に示されたように、プレフォームまたはコア６２が筐体１０の内部空間１１内に載置され、一方で筐体１０にわずかな力が加えられ、筐体に所望の形状を与える。コア６２および筐体１０は、好適に２００度よりもわずかに低い温度で約１５分から４０分の間、オーブン６０内に載置される。オーブン６０の温度は、熱溶融性の熱可塑性材料の糸２５への損傷、または第１の構造糸２２もしくは第２の構造糸２３の溶融、を回避するために、十分に低くなければならない。筐体１０に使用された熱溶融性の熱可塑性材料の糸２５の比率および熱溶融性の熱可塑性材料の糸２５の材質により、筐体１０は熱成型後におおよそ硬直する。

編物の熱成型工程は、以下の通りである。
シェルとしての構造要素の展開のために使用される技術面に対応したコア６２上に、筐体１０を載置する。
次に、筐体１０により覆われたコア６２は、１５分から４０分間、１８０℃から１９０℃のオーブン６０内に導入され、その目標は、撥水性処理を構成する化学元素を活性化し、次に熱溶融性の熱可塑性の糸２５を活性化することである。
オーブンが稼働している間に、コア６２上に筐体１０を押し付けて、複雑な形状を形成するために、真空下に載置する。真空下のこの載置は、工具の周りに真空バッグを形成する構造を用いて実施される。真空は２０分間維持され、この時間は、熱溶融性の熱可塑性の糸２５が軟化温度よりも低い温度、換言すると、糸が固化することが可能な温度へと降下するのに十分な時間である。
次に、筐体１０およびコア６２は、部品の冷却、および筐体１０の形状の固定を加速するために、冷却室に入れられる。

増産のために、熱成型工程は、複数のステーションを備えた製造ライン上で実行されることが可能であり、複数の筐体１０は、１つのステーションから次のステーションへと連続的に通過するか、または閉ループを形成した製造ラインの一端から他端へと連続的に処理される。

図７に示されたように、次に、アクセス開口部２０がハウジング１２内に、より詳細には主面２内に、切込みにより形成される。アクセス開口部２０はＵ字形状に形成され、曲げにより開放されることが可能なアクセスフラップ１５の端縁を形成している。好適に、アクセス開口部２０は、主面２と第１の側面５とを結合した筐体１０の端縁の近傍において、主面２と第２の長手面４とを結合した筐体１０の端縁に概略沿って、および主面２と第２の側面６とを結合した筐体１０の端縁の近傍に広がっている。アクセスフラップ１５を開閉する曲げは、主面２と第１の長手面３とを結合した筐体１０の端縁に概略沿っている。

加えて、次に、切込み２７、２８、２９が、主面２と第１の長手面３とを結合した筐体１０の端縁の近傍において、筐体１０内に形成される。搬送ストラップ５２の第１の端部５２ａおよび第２の端部５２ｂは、切込み２７、２９を通じて挿入される。

次に、図９に示されたように、接着剤が、第１の端部５２ａと筐体の内面１０ａとの間に、それらが互いに対して強く押し付けられる前に塗布される。同様に、接着剤は、第２の端部５２ｂと筐体の内面１０ａとの間に、それらが互いに対して強く押し付けられる前に塗布される。加えて、ポケット５６が切込み２８を通じて挿入され、接着剤が、ポケットの部分５６ａと筐体の内面１０ａとの間に、それらが互いに対して強く押し付けられる前に塗布される。次に、縫い目５３が、切込み２７、２８、２９の近傍において、切込み２７、２８、２９と接着剤の塗布部との間に形成され、これは、第１の端部５２ａ、第２の端部５２ｂ、およびポケット５６の部分５６ａの保持を補強し、且つ接着剤の存在を隠すためである。同じ工程が、搬送ストラップ５４にも施される。

以下の制約と共に切込み２７、２８、２９を形成するための最良のオプションを形成するために、技術的検索が実施された。
切込みは審美的に完璧でなければならず、切込みが別の要素により覆われてはならない。
切込みは、補強材（その役割はアセンブリの機械的性能を確実にすることである。）により覆われた場合に、「段差」を形成してはならない。
切込みは、切断端縁がほつれないことを確実にしなければならない。

以下のような、別の技術がこのために試験された。
ウォータージェット：端縁のほつれの欠如または満足のいく審美的外観を確実にしない欠点を有する。
レーザ：顕著な「段差」を形成する欠点を有する。
切刃：ほつれた端縁の欠如または満足のいく審美的外観を確実にしない欠点を有する。
超音波：前述の３つの制約を満足する。超音波切断は、フレームを損傷することなく、局所的に加熱することにより、より清浄な仕上げを提供し、焼灼効果を許容するので、有利である。機械的工具を使用すると、ほつれが発生する。レーザを使用すると、より高温になるために、仕上がりがはっきりとしなくなる。

したがって、切込み２７、２８、２９は、好適に超音波により形成される。代替的に、切込み２７、２８、２９は、レーザにより、または切刃により、もしくはウォータージェットによっても形成され得る。

加えて、図８に示されたように、一方では、シェル４０は筐体１０の内面１０ａに対して固定されており、他方では、牽引デバイス３０は筐体の外面１０ｂに対して固定されている。シェル４０は単一部品であり、平坦な基部４７、第１の長手フランジ４３、第２の長手フランジ４４、第１の側方フランジ４５、第２の側方フランジ４６、ならびに第１の長手接続部４２ａ、側方接続部４２ｂ、および第２の長手接続部４２ｃを備えている。

第１の長手接続部４２ａは、基部４７と第１の長手フランジ４３との間に延びている。第１の長手接続部４２ａは凹形状であり、第１のチューブ３４の形状と相補的である。側方接続部４２ｂは、基部４７と第１の長手フランジ４３との間に延びている。側方接続部４２ｂは凹形状であり、保護プレート３５の形状と相補的である。第２の長手接続部４２ｃは、基部４７と第２の長手フランジ４４との間に延びている。第２の長手接続部４２ｃは凹形状であり、第１のチューブ３４の形状と相補的である。

シェル４０は、第１の車輪キャビティ４８および第２の車輪キャビティ４９をさらに備えている。

基部４７は後面７全体に面して広がっており、後面に取り付けられている。第２の側方フランジ４６は第２の側面６に面して広がっており、第２の側面に取り付けられている。第１の長手フランジ４３は第１の長手面３の一部に面して広がっており、第１の長手面に取り付けられている。第１の側方フランジ４５は第１の側面５の一部に面して広がっており、第１の側面に取り付けられている。第２の長手フランジ４４は第２の長手面４の一部に面して広がっており、第２の長手面に取り付けられている。シェル４０は、接着により筐体１０の内面に、特に熱硬化性接着剤を用いて好適に固定されている。

スリット１３の第１の長手部分１３ａは、第１のチューブ３４と第１の長手接続部４２ａとの間に保持されており、第１のチューブ３４および第１の長手接続部４２ａの各々は、筐体１０の後面７および第１の長手面３の両方において、スリット１３の第１の長手部分１３ａの各側に１つずつ筐体１０に取り付けられている。同様に、スリット１３の側方部分１３ｂは、保護プレート３５と側方接続部４２ｂとの間に保持されており、保護プレート３５および側方接続部分４２ｂの各々は、筐体１０の後面７および第１の側面５の両方において、スリット１３の側方部分１３ｂの各側に１つずつ筐体１０に取り付けられている。加えて、スリット１３の第２の長手部分１３ｃは、第２のチューブ３６と第２の長手接続部４２ｃとの間に保持されており、第２のチューブ３６および第２の長手接続部分４２ｃの各々は、筐体１０の後面７および第２の長手面４の両方において、スリット１３の第２の長手部分１３ｃの各側に１つずつ筐体１０に取り付けられている。 したがって、牽引デバイス３０は、完全にスロット１３を閉鎖している。

それに加えて、ジッパ５０はアクセス開口部２０に固定されており、アクセス開口部２０を閉鎖することを可能にしている。

図９は、ポケット５６の筐体１０への、および搬送ストラップ５２、５４の筐体１０への接着取り付けを示している。ジッパ５０は、ポケット５６および搬送ストラップ５２、５４と類似した様式で筐体１０に固定されることが可能である。

これら２つの接着組み立ては、好適に熱硬化性接着剤を用いて実施され、長期にわたる組み立ての強度および耐劣化を確実にしている。そのような接着は、アセンブリが破壊する前に、搬送ストラップの一側が１５０ｋｇの力に耐えるように、十分に実施される。しかしながら、このタイプの接合に関連した制限は、熱（１２０／１３０℃の接着剤のコア温度）を加えて、接着剤を溶融し、同時に圧力をかけて２つの支持部を接着剤が湿らせることを可能にすることが必要である。これらの昇温作業は、１１０℃の温度に敏感な特性を備えた筐体に衝撃を与え得る。接着工程の推移は、同じ機械的性能を維持し、一方で筐体の劣化がないことを確実にするように改良されてきた。このために、通常は同時に行われる作業はずらされる。換言すると、
筐体１０と加熱要素とが接触することなく、接着剤の温度を上昇させる（加熱要素を用いて加熱する）。次に、
筐体１０上のジッパ５０、ポケット５６、および搬送ストラップ５２、５４を、室温において、または加熱要素の温度よりも少なくとも低い温度において、要素により筐体１０に押し付ける。

そうでなければ、筐体１０は、好適にファイバ化により塗布されたポリウレタン接着剤を用いて、シェル４０に固定される。この技術は、高温の接着剤をシェル４０に堆積させ、次に乾燥させることを可能にしており、接触してもすぐには接着せず、特に単位面積当たりの接着剤の質量を大幅に減少させる。したがって、筐体１０をシェル４０に載置することを可能にしている。

次に、すべての接着された領域に圧力を加えるために、アセンブリは真空バッグ内に載置される。筐体１０と共にシェル４０上にセットされた真空バッグは、オーブン内で８０℃に置かれる。この温度は、要素の多様な活性温度と、接着剤を液化させて２つの支持部を接着剤が湿らせることを可能にするために、接着剤の温度を上昇させる時間と、の間の妥協である。

このタイプのアセンブリと共に得られる性能は、縫製よりも優れており、せん断強さを評価する引張ベンチテストの間、筐体１０は塑性（不可逆）変形し、アセンブリは、１．５ｃｍ＊２．５ｃｍのアセンブリ表面積に関して５０ｋｇで破壊する。

最終的に、特にポリエステルおよび／またはポリウレタン製の予備成型されたライニング（図示略）が、シェル４０に、シェル４０の内部に好適に固定される。

もちろん、本発明は、例示的で非限定的な目的のために本明細書に記載された実施形態に限定されない。したがって、これが好適でなくても、シールデバイスはジッパ５０により形成され得る。換言すると、ジッパ５０はスリット１３内に載置され得る。筐体フラップ１４は次に、内部空間１１にアクセスすることが可能なフラップを形成するだろう。ジッパ５０は、同様に閉鎖要素を形成し、スリット１３を閉鎖することにより、内部空間１１を閉鎖することを可能にするだろう。

さらに、編物の代わりに、筐体は、穿孔され且つ変形可能な構造部材から形成され得る。筐体の補強のための追加の熱可塑性材料は、熱可塑性ポリマ材料の層を備えた構造部材を覆うことにより設けられ得る。構造部材内の穿孔は、レーザ切断または打ち抜きにより形成され、特許文献１に記載されたタイプの二方向に広がったループを形成する。

１ ・・・旅行用バッグ
２ ・・・主面
３ ・・・第１の長手面
４ ・・・第２の長手面
５ ・・・第１の側面
６ ・・・第２の側面
７ ・・・後面
８ ・・・パターン
９ ・・・リセプタクル
１０ ・・・筐体
１０ａ ・・・内面
１０ｂ ・・・外面
１１ ・・・内部空間
１２ ・・・ハウジング
１３ ・・・スリット
１３ａ ・・・第１の長手部分
１３ｂ ・・・側方部分
１３ｃ ・・・第２の長手部分
１４ ・・・筐体フラップ
１５ ・・・アクセスフラップ
１６ ・・・第１の領域
１８ ・・・第２の領域
２０ ・・・アクセス開口部
２１ ・・・第１の針床
２２ ・・・第１の構造糸
２３ ・・・第２の構造糸
２４ ・・・弾性糸
２５ ・・・熱可塑性材料の糸
２６ ・・・第２の針床
２７、２８、２９ ・・・切込み
３０ ・・・牽引デバイス
３２ ・・・伸縮バー
３２ａ、３２ｃ ・・・アーム
３２ｂ ・・・ハンドル
３４ ・・・第１のチューブ
３５ ・・・保護プレート
３６ ・・・第２のチューブ
３８ ・・・第１の車輪
３９ ・・・第２の車輪
４０ ・・・シェル
４２ａ ・・・第１の長手接続部
４２ｂ ・・・側方接続部
４２ｃ ・・・第２の長手接続部
４３ ・・・第１の長手フランジ
４４ ・・・第２の長手フランジ
４５ ・・・第１の側方フランジ
４６ ・・・第２の側方フランジ
４７ ・・・基部
４８ ・・・第１のホイールキャビティ
４９ ・・・第２のホイールキャビティ
５０ ・・・ジッパ
５２、５４ ・・・搬送ストラップ
５６ ・・・ポケット
６０ ・・・オーブン
６２ ・・・コア

Claims (14)

1. 旅行用バッグ（１）を製作するための方法であって、該方法は、
   ａ） 内面（１０ａ）および外面（１０ｂ）を備えた一部品の筐体（１０）を製作する作業であって、該筐体は可撓性であり、該筐体はハウジング（１２）およびフラップ（１４）を備え、該フラップ（１４）は、折畳み位置に載置されるように設計されており、前記折畳み位置において、前記筐体は、内部空間（１１）、および側方部分（１３ｂ）により接続された２つの長手部分（１３ａ、１３ｃ）を備えたＵ字形状のスリット（１３）、を備え、該スリット（１３）は、前記ハウジング（１２）と前記フラップ（１４）との間に伸びており、前記スリット（１３）は１つの連続的なスリットであり、前記筐体（１０）は全体的に、少なくとも１つの構造糸（２２、２３）を使用して編まれることにより製作されている、作業と、
   ｂ） 前記筐体（１０）の外面（１０ｂ）に牽引デバイス（３０）を固定する作業であって、前記牽引デバイス（３０）は、前記スリット（１３）において前記ハウジング（１２）および前記フラップ（１４）にシールデバイスを形成し、前記牽引デバイス（３０）は前記スリット（１３）全体を覆う、作業と、
   を含んでいる方法。
2. 少なくとも１つの前記構造糸（２２、２３）は、前記筐体（１０）の第１の領域（１６）において第１の密度で編まれており、少なくとも１つの前記構造糸（２２、２３）は、前記筐体（１０）の第２の領域（１８）において第２の密度で編まれており、前記第２の密度は前記第１の密度よりも大きい、請求項１に記載の方法。
3. 前記第２の密度は前記第１の密度の約２倍である、請求項２に記載の方法。
4. 前記作業ａ）の間の前記筐体の製作は、異なった色の２つの構造糸（２２、２３）の使用を含んでいる、請求項１から３のいずれか一項に記載の方法。
5. 前記作業ａ）の間の前記筐体（１０）の製作は、熱可塑性ポリマ（２６）を使用することを含み、次に
   前記筐体（１０）を熱成型することを含んでいる、請求項１から４のいずれか一項に記載の方法。
6. 前記熱可塑性ポリマ（２６）は、コポリエステルまたはコポリアミドである、請求項５に記載の方法。
7. 前記作業ａ）の間の前記筐体（１０）の製作は、ポリアミド構造材料を使用することを含んでいる、請求項１から６のいずれか一項に記載の方法。
8. 前記作業ａ）の間の前記筐体（１０）の製作は、
   主面（２）、第１の長手面（３）、第２の長手面（４）、第１の側面（５）、および第２の側面（６）を備えた前記ハウジング（１２）を製作する作業と、
   略平坦な構造の前記フラップ（１４）を製作する作業と、
   を含み、
   前記フラップ（１４）は、該フラップ（１４）が概略前記第２の側面（６）の広がり内にある開位置と、前記スリット（１３）が、前記フラップ（１４）の周りに、前記第１の長手面（３）、前記第２の長手面（４）、および前記第１の側面（５）のみに沿って延びた閉位置と、に載置されるように設計されている、請求項１から７のいずれか一項に記載の方法。
9. 前記作業ｂ）の間に、剛体シェル（４０）は、前記スリット（１３）の各側のスリット（１３）全体にわたって、前記ハウジング（１２）におよび前記フラップ（１４）に固定される、請求項１から８のいずれか一項に記載の方法。
10. 前記剛体シェル（４０）は、前記筐体（１０）の内面（１０ａ）に固定される、請求項９に記載の方法。
11. 前記牽引デバイス（３０）は、伸縮バー（３２）、２つのチューブ（３４、３６）、および保護プレート（３５）を備え、前記伸縮バー（３２）は、２つのアーム（３２ａ、３２ｃ）および該アーム（３２ａ、３２ｃ）を接続したハンドル（３２ｂ）を備え、前記伸縮バー（３２）のアーム（３２ａ、３２ｃ）は、前記チューブ（３４、３６）内で前記伸縮バー（３２）の退避位置と展開位置との間をスライドするように装着されており、
    前記チューブ（３４、３６）は、前記筐体（１０）の外面（１０ｂ）に固定され、且つ前記スリット（１３）の長手部分（１３ａ、１３ｃ）を覆い、
    前記保護プレート（３５）は、前記筐体（１０）の外面（１０ｂ）に固定され、且つ前記スリット（１３）の側方部分（１３ｂ）を覆っている、請求項１から１０のいずれか一項に記載の方法。
12. 切断により、前記筐体（１０）内にアクセス開口部（２０）を形成する作業と、
    前記アクセス開口部（２０）内にジッパ（５０）を取り付ける作業と、
    をさらに含んでいる、請求項１から１１のいずれか一項に記載の方法。
13. 切断により、前記筐体（１０）内に切込み（２７、２８、２９）を形成する作業と、
    前記切込み（２７、２８、２９）を通じてアクセサリ（５２、５６）の取り付け部（５２ａ、５２ｂ、５６ａ）を挿入する作業と、
    前記アクセサリ（５２、５６）の取り付け部（５２ａ、５２ｂ、５６ａ）と前記筐体（１０）との間に接着剤を塗布する作業と、
    前記アクセサリ（５２、５６）の取り付け部（５２ａ、５２ｂ、５６ａ）を、前記切込み（２７、２８、２９）の近傍において前記筐体（１０）に縫い付ける作業と、
    をさらに含んでいる、請求項１から１２のいずれか一項に記載の方法。
14. 前記筐体（１０）は、超音波により切断される、請求項１２または１３に記載の方法。

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