JP2019072867A - 表皮材及び構造体並びに表皮材の製造方法 - Google Patents
表皮材及び構造体並びに表皮材の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019072867A JP2019072867A JP2017198839A JP2017198839A JP2019072867A JP 2019072867 A JP2019072867 A JP 2019072867A JP 2017198839 A JP2017198839 A JP 2017198839A JP 2017198839 A JP2017198839 A JP 2017198839A JP 2019072867 A JP2019072867 A JP 2019072867A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- skin
- base
- skin material
- heat
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Knitting Of Fabric (AREA)
- Seats For Vehicles (AREA)
- Treatment Of Fiber Materials (AREA)
- Vehicle Interior And Exterior Ornaments, Soundproofing, And Insulation (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
【課題】表皮素材を裁断してなる表皮材において、表皮材の周縁部に繊維屑が発生することを防止できる表皮材及び構造体、並びに少ない工程を行うのみで生産性を高めることができる表皮材の製造方法を提供する。【解決手段】本発明の表皮材1,2は、熱可塑性樹脂繊維を少なくとも含む基布層20と、基布層20の一面側に配される表皮層30と、を備える表皮材であって、基布層20は、編物又は不織布からなり、基布層20は、基布層20の端縁部の全周に亘って熱可塑性樹脂繊維の熱変形よりなる段差状の端縁熱変形部22を備えており、端縁熱変形部22は、全周に亘って基布層20の繊維同士が接合される接合領域221を備えていることを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、表皮材及び構造体並びに表皮材の製造方法に関する。更に詳しくは、基布層が端縁熱変形部を備えており、端縁熱変形部が全周に亘って接合される熱可塑性樹脂繊維同士よりなる接合領域を備える、表皮材及び構造体並びに表皮材の製造方法に関する。
従来、車両内装用表皮材として、クッション性を備える発泡ウレタン等を基布層の素材とし、その層上に合成皮革等の表皮層を配するものが知られている。近年では、クッション性、通気性或いは意匠性等に、より優れる車両内装用表皮材が求められており、発泡ウレタン等に代わる新たな素材が開発されている。そこで、立体的に編成された編物や立体的に賦形された不織布等を、基布層の素材とする新たな提案がなされている。具体的には、特許文献1,2に開示される立体編物等を基布層の素材とする試みがなされている。
しかしながら、特許文献1,2に開示される立体編物を基布層の素材とする表皮材では、原反である表皮素材を所定形状に裁断した後に、裁断面に繊維屑が生じることが問題になる。ループを経又は緯方向に絡めて編成する立体編物では、ループを構成する繊維が途中で裁断され、基布層の裁断面に繊維の切れ端が生じたり、繊維の切れ端から基布層の繊維全体にほつれが伝わったりして、繊維屑発生に至る虞がある。繊維屑が細かければ、表皮材の表面に屑が貼り付いて残り、表皮材の外観不良の原因になり得る。繊維屑が多量に発生してしまうと、基布層の繊維の嵩が減り、表皮材のクッション性が損なわれる原因になり得る。車両内装用表皮材を製造する場合には、原反である表皮素材を不定形な基材の形状に揃えて裁断する必要が生じ、繊維屑を発生させないほつれ対策を施す必要がある。
特許文献1では、上記のほつれ対策として、立体編物に高周波ウェルダー等で加熱プレス加工を施し、加工適用部位を切り離して形成される端縁部のほつれを防止する方法の改良が試みられている。具体的には、立体編物の一面に熱可塑性樹脂材片を配置し、立体編物と樹脂材片とを一体に溶融接合し、溶融接合部位を切り離した端縁部で、ほつれを確実に抑制する方法が提案されている。このようなほつれ対策の場合、表皮材の不定形状に沿って立体編物の一面に熱可塑性樹脂材片を配置する工数を要するという問題がある。更に、溶融後に硬化した熱可塑性樹脂材片が残るので、立体編物の意匠性を損ないかねない問題がある。
特許文献2では、上記のほつれ対策として、立体編物の端縁部を縫合し、縫合部分を覆うようにヘム加工を行う方法の改良を行っている。具体的には、厚みやネット状編目の大きさの影響を受けずに立体編物を縫製するために、二層の編地と接結糸とを熱プレス等で圧着した縫合予定部を形成する方法が提案されている。縫合予定部を縫合し、縫合部位の外側を裁断し、裁断された縫合部位の外側の端縁部にヘム加工を施す方法である。この方法では、縫合目的で圧着した縫合予定部に、少なくとも縫針が貫通可能な間隙が残る(と推察される)。係る縫合予定部を裁断するだけではほつれ等を防止しきれず、ヘム加工を行わざるを得ないという状況を表している。更に、裁断された立体編物の周縁部に布を当ててヘム加工を行う方法では、当て布で意匠性を損ないかねない問題がある。
本発明は上記の実情に鑑みてなされたものであり、編物又は不織布からなる基布層とその一面側に配される表皮層とを備える表皮材において、表皮材の周縁部に繊維屑が発生することを防止できる表皮材及び構造体を提供することを目的とする。更に、少ない工程を行うのみで生産性を高めることができる上記表皮材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下に示すとおりである。
1. 熱可塑性樹脂繊維を少なくとも含む基布層と、基布層の一面側に配される表皮層と、を備える表皮材であって、
上記基布層は、編物又は不織布からなり、
上記基布層は、上記基布層の端縁部の全周に亘って上記熱可塑性樹脂繊維の熱変形よりなる段差状の端縁熱変形部を備えており、
上記端縁熱変形部は、上記全周に亘って上記基布層の繊維同士が接合される接合領域を備えていることを特徴とする表皮材。
2. 上記編物は、表裏二層の編地が結接糸で連結された立体編物からなり、
上記表裏二層の何れかの編地及び上記結接糸のうち少なくとも1つ以上には、上記熱可塑性樹脂繊維が用いられている上記1.に記載の表皮材。
3. 上記基布層は、更に、上記基布層の一面に上記熱可塑性樹脂繊維の熱変形よりなる凹状の一面側熱変形部を備えており、
上記表皮層は、上記基布層の上記一面の形状に追従しており、
上記表皮材の表面に上記一面側熱変形部からなる立体模様を備える上記1.又は上記2.に記載の表皮材。
4. 上記表皮材は、基材の一面側に配される車両内装用表皮材として用いられ、
上記表皮層は、上記基布層の形状に追従しており、
上記表皮材の周縁部は、上記基材の他面側に折り込まれている上記1.〜3.の何れかに記載の表皮材。
5. 基材と、上記基材の一面側に配された上記1.〜4.の何れかに記載の表皮材と、を備えることを特徴とする構造体。
6. 熱可塑性樹脂繊維を少なくとも含む基布層と、基布層の一面側に配される表皮層と、を備える表皮材の製造方法において、
上記表皮材は、表皮素材を所定形状に裁断してなり、
上記表皮素材は、上記熱可塑性樹脂繊維を少なくとも含む基布素材層と、上記基布素材層の一面側に配された表皮素材層と、を備えており、
上記基布素材層は、編物素材又は不織布素材からなり、
上記一面側に上記表皮素材層が配された状態で上記基布素材層を加熱プレスし、上記加熱プレスによって、上記基布素材層に上記熱可塑性樹脂繊維を熱変形させてなる凹状の第一熱変形部を形成し、上記第一熱変形部の第一所定領域にある繊維同士を、裁断予定線を包含する所定幅で接合させる第一熱変形部形成工程と、
上記熱変形に伴い上記表皮素材の表面に形成されてなる凹面部を裁断する裁断工程と、を備えることを特徴とする表皮材の製造方法。
7. 上記裁断工程を行う前に、上記一面側に上記表皮素材層が配された状態で上記基布素材層を加熱プレスし、上記基布素材層の上記一面側に凹状の第二熱変形部を形成する第二熱変形部形成工程を行い、
上記第二熱変形部形成工程では、上記加熱プレスによって、上記第二熱変形部の第二所定領域が所定厚みとなるように上記熱可塑性樹脂繊維を熱変形させた後、冷却により熱変形時の形状を定着させ、上記表皮素材の表面に上記第二熱変形部からなる立体模様を形成する上記6.に記載の表皮材の製造方法。
8. 上記第二熱変形部形成工程が、上記第一熱変形部形成工程と同時に行われる上記7.に記載の表皮材の製造方法。
9. 上記編物素材は、表裏二層の編地が結接糸で連結された立体編物素材からなり、少なくとも上記結接糸に上記熱可塑性樹脂繊維が用いられており、
上記第一又は第二の各熱変形部形成工程のうち少なくとも一方の工程では、上記結接糸が、上記第一熱変形部又は上記第二熱変形部のうち少なくとも一方の中央部に向かって各々徐々に上記基布素材層の厚みが小さくなるように倒れ込んでいる上記6.〜8.の何れかに記載の表皮材の製造方法。
1. 熱可塑性樹脂繊維を少なくとも含む基布層と、基布層の一面側に配される表皮層と、を備える表皮材であって、
上記基布層は、編物又は不織布からなり、
上記基布層は、上記基布層の端縁部の全周に亘って上記熱可塑性樹脂繊維の熱変形よりなる段差状の端縁熱変形部を備えており、
上記端縁熱変形部は、上記全周に亘って上記基布層の繊維同士が接合される接合領域を備えていることを特徴とする表皮材。
2. 上記編物は、表裏二層の編地が結接糸で連結された立体編物からなり、
上記表裏二層の何れかの編地及び上記結接糸のうち少なくとも1つ以上には、上記熱可塑性樹脂繊維が用いられている上記1.に記載の表皮材。
3. 上記基布層は、更に、上記基布層の一面に上記熱可塑性樹脂繊維の熱変形よりなる凹状の一面側熱変形部を備えており、
上記表皮層は、上記基布層の上記一面の形状に追従しており、
上記表皮材の表面に上記一面側熱変形部からなる立体模様を備える上記1.又は上記2.に記載の表皮材。
4. 上記表皮材は、基材の一面側に配される車両内装用表皮材として用いられ、
上記表皮層は、上記基布層の形状に追従しており、
上記表皮材の周縁部は、上記基材の他面側に折り込まれている上記1.〜3.の何れかに記載の表皮材。
5. 基材と、上記基材の一面側に配された上記1.〜4.の何れかに記載の表皮材と、を備えることを特徴とする構造体。
6. 熱可塑性樹脂繊維を少なくとも含む基布層と、基布層の一面側に配される表皮層と、を備える表皮材の製造方法において、
上記表皮材は、表皮素材を所定形状に裁断してなり、
上記表皮素材は、上記熱可塑性樹脂繊維を少なくとも含む基布素材層と、上記基布素材層の一面側に配された表皮素材層と、を備えており、
上記基布素材層は、編物素材又は不織布素材からなり、
上記一面側に上記表皮素材層が配された状態で上記基布素材層を加熱プレスし、上記加熱プレスによって、上記基布素材層に上記熱可塑性樹脂繊維を熱変形させてなる凹状の第一熱変形部を形成し、上記第一熱変形部の第一所定領域にある繊維同士を、裁断予定線を包含する所定幅で接合させる第一熱変形部形成工程と、
上記熱変形に伴い上記表皮素材の表面に形成されてなる凹面部を裁断する裁断工程と、を備えることを特徴とする表皮材の製造方法。
7. 上記裁断工程を行う前に、上記一面側に上記表皮素材層が配された状態で上記基布素材層を加熱プレスし、上記基布素材層の上記一面側に凹状の第二熱変形部を形成する第二熱変形部形成工程を行い、
上記第二熱変形部形成工程では、上記加熱プレスによって、上記第二熱変形部の第二所定領域が所定厚みとなるように上記熱可塑性樹脂繊維を熱変形させた後、冷却により熱変形時の形状を定着させ、上記表皮素材の表面に上記第二熱変形部からなる立体模様を形成する上記6.に記載の表皮材の製造方法。
8. 上記第二熱変形部形成工程が、上記第一熱変形部形成工程と同時に行われる上記7.に記載の表皮材の製造方法。
9. 上記編物素材は、表裏二層の編地が結接糸で連結された立体編物素材からなり、少なくとも上記結接糸に上記熱可塑性樹脂繊維が用いられており、
上記第一又は第二の各熱変形部形成工程のうち少なくとも一方の工程では、上記結接糸が、上記第一熱変形部又は上記第二熱変形部のうち少なくとも一方の中央部に向かって各々徐々に上記基布素材層の厚みが小さくなるように倒れ込んでいる上記6.〜8.の何れかに記載の表皮材の製造方法。
本発明の表皮材は、編物又は不織布からなる基布層を備え、基布層は上記の端縁熱変形部を備える。上記の端縁熱変形部は、段差状をなしており、即ち、高い側と低い側とを備える。低い側の熱可塑性樹脂繊維は、熱変形すると共に高い側よりも圧せられた状態にあり、塑性変形した繊維同士が近接する結果、当該繊維同士で接合する接合領域を形成する。接合領域では、繊維同士の隙間が小さくなっているので、基布層の内部にある編物又は不織布の繊維は、接合領域にある繊維の隙間を通過して外部に出ることを遮断される。故に、裁断されてなる表皮材の周縁部に繊維屑が現れることを防止することができる。従って、基布層の繊維が減少して表皮材のクッション性が損なわれることや、細かい繊維屑が表面に現れて表皮材の外観が損なわれることを回避できる。
また、上記編物は上記の立体編物からなり、上記表裏二層の何れかの編地及び上記結接糸のうち少なくとも1つ以上に、上記熱可塑性樹脂繊維が用いられている場合は、基布層の繊維を容易に熱変形できる。端縁部にある接合領域の繊維同士を強固に接合できるので、より確実に繊維間の隙間を小さくできる。従って、繊維屑の発生による悪影響をより確実に防止することができる。
また、上記基布層が一面に上記熱可塑性樹脂繊維の熱変形よりなる凹状の一面側熱変形部を備え、上記表皮材が表面に上記一面側熱変形部からなる立体模様を備える場合は、表皮材の意匠性を高めることができる。表皮材の表面に繊維屑が残存しないので、外観が良好に維持される。従って、立体模様による意匠性を一層際立たせることができる。
また、上記表皮材が基材の一面側に配される車両内装用表皮材として用いられ、上記表皮材の周縁部が上記基材の他面側に折り込まれる場合は、上記周縁部の内層側にある上記基布層の端縁熱変形部も上記基材の他面側に配置される。従って、上記端縁熱変形部の段差状を基材の裏面に隠せるので、内装材表面の意匠性を一層際立たせることができる。
また、上記編物は上記の立体編物からなり、上記表裏二層の何れかの編地及び上記結接糸のうち少なくとも1つ以上に、上記熱可塑性樹脂繊維が用いられている場合は、基布層の繊維を容易に熱変形できる。端縁部にある接合領域の繊維同士を強固に接合できるので、より確実に繊維間の隙間を小さくできる。従って、繊維屑の発生による悪影響をより確実に防止することができる。
また、上記基布層が一面に上記熱可塑性樹脂繊維の熱変形よりなる凹状の一面側熱変形部を備え、上記表皮材が表面に上記一面側熱変形部からなる立体模様を備える場合は、表皮材の意匠性を高めることができる。表皮材の表面に繊維屑が残存しないので、外観が良好に維持される。従って、立体模様による意匠性を一層際立たせることができる。
また、上記表皮材が基材の一面側に配される車両内装用表皮材として用いられ、上記表皮材の周縁部が上記基材の他面側に折り込まれる場合は、上記周縁部の内層側にある上記基布層の端縁熱変形部も上記基材の他面側に配置される。従って、上記端縁熱変形部の段差状を基材の裏面に隠せるので、内装材表面の意匠性を一層際立たせることができる。
また、本発明の構造体は、基材と、上記基材の一面側に配された上記1.〜4.の何れかに記載の表皮材と、を備える。故に、上記1.〜4.の何れかに記載の表皮材と同様の効果を奏する。即ち、表皮材の内部にある編物又は不織布の繊維は、接合領域にある繊維の隙間を通過して外部に出ることを遮断されている。従って、表皮材のクッション性が維持され、表皮材の良好な外観が維持される。
また、本発明の表皮材の製造方法は、加熱プレスによって上記基布素材層を熱変形させ、基布素材層に上記第一熱変形部を形成する第一熱変形部形成工程を備える。第一熱変形部形成工程では、第一熱変形部の第一所定領域にある熱可塑性樹脂繊維同士を、裁断予定線を包含する所定幅で接合させるように加熱プレスを行う。そして、表皮素材の表面に形成されてなる凹面部を裁断する裁断工程を行う。裁断工程で裁断する凹面部は、基布素材層の熱変形に伴い形成されており、上記凹面部の内層側には、第一熱変形部の第一所定領域が配置する。従って、裁断予定線で裁断した表皮材の裁断面には、裁断前は第一所定領域であった基布素材層の断面が現れる。つまり、第一所定領域よりなる裁断後の接合領域では、繊維同士が接合されている。故に、表皮材の周縁部の隙間が閉じているので、基布層内部の繊維屑が外部に飛び出すことを遮断できる。従って、表皮素材を加熱プレスした後に裁断する簡単な工程を行うのみで、繊維屑が生じない所定形状の表皮材の生産性を高めることができる。
また、上記裁断工程を行う前に、上記基布素材層の一面に凹状の第二熱変形部を形成する第二熱変形部形成工程を行う場合には、上記表皮素材の表面に、上記第二熱変形部からなる立体模様を形成できる。従って、表面の外観を良好に維持すると共に立体模様による意匠性が際立つ表皮材の生産性を高められる。
また、上記第二熱変形部を形成する工程が、上記第一熱変形部を形成する工程と同時に行われる場合は、立体模様による意匠性が際立つ表皮材の生産性を一層高められる。
また、上記編物素材は、表裏二層の編地が結接糸で連結された立体編物からなり、少なくとも上記結接糸に熱可塑性樹脂繊維が用いられる場合は、上記結接糸が、上記第一熱変形部の中央部又は上記第二熱変形部の中央部のうち少なくとも一方の中央部に向かって各々徐々に上記基布素材層の厚みが小さくなるように倒れ込むように、上記第一又は第二の各熱変形部形成工程を行うことができる。一定の圧力で押し込まれた結接糸は、中央部側に倒れるように変形して新たな形を形成することができる。つまり、加熱プレスする押し込み深さを変えることによって、押し込み深さに応じた厚みをなすように熱変形できる。従って、押し込み深さに応じて第一所定領域を接合させる確実性を高めることができる。また、高低差がある立体模様を備えた意匠性の高い表皮材の生産性を高めることができる。
また、上記裁断工程を行う前に、上記基布素材層の一面に凹状の第二熱変形部を形成する第二熱変形部形成工程を行う場合には、上記表皮素材の表面に、上記第二熱変形部からなる立体模様を形成できる。従って、表面の外観を良好に維持すると共に立体模様による意匠性が際立つ表皮材の生産性を高められる。
また、上記第二熱変形部を形成する工程が、上記第一熱変形部を形成する工程と同時に行われる場合は、立体模様による意匠性が際立つ表皮材の生産性を一層高められる。
また、上記編物素材は、表裏二層の編地が結接糸で連結された立体編物からなり、少なくとも上記結接糸に熱可塑性樹脂繊維が用いられる場合は、上記結接糸が、上記第一熱変形部の中央部又は上記第二熱変形部の中央部のうち少なくとも一方の中央部に向かって各々徐々に上記基布素材層の厚みが小さくなるように倒れ込むように、上記第一又は第二の各熱変形部形成工程を行うことができる。一定の圧力で押し込まれた結接糸は、中央部側に倒れるように変形して新たな形を形成することができる。つまり、加熱プレスする押し込み深さを変えることによって、押し込み深さに応じた厚みをなすように熱変形できる。従って、押し込み深さに応じて第一所定領域を接合させる確実性を高めることができる。また、高低差がある立体模様を備えた意匠性の高い表皮材の生産性を高めることができる。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部品を示す。
表皮材の全体構成を示す説明図である。
立体模様を備える表皮材の全体構成を示す説明図である。
図2のX−X断面図である。
構造体の全体構成を示す説明図である。
他の実施形態の構造体を示す説明図である。
表皮材の製造方法を示す工程図である。
表皮素材を示す説明図である。
第一及び第二の熱変形部形成工程を示す説明図である。
第一熱変形部を拡大して示す説明図である。
第二熱変形部を拡大して示す説明図である。
裁断工程を行う前の表皮素材を平面視で示す説明図である。
裁断工程を示す説明図である。
裁断工程の変形例を示す説明図である。
第一熱変形部形成工程の変形例を示す説明図である。
以下、本発明を、図も参照しながら詳しく説明する。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものである。本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に、本発明の構造的な詳細を示すことを意図するものでない。図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
ここで示される事項は例示的なもの及び本発明の実施形態を例示的に説明するためのものである。本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に、本発明の構造的な詳細を示すことを意図するものでない。図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
[1]表皮材
本発明の表皮材(1,2)は、熱可塑性樹脂繊維を少なくとも含む基布層(20)と、基布層(20)の一面側(S1)に配される表皮層(30)と、を備える表皮材であって、基布層(20)は、編物又は不織布からなり、基布層(20)は、基布層の端縁部の全周に亘って熱可塑性樹脂繊維の熱変形よりなる段差状の端縁熱変形部(22)を備えており、端縁熱変形部(22)は、全周に亘って熱可塑性樹脂繊維同士が接合される接合領域(221)を備えていることを特徴とする(図1〜3参照)。
また、上記表皮材(1,2)において、上記編物は、表裏二層の編地(211,212)が結接糸(213)で連結された立体編物(21)からなり、表裏二層の何れかの編地(211,212)及び結接糸(213)のうち少なくとも1つ以上には、上記熱可塑性樹脂繊維が用いられていることが好ましい(図1,3参照)。
また、上記表皮材(2)において、基布層(20)は、更に、基布層(20)の一面(26)に上記熱可塑性樹脂繊維の熱変形よりなる凹状の一面側熱変形部(23)を備えており、表皮層(30)は、基布層(20)の一面(26)の形状に追従しており、表皮材(2)の表面(16)に一面側熱変形部(23)からなる立体模様(15)を備えることが好ましい(図2,3参照)。
また、上記表皮材(1,2)は、基材(9)の一面側(S1)に配される車両内装用表皮材として用いられ、表皮層(30)は、基布層(20)の形状に追従しており、表皮材(1,2)の周縁部(11)は、基材(9)の他面側(S2)に折り込まれていることが好ましい(図5参照)。
以下に、図1〜3を適宜に参照し、本発明の好適な実施形態について詳しく説明する。
本発明の表皮材(1,2)は、熱可塑性樹脂繊維を少なくとも含む基布層(20)と、基布層(20)の一面側(S1)に配される表皮層(30)と、を備える表皮材であって、基布層(20)は、編物又は不織布からなり、基布層(20)は、基布層の端縁部の全周に亘って熱可塑性樹脂繊維の熱変形よりなる段差状の端縁熱変形部(22)を備えており、端縁熱変形部(22)は、全周に亘って熱可塑性樹脂繊維同士が接合される接合領域(221)を備えていることを特徴とする(図1〜3参照)。
また、上記表皮材(1,2)において、上記編物は、表裏二層の編地(211,212)が結接糸(213)で連結された立体編物(21)からなり、表裏二層の何れかの編地(211,212)及び結接糸(213)のうち少なくとも1つ以上には、上記熱可塑性樹脂繊維が用いられていることが好ましい(図1,3参照)。
また、上記表皮材(2)において、基布層(20)は、更に、基布層(20)の一面(26)に上記熱可塑性樹脂繊維の熱変形よりなる凹状の一面側熱変形部(23)を備えており、表皮層(30)は、基布層(20)の一面(26)の形状に追従しており、表皮材(2)の表面(16)に一面側熱変形部(23)からなる立体模様(15)を備えることが好ましい(図2,3参照)。
また、上記表皮材(1,2)は、基材(9)の一面側(S1)に配される車両内装用表皮材として用いられ、表皮層(30)は、基布層(20)の形状に追従しており、表皮材(1,2)の周縁部(11)は、基材(9)の他面側(S2)に折り込まれていることが好ましい(図5参照)。
以下に、図1〜3を適宜に参照し、本発明の好適な実施形態について詳しく説明する。
本発明の表皮材は、後述する製造方法によって、表皮素材を所定形状に裁断してなるものである。この「所定形状」は、表皮素材の原反を裁断した後の二次的な形状を意味する。例えば、反物状に製造される表皮素材そのものの形状を意味するのでない。従って、表皮材は、所定形状の外形線に沿った周縁部を備える。具体的には、図1〜3に示す表皮材1,2は、略楕円形の外形線14に沿った周縁部11を備える。
表皮材は、基材の一面を覆い、基材表面を整えたり装飾したりするために用いる材料である。具体的には図4,5に示す表皮材1,2は、基材9の一面側S1を装飾する。表皮材1,2は、基材9の一面94に接して配置され土台を形成する基布層20と、基布層20の一面26に積層されるように配され、一面側S1に整えられた外観を表す表皮層30と、を備える。
以下の説明において、特に断りが無い限り「一面側(S1)」は、表皮材1,2において、装飾等を表す表皮層30が配される側を表す。「一面」は、上記一面側の面を表す。「他面側(S2)」及び「他面」は、一面側S1の反対側及び他面側の面を表す。
表皮材は、基材の一面を覆い、基材表面を整えたり装飾したりするために用いる材料である。具体的には図4,5に示す表皮材1,2は、基材9の一面側S1を装飾する。表皮材1,2は、基材9の一面94に接して配置され土台を形成する基布層20と、基布層20の一面26に積層されるように配され、一面側S1に整えられた外観を表す表皮層30と、を備える。
以下の説明において、特に断りが無い限り「一面側(S1)」は、表皮材1,2において、装飾等を表す表皮層30が配される側を表す。「一面」は、上記一面側の面を表す。「他面側(S2)」及び「他面」は、一面側S1の反対側及び他面側の面を表す。
〔基布層〕
上記基布層は、少なくとも熱可塑性樹脂繊維を含む編物又は不織布からなり、基布層の端縁部の全周に亘って熱可塑性樹脂繊維の熱変形よりなる段差状の端縁熱変形部を備えている。上記端縁熱変形部は、基布層の一面、他面又は両面に形成されていれば、何れでもよい。上記基布層は、更に、基布層の一面に熱可塑性樹脂繊維の熱変形よりなる凹状の一面側熱変形部を備えていてもよい。
上記基布層は、少なくとも熱可塑性樹脂繊維を含む編物又は不織布からなり、基布層の端縁部の全周に亘って熱可塑性樹脂繊維の熱変形よりなる段差状の端縁熱変形部を備えている。上記端縁熱変形部は、基布層の一面、他面又は両面に形成されていれば、何れでもよい。上記基布層は、更に、基布層の一面に熱可塑性樹脂繊維の熱変形よりなる凹状の一面側熱変形部を備えていてもよい。
上記編物又は不織布の繊維は、その一部が熱可塑性樹脂繊維からなってもよいし、その全部が熱可塑性樹脂繊維からなってもよい。多くの繊維が熱可塑性樹脂繊維であれば、上記編物又は不織布に、容易に立体感を付与できるので好ましい。
編物又は不織布は、上記の立体感を備える観点から、所定厚みを有するように立体的に形成されたものを用いることができる。編物又は不織布の厚さ(加熱プレスする前の厚さ)は特に限定されないが、例えば1〜20mm、より好ましくは5〜15mm程度とすることができる。編物又は不織布の厚さが1mm、より好ましくは5mm以上あれば、加熱プレスで押し込む深さを変えることができるので好ましい。編物又は不織布の厚さが20mm、より好ましくは15mm以下であれば、立体的な編物又は不織布を容易に形成できるので好ましい。
不織布としては、特に限定されないが、例えば繊維の複数箇所が接合点となるように複雑に絡み合うことで立体的に形成されるものを用いることができる。
編物としては、特に限定されないが、ジャージー、トリコット等の嵩高い編地の編物や、立体編物を好ましく用いることができる。容易に立体的に編成できる観点から、特に立体編物を好ましく用いることができる。
編物又は不織布は、上記の立体感を備える観点から、所定厚みを有するように立体的に形成されたものを用いることができる。編物又は不織布の厚さ(加熱プレスする前の厚さ)は特に限定されないが、例えば1〜20mm、より好ましくは5〜15mm程度とすることができる。編物又は不織布の厚さが1mm、より好ましくは5mm以上あれば、加熱プレスで押し込む深さを変えることができるので好ましい。編物又は不織布の厚さが20mm、より好ましくは15mm以下であれば、立体的な編物又は不織布を容易に形成できるので好ましい。
不織布としては、特に限定されないが、例えば繊維の複数箇所が接合点となるように複雑に絡み合うことで立体的に形成されるものを用いることができる。
編物としては、特に限定されないが、ジャージー、トリコット等の嵩高い編地の編物や、立体編物を好ましく用いることができる。容易に立体的に編成できる観点から、特に立体編物を好ましく用いることができる。
立体編物は、ダブルジャージ生地、ダブルラッセル生地、ダンボールニット生地等と称されるものが知られており、ダブルラッセル編機、丸編機等の編機により編成することができる。具体的には図1,3に示すように、立体編物21は、二層の表側編地211及び裏側編地212を結接糸213で連結する構造を備える。
表側編地及び裏側編地に用いる各編地は、結接糸を介して連結可能な編地に組織されていれば特に限定されない。具体的には、表裏両側の編み地を編み進むと共に表裏両側の編地の間に結接糸を容易に編成できる観点から、ダブルデンビ編、ダブルコード編等の編地を好適に用いることができる。
表裏二層の各編地は、表裏二層の各編地に対向する裏表各編地の糸が視認されない程度に隙間無く組織されていれば好ましい。即ち、対向する裏表各編地を構成する糸(以下、単に「編地糸」とも称する)を視認できる程度に、隙間の大きな網目状又はネット状の編地でないものが好ましい。隙間無く組織される場合、各編地の表面が平滑に形成され、表皮層や基材を接合する際に好都合である。
表裏二層の各編地は、表裏二層の各編地に対向する裏表各編地の糸が視認されない程度に隙間無く組織されていれば好ましい。即ち、対向する裏表各編地を構成する糸(以下、単に「編地糸」とも称する)を視認できる程度に、隙間の大きな網目状又はネット状の編地でないものが好ましい。隙間無く組織される場合、各編地の表面が平滑に形成され、表皮層や基材を接合する際に好都合である。
結接糸は、上記各編地を用いた編物を立体的に形成するための糸である。結接糸は、表裏の各編地を厚み方向に離間させ、膨らみをもたせた状態で表編地と裏編地を連結する糸であり、つなぎ糸、柱糸等とも称される。
例えば図1,3に示す立体編物21では、結接糸213は、表側編地211又は裏側編地212の所定の編目に編成され(図示せず)、表側編地211と裏側編地212との間に架け渡されるように各編地211,212を連結する。
例えば図1,3に示す立体編物21では、結接糸213は、表側編地211又は裏側編地212の所定の編目に編成され(図示せず)、表側編地211と裏側編地212との間に架け渡されるように各編地211,212を連結する。
表裏の各編地を編成する編地糸及び結接糸は、何れかの糸が熱可塑性繊維を含んでいれば特に限定されず、適宜な繊維を用いることができる。表裏の各編地を編成する編地糸及び結接糸のうち少なくとも1つ以上に熱可塑性樹脂繊維を用いる場合は、基布層を容易に熱変形させることができるので好ましい。
例えば図1〜3の立体編物21では、表裏二層の何れかの編地211,212及び結接糸213のうち少なくとも1つ以上に、熱可塑性樹脂繊維が用いられていればよい。この場合、後述する基布素材層120を構成する繊維を容易に熱変形し、第一所定領域1221の繊維同士を強固に接合できる(図9参照)。故に裁断後の接合領域221において、より確実に繊維間の隙間を小さくできる(図1,3参照)。従って、繊維屑の発生による悪影響をより確実に防止することができる。
また、少なくとも結接糸213に熱可塑性樹脂繊維が用いられている場合は、図1,3に示すように、結接糸213が段差状の端縁熱変形部22の縁部に向かって各々徐々に基布層20の厚みが小さくなって倒れ込むように、基布層20を熱変形できる。端縁熱変形部22の縁部において基布層20の厚みを小さくできるので、熱変形した結接糸213を介して表側及び裏側の各編地211,212を確実に近接させ、各編地211,212同士を接合する接着剤として軟化した結接糸213を用い、接合領域221の接合強度を高められるので好ましい。
例えば図1〜3の立体編物21では、表裏二層の何れかの編地211,212及び結接糸213のうち少なくとも1つ以上に、熱可塑性樹脂繊維が用いられていればよい。この場合、後述する基布素材層120を構成する繊維を容易に熱変形し、第一所定領域1221の繊維同士を強固に接合できる(図9参照)。故に裁断後の接合領域221において、より確実に繊維間の隙間を小さくできる(図1,3参照)。従って、繊維屑の発生による悪影響をより確実に防止することができる。
また、少なくとも結接糸213に熱可塑性樹脂繊維が用いられている場合は、図1,3に示すように、結接糸213が段差状の端縁熱変形部22の縁部に向かって各々徐々に基布層20の厚みが小さくなって倒れ込むように、基布層20を熱変形できる。端縁熱変形部22の縁部において基布層20の厚みを小さくできるので、熱変形した結接糸213を介して表側及び裏側の各編地211,212を確実に近接させ、各編地211,212同士を接合する接着剤として軟化した結接糸213を用い、接合領域221の接合強度を高められるので好ましい。
編地糸及び接結糸は、具体的には、合成繊維、天然繊維及びその他繊維の1種又は2種以上を利用できる。これらの中では、強度、耐久性及び熱可塑性を示す種類が多い観点から合成繊維を用いることが好ましい。
合成繊維の種類は、特に限定されないが、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維及びポリオレフィン繊維等の熱可塑性樹脂繊維が挙げられる。このうちポリエステル繊維としては、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維等が、ポリアミド繊維としては、ナイロン6繊維、ナイロン66繊維等が、ポリオレフィン繊維としては、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等が、挙げられる。これらの中でも、熱可塑性を示し、強度が大きく、優れた耐久性等を有する観点から、例えばポリエステル系繊維が好ましい。
尚、基布層が不織布で形成されている場合であっても、不織布を構成する繊維としては、上記の各編地糸及び結接糸に用いる上記繊維と同様の繊維を用いることができる。
合成繊維の種類は、特に限定されないが、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維及びポリオレフィン繊維等の熱可塑性樹脂繊維が挙げられる。このうちポリエステル繊維としては、ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維等が、ポリアミド繊維としては、ナイロン6繊維、ナイロン66繊維等が、ポリオレフィン繊維としては、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等が、挙げられる。これらの中でも、熱可塑性を示し、強度が大きく、優れた耐久性等を有する観点から、例えばポリエステル系繊維が好ましい。
尚、基布層が不織布で形成されている場合であっても、不織布を構成する繊維としては、上記の各編地糸及び結接糸に用いる上記繊維と同様の繊維を用いることができる。
各編生地の編地糸及び結接糸の形態は、特に限定されないが、通常、フィラメント糸が用いられる。また、フィラメント糸は、モノフィラメント及びマルチフィラメントの何れでもよく併用してもよい。
また、結接糸の一部に融着糸(表裏二層の編地を構成する糸より融点が低い糸)を使用してもよい。この融着糸として、モノフィラメント又はマルチフィラメント何れの融着糸であってもよいし、融着糸と非融着糸(融着糸よりも融点が高い糸)とを撚り合わせたり、貼り合わせたりしたマルチフィラメントであってもよい。融着糸の形態は、芯鞘モノフィラメント糸単独でもよいし、芯鞘モノフィラメント糸同士又は芯鞘モノフィラメント糸と上記の各糸を撚り合わせたもの等であってもよい。この融着糸を用いた場合、融着糸が溶けることで容易に接合領域を形成できるので、好ましい。
また、結接糸の一部に融着糸(表裏二層の編地を構成する糸より融点が低い糸)を使用してもよい。この融着糸として、モノフィラメント又はマルチフィラメント何れの融着糸であってもよいし、融着糸と非融着糸(融着糸よりも融点が高い糸)とを撚り合わせたり、貼り合わせたりしたマルチフィラメントであってもよい。融着糸の形態は、芯鞘モノフィラメント糸単独でもよいし、芯鞘モノフィラメント糸同士又は芯鞘モノフィラメント糸と上記の各糸を撚り合わせたもの等であってもよい。この融着糸を用いた場合、融着糸が溶けることで容易に接合領域を形成できるので、好ましい。
各編生地の編地糸及び結接糸の繊度は、特に限定されない。通常、編地糸では50〜1500dtex、結接糸では10〜1500dtexである。この範囲であれば、立体編物を容易に編成できる。また、編地糸では、好ましくは70〜1200dtex、より好ましくは、150〜500dtexであればよい。結接糸では、好ましくは20〜1000dtex、より好ましくは、20〜350dtexであればよい。これらの好ましい範囲では、立体編物の骨格強度を維持できる。故に、ほつれが抑制された表皮材において、クッション性及び意匠性を高めることができる。
各編生地及び結接糸の糸密度は、特に限定されないが、コース方向に10〜100本/inch、ウェール方向に5〜50本/inchであれば好ましい。この範囲にあれば、立体編物を容易に編成できる。また、各編生地では、好ましくはコース方向に15〜70本/inch、ウェール方向に15〜40本/inchであればよい。結接糸では好ましくはコース方向に15〜70本/inch、ウェール方向に8〜30本/inchであればよい。好ましい範囲では、立体編物の骨格強度を維持できる。故に、ほつれが抑制された表皮材において、クッション性及び意匠性を高めることができる。
尚、上記の編生地、編地糸、編地糸の形態、繊度又は糸密度等は、表側編地と裏側編地とで同じでも、異なっていても、どちらでもよい。
各編生地及び結接糸の糸密度は、特に限定されないが、コース方向に10〜100本/inch、ウェール方向に5〜50本/inchであれば好ましい。この範囲にあれば、立体編物を容易に編成できる。また、各編生地では、好ましくはコース方向に15〜70本/inch、ウェール方向に15〜40本/inchであればよい。結接糸では好ましくはコース方向に15〜70本/inch、ウェール方向に8〜30本/inchであればよい。好ましい範囲では、立体編物の骨格強度を維持できる。故に、ほつれが抑制された表皮材において、クッション性及び意匠性を高めることができる。
尚、上記の編生地、編地糸、編地糸の形態、繊度又は糸密度等は、表側編地と裏側編地とで同じでも、異なっていても、どちらでもよい。
(端縁熱変形部)
端縁熱変形部は、基布層の端縁部にある熱可塑性樹脂繊維の熱変形よりなり、基布層の端縁部において、段差状に形成されている。端縁熱変形部の「段差状(以下、単に「段差」とも記す)」は、基布層の厚み方向に沿って高低差をなすように形成されていればよい。段差のうち「高い側」は、基布層が熱変形しない元の厚みを残す部分であり、「低い側」は、基布層が圧せられた状態で熱変形した結果、編物又は不織布の繊維同士が接合して薄い厚みに形成される部分である。低い側には、接合領域が形成される。
上記段差は、基布層において高い側よりも端縁側に低い側が形成される形状であればよい。低い側に上記接合領域が形成される限り、低い側の外側が再びやや高く形成されている態様の段差でも構わない。また、端縁熱変形部22の段差は、図1,3に示すように基布層20の一面側S1に形成されていても、又は図11に示すように一面及び他面の両面側S1,S2に形成されていても、或いは他面側のみに(図示せず)形成されていても、何れであってもよい。
端縁熱変形部は、基布層の端縁部にある熱可塑性樹脂繊維の熱変形よりなり、基布層の端縁部において、段差状に形成されている。端縁熱変形部の「段差状(以下、単に「段差」とも記す)」は、基布層の厚み方向に沿って高低差をなすように形成されていればよい。段差のうち「高い側」は、基布層が熱変形しない元の厚みを残す部分であり、「低い側」は、基布層が圧せられた状態で熱変形した結果、編物又は不織布の繊維同士が接合して薄い厚みに形成される部分である。低い側には、接合領域が形成される。
上記段差は、基布層において高い側よりも端縁側に低い側が形成される形状であればよい。低い側に上記接合領域が形成される限り、低い側の外側が再びやや高く形成されている態様の段差でも構わない。また、端縁熱変形部22の段差は、図1,3に示すように基布層20の一面側S1に形成されていても、又は図11に示すように一面及び他面の両面側S1,S2に形成されていても、或いは他面側のみに(図示せず)形成されていても、何れであってもよい。
また、上記端縁熱変形部は、基布層の端縁部の全周に亘って形成されている。基布層の端縁部の「全周」は、表皮材の周縁部が備える不定形な外形線に沿った「全周」を意味する。表皮材は、表皮素材を所定の不定形に裁断して製造されており、表皮素材の裁断線に応じた上記外形線が形成される。換言すれば、端縁部の「全周」は、表皮素材を裁断する際の裁断線に沿った全周を意味する。具体的には、図1〜3に示す表皮材1,2は、表皮素材を略楕円形の外形線14に沿って裁断して形成されており、基布層20の端縁部の「全周」は、表皮材1,2の周縁部11と同じ楕円周に沿った1周を意味する。仮に表皮材の周縁部がドーナツ形状をなす場合は、基布層の端縁部の「全周」は、ドーナツ形状の外側と内側の2円周を意味する。この場合、2円周の全周に亘って端縁熱変形部が形成される。
また、端縁熱変形部は、上記全周に亘って基布層の繊維同士が接合される接合領域を備える。接合領域は、端縁熱変形部の全部の領域のうち、基布層の繊維同士が接合する程に、熱可塑性樹脂繊維を熱変形させてなる領域をいう。接合領域にある繊維の接合程度は、繊維屑より小さな隙間を介して繊維同士が集まり、近接、密着、圧着する等で、まとまる程であればよい。流動できるまで加熱された熱可塑性樹脂繊維を介して隙間が無くなる程に繊維同士が溶着し、一体化するまで熱変形される状態であれば、更によい。この状態では、基布層が立体編物よりなる場合は、編物において表裏の各編地間の間隙や編目自体の隙間を、又は不織布よりなる場合は、布帛の繊維間の隙間を、端縁部において確実に閉じることができるので好ましい。
具体的には、図1,3等に示すように、端縁熱変形部22は、基布層20の端縁部にある熱可塑性樹脂繊維の熱変形よりなり、表皮材1,2の周縁部11と同じ楕円周に沿った1周全周に亘って段差状に形成されている。基布層20の端縁部にある結接糸213が、より外側の端縁部に向かって各々徐々に基布層20の厚みが小さくなるように倒れ込むように熱変形され、端縁熱変形部22よりなる段差の低い側を形成する。
段差の低い側にある熱可塑性樹脂繊維は、熱変形すると共に高い側よりも圧せられた状態にあり、塑性変形した繊維同士が近接する結果、当該繊維同士で接合する接合領域221を形成する。具体的には、倒れ込むように熱変形された結接糸213と表裏の各編地211,212の繊維同士とが加熱プレスにより一体化接合される接合領域では、より確実に繊維同士の隙間が閉じられている。図1,3では、高い側(元の厚みT)から徐々に厚みが小さくなって平坦状の低い側(厚みt1)になるまで加熱プレスされ(図9参照)、一体化接合された接合領域221を、模式的に黒色の太い直線で示している。
接合領域221は、基布層の内部にある繊維或いは繊維屑が接合領域221にある繊維の隙間を介して基布層20の外部に出ることを遮断する。故に、裁断されてなる表皮材1の周縁部11に繊維屑が現れることを防止することができる。従って、基布層20の繊維が減少し表皮材1,2のクッション性が損なわれることや、細かい繊維屑が表面に現れ表皮材1,2の外観が損なわれることを回避できる。
段差の低い側にある熱可塑性樹脂繊維は、熱変形すると共に高い側よりも圧せられた状態にあり、塑性変形した繊維同士が近接する結果、当該繊維同士で接合する接合領域221を形成する。具体的には、倒れ込むように熱変形された結接糸213と表裏の各編地211,212の繊維同士とが加熱プレスにより一体化接合される接合領域では、より確実に繊維同士の隙間が閉じられている。図1,3では、高い側(元の厚みT)から徐々に厚みが小さくなって平坦状の低い側(厚みt1)になるまで加熱プレスされ(図9参照)、一体化接合された接合領域221を、模式的に黒色の太い直線で示している。
接合領域221は、基布層の内部にある繊維或いは繊維屑が接合領域221にある繊維の隙間を介して基布層20の外部に出ることを遮断する。故に、裁断されてなる表皮材1の周縁部11に繊維屑が現れることを防止することができる。従って、基布層20の繊維が減少し表皮材1,2のクッション性が損なわれることや、細かい繊維屑が表面に現れ表皮材1,2の外観が損なわれることを回避できる。
(一面側熱変形部)
一面側熱変形部は、基布層を構成する熱可塑性樹脂繊維を加熱プレスした熱変形よりなり、基布層の一面に凹状に形成される。一面側熱変形部の凹状(以下、単に「凹部」とも記す)は、表皮層を介して表皮材の立体模様を構成する。凹部の深さは適宜に設定され、凹部の深さに応じて基布層が所定の厚みをなす。異なる厚み(深さ)の凹部が複数形成されていてもよく、基布層の表側編地が裏側編地まで到達するほど薄い厚みでもよく、適宜な厚さでもよい。異なる厚みの凹部を備える場合には、立体模様を多様に形成することができ、一層意匠性が高められる。
具体的には、図3に示すように、一面側熱変形部23は、基布層20の一面26にある凹部よりなる。一面側熱変形部23は、熱変形前の基布層20の半分程の厚みを備える凹部であり、表皮層30を介して、表皮材2の一面側S1に菱形を輪郭させ(図11参照)意匠性を高める。図2に示す表皮材2は、細かな繊維屑を表面に残さないので外観が良好に維持されており、一面側熱変形部23によりなる立体模様15の意匠性を一層際立たせることができる。
一面側熱変形部は、基布層を構成する熱可塑性樹脂繊維を加熱プレスした熱変形よりなり、基布層の一面に凹状に形成される。一面側熱変形部の凹状(以下、単に「凹部」とも記す)は、表皮層を介して表皮材の立体模様を構成する。凹部の深さは適宜に設定され、凹部の深さに応じて基布層が所定の厚みをなす。異なる厚み(深さ)の凹部が複数形成されていてもよく、基布層の表側編地が裏側編地まで到達するほど薄い厚みでもよく、適宜な厚さでもよい。異なる厚みの凹部を備える場合には、立体模様を多様に形成することができ、一層意匠性が高められる。
具体的には、図3に示すように、一面側熱変形部23は、基布層20の一面26にある凹部よりなる。一面側熱変形部23は、熱変形前の基布層20の半分程の厚みを備える凹部であり、表皮層30を介して、表皮材2の一面側S1に菱形を輪郭させ(図11参照)意匠性を高める。図2に示す表皮材2は、細かな繊維屑を表面に残さないので外観が良好に維持されており、一面側熱変形部23によりなる立体模様15の意匠性を一層際立たせることができる。
〔表皮層〕
上記表皮層は、上記基布層の一面側に配される。表皮層を基布層の一面側に配する態様は特に限定されず、表皮層が基布層の一面の上に配置されていればよく、端縁熱変形部の段差及び一面側熱変形部の凹部の各形状に追従するように配置されていてもよい。この場合、表皮材の取扱い性を容易にでき、一面側熱変形部よりなる立体模様の意匠性を高めることができる。また、表皮層が基布層の一面側に接合される態様であってもよい。接合方法は特に限定されず、表皮層の材質に応じて、接着剤等を介した貼着又は接着や、熱融着等の公知の方法が用いられる。
表皮層の材料としては、例えば、意匠布(ファブリック)、樹脂層(PU、PVC、PP等)、合成皮革、人工皮革、天然皮革等の公知の材料が用いられる。表皮層は、単層でもよいし、積層された複数層としてもよい。例えば、意匠層と意匠層に積層した表面処理層とで複数層の表皮層を形成する構成であってもよい。表皮層の厚さ(加熱プレス前の厚さ)は特に限定されないが、例えば、0.01〜10mm、特に0.1〜5mmとすることができる。この厚さが上記範囲内であれば、基布層の一面上の凹部の形状に表皮層を良好に追従させることができる。故に、取扱い性や意匠性を高めることができる。
具体的には、図1〜3に示すように、表皮層30は、基布層20の一面側S1に接着され、端縁熱変形部22の段差状及び一面側熱変形部23の凹状の各形状に追従して基布層20の一面26の上に積層される。従って、一面側熱変形部23よりなる表皮材2表面にある立体模様15の意匠性が高められている。
上記表皮層は、上記基布層の一面側に配される。表皮層を基布層の一面側に配する態様は特に限定されず、表皮層が基布層の一面の上に配置されていればよく、端縁熱変形部の段差及び一面側熱変形部の凹部の各形状に追従するように配置されていてもよい。この場合、表皮材の取扱い性を容易にでき、一面側熱変形部よりなる立体模様の意匠性を高めることができる。また、表皮層が基布層の一面側に接合される態様であってもよい。接合方法は特に限定されず、表皮層の材質に応じて、接着剤等を介した貼着又は接着や、熱融着等の公知の方法が用いられる。
表皮層の材料としては、例えば、意匠布(ファブリック)、樹脂層(PU、PVC、PP等)、合成皮革、人工皮革、天然皮革等の公知の材料が用いられる。表皮層は、単層でもよいし、積層された複数層としてもよい。例えば、意匠層と意匠層に積層した表面処理層とで複数層の表皮層を形成する構成であってもよい。表皮層の厚さ(加熱プレス前の厚さ)は特に限定されないが、例えば、0.01〜10mm、特に0.1〜5mmとすることができる。この厚さが上記範囲内であれば、基布層の一面上の凹部の形状に表皮層を良好に追従させることができる。故に、取扱い性や意匠性を高めることができる。
具体的には、図1〜3に示すように、表皮層30は、基布層20の一面側S1に接着され、端縁熱変形部22の段差状及び一面側熱変形部23の凹状の各形状に追従して基布層20の一面26の上に積層される。従って、一面側熱変形部23よりなる表皮材2表面にある立体模様15の意匠性が高められている。
[2]構造体
本発明の構造体(41,42)は、基材(9)と、基材(9)上に配設された上記表皮材(1,2)と、を備えることを特徴とする(図4,5参照)。
上記基材の形状は、特に限定されず、中実体であってもよいし、中空体であってもよい。基材を構成する材料は、特に限定されず、有機材料及び無機材料の何れであってもよく、これらを含む複合材料でもよい。有機材料としては、熱可塑性樹脂、硬化樹脂等を挙げることができる。無機材料としては、金属、合金、セラミックス等を用いることができる。表皮材を基材に配設する方法は、特に限定されず、接着剤等を介した貼着や、熱融着等の公知の方法が挙げられる。また、基材と表皮材との間には、吸音層、弾性層等の他の機能層が介在していてもよい。
本発明の構造体(41,42)は、基材(9)と、基材(9)上に配設された上記表皮材(1,2)と、を備えることを特徴とする(図4,5参照)。
上記基材の形状は、特に限定されず、中実体であってもよいし、中空体であってもよい。基材を構成する材料は、特に限定されず、有機材料及び無機材料の何れであってもよく、これらを含む複合材料でもよい。有機材料としては、熱可塑性樹脂、硬化樹脂等を挙げることができる。無機材料としては、金属、合金、セラミックス等を用いることができる。表皮材を基材に配設する方法は、特に限定されず、接着剤等を介した貼着や、熱融着等の公知の方法が挙げられる。また、基材と表皮材との間には、吸音層、弾性層等の他の機能層が介在していてもよい。
例えば、図4に示す構造体41は、基材9と、基材9の一面94上に配設された表皮材1と、を備える。構造体41は、基材9の一面側S1に基布層20の他面(立体編物21の裏側編地212の裏面全面)を接着してなる。
本発明の構造体は、種々の技術分野において利用することができる。具体的には、自動車及び鉄道車両等の車両(特に車両用内装材)、航空機、船舶、建築、アパレル等の各種産業における表皮材が関わる分野において好適に利用することができる。構造体として具体的には、ドアトリム、ルーフトリム及び座席シート等の車両用内装材、ソファ等の家具、鞄、財布及び衣服等の生活用品等を挙げることができる。
本発明の構造体は、種々の技術分野において利用することができる。具体的には、自動車及び鉄道車両等の車両(特に車両用内装材)、航空機、船舶、建築、アパレル等の各種産業における表皮材が関わる分野において好適に利用することができる。構造体として具体的には、ドアトリム、ルーフトリム及び座席シート等の車両用内装材、ソファ等の家具、鞄、財布及び衣服等の生活用品等を挙げることができる。
表皮材は、具体的には、上記それぞれの構造体の基材上に配設して用いることができる。本発明の表皮材は、その周縁部を基材の他面側に折り込んで配設する観点から、例えばドアトリム等の基材の一面側を装飾する車両内装用表皮材として好ましく用いられる。
具体的には、図5に示す構造体42は、表皮材2の他面(即ち、上記裏側編地212の裏面全面)を基材9の一面94に接着すると共に、表皮材2の周縁部11を基材9の他面側S2に折り込み形成される。故に、周縁部11の内層側にある端縁熱変形部22も、基材9の他面側S2に折り込まれる。端縁熱変形部22の段差が基材9の他面側S2(裏面)に隠れ、構造体42の一面側S1にいるユーザに視認されない。表皮材2は、一面側S1に立体模様15を備えており、繊維屑が表面16に表れないことも相まって、ドアトリム内装材表面の意匠性を一層際立たせることができる。
具体的には、図5に示す構造体42は、表皮材2の他面(即ち、上記裏側編地212の裏面全面)を基材9の一面94に接着すると共に、表皮材2の周縁部11を基材9の他面側S2に折り込み形成される。故に、周縁部11の内層側にある端縁熱変形部22も、基材9の他面側S2に折り込まれる。端縁熱変形部22の段差が基材9の他面側S2(裏面)に隠れ、構造体42の一面側S1にいるユーザに視認されない。表皮材2は、一面側S1に立体模様15を備えており、繊維屑が表面16に表れないことも相まって、ドアトリム内装材表面の意匠性を一層際立たせることができる。
[3]表皮材の製造方法
本発明の表皮材の製造方法は、上記の表皮材(1,2)の製造方法において、表皮材(1,2)は、表皮素材(10)を所定形状に裁断してなり、表皮素材(10)は、熱可塑性樹脂繊維を少なくとも含む基布素材層(120)と、基布素材層(120)の一面側(S1)に配された表皮素材層(130)と、を備えており、基布素材層(120)は、編物素材又は不織布素材からなり、一面側(S1)に表皮素材層(130)が配された状態で基布素材層(120)を加熱プレスし、加熱プレスによって、基布素材層(120)に熱可塑性樹脂繊維を熱変形させてなる凹状の第一熱変形部(122)を形成し、第一熱変形部(122)の第一所定領域(1221)にある繊維同士を、裁断予定線(114)を包含する所定幅(W)で接合させる第一熱変形部形成工程(51)と、熱変形に伴い表皮素材(10)の表面(116,117)に形成されてなる凹面部(111,118,119)を裁断する裁断工程(60)と、を備えることを特徴とする(図6〜12等参照)。
また、上記表皮材の製造方法において、裁断工程(60)を行う前に、一面側(S1)に表皮素材層(130)が配された状態で基布素材層(120)を加熱プレスし、基布素材層(120)の一面側(S1)に凹状の第二熱変形部(123)を形成する第二熱変形部形成工程(52)を行い、第二熱変形部形成工程(52)では、加熱プレスによって、第二熱変形部(123)の第二所定領域(1232)が所定厚み(t2)となるように熱可塑性樹脂繊維を熱変形させた後、冷却により熱変形時の形状を定着させ、表皮素材(10)の表面に第二熱変形部(123)からなる立体模様(115)を形成することが好ましい(図6,10等参照)。
上記表皮材の製造方法において、第二熱変形部形成工程(52)が、第一熱変形部形成工程(51)と同時に行われることが好ましい(図6参照)。
上記表皮材の製造方法において、編物素材は、表裏二層の編地(1211,1212)が結接糸(1213)で連結された立体編物素材(121)からなり、少なくとも結接糸(1213)に熱可塑性樹脂繊維が用いられており、第一又は第二の各熱変形部形成工程(51,52)のうち少なくとも一方の工程では、結接糸(1213)が、第一熱変形部(122)又は第二熱変形部(123)のうち少なくとも一方の中央部(1223,1233)に向かって各々徐々に基布素材層(120)の厚みが小さくなるように倒れ込んでいることが好ましい(図9,10等参照)。
本発明の表皮材の製造方法は、上記の表皮材(1,2)の製造方法において、表皮材(1,2)は、表皮素材(10)を所定形状に裁断してなり、表皮素材(10)は、熱可塑性樹脂繊維を少なくとも含む基布素材層(120)と、基布素材層(120)の一面側(S1)に配された表皮素材層(130)と、を備えており、基布素材層(120)は、編物素材又は不織布素材からなり、一面側(S1)に表皮素材層(130)が配された状態で基布素材層(120)を加熱プレスし、加熱プレスによって、基布素材層(120)に熱可塑性樹脂繊維を熱変形させてなる凹状の第一熱変形部(122)を形成し、第一熱変形部(122)の第一所定領域(1221)にある繊維同士を、裁断予定線(114)を包含する所定幅(W)で接合させる第一熱変形部形成工程(51)と、熱変形に伴い表皮素材(10)の表面(116,117)に形成されてなる凹面部(111,118,119)を裁断する裁断工程(60)と、を備えることを特徴とする(図6〜12等参照)。
また、上記表皮材の製造方法において、裁断工程(60)を行う前に、一面側(S1)に表皮素材層(130)が配された状態で基布素材層(120)を加熱プレスし、基布素材層(120)の一面側(S1)に凹状の第二熱変形部(123)を形成する第二熱変形部形成工程(52)を行い、第二熱変形部形成工程(52)では、加熱プレスによって、第二熱変形部(123)の第二所定領域(1232)が所定厚み(t2)となるように熱可塑性樹脂繊維を熱変形させた後、冷却により熱変形時の形状を定着させ、表皮素材(10)の表面に第二熱変形部(123)からなる立体模様(115)を形成することが好ましい(図6,10等参照)。
上記表皮材の製造方法において、第二熱変形部形成工程(52)が、第一熱変形部形成工程(51)と同時に行われることが好ましい(図6参照)。
上記表皮材の製造方法において、編物素材は、表裏二層の編地(1211,1212)が結接糸(1213)で連結された立体編物素材(121)からなり、少なくとも結接糸(1213)に熱可塑性樹脂繊維が用いられており、第一又は第二の各熱変形部形成工程(51,52)のうち少なくとも一方の工程では、結接糸(1213)が、第一熱変形部(122)又は第二熱変形部(123)のうち少なくとも一方の中央部(1223,1233)に向かって各々徐々に基布素材層(120)の厚みが小さくなるように倒れ込んでいることが好ましい(図9,10等参照)。
表皮材の製造方法では、図6に示すように、加熱プレス工程50を行い、次に裁断工程60を行う。加熱プレス工程50では、少なくとも第一熱変形部形成工程51を行う。第一熱変形部形成工程51では、表皮素材を加熱プレスし、基布素材層に凹状の第一熱変形部を成形する。加熱プレスによって、第一熱変形部の第一所定領域にある繊維同士を接合させる。
裁断工程60では、上記第一熱変形部よりなり表皮材表面に形成される凹面部を裁断し、所定形状の表皮材を製造する。
また、裁断工程60を行う前に、加熱プレス工程50で、第二熱変形部形成工程52を行ってもよい。第二熱変形部形成工程52では、表皮素材を加熱プレスし、基布素材層に凹状の第二熱変形部を成形し、表皮素材の表面に第二熱変形部からなる立体模様を形成する。第二熱変形部形成工程52は、裁断工程60の前に行えば、第一熱変形部形成工程51より前に行ってもよいし、後に行ってもよいし、同時に行ってもよい。同時に行えば、立体模様を備え意匠性が際立つ表皮材の生産性を一層高められる。
裁断工程60では、上記第一熱変形部よりなり表皮材表面に形成される凹面部を裁断し、所定形状の表皮材を製造する。
また、裁断工程60を行う前に、加熱プレス工程50で、第二熱変形部形成工程52を行ってもよい。第二熱変形部形成工程52では、表皮素材を加熱プレスし、基布素材層に凹状の第二熱変形部を成形し、表皮素材の表面に第二熱変形部からなる立体模様を形成する。第二熱変形部形成工程52は、裁断工程60の前に行えば、第一熱変形部形成工程51より前に行ってもよいし、後に行ってもよいし、同時に行ってもよい。同時に行えば、立体模様を備え意匠性が際立つ表皮材の生産性を一層高められる。
(表皮素材)
表皮素材は、所定形状に裁断して表皮材を製造するための材料である。表皮素材は、上記の基布素材層と、基布素材層の一面側に配された上記の表皮素材層と、を備えており、基布素材層及び表皮素材層は、表皮素材を所定形状に裁断して表皮材を製造した後に、表皮材の基布層及び表皮層を構成する。従って、基布素材層及び表皮素材層は、それぞれ上記の基布層及び上記の表皮層と同等の構成を備える。
表皮素材は、所定形状に裁断して表皮材を製造するための材料である。表皮素材は、上記の基布素材層と、基布素材層の一面側に配された上記の表皮素材層と、を備えており、基布素材層及び表皮素材層は、表皮素材を所定形状に裁断して表皮材を製造した後に、表皮材の基布層及び表皮層を構成する。従って、基布素材層及び表皮素材層は、それぞれ上記の基布層及び上記の表皮層と同等の構成を備える。
例えば、図7に示すとおり、表皮素材10は、長尺帯状の反物であり、1反の表皮素材10から目的の表皮材1を複数枚裁断することができる。表皮素材10は、熱可塑性樹脂繊維を少なくとも含む基布素材層120と、基布素材層120の一面側S1に配された表皮素材層130と、を備えている。
また、表皮材1,2の場合と同様に、立体編物素材121の表裏の各編地1211,1212を編成する編地糸及び結接糸1213は、何れかの糸が熱可塑性繊維を含んでいれば特に限定されず、適宜な繊維を用いることができる(図7参照)。少なくとも結接糸1213に熱可塑性樹脂繊維が用いられていれば、図9,10に示すように、加熱プレスによって、第一熱変形部122又は第二熱変形部123の中央部1223,1233に向かって、結接糸1213が各々徐々に基布素材層120の厚みが小さくなり倒れ込むように、容易に成形できるので、好ましい。
また、表皮材1,2の場合と同様に、立体編物素材121の表裏の各編地1211,1212を編成する編地糸及び結接糸1213は、何れかの糸が熱可塑性繊維を含んでいれば特に限定されず、適宜な繊維を用いることができる(図7参照)。少なくとも結接糸1213に熱可塑性樹脂繊維が用いられていれば、図9,10に示すように、加熱プレスによって、第一熱変形部122又は第二熱変形部123の中央部1223,1233に向かって、結接糸1213が各々徐々に基布素材層120の厚みが小さくなり倒れ込むように、容易に成形できるので、好ましい。
例えば、表皮素材10は、立体編物素材121からなる基布素材層120(厚み:4mm)の一面側S1に、表皮素材層130(合成皮革、厚み;0.2mm)を接着してなる。立体編物素材121は、表側編地1211(構成糸;ポリエステル系樹脂繊維、厚み;0.4mm)及び裏側編地1212(構成糸;ポリエステル系樹脂繊維、厚み;0.4mm)が、結接糸1213(ポリエステル系樹脂繊維)で連結された構造を備える。基布素材層120を形成する立体編物素材121は、ダブルラッセル編機を用いて編成される。例えば、84dtexの表裏の各編地糸、33dtex結接糸を用い、コース方向に45本/inch、ウェール方向に30本/inchの糸密度で編成される。
〔第一熱変形部形成工程〕
第一熱変形部形成工程は、表皮素材を加熱プレスして基布素材層を熱変形させ、基布素材層に凹状の第一熱変形部を形成し、第一熱変形部のうち第一所定領域にある繊維同士を接合させる工程である。また、上記第一熱変形部を成形すると共に、第一熱変形部の凹状に従った凹面部を表皮素材の表面に成形する工程である。
第一熱変形部形成工程は、表皮素材を加熱プレスして基布素材層を熱変形させ、基布素材層に凹状の第一熱変形部を形成し、第一熱変形部のうち第一所定領域にある繊維同士を接合させる工程である。また、上記第一熱変形部を成形すると共に、第一熱変形部の凹状に従った凹面部を表皮素材の表面に成形する工程である。
第一熱変形部は、基布素材層に形成される所定幅を備える凹部であり、表皮素材を裁断する裁断予定線に沿って形成される。裁断予定線は、表皮材の外形線と同形を備える。基布素材層において第一熱変形部の凹部が形成される側は、一面側、他面側、どちら側でもよいし又は両側でもよい。一面側に凹部がある場合は、凹面部は、基布素材層の凹部の形状に追従する表皮素材層の一面側表面に形成される。他面側に凹部がある場合は、凹面部は、基布素材層の他面側表面に形成される。また、第一熱変形部の領域のうち略相似小形の領域に、第一所定領域が形成される。第一所定領域が形成される限り、第一熱変形部の厚み(凹部の深さ)は特に限定されない。
第一所定領域は、第一熱変形部の領域の中で、基布素材層の繊維が接合するまで熱変形される領域であり、上記裁断予定線を包含する。第一所定領域は、表皮素材を裁断して表皮材を製造した後には、表皮材の接合領域を形成する領域である。故に、第一熱変形部形成工程では、上記接合領域で説明した接合程度に準じる程に、第一所定領域にある繊維同士が接合するように、基布素材層を熱変形させる。繊維屑が通過できない程に繊維同士の隙間が小さくなるように、熱変形させればよい。又は、繊維同士が上記加熱プレスによって軟化した熱可塑性樹脂繊維を介して集まり、僅かな隙間を残し、まとまるように、熱変形させればよい。又は、自在に変形可能なまでに軟化した熱可塑性樹脂繊維を介し、繊維間に隙間が無くなり溶着するまで熱変形させてもよい。熱可塑性樹脂繊維が溶融して流動した後に、凝固した扁平状の樹脂塊を形成するまでに熱変形させてもよい。
第一所定領域は、第一熱変形部の領域の中で、基布素材層の繊維が接合するまで熱変形される領域であり、上記裁断予定線を包含する。第一所定領域は、表皮素材を裁断して表皮材を製造した後には、表皮材の接合領域を形成する領域である。故に、第一熱変形部形成工程では、上記接合領域で説明した接合程度に準じる程に、第一所定領域にある繊維同士が接合するように、基布素材層を熱変形させる。繊維屑が通過できない程に繊維同士の隙間が小さくなるように、熱変形させればよい。又は、繊維同士が上記加熱プレスによって軟化した熱可塑性樹脂繊維を介して集まり、僅かな隙間を残し、まとまるように、熱変形させればよい。又は、自在に変形可能なまでに軟化した熱可塑性樹脂繊維を介し、繊維間に隙間が無くなり溶着するまで熱変形させてもよい。熱可塑性樹脂繊維が溶融して流動した後に、凝固した扁平状の樹脂塊を形成するまでに熱変形させてもよい。
第一熱変形部形成工程で加熱プレスを行う具体的な方法として、例えば、高周波ウェルダー加工によって行ってもよい。この場合は、所定部位のみ限定的に熱変形させるべく、加熱する温度条件をより緻密に設定できる。
また、加熱プレス機を用いて加熱プレスを行ってもよい。汎用装置を用いることができるので好ましい。また、加熱プレスする際の温度、加圧力、加熱及び加圧する時間等の加工条件は、基布素材層の材料や形状等によって適宜に設定される。これらの加工条件は、表皮素材層が配される側と配されない側とで同一であってもよいし、異なっていてもよい。一例として、加熱温度は、100〜300℃とすることができる。加熱時間は、特に限定されないが、0.1〜600秒とすることができる。加圧力は、0.001〜10MPaとすることができる。
また、加熱プレス機を用いて加熱プレスを行ってもよい。汎用装置を用いることができるので好ましい。また、加熱プレスする際の温度、加圧力、加熱及び加圧する時間等の加工条件は、基布素材層の材料や形状等によって適宜に設定される。これらの加工条件は、表皮素材層が配される側と配されない側とで同一であってもよいし、異なっていてもよい。一例として、加熱温度は、100〜300℃とすることができる。加熱時間は、特に限定されないが、0.1〜600秒とすることができる。加圧力は、0.001〜10MPaとすることができる。
図8は、加熱プレス工程を行った後の表皮素材の断面に基づいて、プレス工程を説明する図である。例えば、第一熱変形部形成工程は、図8に例示する加熱プレス機7を用いて行う。加熱プレス機7は、プレス型72の本体から図示において下方に立設される第一プレス部721を備える。第一プレス部721は、表皮材1の外形線14、即ち裁断予定線114と同形の楕円形の輪郭に沿った壁板状に形成され(図示せず)、所定幅で平坦な先端面7211を備える。第一プレス部721の高さh1は、基布素材層120の元の厚みTより(図9参照)僅かに低い程度に形成される。
加熱プレス機7の平坦状の受け台71上に、図7で説明した上記表皮素材10を載置する。基布素材層120側が受け台71に接し、基布素材層120の一面側S1に配される表皮素材層130が第一プレス部721に対向するように載置する。表皮素材10の一面側表面116を表皮素材層130の側から上記第一プレス部721の先端面7211で押さえ込む加熱プレスを行う。加熱プレスは、所定の加熱時間(例えば20秒)、所定の加圧力(例えば0.01MPa)、受け台71の所定温度(例えば200℃)、プレス型72の所定温度(例えば150℃)の条件で行う。次いで、自然冷却し、脱型し、基布素材層120の一面側S1に熱変形されてなる第一熱変形部122を形成する。第一熱変形部122は、第一所定領域1221を備える。
表皮素材層130の一面側S1、即ち表皮素材10の一面側表面116には、第一熱変形部122の凹状の熱変形に伴い凹面部111が形成される。凹面部111は、裁断予定線114即ち楕円の輪郭を含む所定幅を備えるように形成される(図11参照)。
表皮素材層130の一面側S1、即ち表皮素材10の一面側表面116には、第一熱変形部122の凹状の熱変形に伴い凹面部111が形成される。凹面部111は、裁断予定線114即ち楕円の輪郭を含む所定幅を備えるように形成される(図11参照)。
図9,11に示すように、第一熱変形部122は、楕円形の輪郭をなす裁断予定線114に沿って、大凡所定幅W0を備える凹状の領域を備える。第一熱変形部122の領域のうち、略中央に配置する底部には、所定幅Wで平坦状の第一所定領域1221が形成される。尚、第一熱変形部122のうち、第一所定領域1221の幅方向両側には、基布素材層120の元の高さに徐々に連続する傾斜面部が形成される。
第一所定領域1221にある繊維同士は、上記加熱条件で軟化させた熱可塑性樹脂繊維を介して圧せられ、接合するように熱変形されている。例えば、第一所定領域1221にある繊維同士が、元の繊維状を残しながら隙間を無くした状態で固化していてもよい。第一所定領域1221にある繊維は、高さh1の第一プレス部721によって(図8参照)押し込み深さH1だけ圧せられ、熱変形後に元の厚みTより極薄い厚みt1を備える。
第一所定領域1221にある繊維同士は、上記加熱条件で軟化させた熱可塑性樹脂繊維を介して圧せられ、接合するように熱変形されている。例えば、第一所定領域1221にある繊維同士が、元の繊維状を残しながら隙間を無くした状態で固化していてもよい。第一所定領域1221にある繊維は、高さh1の第一プレス部721によって(図8参照)押し込み深さH1だけ圧せられ、熱変形後に元の厚みTより極薄い厚みt1を備える。
また、立体編物素材121の結接糸1213に熱可塑性樹脂繊維が用いられる場合は、第一熱変形部122の中央部1223に向かって、結接糸1213が各々徐々に倒れ込むように、加熱プレスできる。一定の圧力で押し込まれた結接糸1213は、中央部1223側に倒れるように熱変形して新たな形を形成する。この結果、基布素材層120の厚みが、元の厚みTから薄い厚みt1に至るまで小さくなる。結接糸1213を押し込む圧力は、第一プレス部721の高さh1によって加減でき、押し込み深さH1に応じた厚みt1をなすように熱変形できる。従って、第一プレス部721の高さh1を適宜に加減することで、第一所定領域1221の繊維同士を接合させる確実性を容易に高めることができる。尚、後述する第二熱変形部形成工程でも、同様に、第二プレス部722の高さh2を適宜に加減することで、押し込み深さH2に応じた厚みt2をなすように容易に熱変形できる。従って、高低差がある立体模様115を備えた意匠性の高い表皮材の生産性を高めることができる。
〔第二熱変形部形成工程〕
第二熱変形部形成工程は、表皮素材を加熱プレスし、基布素材層に凹状の第二熱変形部を形成し、表皮素材の表面に第二熱変形部からなる立体模様を形成する工程である。
第二熱変形部形成工程における加熱プレスを行う条件は、立体模様による意匠性を向上させる観点から好ましい成形条件を適宜に設定できる。製造工数を抑制する観点から、第一熱変形部を成形する成形条件に則り、第二熱変形部形成工程を第一熱変形部形成工程と同時に行ってもよい。また、第二熱変形部形成工程では、加熱プレスする際に基布素材層を押し込む深さを、その元の厚みの範囲で自在に設定してもよい。複数の第二熱変形部の厚み(凹部の深さ)が異なる場合、高低差を備える立体模様を形成でき、意匠性を高められる。
第二熱変形部形成工程は、表皮素材を加熱プレスし、基布素材層に凹状の第二熱変形部を形成し、表皮素材の表面に第二熱変形部からなる立体模様を形成する工程である。
第二熱変形部形成工程における加熱プレスを行う条件は、立体模様による意匠性を向上させる観点から好ましい成形条件を適宜に設定できる。製造工数を抑制する観点から、第一熱変形部を成形する成形条件に則り、第二熱変形部形成工程を第一熱変形部形成工程と同時に行ってもよい。また、第二熱変形部形成工程では、加熱プレスする際に基布素材層を押し込む深さを、その元の厚みの範囲で自在に設定してもよい。複数の第二熱変形部の厚み(凹部の深さ)が異なる場合、高低差を備える立体模様を形成でき、意匠性を高められる。
具体的には、図8に示すように、第一熱変形部形成工程を行うのと同時に、第二熱変形部形成工程を行う。加熱プレス機7は、上記の第一プレス部721と第二プレス部722を備える。第二プレス部722は、中央に1つの菱形状の輪郭を配し、当該菱形の4辺にそれぞれ対向する合計5つの同形の菱形状輪郭(図11参照)を配する形状の先端面7221を備える。第二プレス部722の高さh2は、基布素材層120の上記厚みTの半分程度に形成される。
第一熱変形部形成工程で説明した手順に沿って、同様に、第二熱変形部形成工程を行う。表皮素材10を表皮素材層130の側から第一及び第二の各プレス部721,722の先端面7211,7221で押さえ込み、上記と同じ条件で加熱プレスを行う。加熱プレス後に、自然冷却し、脱型し、熱可塑性樹脂繊維を熱変形させてなる凹状の第一及び第二の各熱変形部122,123を、基布素材層120の一面側に形成する。
第一熱変形部形成工程で説明した手順に沿って、同様に、第二熱変形部形成工程を行う。表皮素材10を表皮素材層130の側から第一及び第二の各プレス部721,722の先端面7211,7221で押さえ込み、上記と同じ条件で加熱プレスを行う。加熱プレス後に、自然冷却し、脱型し、熱可塑性樹脂繊維を熱変形させてなる凹状の第一及び第二の各熱変形部122,123を、基布素材層120の一面側に形成する。
第二熱変形部123は、上記先端面7221の形状に応じた5つの菱形状の輪郭(図11参照)に沿って形成される凹状をなす。図10に示すとおり、第二熱変形部123は、底部に平坦状の第二所定領域1232を備える。第二所定領域1232は、第二熱変形部123のうち、押し込み深さH2だけ圧せられ、所定厚みt2に成形される領域である。
また、図11に示すとおり、表皮素材層130の一面側S1、即ち表皮素材10の一面側表面116には、第二熱変形部123の凹状に追従する立体模様115が形成される。立体模様115は、上記5つの菱形状の輪郭をなす凹部に基づいて形成される。
また、図11に示すとおり、表皮素材層130の一面側S1、即ち表皮素材10の一面側表面116には、第二熱変形部123の凹状に追従する立体模様115が形成される。立体模様115は、上記5つの菱形状の輪郭をなす凹部に基づいて形成される。
〔裁断工程〕
裁断工程は、表皮素材表面にある凹面部を裁断する工程である。
凹面部は、第一熱変形部の凹状に従って表皮素材の表面に形成されてなり、裁断予定線に沿って所定幅を備えるように形成される。凹面部は、第一熱変形部が形成される側に応じて、表皮素材層の一面側、基布素材層の他面側のうち一方側でもよいし、両面に形成されていてもよい。
裁断工程は、表皮素材表面にある凹面部を裁断する工程である。
凹面部は、第一熱変形部の凹状に従って表皮素材の表面に形成されてなり、裁断予定線に沿って所定幅を備えるように形成される。凹面部は、第一熱変形部が形成される側に応じて、表皮素材層の一面側、基布素材層の他面側のうち一方側でもよいし、両面に形成されていてもよい。
具体的には、図12に示すように、裁断刃82(トムソン刃、裁断はNC自動裁断機、レーザー裁断等によっても行うことができる)を備える裁断機8を用いて裁断工程を行う。薄鋼板よりなる裁断刃82は、裁断予定線114と同じ楕円形に沿って裁断機本体に立設される。図11に示す加熱プレス工程を行った表皮素材10を準備する。表皮素材10は、一面側S1表面に、第一熱変形部122よりなる楕円形の輪郭に沿って形成される上記凹面部111を備える。図12に示すように、裁断刃82の楕円形と、凹面部111の楕円形とが相対向するように、受け台81上に表皮素材10を載置する。凹面部111から受け台81に向けて裁断刃82の刃先を貫通させ、表皮素材10を裁断する。表皮素材10を楕円形に打ち抜いた表皮材2(図2参照)が製造される。
裁断工程では、上記の凹面部111を裁断予定線114に沿って表皮素材10を裁断すればよく、例えば、凹面部111の底部1111近傍や、底部1111から拡径した部位や、底部1111の中央部等を裁断すればよい(図9参照)。繊維間に隙間が無くなる程に接合された第一所定領域1221内を裁断することが好ましい観点から、凹面部111の底部1111を裁断すれば好ましい。図9,12等には、底部1111が平坦面を備える例を示したが、底部の形状はこの例に限られない。例えば曲面であれば、湾曲面の底部を目標に同様に裁断すればよい。
図2に示すとおり、裁断後の表皮材2の周縁部11は、一面側S1に高低差を表わす段差状をなす。図3に示すとおり、周縁部11の段差状は、基布層20の端縁熱変形部22よりなる。端縁熱変形部22において、段差の低い側は、加熱プレス後の薄い厚みt1をなす接合領域221よりなる。
図2に示すとおり、裁断後の表皮材2の周縁部11は、一面側S1に高低差を表わす段差状をなす。図3に示すとおり、周縁部11の段差状は、基布層20の端縁熱変形部22よりなる。端縁熱変形部22において、段差の低い側は、加熱プレス後の薄い厚みt1をなす接合領域221よりなる。
上記凹面部111は、基布素材層120の熱変形に伴い形成されており、凹面部111において底部1111の内層側には、第一熱変形部122のうち第一所定領域1221が配置する蓋然性が高い。従って、裁断後の周縁部11(図1,3参照)の裁断面には、裁断前は第一所定領域1221であった断面が現れる。即ち、裁断面として表れる基布層20の端縁熱変形部22が接合領域221よりなるので、内部の繊維屑が外部に飛び出すことを遮断できる。従って、表皮素材10を第一熱変形部形成工程で加熱プレスした後に裁断工程を行う簡易な工程を行うのみで、裁断面にほつれが生じず、繊維屑が発生せず、外観が良好に維持された所定形状の表皮材2の生産性を高めることができる。
また、表面116に第二熱変形部123からなる立体模様115が形成されている表皮素材10を裁断するので、裁断後の表面に付着する繊維屑が無い状態が維持される。図2に示すとおり、良好な外観と共に立体模様15による意匠性が際立つ表皮材2の生産性を高められる。
また、表面116に第二熱変形部123からなる立体模様115が形成されている表皮素材10を裁断するので、裁断後の表面に付着する繊維屑が無い状態が維持される。図2に示すとおり、良好な外観と共に立体模様15による意匠性が際立つ表皮材2の生産性を高められる。
また、裁断工程では、表皮素材積層体の表面に形成されてなる凹面部を裁断してもよい。表皮素材積層体は、第一熱変形部形成工程を行った後に、熱変形に伴い表皮素材の表面に形成されてなる凹面部を重ね合わせ、表皮素材を複数枚積層した表皮素材積層体を形成する表皮素材積層体形成工程を行い、得られる。尚、表皮素材積層体は、それぞれの表皮材の凹面部を重ね合わせて積層する態様であればよく、異なる側の表面に凹面部が形成されてなる表皮材同士を積層しても構わない。
具体的には、図13に示すように、複数枚(4枚)の表皮素材10を積層した表皮素材積層体100を、上記と同様に裁断する。表皮素材積層体100は、第一熱変形部形成工程を行った4枚の表皮素材10を、それぞれの表面に表れる上記凹面部111が一面側S1に開口するように配置し、積層方向に重ね合わせて形成される。故に、表皮素材積層体100の表面に形成されてなる凹面部1110を裁断し、表皮素材積層体100を一回裁断するのみで複数枚の表皮材1を製造できるので、生産性を高めることができる。また、表皮素材積層体100を裁断する場合は、例えば、図13に示すように、裁断刃82(トムソン刃)を用いることができ、レーザー裁断では表皮素材10同士が溶けて貼り付いてしまうためレーザー裁断を用いることはできない。
本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の請求項に示した範囲で様々な変形又は変更が可能である。例えば図14に変形例を示すように、第一熱変形部形成工程で、基布素材層120の一面側S1及び他面側S2の両側に凹状をなす第一熱変形部126を成形してもよい。この場合、表皮素材10の一面側S1及び他面側S2の両表面116,117に凹面部118,119が形成される。また、凹面部118,119の内層側には、第一熱変形部126の第一所定領域1261が配置する。裁断工程では、どちらか一方の凹面部118,119から反対側に向けて表皮素材10を裁断すればよい。繊維間の隙間が閉じている第一所定領域1261を裁断することで、裁断面にほつれ及び繊維屑が生じない。従って、表皮素材において第一熱変形部が形成される側によらずに、同様の作用効果を奏する表皮材及び表皮材の製造方法を提供できる。
本発明の表皮材及び構造体は、種々の技術分野において利用することができる。具体的には、車両(自動車及び鉄道車両等)、航空機、船舶、建築、アパレル等の各種産業における構造体が関わる分野において好適に利用することができる。
1,2;表皮材、9;基材、10;表皮素材、15;立体模様、20;基布層、21;立体編物、22;端縁熱変形部、23;一面側熱変形部、30;表皮層、41,42;構造体、221;接合領域、51;第一熱変形部形成工程、52;第二熱変形部形成工程、60;裁断工程、S1;一面側、S2;他面側、W;所定幅。
Claims (9)
- 熱可塑性樹脂繊維を少なくとも含む基布層と、前記基布層の一面側に配される表皮層と、を備える表皮材であって、
前記基布層は、編物又は不織布からなり、
前記基布層は、前記基布層の端縁部の全周に亘って前記熱可塑性樹脂繊維の熱変形よりなる段差状の端縁熱変形部を備えており、
前記端縁熱変形部は、前記全周に亘って前記基布層の繊維同士が接合される接合領域を備えていることを特徴とする表皮材。 - 前記編物は、表裏二層の編地が結接糸で連結された立体編物からなり、
前記表裏二層の何れかの編地及び前記結接糸のうち少なくとも1つ以上には、前記熱可塑性樹脂繊維が用いられている請求項1に記載の表皮材。 - 前記基布層は、更に、前記基布層の一面に前記熱可塑性樹脂繊維の熱変形よりなる凹状の一面側熱変形部を備えており、
前記表皮層は、前記基布層の前記一面の形状に追従しており、
前記表皮材の表面に前記一面側熱変形部からなる立体模様を備える請求項1又は2に記載の表皮材。 - 前記表皮材は、基材の一面側に配される車両内装用表皮材として用いられ、
前記表皮層は、前記基布層の形状に追従しており、
前記表皮材の周縁部は、前記基材の他面側に折り込まれている請求項1乃至3のいずれか一項に記載の表皮材。 - 基材と、前記基材の一面側に配された請求項1乃至4のいずれか一項に記載の表皮材と、を備えることを特徴とする構造体。
- 熱可塑性樹脂繊維を少なくとも含む基布層と、前記基布層の一面側に配される表皮層と、を備える表皮材の製造方法において、
前記表皮材は、表皮素材を所定形状に裁断してなり、
前記表皮素材は、前記熱可塑性樹脂繊維を少なくとも含む基布素材層と、前記基布素材層の一面側に配された表皮素材層と、を備えており、
前記基布素材層は、編物素材又は不織布素材からなり、
前記一面側に前記表皮素材層が配された状態で前記基布素材層を加熱プレスし、前記加熱プレスによって、前記基布素材層に前記熱可塑性樹脂繊維を熱変形させてなる凹状の第一熱変形部を形成し、前記第一熱変形部の第一所定領域にある繊維同士を、裁断予定線を包含する所定幅で接合させる第一熱変形部形成工程と、
前記熱変形に伴い前記表皮素材の表面に形成されてなる凹面部を裁断する裁断工程と、を備えることを特徴とする表皮材の製造方法。 - 前記裁断工程を行う前に、前記一面側に前記表皮素材層が配された状態で前記基布素材層を加熱プレスし、前記基布素材層の前記一面側に凹状の第二熱変形部を形成する第二熱変形部形成工程を行い、
前記第二熱変形部形成工程では、前記加熱プレスによって、前記第二熱変形部の第二所定領域が所定厚みとなるように前記熱可塑性樹脂繊維を熱変形させた後、冷却により熱変形時の形状を定着させ、前記表皮素材の表面に前記第二熱変形部からなる立体模様を形成する請求項6に記載の表皮材の製造方法。 - 前記第二熱変形部形成工程が、前記第一熱変形部形成工程と同時に行われる請求項7に記載の表皮材の製造方法。
- 前記編物素材は、表裏二層の編地が結接糸で連結された立体編物素材からなり、少なくとも前記結接糸に前記熱可塑性樹脂繊維が用いられており、
前記第一又は第二の各熱変形部形成工程のうち少なくとも一方の工程では、前記結接糸が、前記第一熱変形部又は前記第二熱変形部のうち少なくとも一方の中央部に向かって各々徐々に前記基布素材層の厚みが小さくなるように倒れ込んでいる請求項6乃至8のいずれか一項に記載の表皮材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017198839A JP2019072867A (ja) | 2017-10-12 | 2017-10-12 | 表皮材及び構造体並びに表皮材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017198839A JP2019072867A (ja) | 2017-10-12 | 2017-10-12 | 表皮材及び構造体並びに表皮材の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019072867A true JP2019072867A (ja) | 2019-05-16 |
Family
ID=66543554
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017198839A Pending JP2019072867A (ja) | 2017-10-12 | 2017-10-12 | 表皮材及び構造体並びに表皮材の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019072867A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021246039A1 (ja) * | 2020-06-03 | 2021-12-09 | トヨタ紡織株式会社 | 表皮材、内装材、内装材の製造方法 |
WO2021246040A1 (ja) * | 2020-06-03 | 2021-12-09 | トヨタ紡織株式会社 | 表皮材及びその製造方法並びに内装材 |
WO2022219880A1 (ja) * | 2021-04-16 | 2022-10-20 | 株式会社Howa | 吸音材、その吸音材を備えた乗物用外装品、及び吸音材の製造方法 |
WO2022255311A1 (ja) * | 2021-06-01 | 2022-12-08 | 旭化成株式会社 | 座席シート用表皮材及びそれを含む座席シート |
-
2017
- 2017-10-12 JP JP2017198839A patent/JP2019072867A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021246039A1 (ja) * | 2020-06-03 | 2021-12-09 | トヨタ紡織株式会社 | 表皮材、内装材、内装材の製造方法 |
WO2021246040A1 (ja) * | 2020-06-03 | 2021-12-09 | トヨタ紡織株式会社 | 表皮材及びその製造方法並びに内装材 |
JP2021187125A (ja) * | 2020-06-03 | 2021-12-13 | トヨタ紡織株式会社 | 表皮材及びその製造方法並びに内装材 |
JP2021187124A (ja) * | 2020-06-03 | 2021-12-13 | トヨタ紡織株式会社 | 表皮材、内装材、内装材の製造方法 |
CN115279581A (zh) * | 2020-06-03 | 2022-11-01 | 丰田纺织株式会社 | 表皮件、内饰件、内饰件的制造方法 |
CN115427224A (zh) * | 2020-06-03 | 2022-12-02 | 丰田纺织株式会社 | 表皮材料及其制造方法以及内饰材料 |
WO2022219880A1 (ja) * | 2021-04-16 | 2022-10-20 | 株式会社Howa | 吸音材、その吸音材を備えた乗物用外装品、及び吸音材の製造方法 |
WO2022255311A1 (ja) * | 2021-06-01 | 2022-12-08 | 旭化成株式会社 | 座席シート用表皮材及びそれを含む座席シート |
EP4350061A4 (en) * | 2021-06-01 | 2024-06-05 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | SEAT PADDING MATERIAL AND SEAT INCLUDING SAME |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6345833B2 (ja) | 表皮材及び構造体並びに表皮材の製造方法 | |
JP2019072867A (ja) | 表皮材及び構造体並びに表皮材の製造方法 | |
US7276275B2 (en) | Laminated spacer fabric | |
JP4789342B2 (ja) | クッション材、シート及びパイル糸の植毛方法 | |
JP2011194932A (ja) | 車両用内装品 | |
CN109963706B (zh) | 层叠成形体及其制造方法 | |
JP2009519101A (ja) | 吸収用品および吸収用品の製造方法 | |
EP3354453B1 (en) | Acoustic carpet for vehicles | |
JP2016005949A (ja) | 車両用天井材及びその製造方法 | |
JP6693366B2 (ja) | 内装部品及びその製造方法 | |
JP2020176341A (ja) | 表皮材及びその製造方法 | |
JP7099148B2 (ja) | 表皮材の製造方法 | |
CN1665410B (zh) | 制造混棉粘性胸罩的方法 | |
JP6766548B2 (ja) | 内装部品及びその製造方法 | |
JP5605148B2 (ja) | 発泡成型品補強材用不織布及びその製造方法 | |
JP2009254488A (ja) | マット及びその製造方法 | |
WO2012077232A1 (ja) | ブラジャー | |
WO2021246039A1 (ja) | 表皮材、内装材、内装材の製造方法 | |
JP2013216242A (ja) | 車両内装部材およびその製造方法 | |
JP5027456B2 (ja) | 内装材用フェルト基材および内装材の製造法 | |
JP7034117B2 (ja) | 美観的なトリムカバーアセンブリを備える車両シートアセンブリ | |
JPH06299453A (ja) | 成形可能なベロア調内装材の製造法 | |
CN118201808A (zh) | 车辆座椅和制造车辆座椅的方法 | |
JPH0434920B2 (ja) | ||
JP3601797B2 (ja) | 自動車内装用表面材 |