JP7454267B2 - リール式クロージャーシステム - Google Patents

Description

本出願は、２０１９年５月１日に出願された「Ｒｅｅｌ Ｂａｓｅｄ Ｃｌｏｓｕｒｅ Ｓｙｓｔｅｍ」という名称で出願された臨時米国特許出願番号６２／８４１，５３５に対する優先権を主張し、その開示内容全体は、まるで完全に説明されたように、すべての目的のための参照としてここに含まれる。

本開示は、ブレース、医療機器、靴、衣類、アパレルなどの様々な物品のためのリール式クロージャー装置に関する。そのような物品は、典型的に物品が身体部位の周りに配置され、身体部位の周りに閉鎖または締め付けられるいくつかのクロージャーシステムを含む。クロージャーシステムは、一般に身体部位に対する物品を保持または固定するために使われる。たとえば、靴は一般に個人の足の上に置かれ、靴ひもは張力を加えて結ばれ、靴を足に固定する。従来のクロージャーシステムは、身体部位に対する物品の適合および／または快適性を高めるために修正された。たとえば、靴ひもの構成および／またはパターンは、靴の着用の適合および／または快適さを増加させる試みで修正された。従来のクロージャーシステムはまた、物品を閉鎖して身体部位に固定する時間を短縮するために修正された。このような修正で、物品を迅速に閉じて足に固定することを可能にする様々なプルコード、ストラップおよび、引張装置に帰結した。

本明細書に記載された実施形態は、紐または引張部材を引張して履物などの物品または他の物品を締め付けるために使用することができるリール式クロージャー装置を提供する。一の態様にしたがって、物品を締めるためのリール式クロージャー装置は、内側領域と、ハウジングの内側領域内に配置されたスプールを有するハウジングとを含む。スプールは、スプールの周りに引張部材が巻かれるようにハウジングの内側領域内で第１方向に回転可能であり、スプールの周りから引張部材が巻き戻されるようにハウジングの内側領域内で第２方向に回転することができる。リール式クロージャー装置は、スプールおよび、ハウジングと作動可能に結合するノブも含む。ノブは、スプールを第１方向に回転させて引張部材をスプールの周りに巻き付けるために締め付け方向に回転可能であり、スプールを第２方向に回転させて引張部材をスプールの周りから巻き戻すために緩め方向に回転可能である。リール式クロージャー装置は、ノブに作動可能に結合され、ノブに緩め方向に十分な回転力が加えられるまで緩め方向へのノブの回転を抑制することにより、引張部材の偶発的な緩みを防止するように構成された回転制御コンポーネントをさらに備え、含む。

一の態様にしたがって、リール式クロージャー装置は内部領域を有するハウジングと、ハウジングの内部領域内に配置されたスプールとを含む。スプールは、スプールの周りに引張部材が巻かれるように第１方向に回転可能であり、またスプールの周りから引張部材が巻き戻されるように第２方向に回転可能である。リール式クロージャー装置はまた、スプールと作動可能に結合するノブであって、ノブは締め付け方向に回転可能であり、スプールが第１方向に回転するのを可能にさせ、また緩め方向に回転可能であり、スプールが第２方向に回転することを可能にする、ノブをさらに含む。リール式クロージャー装置は、ノブに作動可能に結合し、ノブに十分な回転力が加えられるまで緩め方向へのノブの回転を阻止する回転制御コンポーネントをさらに含む。

別の実施形態によれば、リール式クロージャー装置を物品と組み合わせる方法は、リール式クロージャー装置を提供するステップおよび、リール式クロージャー装置を物品と結合するステップを含む。リール式クロージャー装置は、内部領域を有するハウジング、ハウジングの内部領域内に配置されたスプール、スプールおよび、ハウジングと作動可能に結合されたノブ、および、ノブと作動可能に結合された回転制御コンポーネントを含む。ノブはスプールと作動可能に結合し、締め付け方向へのノブの回転によりスプールが第１方向に回転することによって引張部材がスプールの周りに巻かれるようにする。ノブはまたスプールと作動可能に結合し、緩め方向へのノブの回転によりスプールが第２方向に回転することによってスプールの周りから引張部材が巻き戻されるようにする。回転制御コンポーネントは、ノブに緩め方向に十分な回転力が加えられるまで緩め方向へのノブの回転を抑制することによって引張部材の偶発的な緩みを防止するためにノブと作動可能に結合される。

別の態様にしたがって、物品を締め付けるためのリール式クロージャー装置は、内側領域とその内側領域内に配置されたスプールを有するハウジングとを含む。スプールは、引張部材がスプールの周りに巻かれるように内側領域内で第１方向に回転可能であり、スプールの周りから引張部材が巻き戻されるように内側領域内で第２方向に回転可能である。リール式クロージャー装置は、スプールおよび、ハウジングと作動可能に結合するノブも含む。ノブはスプールをハウジングの内側領域内で第１方向に回転させ、引張部材がスプールの周りに巻かれるように作動可能である。リール式クロージャー装置は、ハウジングの下端と解放可能に結合するシートコンポーネントをさらに含む。シートコンポーネントは、引張部材の張力が減少するにつれてスプールの下端と結合するように構成されたスプール結合特徴部を含む。スプール下端とスプール係合特徴部との係合は、スプールが第２方向に回転するのを防止する。

別の態様にしたがって、リール式クロージャー装置を物品と組み合わせる方法は、リール式クロージャー装置を提供するステップと、リール式クロージャー装置を物品と組み合わせるステップとを含む。リール式クロージャー装置は、内部領域を有するハウジング、ハウジングの内側領域内に配置されるスプール、スプールおよび、ハウジングと作動可能に結合するノブ、および、ハウジングの下端と解放可能に結合するシートコンポーネントを含む。ノブはスプールをハウジングの内側領域内で第１方向に回転させ、それによってスプールの周りに引張部材が巻かれるように作動可能である。シートコンポーネントは、引張部材の張力が減少するにつれてスプールの下端と結合するように構成されたスプール係合特徴部を含む。スプールの下端とスプール係合特徴部との係合は、引張部材がスプールの周りから巻き戻される第２方向へのスプールの回転を防止する。

別の実施形態によれば、物品を締め付けるためのリール式クロージャー装置は、内側領域および、ハウジングの内側領域内に配置されたスプールを有するハウジングとを含む。スプールは、引張部材がスプールの周りに巻かれるように内側領域内で第１方向に回転可能であり、スプールの周りから引張部材が巻き戻されるように内側領域内で第２方向に回転可能である。リール式クロージャー装置は、スプールと作動可能に結合するノブも含む。ノブは、スプールをハウジングの内側領域内で第１方向に回転させ、引張部材をスプールの周りに巻き付けるように作動可能である。リール式クロージャー装置は、ハウジングの内側領域内に配置され、スプールがハウジングの内側領域内で軸方向に移動できるように、スプールと作動可能に係合するバイアスコンポーネントをさらに含む。バイアスコンポーネントは、ノブと作動可能に係合するようにスプールを軸方向に付勢するように構成される。

別の態様にしたがって、リール式クロージャー装置を物品と組み合わせる方法は、リール式クロージャー装置を提供するステップと、リール式クロージャー装置を物品と組み合わせるステップとを含む。リール式クロージャー装置は、内部領域を有するハウジング、ハウジングの内側領域内に配置されたスプール、スプールと作動可能に結合されたノブ、および、ハウジングの内側領域内に配置されたバイアスコンポーネントを含む。ノブは、スプールをハウジングの内側領域内で回転させることによって、スプールの周りに引張部材を巻くように作動可能であり、付勢コンポーネントは、スプールがハウジングの内側領域内で軸方向に移動できるようにスプールと作動可能に係合する。バイアスコンポーネントは、スプールを軸方向にバイアスさせてノブと作動可能に係合するように構成される。

別の態様にしたがって、物品を締め付けるためのリール式クロージャーシステムは、内部領域と複数のハウジング歯を有するハウジングとを含む。リール式クロージャーシステムはまた、引張部材、ハウジングの内側領域内に回転可能に配置されたスプール、および、ノブを含む。スプールは複数のスプール歯を含む。リール式クロージャーシステムは、軸方向にスプールの上に配置され、スプールとノブを作動可能に結合するように構成されたクラッチメカニズムをさらに含む。クラッチメカニズムは、スプール歯と作動可能に結合するように構成された複数のクラッチ歯と、第２方向へのスプールの回転を防止するためにハウジング歯と結合するように構成された複数のディスク歯とを含む。リール式クロージャーシステムは、クラッチメカニズムを第１位置および、第２位置に保持するためにクラッチメカニズムと係合する結合コンポーネントをさらに含む。第１位置では、クラッチメカニズムは、１）第１方向へのノブの回転がスプールをハウジングの内側領域内で第１方向に回転させ、引張部材をスプールの周りに巻くことを可能にし、２）第２方向へノブの回転は、スプールがハウジングの内側領域内で第２方向に回転し、それによってスプールから引張部材が漸増的に巻き戻されるようにスプールと作動可能に結合する。第２位置では、クラッチメカニズムがスプールから結合解除され、スプールがハウジングの内側領域内で第２方向に自由に回転し、スプールの周りから引張部材が巻き戻されることを許容する。

別の態様にしたがって、引張部材ガイドが本明細書に記載される。引張部材ガイドは、履物と結合可能であり、履物の経路に沿って引張部材を案内またはルーティングするように構成される。引張部材ガイドは、長手方向長さおよび、横幅を有する第１材料を含む。第１材料は、引張部材を挿入することができるループまたはチャネルを形成するために長手方向の長さに沿って折り畳まれている。ループまたはチャネルは、引張部材がループまたはチャネルを通じて挿入されるときに引張部材が配置される部位に隣接する内面を画定または有する。ループまたはチャネルはまた、内面の反対側にある外面を画定または含む。引張部材ガイドはまた、長手方向長さおよび、横方向幅を有する第２材料を含む。第２材料の横方向幅は、第１材料の横方向幅より狭いかまたは短い。第２材料は第１材料よりも摩擦の少ない材料で形成され、第２材料は第１材料と組み合わされ、第２材料は第１材料と長手方向に整列し、第２材料はループまたはチャネルの内面に位置され、引張部材がループまたはチャネルを通して挿入されると、引張部材と直接接触する。

別の態様にしたがって、引張部材ガイドは第１材料と第２材料とを含む。第１材料は長手方向長さおよび、横方向幅を有する。第１材料は、引張部材を挿入することができるループまたはチャネルを形成するために長手方向の長さに沿って折り畳まれている。第２材料も長手方向の長さおよび、横方向の幅を有し、ここで第２材料の横方向の幅は第１材料の横方向の幅より狭いかまたは短い。第２材料は、第１材料よりも摩擦の少ない材料で形成され、第２材料は第１材料と組み合わされ、引張部材がループまたはチャネルに挿入されたとき、引張部材と直接接触するように第２材料がループまたはチャネルの内面に位置する。

本発明は添付図面とともに説明される。

図１Ａ～図１Ｍは、物品を締め付けるために使用することができるリール式クロージャー装置の実施形態を示す。

図２Ａ～図２Ｄは、物品を締め付けるために使用することができるリール式クロージャー装置の別の実施形態を示す。

図３Ａ～図３Ｆは、物品を締め付けるために使用することができるリール式クロージャー装置の別の実施形態を示す。

図４Ａおよび、図４Ｂは、物品を締め付けるために使用することができるリール式クロージャー装置の別の実施形態を示す。

図５Ａおよび、図５Ｂは、物品を締め付けるために使用することができるリール式クロージャー装置の別の実施形態を示す。

図６Ａ～図６Ｃは、物品に沿った経路に対して紐または引張部材を案内するために物品に取り付けることができるガイドを示す。

添付図面において、同様のコンポーネントおよび／または特徴は同じ数字参照番号を有することができる。さらに、同じ種類の様々なコンポーネントは、参照番号の後に類似のコンポーネントおよび／または特徴を区別する文字を追加することによって区別することができる。本明細書で最初の数字参照番号のみが使用される場合、その説明は、接尾辞に関係なく、同じ最初の数字参照番号を有する同様のコンポーネントおよび／または機能のいずれかに適用することができる。

以下の説明は例示的な実施形態のみを提供し、本開示の範囲、適用可能性または構成を限定することを意図してはいない。むしろ、例示的な実施形態の次の説明は、１つまたは複数の例示的な実施形態を実施するための可能な説明を当業者に提供する。添付の特許請求の範囲に記載された本発明の精神および、範囲から逸脱することなく、要素の機能および、配置に様々な変更を加えることができることを理解されたい。

本明細書に記載の実施形態は、紐または引張部材を引っ張り物品または他の物品を締め付けるために使用することができるリール式クロージャー装置（以下、「クロージャーシステム」または「リール式装置／システム」）を提供する。物品は、パック（すなわちバックパック、かばんなど）、衣類物品（帽子、手袋、ベルトなど）、スポーツアパレル（ブーツ、スノーボードブーツ、スキーブーツなど）、医療用補助具（背中保護台、膝保護台）、手首プロテクター、足首プロテクターなど）および、他の様々な物品またはアパレルなどを含む様々な物品であり得る。クロージャーシステムを使用することができる特定の実施形態は、靴、ブーツ、サンダルなどの履物を含む。

図１Ａ～図１Ｍを参照すると、靴、ブーツ、または他の履物製品などの物品を締め付けるために使用することができるリール式クロージャー装置１００の別の実施形態が示されている。リール式クロージャー装置１００はまた、バックパック、ヘルメット、ジャケットなどの他の非履物製品を締め付けるために使用することができる。リール式クロージャー装置１００は、本質的に、引張部材、コード、紐、ロープなどを介して閉鎖および／または締め付けられるすべてを締めるために使用することができる。図１Ａはリール式クロージャー装置１００の組み立てられた図を示し、図１Ｂおよび、図１Ｃはリール式クロージャー装置１００の分解斜視図を示す。様々な内部コンポーネントが図１Ｂおよび、図１Ｃの分解斜視図に示されている。

リール式クロージャー装置１００は、リール式クロージャー装置１００の様々なコンポーネントが配置される内部領域を有するハウジング１１０を含む。たとえば、スプール１２０はハウジング１１０の内側領域内に配置されている。スプール１２０は、引張部材（図示せず）をスプールの周りに巻くようにハウジングの内側領域内で第１方向に回転可能であり、引張部材をスプールの周りから巻き戻すようにスプール１２０に対してハウジング１１０の内側領域内で第２方向に回転可能である。スプール１２０は、一般に、引張部材が巻かれ、かつ巻き戻される環状チャネルを含む。ノブ１０２はスプール１２０および、ハウジング１１０と作動可能に結合されている。ノブ１０２は、ユーザによって締め付け方向に回転可能であり、スプール１２０が第１方向に回転可能にし、それによって引張部材をスプール１２０の周りに巻く。ノブはまた、緩め方向に回転可能であり、スプール１２０が第２方向に回転可能にし、それによってスプール１２０の周りから引張部材が巻き戻される。締め付け方向は一般に第１方向と同じ回転方向（たとえば時計方向）であるが、場合によっては締め付け方向が第１方向とは反対の方向であり得る。同様に、緩め方向は一般に第２方向と同じ回転方向（たとえば反時計方向）であるが、場合によっては緩め方向は第２方向と反対であり得る。リール式クロージャー装置１００の説明の便宜上、以下で、スプール１２０は締め付け方向に回転可能で引張部材を巻き、緩め方向に回転して引張部材を巻き戻すものとして説明する。リール式クロージャー装置１００の他のコンポーネントは、爪ディスク（ｐａｗｌ ｄｉｓｃ）１４０、ノブコア１５０、および、シートコンポーネント１３０を含む。

ハウジング１１０は、物品に取り付けることができるベース部材１０４またはバヨネット（以下「ベース部材」１０４）内に配置することができる。具体的には、図１Ｇに示すように、ハウジング１１０は、ベース部材１０４の一対の半径方向内側延長リップと共にスナップ結合する一対の半径方向外側延長タブを含む。ハウジングのタブとベース部材のリップとの結合は、ハウジング１１０をベース部材に取り付けまたは係合させる。ハウジングのタブの１つとベース部材のリップのうちの１つとの結合は、図１Ｇの１９０に示されている。ハウジングのタブとベース部材のリップとの他の接続を図１Ｇの１９２に示す。図示のように、ハウジングのタブは、ハウジング１１０の下端付近に位置し、ハウジングの反対側に配置されている。同様に、ベース部材のリップは、ベース部材の反対側とベース部材の上端付近に位置する。ハウジング１１０および、ベース部材１０４の材料は反弾性であり、それによってタブとリップを一緒にスナップ結合させることができる。

ハウジング１１０がベース部材１０４と結合すると、ハウジング１１０の一対の紐ポート１１２Ａおよび、１１２Ｂは、ベース部材１０４の対応する開口または窓１０６Ａおよび、１０６Ｂ内に配置される。ベース部材１０４のアパーチャ１０６Ａ、１０６Ｂ内の紐ポート１１２Ａ、１１２Ｂの位置は、リール式クロージャー装置１００がより滑らかな外観を有することを可能にする。紐ポート１１２Ａ、１１２Ｂは、引張部材への内部アクセスを提供し、引張部材がスプールにアクセスすることを可能にすることによって、引張部材がスプールに対して巻かれたり、巻き戻されたりすることができるようにする。ハウジング１１０はまた、ハウジング１１０の内側領域を囲み、内側領域を上下に分割する内側環状リッジ１１６を含む。いくつかの実施形態で、内側環状リッジ１１６は、下部に配置されたコンポーネントがハウジングの上部に移動するのを防止し、上部に配置されたコンポーネントがハウジングの下部に移動することを防止するように機能する。

ハウジング１１０は、爪ディスク１４０の１つ以上の歯と係合するように構成されたリセスまたは歯１１８をさらに含む。歯１１８は、図１Ｂおよび、図１Ｃに示すように、歯１１８が半径方向の内側を向くようにハウジング１１０の内面に形成することができる。別の例では、歯１１８は、歯１１８が軸方向上方を向くようにハウジング１１０の上面に形成することができる（図示せず）。さらに別の例では、歯１１８は、ハウジング１１０と結合することができる別個のコンポーネント（図示せず）上に形成することができる。歯１１８は、装置の所与の動作によって望ましいまたは必要とされるものに応じて、別途のコンポーネントで軸方向または半径方向に面することができる。歯１１８は、図１Ｂおよび、図１Ｃに示されるように三角形の形状を成せ、または床またはシートコンポーネント１３０（以下、「シートコンポーネント１３０」）の歯１３８と同様の空隙またはアパーチャで形成することができる。

ハウジング１１０は、ノブ１０２とスナップフィット結合するように構成された結合コンポーネントを含む。一つの例では、ハウジングの結合コンポーネントは、ハウジング１１０の上面の周りに部分的または完全に延びる環状のリッジまたはリング５２４である。ノブ１０２は、ノブ１０２をハウジング１１０に取り付けるためにハウジングの環状リッジ１１４の上にスナップ結合するように構成された１つ以上の半径方向内側突出タブ１０３を含む。環状リッジ１１４は、１つ以上の半径方向内側突出タブ１０３によって画定される内径よりも大きい直径を有する。図１Ｇ～図１Ｉに示すように、このように、ノブ１０２がハウジング１１０と軸方向に整列され、ノブ１０２がハウジング１１０に対して軸方向下方に押されると、ノブ１０２は、強制的に曲げられるか、または半径方向外側にわずかに曲げられ、ノブ１０２がハウジング１１０に対して相対的に軸方向下方に移動が可能になり、半径方向内向きの突出タブ１０３が環状リッジ１１４の下に配置することが許可される。環状リッジ１１４の上端および、１つ以上の半径方向内側突出タブ１０３の下端は、面取りまたは角度を成し、これは本明細書に記載されるように、ノブ１０２とハウジング１１０とをスナップフィット結合することを助ける。より大きな直径の環状のリッジ１１４は、ノブ１０２がハウジング１１０からの分離または離脱を防止する。ノブ１０２とハウジング１１０とのスナップフィット結合は、ボルト、ねじ、リベット、または他の同様の機械的ファスナーの使用を必要とせずにリール式クロージャー装置１００の結合を可能にする。ノブ１０２とハウジング１１０との結合に関する追加的な詳細は、２０１６年１月８日に出願された「統合クロージャー装置コンポーネント及び方法（Ｉｎｔｅｇｒａｔｅｄ Ｃｌｏｓｕｒｅ Ｄｅｖｉｃｅ Ｃｏｍｐｏｎｅｎｔｓ ａｎｄ Ｍｅｔｈｏｄｓ）」と題する米国特許出願番号１４／９９１，７８８に提供されており、その内容全体は参照として本明細書に組み込まれる。

リール式クロージャー装置１００はまた、スプール１２０の下に軸方向に配置され、ハウジング１１０の下端と解除可能に結合するシートコンポーネント１３０を含む。シートコンポーネント１３０は、典型的に円形ベースおよび、シートコンポーネント１３０がハウジング１１０の下端と結合するとき、円形ベースからハウジング１１０の内側領域に軸方向上方に突出する中央ボスまたは突出部１３２を含む。円形ベースは、シートコンポーネント１３０がハウジング１１０に取り付けられるときにハウジング１１０の底面として機能する。円形ベースは、ハウジング１１０の下端のアパーチャと一致し、シートコンポーネント１３０がハウジング１１０と結合するとき、ハウジング１１０の下端が円形ベースによって完全に覆われ、囲まれるようにする。中央ボス１３２は、スプール１２０のアパーチャを通して、より具体的にはスプールの内側部材１６０の中央アパーチャを通して挿入されるように構成される。中央ボス１３２はまた、ノブコア１５０の中央アパーチャ１５２を通して軸方向に挿入できる。本明細書で説明されるように、中央ボス１３２および、ノブコア１５０は、リール式クロージャー装置１００が係合状態と係合解除状態の間で移動できるように作動可能に結合されている。

スプール１２０は、スプールの中央アパーチャを通して中央ボス１３２を挿入することによってシートコンポーネント１３０の周りに回転可能に配置される。スプール１２０は、無視できる摩擦で中央ボス１３２を中心に旋回または回転することができる。シートコンポーネント１３０は、ハウジング１１０の下端上の対応するリセス１１７に配置するように構成された複数の半径方向に延びるフィンガー１３６を含む。リセス１１７内で半径方向に延びるフィンガー１３６の挿入は、シートコンポーネント１３０をハウジング１１０内に固定し、それによって２つのコンポーネントの相対的な回転を防止することによってハウジング１１０に対してシートコンポーネント１３０を回転方向にロックする。シートコンポーネント１３０はまた、シートコンポーネント１３０の反対側に配置され、シートコンポーネント１３０をハウジング１１０と結合する一対の結合アーム１３１を含む。結合アーム１３１は、シートコンポーネント１３０から半径方向に延び、ハウジング１１０の下端とシートコンポーネント１３０を解放可能に結合するために、ハウジング１１０の下端と解放可能に係合する。結合アーム１３１は、ハウジング部品１３０をハウジング１１０の下端に固定するためにハウジング１１０の底面の縁の周りまたは上方に曲がり（ｆｌｅｘ）、曲がり（ｂｅｎｄ）、湾曲するように構成された上方に向けられらリップを含む。ハウジング１１０の下端には一対の小さなチャネルを含まれて、その内側にはシートコンポーネント１３０がハウジング１１０と結合するときにシートコンポーネント１３０の底面がハウジング１１０の底面と整列するように結合アーム１３１が配置される。

各上方に向けられたリップは、ハウジング１１０の外側の小さなリセス内に位置するように設計された半径方向内向き突出部１３３を含む。対応するリセス内の各突出部１３３の位置は、ハウジング１１０にシートコンポーネント１３０を固定する。シートコンポーネント１３０は、突出部１３３がハウジングのリセスから取り外されるように、上方に向けられたリップを半径方向外側に曲げることによりハウジング１１０から取り外すことができる。軸方向下向きの力は、シートコンポーネント１３０がハウジング１１０に対して軸方向下向きに移動するようにシートコンポーネント１３０に同時に加えられる。

図１Ｄおよび、図１Ｅは、ノブ１０２、爪ディスク１４０、および、ノブコア１５０が互いに結合される方法を示す。これらのコンポーネントを一緒に結合するとき、爪ディスク１４０は一般に最初にノブコア１５０内に挿入または配置される。ノブコア１５０の上面は、爪ディスク１４０を受容し支持するように設計される。たとえば、ノブコア１５０は、爪ディスクの爪アーム１４５のピボット端部１４４と結合するように設計されたピボットボス１５４を含む。爪ディスク１４０は、一般に、爪ディスク１４０の中央ベース１４６に取り付けられた複数の爪アーム１４５を含む。図示の実施形態では、中央ベース１４６は、２つのコンポーネントが一緒に結合されるときにノブコア１５０の中央アパーチャ１５２の周りに嵌合するように構成された環状リングである。図示の実施形態では、爪ディスク１４０は３つの爪アーム１４５を含むが、別の実施形態では爪ディスク１４０は単一の爪アーム、２つの爪アーム、４つの爪アームなどを含むことができる。

各爪アーム１４５は近位端で中央ベース１４６に固定的に取り付けられ、各爪アーム１４５は中央ベース１４６からピボット端部１４４に延びる。フィンガーまたは爪１４２は、爪アーム１４５とは反対方向にピボット端部１４４から延び得る。爪１４２は、爪１４２の遠位端に配置された１つ以上の歯１４３を含む。本明細書でさらに詳細に説明されるように、１つまたは複数の爪１４２は、爪ディスク１４０および、ノブコア１５０のハウジング１１０に対する相対的な一方向回転運動を可能にするために、ハウジング１１０の歯１１８にラチェット状に係合するように構成される。歯１１８と爪１４２との係合は、ノブ１０２および、ハウジング１１０に対する回転位置に爪ディスク１４０および、ノブコア１５０をロックする。歯１１８と爪１４２との係合はまた、スプールの歯１６６とノブコアの歯１５７との係合により、ハウジング１１０に対する回転位置にスプール１２０をロックする。各爪アーム１４５は、各爪１４２を半径方向外側に付勢して１つ以上の歯１１８と係合させるばね部材として機能する。

爪アーム１４５のピボット端部１４４は、ノブコア１５０のピボットボス１５４が挿入される小さなアパーチャを含む。爪アーム１４５のピボット端部１４４は、後述するように、爪１４２が曲がり、歯１１８と係合するか係合しないときにピボットボス１５４の周りを枢動する。ノブコア１５０は、ピボットボス１５４に隣接して配置された支持壁を含む。支持壁は、爪アーム１４５のピボット端部１４４に対応する形状および、サイズを有する。たとえば、支持壁は半円形であり、爪アーム１４５のピボット端部１４４の半径に対応する半径を有する。爪アーム１４５のピボット端部１４４は、爪１４２に十分な負荷が加えられる時に支持壁と接触する。このように、ノブコア１５０は、爪ディスクが負荷を受けるかまたは保持するときに爪ディスク１４０を支持して強化する。

爪ディスク１４０がノブコア１５０内に配置されると、爪１４２の遠位端はノブコア１５０の外周または周囲から半径方向外側に延びる。たとえば、ノブコア１５０は、ノブコア１５０の本体から円周方向に延びる１つ以上のアーム１５６を含む。アーム１５６の近位端は支持壁に隣接する本体に固く固定され、アーム１５６の遠位端はカンチレバー方式で本体から周方向に延びる。アーム１５６の遠位端は本体から分離され、アーム１５６の遠位端がノブと係合して回転制御コンポーネントとして機能し、爪１４２が歯１１８から係合解除される前に緩め方向にノブ１０２に十分な回転力が加わるようにする。アーム１５６の遠位端は、ノブが緩め方向に回転する時に、ノブと係合する付勢ばねとして機能してノブ１０２が緩め方向に偶発的に回転するのを防止する。アーム１５６は、ノブコア１５０の外周または円周を画定する。爪ディスク１４０がノブコア１５０と結合するとき、爪１４２の遠位端は、ノブコアのアーム１５６によって画定されるノブコア１５０の外周または円周の半径方向外側に延び、または旋回する。アーム１５６は近位端（すなわち壁１５８）から遠位端に下向きに傾斜になり、これは爪１４２が旋回してノブコアの外周の外側に延びることを可能にする。

爪ディスク１４０がノブコア１５０内に配置されると、ノブコア１５０はノブ１０２と共にスナップ結合することができる。ノブコア１５０とノブ１０２との結合は、ノブ１０２とノブコア１５０との間に爪ディスク１４０を閉じ込めまたは嵌め込む。ノブは、ノブコア１５０の本体とスナップ結合するように構成された複数の軸方向延長タブ１０１を含む。具体的には、軸方向に延びるタブ１０１の遠位端は、ノブコア１５０のリセスまたはポケット１５９内に配置されるように成形され、サイズが決まったリップを含む。ノブ１０２とノブコア１５０とを結合するために、ノブコアはノブ１０２と軸方向に整列され、リセス１５９は軸方向延長タブ１０１と整列される。次いで、ノブコア１５０は、ノブ１０２の内側に軸方向の上方に付勢され、リブがリセス１５９内に位置するまで軸方向延長タブ１０１がノブコア１５０にその本体の周りから半径方向の外側に曲がるようにする。リセス１５９内にリップを配置すると、軸方向に延びるタブ１０１が曲げられていない位置に戻り、図１Ｅに示したとおり、ノブ１０２の内側にノブコア１５０をロックまたは固定する。

図１Ｅに示すように、ノブのリセス１５９は、軸方向延長タブ１０１の周方向幅よりも大きい円周方向長さを有し、ノブ１０２がノブコア１５０および、爪ディスク１４０に対して回転できるようにする。ノブコア１５０および、爪ディスク１４０に対するノブ１０２のこの回転運動は、ノブが緩め方向に回転し、爪１４２を歯１１８から係合解除し、それによって引張部材の張力を与える。漸進的に緩めることを可能にする。この漸進的に緩むプロセスおよび、回転制御コンポーネント（すなわちアーム１５６）の機能は、以下でより詳細に説明する。

図１Ｄはまた、ノブ１０２の軸方向延長突出部またはスイーパ（以下「スイーパ」）を示す。スイーパは、ノブ１０２から軸方向下方に延び、爪ディスク１４０の爪１４２と接触して係合するように構成され、爪１４２をリール式クロージャー装置１００の歯１１８から係合を解放するために、爪１４２を半径方向内側に移動または旋回するように構成される。歯１１８からの爪１４２の係合解除は、スプール１２０が第２方向に回転することを可能にし、これは引張部材の張力を緩める。スイーパはまた、ノブコア１５０のアーム１５６の遠位端と接触して係合するように構成される。アーム１５６は、ノブに緩め方向へ十分な回転力が加えられるまで緩め方向へのノブ１０２の回転を抑制することによって引張部材の偶発的な緩みを防止する回転制御コンポーネントとして機能する。いくつかの従来のリール式システムでは、緩め方向へのノブの回転は抑制されず、緩め方向へノブの回転する時に爪が歯から容易に係合が解除される。この構成は、ノブが外部物体と偶然に接触するとき、引張部材が望まず緩められる結果をもたらす可能性がある。たとえば、ユーザの足が物体に当たると、物体がノブに触れてノブが緩め方向に回転することができる。緩め方向にノブを回すと、爪が歯から係合解除され、引張部材が緩むことがある。これは、ユーザが引張部材を頻繁に締め直し、再度調整することを要求することになり、ユーザを失望させる可能性がある。

本明細書に記載されたリール式クロージャー装置１００は、ノブを緩め方向に回転させるためにノブ１０２に十分な回転力を加えなければならないので、スイーパはノブ１０２に十分な回転力が加えられない限り、爪１４２に接触して係合解除することはできない。言い換えれば、回転制御コンポーネントは、スイーパと１つ以上の爪１４２とを係合するために、それによって歯１１８から１つ以上の爪１４２を係合解除するため、緩め方向へかなりの回転力が必要とされることを保証する。「かなりの」または「十分な」力という用語は、足が物体に当たるなどの外部物体との偶然の接触のためにノブ１０２に加えられる力よりも大きい力を意味する。むしろ、この用語は、引張部材の張力を緩める目的または意図でノブ１０２にユーザにより加えられる力のレベルを説明する。このようにして、回転制御コンポーネントは、ノブ１０２と外部物体との間の偶発的な接触が引張部材を緩めないようにすることによって、引張部材が偶発的に緩むことを防止する。回転制御コンポーネントは、緩め方向へのノブ１０２の回転を抑制すること以外にはいかなる機能も実行しない。回転制御コンポーネントはまた、ノブ１０２が緩め方向に回転するときにのみ、ノブ１０２が回転制御コンポーネントと係合するように構成される。

図１Ｄに示すように、スイーパは、第１部分またはアーム１０５Ｂならびに、第２部分またはアーム１０５Ａとを含む。第２アーム１０５Ａは、第１アーム１０５Ｂよりもノブ１０２から軸方向に長く延びる。スイーパの第１アーム１０５Ｂは、リール式クロージャー装置１００の歯１１８から爪１４２を係合解除して、スプールを第２方向に回転させるために、爪ディスク１４０の爪１４２と接触して係合するように構成される。スイーパの第２アーム１０５Ａは、ノブコアのアーム１５６の遠位端と接触して係合するように構成され、ノブ１０２が緩め方向に回転するときアーム１５６を半径方向に付勢するように構成される。スイーパの第２アーム１０５Ａは、スイーパの第１アーム１０５Ｂが爪１４２と接触して係合する前に、ノブコアのアーム１５６と接触して係合する。スイーパの第１アーム１０５Ｂは、ノブコアのアーム１５６がスイーパの第２アーム１０５Ａによって半径方向に付勢されるまで、爪１４２と接触することができない。

スイーパの第１アーム１０５Ｂは、爪１４２と係合する傾斜またはテーパー面を含み、スイーパの第２アーム１０５Ａはまた、ノブコアのアーム１５６と係合する傾斜またはテーパー面を含む。第１アーム１０５Ｂの傾斜またはテーパー面は、歯１１８との係合で爪１４２を容易かつ効率的な方法で回転または移動させるのに役立ち、第２アーム１０５Ａの傾斜またはテーパー面は、ノブコアのアーム１５６を半径方向に偏向するのに役立つ。いくつかの実施形態では、第１アーム１０５Ｂは、第２アーム１５０Ａとは異なる傾斜角度またはテーパー角度を有する。

第１および、第２アーム１０５Ｂ、１０５Ａの係合および、機能は、図１Ｊ～図１Ｍにさらに詳細に示されている。図１Ｊは、リール式クロージャー装置１００の歯１１８と係合する１つ以上の爪１４２の歯１４３を示す。図１Ｊは、システムの内部コンポーネントが見えるようにノブ１０２の上部が除去されたリール式クロージャー装置１００の平面図である。歯１１８と爪の歯１４３との係合は、ノブ１０２および、ハウジング１１０に対する回転位置で爪ディスク１４０および、ノブコア１５０をロックし、またハウジング１１０に対する回転位置でスプール１２０をロックすることで、緩め方向へのスプール１２０の回転が防止される。ノブコア１５０はスプール１２０と作動可能に係合し、スプールが緩め方向に回転するのを防止する。引張部材の張力から爪１４２に加わる力または負荷は、本明細書に記載されたように、ノブコア１５０の支持壁と接触する爪のピボット端部１４４に伝達される。

第１および、第２アーム１０５Ｂおよび、１０５Ａは、爪１４２またはノブコアのアーム１５６と接触せず係合しない。ノブコアのアーム１５６は、爪１４２の下から見えて、第１アーム１０５Ｂと接触しないか、または第１アーム１０５Ｂの遠位端とわずかに接触することができる。スイーパは、爪１４２から離れてノブコアの壁１５８と接触するように回転する。スイーパ（すなわち第１および、第２アーム１０５Ｂおよび、１０５Ａ）と壁１５８との係合は、ノブ１０２が締め付け方向に回転するときにノブコア１５０、爪ディスク１４０および、スプール１２０を締め付け方向に回転させる。たとえば、図示の実施形態では、ノブ１０２が時計回り（たとえば締め付け方向）に回転すると、スイーパは壁１５８に時計回りに回転力を加え、ノブコア１５０を時計方向に回転させる。ノブコア１５０とスプール１２０との結合は、ノブコアの歯１５７とスプールの歯１６６との係合しを通じて回転力をスプールに伝達し、スプールを時計方向に回転させる。回転力は同様に、爪アーム１４５のピボット端部１４４とピボットボス１５４との結合、ノブ１０２とノブコア１５０との間の爪ディスク１４０の嵌合、および、爪ディスクの中央ベース１４６とノブコアの中央アパーチャ１５２との結合を通じて爪ディスク１４０に伝達される。回転力は、爪ディスク１４０を時計方向に回転させ、これにより、爪１４２が歯１１８間を移動するときに、爪１４２が半径方向内側に付勢される。爪アーム１４５は、爪ディスク１４０が時計回りに回転するときに歯１１８と係合するように爪１４２を再び付勢する。したがって、ノブ１０２は、ハウジング１１０内でスプール１２０を回転させて引張部材がスプール１２０の周りに巻かれるようにユーザによって回転することができる。

爪１４２の方向または配向を調整することができることを理解されよう。たとえば、システムは、ノブ１０２、爪ディスク１４０、ノブコア１５０、および／またはスプール１２０がスプール１２０の周りに引張部材を巻くように反時計回りに回転可能に構成することができる。別の態様において、爪１４２は、軸方向に配向された歯１１８と係合するように配向される。そのような実施形態では、爪１４２は、爪ディスク１４０および、ノブコア１５０の回転に応答して軸方向に変位または移動することができる。任意の実施形態では、スイーパはノブ１０２から回転力を本明細書に記載されたことと同様のノブコア１５０、爪ディスク１４０および、スプール１２０のような１つまたは複数の内部コンポーネントに伝達するための駆動コンポーネントとして機能できる。このようにして、スイーパは、内部コンポーネントの回転を駆動するコンポーネントと引張部材の漸進的な緩みを可能にするコンポーネントの両方の機能を果たすことができる。

図１Ｋは、爪１４２および、ノブコアのアーム１５６と接触するように回転されたスイーパを示す。図示を簡単にするため、ハウジング１１０は図示から取り外し、ノブ１０２はノブ１０２を通して爪ディスク１４０および、ノブコア１５０が見えるように透明なコンポーネントとして示された。スイーパは図１Ｊにて示す画像に対して反時計回りに回転し、スイーパが爪１４２とノブコアのアーム１５６と接触して係合する。具体的には、第１アーム１０５Ｂは爪１４２と接触して係合する一方、第２アーム１０５Ａはノブコア１５０のアーム１５６と接触して係合する。本明細書に記載されたように、システムは第１アーム１０５Ｂが爪１４２と接触し係合する前に、第２アーム１０５Ａがノブコアのアーム１５６と接触して係合するように構成され、ノブコアのアーム１５６が本明細書に記載されているように、ノブ１０２の緩め方向への回転を防止する回転制御コンポーネントとして機能する。回転制御機能は、ノブが緩め方向に回転する場合、ノブコアのアーム１５６がノブ１０２、より具体的にはノブの第２アーム１０５Ａと噛み合って緩め方向へのノブ１０２の回転に反対するバイアスばねの機能をするために設けられる。第１アーム１０５Ｂは、ノブコアのアーム１５６が第２アーム１０５Ａによって半径方向に付勢されるまで爪１４２と接触することができない。

爪１４２はまた、爪１４２が爪のピボット端部１４４を中心に旋回され、爪アーム１４５にさらに近く変位する曲げ状態で示される。曲がった状態は、爪アーム１４５内に弾性位置エネルギーを生成または増加させて、アーム１０５Ｂが爪アーム１４５と噛み合わないように回転すると解除される。爪アーム１４５との係合から緩められる第１アーム１０５Ｂの回転は、締め付け方向へのノブ１０２の回転によってまたは緩め方向へのスプール１２０の回転により引張部材の張力を通じて発生する可能性がある。放出された弾性位置エネルギーは、爪１４２が歯１１８と係合するように旋回させ、それによって爪ディスク１４０、ノブコア１５０、および、スプール１２０がハウジング１１０に対する所定の位置に再度ロックする。爪アーム１４５は、爪アーム１４５が外側に曲がることを防止するため壁１５８と係合するこぶ１４７を含むことができ、これは爪１４２の変位のために爪アーム１４５内に生成されおよび、貯蔵される弾性位置エネルギーを増加させることができる。

第１アーム１０５Ｂの係合を通じた爪１４２の変位は、爪アームが歯１１８から変位を可能にし、これは爪ディスク１４０、ノブコア１５０、および、スプール１２０をハウジングからロックを解除する。これらのコンポーネントがロック解除された状態で、スプール１２０は引張部材の張力によって緩め方向に回転することができる。スプール１２０とノブコア１５０との結合により、スプール１２０からノブコア１５０と爪ディスク１４０に緩め方向への回転力が伝達され、ノブコア１５０と爪ディスク１４０が緩め方向に旋回させる。緩め方向への爪ディスク１４０の回転は、爪１４２が第１アーム１０５Ｂから係合解除されることを可能にし、これは爪１４２がハウジング１１０の歯１１８と接触するように半径方向の外側に変位または旋回させる。爪１４２と歯１１８のこのような一時的な係合解除は、引張部材の引張力の漸進的な緩みまたは減少をもたらす。ノブ１０２が緩め方向にさらに回転するまで、爪１４２は歯１１８と係合してロック状態を維持し、これは第１アーム１０５Ｂが爪１４２と再び係合するようにして前述した一連の出来事に影響を与える。このように、ノブ１０５Ｂは緩め方向に回転し、引張部材の張力を漸進的に緩めたり減らすことができる。引張部材の漸進的な緩みによって、ユーザは張力の微調整ができる。

図１Ｌおよび、図１Ｍは、第１アーム１０５Ｂと爪１４２の係合および、第２アーム１０５Ａとノブコアのアーム１５６との係合をより詳細に示す。係合を簡単に説明するため、図１Ｌおよび、１Ｍには、ノブ１０２および、爪ディスク１４０またはノブコア１５０のみを示す。図１Ｌを参照すると、第１アーム１０５Ｂと爪１４２との係合が示されている。このようなコンポーネントの係合は、前述の引張部材の漸進的に緩む機能に影響を与える。第１アーム１０５Ｂは、爪１４２を半径方向内側に変位または旋回させるように示されている。示されるように、爪１４２は、第１アーム１０５Ｂと爪１４２との係合を容易にする歯または突出部を含むことができる。突出部は、爪ディスク１４０に対する第１アーム１０５Ｂの実質的な回転を必要とせずに、第１アーム１０５Ｂが爪１４２と係合することを可能にする。図１Ｍは、第２アーム１０５Ａとノブコアのアーム１５６との係合を示す。これらのコンポーネントの係合は、緩め方向へのノブ１０２の回転に反対の力を提供する。具体的には、ノブコアのアーム１５６は、第２アーム１０５Ａの遠位端と係合し、第２アーム１０５Ａがノブコア１５０に対して緩め方向（たとえば反時計回り方向）に回転すると半径方向内側に変位する。ノブコアのアーム１５６の半径方向内側の変位は、緩め方向への第２アーム１０５Ａの回転に反対するばね力を提供する。第２アーム１０５Ａを緩め方向に回転し続けるためには、ノブ１０２に加えられる回転力がノブコアのアーム１５６からの反対力よりも大きくなければならない。第２アーム１０５Ａは、第１アーム１０５Ｂが爪１４２に接触する前にノブコアのアーム１５６と係合するので、第１アーム１０５Ｂと爪１４２が係合し、引張部材の張力を漸進的に緩めるためには、ノブコアのアーム１５６の反対力よりも大きい回転力をノブ１０２に加えなければならない。したがって、ノブコアのアーム１５６は、緩め方向にノブ１０２の回転を制御または調整し、引張部材の偶発的な緩みを防止または禁止する回転制御コンポーネントとして機能する。ノブコアのアーム１５６の反対のばね力は、ノブコアのアーム１５６の厚さ、第２アーム１０５Ａの傾きまたはテーパー、ノブコアのアーム１５６のカンチレバー構成、ノブコアアーム１５６の材料特性などを変更することによって変更することができる。理想的には、反対力はユーザを落胆させるか失望させるほど強すぎず、引張部材の偶発的な緩みを防ぐのに十分である。

図１Ｇおよび、図１Ｈは、爪ディスク１４０および、ノブコア１５０が係合位置および、係合解除位置の一つで支持されることを可能にする方法で中央ボス１３２と作動可能に係合するノブコア１５０を示す。係合位置において、爪ディスク１４０および、ノブコア１５０は、ハウジング１１０および、スプール１２０に対して軸方向下方に位置し、ノブ１０２が本明細書に記載されるように引張部材を締め付け、漸進的に緩むように作動可能する。係合解除位置では、爪ディスク１４０とノブコア１５０とがハウジング１１０および、スプール１２０に対して軸方向上方に位置し、スプール１２０が緩め方向に自由に回転することによって引張部材の張力を自由に緩める。

図１Ｇは、ノブコア１５０および、爪ディスク１４０がハウジング１１０および、スプール１２０に対して軸方向上方に位置する係合解除位置を示す。係合解除位置で、スプール１２０の軸方向に配向された歯１６６は、ノブコア１５０の軸方向に配向された歯１５７から係合解除されて接触しない。スプール１２０とノブコア１５０との軸方向に配向された歯１６６および、１５７が係合解除されるので、スプール１２０はハウジング１１０内で緩め方向に自由に旋回または回転することができる。係合解除位置では、爪ディスク１４０の爪１４２をハウジングの歯１１８から係合解除することができ、これはノブ１０２、爪ディスク１４０、および、ノブコア１５０が緩め方向に回転させることができる。別の実施形態では、爪１４２は係合解除位置でハウジングの歯１１８と係合した状態を維持し、緩め方向へのノブ１０２、爪ディスク１４０、および、ノブコア１５０の回転を防止することができる。

いくつかの実施形態では、ノブ１０２は、同様に係合解除位置でハウジング１１０および、スプール１２０に対して軸方向に上方に配置できる。ノブ１０２、爪ディスク１４０、および、ノブコア１５０の係合解除位置への軸方向上方移動は、ノブ１０２を軸方向上方に引っ張ることにより達成することができる。ノブ１０２がハウジング１１０に対して軸方向の上方に移動すると、ノブ１０２の半径方向内側の突出タブ１０３は、図１Ｇに示すように、ハウジングの環状リッジ１１４と接触できる。別の実施形態では、ノブ１０２は、爪ディスク１４０および、ノブコア１５０が軸方向上方位置に移動している間にハウジング１１０および、スプール１２０に対して軸方向に停止した状態を維持できる。そのような実施形態では、爪ディスク１４０および、ノブコア１５０の軸方向上方移動は、ノブ１０２を緩め方向に回転させるか、レバー、ボタン、クランプなどの別途の解放機構またはボタンを採用することによって達成することができる。爪ディスク１４０および、ノブコア１５０を軸方向上方に移動させるため、ノブ１０２および／またはノブコア１５０は、ノブ１０２が緩め方向への回転につれて爪ディスク１４０および、ノブコア１５０を軸方向上方に移動させるカム型、ランプ型、または傾斜面、または他の機構を含む。

図１Ｈは、ノブコア１５０および、爪ディスク１４０がハウジング１１０および、スプール１２０に対して軸方向下方に位置する係合位置を示す。係合位置でスプールの軸方向に配向された歯１６６は、ノブコアの軸方向に配向された歯１５７と係合し、直接的に接触する。スプール１２０とノブコア１５０の軸方向に配向された歯１６６と１５７との係合は、ノブコア１５０とスプール１２０を作動可能にロックし、締め付け方向へのノブコア１５０の回転によってスプール１２０が締め付け方向に回転する。スプール１２０とノブコア１５０も作動可能にロックされ、スプール１２０が緩め方向に回転すると、ノブコア１５０が緩め方向に回転する。係合位置において、爪ディスク１４０の爪１４２は、ハウジングの歯１１８と係合し、爪ディスク１４０、ノブコア１５０、および、スプール１２０を本明細書に記載されるようにハウジング１１０に対する回転位置でロックする。ノブ１０２は、同様に係合位置でハウジング１１０および、スプール１２０に対して軸方向下方に配置される。ノブ１０２がハウジング１１０に対して軸方向下方に位置するとき、図１Ｈに示すように、ノブの半径方向内側突出タブ１０３とハウジングの環状リッジ１１４との間のギャップＧが存在する。

中央ボス１３２は、環状突出部または部材１３４を通して係合および、係合解除位置で爪ディスク１４０、ノブコア１５０、および／またはノブ１０２を支持および、保持する。環状部材１３４は、ノブコアの中央アパーチャ１５２の直径よりも大きい直径を有し、環状部材１３４が中央ボス１３２の上端に対してノブコア１５０の軸方向上方および、下方への移動を妨害して妨げる。環状部材１３４がノブコア１５０の軸方向移動を妨げる一方、環状部材１３４は、中心ボス１３２が半径方向内側に変位または屈曲する能力のため、ノブコア１５０の軸方向移動を防止しない。具体的には、中央ボス１３２は、シートコンポーネント１３０の円形ベースから軸方向上方に延びる一対のフィンガーまたは突出部から形成される。一対の突出部は、ノブコア１５０が環状部材１３４に対して軸方向上方および、下方に移動するにつれて、互いに向かって半径方向内方に曲げられる。具体的には、環状部材１３４とノブコアの中央アパーチャ１５２との係合は、ノブコア１５０が環状部材１３４を中心に軸方向上方および、下方に移動するにつれて、一対の突出部が内側に曲がるようにする。ノブコア１５０が環状部材１３４を中心に軸方向上向きまたは下向きに移動した後、一対の突出部は偏向されていない構成を再開するために、弾性的に外側に曲げられる。動作中、ノブコアの中央アパーチャ１５２は環状部材１３４の上または下に配置され、環状部材１３４は係合または係合解除位置でノブコア１５０、爪ディスク１４０、および／またはノブ１０２を支持して保持する。

リール式クロージャー装置１００は、シートコンポーネント１３０の一対の突出部を強化および、補強するための補強ばね１７０を含むことができる。一対の突出部を補強するために、補強ばね１７０は、シートコンポーネント１３０の一対の突出部の間の軸方向延長ギャップ内に軸方向に挿入される。補強ばね１７０は、ばね鋼または無金属（たとえばＰＥＡＫ）材料などの柔軟で弾性のある材料でできている。補強ばね１７０は、ノブコア１５０が環状部材１３４に対して軸方向上方および、下方に移動したときに一対の突出部を弾性的に付勢することを助ける。補強ばね１７０はまた、一対の突出部を堅固にし、リール式クロージャー装置１００の延長された使用によって一対の突出部が塑性変形することを防ぐことができる。示されるように、補強ばね１７０はＵ字形を有することができる。

補強ばね１７０は、一対の突出部の内面に配置された小さな突起と係合するアパーチャ１７２を含むことができる。アパーチャ１７２と突出部との係合は、一対の突出部に対して所定の位置に補強ばね１７０をロックまたは保持する。一対の突出部の間に補強ばね１７０を配置するため、シートコンポーネント１３０の底面アパーチャを通して補強ばね１７０を軸方向に挿入することができる。

図１Ｂおよび、図１Ｃに示すように、シートコンポーネント１３０は、引張部材の張力が減少するにつれてスプール１２０の下端と係合するように構成されたスプール係合特徴部１３８を含む。典型的には、スプール係合特徴部１３８および、スプール１２０は、引張部材の張力が公称またはゼロ（０）の強さの張力閾値またはその付近にあるまで係合しない。スプール１２０の下端とスプール係合特徴部１３８の係合は、緩め方向へのスプール１２０の回転を防止する。換言するならば、スプール１２０は、スプール１２０の下端がスプール係合特徴部１３８と接触して係合するまで緩め方向に回転可能である。スプール１２０とスプール係合特徴部１３８との係合後、スプール１２０が緩め方向に回転することが防止される。

一実施形態では、スプール１２０は、スプール１２０の底面上に配置され、そこから軸方向に延びる歯１２６を含む。歯１２６は、シートコンポーネントの円形ベース上に形成された円周方向に離間したアパーチャと係合するように構成される。アパーチャはスプール係合特徴部１３８（以下、「アパーチャ１３８」）として機能し、円周方向に離間したアパーチャとスプール歯の係合がスプール１２０の緩め方向への回転を防止する。他の実施形態では、スプール係合機構は円形ベース上に形成された歯であってもよく、ゴム型ガスケットまたは材料、研磨材料、粘着性材料などのような他の摩擦コンポーネントであってもよい。

スプールの歯１２６および、アパーチャ１３８は、引張部材の引張が引張閾値または閾値の付近まで係合解除されるように構成される。歯１２６とアパーチャ１３８との係合解除は、本明細書に記載されているように、スプール１２０を締め付けおよび、緩める方向に回転させて引張部材を引張および、緩める。歯１２６とアパーチャ１３８が係合した後、緩め方向へのスプール１２０の追加回転が防止または制限される。歯１２６とアパーチャ１３８の係合および、係合解除を可能にするため、スプール１２０は、図１Ｈおよび、図１Ｉに示すように、ハウジング１１０に対して軸方向上方および、下方に移動するように構成される。スプール１２０の軸方向上方位置設定は、図１Ｈに示されており、スプール１２０の底面がシートコンポーネント１３０の上部から軸方向に係合解除されて分離されていることを示す。スプール１２０の底面とシートコンポーネント１３０の上端との間に軸方向ギャップが存在するため、スプールの歯１２６とシートコンポーネントのアパーチャ１３８は互いに接触または係合しない。

歯１２６とアパーチャ１３８との係合解除は、スプールの歯１６６および、ノブコアの歯１５７にわずかなテーパーまたは傾斜構成を設けることによって促進または達成できる。歯１６６および、１５７のテーパー／傾斜は、スプール１２０がハウジング１１０に対して軸方向に上向きに力を受けて引っ張られ、ノブコア１５０が第１または締め付け方向に回転するときにノブコア１５０と係合するように配向することができる。たとえば、歯１６６および、１５７のテーパー／傾斜構成は、ノブコア１５０が締め付け方向に回転するとき、スプールの歯１６６がノブコアの歯１５７に対して軸方向上向きに摺動し、ノブコアの歯１５７とさらに係合することができる。このようにして、スプール１２０は、図１Ｈに示される軸方向上向き構成に引っ張られる。

本明細書に記載されたように、いくつかの実施形態では、スプールは内側部材１６０および、外側部材１２０を含む。この実施形態では、スプールの歯１６６とノブコアの歯１５７との係合は、ノブコア１５０が締め付け方向に回転するとき、内側部材１６０と外側部材１２０の両方が軸方向上向きに移動させる。外側部材１２０は、内側部材の脚部１６４Ａおよび、１６４Ｂと外側部材のチャネル１２４Ａおよび、１２４Ｂとの相互作用により、軸方向上方に引っ張られる。脚部１６４Ａおよび、１６４Ｂの外側に突出したタブは、チャネル１２４Ａおよび、１２４Ｂのリセスまたはタブを軸方向上方に引っ張り、外側部材１２０を軸方向上方に引っ張ることができる。引張部材にある程度の張力がある場合、同様の軸方向上向き移動が達成されるが、その理由は、張力がノブコア１５０に対して反対の回転方向にスプール１２０を付勢し、歯１６６および、１５７ のテーパー／傾斜形状により、スプールの歯１６６がノブコアの歯１５７に対して軸方向に上方に摺動し、さらに係合するようにするからである。

引張部材の張力が減少するにつれて、ある時点で、張力は張力閾値を達成または超え、スプール１２０がハウジング１１０に対して軸方向下方に移動し、スプールの歯１２６がシートコンポーネントの歯１３８と係合するようにする。ハウジング１１０に対するスプール１２０の軸方向下方位置は、図１Ｉに示されており、これはシートコンポーネント１３０の上部と接触して係合するスプール１２０の底面を示す。スプール１２０がシートコンポーネント１３０と直接的に接触するため、スプールの歯１２６はアパーチャ１３８と摩擦的に係合する。

歯１２６とアパーチャ１３８との摩擦係合は、緩め方向にスプール１２０の追加的な回転運動を防止または制限する。スプール１２０は、ノブコア１５０が締め付け方向に回転するまで軸方向下向き位置に保持され、これは前述のようにスプール１２０を軸方向上方に移動させる。ノブ１０２が緩め方向に回転してもスプール１２０が緩め方向に回転することは防止される。リール式クロージャー装置１００は、歯１２６とアパーチャ１３８が係合する時、ノブ１０２が緩め方向にさらに回転すると、歯１２６とアパーチャ１３８との係合が検出不可能に構成される。換言すれば、ユーザが歯１２６とアパーチャ１３８との係合の後に緩め方向にノブ１０２を回転させると、システムは歯１２６とアパーチャ１３８との係合がユーザによって認識されないように設計されている。

係合が検出されない１つの方法は、歯１２６とアパーチャ１３８との係合後にノブ１０２が緩め方向に回転したときにノブ１０２が軸方向に移動または跳ねないことである。歯１２６とアパーチャ１３８との係合によってノブ１０２へ加わる影響を最小限に抑えるために、リール式クロージャー装置１００は、ハウジング１１０の内側領域内に配置され、スプール１２０と作動可能に係合するが、スプールがハウジング１１０の内側領域内で軸方向に上下に移動することを可能にするバイアスコンポーネントを含む。バイアスコンポーネントは、ノブ１０２と作動可能に係合するようにスプール１２０を軸方向に付勢するように構成される。

いくつかの実施形態では、バイアスコンポーネントは、スプール１２０と同軸に整列され、スプールと係合するコイルばね１６２である。歯１２６とアパーチャ１３８との係合によるノブ１０２への影響をさらに最小限に抑えるため、スプール１２０は２つ以上のコンポーネントから形成することができる。たとえば、スプール１２０は、外側部材１２０（以下、「外側部材１２０」）と内側部材１６０で成り立てる。内側部材１６０は外側部材１２０と結合されて、内側部材１６０は外側部材１２０に対して、そして外側部材１２０内で軸方向に移動することができる。内側部材１６０と外側部材１２０とは、互いに対して回転可能にロックすることができる。内側および、外側部材を回転可能にロックするために、外側部材１２０は、一対の脚部１６４Ａおよび、１６４Ｂが位置する一対のチャネル１２４Ａおよび、１２４Ｂを含むことができる。チャネル１２４Ａおよび、１２４Ｂおよび、脚部１６４Ａおよび、１６４Ｂは、チャネル１２４Ａおよび、１２４Ｂ内に脚部１６４Ａおよび、１６４Ｂの挿入が両方のコンポーネントを一緒に回転方向に締め付けるかまたはロックするように形状および、サイズが指定される。脚部１６４Ａおよび、１６４Ｂの遠位端は、図１Ｇに示されるように、外側部材１２０のチャネル１２４Ａおよび、１２４Ｂ内に内側部材１６０をロックするためにチャネル１２４Ａおよび、１２４Ｂの下端と係合するタブが含まれる。内側部材１６０の表面は、内側部材と外側部材とが互いに結合されるときに外側部材１２０のレッジ（ｌｅｄｇｅ）または段差部１２２に安着することができる。

内側部材１６０はコイルばね１６２と作動可能に係合し、より具体的には、コイルばね１６２は内側部材１６０の円筒形チャネルと同軸に整列してその中に挿入される。コイルばね１６２の他端は、外側部材１２０のレッジまたはリッジ１２３に接触して支持される。コイルばね１６２が内側部材１６０および、外側部材１２０の両方と接触するため、コイルばね１６２はこれらのコンポーネントを軸方向に離間して付勢または圧迫する。具体的には、コイルばね１６２は、ノブコア１５０と係合するように外側部材１２０に対して内側部材１６０を軸方向に付勢する。スプールの歯１６６は内側部材１６０の上面から軸方向に延び、このように内側部材１６０をノブコア１５０と係合するようにバイアスすることはスプールの歯１６６をノブコアの歯１５７と係合するようにバイアスする。内側部材１６０は、脚部１６４Ａ、１６４Ｂの挿入を通して外側部材１２０と回転可能にロックされているため、チャネル１２４Ａおよび、１２４Ｂ内にはノブコア１５０が締め付け方向に回転するとき、ノブコア１５０から内側部材１６０に加わる回転力が外側部材１２０に伝達され、外側部材１２０が締め付け方向に回転するようにする。同様に、引張部材の張力を通して外側部材１２０が緩め方向に回転すると、内側部材１６０が緩め方向に回転する。

スプールの他の歯１２６は外側部材１２０上に配置され、したがって外側部材１２０は前述のように軸方向下方に移動してシートコンポーネント１３０と係合するように構成される。図１Ｉに示されるように、外側部材１２０が軸方向下向きに配置され、シートコンポーネント１３０と係合する時、コイルばね１６２は内側部材１６０が少なくとも部分的にノブコア１５０との係合状態を維持するために、内側部材１６０を軸方向上向きに付勢する。コイルばね１６２は、本明細書で説明されるように、引張部材の張力が減少するにつれて、外側部材１２０を内側部材１６０に対して軸方向下方に付勢することにより、外側部材１２０をシートコンポーネント１３０と係合することを助ける。コイルばね１６２と外側部材のリッジ１２３との係合は、引張部材の引張が引張閾値付近またはそれを超えて減少するにつれて、外側部材１２０を軸方向下方に付勢する。外側部材１２０が軸方向上方に移動するか、または内側部材１６０が軸方向下方への移動につれて、コイルばね１６２は圧縮される。図１Ｈおよび、図１Ｉは、外側および、内側部材１２０および、１６０の相対的な軸方向移動を示す。

外側部材１２０がシートコンポーネント１３０と係合するとき、ノブ１０２の軸方向移動を減少または防止するために、内側部材１６０は、ノブ１０２が緩め方向に回転するにつれて軸方向下向きに加圧するように構成される。具体的には、外側部材１２０とシートコンポーネント１３０とが係合した後、ノブ１０２とノブコア１５０とが緩め方向に回転するにつれて、ノブコアの歯１５７の背面がスプールの歯１６６の背面に接触する。これらの歯１５７及び１６６の背面は傾斜になるかまたはランプ型になり、歯１５７及び１６６の背面間の接触が内側部材１６０を外側部材１２０に対して軸方向下方に押すか力を加える。内側部材１６０に対する下向きの力は、内側部材１６０を外側部材１２０の内側および、外側部材に対して軸方向下方に移動させる。内側部材１６０の軸方向下方移動はまた、ノブコアの歯１５７がスプールの歯１６６を通過して緩め方向に回転することを可能にする。内側部材１６０が軸方向下向きに抑えられるため、ノブコアの歯１５７がスプールの歯１６６を通過して回転すると、ノブ１０２は強制的に移動するか軸方向上方に跳ね返らない。むしろ、ノブコアの歯１５７がスプールの歯１６６の傾斜またはテーパーに沿って滑り、スプールの歯１６６を通して回転するため、内側部材１６０は軸方向下方に移動または跳ね返る。このようにして、ノブ１０２、ノブコア１５０、および、爪ディスク１４０は、外側部材１２０とシートコンポーネント１３０との係合後にノブ１０２の任意の軸方向移動または運動を引き起こせず、緩め方向に回転できる。

ここで図２Ａおよび、図２Ｂを参照すると、分解状態のリール式紐締め装置またはシステム２００（以下「紐締めシステム２００」）の分解斜視図が示されている。紐締めシステム２００は、ユーザが掴み回転させるように設計されたリールまたはノブ（以下、「ノブ２０２」）などの締め付けコンポーネント２０２を含む。ノブ２０２は紐締めシステム２００に対して位置設定され、ユーザが容易にアクセスできる。ノブ２０２は上面から見て円筒形の輪郭または形状を有するように示されているが、六角形、八角形、三角形などのような様々なノブの形状または構成を使用することができる。ノブ２０２は、ハウジングまたはハウジングコンポーネント２２０（以下、「ハウジング２２０」）に取り付けられる。ハウジング２２０は、紐締めシステム２００の１つまたは複数のコンポーネントが配置される内部領域を含む。ハウジング２２０は、物品の締め付けまたはフィットを調整するための紐締めシステム２００を使用する物品（たとえば、靴、ブーツなど）に取り付けられるように構成される。たとえば、ハウジング２２０は、縫合、接着、接着接合、溶接（ＲＦ、超音波など）、または他の方法で物品に取り付けられるフランジを含むことができる。いくつかの例では、ハウジング２２０またはフランジは、紐締めシステム２００を使用する物品にインサートモールディングすることができる。

前述のように、ハウジング２２０は、紐締めシステム２００の１つまたは複数のコンポーネントが配置された内部領域を有する円筒形部分を含む。内部円筒形部分の内にはハウジング歯２２１がある。ハウジング歯２２１は、モールディングプロセス中に形成されて、またはその後に内部で切断されることができる。各歯は、傾斜部分２２７および、実質的半径方向表面２２８を画定する。一実施形態では、各ハウジング歯２２１の傾斜部分２２７は、係合爪の相対的な反時計回りの回転を抑制しながら、協働爪の相対的な時計回りの回転を可能にする。もちろん、歯の方向は必要に応じて反転することができる。ハウジング歯２２１の数および、間隔は調整可能な程度を制御し、具体的な数および、間隔は、本開示に照らして当業者によって意図された目的に適合するように設計され得る。しかしながら、多くの応用では、紐張力を微調整することが望ましく、本発明者らは、約２０～４０個のハウジング歯２２１が紐張力を適切に微調整するのに十分であることを見出した。

ハウジング２２０は、引張部材、たとえば紐の各端部がここに入ることを可能にする一対の引張部材入口孔２２５（以下「入口孔２２５」）をさらに含む。ハウジング２２０の入口孔２２５は、ハウジング２２０の入口孔２２５に対して摩耗する引張部材によって引き起こされる摩耗を減らすために、インサートまたはコーティングとしてより高い硬度の材料を追加することによって、より強固に作ることができる。さらに、入口孔２２５の部位は、ハウジング２２０ユニットに摩擦する引張部材の圧力摩耗効果をさらに低減するために、引張部材とより大きな収縮領域を提供するために丸く成形または面取りすることができる。

ハウジング２２０は、好ましくは任意の適切な材料で射出成形される。たとえば、ハウジング２２０はナイロンで形成することができる。もちろん、設計許容範囲内に嵌合するコンポーネントを製造する任意の適切な製造プロセスは、本明細書に開示されているコンポーネントの製造に適している。実施形態では、ハウジング２２０の内側底面２２４は、組み込まれるコンポーネントが効率的な摺動係合を可能にするように高い潤滑性を有することが好ましい。たとえば、ハウジング２２０の内側底面２２４は、摩擦係数を減少させ、したがって表面収縮を共有する任意のコンポーネントが容易に摺動することを可能にするために所望の多数のコーティングのうちの任意のものでコーティングされてもよい。

図２Ａおよび、図２Ｂをさらに参照すると、スプール２３０は、ハウジング２２０の円筒形部分内に位置するように構成され、スプール２３０の上面から上昇した傾斜スプール歯２３１から構成される。スプール２３０は、ハウジング２２０の内側領域内に回転可能に配置され、引張部材を引っ張り、物品を締め付けるために引張部材（図示せず）がスプール２３０の周りに巻かれるように構成されている。実施形態では、スプール２３０は、任意の標準チップ製造、材料除去機械加工作業によってアルミニウムなどの金属から形成される。あるいは、スプール２３０は鋳造または成形することができ、任意の適切なポリマーから形成することができる。別の好ましい実施形態では、スプール２３０はナイロンで形成され、任意選択で金属板インサートを有することができる。

スプール２３０は、紐またはコードなどの引張部材（図示せず）を受け取り、内部柱（図示せず）の周りに巻くように構成される。引張部材は、ハウジング２２０の入口孔２２５を通過してスプールにしっかりと固定される。一実施形態では、引張部材は一緒に束ねられた２つの端部を有する。そのような実施形態では、スプール２３０は、引張端部によって形成された結び目を受け入れるためのリセスを備えて構成され得る。

引張部材は、スプール２３０に巻き取り力が加えられると、各引張部材に同時に等しい張力を提供するように実質的に直径の反対の位置でスプール２３０に取り付けられることが好ましい。さらに、好ましい引張部材取り付け構成は、スプール２３０にバランスのとれた力を加え、ジャーナル接続（ｊｏｕｒｎａｌ ｃｏｎｎｅｃｔｉｏｎ）が早期に磨耗する可能性がある横方向の曲げ力からスプール２３０を保護する。たとえば、引張部材が９０度の角度を形成する方向でスプール２３０と係合すると、巻かれた引張部材の張力によって与えられる力は、引張部材が巻かれるスプール２３０の内側柱に剪断力を加えるであろう。しかしながら、引張部材が直径反対位置でスプール２３０に取り付けられている場合、等価な反対の引張力からスプール２３０に加えられる合力はゼロになり、したがって横力による摩耗からスプール２３０および、そのジャーナル接続を保護できる。

スプール２３０は、巻かれた引張部材を受け入れるように構成された中央環状溝２３２を含む。スプール２３０が締め付け方向に回転すると、スプール２３０に取り付けられた引張部材はスプール２３０の環状溝２３２に巻き付けられる。好ましくは、環状溝２３２は、引張部材の全長を含むように構成され、引張部材がハウジング２２０内で緩み、潜在的に挟まれる傾向を最小限に抑えるか、またはハウジング２２０内に含まれる追加のコンポーネントを妨げる傾向を最小限に抑える。いくつかの実施形態（図示せず）では、環状リッジによって分離された２つの環状溝が設けられ、紐の各端部を分離して、機構に挟まれるか、またはそれを束ねる可能性を減らすことができる。

上述のように、スプール２３０は、好ましくは形状が円形であり、ハウジング２２０の内側領域内に位置するように構成される。スプール２３０とハウジング２２０との間の回転摩擦を減らすために、スプール２３０はハウジング２２０から取り外し可能である。代わりに、回転可能な接続は、スプール２３０をハウジング２２０の中心に保持することによってハウジング２２０の内周に接触するスプール２３０の外周によって引き起こされる摩擦を抑制しながら、スプール２３０が尚ハウジング２２０内で自由に回転することを可能にする。スプール２３０は、爪ディスク２４０を通じてハウジング２２０に回転可能に接続される。爪ディスク２４０を使用してスプール２３０をハウジング２２０に回転可能に接続することによって、スプール２３０はハウジング２２０内で任意の方向に自由に回転することができる。

図２Ａおよび、図２Ｂの分解斜視図から明らかなように、紐締めシステム２００は追加のコンポーネントを含む。そのような追加のコンポーネントはまた、システムが組み立てられるときに紐締めシステム２００のハウジング２２０内に収容または含まれるので、そのような追加のコンポーネントは一般に、紐締めシステム２００の組み立てられた図面では見えない。追加のコンポーネントは、爪ディスク２４０および、ピボットアーム２５０を含み、これは以下でより詳細に説明される。

爪ディスク２４０は軸方向にスプール２３０上に配置され、一対のピボットアーム２５０によってスプール２３０をハウジング２２０に回転可能に結合される。ピボットアーム２５０と協働して、爪ディスク２４０は、ハウジング２２０内でスプール２３０が一方向（すなわち締め付け方向）に回転することを可能にし、一方スプール２３０は反対方向（すなわち緩める方向）への回転を防止する。締め付け方向は所望に応じて時計回りまたは反時計回りにすることができ、緩め方向はその反対方向であり得る。しかし、ここで説明するために、締め付け方向は時計回りであり、緩め方向は反時計回り方向である。

爪ディスク２４０は、一対のピボットアーム２５０を通してスプール２３０に作動可能に結合され、爪ディスク２４０が、スプール２３０が締め付け方向に回転することを可能にし、紐締めシステム２００が係合状態にあるときにスプール２３０がハウジング２２０の内部で緩め方向に回転するのを防止する。ピボットアーム２５０は軸方向に爪ディスク２４０上に配置されているが、軸方向にノブ２０２の下に配置されている。ノブ２０２は、ハウジング２２０と回転可能に結合され、軸方向にピボットアーム２５０上に配置され、それと作動可能に結合され、ノブ２０２の動作（たとえば、ノブ２０２）の回転によりスプール２３０がハウジング２２０の内部領域内で第１方向に回転し、スプール２３０の周りに引張部材が巻き付けられる。

上で簡単に述べたように、スプール歯２３１はスプール２３０の上面から上昇し、紐締めシステム２００が組み立てられるとき、スプール歯２３１は爪ディスク２４０の円形部分２４３で中央円形アパーチャ２４６を通って延びる。スプール歯２３１がスプール２３０の上面を超えて延びる程度は、組み立てられたときに結合された爪ディスク２４０とピボットアーム２５０の両方の厚さに対応する。すなわち、スプール歯２３１が円形アパーチャ２４６を通して位置設定されると、ピボットアーム２５０が爪ディスク２４０の上部に組み立てられ、爪ディスク２４０がスプール２３０の上面の上に組み立てられた後、スプール歯２３１の上面がピボットアーム２５０の上面と同じ高さになる。

スプール歯２３１の各歯は、傾斜部２３７および、実質的半径方向表面２３８を形成する。一実施形態では、協働するピボットアーム２５０と組み合わせられた各スプール歯２３１の傾斜部分２３７は、スプール２３０の相対的な反時計回りの回転を可能にする一方で、ピボットアーム２５０がスプール歯２３１と係合するとき、スプール２３０の相対的な時計回りの回転を抑制する。もちろん、歯の方向は必要に応じて反転することができる。スプール歯２３１の数および、間隔は調整可能な程度を制御し、具体的な数および、間隔は、本開示に照らして当業者によって意図された目的に合わせて設計され得る。

スプール歯２３１とハウジング歯２２１の傾斜方向は互いに反対であることに留意されたい。したがって、これは、各歯、スプール歯２３１、および、ハウジング歯２２１が回転を可能にし、スプール２３０とは反対方向への回転を抑制可能にする。スプール２３０が任意の方向に自由に回転することを可能にするために、ユーザがノブ２０２を回転させるにつれて、スプール２３０は締め付け係合と緩め係合を提供する構成で、爪ディスク２４０および、ピボットアーム２５０と機械的に結合される。締め付け係合配置にあるとき、爪ディスク２４０とピボットアーム２５０とスプール２３０との結合は、締め付け方向（たとえば時計回り）にスプール２３０を回転させることができる一方、緩め方向（たとえば反時計方向）へのスプール２３０の回転を抑制する。逆に、緩め係合配置にあるとき、爪ディスク２４０と回転アーム２５０とスプール２３０との結合は、スプール２３０が緩め方向に回転することを可能にする一方、スプール２３０が締め付け方向へ回転することを抑制する。したがって、スプール２３０がハウジング歯２２１から係合解除されて緩め方向に自由に回転するように提供することは、ピボットアーム２５０のピボット回転を通じて行われる。

ピボットアーム２５０は、爪ディスク２４０をスプール２３０に機械的に接続し、次いでスプール２３０をハウジング２２０に機械的に結合する。軸方向ポスト２４４は、爪ディスク２４０の円形部分２４３の上面からノブ２０２に向かって軸方向に延ばして、爪ディスク２４０をピボットアーム２５０と機械的に結合する。図２Ｃおよび図２Ｄの紐締めシステム２００の組み立てられた図に示されるように、爪ディスク２４０の軸方向ポスト２４４は、ピボットアーム２５０のピボットアパーチャ２５５と係合し、挿入されて、爪ディスク２４０とピボットアーム２５０は単一のコンポーネントとして機能する。軸方向ポスト２４４は、爪ディスク２４０とピボットアーム２５０を機械的に結合し、爪ディスク２４０が締め付け方向に回転すると、ピボットアーム２５０も締め付け方向に回転し、その逆も同様である。さらに、軸方向ポスト２４４が組み立てられた状態でピボットアパーチャ２５５に挿入されると、ピボットアーム２５０は軸方向ポスト２４４を中心に回転することができる。爪ディスク２４０との係合からスプール２３０を解放し、次いでハウジング歯２２１を解放し、スプール２３０を緩める方向に回転させることは、ピボットアーム２５０の旋回回転である。

ピボットアーム２５０は、一次歯２５１、二次歯２５２、爪ばね２５６、および、ピボットノッチ２５３を含む。一次歯２５１および、二次歯２５２は半径方向内側に配置され、スプール歯２３１と係合するように構成され、前述のようにスプール歯２３１は爪ディスク２４０の円形セクション２４３の中心にある円形の開口部を通して挿入され、水平面でピボットアーム２５０と同じ高さにある。図２Ｃおよび、図２Ｄに示すように、ピボットアーム２５０が爪ディスク２４０に機械的に結合されると、一対のピボットアーム２５０が時計回りに配向して互いに相補的に位置される。一対のピボットアーム２５０は、垂直および、水平に互いに反対方向にミラーリングされ、一次歯２５１および、二次歯２５２はスプール歯２３１に面する。したがって、一対のピボットアーム２５０が時計回りに配置されると、爪ばね２５６を含む第１ピボットアーム２５０の第１端部が第２ピボットアーム２５０の第２端部に向かう。そして、爪ばね２５６を含む第２ピボットアーム２５０の第１端部は、第１ピボットアーム２５０の第２端部に向かって指向される。

一次歯２５１および、二次歯２５２は、ピボットアーム２５０の方向に応じて所与の時間に１つの歯のみがスプール歯２３１と係合することができるように配置される。前記で論じたように、ピボットアーム２５０は、爪ディスク２４０の軸方向ポスト２４４を中心にピボット回転するように構成される。締め付け係合位置では、ピボットアーム２５０が時計方向に前方にピボット回転して、スプール歯２３１と一次歯２５１が係合し、スプール歯２３１から二次歯２５２が係合解除される。しかしながら、ピボットアーム２５０が緩め方向に反時計回りに後方にピボット回転すると、二次歯２５２がスプール歯２３１と係合し、一次歯２５１がスプール歯から係合解除される。

図示されるように、爪ディスク２４０は、２つの直径カンチレバーアーム２４２の遠位端に配置された２つの爪２４１を含む。２つの直径カンチレバーアーム２４２は、円形セクション２４３と同じ平面内で反時計回りの方向（または緩め方向）に放射状に延びる。２つの爪２４１は、ハウジング２２０内でスプール２３０を一方向に巻き取ることを可能にするラチェット様式でハウジング２２０のハウジング歯２２１と係合するように半径方向外側に付勢される。ハウジング歯２２１の傾斜部分２２７は、爪２４１がハウジング歯２２１上に摺動することを可能にし、爪ディスク２４０が締め付け方向に回転すると、カンチレバーアーム２４２を半径方向に内側に偏向させる。爪２４１がハウジング歯２２１の実質的半径方向表面２２８に達すると、カンチレバーアーム２４２は、爪２４１を次のハウジング歯２２１との係合状態に戻す。爪２４１は、次のハウジング歯２２１の傾斜部分２２７の底面の下に再び付勢される。対照的に、実質的半径方向表面２２８は、緩め方向への爪ディスク２４０の回転を防止する。爪２４１がハウジング歯２２１と係合すると、実質的半径方向表面２２８は、爪ディスクが反時計回りに回転するのを抑制する。

爪２４１が半径方向外側に突出するように示されているが、いくつかの実施形態では、爪２４１は半径方向内側にまたは軸方向上方または下方に突出することができる。そのような実施形態では、爪２４１と係合するハウジング歯２２１はまた、ハウジング２２０の内壁以外のどこか、たとえば内側円筒形壁の外壁、またはハウジング２２０に取り付けることができる別個の鋸歯状のコンポーネント、またはディスク上に配置される。そのような実施形態では、ハウジング歯２２１は、半径方向外向き、軸方向上向き、または軸方向下向きに向かって、爪ディスク２４０の爪２４１と係合する。さらに別の実施形態では、爪ディスク２４０は、ノブ２０２、スプール２３０、またはハウジング２２０と一体的に形成することができる。

ピボットアーム２５０は、ピボットカム２０３によってスプール２３０をノブ２０２に機械的に結合する。ピボットカム２０３は、ノブ２０２の下面からピボットアーム２５０に向かって軸方向下方に延び、各ピボットアーム２５０のピボットノッチ２５３と係合する。ピボットカム２０３は、ピボットアーム２５０のピボットノッチ２５３に挿入されるように配置されている。ピボットカム２０３は、ノブ２０２がユーザによって回されまたは回転すると、ノブ２０２からの回転力またはトルクを回転アーム２５０に伝達する。重要なことに、ピボットカム２０３は、ピボットアーム２５０が軸方向ポスト２４４上でピボット回転するように回転力をピボットアーム２５０に伝達する。

ピボットノッチ２５３は、ピボットカム２０３がノブ２０２のわずかな調整で前後に回転することができるように、ピボットカム２０３よりわずかに大きく構成される。たとえば、ノブ２０２が時計方向（締め付け方向）に回転すると、ピボットカム２０３も同じ方向に回転し、回転中にピボットノッチ２５３に係合し、ピボットアーム２５０が時計方向に前方にピボット回転する。同様に、ノブ２０２が反時計回り（緩め方向）に回転すると、ピボットカム２０３が同一方向に回転し、回転中にピボットノッチ２５３に係合し、ピボットカム２０３は、ピボットアーム２５０を時計方向に後方にピボット回転させる。

ノブ２０２の回転も駆動カム２０５によって爪ディスク２４０に伝達される。駆動カム２０５は、ノブ２０２を爪ディスク２４０と作動可能に結合させる。駆動カム２０５は、爪ディスク２４０に向かって軸方向下方に延び、爪ディスク２４０の円形部分２４３上の駆動アパーチャ２４７と係合し、そこに挿入される。駆動カム２０５は、ノブ２０２がユーザによって回されまたは回転されると、駆動アパーチャ２４７を通じてノブ２０２から爪ディスク２４０に回転力またはトルクを伝達する。爪２４１とハウジング歯２２１、特に実質的半径方向表面２２８との間の係合のために、駆動カム２０５は爪ディスク２４０を締め付け方向にのみ自由に回転させることができる。緩め方向で駆動カム２０５は、駆動カム２０５と比較してわずかに大きい駆動アパーチャ２４７内でわずかに反時計回りに回転する。

ノブ２０２が締め付け方向、ここでは時計回りに回転すると、ピボットアーム２５０はスプール２３０と係合し、スプール２３０は締め付け部材を巻くことができる。締め付け方向に回転すると、ノブ２０２のピボットカム２０３はピボットアーム２５０のピボットノッチ２５３と係合し、ピボットアーム２５０を締め付け方向に前方にピボット回転させる。ピボットアーム２５０が締め付け方向に前方にピボット回転すると、一次歯２５１がスプール２３０のスプール歯２３１と係合し、回転力またはトルクがノブ２０２からスプール２３０に伝達される。

しかし、ノブ２０２が緩め方向、ここでは反時計方向に回転すると、スプール歯２３１から一次歯２５１が係合解除され、スプール２３０が自由に回転する。スプール２３０が自由に回転すると、スプール２３０は引張部材により緩め方向に回転する。紐締めシステム２００が係合状態にあるとき、引張部材は緩め方向にスプール２３０に回転張力を維持する。しかしながら、ピボットカム２０３と一次歯２５１を通じたノブ２０２とスプール２３０との係合のために、クロージャーシステムが係合すると、スプール２３０は回転可能にロックされて緩め方向に移動できない。

前述したように、ピボットアーム２５０は、ピボットアーム２５０および、ノブ２０２が２つの位置、すなわち締め付け係合位置および、緩め係合位置のうちの１つで支持されることを可能にするように、スプール２３０と作動可能に係合する。締め付け係合位置において、ノブ２０２は、ピボットカム２０３および、ピボットノッチ２５３を通じてピボットアーム２５０を時計方向（または反時計回り方向が締め付け方向である実施形態では反時計回り）でピボット回転させて、一次歯２５１とスプール歯２３１とが接触し係合するようにする。緩め係合位置において、ノブ２０２のピボットカム２０３は、ピボットノッチ２５３から係合解除され、ピボットアパーチャ２５５に対して反時計回りにピボットアーム２５０をピボット回転させる。

ピボットカム２０３が一次歯２５１に半径方向の力を供給し、一次歯２５１がスプール歯２３１と係合しない場合、スプール２３０は爪ディスク２４０から係合解除されて、次にハウジング歯２２１が係合解除される。代わりに、スプール２３０は、一次歯２５１がスプール歯２３１と再び係合するまで緩め方向に自由に回転する。引張部材によってスプール２３０に加えられる力のために、スプール２３０が爪ディスク２４０から係合解除されるたびに、スプール２３０は緩め方向に自由に回転する。引張部材がスプール２３０の周りに巻かれると、引張部材の引張が増加し、緩め方向にスプール２３０に回転力を与える。緩む力は、スプール歯２３１と一次歯２５１との間の干渉によって相殺され、順に爪２４１とハウジング歯２２１との間に干渉を生成する。このような干渉の組み合わせにより、爪ディスク２４０が一次歯２５１を通してスプール２３０と係合すると、スプール２３０が緩め方向に回転できなくなる。しかしながら、スプール２３０が一次歯２５１から係合解除されると、スプール２３０は引張部材によって与えられる回転力に応じて自由に回転することができる。

締め付け方向（この例では時計回り）にノブ２０２を回転させる間、ノブ２０２のピボットカム２０３は、ノブ２０２の回転力を各ピボットアーム２５０上のピボットノッチ２５３に伝達し、これによりピボットアーム２５０が前方にピボット回転し、スプール歯２３１と一次歯２５１を係合する。具体的には、一次歯２５１は、スプール歯２３１の実質的半径方向表面２３８と係合する。同時に、ピボットカム２０３がノブ２０２によって時計方向に回転するにつれて、駆動カム２０５も回転する。ノブ２０２が回転すると、爪ディスク２４０の駆動アパーチャ２４７に挿入された駆動カム２０５も前方に回転し、爪ディスク２４０と係合し、ノブ２０２の回転力またはトルクを爪ディスク２４０に転送する。枢動カム２０３が一次歯２５１をスプール歯２３１と係合させると、時計方向へのつまみ２０２の任意の回転が爪ディスク２４０の回転を介してスプール２３０になる。次いで、これは、軸ポスト２４４を介して爪ディスク２４０に作動可能に結合された旋回アーム２５０を回転させる。

スプール２３０を緩めるためには、スプール２３０を一次歯２５１から自由にする必要がある。図示される実施形態では、一実施形態において４分の１回転である所定の角度変位を通じてノブ２０２を反時計回りに回転、すなわち緩めることによって達成される。ノブ２０２が反時計方向に回転するにつれて、ピボットカム２０３は、ピボットアーム２５０を時計方向に回転させることからピボットノッチ２５３を係合解除し、代わりに時計方向にピボットノッチ２５３と係合し、ピボットアーム２５０が後方にピボット回転するようにする。前述のように、ピボットアーム２５０が後方にピボット回転すると、一次歯２５１はスプール歯２３１から係合解除され、スプール２３０は緩め方向に自由に回転する。スプール２３０の張力は、ピボットアーム２５０の一次歯２５１が固定された状態で維持されている間にスプール２３０を緩め方向に回転させる。ピボットアーム２５０は、スプール２３０が緩め方向に回転するとき固定された状態を保つが、その理由はピボットアーム２５０が爪ディスク２４０に作動可能に係合し、結局はハウジング歯２２１と噛み合って反時計方向位置で回転不可能になるためである。

スプール２３０が完全に緩むのを防ぐために、ノブが緩め方向に回転すると、二次歯２５２がスプール歯２３１に強制的に係合し、それによってピボットアーム２５０が後方にピボット回転する。二次歯２５２とスプール歯２３１との間の小さな間隔は、一次歯２５１が次のスプール歯２３１と再係合する前にスプール２３０がわずかに回転することを可能にする。

ノブ２０２の回転によってピボットアーム２５０が反時計方向に後方にピボット回転するにつれて、二次歯２５２の反対側のピボットアーム２５０の端部に取り付けられた爪ばね２５６このハウジング歯２２１に接触して半径方向に曲げられる。曲げられた爪ばね２５６によって加えられる力は、ピボットアーム２５０を偏向させて前方、すなわち再び時計回りにピボット回転し、これにより一次歯２５１がスプール歯２３１と再び係合する。

このようにして、スプール２３０はノブ２０２のわずかな反時計回りの回転によって漸進的に緩むことができる。ノブ２０２が反時計回りに回転するたびに、ピボットアーム２５０が後方にピボット回転して、スプール２３０が解放されて緩め方向に回転する。スプール２３０が反時計回りに回転すると、爪ばね２５６は、一次歯２５１がスプール歯２３１の傾斜部２３７上を摺動するにつれて、ハウジング歯２２１に対して強制的に曲がる。次に、曲げられた爪ばね２５６は、一次歯２５１が傾斜部２３７の縁部に到達すると、前方のピボット回転位置にピボットアーム２５０を付勢する。このとき、一次歯２５１はスプール歯２３１と再び係合し、スプール２３０は時計方向にさらに回転することが抑制される。

スプール２３０の係合解除または緩みの間、駆動アパーチャ２４７内に配置された駆動カム２０５は、ノブ２０２のわずかな回転と共に緩め方向にわずかに回転することが可能になる。駆動アパーチャ２４７は、爪ディスク２４０によって妨げられることなく反時計回り方向に駆動カム２０５のこのような回転を受けるようにわずかに延びる。爪ディスク２４０は、爪２４１とハウジング歯２２１との係合により反時計回りに回転することが禁止されるため、駆動アパーチャ２４７の延長は駆動カム２０５が爪ディスク２４０により抑制されることなくノブ２０２と共に回転することを可能にする。

図３Ａを参照すると、組み立てられた状態のリール式クロージャー装置またはシステム３００（以下、「クロージャーシステム３００」）の斜視図が示されている。クロージャーシステム３００は、ユーザによって把持され回転するように設計されたリールまたはノブ（以下、「ノブ３０２」）などの締め付けコンポーネント３０２を含む。ノブ３０２は、クロージャーシステム３００に対してユーザが容易にアクセスできるように配置される。ノブ３０２は上面から見て円形の輪郭または形状を有するように示されているが、六角形、八角形、三角形などのような他の様々なノブ形状または構成を使用できる。ノブ３０２は、ハウジングまたはハウジングコンポーネント３２０（以下、「ハウジング３２０」）に回転可能に取り付けられ、これはハウジングベース部材またはバヨネット３０５（以下、「ハウジングベース３０５」）に順番に取り付けられる。ハウジング３２０は、クロージャーシステム３００の１つまたは複数のコンポーネントが配置される内部領域を含む。ハウジングベース３０５は、物品の締め付けまたは位置合わせを調整するためのクロージャーシステム３００を使用する物品（たとえば、靴、ブーツなど）に取り付けるように構成される。たとえば、ハウジングベース３０５は、ステッチング、接着、接着接合、溶接（ＲＦ、超音波など）、または他の方法で物品に取り付けることができるフランジ３０６を含む。いくつかの例では、ハウジングベース３０５またはフランジ３０６は、クロージャーシステム３００を使用する物品にインサートモールディングされてもよい。ノブ３０２、ハウジング３２０、および、ハウジングベース３０５の取り付けまたは係合の詳細は、以下でより詳細に提供される。

図３Ｂおよび、３Ｃは、クロージャーシステム３００の分解斜視図を示す。ノブ３０２、ハウジング３２０、および、ハウジングベース３０５のさらなる詳細は、図３Ｂおよび図３Ｃの分解斜視図から明らかである。クロージャーシステム３００のさらなるコンポーネントもまた、図３Ｂおよび図３Ｃの分解斜視図に示されている。そのような追加のコンポーネントは、システムが組み立てられるとき、クロージャーシステム３００のハウジング３２０内に収容または含まれるので、そのような追加のコンポーネントは一般にクロージャーシステム３００の組み立てられた図では見えない。追加のコンポーネントは、スプールコンポーネント３３０、結合コンポーネント３１０、および、クラッチメカニズム３０１を含む。クラッチメカニズム３０１は、クラッチディスク３４０、ノブコア３５０、および、フェースクラッチ３６０を含む。クラッチメカニズム３０１は、図３Ｄにさらに詳細に示され説明される。

スプールコンポーネント３３０（以下、「スプール３３０」）は、ハウジング３２０の内側領域内に回転可能に配置され、引張部材（図示せず）がスプール３３０の周りに巻かれて引張部材を引っ張って物品を締め付けるように構成されている。クラッチメカニズム３０１は、ハウジング３２０の内側領域内で軸方向にスプール３３０上に配置される。クラッチメカニズム３０１は、スプール３３０をハウジング３２０および、ノブ３０２と作動可能に結合してスプール３３０を第１方向に回転させる一方、スプール３３０が第２方向に回転することを防ぐ。

スプール３３０は、結合コンポーネント３１０によってハウジング３２０と回転可能に結合される。結合コンポーネント３１０は、軸方向にスプール３３０の下に配置され、結合コンポーネント３１０のベース３１１からハウジング３２０の内側領域に軸方向上方に突出する中央ボス３１２を含む。スプール３３０は、スプール３３０の中央アパーチャまたはアパーチャ３３４を通して中央ボス３１２を挿入することによって、結合コンポーネント３１０の周りに回転可能に配置される。スプール３３０は、無視できる摩擦または抗力で中央ボス３１２を中心に旋回または回転することができる。中央ボス３１２の上端または遠位端はクラッチメカニズム３０１を通して挿入され、フェースクラッチ３６０のフェースクラッチアパーチャまたはアパーチャ３６４および、ノブコア３５０のノブコアアパーチャまたはアパーチャ３５４と摩擦式で係合して、中央ボス３１２に対するスプール３３０の回転位置を決定する。

ノブコア３５０は、クラッチメカニズム３０１が２つの位置で支持されることを可能にするようにボス３１２の上端に作動可能に係合する。結合コンポーネント３１０は、クラッチメカニズム３０１、特にノブコア３５０と摩擦的に係合し、クラッチメカニズム３０１を第１位置または第２位置に保持する。クラッチメカニズム３０１は、ノブ３０２の第１動作に応答して第１位置に移動または遷移することができ、同様にノブ３０２の第２動作に応答して第２位置に移動または遷移することができる。たとえば、ノブ３０２の第１動作は、ノブ３０２をハウジング３２０に向かって下方に押し下げるか押さえることができ、またはクラッチメカニズム３０１がハウジング３２０と係合することができる。あるいは、ノブ３０２の第１動作は、ノブ３０２を第２方向に回転させること、ボタンまたはレバー機構を動作させること、またはノブまたは他のコンポーネントのいくつかの他の動作であり得る。ノブ３０２の第２動作は、ノブ３０２を引き上げてハウジング３２０から離れるように引っ張ることであり、これはクラッチメカニズム３０１にハウジング３２０を係合解除させることができる。あるいは、ノブ３０２の第２動作は、ノブ３０２を第１方向に回転させること、ボタンまたはレバー機構を作動させること、またはノブまたは他のコンポーネントのいくつかの他の操作であり得る。結合コンポーネント３１０は、クラッチメカニズム３０１がハウジング３２０と係合した状態を維持するように、クラッチメカニズム３０１を第１位置（すなわち、係合状態）に維持することができ、および／またはクラッチメカニズム３０１がハウジング３２０から係合解除された状態を維持するために、クラッチメカニズム３０１を第２位置（すなわち、係合解除状態）に維持することができる。

複数の結合アーム３１４は、結合コンポーネント３１０のベース３１１の環状周囲の周りに半径方向に配置される。結合アーム３１４は、結合コンポーネント３１０をハウジング３２０と取り外し可能に結合する。図３Ｂおよび、図３Ｃに示すように、結合アーム３１４はベース３１１から軸方向上方に延びる。クロージャーシステム３００が組み立てられると、結合アーム３１４は、ハウジング３２０に結合コンポーネント３１０を取り外し可能に結合するために、ハウジング３２０上の結合アパーチャまたはアパーチャ３２４を通じて挿入される。図３Ａに示すように、結合アーム３１４は、ベース３１１がハウジング３２０の下端として機能し、ベース３１１の底面がハウジングベース３０５の底面と等しい高さまたは整列されるように、ハウジングベース３０５の結合アパーチャ３２４を通じて挿入することができる。いくつかの例では、結合アーム３１４は、ハウジング３２０に結合コンポーネント３１０を固定するためにハウジング３２０の外面と摩擦的に係合するように構成されてもよい。

図３Ｅおよび、図３Ｆは、それぞれ第１位置および、第２位置のクロージャーシステム３００を示す。図３Ｅに示すように、ノブコア３５０は係合タブまたは特徴部３５２を含み、中央ボス３１２の遠位端は環状突起３１３を含む。係合タブ３５２および、環状突起３１３は、フェースクラッチ３６０上の複数のクラッチ歯３６１がスプール３３０上の複数のスプール歯３３１と係合され／係合するか、またはクラッチディスク３４０のディスク歯３４１が、ハウジング３２０のハウジング歯３２１と係合する第１位置にクラッチメカニズム３０１を保持するように構成される。歯の係合は、スプール３３０をハウジング３２０に作動可能に結合する。ディスク歯３４１は、ハウジング歯３２１とラチェットと同じように結合することができる。クラッチディスク３４０は、ハウジング３２０とスプール３３０とを作動可能に連結し、スプール３３０が第１方向に回転することを可能にしながら、スプール３３０の第２方向への回転を防止する。

第１位置では、係合タブ３５２は、軸方向に中心ボスの環状突起３１３の下に位置する。環状突起３１３は、係合タブ３５２の直径よりも大きいか、係合タブ３５２によって画定される直径を有する。係合タブ３５２の直径は環状突起３１３の直径より小さいため、環状突起３１３は係合タブ３５２および、ノブコア３５０が環状突起の上から軸方向上方に移動することを妨害または妨げる。このようにして、ノブコア３５０は環状突起３１３に対して下方位置に保持され、クロージャーシステム３００を図３Ｅに示す第１位置に保持する。

図３Ｆは、第２位置のクロージャーシステム３００を示す。第２位置では、クラッチメカニズム３０１および／またはノブ３０２は、ハウジング３２０および、スプール３３０に対して軸方向の上方に配置される。第２位置では、複数のクラッチ歯３６１が複数のスプール歯３３１から係合解除され、かつ／またはディスク歯３４１がハウジング歯３２１から係合解除され、ハウジング３２０からスプール３３０を分離し、スプール３３０が第２または緩め方向へ自由に回転することを可能にする。第２位置では、ノブコア３５０の係合タブ３５２は、軸方向に結合コンポーネント３１０の環状突起３１３上に配置されている。環状突起３１３と比較して係合タブ３５２のより小さい直径は、環状突起３１３が係合タブ３５２および、ノブコア３５０が環状突起３１３の軸方向下向きに移動することを干渉または妨げる。このようにして、ノブコア３５０は環状突起３１３に対して上方位置に保持され、クロージャーシステム３００を図３Ｆに示す第２位置に保持する。

クロージャーシステム３００は、ユーザによって力が加えられるまで、またはそうでなければユーザの力が係合タブ３５２および、ノブコア３５０をハウジング３２０に対して軸方向下方に移動させるまで、係合タブ３５２と環状突起３１３の係合によって第２位置に保持することができる。ノブコア３５０の下方への移動は、係合タブ３５２を環状突起３１３上に滑らせ、中心ボス３１２の遠位端が半径方向内側へ曲がれるように強制することによって環状突起３１３の直径を減らす。環状突起の縮小された直径は、係合タブ３５２が環状突起３１３の上を通り、図３Ｅに示す第１位置に滑らせることを可能にする。同様に、クロージャーシステム３００は、ユーザによって力が加えられるまで、またはそうでなければユーザの力が係合タブ３５２および、ノブコア３５０をハウジング３２０に対して軸方向に上方に移動させるときまで、係合タブ３５２と環状突起３１３の係合によって第１位置に保持することができる。ノブコア３５０の上方への移動は、中央ボス３１２の遠位端を半径方向内側に曲げ、係合タブ３５２が環状突起３１３の上を通り、図３Ｆに示す第２位置に滑走するようにする。

ノブ３０２がハウジング３２０から取り外されるのを防ぐために、ハウジング３２０は、ハウジング３２０の上部の外周の周りに延びる環状レッジ３２２を含む。環状レッジ３２２は、ノブ３０２とハウジング３２０との結合を維持するため、押さえ合わしてノブ３０２上の１つ以上のタブ３０７と係合するように構成される。換言すれば、１つ以上のタブ３０７と環状レッジ３２２との係合は、ノブ３０２に例外的な力が加えられない限り、ノブ３０２がハウジング３２０から分離されたり、離脱したりすることを防ぐ。

クラッチメカニズム３０１とハウジング３２０との係合は、スプール３３０がハウジング３２０の内部で第２方向（たとえば、緩め方向）に回転することを防止する一方、スプール３３０が第１方向（すなわち、締め付け方向）に回転可能に構成される。締め付け方向は、所望に応じて時計回り方向または反時計回り方向であり得、緩め方向はその逆方向であり得る。スプール３３０が締め付けられる方向に回転するにつれて、スプール３３０に取り付けられた紐、コード、および、引張部材（図示せず）がスプール３３０の中央部またはチャネル３３３に巻かれる。図３Ｅおよび、図３Ｆは、スプール３３０の中央チャネル３３３および、紐、コードまたは引張部材のための入口孔３２６に関連する中央チャネル３３３の構成を具体的に示す、クロージャーシステム３００の断面図を提供する。組み立て時に、引張部材は、入口孔３２６を通って挿入され、スプール３３０が締め付け方向に回転すると、中央チャネル３３３内でスプール３３０の周りに巻かれるように構成される。場合によっては、引張部材はスプール３３０に取り外し可能に、または取り外し不可能に固定される。

スプールの一方向ラチェットは、ディスク歯３４１とハウジング歯３２１との間の係合によって提供される。図３Ｅに示す第１位置では、ディスク歯３４１は、ハウジング３２０の内側領域の周囲に配置されたハウジング歯３２１と係合し、クラッチディスク３４０が第１方向に回転できるようにする一方、クラッチディスク３４０の第２方向への回転を防止する。クロージャーシステム３００が第２位置にあるとき、ディスク歯３４１はハウジング歯３２１から係合解除され、それによってスプール３３０が第２方向に回転することを可能にする。

ノブ３０２は、クロージャーシステム３００の漸進的な締め付けおよび、漸進的な緩みを可能にするためにクラッチメカニズム３０１を通じてスプール３３０に作動可能に結合されている。ノブ３０２の底面には複数の駆動コンポーネント３０４がある。複数の駆動コンポーネント３０４は、ノブコア３５０上の複数の駆動リセス３５３内に嵌合するように構成される。クロージャーシステム３００が第１位置に配置され、ノブ３０２が第１方向（すなわち、締め付け方向）または第２方向（すなわち、緩め方向）に回転すると、ノブ３０２の底面上に駆動コンポーネント３０４は、回転力またはトルクをノブコア３５０に伝達するために駆動リセス３５３の対応する表面または縁部と係合する。駆動リセス３５３と駆動コンポーネント３０４との係合のため、ノブコア３５０は、ノブ３０２の回転がノブコア３５０の対応する回転をもたらすようにノブ３０２に作動可能に結合される。第１位置にあるとき、ノブコア３５０は、ノブコア３５０とスプール３３０との作動可能な結合のために回転力またはトルクをスプール３３０に伝達する。第２位置にあるとき、ノブコア３５０は、ノブコア３５０とスプール３３０との分離によって回転力またはトルクをスプール３３０に伝達しない。

ノブコア３５０はフェースクラッチ３６０と作動可能に結合され、ノブ３０２からスプール３３０に回転またはトルクを伝達する。ノブコア３５０は、ノブコアの中央円筒形ハブから半径方向外側に延びる複数のタブによってフェースクラッチ３６０に作動可能に結合される。ノブコア３５０の半径方向周辺に沿ってノブコア３５０の上面３５１からフェースクラッチ３６０に向かって軸方向下方に延びる複数のランプアーム３５５がある。ランプアーム３５５は、フェースクラッチ３６０の周囲に沿って配置された複数のリセス３６５に嵌合するように構成される。フェースクラッチ３６０上のリセス３６５は、フェースクラッチ３６０に対してノブコア３５０のわずかな回転を可能にするランプアーム３５５と比較してわずかにオーバーサイズ（すなわち延長）される。リセス３６５のわずかな延長は、回転力がフェースクラッチ３６０に伝達されず、ノブ３０２が第１方向（すなわち、締め付け方向）または第２方向（すなわち、緩め方向）にノブコア３５０をわずかに回転させることができる。クロージャーシステム３００が組み立てられると、ばね機構は一般にノブコア３５０とフェースクラッチ３６０との間に配置される。そのような実施形態では、ばね機構は、ノブ３０２を回転させるユーザが、スプール３３０が漸進的に締め付けられたり緩んだりしたときにクラッチメカニズム３０１の任意の軸方向運動を感じることができないように、ノブ３０２からフェースクラッチ３６０を離す。

フェースクラッチ３６０の底面には、スプール３３０の上面に位置する複数のスプール歯３３１と作動可能に結合するように構成された複数のクラッチ歯３６１がある。クラッチ歯３６１とスプール歯３３１はともにラチェット方式で係合する傾斜面と壁面とを含む。クラッチ歯３６１の傾斜面はスプール歯３３１の傾斜面と一致し、第２方向に回転しながら歯が互いに摺動することができるようにする一方、反対（すなわち、第１）方向への回転を防止する。ノブ３０２が第１方向に回転している間、ノブ３０２、ノブコア３５０、および、フェースクラッチ３６０の結合により、フェースクラッチ３６０も第１方向に回転する。クラッチ歯３６１の配向により、フェースクラッチ３６０が第１方向に回転すると、クラッチ歯３６１の壁面がスプール歯３３１の壁面と係合する。クラッチ歯３６１とスプール歯３３１との間のこの係合は、フェースクラッチ３６０が回転力またはトルクをノブ３０２からスプール３３０に伝達することを可能にする。換言すれば、クロージャーシステムが第１位置に配置され、ノブ３０２が第１方向に回転すると、スプール３３０がフェースクラッチ３６０と係合するので、スプール３３０は第１方向に回転する。

第１方向へのスプール３３０の漸進的な回転（すなわち、スプール３３０の漸進的な締め付け）を提供するために、フェースクラッチ３６０はクラッチディスク３４０と作動可能に結合され、本明細書で説明された、ハウジング３２０とスプール３３０との間に一方向のラチェットメカニズムが提供される。図示されるように、クラッチディスク３４０は、半径方向内側円周および、半径方向外周を有する本質的に半径方向に平坦な環状構成で構成される。クラッチディスク３４０は、上面３４５と底面３４６とを含む。底面３４６の半径方向外周に沿って複数のディスク歯３４１がある。複数のディスク歯３４１は、スプール３３０および、ハウジング３２０に向かって軸方向下向きに配向され、ハウジング歯３２１と係合するように構成される。底面３４６の半径方向内周に沿って複数のクラッチ係合部材３４４および、複数のランプ歯３４２がある。クラッチディスク３４０の上面３４５の半径方向内周に沿って上面３４５からノブ３０２に向かって軸方向上方に延びる複数のカンチレバーアーム３４３がある。

ハウジング歯３２１とディスク歯３４１との間の係合は、スプール３３０の一方向ラチェットを可能にする。前述したように、クロージャーシステムが第１位置にあり、ノブ３０２が第１方向に回転すると、ノブ３０２の回転はフェースクラッチ３６０によってスプール３３０に伝達される。ノブ３０２が第１方向に回転するにつれて、スプール３３０もクラッチ歯３６１とスプール歯３３１との係合により第１方向に回転する。ノブ３０２とフェースクラッチ３６０との結合、および、フェースクラッチ３６０とクラッチディスク３４０との結合により、ノブ３０２が回転するにつれて、クラッチディスク３４０も第１方向に回転する。図３Ｄに示すように、クラッチ係合部材３４４は、底面３４６の半径方向内周に沿ってクラッチディスク３４０から軸方向下方に延びている。クラッチ係合部材３４４は、フェースクラッチ３６０の円周から半径方向外側に延びる半径方向アームに形成された複数のクラッチ係合リセス３６２と作動可能に結合および、係合するように構成される。クラッチ係合リセスは、クラッチ係合部材３４４のうちの１つと嵌合または対をなすように構成されている。クロージャーシステム３００が組み立てられると、クラッチ係合部材３４４がクラッチ係合リセス３６２に嵌合し、これはクラッチディスク３４０とフェースクラッチ３６０が単一のコンポーネントとして機能するようにクラッチディスク３４０をフェースクラッチ３６０に回転可能に結合する。

ハウジング歯３２１および、ディスク歯３４１は、傾斜面と壁面とを含む。クラッチ歯３６１および、スプール歯３３１の傾斜面と同様に、ハウジング歯３２１および、ディスク歯３４１の傾斜面は、ノブ３０２が第１方向に回転している間に歯が互いに摺動することを可能にし、クラッチディスク３４０がハウジング３２０に対して第１方向に回転することを可能にする。ハウジング歯３２１および、ディスク歯３４１は、クラッチディスク３４０がハウジング３２０に対して反対（すなわち、第２）方向に回転するのを防止する。ハウジング歯３２１および、ディスク歯３４１の傾斜面は、ディスク歯３４１が軸方向に上方に摺動することを可能にし、クラッチディスク３４０がフェースクラッチ３６０の回転と共に回転するにつれてハウジング歯３２１上に偏向される。クラッチディスク３４０がフェースクラッチ３６０および、ノブ３０２と共に第１方向に回転するにつれて、クラッチディスク３４０上のディスク歯３４１はハウジング歯３２１の傾斜面上を摺動する。

ディスク歯３４１がハウジング歯３２１上を摺動するにつれて、クラッチディスク３４０はノブ３０２に向かって軸方向上方に駆動される。クラッチディスク３４０とノブ３０２との間に延びるように配置され配向されたクラッチディスク３４０上のカンチレバーアーム３４３は、クラッチディスク３４０が軸方向上向きに駆動されるにつれて軸方向下向きに偏向される。カンチレバーアーム３４３は、クラッチディスク３４０がハウジング３２０内で軸方向に移動すると、クラッチディスク３４０に下向きの付勢力を提供する。ディスク歯３４１がハウジング歯３２１の傾斜面上に摺動するにつれて、クラッチディスク３４０がノブ３０２に向かって上方に駆動されるとき、カンチレバーアーム３４３はノブ３０２の底面に対して曲がったり圧縮されて、反動または下向きの偏向力を生成する。ディスク歯３４１がハウジング歯３２１の上端に摺動すると、カンチレバーアーム３４３によって生成された反動力または付勢力がクラッチディスク３４０を再び下方に駆動し、ディスク歯３４１がハウジング歯３２１と再び係合する。フェースクラッチ３６０は、２つのコンポーネントの回転結合によってクラッチディスク３４０と共に第１方向に回転する。フェースクラッチ３６０は、２つのコンポーネントの結合によってスプール３３０の回転を第１方向に駆動する。このようにして、第１方向におけるノブ３０２の回転は、第１方向におけるスプール３３０の漸進的な回転を可能にし、これにより、スプール３３０に取り付けられた引張部材の漸進的な締め付けが可能になる。

スプール３３０に巻かれた引張部材の張力は、スプール３３０に第２方向（すなわち、緩め方向）に回転力またはトルクを加える。引張部材によって加えられる回転力によってスプール３３０が第２方向（すなわち、緩め方向）に回転するのを防ぐために、ディスク歯３４１はハウジング歯３２１と係合する。ハウジング歯３２１とディスク歯３４１の壁面との係合は、クラッチディスク３４０が第２方向（すなわち、緩め方向）に回転するのを防止する。クラッチディスク３４０はフェースクラッチ３６０に回転可能に結合されているので、ハウジング歯３２１とディスク歯３４１との係合はフェースクラッチ３６０の回転も防止する。引張部材によってスプール３３０に加えられる力またはトルクは、クラッチ歯３６１と係合するようにスプール歯３３１を駆動し、スプール３３０、フェースクラッチ３６０、クラッチディスク３４０、および、ハウジング３２０の回転結合によりスプール３３０が緩め方向に回転するのを防止する。換言すれば、クラッチディスク３４０がスプール３３０と作動可能に結合するので、クラッチディスク３４０が第２方向に回転することを防止する任意の力も同様に、スプール３３０が第２方向への回転することを防ぐ。このようにして、ディスク歯３４１がハウジング歯３２１に係合したときにスプール３３０が第２方向（すなわち、緩め方向）に回転することが防止される。

引張部材の漸進的な緩みを可能にするために、クロージャーシステム３００は、第２方向（すなわち、緩め方向）にスプール３３０を漸増的に回転させることを可能にするように構成される。前述のように、引張部材によって与えられる張力のために、反力またはトルクがスプール３３０に加えられる。スプール３３０が第２方向に回転することを可能にするために、ディスク歯３４１はハウジング歯３２１で一時的に係合解除されてもよい。ディスク歯３４１を係合解除するため、クラッチディスク３４０は、クラッチディスク３４０の底面３４６の半径方向内周に沿って配置された複数のランプ歯３４２を含む。ランプ歯３４２は、ノブコア３５０のランプアーム３５５に形成された対応するリセス３５６と係合する。リセス３５６は、各ランプ歯３４２の傾斜面を反映する傾斜面３５７を含み、ノブコア３５０がクラッチディスク３４０に対して第２方向に回転されるときにランプ歯３４２が傾斜面３５７の上に摺動することを可能にする。傾斜面３５７上へのランプ歯３４２の移動は、ディスク歯３４１がハウジング歯３２１から係合解除されることを可能にする。ノブ３０２が第２方向（すなわち、緩め方向）に回転すると、ノブ３０２とノブコア３５０の回転結合によってノブコア３５０も第２方向に回転する。クラッチディスク３４０とフェースクラッチ３６０はハウジング歯３２１と係合し、ハウジング３２０に回転可能に固定されるため、ノブ３０２とノブコア３５０が第２方向に回転し始めるときに、クラッチディスク３４０とフェースクラッチ３６０は静止状態を維持する。フェースクラッチ３６０上のリセス３６５の延長は、ノブコア３５０がいずれかのコンポーネントを回転させることなくフェースクラッチ３６０および、クラッチディスク３４０に対して回転することを可能にする。

第２方向へのノブ３０２の回転は、ノブコア３５０がフェースクラッチ３６０のリセス３６５内でノブ３０２と共に回転することを可能にする。クラッチディスク３４０に対するノブコア３５０の回転は、傾斜面３５７をクラッチディスク３４０上のランプ歯３４２と接触させて係合させる。第２方向へのノブ３０２のさらなる回転は、ランプ歯３４２が傾斜面３５７上を滑ることを可能にし、クラッチディスク３４０がノブコア３５０から離れるように軸方向上方に移動させる。クラッチディスク３４０が軸方向上向きに駆動されると、クラッチディスク３４０上のディスク歯３４１がハウジング歯３２１から軸方向に離れるように移動し、クラッチディスク３４０をハウジング３２０から係合解除させる。ディスク歯３４１がハウジング歯３２１から係合解除されると、クラッチディスク３４０および、フェースクラッチ３６０は、ノブ３０２および、ノブコア３５０と共に第２方向に回転することができる。クラッチディスク３４０および、フェースクラッチ３６０の第２方向への回転は、一般に引張部材によってスプール３３０に加えられるトルクまたは力によって引き起こされる。具体的には、ディスク歯３４１の一方がハウジング歯３２１から係合解除されると、スプール３３０はもはやハウジング３２０に回転ロックされないので、スプール３３０は引張部材によってスプール３３０に加えられるトルクまたは力のために第２方向に回転することができる。

スプール３３０の完全な緩みを防止し、スプール３３０の漸進的な緩みを提供するために、クラッチディスク３４０上に配置されたカンチレバーアーム３４３は、クラッチディスク３４０をノブコア３５０に向かって下向きに付勢する。引張部材によってスプール３３０に加わるトルクまたは力によってスプール３３０が第２方向に回転するにつれて、スプール３３０の回転によりノブコア３５０および、クラッチディスク３４０が第２方向に回転する。第２方向へのクラッチディスク３４０の回転は、ランプ歯３４２が傾斜面３５７との係合を超えて回転することを可能にし、これによりクラッチディスク３４０がノブコア３５０および、ハウジング３２０に対して軸方向下向きに移動できるようにする。カンチレバーアーム３４３は、クラッチディスク３４０がノブコア３５０および、ハウジング３２０に対して下方に移動するように力を加えるまたは付勢し、これはディスク歯３４１および、ハウジング歯３２１を再び係合することにつれて、スプール３３０をハウジング３２０に回転可能にロックし、これは第２方向へのスプール３３０のさらなる回転を拘束する。クラッチメカニズム３０１は、一般に、ディスク歯３４１とハウジング歯３２１との係合解除および、再係合が歯単位で発生するように構成される。このように、ディスク歯３４１とハウジング歯３２１の数を調整して緩みの程度を調整することができる。

いくつかの実施形態では、クロージャーシステム３００の漸進的な緩みの間に所望のレベルの抵抗を提供するために、抵抗部材３６７をフェースクラッチ３６０に追加することが望ましい場合がある。抵抗レベルは、スプール３３０の偶発的な漸進的緩みを除去または最小化するように選択することができる。たとえば、抵抗部材３６７を使用しない場合、ユーザが物体を通過するときにノブ３０２が物体と触れることができ、これはノブ３０２が第２方向（すなわち、緩め方向）に回転し、スプール３３０を漸進的に緩めることができる。抵抗部材３６７は、ノブ３０２が第２方向に回転することに抵抗することによって、偶発的な緩みを最小限に抑えることができる。第２方向へのノブ３０２の回転に抵抗するために、抵抗部材３６７がフェースクラッチ３６０からリセス３６５内に斜め半径方向に延びるように、抵抗部材３６７はフェースクラッチ３６０のリセス３６５内に配置することができる。抵抗部材３６７は、フェースクラッチ３６０がノブコア３５０に対して第２方向（すなわち、緩め方向）に回転するにつれて、ノブコア３５０のランプアーム３５５の下面で半径方向に傾斜した面と係合することができる。フェースクラッチ３６０がノブコア３５０に対して第２方向に回転するにつれて、抵抗部材３６７は、ランプアーム３５５の半径方向に傾いた傾斜面によって、半径方向内側に曲げられるかまたは偏向され得る。抵抗部材３６７の内側の屈曲または偏向は、第２方向へのフェースクラッチ３６０の回転とは反対側のわずかな偏向力を提供する。したがって、抵抗部材３６７は、ノブコア３５０に対して第２方向におけるフェースクラッチ３６０の回転に抵抗し、次に第２方向におけるノブ３０２の回転に抵抗する抵抗力を提供する。この抵抗力は、クロージャーシステム３００の偶発的な緩みを最小化または防止する。抵抗力は、ユーザによって開始された緩みが実質的に影響を受けない一方、偶発的な緩みが防止されるように選択または設定することができる。

スプール３３０が引張部材の端部を通り抜けて巻き戻され、引張部材が間違った方向に中央チャネル３３３の周りに巻かれることを防ぐために、結合コンポーネント３１０は、中央ボス３１２の周りに円周方向に配置された複数の歯３１５を含む。複数の歯３１５は、スプール３３０の底面に位置する複数の底歯３３２と係合するように構成される。複数の歯３１５は、本明細書に記載されたスプール係合機構１３８と同様に機能し、引張部材が中央チャネル３３３から排出されるとき、スプール３３０はハウジング３２０内で軸方向下向きに移動し、底部歯３３２は結合コンポーネントの複数の歯３１５と係合する。２つ組の歯の係合が、スプール３３０が第２方向に回転することを防止することによって、引張部材の端部を通過してスプール３３０が巻き戻されることを防止する。

次に、リール式クロージャー装置またはシステム４００（以下、「クロージャーシステム４００」）の分解斜視図を示す図４Ａおよび、４Ｂを参照する。クロージャーシステム４００は、ユーザによって把持され回転するように設計されたリールまたはノブ（以下「ノブ４０２」）などの締め付けコンポーネント４０２を含む。ノブ４０２は、クロージャーシステム４００に対してユーザが容易にアクセスできるように配置されている。ノブ４０２は上面から見て円形の輪郭または形状を有するように例示されているが、六角形、八角形、三角形などのような他の様々なノブの形状または構成を採用できる。ノブ４０２は、ハウジングまたはハウジングコンポーネント４２０（以下、「ハウジング４２０」）に取り付けられ、順番にハウジングベース部材またはベイオネット(ｂａｙｏｎｅｔ)４１０（以下、「ハウジングベース４１０」）に取外し可能に取り付けられる。ハウジングベース４１０は、物品の締め付けまたは位置合わせを調整するためのクロージャーシステム４００を使用する物品（たとえば、靴、ブーツなど）に取り付けられるように構成される。たとえば、ハウジングベース４１０は、ステッチング、接着、接着接合、溶接（ＲＦ、超音波など）、または他の方法で物品に取り付けることができるフランジ（図示せず）を含むことができる。いくつかの例では、ハウジングベース４１０またはフランジは、クロージャーシステム４００を使用する物品にインサートモールディングされてもよい。

ハウジング４２０は、クロージャーシステム４００が組み立てられたときにクロージャーシステム４００の１つまたは複数のコンポーネントが配置される内部領域を含む。クロージャーシステム４００の１つ以上のコンポーネントが図４Ａおよび、４Ｂの分解斜視図に示されている。このようなコンポーネントは、システムが組み立てられるときにクロージャーシステム４００のハウジング４２０内に収容または含まれる。したがって、クロージャーシステム４００が組み立てられると、１つまたは複数のコンポーネントは一般に見えない。そのようなコンポーネントは、スプールコンポーネント４３０（以下「スプール４３０」）、ばねコンポーネント４４０、および、クラッチディスク４５０を含む。

スプール４３０は、ハウジング４２０の内側領域内に回転可能に配置され、引張部材を引っ張って物品を締め付けるために引張部材（図示せず）がスプール４３０の周りに巻かれるように構成される。スプール４３０は、ハウジング４２０の内側領域内で無視できる摩擦または抗力でスプール４３０が旋回または回転することができるように、ハウジングベース４１０上に軸方向に配置される。スプール４３０はノブ４０２と作動可能に結合されている。ノブ４０２の底面に配置され、スプール４３０に向かって軸方向に配向された複数の駆動カム４０４は、スプール４３０上の複数の駆動リセス４３４と作動可能に結合され、係合する。複数の駆動リセス４３４はスプール４３０の上面に配置され、軸方向にノブ４０２に向かって配向される。駆動カム４０４は、回転力またはトルクをノブ４０２からスプール４３０に伝達するように駆動リセス４３４に係合するように構成され、駆動カム４０４は駆動リセス４３４と係合すると、ノブ４０２の回転するにつれてノブ４０２はスプール４３０を駆動または回転させる。駆動リセス４３４は、スプール４３０と係合することなく駆動リセス４３４内で駆動カム４０４の移動を可能にするように延びている。たとえば、駆動カム４０４は、スプール４３０を回転させるために駆動リセス４３４と係合することなく、ノブ４０２と共に部分的に回転することができる。

スプール４３０はまた、クラッチディスク４５０と作動可能に結合される。クラッチディスク４５０は軸方向にスプール４３０上にあり、ノブ４０２とばねコンポーネント４４０との間に配置される。クラッチディスク４５０は、スプール４３０の上面の駆動リセス４３４の周囲に半径方向に位置する複数のスプールスプライン４３１（以下「スプールスプライン４３１」）と係合するように構成され、複数の半径方向に配向されたスプライン４５２（以下「スプライン４５２」）を含む。クラッチディスク４５０上のスプライン４５２は、スプール４３０および、クラッチディスク４５０が単一のコンポーネントとして機能するように、スプール４３０上のスプールスプライン４３１と連動するように構成される。スプールスプライン４３１は、スプール４３０が駆動されるように、すなわちスプール４３０が回転するときにクラッチディスク４５０を回転させるようにスプライン４５２と係合する。スプール４３０とノブ４０２との結合とは異なり、スプライン４５２とスプールスプライン４３１は、スプール４３０の任意の回転がクラッチディスク４５０に伝達されてクラッチディスク４５０を回転させ、その逆も成立するように係合する。換言すれば、クラッチディスク４５０および、スプール４３０のいずれも、スプライン４５２および、スプールスプライン４３１のために延長されたリセスを含まず、他のコンポーネントに回転力またはトルクを伝達せずにいずれかのコンポーネントの回転を可能にさせる。前述のように、ノブ４０２の駆動カム４０４がスプール４３０の駆動リセス４３４と係合するとき、ノブ４０２の回転と共にスプール４３０を駆動するようにノブ４０２がスプール４３０と作動可能に結合される。したがって、クラッチディスク４５０とスプール４３０との間の結合のために、ノブ４０２がスプール４３０と係合したときのノブ４０２の回転もスプール４３０を通じてクラッチディスク４５０を回転させる。

クラッチディスク４５０は、ハウジング４２０にラチェット方式で作動可能に結合され、スプール４３０が締め付け方向に回転することを可能にしながら、スプール４３０が緩め方向に回転することを防止する。上面でクラッチディスク４５０の軸方向周りに配置され、ノブ４０２に向かって配向された複数のクラッチ歯４５１は、ハウジング４２０に配置された複数のハウジング歯４２１と係合するように構成される。複数のハウジング歯４２１は、ハウジング４２０の内側領域内に円周方向に配置され、クラッチディスク４５０のクラッチ歯４５１と係合するように半径方向下向きに配置されている。クラッチ歯４５１および、ハウジング歯４２１は、ハウジング４２０の内側領域内でスプール４３０を一方向に回転させるラチェットメカニズムとして機能する。一方向のラチェットメカニズムを提供するために、クラッチ歯４５１は、クラッチ歯４５１がハウジング歯４２１に関して本考察では時計回りの締め付け方向に回転するので、ノブ４０２に対して半径方向下向きに偏向するように構成される。他の場合、締め付け方向は反時計回りであり得る。クラッチ歯４５１は、各歯の間に傾斜面および、壁面を形成するように軸方向上方に付勢され、ハウジング歯４２１に対する相補歯を形成する。したがって、ノブ４０２の締め付け方向への回転によってクラッチディスク４５０がスプール４３０と共に回転するにつれて、クラッチ歯４５１はハウジング歯４２１の相補傾斜面上を摺動し、ハウジング歯４２１とクラッチ歯４５１の両方の傾斜の特性により下方に押される。クラッチ歯４５１の傾斜面のピークがハウジング歯４２１の傾斜面の頂点に達すると、クラッチディスクがばねコンポーネント４４０によって後方に押し出され、クラッチ歯４５１がハウジング歯４２１と再び係合する。クラッチディスク４５０とクラッチ歯４５１がハウジング歯４２１に対して回転すると、ノブ４０２が締め付け方向に漸進的に回転し、クラッチ歯４５１がハウジング歯４２１上に偏向し、ハウジング歯４２１と「素早く」再係合することにより、「カチッ」という音が聞こえる。

前述のように、ハウジング歯４２１とクラッチ歯４５１との係合は、クロージャーシステム４００が漸増的に締め付けられるようにスプール４３０の一方向ラチェットを提供する。締め付け方向へのスプール４３０の一方向ラチェットは、スプール４３０の増分回転を可能にし、スプール４３０を中心に引張部材を締め付ける一方、緩め方向（すなわち、締め付け方向とは反対方向）へのスプール４３０の回転を防止する。クラッチ歯４５１がハウジング歯４２１に係合すると、クラッチディスク４５０が緩め方向（すなわち、反時計回り方向）に回転することが防止される。ハウジング４２０は、ノブ４０２、スプール４３０、クラッチディスク４５０に対して固定されているため、クラッチ歯４５１に緩め方向（すなわち、反時計回り方向）への力が加わると、ハウジング歯４２１が緩め方向にクラッチディスク４５０の回転を防止するクラッチ歯４５１と係合する。引張部材は、スプール４３０に緩め方向に張力を加え、クラッチディスク４５０に緩め方向に張力を加える。したがって、ノブ４０２が回転等の動作をしない停止状態において、クラッチディスク４５０はハウジング４２０に係合し、スプール４３０が緩め方向に回転することを防止する。

クラッチ歯４５１をハウジング歯４２１から係合解除してスプール４３０が緩め方向に回転するようにし、引張部材を緩める（巻き戻す）ために、ノブ４０２は複数のランプ（ｒａｍｐｓ）４０３（以下、「ランプ４０３」）を含む。ランプ４０３はノブ４０２の底面に配置され、クラッチディスク４５０に向かって軸方向に配向される。ランプ４０３は、ノブ４０２が緩め方向に回転すると、クラッチディスク４５０の上面に位置する複数のクラッチランプ４５３（以下、「クラッチランプ４５３」）と作動可能に係合する。クラッチランプ４５３は、クラッチディスク４５０の表面からノブ４０２に向かって軸方向上方に延びる。クラッチランプ４５３は、ノブ４０２のランプ４０３を補完する傾斜面を生成するように軸方向上方に付勢される。ハウジング４２０からスプール４３０を分離してスプール４３０が緩め方向に回転することを可能にするために、ノブ４０２が緩め方向に回転すると、ノブ４０２のランプ４０３がクラッチディスク４５０をノブ４０２に対して下方に駆動する。ノブ４０２が回転すると、ランプ４０３はクラッチランプ４５３の傾斜面上を摺動してクラッチランプ４５３をノブ４０２から離れるように下方に押し出す。クラッチディスク４５０がクラッチランプ４５３の上を摺動するランプ４０３によってノブ４０２から離れて下方に駆動されると、クラッチ歯４５１はハウジング歯４２１から係合解除され、クラッチディスク４５０が回転できるようにする。クラッチディスク４５０はスプール４３０と作動可能に結合するため、クラッチディスク４５０が緩め方向に回転可能になると、スプール４３０に加わる張力によりスプール４３０が緩め方向に回転することになる。

前述のように、駆動リセス４３４は、スプール４３０と係合することなく駆動リセス４３４内で駆動カム４０４の移動を可能にするように延びる。駆動リセスの延長は、ノブ４０２がクラッチディスク４５０と係合することなく緩め方向に回転することを可能にする。これにより、ノブ４０２がクラッチディスク４５０によって妨げられることなく緩め方向に回転することができる。クラッチディスク４５０が緩め方向にスプール４３０に力が加えられるたびにクラッチ歯４５１がハウジング歯４２１と係合するため、駆動リセス４３４の延長なしにクラッチディスク４５０によってノブ４０２が緩め方向に回転することが防止される。

クロージャーシステム４００が完全に緩むことを防ぎ、クロージャーシステム４００の漸進的な緩みを可能にするために、ばねコンポーネント４４０は、クラッチディスク４５０とスプール４３０との間に軸方向に配置される。ばねコンポーネント４４０は軸方向上方および、下方に付勢されてクラッチディスク４５０に軸方向上方力を提供する。ばねコンポーネント４４０は、クラッチディスク４５０をハウジング４２０内の軸方向に上昇した位置に保持または維持する。軸方向上昇位置でクラッチ歯４５１はハウジング歯４２１と係合し、スプール４３０が緩め方向に回転するのを防止する。ノブ４０２が緩め方向に回転すると、ノブ４０２のランプ４０３はクラッチディスク４５０を駆動してばねコンポーネント４４０を押し、ばねコンポーネント４４０を圧縮する。ランプ４０３がクラッチランプ４５３を通過した後、ばねコンポーネント４４０を圧縮することによって発生した反動力は、クラッチディスク４５０をノブ４０２に向かって軸方向上方に駆動してクラッチ歯４５１をハウジング歯４２１と再び係合させる。このようにして、スプール４３０は緩め方向に漸増的に回転することが可能になる。

ここで図５Ａおよび、５Ｂを参照すると、紐締めシステム５００の分解斜視図が示されている。紐締めシステム５００は、ユーザが把持して回転させるように設計されたノブ５０２を含む。ノブ５０２は、紐締めシステム５００だけでなく、紐締めシステム５００が取り付けられた特定の物品に対して、特定の物品のユーザが容易にアクセスできるように位置が設定される。ノブ５０２は上面から見て円筒形の輪郭または形状を有するように例示されているが、六角形、八角形、三角形などのような他の様々な形状または構成を採用することができる。さらに、ノブ５０２は、ノブ５０２を握ってトルクを適用（回し／回転）することを容易にするローレット（ｋｎｕｒｌ）または隆起特性などの表面特性を含み得る。

ボタン５０４は、ノブ５０２のキャビティ５０６内に配置される。ノブ５０２を時計方向に回転させる間、接続点５１０でスプール５０８に取り付けられた紐（図示せず）がスプール５０８の周りを包み、それによって紐締めシステム５００が取り付けられた物品に対して紐を締める。後述するように、紐締めシステム５００の動作は、ボタン５０４が押されない限り、スプール５０８が反時計回りに回転して緩むことを防止する。したがって、ノブ５０２を時計方向に回転させて紐を締めることは、「ラチェット」方式で作用し、紐が意図せず緩むことを防止する。しかしながら、ボタン５０４が押されると、紐が紐締めシステム５００から引き出され、スプール５０８が緩み、それにより紐システム５００が取り付けられている特定の物品に対して紐が緩むことができる。

紐締めシステム５００の動作をさらに説明するために、ノブ５０２は下部ノブ歯５１２と上部ノブ歯５１４とを含む。下部ノブ歯５１２は環状区画上に配置され、軸方向下向きに配向される。上部ノブ歯５１４も環状区画上に配置されているが、軸方向上方に延びる。上部ノブ歯５１４は、示されるように傾斜した輪郭を有することができる。

紐締めシステム５００はハウジング５１６をさらに含む。ハウジング５１６は、紐締めシステム５００の１つ以上のコンポーネントが配置される内部領域を含む。ハウジング５１６は、ハウジング５１６がベースコンポーネント５１８に対して回転しないようにベースコンポーネント５１８に取り付けられるように構成される。これは、ベースコンポーネント５１８上のタブ５２０とハウジング５１６上のキャビティ５２２とを相互ロックすることによって達成することができる。ベースコンポーネント５１８は、当技術分野で知られている任意の手段によって特定の物品に取り付けられるように構成され、紐締めシステム５００を特定の物品に接続する。ハウジング５１６の周辺付近の第１リッジ５２４は、ノブ５０２がハウジング５１６に対して回転できるように、ノブ５０２の周囲の内側の第２リッジ５２６と回転可能に結合するように構成されるが、したがって、ノブ５０２はハウジング５１６から垂直に離れて容易に取り外すことはできない。

ハウジング５１６の内側領域は、環状区画から軸方向上方に延びるハウジング歯５２８を含む。ハウジング歯５２８は、モールディングプロセス中に形成することができ、またはモールディング後にハウジング５１６に切断することができる。結合リング５３０は、ハウジング５１６の内側領域内に収容される。結合リング５３０は、結合リング５３０の外周面から軸方向下方に延びる結合歯５３２を含む。ハウジング歯５２８は、後述するようにスプール５０８の一方向回転を可能にするために結合歯５３２と係合するように構成される。

具体的には、ハウジング歯５２８および、結合歯５３２は、図示されているように、互いに対して反対方向に傾斜またはテーパーになる。ハウジング歯５２８と結合歯５３２との反対配向は、結合リング５３０がハウジング５１６に対して時計回りに回転することを可能にしながら、結合リング５３０がハウジング５１６に対して反時計回りに回転することを不可能とする（すなわち、反時計回りへの回転の試みは、ハウジング歯５２８に対して結合歯５３２を「固定」する）。

ハウジング歯５２８の数および、間隔は、紐締めシステム５００によって達成することができる増分量または締め付けの程度を制御する。歯の特定の数と間隔は、紐締めシステムの意図された用途または目的に合わせて設計することができる。様々な実施形態では、ハウジング歯５２８および、結合歯５３２はそれぞれ２０～４０個の歯を含むことができる。

ノブ５０２はまた、合リング５３０がノブ５０２に回転可能にロックまたは固定されるように結合リング５３０のスプライン歯５３６と係合するスプラインレシーバ５３４を含む。したがって、いずれかの方向へのノブ５０２の回転は、ハウジング５１６の内側領域内で結合リング５３０の対応する回転を引き起こすことを少なくとも試みるであろう。前述したように、ハウジング歯５２８と結合歯５３２とのラチェット係合により、結合リング５３０は、ノブ５０２が緩め方向（紐が緩め方向）に回転することを防止しながらノブ５０２が時計方向（紐が締め付けられる方向）に回転することを可能にする。

結合リング５３０は、結合リング５３０の上面に形成された環状チャネル５３８をさらに含む。環状チャネル５３８は、環状チャネル５３８とノブ５０２の内面と接触する圧縮ばね（図示せず）を受け入れ、ばねがノブ５０２と結合リング５３０との間で圧縮されるようにする。このばねは、ノブ５０２と結合リング５３０とを軸方向に離間するように付勢する。このようにして、結合リング５３０に下向きの力が加えられ、これは結合歯５３２をハウジング歯５２８と係合するように付勢する。

スプール５０８は、スプール５０８が内部で回転できるように、ハウジング５１６の内側領域内に回転可能に配置される。スプール５０８は、スプール５０８の中央アパーチャ内に配置された環状リムから軸方向下方に延びるスプール歯５４０を含む。

紐締めシステム５００は、下部クラッチコンポーネント５４２、上部クラッチコンポーネント５４４、回転制限器５４６、および、ボタン５０４をさらに含む。下部クラッチコンポーネント５４２および、上部クラッチコンポーネント５４４は、紐締めシステム５００が組み立てられるときにハウジング５１６内に含まれる。

上部クラッチコンポーネント５４４は、上部クラッチコンポーネント５４４の半径方向延長リップから軸方向上方に延びる上部クラッチ歯５４８を含む。上部クラッチコンポーネント５４４はまた、上部クラッチコンポーネント５４４を通じて軸方向に延びるキーチャネル５５０を含む。キーチャネル５５０は、上部クラッチコンポーネント５４４の底面から見て十字形を有するように示されているが、他の様々な形状または構成を採用することができる。

下部クラッチコンポーネント５４２は、下部クラッチコンポーネント５４２の上面から上昇した、下部クラッチ歯５５２および、下部クラッチコンポーネント５４２の底面から上昇したブレーキ歯５５４とを含む。下部クラッチコンポーネント５４２は、下部クラッチコンポーネント５４２の上面から延びるキー５５６から構成される。キー５５６は、下部クラッチコンポーネント５４２の上面から見て十字形を有するように示されているが、上部クラッチコンポーネント５４４のキーチャネル５５０と一致するように、他の様々な形状または構成が採用できる。

回転制限器５４６は、回転制限器５４６の水平部分を通って延びる内部キャビティ５５８を含む。回転制限器５４６はまた、回転制限器５４６の底部から離れる方向に延びる回転制限器歯５６０を含む。回転制限器５４６はまた、回転制限器５４６の底部中心から離れて延びるシャフト５６２を含む。圧縮ばね（図示せず）は、回転制限器５４６とノブ５０２との間に配置され、回転制限器５４６および、回転制限器５４６に軸方向に拘束されたすべてのコンポーネントを上方に付勢する。これはボタン５０４が上向きに付勢される結果をもたらす。回転制限器５４６が上方に付勢されると、回転制限器歯５６０は上部ノブ歯５１４とインターフェースしない。

ボタン５０４は、ボタン５０４の底面から延びる軸５６４を含む。いくつかの実施形態では、車軸５６４は、底面から見たときに形状が円形であり、ボタン５０４の水平面部分の中心に配置される。ボタン５０４は、前述のようにユーザが押すように設計されている。ボタン５０４は回転制限器５４６に軸方向に固定されているので、ボタン５０４を押すと回転制限器５４６が移動する。

ボタン５０４の軸５６４は、回転制限器５４６の内部キャビティ５５８を通って延びる。いくつかの実施形態では、回転制限器５４６の上面はボタン５０４の下面と接触する。いくつかの実施形態では、ボタン５０４および、回転制限器５４６は互いに対して回転することができる。ボタン５０４と回転制限器５４６は軸方向に固定され、すなわち、それらは軸５６４の軸に沿って固定された距離にあるが、互いに対して自由に回転することができる。ボタン５０４は、ユーザがボタン５０４に容易にアクセスできるようにノブ５０２の中央に配置されている。いくつかの実施形態では、ボタン５０４が押されない時、ノブ５０２の上面はボタン５０４の上面と同じ高さである。

回転制限器５４６は、ノブ５０２のキャビティ５０６に収容される。回転制限器歯５６０と上部ノブ歯５１４の傾斜配向は互いに等しい。このようにして、上部ノブ歯５１４が回転制限器歯５６０と係合するときに、回転制限器５４６がノブに対して反時計回りに回転すると、回転制限器歯５６０の傾斜部分は、回転制限器５４６が上部ノブ歯５１４上を摺動することを可能にする。このようにして、回転力またはトルクがノブ５０２に対して反時計回り／緩め方向で回転制限器５４６に作用するとき、上部ノブ歯５１４と回転制限器歯５６０との係合は回転制限器５４６に上向きの力を生成する。ボタン５０４が押されないとき、回転制限器５４６の回転制限器歯５６０は上部ノブ歯５１４の上にあり、回転制限器歯５６０はノブ５０２の上部ノブ歯５１４とは係合することができない。

上部クラッチコンポーネント５４４はキーレシーバ５６６から構成される。キーレシーバ５６６は、上部クラッチコンポーネント５４４と回転制限器５４６とが互いに対して回転しないように、回転制限器５４６のシャフト５６２の底面上のキー５６８に成形される。キーレシーバ５６６はまた、上部クラッチコンポーネント５４４とボタン５０４が軸方向に結合するようにボタン５０４の軸５６４を受け入れるように形成される。いくつかの実施形態では、上部クラッチコンポーネント５４４はボタン５０４に対して回転する。

紐締めシステム５００の作動中にボタン５０４が押されない間、上部クラッチ歯５４８はノブ５０２の下部ノブ歯５１２と係合する。上部クラッチ歯５４８が下部ノブ歯５１２と係合すると、上部クラッチコンポーネント５４４はノブ５０２に対して緩め方向に回転することが禁止される。同様に、前述したように、結合リング５３０によってノブ５０２が抑制されるため、上部クラッチコンポーネント５４４もまたハウジング５１６に対して緩め方向に回転することが抑制される。一方、ボタン５０４が押されていないとき、下部クラッチ歯５５２はスプール歯５４０と係合し、それによってノブ５０２の時計回り回転は上部クラッチコンポーネント５４４および、下部クラッチコンポーネント５４２、結果的にスプール５０８の回転が引き起こされ、スプール５０８の周りに紐が締め付けられるようにする。

上部クラッチコンポーネント５４４のキーチャネル５５０は、キー５５６がスプール５０８の水平面円形部分の中央アパーチャを通って延びてキーチャネル５５０内に固定されるように、下部クラッチコンポーネント５４２のキー５５６に対応するように形成される。このようにして、下部クラッチコンポーネント５４２は上部クラッチコンポーネント５４４に対して回転せず、上部クラッチコンポーネント５４４に対して軸方向に自由に移動する。キー５５６および、キーチャネル５５０は、下部クラッチコンポーネント５４２に対する上部クラッチコンポーネント５４４の軸方向移動を可能にするように構成される。キー５５６がキーチャネル５５０の内に完全に挿入されると、下部クラッチコンポーネント５４２の上面は上部クラッチコンポーネント５４４の下面と係合する。そのような係合中に、下部クラッチコンポーネント５４２は上部クラッチコンポーネント５４４に上向きの軸方向力を伝達し、上部クラッチコンポーネント５４４は下部クラッチコンポーネント５４２に下向きの軸方向力を伝達する。

紐締めシステム５００のいくつかの動作中、下部クラッチ歯５５２はスプール５０８のスプール歯５４０と係合する。下部クラッチ歯５５２がスプール歯５４０と係合すると、スプール５０８は下部クラッチコンポーネント５４２に対して緩め方向に回転することが禁止される。同様に、スプール５０８はまた、下部クラッチコンポーネント５４２が上部クラッチコンポーネント５４４と回転するように固定されるので、上部クラッチコンポーネント５４４に対して緩め方向に回転することは禁止される。

紐締めシステム５００の一部の動作中、下部クラッチ歯５５２はスプール５０８のスプール歯５４０と係合する一方、上部クラッチ歯５４８はノブ５０２の下部ノブ歯５１２と係合する。このようにして、スプール５０８は、ノブ５０２に対して緩め方向に回転が禁止された上部クラッチコンポーネント５４４と共に回転するように固定された下部クラッチコンポーネント５４２に対して緩め方向に回転することが禁止されるため、スプール５０８はノブ５０２に対して緩め方向に回転することが禁止される。したがって、スプール５０８がノブ５０２に対して緩め方向に回転することが禁止されると、締め付け方向へのノブ５０２の動作はスプール５０８を締め付け方向に回転させる。スプール５０８が締め付け方向に回転すると、スプール５０８に紐が巻かれて紐に張力を発生させ、物品を締め付ける。

紐の張力は、緩め方向にスプール５０８に回転力またはトルクを発生させる。スプール歯５４０が下部クラッチ歯５５２と係合すると、緩め方向のスプール５０８上の回転力またはトルクは、緩め方向の下部クラッチコンポーネント５４２上の回転力またはトルクを引き起こす。上部クラッチコンポーネント５４４のキーチャネル５５０の内に収容されたキー５５６は、下部クラッチコンポーネント５４２に回転力またはトルクがある時に、上部クラッチコンポーネント５４４に回転力またはトルクをもたらす。上部クラッチ歯５４８が下部ノブ歯５１２と係合すると、緩め方向の上部クラッチコンポーネント５４４上の回転力またはトルクは、緩め方向にノブ５０２に回転力またはトルクをもたらす。上部クラッチ歯５４８が下部ノブ歯５１２と係合しないとき、回転制限器５４６と共に回転するように締結されたキーレシーバ５６６は、上部クラッチコンポーネント５４４に回転力またはトルクがあるとき回転制限器５４６に回転力またはトルクを発生させる。

締め付け位置でノブ５０２を回すと、紐締めシステムの張力が増加する。ノブ５０２を回すと、下部ノブ歯５１２と上部クラッチ歯５４８との係合によって上部クラッチコンポーネント５４４が回転する。上部クラッチコンポーネント５４４は、係合時に上部クラッチコンポーネント５４４に対する下部クラッチコンポーネント５４２の軸方向回転を防止するキーレシーバ５６６とキー５５６との相互作用のため、下部クラッチコンポーネント５４２を同時に回転させる。下部クラッチコンポーネント５４２が回転すると、下部クラッチ歯５５２はスプール歯５４０と係合してスプール５０８を回転させる。トルクまたは回転力を維持して紐締めシステム５００内で負荷を維持するために、ノブのスプラインレシーバ５３４および、スプライン歯５３６は、ノブ５０２が回転するにつれて結合リング５３０を回転させる。結合リング５３０が回転すると、結合歯５３２はハウジング歯５２８を通って摺動する。結合歯５３２は、ハウジング歯５２８および、結合歯５３２の傾斜面の方向によって、ハウジング歯５２８を通過して摺動する。締め付け方向において、ハウジング歯５２８と結合歯５３２の傾斜面は、互いに対して摺動し、ハウジング歯５２８と結合歯５３２が互いに摺動するまで結合リング５３０とハウジング５１６間の距離を増加させる。ハウジング歯５２８と結合歯５３２の垂直面は、紐締めシステム５００に力が加えられる時に荷重支持配置で互いに当接する。結合リングとノブ５０２との間の圧縮ばね（図示せず）は、結合歯５３２とハウジング歯５２８が係合することを確実にするために、ノブ５０２から離れてハウジング５１６に向かう方向で結合リング５３０に圧力を加える。

紐締めシステム５００は、漸進的な緩み配置と連続した緩み配置とを含む。漸進的な緩み配置で、ボタン５０４はノブ５０２に向かって下方に第１距離だけ押し下げられる。回転制限器５４６がボタン５０４に軸方向に結合されるため、ボタン５０４の軸方向移動は回転制限器５４６がノブ５０２内への軸方向下方移動をもたらす。回転制限器５４６の軸方向下方移動は、上部クラッチコンポーネント５４４も軸方向に移動させる。上部クラッチコンポーネント５４４の軸方向下方移動は、下部ノブ歯５１２を上部クラッチ歯５４８から係合解除することを可能にする。上部クラッチ歯５４８と下部ノブ歯５１２が係合解除されると、上部クラッチコンポーネント５４４、回転制限器５４６、下部クラッチコンポーネント５４２、および、スプール５０８は、回転制限器歯５６０が上部ノブ歯５１４と接触するまで、紐締めシステム５００のトルクにより一緒に回転する。回転制限器歯５６０の傾斜形状および、張力の下で上部ノブ歯５１４との接触は、紐締めシステム５００の張力のために、回転制限器５４６をボタン５０４の初期押圧の逆方向、すなわち軸方向上方に移動させる。回転制限器５４６は軸方向に上方に移動し、それが結合された上部クラッチコンポーネント５４４が上部クラッチ歯５４８および、下部ノブ歯５１２を通ってノブ５０２と接触して係合するようにする。上部クラッチコンポーネント５４４が軸方向下向き方向にわずかな距離だけ移動すると、上部クラッチコンポーネント５４４の底面は下部クラッチコンポーネント５４２の上面と接触しない。したがって、上部クラッチコンポーネント５４４に対する下向きの力は、上部クラッチコンポーネント５４４から下部クラッチコンポーネント５４２に伝達されない。したがって、下部クラッチコンポーネント５４２は軸方向に移動せず、下部クラッチ歯５５２はスプール歯５４０と係合した状態を維持する。

漸進的な緩み配置をさらに参照すると、上部クラッチコンポーネント５４４が部分的な軸方向距離だけノブ５０２から離れてスプール５０８に向かって移動するとき、上部クラッチ歯５４８は５１２から係合解除される。したがって、上部クラッチコンポーネント５４４は、ノブ５０２に対して緩め方向に回転することを禁止しない。紐によって生成されて上部クラッチコンポーネント５４４に伝達される回転力またはトルクは、前述したように、上部クラッチコンポーネント５４４をノブ５０２に対して緩め方向に回転させる。上部クラッチコンポーネント５４４の回転は、回転制限器５４６が上部クラッチコンポーネント５４４と共に回転するように固定されるため、回転制限器５４６を同じ方向に回転させる。ノブ５０２に対して緩め方向に回転制限器５４６が回転すると、回転制限器歯５６０は上部ノブ歯５１４と係合する。上部クラッチコンポーネント５４４からの回転力またはトルクが回転制限器５４６に作用し、回転制限器歯５６０が上部ノブ歯５１４に対して緩め方向に回転するので、回転制限器歯５６０と上部ノブ歯５１４との一致する傾斜方向は、回転制限器５４６に上向きの力を生成する。したがって、回転制限器５４６は、ノブ５０２から上方に部分的な軸方向距離だけ移動する。ボタン５０４は回転制限器５４６に軸方向に結合されているので、ボタン５０４は部分的な軸方向距離だけノブ５０２から離れるように上方に移動する。上部クラッチコンポーネント５４４は回転制限器５４６に軸方向に結合するので、上部クラッチコンポーネント５４４はノブ５０２に向かって部分的な軸方向距離まで上へ、そしてスプール５０８から離れるように移動する。上部クラッチコンポーネント５４４が部分的な軸方向距離だけノブ５０２に向かって上方に移動すると、上部クラッチ歯５４８は下部ノブ歯５１２と係合し、上部クラッチコンポーネント５４４がノブ５０２に対して緩め方向に回転することを禁止する。回転制限器５４６、下部クラッチコンポーネント５４２、および、スプール５０８は、同様にノブ５０２に対して緩め方向に回転することを禁止される。

連続的な緩み配置では、ボタン５０４はノブ５０２内の全距離、すなわち可能な限り押し下げることができる。回転制限器５４６がボタン５０４に軸方向に接続されているため、ボタン５０４の全体的な軸方向移動は、回転制限器５４６がノブ５０２に向かって下方への全体的な軸方向移動をもたらす。回転制限器５４６の全軸方向の下方移動は、回転制限器歯５６０が上部ノブ歯５１４と係合することを可能にする。フックされた端部を有する回転制限器歯５６０は、上部ノブ歯と係合し、一緒にフックされる。ボタン５０４は、ベースコンポーネント５１８と下部クラッチコンポーネント５４２との間の圧縮ばねによって、連続的な緩み配置になった後にノブ５０２が回転したとき、再び係合するか、または荷重支持位置に戻る。上部クラッチコンポーネント５４４が回転制限器５４６に軸方向に結合するので、回転制限器５４６の全体的な軸方向移動は、上部クラッチコンポーネント５４４がノブ５０２から離れ、スプール５０８に向かって下向きに全軸方向に移動する。上部クラッチコンポーネント５４４がノブ５０２から全軸方向の距離だけ離れると、上部クラッチ歯５４８が下部ノブ歯５１２から係合解除され、上部クラッチコンポーネント５４４がノブ５０２に対して緩め方向に回転できるようにする。

連続的な緩み配置をさらに参照すると、上部クラッチコンポーネント５４４がノブ５０２から軸方向に全距離移動するとき、上部クラッチコンポーネント５４４の底面は下部クラッチコンポーネント５４２の上側の表面と接触する。したがって、上部クラッチコンポーネント５４４の下向き力は、上部クラッチコンポーネント５４４から下部クラッチコンポーネント５４２に伝達され、下部クラッチコンポーネント５４２はスプール５０８から離れるように軸方向下向きに移動される。したがって、下部クラッチ歯５５２はスプール歯５４０から係合解除され、スプール５０８が下部クラッチコンポーネント５４２に対して、および、紐締めシステム５００の全部材に対して回転することを可能にする。このようにして、紐によって発生した回転力またはトルクは、スプール５０８が紐締めシステム５００の全部材に対して緩め方向に回転することを可能にする。

連続的な緩み配置をさらに参照すると、前述したように、下部クラッチコンポーネント５４２が軸方向下向きに移動すると、ブレーキ歯５５４は圧縮ばねを通ってベース歯５７０と係合し、ベースコンポーネント５１８と下部クラッチコンポーネント５４２との間の回転運動を防止する。したがって、下部クラッチコンポーネント５４２の回転は禁止される。したがって、上部クラッチコンポーネント５４４が下部クラッチコンポーネント５４２と共に回転するように固定され、回転制限器５４６が上部クラッチコンポーネント５４４と共に回転するように固定されるので、回転制限器５４６の回転が禁止されるため、上部クラッチコンポーネント５４４の回転は禁止される。

連続的な緩み配置をさらに参照すると、回転制限器５４６がノブ５０２に向かって全軸方向の距離だけ移動すると、回転制限器歯５６０の下部がノブ５０２の内面と係合する。この係合は、回転制限器５４６がノブ５０２から離れる方向に上方に移動するのを防止する。上部クラッチコンポーネント５４４が回転制限器５４６に軸方向に結合されるので、上部クラッチコンポーネント５４４はまた、ノブ５０２に向かってスプール５０８から離れる軸方向上向きに移動することが禁止される。上部クラッチコンポーネント５４４が全軸方向距離を下方に移動すると、上部クラッチコンポーネント５４４の下面が下部クラッチコンポーネント５４２の上面と接触するので、下部クラッチコンポーネント５４２もスプール５０８に向かって軸方向上向きに移動することは禁止される。したがって、下部クラッチ歯５５２がスプール歯５４０と係合することが禁止される。紐締めシステム５００は、後述するように、ユーザによって操作されるまでこの状態に維持されるであろう。したがって、紐締めシステム５００がユーザによって操作されるまで、スプール５０８は、下部クラッチコンポーネント５４２に対して、および、紐締めシステム５００の全部材に対して回転可能になる。

ここで図６Ａ～図６Ｃを参照すると、物品に沿った経路に対して紐または引張部材（以下「引張部材」）を案内するために物品に取り付けることができるガイド６００が示されている。ガイド６００は、可撓性ウェビング片から形成され、第１端部領域６０４、第２端部領域６０６、および、第１および、第２端部領域６０４、６０６の間に位置する中央領域６０２を含む。ガイド６００は、一般に、ポリエステル、ナイロン、または他の任意の適切な材料または材料の混合物から作られた織りウェビングなどの可撓性材料でできている。ガイド６００は、引張部材がガイド６００の内面に沿って摺動または移動するにつれて、引張部材（図示せず）とガイド６００の内面との間の摩擦を低減するように設計されている。低減された摩擦は、ガイド６００の内面の一部に低摩擦材料を配置することによって達成される。

引張部材に張力が加えられるにつれて、第１端部領域６０４および、第２端部領域６０６は、引張部材のためのわずかな湾曲した紐の経路を生成するため、わずかに曲がったり、または曲げられてもよい。中央領域６０２は、第１端部領域６０４と第２端部領域６０６とを別々に保持するのを助け、ガイド６００が引張部材からの負荷下で一緒に束ねることを防止することができる。中央領域６０２は、特定の用途において望ましくないかもしれない剛性材料の使用なしで束縛を防止することができる。

ガイド６００は、１つ以上の織物材料で形成することができ、ステッチ、接着剤、リベット、機械的締結具によって、または任意の他の適切な方法で靴または他の物品（図示せず）に取り付けることができる。図６Ｃに示すように、ガイド６００は、ループ６２０を生成するために折り畳まれた織物材料のストリップであり得る。織物材料ストリップの反対側の端部６２４は一緒に縫い付けることができ、ループ６２０は靴または他の物品に取り付けることができる。たとえば、ループ６２０は靴に縫い付けることができ、それによってループ６２０が一般に靴の中心に向かって内側を向くようにしてループ６２０を靴に固定することができる。ループ６２０の上端には、引張部材がガイド６００と結合するように引張部材が挿入されるアパーチャ６２２が形成される。

いくつかの実施形態では、ガイド６００は１０ｍｍから４５ｍｍの間の幅を有することができるが、この範囲外の幅も使用できる。第１端部領域６０４は幅Ｗ２を有することができ、第２端部領域６０６は幅Ｗ３を有することができる。第１および、第２端部領域６０４、６０６は、同じ幅Ｗ２、Ｗ３、または所望に応じて異なる幅を有することができる。第１および／または第２端部領域６０４、６０６の幅Ｗ２、Ｗ３は、約１ｍｍ～１５ｍｍの間、より一般的には約２ｍｍ～１０ｍｍの間、または約３ｍｍ～７ｍｍの間であり得る。中央領域６０２は、１５ｍｍと４３ｍｍの間、より一般的には約１５ｍｍと４０ｍｍの間、または約２０ｍｍと３５ｍｍの間の幅Ｗ１を有することができる。ガイド６００は、ガイド６００に必要な強度および、耐久性に応じて異なる厚さを使用することができるが、約０．５ｍｍ～２ｍｍ、より一般的には約０．５ｍｍ～１．０ｍｍの厚さＴ１を有することができる。いくつかの実施形態では、中央領域６０２は、第１および／または第２遠位領域６０４、６０６よりも厚くてもよい。

上で簡単に説明したように、ガイド６００は、引張部材が引張中に移動するための低摩擦および、耐久性の摺動面を提供するように設計されている。低摩擦表面を提供するために、第１端部領域６０４および、第２端部領域は低摩擦材料６１２（図６Ｂ参照）を含み、これは図６Ａの暗い外観を有する端部領域として例示される。中央領域６０２は低摩擦材料６１２を含まず、その結果、中央領域６０２は図６Ａにおいてより明るい外観を有する。様々な低摩擦材料を、低摩擦表面６１２を提供するために第１および、第２端部領域６０４、６０６に使用することができる。第１および、第２端部領域６０４、６０６は、必要に応じて同じ低摩擦材料、異なる低摩擦材料、または異なる低摩擦材料の組み合わせを使用することができる。特定の実施形態では、第１および／または第２端部領域６０４、６０６に使用される低摩擦材料６１２は、商品名テフロン（登録商標）として販売される材料などのポリテトラフルオロエチレン（ｐｏｌｙｔｅｔｒａｆｌｕｏｒｏｅｔｈｙｌｅｎｅ）材料であり得る。

中央領域６０２は第１および、第２端部領域６０４、６０６と同程度の引張部材との摩擦係合を経験しないため、中央領域６０２は低摩擦材料６１２を含まない。たとえば、引張部材がガイド６００への進入および、進出時に第１および、第２端部領域６０４、６０６と係合するので、第１および、第２端部領域６０４、６０６は引張部材の経路変更を担当するガイド６００の主要部分である。したがって、ガイド６００から引張部材に加えられるほとんどの力は、第１および、第２端部領域６０４、６０６にまたはその近くに集中する。したがって、引張部材が経験する摩擦または抗力の大部分は、第１および、第２端部領域６０４、６０６との摩擦係合によるものである。第１および、第２端部領域６０４、６０６上に主にまたは単独で低摩擦材料６１２を配置することは、引張部材とガイド６００との間の摩擦を大幅に減少させる。ガイド６００の中央領域６０２に低摩擦材料６１２を配置することによって、いくつかの追加的な摩擦の低減を達成することができるが、摩擦減少は微細であり、時々そのような構成を生成するのに伴うコストまたは製造負担を正当化することなく、特に低摩擦材料がガイド６００の他の場所で使用される材料よりも実質的に高価である場合にそうである。ガイド６００の低摩擦材料６１２は、引張部材とガイド６００の両方の摩耗を大幅に減少させる。好ましくは、中央領域６０２はガイド６００の座屈の曲げに抵抗するのに十分な強度を有し、したがって第１および、第２端部領域６０４、６０６の間の分離の程度を維持する。

低摩擦材料６１２は、一般に、ガイド６００の全長方向の長さに沿って、第１および、第２端部領域６０４、６０６の全幅Ｗ２、Ｗ３に沿って延びるように、第１および、第２端部領域６０４、６０６上に配置される。しかしながら、いくつかの実施形態では、低摩擦材料６１２は、ガイド６００の長手方向の長さの一部に沿っておよび／または第１および、第２端部領域６０４、６０６の幅Ｗ２、Ｗ３の一部にだけ延長することができる。さらに、図６Ｂに示すように、低摩擦材料６１２はガイド本体６１０の片側または片面にのみ配置することができる。具体的には、低摩擦材料６１２は、ガイド本体６１０の外面ではなく、ガイド本体６１０の内面にのみ配置することができる。したがって、ガイド６００は、複数の材料部分またはセグメントから構成または形成することができる。

ガイド本体６１０は、前述のように１つ以上の織物材料から形成することができる第１材料から構成することができる。特定の実施形態では、ガイド本体６１０はナイロン材料で構成することができる。低摩擦材料６１２は、第１および／または第２端部領域６０４、６０６に配置され、ガイド本体６１０の内側面または表面に面するようにガイド本体６１０に結合される。したがって、ガイド本体６１０の中央領域６０２は、第１および／または第２端部領域６０４、６０６におけるガイド本体６１０の厚さよりも厚い厚さを有し、ガイド本体６１０の材料は、低摩擦材料６１２を覆い、ガイド６００に形成されたループ６２０の内部で低摩擦材料６１２を取り囲む。ガイド本体６１０は低摩擦材料６１２をカバーするので、ガイド本体６１０の材料はガイド６００の外面上の第１端部領域６０４から第２端部領域６０６まで延びる。対照的に、ガイド本体６１０の材料は、ガイド６００の内面上の中央領域６０２のみが延びる。ガイド本体６１０の材質で低摩擦物質６１２をカバーすることは、ガイド６００をより均一に見せることができ、製造コストを低減させ、低摩擦物質６１２を補強するなどを行うことができる。

ガイド６００の厚さＴ１は、ガイド６００の幅にわたって本質的に均一に維持することができ、または所望に応じて第１および、第２端部領域６０４、６０６の間で変化することもできる。低摩擦材料６１２は、ガイド６００の厚さＴ１の１０％と８０％の間の厚さＴ２を有することができ、より一般的にはガイド６００の厚さＴ１の１５％と６０％の間、または２０％と４０％間の厚さＴ２を有することができる。低摩擦材料６１２は、様々な方法でガイド本体６１０と結合することができる。たとえば、低摩擦材料６１２は、ガイド６００の形成中にガイド本体６１０内に織られてもよい。別の実施形態では、低摩擦材料６１２は、ガイド本体６１０とは別に形成することができ、ガイド本体６１０の第１および、第２端部領域６０４、６０６に形成されたリセスに接着することができる。様々な他の手段または低摩擦材料６１２をガイド本体６１０に結合または取り付けることもまた採用され得る。図６Ｂは、ガイド本体６１０の内面または表面にのみ配置された低摩擦材料６１２を示すが、いくつかの実施形態では、低摩擦材料６１２はガイド本体６１０の内面または表面またはガイド本体６１０の外側または表面の両方に配置することができる。内側および、外側表面上の低摩擦材料６１２は、ガイド本体６１０のストリップまたは材料によって分離されてもよく、またはガイド６００の第１および／または第２端部領域６０４、６０６を形成する材料の均一なストリップまたはセグメントであり得る。低摩擦材料６１２は、ガイド本体６１０に使用される材料と同様の材料特性を有することができ、または所望ならば、増加した剛性または増加した柔軟性などの異なる材料特性を有することができる。

いくつかの実施形態および、様々なコンポーネントの配置が本明細書に記載されているが、様々な実施形態に記載された様々なコンポーネントおよび／またはコンポーネントの組み合わせが修正、再配置、変更、および、調整され得ることを理解されたい。たとえば、記載された実施形態のいずれにおいても、コンポーネントの配置は調整または再配置されてもよく、および／または様々な記載されたコンポーネントは、現在説明または使用されていない任意の実施形態において使用されてもよい。したがって、様々な実施形態が本明細書に記載の特定の構成および／またはコンポーネント構造に限定されないことを理解されたい。

さらに、本明細書に開示されている特徴および、要素の任意の実行可能な組み合わせも開示されていると見なされることが理解されるべきである。さらに、本開示の実施形態に関連して特徴が議論されないときはいつでも、当業者は、本発明のいくつかの実施形態がそのような特徴を暗黙的かつ具体的に排除することができることを知らされ、それによって否定的な制限に対する支持を提供できる。

いくつかの実施形態を説明したが、本発明の精神から逸脱することなく様々な修正、代替構成、および、均等物を使用することができることが当業者によって認識されるであろう。さらに、本発明を不必要に不明瞭にすることを避けるため、多くの周知のプロセスおよび、要素は説明されていない。したがって、前記の説明は本発明の範囲を限定すると見なされるべきではない。

値の範囲が提供される場合、文脈が明確に別段の指示がない限り、その範囲の上限と下限との間の各中間値は、下限単位の１０分の１まで具体的に開示されることが理解される。指定された範囲の任意の指定された値または中間値と、対応する指定された範囲の他の指定されたまたは中間値との間のそれぞれのより小さい範囲が含まれる。これらのより小さい範囲の上限および、下限は、独立して範囲に含まれるかまたは除外されてもよく、より小さい範囲にいずれか、両方が含まれていないか、または両方がより小さい範囲に含まれない各範囲も本発明に含まれて、ここでは特定の範囲から具体的に除外された制限が適用される。記載された範囲が制限の一方または両方を含む場合、含まれる制限の一方または両方を除く範囲も含まれる。

本明細書および、添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形の１つ（「ａ」、「ａｎ」および、「ｔｈｅ」）は、文脈が明確に他に指示しない限り、複数の指示対象を含む。したがって、たとえば、「プロセス」への言及は複数のそのようなプロセスを含み、「装置」への言及は当業者に知られている１つまたは複数の装置および、その同等物への言及を含む。

また、本明細書および、以下の特許請求の範囲で使用されるとき、「含む（ｃｏｍｐｒｉｓｅ）」、「含む（ｃｏｍｐｒｉｓｉｎｇ）」、「含む（ｉｎｃｌｕｄｅ）」、「含む（ｉｎｃｌｕｄｉｎｇ）」、および、「含む（ｉｎｃｌｕｄｅｓ）」という用語は、言及された特徴、整数、コンポーネント、またはステップの存在を指定するためのものであるが、１つ以上の他の特徴、整数、コンポーネント、ステップ、行為、またはグループの存在または追加を除外するものではない。
以下に、本発明の例を示す。
（例１）
物品を締めるためのリール式クロージャー装置において、
内部領域を有するハウジングと、
前記ハウジングの前記内側領域内に配置されたスプールであって、前記スプールは、前記スプールの周りに引張部材が巻き取られるように前記内側領域内で第１方向に回転可能であり、前記スプールの周りから前記引張部材が緩められるように前記内側領域内で第２方向に回転可能であるスプール；
前記スプールおよび、前記ハウジングと作動可能に連結され、前記スプールを前記第１方向に回転させて前記引張部材を前記スプールの周りに巻くために締め付け方向に回転可能であり、前記スプールを前記第２方向に回転させて前記引張部材を前記スプールの周りから巻き戻すために緩め方向に回転可能なノブ；および、
前記ノブに作動可能に結合され、前記ノブに前記緩め方向に十分な回転力が加えられるまで前記緩め方向への前記ノブの回転を抑制することによって前記引張部材の偶発的な緩みを防止するように構成された回転制御コンポーネント；
を含むリール式クロージャー装置。
（例２）
前記回転制御コンポーネントは、前記ノブが前記緩め方向に回転したときにのみ前記ノブが前記回転制御コンポーネントと係合するように構成されている、例１に記載のリール式クロージャー装置。
（例３）
前記回転制御コンポーネントは、前記ノブが前記緩め方向に回転したときに前記ノブと係合するバイアスばねである、例１に記載のリール式クロージャー装置。
（例４）
前記バイアスばねは、前記ノブの軸方向延長突出部と係合するアームであり、前記軸方向延長突出部は、前記緩め方向に前記ノブに十分な回転力が加えられると、前記アームを半径方向に付勢する、例３に記載のリール式クロージャー装置。
（例５）
前記アームの遠位端が前記ノブの前記軸方向延長突出部と係合し、前記アームの近位端が前記リール式クロージャー装置の歯と係合する１つ以上の爪を含む爪ディスクと係合するノブコアに取り付けられ、前記歯と前記１つ以上の爪との係合は、前記爪ディスクと前記ノブコアを前記ノブに対する回転位置にロックし、前記スプールを前記ハウジングに対する回転位置にロックする例４に記載のリール式クロージャー装置。
（例６）
前記スプールが前記第２方向に回転することを可能にするために、前記ノブの前記軸方向延長突出部の第１部分が前記爪ディスクの１つ以上の爪と接触し、前記１つ以上の爪が前記リール式クロージャー装置の歯から分離するように構成され、前記軸方向延長突出部の前記第１部分は、前記軸方向直接突出部の第２部分によって前記アームが半径方向に付勢されるまで前記１つ以上の爪と接触できない例５に記載のリール式クロージャー装置。
（例７）
前記軸方向延長突出部の前記第１部分は、前記１つ以上の爪と係合する傾斜面またはテーパー面を含み、前記軸方向延長突出部の前記第２部分はまた、前記アームと係合する傾斜面またはテーパー面を含み、前記第１部分の前記傾斜面またはテーパー面が、前記第２部分の前記傾斜面またはテーパー面とは異なる傾斜またはテーパー角度を有する、例６に記載のリール式クロージャー装置。
（例８）
例１に記載のリール式クロージャー装置と、
引張部材ガイドであって、
第１材料と、
前記第１材料の横方向幅より小さい横方向の幅を有する第２材料を含む引張部材ガイドを含み、
前記第２材料は前記第１材料よりも摩擦の少ない材料から形成され、前記第２材料は、前記引張部材ガイド内に形成されたループまたはチャネルの内面に位置し、前記引張部材と直接接触するように前記第１材料と結合されていることを特徴とする履物物品。
（例９）
内部領域を有するハウジングと、
前記ハウジングの前記内側領域内に配置されたスプールであり、前記スプールは、前記引張部材がスプールの周りに巻かれるように第１方向に回転可能であり、前記スプールの周りから前記引張部材が巻き戻されるように第２方向に回転可能であるスプールと、
前記ノブは、前記スプールを前記第１方向に回転させるために締め付け方向に回転可能であり、かつ前記スプールを前記第２方向に回転させるために緩め方向に回転可能であるように、前記スプールと作動可能に連結されたノブと、
前記ノブに作動可能に結合され、前記ノブに十分な回転力が加えられるまで緩め方向への前記ノブの回転を阻止する回転制御コンポーネントと
を含むリール式クロージャー装置。
（例１０）
前記回転制御コンポーネントは、前記ノブが緩め方向に回転したときにのみ前記ノブが前記回転制御コンポーネントと係合するように構成されている、例９に記載のリール式クロージャー装置。
（例１１）
前記回転制御コンポーネントは、前記ノブが緩め方向に回転したときに前記ノブと係合するバイアスばねである、例９に記載のリール式クロージャー装置。
（例１２）
前記バイアスばねは、前記ノブの軸方向延長突出部と係合するアームであり、前記軸方向延長突出部は、前記ノブが緩め方向に回転すると、前記アームを半径方向に付勢する、例１１に記載のリール式クロージャー装置。
（例１３）
前記アームの遠位端が、前記ノブの前記軸方向延長突出部と係合し、前記アームの近位端がハウジング歯と係合する１つ以上の爪を含む爪ディスクと係合するノブコアに取り付けられ、前記ハウジング歯と前記１つ以上の爪との係合は、前記爪ディスクと前記ノブコアを前記ノブに対する回転位置にロックし、かつ前記スプールを前記ハウジングに対する回転位置にロックする、例１２に記載のリール式クロージャー装置。
（例１４）
前記ノブの前記軸方向延長突出部の第１部分は、前記爪ディスクの前記１つ以上の爪と接触し、前記１つ以上の爪を前記ハウジング歯から分離するように構成され、前記ノブの前記軸方向延長突出部の第２部分は前記アームと接触して前記アームを半径方向に付勢するように構成される、例１３に記載のリール式クロージャー装置。
（例１５）
前記軸方向延長突出部の前記第１部分は、前記１つ以上の爪と係合する傾斜面またはテーパー面を含み、前記軸方向延長突出部の前記第２部分はまた、前記アームと係合する傾斜面またはテーパー面を含み、前記第１部分は、前記第２部分とは異なる傾斜またはテーパー角度を有する、例１４のリール式クロージャー装置。
（例１６）
例９に記載のリール式クロージャー装置と、
引張部材ガイドであって、
第一材料と、
前記第１材料の横方向幅よりも小さい横方向の幅を有する第２材料を含む引張部材ガイドを含み、
前記第２材料は、前記第１材料よりも摩擦の少ない材料から形成され、前記第２材料は、前記引張部材ガイド内に形成されたループまたはチャネルの内面に位置し、前記引張部材と直接接触するように、前記第１材料と組み合わせられていることを特徴とする履物物品。
（例１７）
リール式クロージャー装置を物品と組み合わせる方法において、
リール式クロージャー装置を提供するステップであって、
前記リール式クロージャー装置は、
内部領域を有するハウジングと、
ハウジングの内側領域内に配置されたスプールと、
前記スプールおよび、前記ハウジングと作動可能に結合され、前記スプールを第１方向に回転させて引張部材を前記スプールの周りに巻くために締め付け方向に回転可能であり、前記スプールを第２方向に回転させて前記引張部材を前記スプールの周りから巻き戻すために緩め方向に回転可能なノブと、
前記ノブに作動可能に結合され、前記ノブに前記緩め方向に十分な回転力が加えられるまで前記緩め方向への前記ノブの回転を抑制することによって前記引張部材の偶発的な緩みを防止するように構成された回転制御コンポーネントと
を含む、ステップと、
前記リール式クロージャー装置を物品と結合するステップと
を含む、リール式クロージャー装置を物品と組み合わせる方法。
（例１８）
前記回転制御コンポーネントは、前記ノブが前記緩め方向に回転したときにのみ前記ノブが前記回転制御コンポーネントと係合するように構成される、例１７に記載のリール式クロージャー装置を物品と組み合わせる方法。
（例１９）
前記回転制御コンポーネントは、前記ノブが前記緩め方向に回転したときに前記ノブと係合するバイアスばねである、例１７に記載のリール式クロージャー装置を物品と組み合わせる方法。
（例２０）
前記バイアスばねは、前記ノブの軸方向延長突出部と係合するアームであり、前記軸方向延長突出部は、前記緩め方向に前記ノブに十分な回転力が加えられるときに前記アームを半径方向に付勢する、例１９に記載のリール式クロージャー装置を物品と組み合わせる方法。
（例２１）
前記アームの遠位端は前記ノブの前記軸方向延長突出部と係合し、前記アームの近位端は前記リール式クロージャー装置の歯と係合する１つ以上の爪を含む爪ディスクに取り付けられ、前記歯と前記１つ以上の爪との係合は、前記爪ディスクを前記ノブに対する回転位置にロックし、かつ前記スプールを前記ハウジングに対する回転位置にロックする、例２０に記載のリール式クロージャー装置を物品と組み合わせる方法。
（例２２）
前記スプールが前記第２方向に回転することを可能にするために、前記ノブの前記軸方向延長突出部の第１部分が前記爪ディスクの前記１つ以上の爪と接触し、前記１つ以上の爪を前記リール式クロージャー装置の前記歯から分離するように構成され、前記軸方向延長突出部の前記第１部分は、前記軸方向直接突出部の第２部分によって前記アームが半径方向に付勢されるまで前記１つ以上の爪と接触不可能な、例２１に記載のリール式クロージャー装置を物品と組み合わせる方法。
（例２３）
物品を締めるためのリール式クロージャー装置であって、
内部領域を有するハウジングと
前記ハウジングの前記内側領域内に配置されたスプールであり、前記スプールは、前記スプールの周りに引張部材が巻かれるように前記内側領域内で第１方向に回転可能であり、前記スプールの周りから前記引張部材が巻き戻されるように前記内側領域内で第２方向に回転可能であるスプールと
前記スプールおよび、前記ハウジングと作動可能に結合され、前記ハウジングの前記内側領域内で前記スプールを第１方向に回転させて前記スプールの周りに前記引張部材を巻くように作動可能なノブと、
前記ハウジングの下端と解放可能に結合されたシートコンポーネントであり、前記シートコンポーネントは、前記引張部材の張力が減少するにつれて前記スプールの下端と係合するように構成されたスプール係合特徴部を含むシートコンポーネントと
を含み、
前記スプールの下端と前記スプール係合特徴部との係合は、前記第２方向への前記スプールの回転を防止するリール式クロージャー装置。
（例２４）
前記シートコンポーネントは、前記ハウジングの前記内側領域内に、そして前記スプールの中央アパーチャを通って軸方向上方に延びる軸方向ボスまたは突出部を含む、例２３に記載のリール式クロージャー装置。
（例２５）
前記軸方向ボスまたは突出部が前記ノブと作動可能に結合し、前記ノブが第１位置と第２位置との間で前記ハウジングに対して軸方向に移動するようにし、前記第１位置で前記ノブは、前記スプールが前記ハウジングの前記内側領域内で前記第１方向に回転するように作動可能であり、前記第２位置で前記ノブは、前記スプールが前記ハウジングの前記内側領域内で前記第２方向に自由に回転可能になるように前記スプールから分離される、例２４に記載のリール式クロージャー装置。
（例２６）
前記スプール係合特徴部は、
歯；
円周方向に離間したアパーチャ；
ゴムガスケット；
研磨材；または
粘着性のある材料を含む、例２３に記載のリール式クロージャー装置。
（例２７）
前記スプール係合特徴部は、前記スプールの下端に位置する歯と係合する周方向に離間したアパーチャを含む、例２６に記載のリール式クロージャー装置。
（例２８）
前記シートコンポーネントは、前記ハウジングの下端と前記シートコンポーネントとを解放可能に結合するために、前記ハウジングの下端と解放可能に係合する１つ以上の半径方向延長アームを含む、例２３に記載のリール式クロージャー装置。
（例２９）
前記シートコンポーネントは、前記ハウジングに対して前記シートコンポーネントを回転可能にロックするために前記ハウジングの下端のアパーチャに固定された複数の半径方向延長フィンガーを含む、例２８に記載のリール式クロージャー装置。
（例３０）
前記半径方向延長アームは、前記ハウジングの外側に沿って上方に延びる軸方向上方延長部を含み、前記軸方向上方延長部は、前記ハウジングの外側のリセスとスナップフィット結合するタブを含む、例２８に記載のリール式クロージャー装置。
（例３１）
前記シートコンポーネントは、互いに対して半径方向内側に曲げられるように構成された一対の軸方向延長アームを含み、前記リール式クロージャー装置は、前記一対の軸方向延長アームの間に挿入される、可撓性強化コンポーネントをさらに含む例２３に記載のリール式クロージャー装置。
（例３２）
リール式クロージャー装置を物品と組み合わせる方法において、
リール式クロージャー装置を提供するステップであって、
前記リール式クロージャー装置は、
内側領域を有するハウジングと、
前記ハウジングの内側領域内に配置されたスプールと、
前記スプールおよび、前記ハウジングと作動可能に結合され、前記ハウジングの内側領域内で前記スプールを第１方向に回転させて前記スプールの周りに引張部材を巻くように作動可能なノブと、
前記ハウジングの下端と解放可能に結合されたシートコンポーネントであって、前記シートコンポーネントは、前記引張部材の張力が減少するにつれて前記スプールの下端と係合するように構成されたスプール係合特徴部を含むシートコンポーネントと
を含む、ステップと、
前記リール式クロージャー装置を物品と組み合わせるステップと
を含み、
前記スプールの下端と前記スプール係合特徴部との係合は、前記引張部材が前記スプールの周りから巻き戻される第２方向への前記スプールの回転を防止するリール式クロージャー装置を物品と組み合わせる方法。
（例３３）
前記シートコンポーネントが、前記ハウジングの内側領域内に、そして前記スプールの中央アパーチャを通って軸方向上方に延びる軸方向ボスまたは突出部を含む、例３２に記載のリール式クロージャー装置を物品と組み合わせる方法。
（例３４）
前記軸方向ボスまたは突出部が前記ノブと作動可能に結合し、前記ノブが第１位置と第２位置との間で前記ハウジングに対して軸方向に移動するようにし、前記第１位置では、前記ノブは前記スプールが前記ハウジングの内側領域内で前記第１方向に回転するように作動可能であり、前記第２位置で前記ノブは、前記スプールが前記ハウジングの内側領域内で前記第２方向に自由に回転可能になるように前記スプールから分離される、例３３に記載のリール式クロージャー装置を物品と組み合わせる方法。
（例３５）
前記スプール係合特徴部は、
歯；
円周方向に離間したアパーチャ；
ゴムガスケット；
研磨材；または
粘着性のある材料を含む、例３２に記載のリール式クロージャー装置を物品と組み合わせる方法。
（例３６）
前記スプール係合特徴部は、前記スプールの下端に配置された歯と係合する円周方向に離間したアパーチャを含む、例３５に記載のリール式クロージャー装置を物品と組み合わせる方法。
（例３７）
前記シートコンポーネントは、前記ハウジングの下端と前記シートコンポーネントとを解放可能に結合するために、前記ハウジングの下端と解放可能に係合する１つ以上の半径方向延長アームを含む、例３２に記載のリール式クロージャー装置を物品と組み合わせる方法。
（例３８）
前記シートコンポーネントは、前記ハウジングに対して前記シートコンポーネントを回転可能にロックするために前記ハウジングの下端上のアパーチャに固定された複数の半径方向延長フィンガーを含む、例３７に記載のリール式クロージャー装置を物品と組み合わせる方法。
（例３９）
前記半径方向延長アームは、前記ハウジングの外側に沿って上方に延びる軸方向上方延長部を含み、前記軸方向上方延長部は、前記ハウジングの外側のリセスとスナップフィット結合するタブを含む、例３７に記載のリール式クロージャー装置を物品と組み合わせる方法。
（例４０）
物品を締めるためのリール式クロージャー装置において、
内部領域を有するハウジング；
前記ハウジングの内側領域内に配置されたスプールであり、前記スプールは、前記スプールの周りに引張部材が巻かれるように内側領域内で第１方向に回転可能であり、前記スプールの周りから引張部材が巻き戻されるように内側領域内で第２方向に回転可能であるスプール；
前記スプールと作動可能に結合し、前記ハウジングの内側領域内で前記スプールを第１方向に回転させて前記スプールの周りに引張部材を巻くように作動可能なノブ；および、
前記ハウジングの内側領域内に配置され、前記スプールが前記ハウジングの内側領域内で軸方向に移動できるように、前記スプールと作動可能に係合するバイアスコンポーネント；を含み、前記バイアスコンポーネントは、前記スプールを軸方向に付勢させて前記ノブと作動可能に係合するように構成されたリール式クロージャー装置。
（例４１）
前記スプールは外側部材と内側部材とを含み、前記内側部材は前記外側部材に対して軸方向に移動可能に前記外側部材と結合され、前記内側部材と外側部材は互いに対して回転可能にロックされた、例４０に記載のリール式クロージャー装置。
（例４２）
前記内側部材は、前記バイアスコンポーネントと作動可能に結合され、前記内側部材が前記ノブと結合するノブコアと係合するように軸方向に付勢される、例４１に記載のリール式クロージャー装置。
（例４３）
前記バイアスコンポーネントは、前記内側部材と同軸に整列され、前記内側部材のアパーチャ内に配置されたコイルばねである、例４１に記載のリール式クロージャー装置。
（例４４）
前記内側部材は、前記引張部材の張力が張力閾値までまたは前記張力閾値以上に減少した後に前記ノブが緩め方向に回転するときに軸方向下向きに付勢されるように構成されている、例４１に記載のリール式クロージャー装置。
（例４５）
前記外側部材は、前記引張部材の張力が減少するにつれて前記ハウジングの底面と係合するように構成され、前記外側部材と前記ハウジングの底面との係合は、前記外側部材および、前記内側部材の第２方向への回転を防止する、例４１に記載のリール式クロージャー装置。
（例４６）
前記ハウジングの底面は、前記ハウジングの下端と取り外し可能に結合することができる、例４５に記載のリール式クロージャー装置。
（例４７）
前記外側部材は、前記ハウジングの底面の対応する歯またはアパーチャと係合する複数の軸方向延長歯を含む、例４５に記載のリール式クロージャー装置。
（例４８）
リール式クロージャー装置を物品と組み合わせる方法において、
リール式クロージャー装置を提供するステップであり、
前記リール式クロージャー装置は、
内側領域を有するハウジング；
前記ハウジングの内側領域内に配置されたスプール；
前記スプールと作動可能に結合され、前記ハウジングの内側領域内で前記スプールを回転させて前記スプールの周りに引張部材が巻かれるように作動可能なノブ；および、
前記ハウジングの内側領域内に配置され、前記スプールが前記ハウジングの内側領域内で軸方向に移動できるように前記スプールと作動可能に係合するバイアスコンポーネント；
を含むリール式クロージャー装置を提供するステップ；および、
前記リール式クロージャー装置を物品と結合するステップ、を含み、
前記バイアスコンポーネントは、前記スプールを軸方向に付勢して前記ノブと作動可能に係合するように構成されたリール式クロージャー装置を物品と組み合わせる方法。
（例４９）
前記スプールは外側部材と内側部材とを含み、前記内側部材は前記外側部材に対して軸方向に移動可能に前記外側部材と結合され、前記内側部材と外側部材は互いに対して回転可能にロックされた、例４８に記載のリール式クロージャー装置を物品と組み合わせる方法。
（例５０）
前記内側部材は、前記バイアスコンポーネントと作動可能に結合され、前記内側部材が前記ノブと結合するノブコアと係合するように軸方向に付勢される、例４９に記載のリール式クロージャー装置を物品と組み合わせる方法。
（例５１）
前記バイアスコンポーネントが、前記内側部材と同軸に整列され、前記内側部材のアパーチャ内に配置されたコイルばねである、例４９に記載のリール式クロージャー装置を物品と組み合わせる方法。
（例５２）
前記内側部材は、前記引張部材の張力が前記張力閾値までまたは前記張力閾値以上に減少した後に前記ノブが緩め方向に回転するときに軸方向下向きに付勢されるように構成されている、例４９に記載のリール式クロージャー装置を物品と組み合わせる方法。
（例５３）
前記外側部材は、前記引張部材の張力が減少するにつれて前記ハウジングの底面と係合するように構成され、前記外側部材と前記ハウジングの底面との係合は、前記外側部材および、前記内側部材の第２方向への回転を防止する、例４９に記載のリール式クロージャー装置を物品と組み合わせる方法。
（例５４）
前記ハウジングの底面は、前記ハウジングの下端と取り外し可能に結合することができる、例５３に記載のリール式クロージャー装置を物品と組み合わせる方法。
（例５５）
前記外側部材が前記ハウジングの底面の対応する歯またはアパーチャと係合する複数の軸方向に延びる歯を含む、例５３に記載のリール式クロージャー装置を物品と組み合わせる方法。
（例５６）
物品を締めるためのリール式クロージャーシステムにおいて、
内部領域と複数のハウジング歯を有するハウジング；
引張部材；
ハウジングの内側領域内に回転可能に配置され、複数のスプール歯を有するスプール；
ノブ；
軸方向に前記スプールの上方に配置され、前記スプールと前記ノブとを作動可能に結合するように構成されたクラッチメカニズムであり、
前記クラッチメカニズムは、
前記スプール歯と作動可能に係合するように構成された複数のクラッチ歯；および、
前記スプールの第２方向への回転を防止するために前記ハウジング歯と係合するように構成された複数のディスク歯を含むクラッチメカニズム；および、
前記クラッチメカニズムと係合する結合コンポーネントであり、
前記結合コンポーネントは、
前記クラッチメカニズムが前記スプールと作動可能に結合されて、
第１方向への前記ノブの回転は、前記ハウジングの内側領域内で前記スプールを第１方向に回転させ、前記引張部材を前記スプールの周りに巻き付ける； そして
第２方向への前記ノブの回転は、前記スプールが前記ハウジングの内側領域内で第２方向に回転することを可能にしてこれにより、前記引張部材が前記スプールの周りから漸増的に巻き戻される第１位置と；および、
前記クラッチメカニズムが前記スプールから分離され、前記スプールが前記ハウジングの内側領域内で前記第２方向に自由に回転し、前記引張部材が前記スプールの周りから巻き戻される第２位置に、前記クラッチメカニズムを保持する結合コンポーネント；
を含むリール式クロージャーシステム。
（例５７）
前記クラッチメカニズムは；
前記スプールと作動可能に結合する複数のクラッチ歯を含むフェースクラッチ；
軸方向に前記フェースクラッチの上に配置されたノブコアであり、前記ノブコアは、前記第１位置または前記第２位置にクラッチメカニズムを保持するため、前記結合コンポーネントの遠位端と作動可能に結合するように構成されるノブコア；および、
軸方向に前記ノブコアの上に配置されたクラッチディスクであり、クラッチディスクは、前記クラッチディスクは複数のディスク歯を含み、前記クラッチディスクは前記フェースクラッチと作動可能に結合するクラッチディスク、を含む、例５６に記載のリール式クロージャーシステム。
（例５８）
前記複数のディスク歯は、前記クラッチメカニズムが前記第１位置にあるときに一方向のラチェットメカニズムを提供するように前記複数のハウジング歯と作動可能に係合する、例５７に記載のリール式クロージャーシステム。
（例５９）
前記ノブが前記フェースクラッチと作動可能に結合し、前記第１方向に前記ノブが回転すると、前記ノブから前記スプールに回転力が伝達されるように前記フェースクラッチ上の複数のクラッチ歯が前記複数のスプール歯と係合し、それによって前記スプールを第１方向に回転させる例５８に記載のリール式クロージャーシステム。
（例６０）
前記クラッチディスクと前記ノブコアとが作動可能に結合され、前記第２方向への前記ノブの回転時に、前記複数のディスク歯が前記ハウジング歯から分離され、前記クラッチディスクが前記第２方向に回転させることができ、それによって前記スプールが前記第２方向に回転することを可能にする例５８に記載のリール式クロージャーシステム。
（例６１）
前記クラッチディスクは、前記ノブコア上の対応するリセス内に配置できる１つ以上のランプ歯を含み、各リセスは、１つ以上のランプ歯と係合する傾斜面を含み、 前記２方向への前記ノブの回転は、前記１つ以上のランプ歯を前記リセスの傾斜面に沿って摺動させて、前記クラッチディスクを軸方向上方に移動させて前記ディスク歯と前記ハウジング歯とを係合解除する、例６０に記載のリール式クロージャーシステム。
（例６２）
履物と結合可能であり、履物の経路に沿って引張部材を案内またはルーティングするように構成された引張部材ガイドにおいて、
第１材料であり、前記第１材料は、
長手方向の長さ；および、
横方向幅を有するが、前記第１材料は長手方向の長さに沿って折り畳まれ、前記引張部材を挿入することができるループまたはチャネルを形成し、前記ループまたはチャネルは前記ループまたはチャネルを通って挿入されるときに、前記引張部材が位置する部位に隣接する内面を定義し、さらに前記内面の反対側にある外面を定義する第１材料；および、
長手方向の長さと横方向の幅を有する第２材料であり、前記第２材料の横方向の幅が前記第１材料の横方向の幅よりも狭い第２材料；を含み、
前記第２材料は、前記第１材料よりも低い摩擦材料で形成されて；そして前記第２材料は、前記第１材料と結合して前記第１材料と長手方向に整列し、前記第２材料が引張部材と直接触するように前記ループまたはチャネルの内面に配置される、引張部材ガイド。
（例６３）
前記第２材料の長手方向の長さは、前記第１材料の長手方向の長さと同じである、例６２に記載の引張部材ガイド。
（例６４）
前記ループまたはチャネルは、中央部分と中央部分との反対側に配置された２つの端部を含み、前記第２材料は、前記端部のうちの１つに配置され、前記第２材料が前記ループまたはチャネルの中央部分に存在しない、例６２に記載の引張部材ガイド。
（例６５）
前記第２材料は、前記ループまたはチャネルの中央部分に前記第２材料が存在しないように、前記中央部分に位置せずに２つの端部に配置されている、例６４に記載の引張部材ガイド。
（例６６）
前記第２材料は、前記ループまたはチャネルの外面に第２材料が存在しないように、前記ループまたはチャネルの内面にのみ配置されている、例６２に記載の引張部材ガイド。
（例６７）
前記第２材料は、前記第２材料が前記ループまたはチャネルの中央部分の反対側に位置し、前記第１材料が前記ループまたはチャネルの中央部分に配置されて、前記引張部材が前記ループまたはチャネルの内面上の第１材料および、第２材料の両方と接触するように第１材料と織り込まれる、例６２に記載の引張部材ガイド。
（例６８）
前記第１材料がナイロンであり、前記第２材料がテフロン（登録商標）である、例６２に記載の引張部材ガイド。
（例６９）
引張部材ガイドにおいて、
第１材料であり、前記第１材料は、
長手方向の長さ；および、
横方向幅を有するが、前記第１材料は長手方向の長さに沿って折り畳まれ、引張部材を挿入することができるループまたはチャネルを形成する第１材料；および、
長手方向の長さおよび、横方向の幅を有する第２材料であり、前記第２材料の横方向の幅が前記第１材料の横方向の幅よりも狭い第２材料；を含み、
前記第２材料は、前記第１材料よりも低い摩擦材料で形成される；そして
前記第２材料は、前記第１材料と結合され、前記第２材料が引張部材と直接触するように前記ループまたはチャネルの内面に配置される引張部材ガイド。
（例７０）
前記第２材料の長手方向の長さは、前記第１材料の長手方向の長さと同じである、例６９に記載の引張部材ガイド。
（例７１）
前記ループまたはチャネルは、中央部分および、中央部分との反対側に配置された２つの端部を含み、前記第２材料は前記端部のうちの１つに配置され、前記第２材料は前記ループあるいはチャネルの中央部分に存在しない、例６９に記載の引張部材ガイド。
（例７２）
前記第２材料は、前記ループまたはチャネルの中央部分に前記第２材料が存在しないように、前記中央部分に配置されず、前記ループまたはチャネルの２つの端部に位置する、例７１に記載の引張部材ガイド。
（例７３）
前記第２材料は、前記ループまたはチャネルの外面に第２材料が存在しないように、前記ループまたはチャネルの内面にのみ配置されている、例６９に記載の引張部材ガイド。
（例７４）
前記第２材料は、前記第２材料が前記ループまたはチャネルの中央部分の反対側に位置し、前記第１材料が前記ループまたはチャネルの中央部分に位置するように構成される、例６９に記載の前記第１材料と織られる引張部材ガイド。
（例７５）
前記第１材料がナイロンであり、前記第２材料がテフロン（登録商標）である、例６９に記載の引張部材ガイド。

Claims (22)

1. 物品を締めるためのリール式クロージャー装置において、
   内部領域を有するハウジングと、
   前記ハウジングの前記内部領域内に配置されたスプールであって、前記スプールは、引張部材を前記スプールの周りに巻くように前記内部領域内で第１方向に回転可能であり、前記スプールの周りから前記引張部材が巻き戻されるように前記内部領域内で第２方向に回転可能である、スプールと、
   前記スプールおよび、前記ハウジングと動作可能に連結され、前記スプールを前記第１方向に回転させて前記引張部材を前記スプールの周りに巻くために締め付け方向に回転可能であり、前記スプールを前記第２方向に回転させて前記引張部材を前記スプールの周りから巻き戻すために緩め方向に回転可能なノブと、
   前記ノブに動作可能に結合され、前記ノブに前記緩め方向に十分な回転力が加えられるまで前記緩め方向への前記ノブの回転を抑制することによって前記引張部材の偶発的な緩みを防止するように構成された回転制御コンポーネントと
   を含むリール式クロージャー装置。
2. 前記回転制御コンポーネントは、前記ノブが前記緩め方向に回転したときにのみ前記ノブが前記回転制御コンポーネントと係合するように構成されている、請求項１に記載のリール式クロージャー装置。
3. 前記回転制御コンポーネントは、前記ノブが前記緩め方向に回転したときに前記ノブと係合するバイアスばねである、請求項１に記載のリール式クロージャー装置。
4. 前記バイアスばねは、前記ノブの軸方向延長突出部と係合するアームであり、前記軸方向延長突出部は、前記緩め方向に前記ノブに十分な回転力が加えられると、前記アームを半径方向に付勢する、請求項３に記載のリール式クロージャー装置。
5. 前記アームの遠位端が、前記ノブの前記軸方向延長突出部と係合し、前記アームの近位端が、前記リール式クロージャー装置の歯と係合する１つ以上の爪を含む爪ディスクと結合するノブコアに取り付けられ、前記歯と前記１つ以上の爪との係合は、前記爪ディスクと前記ノブコアを前記ノブに対する回転位置にロックし、かつ前記スプールを前記ハウジングに対する回転位置にロックする、請求項４に記載のリール式クロージャー装置。
6. 前記スプールが前記第２方向に回転することを可能にするために、前記ノブの前記軸方向延長突出部の第１部分は、前記爪ディスクの前記１つ以上の爪と接触し、前記１つ以上の爪を前記リール式クロージャー装置の前記歯から分離するように構成され、
   前記軸方向延長突出部の前記第１部分は、前記軸方向延長突出部の第２部分によって前記アームが半径方向に付勢されるまで前記１つ以上の爪と接触できない、請求項５に記載のリール式クロージャー装置。
7. 前記軸方向延長突出部の前記第１部分は、前記１つ以上の爪と係合する傾斜面またはテーパー面を含み、前記軸方向延長突出部の前記第２部分はまた、前記アームと係合する傾斜面またはテーパー面を含み、前記第１部分の前記傾斜面またはテーパー面が、前記第２部分の前記傾斜面またはテーパー面とは異なる傾斜またはテーパー角度を有する、請求項６に記載のリール式クロージャー装置。
8. 請求項１に記載のリール式クロージャー装置と、
   引張部材ガイドであって、
   第１材料と、
   前記第１材料の横方向の幅より小さい横方向の幅を有する第２材料を含む引張部材ガイドを含み、
   前記第２材料は前記第１材料よりも摩擦の少ない材料から形成され、前記第２材料は、前記引張部材ガイド内に形成されたループまたはチャネルの内面に位置し、前記引張部材と直接接触するように、前記第１材料と結合されていることを特徴とする履物物品。
9. 内部領域を有するハウジングと、
   前記ハウジングの前記内部領域内に配置されたスプールであって、前記スプールは、引張部材を前記スプールの周りに巻くように第１方向に回転可能であり、前記スプールの周りから前記引張部材が巻き戻されるように第２方向に回転可能である、スプールと、
   ノブは、前記スプールを前記第１方向に回転させるために締め付け方向に回転可能であり、かつ前記スプールを前記第２方向に回転させるために緩め方向に回転可能であるように、前記スプールと動作可能に連結されたノブと、
   前記ノブに動作可能に結合され、前記ノブに十分な回転力が加えられるまで前記緩め方向への前記ノブの回転を阻止する、回転制御コンポーネントと
   を含むリール式クロージャー装置。
10. 前記回転制御コンポーネントは、前記ノブが前記緩め方向に回転したときにのみ前記ノブが前記回転制御コンポーネントと係合するように構成されている、請求項９に記載のリール式クロージャー装置。
11. 前記回転制御コンポーネントは、前記ノブが前記緩め方向に回転したときに前記ノブと係合するバイアスばねである、請求項９に記載のリール式クロージャー装置。
12. 前記バイアスばねは、前記ノブの軸方向延長突出部と係合するアームであり、前記軸方向延長突出部は、前記ノブが緩め方向に回転すると、前記アームを半径方向に付勢する、請求項１１に記載のリール式クロージャー装置。
13. 前記アームの遠位端が、前記ノブの前記軸方向延長突出部と係合し、前記アームの近位端が、ハウジング歯と係合する１つ以上の爪を含む爪ディスクと結合するノブコアに取り付けられ、前記ハウジング歯と前記１つ以上の爪との係合は、前記爪ディスクと前記ノブコアを前記ノブに対する回転位置にロックし、かつ前記スプールを前記ハウジングに対する回転位置にロックする、請求項１２に記載のリール式クロージャー装置。
14. 前記ノブの前記軸方向延長突出部の第１部分は、前記爪ディスクの前記１つ以上の爪と接触し、前記１つ以上の爪を前記ハウジング歯から分離するように構成され、前記ノブの前記軸方向延長突出部の第２部分は前記アームと接触して前記アームを半径方向に付勢するように構成される、請求項１３に記載のリール式クロージャー装置。
15. 前記軸方向延長突出部の前記第１部分は、前記１つ以上の爪と係合する傾斜面またはテーパー面を含み、前記軸方向延長突出部の前記第２部分はまた、前記アームと係合する傾斜面またはテーパー面を含み、前記第１部分は、前記第２部分とは異なる傾斜またはテーパー角度を有する、請求項１４のリール式クロージャー装置。
16. 請求項９に記載のリール式クロージャー装置と、
    引張部材ガイドであって、
    第１材料と、
    前記第１材料の横方向の幅よりも小さい横方向の幅を有する第２材料を含む引張部材ガイドを含み、
    前記第２材料は前記第１材料よりも摩擦の少ない材料から形成され、前記第２材料は、前記引張部材ガイド内に形成されたループまたはチャネルの内面に位置し、前記引張部材と直接接触するように、前記第１材料と結合されていることを特徴とする履物物品。
17. リール式クロージャー装置を物品と結合する方法において、
    前記リール式クロージャー装置を提供するステップであって、
    前記リール式クロージャー装置は、
    内部領域を有するハウジングと、
    前記ハウジングの内部領域内に配置されたスプールと、
    前記スプールおよび、前記ハウジングと動作可能に結合され、前記スプールを第１方向に回転させて引張部材を前記スプールの周りに巻くために締め付け方向に回転可能であり、前記スプールを第２方向に回転させて前記引張部材を前記スプールの周りから巻き戻すために緩め方向に回転可能なノブと、
    前記ノブに動作可能に結合され、前記ノブに前記緩め方向に十分な回転力が加えられるまで前記緩め方向への前記ノブの回転を抑制することによって前記引張部材の偶発的な緩みを防止するように構成された回転制御コンポーネントと
    を含む、ステップと、
    前記リール式クロージャー装置を前記物品と結合するステップと
    を含む、リール式クロージャー装置を物品と結合する方法。
18. 前記回転制御コンポーネントは、前記ノブが前記緩め方向に回転したときにのみ前記ノブが前記回転制御コンポーネントと係合するように構成される、請求項１７に記載の方法。
19. 前記回転制御コンポーネントは、前記ノブが前記緩め方向に回転したときに前記ノブと係合するバイアスばねである、請求項１７に記載の方法。
20. 前記バイアスばねは、前記ノブの軸方向延長突出部と係合するアームであり、前記軸方向延長突出部は、前記緩め方向に前記ノブに十分な回転力が加えられると、前記アームを半径方向に付勢する、請求項１９に記載の方法。
21. 前記アームの遠位端が、前記ノブの前記軸方向延長突出部と係合し、前記アームの近位端が、前記リール式クロージャー装置の歯と係合する１つ以上の爪を含む爪ディスクに取り付けられ、前記歯と前記１つ以上の爪との係合は、前記爪ディスクを前記ノブに対する回転位置にロックし、かつ前記スプールを前記ハウジングに対する回転位置にロックする、請求項２０に記載の方法。
22. 前記スプールが前記第２方向に回転することを可能にするために、前記ノブの前記軸方向延長突出部の第１部分は、前記爪ディスクの前記１つ以上の爪と接触し、前記１つ以上の爪を前記リール式クロージャー装置の前記歯から分離するように構成され、
    前記軸方向延長突出部の前記第１部分は、前記軸方向延長突出部の第２部分によって前記アームが半径方向に付勢されるまで前記１つ以上の爪と接触できない、請求項２１に記載の方法。

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