JP2004041666A - スノーボード用ブーツ - Google Patents
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Abstract
【課題】ステップインタイプのバインディングに装着しても踵のブーツ及びボードへの強固な固定を可能とし、加えて、足の部位に応じて適度な固定強度で足をブーツに固定可能とするスノーボード用ブーツを提供する。
【解決手段】ブーツ本体1の甲部Bから立ち上がり部Cの上端に至る部分に開閉部4を形成する。この開閉部4の甲部Bの部位を下開閉部4aとする。開閉部4の立ち上がり部Cの部位を上開閉部4bとする。下開閉部4a及び上開閉部4bにそれぞれ別個の索条体を架け渡してブーツ本体1を締め付け自在にする。ブーツ本体1内部の踵部分Eの両側にそれぞれ下フック17を設ける。下開閉部4aの索条体を一方の下フック17に引っ掛け、次いでブーツ本体1の甲部Bに架け渡して他方の下フック17に引っ掛ける。
【選択図】 図1
【解決手段】ブーツ本体1の甲部Bから立ち上がり部Cの上端に至る部分に開閉部4を形成する。この開閉部4の甲部Bの部位を下開閉部4aとする。開閉部4の立ち上がり部Cの部位を上開閉部4bとする。下開閉部4a及び上開閉部4bにそれぞれ別個の索条体を架け渡してブーツ本体1を締め付け自在にする。ブーツ本体1内部の踵部分Eの両側にそれぞれ下フック17を設ける。下開閉部4aの索条体を一方の下フック17に引っ掛け、次いでブーツ本体1の甲部Bに架け渡して他方の下フック17に引っ掛ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スノーボード用ブーツに関する発明であり、詳しくは足のブーツ本体への固定の技術に係る発明である。
【0002】
【従来の技術】
「スノーボード」というスポーツは、ボードの上に装着したバインディングにブーツを固定することで競技者の足とボードとを一体化し、競技者が身体の体重を前後左右に移動させたりボードの雪面への接地角度を変えたりして、ターンや停止、またはジャンプ等の動作を交えながら雪面を滑降するようなスポーツである。したがって、競技者が思いのままにボードを操りスノーボードを楽しむには、足とボードとの一体性、ひいては足のブーツへの強固な固定が不可欠とされる。特に、ひざを曲げて雪面に対してつま先を立てるように足を動作させたとき、つまり踵に競技者の体重が乗らないときにも、この足の動作に追従して雪面にエッジを効かせるように確実にボードを立てることができるよう、踵とブーツとの固定が強固に為されることが要求されている。
【0003】
従来から、図17に示すように、一般的なスノーボード用ブーツとしては、ブーツ本体1の甲部Bから立ち上がり部Cの上端に至る部分に開閉部4を形成し、この開閉部4に靴紐39で構成される索条体を架け渡して構成されたものがある。このブーツでは、靴紐39をブーツ本体1に締め上げることで、開閉部4を左右に閉じるようにして足をブーツ本体1に固定させるようにしているが、せいぜいブーツから足が抜け落ちない程度にしか固定できない。しかして、このようなブーツは、甲部Bを締め付けるアンクルストラップ41やつま先部Aを締め付けるトゥストラップ42を備えたバインディング40を介することで、ボードに装着することが一般的であり、このバインディング40のアンクルストラップ41を強く締め付けることで、踵のブーツ本体1及びボードへの強固な固定を行わせるものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近年、バインディングの種類として上述したバインディング40とは異なるステップインタイプのバインディング50が主流になりつつある(図11参照)。このステップインタイプのバインディング50は、ボード上に固定された基台51の上に上方から押し付けるようにブーツ本体1を載置したときに、ブーツ本体1のソール部Dと基台51との間に設けられた締結具(図示せず)の締結により、ブーツ本体1のソール部Dと基台51とがワンタッチで締結されるようになったものである。つまり、このステップインタイプのバインディング50は、上述した各ストラップ41,42を締め付けてブーツをボードに固定するタイプのバインディング40に比べて、各ストラップ41,42を手でいちいち締め付けないで済むようになっていることで、ブーツのボードへの着脱の容易化が図られているのである。しかしながら、このステップインタイプのバインディング50では、ブーツのボードへの着脱の容易化が図られる反面、各ストラップ41,42にてブーツ本体1を締め付けることが無いため、踵をブーツ本体1及びボードに強固に固定できないという問題を抱えるものであった。しかして、このステップインタイプのバインディング50を介してブーツをボードに装着したときにも、踵をブーツ及びボードに強固に固定できるようなブーツの開発が切望されるものであった。
【0005】
また、スノーボードは競技者に激しい運動動作を課すスポーツであり、この競技者の運動動作は足の部位によって異なることから、競技者の激しい運動動作によっては足の部位に応じてブーツ本体1を締め上げる靴紐39に緩みを生じさせてしまう場合がある。つまり、足のブーツ本体1への必要固定強度は足の部位に応じて異なるのである。しかしながら、上述したブーツでは、靴紐39の締め付けによって足全体を一律にブーツ本体1に固定するものであるから、足の部位によって異なる足のブーツ本体1への必要固定強度に合わせて効率よく足をブーツ本体1に固定することはできないものであった。そもそも、靴紐39をブーツ本体1にきつく締め上げて足をブーツ本体1に強固に固定することは、足に多大な負担がかかる(うっ血等が生じる)ことになるのであり、この観点からも足の部位に合わせて必要な固定強度で足をブーツ本体1に固定することが好ましく、これを可能にするブーツの開発が切望されるものであった。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、ステップインタイプのバインディングに装着しても踵のブーツ及びボードへの強固な固定を可能とし、加えて、足の部位に応じて適度な固定強度で足をブーツに固定可能とするスノーボード用ブーツを提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係るスノーボード用ブーツは、ブーツ本体1の甲部Bから立ち上がり部Cの上端に至る部分に開閉部4を形成し、この開閉部4の甲部Bの部位を下開閉部4aとすると共に、開閉部4の立ち上がり部Cの部位を上開閉部4bとし、下開閉部4a及び上開閉部4bにそれぞれ別個の索条体を架け渡してブーツ本体1を締め付け自在にし、ブーツ本体1内部の踵部分Eの両側にそれぞれ下フック17を設けて、下開閉部4aの索条体を一方の下フック17に引っ掛け、次いでブーツ本体1の甲部Bに架け渡して他方の下フック17に引っ掛けるようにし、ブーツ本体1内部のふくらはぎ部分Fの両側にそれぞれ上フック18を設け、上開閉部4bの索条体を一方の上フック18に引っ掛け、次いでブーツ本体1の立ち上がり部Cに架け渡して他方の上フック18に引っ掛けるようにしたことを特徴とする。これによると、下開閉部4a及び上開閉部4bのそれぞれの索条体によってブーツ本体1を締め付けることができ、つまりブーツ本体1内部に挿入した足は下開閉部4aの索条体及び上開閉部4bの索条体によって別々にブーツ本体1に固定されるのであり、足の部位によって異なる足のブーツ本体1への必要固定強度に合わせて効率よく足をブーツ本体1に固定することができるのである。更に、下開閉部4aの索条体でブーツ本体1を締め付けると、ブーツ本体1内に挿入した足の甲をブーツ本体1内部の踵部分Eに向けて押圧させることができ、また、上開閉部4bの索条体でブーツ本体1を締め付けると、ブーツ本体1内に挿入した足のすねをブーツ本体1内部のふくらはぎ部分Fに向けて押圧させることができるので、足のすねや踵のブーツ本体1への固定を強固に行わせることができるのである。特に、ブーツを履いた時点で足の踵をブーツ本体1に強固に固定できるので、ストラップ41,42の無いステップインタイプのバインディング50を介してブーツをボードに装着する際にも、ボードに踵を強固に固定させることができるのである。
【0008】
また、各索条体をワイヤ6で構成し、このワイヤ6の一端をブーツ本体1に固定すると共に、ワイヤ6の他端をブーツ本体1に固定したワイヤ巻取り装置7によって巻き取り自在にしたことも好ましい。これによると、索条体のブーツ本体1への締め付けが索条体を構成せるワイヤ6の巻取り機構にて行われ、簡単且つスムーズな操作で索条体による足のブーツ本体1への固定を行わせることができる。
【0009】
また、上記ワイヤ巻取り装置7を、ワイヤ6の自由端を保持して巻き付ける巻胴部24と、巻胴部24の回転方向をワイヤ6の巻取り方向の一方向に規制するラチェット機構と、巻胴部24を回転操作するハンドル29とを有して構成したことも好ましい。これによると、上記構成を備えたワイヤ巻取り装置7では、ハンドル29を操作して巻胴部24を回転させてワイヤ6を巻き取るのであるが、このとき巻胴部24はラチェット機構によって戻り防止が施され、足のブーツ本体1への確実な固定を維持できるのである。
【0010】
また、索条体がブーツ本体1を締め付けたときにくるぶしを踵方向に押さえ付けるくるぶし押さえ具22を、ブーツ本体1内部に設けたことも好ましい。これによると、索条体がブーツ本体1を締め付けたときには、下開閉部4aの索条体に加えて、くるぶし押さえ具22によっても、ブーツ本体1内に挿入した足を踵方向に押さえ付けることができるのであり、踵のブーツ本体1への固定を更に強固に行わせることができる。
【0011】
また、くるぶし押さえ具22の内部に下開閉部4の索条体を挿通し、索条体がブーツ本体1を締め付けたときにくるぶしを踵方向に押さえ付けるようにしたことも好ましい。これによると、ブーツ本体1を締め付けた索条体はブーツ本体1の内方に向って位置をずらすようになるが、くるぶし押さえ具22も上記索条体に従って積極的にブーツ本体1の内方に向って位置をずらすようにでき、くるぶし押さえ具22のくるぶしへの押圧をより効果的に行わせることができる。
【0012】
また、ブーツ本体1をアウターブーツ2にインナーブーツ3を内包して構成し、インナーブーツ3の甲部Bから立ち上がり部Cの上端に至る部分に切り込み部30を形成し、この切り込み部30に索条体を架け渡してインナーブーツ3を締め付け自在にし、アウターブーツ2の甲部Bから立ち上がり部Cの上端に至る部分に開閉部4を形成し、アウターブーツ2の開閉部4の下開閉部4a及び上開閉部4bにそれぞれ別個の索条体を架け渡してアウターブーツ2を締め付け自在にしたことも好ましい。これによると、足のブーツ本体1への固定が、アウターブーツ2の開閉部4での索条体の締め付けに加えて、インナーブーツ3の切り込み部30での索条体の締め付けによっても行え、足のブーツ本体1への固定を更に強固に行わせることができる。
【0013】
なお、ブーツ本体1をアウターブーツ2にインナーブーツ3を内包して構成し、インナーブーツ3の甲部Bから立ち上がり部Cの上端に至る部分に開閉部4を形成し、インナーブーツ3の開閉部4の下開閉部4a及び上開閉部4bにそれぞれ別個の索条体を架け渡してインナーブーツ3を締め付け自在にし、アウターブーツ2の甲部Bから立ち上がり部Cの上端に至る部分に切り込み部30を形成し、この切り込み部30に索条体を架け渡してアウターブーツ2を締め付け自在にすることも好ましい。これによっても、足のブーツ本体1への固定が、インナーブーツ3の開閉部4での索条体の締め付けとアウターブーツ2の切り込み部30での索条体の締め付けとで行われ、足のブーツ本体1への固定を更に強固に行わせることができるのである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0015】
図1乃至図11に本発明の実施の形態の例を示す。本例のスノーボード用ブーツにあっては、アウターブーツ2の内部にインナーブーツ3を挿着してブーツ本体1が構成されている。このブーツ本体1は、ブーツ本体1内に挿入した足を基準にして、足のつま先部分が位置するつま先部A、足の甲が位置する甲部B、足のくるぶしより上方の部位が位置する立ち上がり部Cを有している。なお、ブーツ本体1内に挿入した足の踵が位置する部位(ソール部Dの後端部分)を踵部分Eと称し、また、ブーツ本体1内に挿入した足のふくらはぎが位置する部位(立ち上がり部Cの背部)をふくらはぎ部分Fと称する。
【0016】
アウターブーツ2は、インナーブーツ3に挿入した足を衝撃等から保護するためにインナーブーツ3に比べて硬質の材料で形成されている。特に、アウターブーツ2のソール部Dは、他の部分に比べ、肉厚を厚くしたり硬い材料を用いた補強部14で構成されている。このアウターブーツ2における甲部Bから立ち上がり部Cの上端に至る部分には開閉部4が形成されている。この開閉部4とは、アウターブーツ2を左右に開閉してインナーブーツ3をアウターブーツ2内に挿入できるようにした開口状の切れ目である。そして、この開閉部4の内部には開閉部4からブーツ本体1内部に泥等が侵入するのを防止するタン5が設けられている。なお、開閉部4の甲部Bの部位を下開閉部4aと称し、開閉部4の立ち上がり部Cの部位を上開閉部4bと称する。
【0017】
この開閉部4には金属製のワイヤ6で構成した索条体が開閉部4の側縁で折り返されながら左右に幾重にも架け渡されており、このワイヤ6を締め付けることで開閉部4の左右幅が狭まってブーツ本体1が締め付けられるようにされている。特に本例では、下開閉部4a及び上開閉部4bにそれぞれ別個のワイヤ6a,6bを架け渡し、甲部B及び立ち上がり部Cでブーツ本体1を締め付けるようにしている。なお、下開閉部4aに架設されるワイヤ6は下ワイヤ6aと称し、上開閉部4bに架設されるワイヤ6は上ワイヤ6bと称する。このワイヤ6はそれぞれ、一端を固定端としてアウターブーツ2に固定されると共に、他端を自由端としてアウターブーツ2に固定したワイヤ巻取り装置7に巻取り自在にされるものを用いている。
【0018】
ここで、ワイヤ6の固定端のアウターブーツ2への固定は、図3に示すスタート具8を用いて行われている。このスタート具8は、1対の半体8a,8aをヒンジ部8bで連結し、一方の半体8aにワイヤ6を挿入するワイヤ配置溝9を円環状に穿設し、ヒンジ部8bの屈曲で半体同士8a,8aを合わせて締結できるように構成されたものであり、ワイヤ6の固定端に形成した円環10をこの円環状の溝であるワイヤ配置溝9に挿入すると共に、ヒンジ部8bを屈曲させて半体同士8a,8aを締結することで、ワイヤ6の固定端にスタート具8が強固に取り付けられるのである。なお、半体同士8a,8aの締結は、両半体8a,8aの対向面に形成した係合突起11と係止孔12との引っ掛け係合で行われる。そして、このスタート具8をアウターブーツ2の内部に埋設させることでワイヤ6の固定端をアウターブーツ2に固定させている。
【0019】
また、開閉部4の側縁でのワイヤ6の折り返しは、図4に示すように、内部にワイヤ6を貫通せるU字状の管部材で構成された折り返し具13を用いて行われる。この折り返し具13は、ワイヤ6が塑性変形を伴うように折れ曲がることを防止した部材であり、開閉部4の側縁にワイヤ6の挿通口を開口させつつアウターブーツ2内に埋設されている。なお、この折り返し具13は開閉部4の側縁における広範囲に亙って埋設されることが好ましく、これによると、ワイヤ6と開閉部4の側縁との一体感が向上し、ワイヤ6を締め付けたときに、開閉部4の側縁同士をむらなく近接させて開閉部4を外観よく閉じ得るようできるのである。
【0020】
下ワイヤ6aは、その固定端がアウターブーツ2の甲部Bとつま先部Aとの境目部分の下開閉部4aの側縁部分に固定されており、下開閉部4aの両側縁で折り返されながらブーツ本体1の上方に向って幾重にも下開閉部4aに架け渡され、アウターブーツ2の立ち上がり部Cの下部に配置された下ワイヤ巻取り装置7aに至るように配線されている。なお、この下ワイヤ6aは下開閉部4aに架け渡されて下開閉部4aを閉じるようにブーツ本体1を締め付けるのであるが、下ワイヤ6aの締め付け力をアウターブーツ2の甲部Bとソール部Dとの間に効率よく作用させるために、アウターブーツ2の肉厚を厚くしたり硬い材料から成る補強部14がアウターブーツ2の甲部Bとソール部Dとを連結するように適宜設けられている。
【0021】
この下ワイヤ6aは、下開閉部4aに架け渡されて下開閉部4aを閉じるようにブーツ本体1を締め付ける機能を有しているが、上記機能に加えて、インナーブーツ3に挿入した足の踵をブーツ本体1に強固に固定できる機能をも有している。つまり、ブーツ本体1内部の踵部分Eの両側にはそれぞれ下フック17が設けられており、下開閉部4aに架け渡した下ワイヤ6aはその一部を、一方の下フック17に引っ掛け、次いで下開閉部4aに架け渡して他方の下フック17に引っ掛けるようにして配線させてあり、下ワイヤ6aをブーツ本体1に締め付けたときには、この部分の下ワイヤ6aが甲から踵方向に向って足を締め付け、この結果、踵のブーツ本体1への強固な固定が行われるようになっているのである。なお、この下ワイヤ6aにおける踵のブーツ本体1への強固な固定を行わせる部分は踵固定部と称する。ここで、下フック17は内部に下ワイヤ6aを挿通せるU字状の管部材で構成されていて、下ワイヤ6aの塑性変形を伴う折り曲げを回避できるようにされていると共に、アウターブーツ2のソール部Dの補強部14に装着されていて、下ワイヤ6aが引っ掛かり下フック17を上方に引っ張ろうとする力に対して高い強度を備えるようにされている。また、下ワイヤ6aの踵固定部であって、両方の下フック17,17の間で下開閉部4aに架け渡される部分にあっては、後述する下押圧部材15のワイヤ挿通孔19を貫通するように配線されている。また、下ワイヤ6aの踵固定部における下押圧部材15から他方の下フック17に至る途中の経路では、後述するくるぶし押さえ具22に設けたワイヤ挿通孔22aを貫通するように配線されている。
【0022】
一方、上ワイヤ6bは、その固定端がアウターブーツ2の立ち上がり部Cと甲部Bとの境目部分の上開閉部4bの側縁部分に固定されており、上開閉部4bの両側縁で折り返されながらブーツ本体1の上方に向って幾重にも上開閉部4bに架け渡され、アウターブーツ2の立ち上がり部Cの上部に配置された上ワイヤ巻取り装置7bに至るように配線されている。なお、下ワイヤ巻取り装置7aや上ワイヤ巻取り装置7bは、アウターブーツ2の立ち上がり部Cに剛性を備えさせる補強部14にそれぞれ装着されていて、アウターブーツ2に強固に装着されている。
【0023】
この上ワイヤ6bは、上開閉部4bに架け渡されて上開閉部4bを閉じるようにブーツ本体1を締め付ける機能を有しているが、上記機能に加えて、インナーブーツ3に挿入した足のすねをブーツ本体1に強固に固定できる機能をも有している。つまり、ブーツ本体1内部の立ち上がり部Cの背部の両側にはそれぞれ上フック18が設けられており、上開閉部4bに架け渡した上ワイヤ6bはその一部を、一方の上フック18に引っ掛け、次いで上開閉部4bに架け渡して他方の上フック18に引っ掛けるように配線させてあり、上ワイヤ6bをブーツ本体1に締め付けたときには、この部分の上ワイヤ6bが足のすねをブーツ本体1内部のふくらばぎ部分Fの方向に向って締め付け、この結果、足のすねのブーツ本体1への強固な固定が行われるようになっている。なお、この上ワイヤ6bにおける足のすねのブーツ本体1への強固な固定を行わせる部分はすね固定部と称する。ここで、上フック18は、内部に下ワイヤ6aを貫通せるU字状の管部材で構成されていて、下ワイヤ6aの塑性変形を伴う折り曲げを避けるようにされていると共に、アウターブーツ2の立ち上がり部Cの補強部14に装着されていて、上ワイヤ6bが引っ掛かり上フック18を前方に引っ張ろうとする力に対して高い強度を備えるようにされている。また、上ワイヤ6bのすね固定部であって、両方の上フック18,18の間で上開閉部4bに架け渡される部分にあっては、後述する上押圧部材16のワイヤ挿通孔19を貫通するように配線されている。
【0024】
上記下押圧部材15や上押圧部材16は、図5に示すように、下ワイヤ6aの踵固定部や上ワイヤ6bのすね固定部による足への締め付け力を足の局所に集中させず、足を柔らかく締め付け得るようにした部材である。そして、この下押圧部材15や上押圧部材16は、それぞれ硬質の樹脂により形成された主体の内部にワイヤ6が挿通されるワイヤ挿通孔19が設けられ、そしてこの主体の内側面には軟質樹脂により成るクッション材(図示せず)が備えられて構成されている。
【0025】
ワイヤ挿通孔19は、本例では、踵固定部やすね固定部以外の部分で開閉部4に架け渡されたワイヤ6が挿通される第1挿通孔19aと、踵固定部やすね固定部で開閉部4に架け渡されたワイヤ6が挿通される第2挿通孔19bとから構成されている。この第1挿通孔19aにワイヤ6を挿通させると、ワイヤ6による開閉部4の開閉にタン5を連動させ得るようになっている。つまり、ワイヤ6が開閉部4を締め付けたときには、タン5が開閉部4を内方から閉塞するようになっている。また、上記第2挿通孔19bにワイヤ6を挿通すると、ワイヤ6による踵やすねのブーツ本体1への固定にタン5を連動させ得るようになっている。つまり、下ワイヤ6aをアウターブーツ2に締め付けたときには、下押圧部材15の配置位置近傍のタン5が足の甲をブーツ本体1の踵部分Eに向って押圧するようになっている。このように下ワイヤ6aの踵固定部は下押圧部材15を介して踵をブーツ本体1の踵部分Eに固定するのであるが、このとき下押圧部材15によると下ワイヤ6aを足に食い込ませることなく、柔らかく足をブーツ本体1に固定することができるのである。また、上ワイヤ6bをアウターブーツ2に締め付けたときには、上押圧部材16の配置位置近傍のタン5が足のすねをブーツ本体1のふくらはぎ部分Fに向って押圧するようになっている。このように上ワイヤ6bのすね固定部は上押圧部材16を介して足のすねをブーツ本体1のふくらはぎ部分Fに固定するのであるが、このとき上押圧部材16によると上ワイヤ6bを足に食い込ませることなく、柔らかく足をブーツ本体1に固定することができるのである。
【0026】
ここで、下押圧部材15は立ち上がり部Cと甲部Bとの境目近傍の下開閉部4aに位置するタン5の外面側に取り付けられており、上押圧部材16は立ち上がり部Cの上部の上開閉部4bに位置するタン5の外面側に取り付けられているが、この下押圧部材15及び上押圧部材16は、形や大きさの違う個々の競技者の足に合わせ、大きさや形状が異なるものに適宜取替可能なようにタン5に着脱可能にすることも好ましい。特に、第1挿通孔19aと第2挿通孔19bとの間の寸法を変化させた下押圧部材15や上押圧部材16を数種類用意し、個々の競技者の足の寸法に合わせて取替可能にすることが好ましい。なお、図示はしないが、適宜設計変更を行い、下押圧部材15や上押圧部材16をアウターブーツ2とインナーブーツ3との間に配置する、つまり下押圧部材15や上押圧部材16をインナーブーツ3の外側面に沿わせるように配置することも好ましい。これによると、下ワイヤ6aの踵固定部や上ワイヤ6bのすね固定部による足の締め付け力をより直接的に足に作用させることができ、足をより強固にブーツ本体1に締め付けることができるのである。
【0027】
また、くるぶし押さえ具22は、図6に示すように、アウターブーツ2の内面が内方に盛り上がるようにアウターブーツ2の内部に埋設され、下ワイヤ6aがブーツ本体1を締め付けたときにブーツ本体1内に挿入した足のくるぶしを踵方向に向って押圧する部材である。詳述すると、このくるぶし押さえ具22には、足のくるぶしに沿わせ得るようにC字状のくるぶし押圧部23を有しており、このくるぶし押圧部23を上方から足のくるぶしに押圧させ、足のくるぶし部分をブーツ本体1の踵部分Eに向って押圧できるようにされている。しかして、下ワイヤ6aがブーツ本体1を締め付けたときには、下ワイヤ6aの踵固定部に加えてこのくるぶし押さえ具22によっても、ブーツ本体1内に挿入した足をブーツ本体1の踵部分Eに押さえ付けることができるのであり、踵のブーツ本体1への強固な固定を補完することができるのである。更に言うと、くるぶし押さえ具22は内部を貫通するように設けたワイヤ挿通孔22aに下ワイヤ6aを挿通させているので、ブーツ本体1を締め付けた下ワイヤ6aはブーツ本体1の内方に向って位置をずらすようになるのであるが、くるぶし押さえ具22も上記下ワイヤ6aに従って積極的にブーツ本体1の内方に向って位置をずらすようにでき、くるぶし押さえ具22の足のくるぶしへの押圧をより効果的に行わせることが図られているのである。なお、このくるぶし押さえ具22も形状や大きさの異なる個々の競技者の足に合わせて取替可能にしておくことも好ましい。
【0028】
他方の下フック17や他方の上フック18を通った下ワイヤ6aや上ワイヤ6bの自由端は、インナーブーツ3との摩擦を避けるようアウターブーツ2の内部を挿通してワイヤ巻取り装置7に至っている。上述したように、各ワイヤ6(6a,6b)をブーツ本体1に締め付けるには各ワイヤ巻取り装置7(7a,7b)にて行われる。
【0029】
このワイヤ巻取り装置7は、たとえば、図7に示すように、ワイヤ6の自由端を保持して巻き付ける巻胴部24と、この巻胴部24を回転自在に収納する本体部25とを有し、巻胴部24の回転方向をワイヤ6の巻取り方向の一方向に規制するラチェット機構を本体部25と巻胴部24との間に介装して構成されている。具体的にこのラチェット機構は、巻胴部24に一体に設けたラチェット歯形の歯車26と本体部25にバネ(図示せず)を介して設けた係止爪27とで成り、歯車26への係止爪27の弾接係止によって巻胴部24にもどり防止の回転規制が施されたものである。また、巻胴部24はその回動軸の軸線方向にスライド移動可能にされるようにバネ28を介装して本体部25に収納されており、このバネ28の付勢に抗って巻胴部24をその回動軸の軸線方向にずらすと、歯車26と係止爪27との係止が外れるようにされている。なお、巻胴部24の操作はアウターブーツ2の外方に露出したハンドル29によって行われる。
【0030】
また、図8〜図10には、ワイヤ巻取り装置7の他例を示す。この例のワイヤ巻取り装置7も、先に示した装置同様、ワイヤ6の自由端を保持して巻き付ける巻胴部24と、巻胴部24等を収納する本体部25と、巻胴部24の回転方向をワイヤ6の巻取り方向(図8中矢印a)の一方向に規制するラチェット機構と、巻胴部24を回転操作するハンドル29とを備えて構成されている。
【0031】
詳述すると、巻胴部24は、ワイヤ6を巻回する軸部24aと、軸部24aの長手方向の両端部分で軸部24aの径方向に突設した1対の鍔部24bとを有して構成されている。ここで、鍔部24bの外周面には、緩斜面26aと急斜面26bとを交互に連続させて成るラチェット歯形の歯車26が形成されている。なお、軸部24aにはワイヤ6の自由端を固定する固定具43が取付けられている。この固定具43はスタート具8と同様の構造を有している。
【0032】
本体部25は、横片25aの幅方向両端から1対の縦片25bを立設して構成されており、この1対の縦片25b間に上記巻胴部24が回転自在に枢支されて収納される。なお、本体部25の横片25aの長手方向の端部には、カバー体38を係止するリング部25cが形成されている。また、本体部25の横片25aの長手方向の両端部には、本体部25をアウターブーツ2に固定する固定具(図示せず)を挿通する挿通孔25dが形成されている。
【0033】
この本体部25には、巻胴部24を間に挟んで、ハンドル29と、歯車26に噛合して巻胴部24の固定を行う係止爪27とが、それぞれバネ36,37を介して回転自在に枢支されて収納される。なお、図8中29cはハンドル29を本体部25に枢支する枢支軸であり、図8中27cは係止爪27を本体部25に枢支する枢支軸である。ここで、バネ36,37は、各枢支軸27c,29cに巻装されたコイルバネであり、ハンドル29及び係止爪27と本体部25との間に介装されてハンドル29や係止爪27を一方の回転方向に付勢する。
【0034】
ハンドル29は、本体部25への枢支部分を間に有して、一端に指を引っ掛け易い形状にした把持部29aを有し、他端に引っ掛け爪部29bが形成されて構成されている。なお、この把持部29aと本体部25への枢支部分との距離は、本体部25への枢支部分と引っ掛け爪部29bとの距離よりも長く設定されている。そして、このハンドル29は、バネ36の付勢によって、通常、引っ掛け爪部29bと歯車26とが噛み合わないよう、本体部25の上方位置に位置されている[図9中実線のハンドル29,図10(a)]。しかし、把持部29aを持って、バネ36の付勢に抗って、本体部25への枢支部分に対して回転操作させたときには、引っ掛け爪部29bが歯車26に噛み合い、巻胴部24をワイヤ6の巻取り方向に回転させるようになっている[図9中破線のハンドル29,図10(b)]。なお、このハンドル29には、係止爪27の当接爪部27bを引っ掛ける爪引っ掛け部29dが形成されている。
【0035】
また、係止爪27は、本体部25への枢支部分を間に有して、一端に指を引っ掛け易い形状にした把持部27aを有し、他端に当接爪部27bが形成されて構成されている。この係止爪27はバネ37の付勢によって、通常、巻胴部24の歯車26に当接爪部27bが弾接して噛み合うようにされている。そして、この係止爪27によって巻胴部24はワイヤ6の巻取り方向にのみ回転されるようになっている。つまり、歯車26に弾接した係止爪27は、ラチェット歯形の歯車26によって、巻胴部24がワイヤ6の巻取り方向に回転するときには、当接爪部27bが緩斜面26aを登って自然に係合が外れ、巻胴部24の回転を阻害しないようにしており(図9中破線の係止爪27)、一方、巻胴部24がワイヤ6の巻取り方向の反対方向に回転しようとするときには、当接爪部27bが急斜面26bに強く係合し、巻胴部24のワイヤ6の緩み方向への回転を防止するようにされている(図9中実線の係止爪27)。すなわち、巻胴部24に一体に設けたラチェット歯形の歯車26と、この歯車26に弾接係止する係止爪27とによって、巻胴部24をワイヤ6の巻取り方向のみに回転自在にさせるラチェット機構が構成されているのである。巻胴部24のワイヤ6の巻取りを緩めるときには、この係止爪27の把持部27aを持って、バネ37の付勢に抗って本体部25に対して回転操作させ、当接爪部27bの歯車26への弾接係止を解除すればよい。なお、そのまま係止爪27の当接爪部27bをハンドル29の爪引っ掛け部29dに係合させると、ワイヤ6を緩めて足の締め付け解除の状態を維持するようにできる(図9中一点鎖線の係止爪27)。
【0036】
また、本体部25には、ワイヤ6を巻胴部24の軸部24aにスムーズに導入させるカバー体38が取付けられる。このカバー体38は、巻胴部24の鍔部24b間の軸部24aを覆うカバー本体部38aと、巻胴部24からリング部25cに至る部位の本体部25を覆うカバー延設部38bとが一体に形成されて構成されている。なお、ワイヤ6のワイヤ巻取り装置7内への導入口となるカバー延設部38bの先端部位には、リング部25cと嵌合する溝部38cが形成されている。つまり、ワイヤ巻取り装置7内に導入されたワイヤ6は、本体部25の横片25aとカバー体38との間に位置されて巻胴部24の軸部24aに至るようにされており、ハンドル29等の他の部材に接触しないよう保護されている。
【0037】
そして、このワイヤ巻取り装置7をアウターブーツ2に取り付けた状態では、ハンドル29の把持部29aと係止爪27の把持部27aとが外方に露出した状態になっている。このワイヤ巻取り装置7では、前例のワイヤ巻取り装置7同様、ワイヤ6を巻き取るのにはハンドル29を操作するのであるが、この例のハンドル29は上述したように、把持部29aと本体部25への枢支部分との距離が、本体部25への枢支部分と引っ掛け爪部29bとの距離よりも長く設定されていることから、てこの原理を利用して巻胴部24を回転させる機構になっており、前例のワイヤ巻取り装置7に比べても、より軽い力でワイヤ6を巻取ることができるようになっているのである。
【0038】
上述した一例または他例のワイヤ巻取り装置7は、下ワイヤ巻取り装置7aや上ワイヤ巻取り装置7bに用いられるものであるが、下ワイヤ巻取り装置7aの巻胴部24を回転させるようにハンドル29を操作すると、下ワイヤ6aが上記巻胴部24に巻き取られてブーツ本体1を徐々に締め付け、踵をブーツ本体1の踵部分Eに密着させるよう足をブーツ本体1に強固に固定できるのである。また、上ワイヤ巻取り装置7bの巻胴部24を回転させるようにハンドル29を操作すると、上ワイヤ6bが上記巻胴部24に巻き取られてブーツ本体1を徐々に締め付け、そして足のすねをブーツ本体1の立ち上がり部Cに密着させるように足をブーツ本体1に強固に固定できるのである。更に、前例のワイヤ巻取り装置7ではハンドル29を押圧または引張るように操作して巻胴部24をその回動軸の軸線方向にずらすことで、また後例のワイヤ巻取り装置7では係止爪27の把持部27aを持って係止爪27を回転操作することで、歯車26と係止爪27との弾接係止を解除できてワイヤ6の巻胴部24への巻付状態を緩ませることができ、ワイヤ6による足の締め付けをワンタッチで解除できるようになっている。このように、このワイヤ巻取り装置7によってワイヤ6の締付け及び解除を行うようにすると、アウターブーツ2の外からの操作で簡単且つすばやく足の締め付けを調整できるのである。
【0039】
上述したように本例のスノーボード用ブーツでは、ブーツ本体1の甲部Bから立ち上がり部Cの上端に至る部分に開閉部4を形成し、この開閉部4の甲部Bの部位を下開閉部4aとすると共に、開閉部4の立ち上がり部の部位を上開閉部4bとし、下開閉部4a及び上開閉部4bにそれぞれ別個のワイヤ6(下ワイヤ6a,上ワイヤ6b)を架け渡し、ブーツ本体1の部位毎に足を締め付け自在にしているので、ブーツ本体1内部に挿入した足は下開閉部4aの下ワイヤ6a及び上開閉部4bの上ワイヤ6bによって別々にブーツ本体1に固定されるのであり、足の部位によって異なる足のブーツ本体1への必要固定強度に合わせて効率よく足をブーツ本体1に固定することができるといった利点がある。更に、下開閉部4aの下ワイヤ6aでブーツ本体1を締め付けると、ブーツ本体1内に挿入した足の踵をブーツ本体1内部の踵部分Eに強固に固定させることができ、また、上開閉部4bの上ワイヤ6bでブーツ本体を締め付けると、ブーツ本体内に挿入した足のすねをブーツ本体1内部の立ち上がり部Cに強固に固定させることができるので、ブーツ本体1への足の固定を効果的に行わせることができるといった利点がある。特に、足の踵のブーツ本体1の踵部分Eへの固定は、下ワイヤ6aに加えて、くるぶし押さえ具22によっても行われることから、特に強固に行うことができるのである。
【0040】
ここで、図11には、ステップインタイプのバインディング50に本例のブーツを装着した状態図を示す。ステップインタイプのバインディング50は、ボード上に固定された基台51の上に上方から押し付けるようにブーツ本体1を載置したときに、ブーツ本体1のソール部Dと基台51との間に設けられた締結具(図示せず)の締結により、ブーツ本体1のソール部Dと基台51とがワンタッチで締結されるようになったものである。なお図中52はブーツ本体1の立ち上がり部Cの背面に沿わせるハイバックである。このステップインタイプのバインディング50にあっては、従来のバインディング40(図17参照)にあるストラップ41,42は備えていないものであって、ブーツとボードとの装着は強固に行えるも踵のボードへの強固な固定は行えないという問題を有している。しかしながら、本例のブーツにあってはブーツを履いた時点でブーツ本体1と踵との強固な固定が行われることから、ステップインタイプのバインディング50を介してブーツ本体1をボードに固定したときにも、踵とボードとの固定を強固に為すことができるのである。したがって、本例のブーツをステップインタイプのバインディング50を介してボードに固定するようにすると、ステップインタイプのバインディング50の短所であった足とボードとの一体性の欠如といった問題は無くなり、該バインディング50の長所である足(ブーツ)のボードへの良好な装着性のみを引き出すことができるのであって、つまり、競技者は、ブーツのボードへの装着にかかる煩雑さを感じることなく且つ思いのままにボードを操ることもできるのであり、スノーボードを快適に楽しむことができるようになるのである。
【0041】
また、図12乃至図16に本発明の実施の形態の他例を示す。この例は、先の実施の形態の例におけるアウターブーツ2はそのままに、インナーブーツ3を変更した例である。つまり、本例のインナーブーツ3は、アウターブーツ2のように、甲部Bから立ち上がり部Cに亙って切り込み部30を設け、この切り込み部30にワイヤ31で構成せる索条体を架け渡し、このワイヤ31の締め付けによって切り込み部30を閉じるようにして、インナーブーツ3に挿入した足を締め付け得るようにしたものである。なお、このワイヤ31としては、長さ方向の両端を自由端とし、この自由端をワイヤ巻取り装置35に巻回することでインナーブーツ3の締め付けが行われるものを用いている。ここで、ワイヤ巻取り装置35は、先の実施の形態の例と同構造のものを用いると共に、インナーブーツ3の切り込み部30の内部に設けたタン32の上端部分に設置されており、アウターブーツ2内にインナーブーツ3を挿着した状態でブーツ本体1の外方に露出するようにされている。なお、上記タン32の外面には適所に連結具33が取り付けられ、切り込み部30に架け渡されたワイヤ31を上記連結具33に貫通させ、ワイヤ31を締め付けたときにタン32も上記ワイヤ31に連動してインナーブーツ3に挿入した足を締め付け得るようにされている。なお、本例のワイヤ31は、図14に示すように、切り込み部30の側縁に沿う部分では、管状の折り返し具13によってインナーブーツ3内に埋設され、切り込み部30の側縁間に架け渡される部分で外方に露出されるように配線されている。このようにワイヤ31は切り込み部30の側縁の広い部分に沿うように配線されているので、ワイヤ31により閉められる切り込み部30を略均一に閉め得るようにされている。なお、タン32の上縁における左右の両端部分にはインナーブーツ3の上縁部分に引っ掛け固定するフック34がそれぞれ設けられている。このフック34によると、図15に示すように、ワイヤ31で締め付けたインナーブーツ3の形状を仮保持でき、ブーツの使い勝手を向上させることができる。
【0042】
このように、本例のブーツはアウターブーツ2に設けたワイヤ6に加えて、インナーブーツ3に設けたワイヤ31によっても、ブーツ本体1内に挿入した足を固定させることができるものであり、先の実施の形態の例のブーツに比べ、インナーブーツ3に設けたワイヤ31が足を締め付ける分、足を強固にブーツ本体1に固定させることができるようになっているのである。
【0043】
また、図示はしないが、上記例のインナーブーツの切り込み部を開閉部とし、アウターブーツの開閉部を切り込み部とするように、構造を逆にするようにしてもよい。つまり、インナーブーツの甲部から立ち上がり部の上端に至る部分に開閉部を形成し、インナーブーツの開閉部の下開閉部及び上開閉部にそれぞれ別個の索条体(ワイヤ)を架け渡してインナーブーツを締め付け自在にし、また、アウターブーツの甲部から立ち上がり部の上端に至る部分に切り込み部を形成し、この切り込み部に索条体(ワイヤ)を架け渡してアウターブーツを締め付け自在にすることも好ましいのである。これによっても上記例同様、アウターブーツ及びインナーブーツの各ブーツ毎に足の締め付けが行え、足を強固にブーツ本体に固定させることができるのである。
【0044】
また、上述した実施の形態の各例では、索条体にワイヤ6,31を用いたものを例示したが、索条体としては、その全てをワイヤ6,31で構成せず、索条体の自由端部分をワイヤ6,31で構成してワイヤ巻取り装置7,35で巻取りができるようにしておけば、必要に応じて可撓性有するひもなどを部分的に用いるようにしてもよいのは言うまでもない。
【0045】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1記載の発明にあっては、叙述したように、ブーツ本体の甲部から立ち上がり部の上端に至る部分に開閉部を形成し、この開閉部の甲部の部位を下開閉部とすると共に、開閉部の立ち上がり部の部位を上開閉部とし、下開閉部及び上開閉部にそれぞれ別個の索条体を架け渡してブーツ本体を締め付け自在にしたので、ブーツ本体内部に挿入した足は下開閉部の索条体及び上開閉部の索条体によって別々にブーツ本体に固定するようにでき、足の部位によって異なる足のブーツ本体への必要固定強度に合わせて効率よく足をブーツ本体に固定することができるのであり、また、ブーツ本体内部の踵部分の両側にそれぞれ下フックを設けて、下開閉部の索条体を一方の下フックに引っ掛け、次いでブーツ本体の甲部に架け渡して他方の下フックに引っ掛けるようにし、ブーツ本体内部のふくらはぎ部分の両側にそれぞれ上フックを設け、上開閉部の索条体を一方の上フックに引っ掛け、次いでブーツ本体の立ち上がり部に架け渡して他方の上フックに引っ掛けるようにしたので、下開閉部の索条体でブーツ本体を締め付けたときにはブーツ本体内に挿入した足の踵をブーツ本体内部の踵部分に強固に固定でき、また、上開閉部の索条体でブーツ本体を締め付けると、ブーツ本体内に挿入した足のすねをブーツ本体内部のふくらはぎ部分に強固に固定できることから、足のすねや踵のブーツ本体への固定を強固に行わせることができるのであり、特に、ブーツを履いた時点で足の踵をブーツ本体に強固に固定できるので、ストラップを備えないステップインタイプのバインディングを介してブーツをボードに固定したときにも、足の踵をボードに強固に固定できるのであって、競技者は思いのままにボードを操ることができて快適にスノボードを楽しむことができるのである。
【0046】
また、請求項2に記載の発明にあっては、請求項1の効果に加えて、各索条体をワイヤで構成し、このワイヤの一端をブーツ本体に固定すると共に、ワイヤの他端をブーツ本体に固定したワイヤ巻取り装置によって巻き取り自在にしたので、ワイヤを巻き取るといった簡単な操作で足のブーツ本体への固定を行わせることができ、競技者は足のブーツ本体への固定にかかる煩雑な思いをすることなく、快適にスノボードを楽しむことができるのである。
【0047】
また、請求項3に記載の発明にあっては、請求項1の効果に加えて、上記ワイヤ巻取り装置を、ワイヤの自由端を保持して巻き付ける巻胴部と、巻胴部の回転方向をワイヤの巻取り方向の一方向に規制するラチェット機構と、巻胴部を回転操作するハンドルとを有して構成したので、上記構成を備えたワイヤ巻取り装置では、ハンドルを操作して巻胴部を回転させてワイヤを巻き取るのであるが、このとき巻胴部はラチェット機構によって戻り防止が施され、足のブーツ本体への確実な固定を維持できるのである。
【0048】
また、請求項4に記載の発明にあっては、請求項1の効果に加えて、索条体がブーツ本体を締め付けたときにくるぶしを踵方向に押さえ付けるくるぶし押さえ具を、ブーツ本体内部に設けたので、索条体がブーツ本体を締め付けたときには、下開閉部の索条体に加えて、くるぶし押さえ具によっても、ブーツ本体内に挿入した足を踵方向に押さえ付けることができ、踵のブーツ本体への固定を更に強固に行わせることができるのである。
【0049】
また、請求項5に記載の発明にあっては、請求項4の効果に加えて、くるぶし押さえ具の内部に下開閉部の索条体を挿通し、索条体がブーツ本体を締め付けたときにくるぶしを踵方向に押さえ付けるようにしたので、ブーツ本体を締め付けた索条体はブーツ本体の内方に向って位置をずらすようになるのであるが、くるぶし押さえ具も上記索条体に従って積極的にブーツ本体の内方に向って位置をずらすようにでき、くるぶし押さえ具のくるぶしへの押圧をより効果的に行わせることができるのである。
【0050】
また、請求項6に記載の発明にあっては、請求項1の効果に加えて、ブーツ本体をアウターブーツにインナーブーツを内包して構成し、インナーブーツの甲部から立ち上がり部の上端に至る部分に切り込み部を形成し、この切り込み部に索条体を架け渡してインナーブーツを締め付け自在にし、アウターブーツの甲部から立ち上がり部の上端に至る部分に開閉部を形成し、アウターブーツの開閉部の下開閉部及び上開閉部にそれぞれ別個の索条体を架け渡してアウターブーツを締め付け自在にしたので、足のブーツ本体への固定が、アウターブーツの開閉部での索条体の締め付けに加えて、インナーブーツの切り込み部での索条体の締め付けによっても行え、足のブーツ本体への固定を更に強固に行わせることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の例のブーツであって、(a)は一部を切り欠いた右側面図であり、(b)は一部を切り欠いた左側面図である。
【図2】同上のブーツの斜視図である。
【図3】同上のスタート具であり、(a)は半体を開いた状態の正面図であり、(b)は半体を閉じた状態の正面図である。
【図4】同上の立ち上がり部近傍のブーツを正面から見た斜視図である。
【図5】同上の押圧部材(下押圧部材,上押圧部材)を示す斜視図である。
【図6】同上のくるぶし押さえ具の説明図である。
【図7】同上のワイヤ巻取り装置の一例の説明図である。
【図8】同上のワイヤ巻取り装置の他例の分解斜視図である。
【図9】同上のワイヤ巻取り装置の動作説明図である。
【図10】同上のワイヤ巻取り装置のカバー体を省略した平面図であって、(a)は通常状態を示し、(b)はハンドルを全開にした状態を示す。
【図11】同上のブーツをステップインタイプのバインディングを介してボードに装着した状態を示す斜視図である。
【図12】本発明の実施の形態の他例のブーツの斜視図である。
【図13】同上のインナーブーツの斜視図である。
【図14】同上のワイヤの配線の説明図である。
【図15】同上のフックを説明する説明図である。
【図16】同上のブーツをステップインタイプのバインディングを介してボードに装着した状態を示す斜視図である。
【図17】従来のブーツをストラップを備えたバインディングを介してボードに装着した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ブーツ本体
2 アウターブーツ
3 インナーブーツ
4 開閉部
4a 下開閉部
4b 上開閉部
6 ワイヤ
6a 下ワイヤ
6b 上ワイヤ
7 ワイヤ巻取り装置
17 下フック
18 上フック
A つま先部
B 甲部
C 立ち上がり部
D ソール部
E 踵部分
F ふくらはぎ部分
【発明の属する技術分野】
本発明は、スノーボード用ブーツに関する発明であり、詳しくは足のブーツ本体への固定の技術に係る発明である。
【0002】
【従来の技術】
「スノーボード」というスポーツは、ボードの上に装着したバインディングにブーツを固定することで競技者の足とボードとを一体化し、競技者が身体の体重を前後左右に移動させたりボードの雪面への接地角度を変えたりして、ターンや停止、またはジャンプ等の動作を交えながら雪面を滑降するようなスポーツである。したがって、競技者が思いのままにボードを操りスノーボードを楽しむには、足とボードとの一体性、ひいては足のブーツへの強固な固定が不可欠とされる。特に、ひざを曲げて雪面に対してつま先を立てるように足を動作させたとき、つまり踵に競技者の体重が乗らないときにも、この足の動作に追従して雪面にエッジを効かせるように確実にボードを立てることができるよう、踵とブーツとの固定が強固に為されることが要求されている。
【0003】
従来から、図17に示すように、一般的なスノーボード用ブーツとしては、ブーツ本体1の甲部Bから立ち上がり部Cの上端に至る部分に開閉部4を形成し、この開閉部4に靴紐39で構成される索条体を架け渡して構成されたものがある。このブーツでは、靴紐39をブーツ本体1に締め上げることで、開閉部4を左右に閉じるようにして足をブーツ本体1に固定させるようにしているが、せいぜいブーツから足が抜け落ちない程度にしか固定できない。しかして、このようなブーツは、甲部Bを締め付けるアンクルストラップ41やつま先部Aを締め付けるトゥストラップ42を備えたバインディング40を介することで、ボードに装着することが一般的であり、このバインディング40のアンクルストラップ41を強く締め付けることで、踵のブーツ本体1及びボードへの強固な固定を行わせるものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近年、バインディングの種類として上述したバインディング40とは異なるステップインタイプのバインディング50が主流になりつつある(図11参照)。このステップインタイプのバインディング50は、ボード上に固定された基台51の上に上方から押し付けるようにブーツ本体1を載置したときに、ブーツ本体1のソール部Dと基台51との間に設けられた締結具(図示せず)の締結により、ブーツ本体1のソール部Dと基台51とがワンタッチで締結されるようになったものである。つまり、このステップインタイプのバインディング50は、上述した各ストラップ41,42を締め付けてブーツをボードに固定するタイプのバインディング40に比べて、各ストラップ41,42を手でいちいち締め付けないで済むようになっていることで、ブーツのボードへの着脱の容易化が図られているのである。しかしながら、このステップインタイプのバインディング50では、ブーツのボードへの着脱の容易化が図られる反面、各ストラップ41,42にてブーツ本体1を締め付けることが無いため、踵をブーツ本体1及びボードに強固に固定できないという問題を抱えるものであった。しかして、このステップインタイプのバインディング50を介してブーツをボードに装着したときにも、踵をブーツ及びボードに強固に固定できるようなブーツの開発が切望されるものであった。
【0005】
また、スノーボードは競技者に激しい運動動作を課すスポーツであり、この競技者の運動動作は足の部位によって異なることから、競技者の激しい運動動作によっては足の部位に応じてブーツ本体1を締め上げる靴紐39に緩みを生じさせてしまう場合がある。つまり、足のブーツ本体1への必要固定強度は足の部位に応じて異なるのである。しかしながら、上述したブーツでは、靴紐39の締め付けによって足全体を一律にブーツ本体1に固定するものであるから、足の部位によって異なる足のブーツ本体1への必要固定強度に合わせて効率よく足をブーツ本体1に固定することはできないものであった。そもそも、靴紐39をブーツ本体1にきつく締め上げて足をブーツ本体1に強固に固定することは、足に多大な負担がかかる(うっ血等が生じる)ことになるのであり、この観点からも足の部位に合わせて必要な固定強度で足をブーツ本体1に固定することが好ましく、これを可能にするブーツの開発が切望されるものであった。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、ステップインタイプのバインディングに装着しても踵のブーツ及びボードへの強固な固定を可能とし、加えて、足の部位に応じて適度な固定強度で足をブーツに固定可能とするスノーボード用ブーツを提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係るスノーボード用ブーツは、ブーツ本体1の甲部Bから立ち上がり部Cの上端に至る部分に開閉部4を形成し、この開閉部4の甲部Bの部位を下開閉部4aとすると共に、開閉部4の立ち上がり部Cの部位を上開閉部4bとし、下開閉部4a及び上開閉部4bにそれぞれ別個の索条体を架け渡してブーツ本体1を締め付け自在にし、ブーツ本体1内部の踵部分Eの両側にそれぞれ下フック17を設けて、下開閉部4aの索条体を一方の下フック17に引っ掛け、次いでブーツ本体1の甲部Bに架け渡して他方の下フック17に引っ掛けるようにし、ブーツ本体1内部のふくらはぎ部分Fの両側にそれぞれ上フック18を設け、上開閉部4bの索条体を一方の上フック18に引っ掛け、次いでブーツ本体1の立ち上がり部Cに架け渡して他方の上フック18に引っ掛けるようにしたことを特徴とする。これによると、下開閉部4a及び上開閉部4bのそれぞれの索条体によってブーツ本体1を締め付けることができ、つまりブーツ本体1内部に挿入した足は下開閉部4aの索条体及び上開閉部4bの索条体によって別々にブーツ本体1に固定されるのであり、足の部位によって異なる足のブーツ本体1への必要固定強度に合わせて効率よく足をブーツ本体1に固定することができるのである。更に、下開閉部4aの索条体でブーツ本体1を締め付けると、ブーツ本体1内に挿入した足の甲をブーツ本体1内部の踵部分Eに向けて押圧させることができ、また、上開閉部4bの索条体でブーツ本体1を締め付けると、ブーツ本体1内に挿入した足のすねをブーツ本体1内部のふくらはぎ部分Fに向けて押圧させることができるので、足のすねや踵のブーツ本体1への固定を強固に行わせることができるのである。特に、ブーツを履いた時点で足の踵をブーツ本体1に強固に固定できるので、ストラップ41,42の無いステップインタイプのバインディング50を介してブーツをボードに装着する際にも、ボードに踵を強固に固定させることができるのである。
【0008】
また、各索条体をワイヤ6で構成し、このワイヤ6の一端をブーツ本体1に固定すると共に、ワイヤ6の他端をブーツ本体1に固定したワイヤ巻取り装置7によって巻き取り自在にしたことも好ましい。これによると、索条体のブーツ本体1への締め付けが索条体を構成せるワイヤ6の巻取り機構にて行われ、簡単且つスムーズな操作で索条体による足のブーツ本体1への固定を行わせることができる。
【0009】
また、上記ワイヤ巻取り装置7を、ワイヤ6の自由端を保持して巻き付ける巻胴部24と、巻胴部24の回転方向をワイヤ6の巻取り方向の一方向に規制するラチェット機構と、巻胴部24を回転操作するハンドル29とを有して構成したことも好ましい。これによると、上記構成を備えたワイヤ巻取り装置7では、ハンドル29を操作して巻胴部24を回転させてワイヤ6を巻き取るのであるが、このとき巻胴部24はラチェット機構によって戻り防止が施され、足のブーツ本体1への確実な固定を維持できるのである。
【0010】
また、索条体がブーツ本体1を締め付けたときにくるぶしを踵方向に押さえ付けるくるぶし押さえ具22を、ブーツ本体1内部に設けたことも好ましい。これによると、索条体がブーツ本体1を締め付けたときには、下開閉部4aの索条体に加えて、くるぶし押さえ具22によっても、ブーツ本体1内に挿入した足を踵方向に押さえ付けることができるのであり、踵のブーツ本体1への固定を更に強固に行わせることができる。
【0011】
また、くるぶし押さえ具22の内部に下開閉部4の索条体を挿通し、索条体がブーツ本体1を締め付けたときにくるぶしを踵方向に押さえ付けるようにしたことも好ましい。これによると、ブーツ本体1を締め付けた索条体はブーツ本体1の内方に向って位置をずらすようになるが、くるぶし押さえ具22も上記索条体に従って積極的にブーツ本体1の内方に向って位置をずらすようにでき、くるぶし押さえ具22のくるぶしへの押圧をより効果的に行わせることができる。
【0012】
また、ブーツ本体1をアウターブーツ2にインナーブーツ3を内包して構成し、インナーブーツ3の甲部Bから立ち上がり部Cの上端に至る部分に切り込み部30を形成し、この切り込み部30に索条体を架け渡してインナーブーツ3を締め付け自在にし、アウターブーツ2の甲部Bから立ち上がり部Cの上端に至る部分に開閉部4を形成し、アウターブーツ2の開閉部4の下開閉部4a及び上開閉部4bにそれぞれ別個の索条体を架け渡してアウターブーツ2を締め付け自在にしたことも好ましい。これによると、足のブーツ本体1への固定が、アウターブーツ2の開閉部4での索条体の締め付けに加えて、インナーブーツ3の切り込み部30での索条体の締め付けによっても行え、足のブーツ本体1への固定を更に強固に行わせることができる。
【0013】
なお、ブーツ本体1をアウターブーツ2にインナーブーツ3を内包して構成し、インナーブーツ3の甲部Bから立ち上がり部Cの上端に至る部分に開閉部4を形成し、インナーブーツ3の開閉部4の下開閉部4a及び上開閉部4bにそれぞれ別個の索条体を架け渡してインナーブーツ3を締め付け自在にし、アウターブーツ2の甲部Bから立ち上がり部Cの上端に至る部分に切り込み部30を形成し、この切り込み部30に索条体を架け渡してアウターブーツ2を締め付け自在にすることも好ましい。これによっても、足のブーツ本体1への固定が、インナーブーツ3の開閉部4での索条体の締め付けとアウターブーツ2の切り込み部30での索条体の締め付けとで行われ、足のブーツ本体1への固定を更に強固に行わせることができるのである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0015】
図1乃至図11に本発明の実施の形態の例を示す。本例のスノーボード用ブーツにあっては、アウターブーツ2の内部にインナーブーツ3を挿着してブーツ本体1が構成されている。このブーツ本体1は、ブーツ本体1内に挿入した足を基準にして、足のつま先部分が位置するつま先部A、足の甲が位置する甲部B、足のくるぶしより上方の部位が位置する立ち上がり部Cを有している。なお、ブーツ本体1内に挿入した足の踵が位置する部位(ソール部Dの後端部分)を踵部分Eと称し、また、ブーツ本体1内に挿入した足のふくらはぎが位置する部位(立ち上がり部Cの背部)をふくらはぎ部分Fと称する。
【0016】
アウターブーツ2は、インナーブーツ3に挿入した足を衝撃等から保護するためにインナーブーツ3に比べて硬質の材料で形成されている。特に、アウターブーツ2のソール部Dは、他の部分に比べ、肉厚を厚くしたり硬い材料を用いた補強部14で構成されている。このアウターブーツ2における甲部Bから立ち上がり部Cの上端に至る部分には開閉部4が形成されている。この開閉部4とは、アウターブーツ2を左右に開閉してインナーブーツ3をアウターブーツ2内に挿入できるようにした開口状の切れ目である。そして、この開閉部4の内部には開閉部4からブーツ本体1内部に泥等が侵入するのを防止するタン5が設けられている。なお、開閉部4の甲部Bの部位を下開閉部4aと称し、開閉部4の立ち上がり部Cの部位を上開閉部4bと称する。
【0017】
この開閉部4には金属製のワイヤ6で構成した索条体が開閉部4の側縁で折り返されながら左右に幾重にも架け渡されており、このワイヤ6を締め付けることで開閉部4の左右幅が狭まってブーツ本体1が締め付けられるようにされている。特に本例では、下開閉部4a及び上開閉部4bにそれぞれ別個のワイヤ6a,6bを架け渡し、甲部B及び立ち上がり部Cでブーツ本体1を締め付けるようにしている。なお、下開閉部4aに架設されるワイヤ6は下ワイヤ6aと称し、上開閉部4bに架設されるワイヤ6は上ワイヤ6bと称する。このワイヤ6はそれぞれ、一端を固定端としてアウターブーツ2に固定されると共に、他端を自由端としてアウターブーツ2に固定したワイヤ巻取り装置7に巻取り自在にされるものを用いている。
【0018】
ここで、ワイヤ6の固定端のアウターブーツ2への固定は、図3に示すスタート具8を用いて行われている。このスタート具8は、1対の半体8a,8aをヒンジ部8bで連結し、一方の半体8aにワイヤ6を挿入するワイヤ配置溝9を円環状に穿設し、ヒンジ部8bの屈曲で半体同士8a,8aを合わせて締結できるように構成されたものであり、ワイヤ6の固定端に形成した円環10をこの円環状の溝であるワイヤ配置溝9に挿入すると共に、ヒンジ部8bを屈曲させて半体同士8a,8aを締結することで、ワイヤ6の固定端にスタート具8が強固に取り付けられるのである。なお、半体同士8a,8aの締結は、両半体8a,8aの対向面に形成した係合突起11と係止孔12との引っ掛け係合で行われる。そして、このスタート具8をアウターブーツ2の内部に埋設させることでワイヤ6の固定端をアウターブーツ2に固定させている。
【0019】
また、開閉部4の側縁でのワイヤ6の折り返しは、図4に示すように、内部にワイヤ6を貫通せるU字状の管部材で構成された折り返し具13を用いて行われる。この折り返し具13は、ワイヤ6が塑性変形を伴うように折れ曲がることを防止した部材であり、開閉部4の側縁にワイヤ6の挿通口を開口させつつアウターブーツ2内に埋設されている。なお、この折り返し具13は開閉部4の側縁における広範囲に亙って埋設されることが好ましく、これによると、ワイヤ6と開閉部4の側縁との一体感が向上し、ワイヤ6を締め付けたときに、開閉部4の側縁同士をむらなく近接させて開閉部4を外観よく閉じ得るようできるのである。
【0020】
下ワイヤ6aは、その固定端がアウターブーツ2の甲部Bとつま先部Aとの境目部分の下開閉部4aの側縁部分に固定されており、下開閉部4aの両側縁で折り返されながらブーツ本体1の上方に向って幾重にも下開閉部4aに架け渡され、アウターブーツ2の立ち上がり部Cの下部に配置された下ワイヤ巻取り装置7aに至るように配線されている。なお、この下ワイヤ6aは下開閉部4aに架け渡されて下開閉部4aを閉じるようにブーツ本体1を締め付けるのであるが、下ワイヤ6aの締め付け力をアウターブーツ2の甲部Bとソール部Dとの間に効率よく作用させるために、アウターブーツ2の肉厚を厚くしたり硬い材料から成る補強部14がアウターブーツ2の甲部Bとソール部Dとを連結するように適宜設けられている。
【0021】
この下ワイヤ6aは、下開閉部4aに架け渡されて下開閉部4aを閉じるようにブーツ本体1を締め付ける機能を有しているが、上記機能に加えて、インナーブーツ3に挿入した足の踵をブーツ本体1に強固に固定できる機能をも有している。つまり、ブーツ本体1内部の踵部分Eの両側にはそれぞれ下フック17が設けられており、下開閉部4aに架け渡した下ワイヤ6aはその一部を、一方の下フック17に引っ掛け、次いで下開閉部4aに架け渡して他方の下フック17に引っ掛けるようにして配線させてあり、下ワイヤ6aをブーツ本体1に締め付けたときには、この部分の下ワイヤ6aが甲から踵方向に向って足を締め付け、この結果、踵のブーツ本体1への強固な固定が行われるようになっているのである。なお、この下ワイヤ6aにおける踵のブーツ本体1への強固な固定を行わせる部分は踵固定部と称する。ここで、下フック17は内部に下ワイヤ6aを挿通せるU字状の管部材で構成されていて、下ワイヤ6aの塑性変形を伴う折り曲げを回避できるようにされていると共に、アウターブーツ2のソール部Dの補強部14に装着されていて、下ワイヤ6aが引っ掛かり下フック17を上方に引っ張ろうとする力に対して高い強度を備えるようにされている。また、下ワイヤ6aの踵固定部であって、両方の下フック17,17の間で下開閉部4aに架け渡される部分にあっては、後述する下押圧部材15のワイヤ挿通孔19を貫通するように配線されている。また、下ワイヤ6aの踵固定部における下押圧部材15から他方の下フック17に至る途中の経路では、後述するくるぶし押さえ具22に設けたワイヤ挿通孔22aを貫通するように配線されている。
【0022】
一方、上ワイヤ6bは、その固定端がアウターブーツ2の立ち上がり部Cと甲部Bとの境目部分の上開閉部4bの側縁部分に固定されており、上開閉部4bの両側縁で折り返されながらブーツ本体1の上方に向って幾重にも上開閉部4bに架け渡され、アウターブーツ2の立ち上がり部Cの上部に配置された上ワイヤ巻取り装置7bに至るように配線されている。なお、下ワイヤ巻取り装置7aや上ワイヤ巻取り装置7bは、アウターブーツ2の立ち上がり部Cに剛性を備えさせる補強部14にそれぞれ装着されていて、アウターブーツ2に強固に装着されている。
【0023】
この上ワイヤ6bは、上開閉部4bに架け渡されて上開閉部4bを閉じるようにブーツ本体1を締め付ける機能を有しているが、上記機能に加えて、インナーブーツ3に挿入した足のすねをブーツ本体1に強固に固定できる機能をも有している。つまり、ブーツ本体1内部の立ち上がり部Cの背部の両側にはそれぞれ上フック18が設けられており、上開閉部4bに架け渡した上ワイヤ6bはその一部を、一方の上フック18に引っ掛け、次いで上開閉部4bに架け渡して他方の上フック18に引っ掛けるように配線させてあり、上ワイヤ6bをブーツ本体1に締め付けたときには、この部分の上ワイヤ6bが足のすねをブーツ本体1内部のふくらばぎ部分Fの方向に向って締め付け、この結果、足のすねのブーツ本体1への強固な固定が行われるようになっている。なお、この上ワイヤ6bにおける足のすねのブーツ本体1への強固な固定を行わせる部分はすね固定部と称する。ここで、上フック18は、内部に下ワイヤ6aを貫通せるU字状の管部材で構成されていて、下ワイヤ6aの塑性変形を伴う折り曲げを避けるようにされていると共に、アウターブーツ2の立ち上がり部Cの補強部14に装着されていて、上ワイヤ6bが引っ掛かり上フック18を前方に引っ張ろうとする力に対して高い強度を備えるようにされている。また、上ワイヤ6bのすね固定部であって、両方の上フック18,18の間で上開閉部4bに架け渡される部分にあっては、後述する上押圧部材16のワイヤ挿通孔19を貫通するように配線されている。
【0024】
上記下押圧部材15や上押圧部材16は、図5に示すように、下ワイヤ6aの踵固定部や上ワイヤ6bのすね固定部による足への締め付け力を足の局所に集中させず、足を柔らかく締め付け得るようにした部材である。そして、この下押圧部材15や上押圧部材16は、それぞれ硬質の樹脂により形成された主体の内部にワイヤ6が挿通されるワイヤ挿通孔19が設けられ、そしてこの主体の内側面には軟質樹脂により成るクッション材(図示せず)が備えられて構成されている。
【0025】
ワイヤ挿通孔19は、本例では、踵固定部やすね固定部以外の部分で開閉部4に架け渡されたワイヤ6が挿通される第1挿通孔19aと、踵固定部やすね固定部で開閉部4に架け渡されたワイヤ6が挿通される第2挿通孔19bとから構成されている。この第1挿通孔19aにワイヤ6を挿通させると、ワイヤ6による開閉部4の開閉にタン5を連動させ得るようになっている。つまり、ワイヤ6が開閉部4を締め付けたときには、タン5が開閉部4を内方から閉塞するようになっている。また、上記第2挿通孔19bにワイヤ6を挿通すると、ワイヤ6による踵やすねのブーツ本体1への固定にタン5を連動させ得るようになっている。つまり、下ワイヤ6aをアウターブーツ2に締め付けたときには、下押圧部材15の配置位置近傍のタン5が足の甲をブーツ本体1の踵部分Eに向って押圧するようになっている。このように下ワイヤ6aの踵固定部は下押圧部材15を介して踵をブーツ本体1の踵部分Eに固定するのであるが、このとき下押圧部材15によると下ワイヤ6aを足に食い込ませることなく、柔らかく足をブーツ本体1に固定することができるのである。また、上ワイヤ6bをアウターブーツ2に締め付けたときには、上押圧部材16の配置位置近傍のタン5が足のすねをブーツ本体1のふくらはぎ部分Fに向って押圧するようになっている。このように上ワイヤ6bのすね固定部は上押圧部材16を介して足のすねをブーツ本体1のふくらはぎ部分Fに固定するのであるが、このとき上押圧部材16によると上ワイヤ6bを足に食い込ませることなく、柔らかく足をブーツ本体1に固定することができるのである。
【0026】
ここで、下押圧部材15は立ち上がり部Cと甲部Bとの境目近傍の下開閉部4aに位置するタン5の外面側に取り付けられており、上押圧部材16は立ち上がり部Cの上部の上開閉部4bに位置するタン5の外面側に取り付けられているが、この下押圧部材15及び上押圧部材16は、形や大きさの違う個々の競技者の足に合わせ、大きさや形状が異なるものに適宜取替可能なようにタン5に着脱可能にすることも好ましい。特に、第1挿通孔19aと第2挿通孔19bとの間の寸法を変化させた下押圧部材15や上押圧部材16を数種類用意し、個々の競技者の足の寸法に合わせて取替可能にすることが好ましい。なお、図示はしないが、適宜設計変更を行い、下押圧部材15や上押圧部材16をアウターブーツ2とインナーブーツ3との間に配置する、つまり下押圧部材15や上押圧部材16をインナーブーツ3の外側面に沿わせるように配置することも好ましい。これによると、下ワイヤ6aの踵固定部や上ワイヤ6bのすね固定部による足の締め付け力をより直接的に足に作用させることができ、足をより強固にブーツ本体1に締め付けることができるのである。
【0027】
また、くるぶし押さえ具22は、図6に示すように、アウターブーツ2の内面が内方に盛り上がるようにアウターブーツ2の内部に埋設され、下ワイヤ6aがブーツ本体1を締め付けたときにブーツ本体1内に挿入した足のくるぶしを踵方向に向って押圧する部材である。詳述すると、このくるぶし押さえ具22には、足のくるぶしに沿わせ得るようにC字状のくるぶし押圧部23を有しており、このくるぶし押圧部23を上方から足のくるぶしに押圧させ、足のくるぶし部分をブーツ本体1の踵部分Eに向って押圧できるようにされている。しかして、下ワイヤ6aがブーツ本体1を締め付けたときには、下ワイヤ6aの踵固定部に加えてこのくるぶし押さえ具22によっても、ブーツ本体1内に挿入した足をブーツ本体1の踵部分Eに押さえ付けることができるのであり、踵のブーツ本体1への強固な固定を補完することができるのである。更に言うと、くるぶし押さえ具22は内部を貫通するように設けたワイヤ挿通孔22aに下ワイヤ6aを挿通させているので、ブーツ本体1を締め付けた下ワイヤ6aはブーツ本体1の内方に向って位置をずらすようになるのであるが、くるぶし押さえ具22も上記下ワイヤ6aに従って積極的にブーツ本体1の内方に向って位置をずらすようにでき、くるぶし押さえ具22の足のくるぶしへの押圧をより効果的に行わせることが図られているのである。なお、このくるぶし押さえ具22も形状や大きさの異なる個々の競技者の足に合わせて取替可能にしておくことも好ましい。
【0028】
他方の下フック17や他方の上フック18を通った下ワイヤ6aや上ワイヤ6bの自由端は、インナーブーツ3との摩擦を避けるようアウターブーツ2の内部を挿通してワイヤ巻取り装置7に至っている。上述したように、各ワイヤ6(6a,6b)をブーツ本体1に締め付けるには各ワイヤ巻取り装置7(7a,7b)にて行われる。
【0029】
このワイヤ巻取り装置7は、たとえば、図7に示すように、ワイヤ6の自由端を保持して巻き付ける巻胴部24と、この巻胴部24を回転自在に収納する本体部25とを有し、巻胴部24の回転方向をワイヤ6の巻取り方向の一方向に規制するラチェット機構を本体部25と巻胴部24との間に介装して構成されている。具体的にこのラチェット機構は、巻胴部24に一体に設けたラチェット歯形の歯車26と本体部25にバネ(図示せず)を介して設けた係止爪27とで成り、歯車26への係止爪27の弾接係止によって巻胴部24にもどり防止の回転規制が施されたものである。また、巻胴部24はその回動軸の軸線方向にスライド移動可能にされるようにバネ28を介装して本体部25に収納されており、このバネ28の付勢に抗って巻胴部24をその回動軸の軸線方向にずらすと、歯車26と係止爪27との係止が外れるようにされている。なお、巻胴部24の操作はアウターブーツ2の外方に露出したハンドル29によって行われる。
【0030】
また、図8〜図10には、ワイヤ巻取り装置7の他例を示す。この例のワイヤ巻取り装置7も、先に示した装置同様、ワイヤ6の自由端を保持して巻き付ける巻胴部24と、巻胴部24等を収納する本体部25と、巻胴部24の回転方向をワイヤ6の巻取り方向(図8中矢印a)の一方向に規制するラチェット機構と、巻胴部24を回転操作するハンドル29とを備えて構成されている。
【0031】
詳述すると、巻胴部24は、ワイヤ6を巻回する軸部24aと、軸部24aの長手方向の両端部分で軸部24aの径方向に突設した1対の鍔部24bとを有して構成されている。ここで、鍔部24bの外周面には、緩斜面26aと急斜面26bとを交互に連続させて成るラチェット歯形の歯車26が形成されている。なお、軸部24aにはワイヤ6の自由端を固定する固定具43が取付けられている。この固定具43はスタート具8と同様の構造を有している。
【0032】
本体部25は、横片25aの幅方向両端から1対の縦片25bを立設して構成されており、この1対の縦片25b間に上記巻胴部24が回転自在に枢支されて収納される。なお、本体部25の横片25aの長手方向の端部には、カバー体38を係止するリング部25cが形成されている。また、本体部25の横片25aの長手方向の両端部には、本体部25をアウターブーツ2に固定する固定具(図示せず)を挿通する挿通孔25dが形成されている。
【0033】
この本体部25には、巻胴部24を間に挟んで、ハンドル29と、歯車26に噛合して巻胴部24の固定を行う係止爪27とが、それぞれバネ36,37を介して回転自在に枢支されて収納される。なお、図8中29cはハンドル29を本体部25に枢支する枢支軸であり、図8中27cは係止爪27を本体部25に枢支する枢支軸である。ここで、バネ36,37は、各枢支軸27c,29cに巻装されたコイルバネであり、ハンドル29及び係止爪27と本体部25との間に介装されてハンドル29や係止爪27を一方の回転方向に付勢する。
【0034】
ハンドル29は、本体部25への枢支部分を間に有して、一端に指を引っ掛け易い形状にした把持部29aを有し、他端に引っ掛け爪部29bが形成されて構成されている。なお、この把持部29aと本体部25への枢支部分との距離は、本体部25への枢支部分と引っ掛け爪部29bとの距離よりも長く設定されている。そして、このハンドル29は、バネ36の付勢によって、通常、引っ掛け爪部29bと歯車26とが噛み合わないよう、本体部25の上方位置に位置されている[図9中実線のハンドル29,図10(a)]。しかし、把持部29aを持って、バネ36の付勢に抗って、本体部25への枢支部分に対して回転操作させたときには、引っ掛け爪部29bが歯車26に噛み合い、巻胴部24をワイヤ6の巻取り方向に回転させるようになっている[図9中破線のハンドル29,図10(b)]。なお、このハンドル29には、係止爪27の当接爪部27bを引っ掛ける爪引っ掛け部29dが形成されている。
【0035】
また、係止爪27は、本体部25への枢支部分を間に有して、一端に指を引っ掛け易い形状にした把持部27aを有し、他端に当接爪部27bが形成されて構成されている。この係止爪27はバネ37の付勢によって、通常、巻胴部24の歯車26に当接爪部27bが弾接して噛み合うようにされている。そして、この係止爪27によって巻胴部24はワイヤ6の巻取り方向にのみ回転されるようになっている。つまり、歯車26に弾接した係止爪27は、ラチェット歯形の歯車26によって、巻胴部24がワイヤ6の巻取り方向に回転するときには、当接爪部27bが緩斜面26aを登って自然に係合が外れ、巻胴部24の回転を阻害しないようにしており(図9中破線の係止爪27)、一方、巻胴部24がワイヤ6の巻取り方向の反対方向に回転しようとするときには、当接爪部27bが急斜面26bに強く係合し、巻胴部24のワイヤ6の緩み方向への回転を防止するようにされている(図9中実線の係止爪27)。すなわち、巻胴部24に一体に設けたラチェット歯形の歯車26と、この歯車26に弾接係止する係止爪27とによって、巻胴部24をワイヤ6の巻取り方向のみに回転自在にさせるラチェット機構が構成されているのである。巻胴部24のワイヤ6の巻取りを緩めるときには、この係止爪27の把持部27aを持って、バネ37の付勢に抗って本体部25に対して回転操作させ、当接爪部27bの歯車26への弾接係止を解除すればよい。なお、そのまま係止爪27の当接爪部27bをハンドル29の爪引っ掛け部29dに係合させると、ワイヤ6を緩めて足の締め付け解除の状態を維持するようにできる(図9中一点鎖線の係止爪27)。
【0036】
また、本体部25には、ワイヤ6を巻胴部24の軸部24aにスムーズに導入させるカバー体38が取付けられる。このカバー体38は、巻胴部24の鍔部24b間の軸部24aを覆うカバー本体部38aと、巻胴部24からリング部25cに至る部位の本体部25を覆うカバー延設部38bとが一体に形成されて構成されている。なお、ワイヤ6のワイヤ巻取り装置7内への導入口となるカバー延設部38bの先端部位には、リング部25cと嵌合する溝部38cが形成されている。つまり、ワイヤ巻取り装置7内に導入されたワイヤ6は、本体部25の横片25aとカバー体38との間に位置されて巻胴部24の軸部24aに至るようにされており、ハンドル29等の他の部材に接触しないよう保護されている。
【0037】
そして、このワイヤ巻取り装置7をアウターブーツ2に取り付けた状態では、ハンドル29の把持部29aと係止爪27の把持部27aとが外方に露出した状態になっている。このワイヤ巻取り装置7では、前例のワイヤ巻取り装置7同様、ワイヤ6を巻き取るのにはハンドル29を操作するのであるが、この例のハンドル29は上述したように、把持部29aと本体部25への枢支部分との距離が、本体部25への枢支部分と引っ掛け爪部29bとの距離よりも長く設定されていることから、てこの原理を利用して巻胴部24を回転させる機構になっており、前例のワイヤ巻取り装置7に比べても、より軽い力でワイヤ6を巻取ることができるようになっているのである。
【0038】
上述した一例または他例のワイヤ巻取り装置7は、下ワイヤ巻取り装置7aや上ワイヤ巻取り装置7bに用いられるものであるが、下ワイヤ巻取り装置7aの巻胴部24を回転させるようにハンドル29を操作すると、下ワイヤ6aが上記巻胴部24に巻き取られてブーツ本体1を徐々に締め付け、踵をブーツ本体1の踵部分Eに密着させるよう足をブーツ本体1に強固に固定できるのである。また、上ワイヤ巻取り装置7bの巻胴部24を回転させるようにハンドル29を操作すると、上ワイヤ6bが上記巻胴部24に巻き取られてブーツ本体1を徐々に締め付け、そして足のすねをブーツ本体1の立ち上がり部Cに密着させるように足をブーツ本体1に強固に固定できるのである。更に、前例のワイヤ巻取り装置7ではハンドル29を押圧または引張るように操作して巻胴部24をその回動軸の軸線方向にずらすことで、また後例のワイヤ巻取り装置7では係止爪27の把持部27aを持って係止爪27を回転操作することで、歯車26と係止爪27との弾接係止を解除できてワイヤ6の巻胴部24への巻付状態を緩ませることができ、ワイヤ6による足の締め付けをワンタッチで解除できるようになっている。このように、このワイヤ巻取り装置7によってワイヤ6の締付け及び解除を行うようにすると、アウターブーツ2の外からの操作で簡単且つすばやく足の締め付けを調整できるのである。
【0039】
上述したように本例のスノーボード用ブーツでは、ブーツ本体1の甲部Bから立ち上がり部Cの上端に至る部分に開閉部4を形成し、この開閉部4の甲部Bの部位を下開閉部4aとすると共に、開閉部4の立ち上がり部の部位を上開閉部4bとし、下開閉部4a及び上開閉部4bにそれぞれ別個のワイヤ6(下ワイヤ6a,上ワイヤ6b)を架け渡し、ブーツ本体1の部位毎に足を締め付け自在にしているので、ブーツ本体1内部に挿入した足は下開閉部4aの下ワイヤ6a及び上開閉部4bの上ワイヤ6bによって別々にブーツ本体1に固定されるのであり、足の部位によって異なる足のブーツ本体1への必要固定強度に合わせて効率よく足をブーツ本体1に固定することができるといった利点がある。更に、下開閉部4aの下ワイヤ6aでブーツ本体1を締め付けると、ブーツ本体1内に挿入した足の踵をブーツ本体1内部の踵部分Eに強固に固定させることができ、また、上開閉部4bの上ワイヤ6bでブーツ本体を締め付けると、ブーツ本体内に挿入した足のすねをブーツ本体1内部の立ち上がり部Cに強固に固定させることができるので、ブーツ本体1への足の固定を効果的に行わせることができるといった利点がある。特に、足の踵のブーツ本体1の踵部分Eへの固定は、下ワイヤ6aに加えて、くるぶし押さえ具22によっても行われることから、特に強固に行うことができるのである。
【0040】
ここで、図11には、ステップインタイプのバインディング50に本例のブーツを装着した状態図を示す。ステップインタイプのバインディング50は、ボード上に固定された基台51の上に上方から押し付けるようにブーツ本体1を載置したときに、ブーツ本体1のソール部Dと基台51との間に設けられた締結具(図示せず)の締結により、ブーツ本体1のソール部Dと基台51とがワンタッチで締結されるようになったものである。なお図中52はブーツ本体1の立ち上がり部Cの背面に沿わせるハイバックである。このステップインタイプのバインディング50にあっては、従来のバインディング40(図17参照)にあるストラップ41,42は備えていないものであって、ブーツとボードとの装着は強固に行えるも踵のボードへの強固な固定は行えないという問題を有している。しかしながら、本例のブーツにあってはブーツを履いた時点でブーツ本体1と踵との強固な固定が行われることから、ステップインタイプのバインディング50を介してブーツ本体1をボードに固定したときにも、踵とボードとの固定を強固に為すことができるのである。したがって、本例のブーツをステップインタイプのバインディング50を介してボードに固定するようにすると、ステップインタイプのバインディング50の短所であった足とボードとの一体性の欠如といった問題は無くなり、該バインディング50の長所である足(ブーツ)のボードへの良好な装着性のみを引き出すことができるのであって、つまり、競技者は、ブーツのボードへの装着にかかる煩雑さを感じることなく且つ思いのままにボードを操ることもできるのであり、スノーボードを快適に楽しむことができるようになるのである。
【0041】
また、図12乃至図16に本発明の実施の形態の他例を示す。この例は、先の実施の形態の例におけるアウターブーツ2はそのままに、インナーブーツ3を変更した例である。つまり、本例のインナーブーツ3は、アウターブーツ2のように、甲部Bから立ち上がり部Cに亙って切り込み部30を設け、この切り込み部30にワイヤ31で構成せる索条体を架け渡し、このワイヤ31の締め付けによって切り込み部30を閉じるようにして、インナーブーツ3に挿入した足を締め付け得るようにしたものである。なお、このワイヤ31としては、長さ方向の両端を自由端とし、この自由端をワイヤ巻取り装置35に巻回することでインナーブーツ3の締め付けが行われるものを用いている。ここで、ワイヤ巻取り装置35は、先の実施の形態の例と同構造のものを用いると共に、インナーブーツ3の切り込み部30の内部に設けたタン32の上端部分に設置されており、アウターブーツ2内にインナーブーツ3を挿着した状態でブーツ本体1の外方に露出するようにされている。なお、上記タン32の外面には適所に連結具33が取り付けられ、切り込み部30に架け渡されたワイヤ31を上記連結具33に貫通させ、ワイヤ31を締め付けたときにタン32も上記ワイヤ31に連動してインナーブーツ3に挿入した足を締め付け得るようにされている。なお、本例のワイヤ31は、図14に示すように、切り込み部30の側縁に沿う部分では、管状の折り返し具13によってインナーブーツ3内に埋設され、切り込み部30の側縁間に架け渡される部分で外方に露出されるように配線されている。このようにワイヤ31は切り込み部30の側縁の広い部分に沿うように配線されているので、ワイヤ31により閉められる切り込み部30を略均一に閉め得るようにされている。なお、タン32の上縁における左右の両端部分にはインナーブーツ3の上縁部分に引っ掛け固定するフック34がそれぞれ設けられている。このフック34によると、図15に示すように、ワイヤ31で締め付けたインナーブーツ3の形状を仮保持でき、ブーツの使い勝手を向上させることができる。
【0042】
このように、本例のブーツはアウターブーツ2に設けたワイヤ6に加えて、インナーブーツ3に設けたワイヤ31によっても、ブーツ本体1内に挿入した足を固定させることができるものであり、先の実施の形態の例のブーツに比べ、インナーブーツ3に設けたワイヤ31が足を締め付ける分、足を強固にブーツ本体1に固定させることができるようになっているのである。
【0043】
また、図示はしないが、上記例のインナーブーツの切り込み部を開閉部とし、アウターブーツの開閉部を切り込み部とするように、構造を逆にするようにしてもよい。つまり、インナーブーツの甲部から立ち上がり部の上端に至る部分に開閉部を形成し、インナーブーツの開閉部の下開閉部及び上開閉部にそれぞれ別個の索条体(ワイヤ)を架け渡してインナーブーツを締め付け自在にし、また、アウターブーツの甲部から立ち上がり部の上端に至る部分に切り込み部を形成し、この切り込み部に索条体(ワイヤ)を架け渡してアウターブーツを締め付け自在にすることも好ましいのである。これによっても上記例同様、アウターブーツ及びインナーブーツの各ブーツ毎に足の締め付けが行え、足を強固にブーツ本体に固定させることができるのである。
【0044】
また、上述した実施の形態の各例では、索条体にワイヤ6,31を用いたものを例示したが、索条体としては、その全てをワイヤ6,31で構成せず、索条体の自由端部分をワイヤ6,31で構成してワイヤ巻取り装置7,35で巻取りができるようにしておけば、必要に応じて可撓性有するひもなどを部分的に用いるようにしてもよいのは言うまでもない。
【0045】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1記載の発明にあっては、叙述したように、ブーツ本体の甲部から立ち上がり部の上端に至る部分に開閉部を形成し、この開閉部の甲部の部位を下開閉部とすると共に、開閉部の立ち上がり部の部位を上開閉部とし、下開閉部及び上開閉部にそれぞれ別個の索条体を架け渡してブーツ本体を締め付け自在にしたので、ブーツ本体内部に挿入した足は下開閉部の索条体及び上開閉部の索条体によって別々にブーツ本体に固定するようにでき、足の部位によって異なる足のブーツ本体への必要固定強度に合わせて効率よく足をブーツ本体に固定することができるのであり、また、ブーツ本体内部の踵部分の両側にそれぞれ下フックを設けて、下開閉部の索条体を一方の下フックに引っ掛け、次いでブーツ本体の甲部に架け渡して他方の下フックに引っ掛けるようにし、ブーツ本体内部のふくらはぎ部分の両側にそれぞれ上フックを設け、上開閉部の索条体を一方の上フックに引っ掛け、次いでブーツ本体の立ち上がり部に架け渡して他方の上フックに引っ掛けるようにしたので、下開閉部の索条体でブーツ本体を締め付けたときにはブーツ本体内に挿入した足の踵をブーツ本体内部の踵部分に強固に固定でき、また、上開閉部の索条体でブーツ本体を締め付けると、ブーツ本体内に挿入した足のすねをブーツ本体内部のふくらはぎ部分に強固に固定できることから、足のすねや踵のブーツ本体への固定を強固に行わせることができるのであり、特に、ブーツを履いた時点で足の踵をブーツ本体に強固に固定できるので、ストラップを備えないステップインタイプのバインディングを介してブーツをボードに固定したときにも、足の踵をボードに強固に固定できるのであって、競技者は思いのままにボードを操ることができて快適にスノボードを楽しむことができるのである。
【0046】
また、請求項2に記載の発明にあっては、請求項1の効果に加えて、各索条体をワイヤで構成し、このワイヤの一端をブーツ本体に固定すると共に、ワイヤの他端をブーツ本体に固定したワイヤ巻取り装置によって巻き取り自在にしたので、ワイヤを巻き取るといった簡単な操作で足のブーツ本体への固定を行わせることができ、競技者は足のブーツ本体への固定にかかる煩雑な思いをすることなく、快適にスノボードを楽しむことができるのである。
【0047】
また、請求項3に記載の発明にあっては、請求項1の効果に加えて、上記ワイヤ巻取り装置を、ワイヤの自由端を保持して巻き付ける巻胴部と、巻胴部の回転方向をワイヤの巻取り方向の一方向に規制するラチェット機構と、巻胴部を回転操作するハンドルとを有して構成したので、上記構成を備えたワイヤ巻取り装置では、ハンドルを操作して巻胴部を回転させてワイヤを巻き取るのであるが、このとき巻胴部はラチェット機構によって戻り防止が施され、足のブーツ本体への確実な固定を維持できるのである。
【0048】
また、請求項4に記載の発明にあっては、請求項1の効果に加えて、索条体がブーツ本体を締め付けたときにくるぶしを踵方向に押さえ付けるくるぶし押さえ具を、ブーツ本体内部に設けたので、索条体がブーツ本体を締め付けたときには、下開閉部の索条体に加えて、くるぶし押さえ具によっても、ブーツ本体内に挿入した足を踵方向に押さえ付けることができ、踵のブーツ本体への固定を更に強固に行わせることができるのである。
【0049】
また、請求項5に記載の発明にあっては、請求項4の効果に加えて、くるぶし押さえ具の内部に下開閉部の索条体を挿通し、索条体がブーツ本体を締め付けたときにくるぶしを踵方向に押さえ付けるようにしたので、ブーツ本体を締め付けた索条体はブーツ本体の内方に向って位置をずらすようになるのであるが、くるぶし押さえ具も上記索条体に従って積極的にブーツ本体の内方に向って位置をずらすようにでき、くるぶし押さえ具のくるぶしへの押圧をより効果的に行わせることができるのである。
【0050】
また、請求項6に記載の発明にあっては、請求項1の効果に加えて、ブーツ本体をアウターブーツにインナーブーツを内包して構成し、インナーブーツの甲部から立ち上がり部の上端に至る部分に切り込み部を形成し、この切り込み部に索条体を架け渡してインナーブーツを締め付け自在にし、アウターブーツの甲部から立ち上がり部の上端に至る部分に開閉部を形成し、アウターブーツの開閉部の下開閉部及び上開閉部にそれぞれ別個の索条体を架け渡してアウターブーツを締め付け自在にしたので、足のブーツ本体への固定が、アウターブーツの開閉部での索条体の締め付けに加えて、インナーブーツの切り込み部での索条体の締め付けによっても行え、足のブーツ本体への固定を更に強固に行わせることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の例のブーツであって、(a)は一部を切り欠いた右側面図であり、(b)は一部を切り欠いた左側面図である。
【図2】同上のブーツの斜視図である。
【図3】同上のスタート具であり、(a)は半体を開いた状態の正面図であり、(b)は半体を閉じた状態の正面図である。
【図4】同上の立ち上がり部近傍のブーツを正面から見た斜視図である。
【図5】同上の押圧部材(下押圧部材,上押圧部材)を示す斜視図である。
【図6】同上のくるぶし押さえ具の説明図である。
【図7】同上のワイヤ巻取り装置の一例の説明図である。
【図8】同上のワイヤ巻取り装置の他例の分解斜視図である。
【図9】同上のワイヤ巻取り装置の動作説明図である。
【図10】同上のワイヤ巻取り装置のカバー体を省略した平面図であって、(a)は通常状態を示し、(b)はハンドルを全開にした状態を示す。
【図11】同上のブーツをステップインタイプのバインディングを介してボードに装着した状態を示す斜視図である。
【図12】本発明の実施の形態の他例のブーツの斜視図である。
【図13】同上のインナーブーツの斜視図である。
【図14】同上のワイヤの配線の説明図である。
【図15】同上のフックを説明する説明図である。
【図16】同上のブーツをステップインタイプのバインディングを介してボードに装着した状態を示す斜視図である。
【図17】従来のブーツをストラップを備えたバインディングを介してボードに装着した状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ブーツ本体
2 アウターブーツ
3 インナーブーツ
4 開閉部
4a 下開閉部
4b 上開閉部
6 ワイヤ
6a 下ワイヤ
6b 上ワイヤ
7 ワイヤ巻取り装置
17 下フック
18 上フック
A つま先部
B 甲部
C 立ち上がり部
D ソール部
E 踵部分
F ふくらはぎ部分
Claims (6)
- ブーツ本体の甲部から立ち上がり部の上端に至る部分に開閉部を形成し、この開閉部の甲部の部位を下開閉部とすると共に、開閉部の立ち上がり部の部位を上開閉部とし、下開閉部及び上開閉部にそれぞれ別個の索条体を架け渡してブーツ本体を締め付け自在にし、ブーツ本体内部の踵部分の両側にそれぞれ下フックを設けて、下開閉部の索条体を一方の下フックに引っ掛け、次いでブーツ本体の甲部に架け渡して他方の下フックに引っ掛けるようにし、ブーツ本体内部のふくらはぎ部分の両側にそれぞれ上フックを設け、上開閉部の索条体を一方の上フックに引っ掛け、次いでブーツ本体の立ち上がり部に架け渡して他方の上フックに引っ掛けるようにしたことを特徴とするスノーボード用ブーツ。
- 各索条体をワイヤで構成し、このワイヤの一端をブーツ本体に固定すると共に、ワイヤの他端をブーツ本体に固定したワイヤ巻取り装置によって巻き取り自在にしたことを特徴とする請求項1に記載のスノーボード用ブーツ。
- 上記ワイヤ巻取り装置を、ワイヤの自由端を保持して巻き付ける巻胴部と、巻胴部の回転方向をワイヤの巻取り方向の一方向に規制するラチェット機構と、巻胴部を回転操作するハンドルとを有して構成したことを特徴とする請求項2に記載のスノーボード用ブーツ。
- 索条体がブーツ本体を締め付けたときにくるぶしを踵方向に押さえ付けるくるぶし押さえ具を、ブーツ本体内部に設けたことを特徴とする請求項1に記載のスノーボード用ブーツ。
- くるぶし押さえ具の内部に下開閉部の索条体を挿通し、索条体がブーツ本体を締め付けたときにくるぶしを踵方向に押さえ付けるようにしたことを特徴とする請求項4に記載のスノーボード用ブーツ。
- ブーツ本体をアウターブーツにインナーブーツを内包して構成し、インナーブーツの甲部から立ち上がり部の上端に至る部分に切り込み部を形成し、この切り込み部に索条体を架け渡してインナーブーツを締め付け自在にし、アウターブーツの甲部から立ち上がり部の上端に至る部分に開閉部を形成し、アウターブーツの開閉部の下開閉部及び上開閉部にそれぞれ別個の索条体を架け渡してアウターブーツを締め付け自在にしたことを特徴とする請求項1に記載のスノーボード用ブーツ。
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