以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、以下説明する実施形態によって本発明が限定されるものではなく、本発明を適用可能な形態が以下の実施形態に限定されるものでもない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付す。
[全体構成]
図1は、本実施形態におけるゲームシステム1000の全体構成例を示す図である。図1に示すように、ゲームシステム1000は、コンピュータシステムであるサーバシステム1100と、本実施形態のゲームのプレーヤ(ユーザ)2が所持するプレーヤ端末1500とを含み、これらがネットワークNを介して相互にデータ通信可能に接続されて構成される。
ネットワークNは、データ通信が可能な通信路を意味する。すなわち、ネットワークNとは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLAN(Local Area Network)の他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また、通信方法については有線/無線を問わない。
サーバシステム1100は、本体装置1101と、キーボード1106と、タッチパネル1108と、ストレージ1140とを備え、本体装置1101は、CPU(Central Processing Unit)1151やGPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM、ROM等の各種ICメモリ1152、通信装置1153等の電子部品が搭載された制御基板1150を内蔵している。なお、制御基板1150の一部又は全部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(field-programmable gate array)、SoC(System on a Chip)により実現するとしてもよい。
このサーバシステム1100は、CPU1151等が所定のプログラム及びデータに基づいて演算処理することにより、ユーザ登録等に係るユーザ管理機能と、プレーヤ端末1500でゲームをプレイするのに必要なデータを提供してプレーヤ端末1500でのゲームの実行制御を管理するゲーム管理機能と、を実現する。つまり、本実施形態におけるゲームは、一種のクライアント・サーバ型のオンラインゲームとして実現される。プレーヤ2は、自分のプレーヤ端末1500でサーバシステム1100にアクセスし、発給されたアカウントによりログインして本実施形態のゲームを楽しむ。
なお、サーバシステム1100は、図1に示す単体の構成に限らず、各機能を分担する複数のブレードサーバを搭載して相互に内部バスを介してデータ通信可能に接続した構成であってもよい。或いは、離れた場所に設置された独立した複数のサーバを、ネットワークNを介してデータ通信させることで、全体としてサーバシステム1100として機能させる構成であってもよい。
プレーヤ端末1500は、マンマシンインターフェースの機能を担うコンピュータシステムであって、携帯電話基地局や無線通信基地局等を介してネットワークNに接続し、サーバシステム1100とデータ通信を行うことができる。このプレーヤ端末1500は、例えば、スマートフォン、携帯電話機、携帯型ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置、据置型家庭用ゲーム装置のコントローラ、業務用ゲーム装置、パソコン、タブレット型コンピュータ、ウェアラブルコンピュータ等の形態を取り得る。
図2は、プレーヤ端末1500の一例であるスマートフォンの装置構成例を示す図である。図2に示すように、プレーヤ端末1500は、方向入力キー1502と、ホームキー1504と、画像表示デバイス兼接触位置入力デバイスとして機能するタッチパネル1506と、内蔵バッテリー1509と、スピーカ1510と、マイク1512と、制御基板1550と、コンピュータ読み出し可能な記憶媒体であるメモリカード1540に対してデータを読み書きできるメモリカード読取装置1542とを備える。その他、図示しない電源ボタン、音量調節ボタン等が設けられている。
制御基板1550には、CPU1551やGPU、DSP等の各種マイクロプロセッサ、VRAMやRAM,ROM等の各種ICメモリ1552、ネットワークNに接続する携帯電話基地局や無線LAN基地局等と無線通信するための無線通信モジュール1553等が搭載されている。また、制御基板1550には、方向入力キー1502やホームキー1504からの信号を受信する回路、タッチパネル1506のドライバ回路、スピーカ1510へ音声信号を出力する出力アンプ回路、マイク1512で集音された音声の信号を生成する音声信号生成回路、メモリカード読取装置1542への信号入出力回路といった、いわゆるI/F回路(インターフェース回路)1557等が搭載されている。これら制御基板1550に搭載されている各要素は、それぞれがバス回路等を介して電気的に接続され、データの読み書きや信号の送受信が可能に接続されている。なお、制御基板1550の一部または全部をASICやFPGA、SoCにて構成してもよい。
この制御基板1550においてICメモリ1552には、ゲームクライアントプログラムや、このゲームクライアントプログラムを実行するのに必要な各種設定データ等が格納される。ゲームクライアントプログラム等は、適宜のタイミングでサーバシステム1100からダウンロードされる。なお、別途入手したメモリカード1540等の記憶媒体から読み出す構成としてもよい。そして、CPU1551等がゲームクライアントプログラムを実行して演算処理を実行し、タッチパネル1506や方向入力キー1502、ホームキー1504に対する操作入力に応じてプレーヤ端末1500の各部を制御することで、プレーヤ2のゲームプレイを可能にする。
本実施形態のゲームは、プレーヤキャラクタで構成されるグループ(チーム)を編成して戦う対戦ゲームであり、複数のプレーヤが2つのグループに分かれて対戦相手のグループ(相手グループ)とのバトルに挑む。対戦は所定の制限時間が経過すると終了し、最終的に獲得したグループ別のゲームスコア(以下、「グループ別スコア」という)が高い方の勝利となる。なお、対戦するグループの数やグループを構成するプレーヤの数、各プレーヤが操作するプレーヤキャラクタの数は特に限定されない。また、ゲームの終了条件についても特に限定されるものではなく、一方のグループのプレーヤが全員ゲームオーバーとなった場合に終了する構成としてもよい。
図3及び図4は、本実施形態のゲームのゲーム画面例を示す図である。図3はゲーム開始時のゲーム画面例を、図4はゲーム中のゲーム画面例を、それぞれ示している。各図3,4に示すように、ゲーム画面は、ゲーム空間の画像(ゲーム画像)が表示されるゲーム画像表示部10と、残り時間表示部30と、グループ別スコア表示部40と、プレイ状況表示部50とを備える。
残り時間表示部30には、ゲーム終了までの残り時間が表示される。本実施形態では、ゲームを開始してからの経過時間が制限時間に達するまでの残り時間が表示され、当該残り時間が「0」になった時点でゲームが終了する。
グループ別スコア表示部40には、対戦する2つのグループ(図3等の例ではグループAとグループB)のグループ別に随時算出される現在のグループ別スコアがそれぞれ表示される。グループ別スコアは、プレーヤ別のゲームスコア(以下、「プレーヤ別スコア」という)のグループ別の合算値として算出される。
ここで、プレーヤ別スコアは、クッキー14やパワークッキー15、フルーツ16等の各種アイテムの取得時に加算される。本実施形態では、クッキー14とフルーツ16とに単位得点が定められており、プレーヤキャラクタ12がそれらを取得すると、当該アイテムに係る単位得点がそのプレーヤのプレーヤ別スコアに加算される。
また、プレーヤ別スコアは、相手グループに所属するプレーヤキャラクタ12や妨害キャラクタ13を倒した場合にも加算される。例えば、相手グループに所属するプレーヤキャラクタ12を倒した場合の加算得点と、妨害キャラクタ13を倒した場合の加算得点とがそれぞれ定められており、プレーヤキャラクタ12がそれらを倒したときには、当該倒したキャラクタに係る加算得点がそのプレーヤのプレーヤ別スコアに加算される。
そして、以上のようにプレーヤ別に算出されるプレーヤ別スコアが各プレーヤの所属グループ別に合算されて各グループのグループ別スコアが随時更新され、グループ別スコア表示部40に表示される。各プレーヤは、自分のプレーヤキャラクタ12を操作してクッキー14やフルーツ16を取得させ、相手グループのプレーヤキャラクタ12や妨害キャラクタ13を倒すことで、所属するグループの勝利を目指す。
プレイ状況表示部50は、残機表示部51と、アイテム取得状況表示部52と、レベル表示部53とを含み、当該プレーヤ端末1500のプレーヤ(自プレーヤ)の現在のプレイ状況を表示する。なお、プレイ状況表示部50における表示項目は一例であって、適宜設定してよい。例えば、例示の項目以外にも、自プレーヤのプレーヤ別スコアの表示等を含めてもよい。
残機表示部51には、自プレーヤが今回のゲームで使用することができるプレーヤキャラクタ12(残機)の残数(図3の例では2つ)が表示される。プレーヤキャラクタ12は、例えば、ゲーム開始時に各プレーヤに所定数(例えば3体)ずつ付与される。また、ゲーム中にも、例えばプレーヤ別ゲームスコアが所定値に達した等、所定条件を満たすと新たに付与される。
アイテム取得状況表示部52には、ゲーム中に取得可能なアイテムの現在の取得状況が表示される。本実施形態では、ゲームスコアに影響するクッキー14及びフルーツ16の取得数が随時更新されて表示される。なお、パワークッキー15の取得数も表示するとしてもよい。
レベル表示部53には、自プレーヤが操作するプレーヤキャラクタ12のパラメータ値の一例であるキャラクタレベルが表示される。本実施形態では、キャラクタレベルは、クッキー14の取得数に応じて随時更新される。例えば、必要取得数とキャラクタレベルとの対応関係(レベル換算テーブル)を予め設定しておき、クッキー14の取得数が必要取得数に達するたびにキャラクタレベルを上げていくことで実現できる。なお、ここでいうクッキー14の取得数は、ゲーム開始からの通算の取得数でもよいし、プレーヤキャラクタ12が倒されて残機と変わったときからの取得数とするのでもよい。後者の場合には、キャラクタレベルは、プレーヤキャラクタ12が残機と変わるたびに初期レベルに戻る。また、キャラクタレベルは、クッキー14だけでなく、パワークッキー15やフルーツ16も含めた取得数に応じて更新する構成としてもよい。
ここで、図3及び図4に示すゲーム画像表示部10の表示内容を参照して、本実施形態のゲームの詳細について説明する。先ず、ゲーム空間は、舞台となる迷路状のステージ上に、対戦する各グループA,Bのプレーヤキャラクタ12(12A,12B)と、妨害キャラクタ13と、クッキー14やパワークッキー15、フルーツ16等の各種アイテムとが配置されて構成される。図3では、ゲーム開始時のキャラクタ及びアイテムの初期配置を示している。
グループAのプレーヤキャラクタ12A及びグループBのプレーヤキャラクタ12Bは、各々の所属グループを識別可能な態様で表示される。本実施形態では、事前に対戦する各グループA,Bのグループカラーが設定され、各プレーヤキャラクタ12A,12Bは、そのグループカラーで色分けされて表示される。例えば、グループAが「赤」、グループBが「青」等としてグループカラーが設定され、プレーヤキャラクタ12A,12Bが各色で表示される。なお、色に限らず、プレーヤキャラクタの形状や模様を変えて識別表示する構成としてもよい。また、各プレーヤキャラクタに所属グループを示すマークを付す等して識別表示するのでもよい。
妨害キャラクタ13は、巣18をスタート地点として迷路内の通路11を移動し、プレーヤキャラクタ12を追跡する動作をするようにコンピュータ制御される。なお、図3等の例では、妨害キャラクタ13を5体としているが、その数は特に限定されない。また、本実施形態では5体の妨害キャラクタ13を全て同種のものとするが、見た目や移動特性(例えば移動速度や追跡動作パターン等)が異なるものを含めてもよい。
クッキー14、パワークッキー15、及びフルーツ16は、プレーヤキャラクタ12が通過可能な通路11上に配置される。本実施形態では、予めアイテムの出現位置111(図6等を参照)が通路11に沿って定められ、出現させるアイテムの種類及び出現タイミングを定めた出現条件(第1の出現条件)が設定されている。出現させるアイテムの数を含めて出現条件を設定しておくとしてもよい。そして、各出現位置111には、対応する出現条件に従ってクッキー14やパワークッキー15、フルーツ16が配置される。より詳細には、各出現位置111には、初期配置に係る出現条件と、後述する軌跡レベル別の出現条件とが対応付けて設定されており、ゲーム開始時は、初期配置に係る出現条件に従って各出現位置111にアイテムが配置される。
そして、各プレーヤは、妨害キャラクタ13との接触を避けながら自分のプレーヤキャラクタ12を迷路内で移動させ、クッキー14やパワークッキー15、フルーツ16の配置位置(それらアイテムが配置された出現位置111)を通過させることでそれらを取得させる。誤って妨害キャラクタ13と接触してしまうと、当該プレーヤキャラクタ12はその妨害キャラクタ13に倒されて消滅する。プレーヤキャラクタ12の操作は方向入力キー1502によって行うのでもよいし、タッチパネル1506に対するタッチ操作で行う構成としてもよい。後者の場合はゲーム画面内の適所に方向入力ボタンを表示し、タッチ操作を受け付ける。
ここで、クッキー14とフルーツ16は何れも単位得点が定められたアイテムであるが、クッキー14はゲーム開始時から迷路内に多数配置されるのに対し、フルーツ16は、ゲーム開始後の対戦状況に応じて配置される。例えば、クッキー14の取得数が所定数に達したときや、プレーヤ別スコアが所定値に達したとき、所属グループのグループ別スコアが所定値に達したとき等を出現タイミングとして、所定の出現期間の間、所定の出現位置111に配置される。そして、フルーツ16には、ボーナススコアとして、クッキー14よりも高い単位得点が設定される。
なお、フルーツ16には、取得可能なプレーヤキャラクタ12を制限するための取得条件を設定できる。例えば、グループ別スコアが所定値に達したときを出現タイミングとするフルーツ16の出現条件に、それを取得することができるキャラクタとして該当するグループに所属するプレーヤキャラクタ12を定めた取得条件を設定することができる(例えば、図5のレコードR11を参照)。
一方、パワークッキー15は、プレーヤキャラクタ12や妨害キャラクタ13を弱体化させるアイテムである。本実施形態では、例えば、あるプレーヤキャラクタ12がパワークッキー15を取得すると、相手グループのプレーヤキャラクタ12と妨害キャラクタ13とが、所定時間の間、「通常状態」から「弱体状態」へと変化する。パワークッキー15の取得から所定の弱体化時間が経過すると、各キャラクタは通常状態に戻る。なお、通常状態と弱体状態とは、キャラクタの色、形状、模様等の形態やキャラクタの表情を変更し、或いは、各状態を示すマークを付加する等して識別表示される。例えば、図3のプレーヤキャラクタ12A,12Bが通常状態を示し、図4のプレーヤキャラクタ12Bや妨害キャラクタ13が弱体状態を示す。弱体状態となったプレーヤキャラクタ12はアイテムを取得できなくなり、通過した跡へのグループ別識別表示の表示やその表示形態の変更もなされなくなる。
そして、通常状態のプレーヤキャラクタ12を弱体状態のキャラクタに接触させると、当該弱体状態のキャラクタを倒すことができる。倒されたのが妨害キャラクタ13であれば、当該妨害キャラクタ13は巣18に戻って一定時間待機した後、追跡動作を再開する。一方、プレーヤキャラクタ12が倒された場合には、そのプレーヤに残機があれば、その残数が1つ減らされた上で、初期配置の位置に当該プレーヤのプレーヤキャラクタ12が配置される。残機が尽きたときには、当該プレーヤはゲームオーバーとなる。
まとめると、各プレーヤは、迷路内でプレーヤキャラクタ12を移動させ、妨害キャラクタ13を避けながらクッキー14等を取得させる。また、自分や他のプレーヤのプレーヤキャラクタ12がパワークッキー15を取得したことで弱体状態となったキャラクタがいるときには、自分のプレーヤキャラクタ12を当該弱体状態のキャラクタに接触させて倒す。自分のプレーヤキャラクタ12が弱体状態となったときには、通常状態のキャラクタと接触しないよう避けながら通常状態に戻るのを待つ。
なお、パワークッキー15を取得したことの効果は、「通常状態」から「弱体状態」への変化に限定されるものではなく、パワークッキー15を取得した場合に、自グループのプレーヤキャラクタ、相手グループのプレーヤキャラクタ、および妨害キャラクタのそれぞれに三者三様に予め設定されている「性状」を、他者の性状に変化させるとしてもよい。ここでいう「性状」は、ゲームに登場する他の存在に対する相対的なものであり、例えば、キャラクタの「攻撃者/被攻撃者」「捕食者/被捕食者」「追跡者/逃亡者」「攻撃側/守備側」の立場や役回り、優劣関係のことである。また、キャラクタの属性に係る優劣の相性関係の変化、キャラクタに付与されている能力の多寡の相対関係の変化、キャラクタの状態の変化等も性状の変化といえる。
[詳細]
サーバシステム1100は、以上説明したゲームの開始に先立ち、アイテム初期配置処理を行う。一方、ゲーム中は、迷路内においてプレーヤキャラクタ12が通過した跡に、所定の識別表示を施す(軌跡表示制御処理)。またその際に、施した識別表示に寿命を設定し、寿命の経過を監視して当該識別表示を消去するための処理(寿命制御処理)を行う。
本実施形態の識別表示は、対戦するグループ(グループA,B)を識別するグループ別識別表示である。したがって、図4に示すように、グループAのプレーヤキャラクタ12Aが通過した跡と、グループBのプレーヤキャラクタ12Bが通過した跡とが、各々のグループ別識別表示Ta,Tbによって識別可能に表示される。図4では、ハッチングの濃い方のグループ別識別表示TaがグループAに係るグループ別識別表示に対応し、ハッチングの薄い方のグループ別識別表示TbがグループBに係るグループ別識別表示に対応している。
なお、実際のグループ別識別表示Ta,Tbの表示態様は、詳細を後述するように、通過したプレーヤキャラクタ12の所属グループの他、当該プレーヤキャラクタ12のキャラクタレベルや、その後の同一又は異なるプレーヤキャラクタ12による重複通過の状況等を用いて設定・変化させる。
また、サーバシステム1100は、各出現位置111にアイテムを出現させるための処理(アイテム出現制御処理)と、アイテムの配置位置を通過したプレーヤキャラクタ12に当該アイテムを取得させるための処理(アイテム取得制御処理)と、グループ別スコアを算出する処理(スコア算出処理)と、を行う。
1)アイテム初期配置処理
アイテム初期配置処理では、初期配置に係る出現条件に従って、各出現位置111にアイテムを配置する制御を行う。図5は、初期配置に係る出現条件を定めた初期出現条件データ521のデータ構成例を示す図である。図5に示すように、初期出現条件データ521には、各出現位置111の識別番号である出現位置番号と対応付けて、出現条件と、取得条件と、単位得点とが設定される。
出現条件には、出現アイテム種類と、出現タイミングとが設定される。
出現アイテム種類は、出現させるアイテムの種類を規定する。本実施形態では、クッキー14、パワークッキー15、及びフルーツ16の何れかのアイテム種類が設定される。
出現タイミングは、その出現位置111にアイテム(対応する出現アイテム種類のアイテム)を出現させる時期を規定する。本実施形態では、クッキー14及びパワークッキー15については、「ゲーム開始時」とされる。一方、フルーツ16については、所定の対戦状況となってから所定時間が経過するまでの期間(出現期間)として設定される。満たすべき対戦状況は、達成すべきプレーヤ別スコアの値やグループ別スコアの値、取得すべきクッキー14の数、或いはそれらの組合せ等として設定しておくことができる。例えば、レコードR11の場合であれば、ゲームに参加している何れかのプレーヤのプレーヤ別スコアが所定値V11に達したときに、当該時点から出現時間T11が経過するまでの間、その出現位置111にフルーツ16が出現することとなる。
取得条件には、対応する出現条件に従ってその出現位置111に出現させたアイテムを取得可能なキャラクタを規定する。本実施形態では、初期出現条件データ521における取得条件は、クッキー14及びパワークッキー15については「制限なし(全てのプレーヤキャラクタが取得できる)」とされる。一方、フルーツ16の取得条件は、その出現タイミングに係る対戦状況と対応させた設定とされる。
単位得点は、対応する出現アイテム種類がクッキー14又はフルーツ16である出現位置111について、その取得時にプレーヤ別スコアに加算する加点数を規定する。
そしてアイテム初期配置処理では、初期出現条件データ521を参照し、ゲーム開始時において該当する出現位置111にクッキー14及びパワークッキー15を配置するとともに、フルーツ16の出現タイミングにおいてその出現位置111にフルーツ16を出現させる。
2)軌跡表示制御処理
軌跡表示制御処理は、一のプレーヤキャラクタ12(第1のキャラクタ)が通過した跡にグループ別識別表示を施す制御を行う第1通過制御処理と、当該識別表示が施された位置を第1のキャラクタと所属グループが同じプレーヤキャラクタ12或いは第1のキャラクタとは所属グループが異なるプレーヤキャラクタ12である第2のキャラクタが通過する重複通過がなされた場合に、当該重複通過の位置における識別表示の表示態様を変化させる第2通過制御処理と、を含む。
2-1)第1通過制御処理
図6は、第1通過制御処理を説明するための図である。上記したように、ゲーム開始時の迷路内には、通路11に沿って定められた出現位置111において、クッキー14等のアイテムが初期配置の状態で配置される。プレーヤは、自分のプレーヤキャラクタ12(例えば図6ではグループBのプレーヤキャラクタ12B)を操作してアイテムが配置された出現位置111を通過させ、当該アイテムを取得させる。そして、第1通過制御処理では、当該プレーヤキャラクタ12Bである第1のキャラクタが通過した跡に、所定の識別表示としてグループ別識別表示Tbを施す。
より詳細には、本実施形態では、例えば、図6中に破線で示すように迷路内の通路11の全域を等間隔で区画したマス目状の各位置が、出現位置111として予め定められる。そして、第1通過制御処理では、出現位置111を1つの通過位置とし、第1のキャラクタが出現位置111のマス目を通過するたびに以下説明する軌跡レベルの決定及び表示態様の設定に係る処理を行って、当該通過位置である出現位置(以下、「対象通過出現位置」ともいう)111にグループ別識別表示を施す。
すなわち、第1通過制御処理では、先ず、第1のキャラクタが通過した対象通過出現位置について、第1のキャラクタの所属グループと、そのキャラクタレベルとから軌跡レベルを決定する。軌跡レベルは、例えば、レベルを示す数値(レベル値)に、グループの識別符号(グループ符号)を付した値とされる。そして、第1通過制御処理では、通過した第1のキャラクタのキャラクタレベルをレベル値として、軌跡レベルを決定する。図6の例では、第1のキャラクタがグループBのプレーヤキャラクタ12Bであり、そのキャラクタレベルが「3」であるから、軌跡レベルは「B3」とされる。
次に、決定した軌跡レベルに従って、対象通過出現位置におけるグループ別識別表示の表示態様を設定する。本実施形態では、軌跡レベルに応じた表示態様のグループ別識別表示を施す。そのために、例えば、グループ別識別表示の色(色相)をグループ符号が示すグループのグループカラーとし、その濃淡(例えば彩度)をレベル値に応じた濃さとしてグループ別識別表示の表示色を設定することで、表示態様の設定を行う。レベル値と彩度の値との対応関係は、予め定めておけばよい。
その後は、設定した表示色で対象通過出現位置のマス目を表示する制御を行い、グループ別識別表示を施す。そして、第1のキャラクタの移動に伴い上記処理を繰り返すことで、図6の例であれば、迷路内においてプレーヤキャラクタ12Bが通過した跡に、そのレベル値「3」に応じた濃さの青色でグループ別識別表示Tbを施すことができる。
2-2)第2通過制御処理
第2通過制御処理では、グループ別識別表示が施された位置(出現位置111)を第2のキャラクタが重複通過した場合に、当該出現位置111を対象識別表示位置として以下説明する軌跡レベルの更新及び表示態様の変更に係る処理を行って、当該対象識別表示位置のグループ別識別表示を変化させる。
より詳細には、その際、第2のキャラクタが第1のキャラクタと同じグループに所属するプレーヤキャラクタ12(第1のキャラクタと同一のプレーヤキャラクタ12である場合を含む)なのか、相手グループに所属するプレーヤキャラクタ12なのかに応じて、グループ別識別表示の表示態様の変化を異ならせる。図7~図9は、第2通過制御処理を説明するための図であり、図7は、第2のキャラクタの所属グループが第1のキャラクタの所属グループと同じ場合の処理(繰り返し通過用制御)の内容を説明し、図8及び図9は、第2のキャラクタの所属グループが第1のキャラクタの所属グループと異なる場合の処理の内容を説明する図である。
先ず、第2のキャラクタの所属グループとキャラクタレベルとに基づいて、対象識別表示位置の軌跡レベルを更新する。本実施形態では、第2のキャラクタの所属グループが第1のキャラクタの所属グループと同じであり、グループ別識別表示が施された出現位置111をそのグループに所属するキャラクタが重複通過(繰り返し通過)した場合には、そのレベル値に第2のキャラクタのキャラクタレベルを加算することで軌跡レベルをレベルアップさせる制御を行う。図7の例では、軌跡レベル「B3」のグループ別識別表示Tbが施された出現位置111を、グループBに所属するキャラクタレベル「2」のプレーヤキャラクタ12Bが通過している。したがって、第2通過制御処理では、通過した各出現位置111の軌跡レベルを「B5」に更新してレベルアップさせる。
一方、第2のキャラクタの所属グループが第1のキャラクタの所属グループと異なる場合は、もとの軌跡レベルのレベル値からキャラクタレベルを減算することで、軌跡レベルをレベルダウンさせる制御を行う。図8の例では、軌跡レベル「B3」のグループ別識別表示Tbが施された出現位置111を、グループAに所属するキャラクタレベル「1」のプレーヤキャラクタ12Aが通過している。したがって、第2通過制御処理では、通過した各出現位置111の軌跡レベルを「B2」に更新してレベルダウンさせる。また、第2のキャラクタのキャラクタレベルが軌跡レベルのレベル値と同じかそれよりも大きいときには、その差をレベル値とする。そして、そのグループ符号を第2のキャラクタの所属グループに変更することで、軌跡レベルを更新する。図9の例では、軌跡レベル「B3」のグループ別識別表示Tbが施された出現位置111を、グループAに所属するキャラクタレベル「5」のプレーヤキャラクタ12Aが通過している。したがって、第2通過制御処理では、通過した各出現位置111について軌跡レベルのグループ符号を「B」から「A」に変更し、レベル値を「2」として「A2」に更新する。
そして、軌跡レベルを更新したならば、グループ別識別表示の表示態様を変化させる。具体的には、更新後の軌跡レベルに基づいて、第1通過制御処理における表示態様の設定と同様の要領で表示色を設定する。そして、対象識別表示位置のマス目を当該表示色で表示する制御を行って、グループ別識別表示の表示態様を変化させる。
例えば、図7の例では、第2のキャラクタが通過したことで軌跡レベルのレベル値が大きくなった分、当該第2のキャラクタが通過した出現位置111のグループ別識別表示Tbがより濃い青色に変化する。一方、図8の例では、第2のキャラクタが通過したことで軌跡レベルのレベル値が小さくなった分、当該第2のキャラクタが通過した出現位置111のグループ別識別表示Tbが薄い青色に変化する。また、図9の例では、第2のキャラクタが通過したことで軌跡レベルのグループ符号が第2のキャラクタの所属グループに変更されたため、当該第2のキャラクタが通過した出現位置111のグループ別識別表示は、元の青色のグループ別識別表示Tbから赤色のグループ別識別表示Taに変化する。
この軌跡表示制御処理によれば、プレーヤは、自分のプレーヤキャラクタ12のキャラクタレベルを上げることで、その通過した跡に軌跡レベルの高い(レベル値の数値が大きい)グループ別識別表示を施すことが可能となる。また、キャラクタレベルが低い状態でも、自グループに係るグループ別識別表示の位置を繰り返し通過することで、その軌跡レベルを上げていくことができる。一方、相手グループに係るグループ別識別表示の位置を通過することで、その軌跡レベルを下げることができる。そして、当該通過位置のグループ別識別表示の表示態様を、更新後の軌跡レベルに応じた表示態様に変化させることができる。また、軌跡レベルのレベル値と第1のキャラクタのキャラクタレベルとの大小関係によっては、その軌跡レベルのグループ符号を自グループに変更でき、相手グループに係るグループ別識別表示を自グループに係るグループ別識別表示に変化させることが可能となる。
なお、軌跡レベルを変更する変更量(レベル値変更量)をキャラクタレベルそのものとしなくてもよい。例えば、キャラクタレベルとレベル値変更量との対応関係を予め定めておく。そして、軌跡レベルとして設定されているレベル値と通過した第1のキャラクタや第2のキャラクタとのレベル差に応じた変更量に従ってレベル値変更量を求め、軌跡レベルを決定・更新するようにしてもよい。
また、軌跡レベルのレベル値が「0」となった場合は、対象識別表示位置のグループ別識別表示を消去する構成としてもよい。その場合は、該当する出現位置111の表示は、グループ別識別表示が施されていない通路11の表示に戻る。
また、グループ別識別表示の表示態様は、例示した色と濃淡の組み合わせに限らず適宜設定してよい。例えば、低い軌跡レベルについては草むらのデザインとし、高い軌跡レベルについては整備された畑のデザインとする等、軌跡レベル別の表示パターン(模様)のセットを複数種類用意しておく。そして、対戦する各グループに別個のセットを割り当ててグループ別識別表示を施すのに用い、その表示態様を変化させるのでもよい。
或いは、軌跡レベルに応じてグループ別識別表示の太さを可変に設定する構成でもよい。例えば、図4等に示した帯状のグループ別識別表示Ta,Tbの太さ(幅)を軌跡レベルが高いほど太く、低いほど細くする等としてもよい。
その他、予めプレーヤキャラクタ12が移動可能なゲーム空間内の各位置に所定のパラメータ値を定めておき、当該パラメータ値に応じて変更量を調整する構成とすることもできる。例えば、プレーヤキャラクタに属性の設定があるゲームにおいて、予めゲーム空間内の各位置に各種キャラクタ属性との相性値を定めておく。そして、通過したプレーヤキャラクタとその通過位置との相性の良否を加味して変更量を調整する。例えば、キャラクタ属性との相性値が高いほど変更量を大きくし、相性値が低いほど変更量を小さくする。
3)寿命制御処理
寿命制御処理では、グループ別識別表示が施された出現位置111における当該グループ別識別表示の消去タイミングを設定することで、出現位置111毎にそのグループ別識別表示の寿命を管理する。
本実施形態では、消去タイミングを設定するために、予め所定の寿命期間を設定しておく。寿命期間は、一律に適用される固定値としてもよいし、軌跡レベルに応じて段階的な値を設定しておいてもよい。軌跡レベルが高いほど長期間とするのでもよいし、軌跡レベルが低いほど短期間とするのでもよい。
そして、寿命制御処理では、第1通過制御処理によってグループ別識別表示が施された際に、対象通過出現位置とされた出現位置111の消去タイミングを、当該グループ別識別表示が施された時点から寿命期間後のタイミングとして設定する。また、グループ別識別表示が施された出現位置111を第2のキャラクタが重複通過した場合には、消去タイミングを更新して寿命を延長する。すなわち、第2通過制御処理によってグループ別識別表示の表示態様が変化した際に、対象識別表示位置とされた出現位置111の消去タイミングを、当該変化の時点から寿命期間後のタイミングとして更新する。
その後は、設定した消去タイミングの到来を監視し、消去タイミングが到来した出現位置111があれば、当該出現位置111のグループ別識別表示を消去する制御を行う。ここでの制御により、当該出現位置111の表示は、グループ別識別表示が施されていない通路11の表示に戻る。
この寿命制御処理によれば、グループ別識別表示は、プレーヤキャラクタ12の通過がないまま寿命期間が経過した時点で消えることとなる。一方、プレーヤキャラクタ12の通過時には消去タイミングが延長されて再度設定されるため、プレーヤキャラクタ12にグループ別識別表示の位置を通過させることによって、そこにグループ別識表示が施された状態を維持できる。
4)アイテム出現制御処理
アイテム出現制御処理では先ず、グループ別識別表示が施された出現位置111やグループ別識別表示の表示態様を変化させた出現位置111について、当該出現位置111の軌跡レベルに応じた出現条件を適用出現条件として設定する。
そのために、本実施形態では、予め定められる軌跡レベル別の出現条件を定めておく。図10は、レベル別の出現条件を定めたレベル別出現条件データ523のデータ構成例を示す図である。図10に示すように、レベル別出現条件データ523は、軌跡レベル524毎に用意され、出現位置番号と、出現条件と、取得条件と、単位得点との対応関係が設定される。出現条件には、出現アイテム種類と出現タイミングとが設定される。
各項目は、初期出現条件データ521と同様の要領で設定される。ただし、レベル別出現条件データ523における出現タイミングの設定は、その出現位置111をプレーヤキャラクタ12が通過した時点から対応する出現アイテム種類のアイテムを出現させるまでの時間長の設定とされる。
また、各項目の内容については、その軌跡レベル524が高いほど、その出現位置111を通過したプレーヤキャラクタ12や重複通過したプレーヤキャラクタ12、当該出現位置111に出現させたアイテムを取得したプレーヤキャラクタ12、或いはその所属グループが有利となり得る設定を多く含めておくとよい。例えば、軌跡レベル524が高いほどクッキー14やフルーツ16の単位得点を高くする、軌跡レベル524が高いほど出現アイテム種類がパワークッキー15やフルーツ16とされる出現位置111を増やす、軌跡レベル524が高いほど出現タイミングとして設定される時間長を短くする(短時間で新たなアイテムが出現するようにする)等、各レベル別出現条件データ523においてその軌跡レベル524に応じた設定をしておく。また、弱体化時間の異なるパワークッキー15を用意し、軌跡レベル524が高いほど当該弱体化時間の長いパワークッキー15の出現位置111を増やす等の設定を含めるとしてもよい。
また、出現アイテム種類として、クッキー14やパワークッキー15、フルーツ16とは別の特別アイテムの設定を含めてもよい。例えば、プレーヤキャラクタ12の各種強化アイテムや回復アイテムの他、それが取得されると表示中のグループ別識別表示を全て消去するアイテムや、取得したプレーヤキャラクタ12の相手グループに係るグループ別識別表示のみを消去することができるアイテム、取得したプレーヤキャラクタ12を操作するプレーヤ又はその所属グループのプレーヤに対して新たに所定数のプレーヤキャラクタ(残機)を付与するアイテム等が挙げられる。
また、クッキー14やパワークッキー15に係る取得条件の設定に、取得可能なプレーヤキャラクタ12を制限する設定を含めることもできる(例えばレコードR21等を参照)。具体的には、取得可能なプレーヤキャラクタ12を因果キャラクタとする設定や、因果キャラクタと同じグループに所属するプレーヤキャラクタ12とする設定等を含めることができる。或いは、当該出現位置111にグループ別識別表示が施されてから出現タイミングの時間長が経過するまでの間にそこを通過しているプレーヤキャラクタ12のみが取得可能であるとする取得条件の設定を含めてもよい。
ここで、因果キャラクタとは、その出現位置111にグループ別識別表示を施す起因となったキャラクタ(つまり第1のキャラクタ)、或いは、当該グループ別識別表示の現在の軌跡レベルに至る最後の原因を与えたキャラクタ(つまり当該出現位置111を第2のキャラクタとして最後に通過したプレーヤキャラクタ12)をいう。両方を因果キャラクタとするのか、何れか一方を因果キャラクタとするのかは、適宜設定してよい。以下では、両方を因果キャラクタとすることとする。
したがって、例えばレコードR21の場合であれば、その出現位置111を第1のキャラクタが通過したことでグループ別識別表示が施されると、アイテム出現制御処理では、その出現条件に従って、時間長T23の時間が経過した時点でパワークッキー15を出現させる制御を行うこととなる。また、そうして出現させたパワークッキー15を取得可能なプレーヤキャラクタ12が、後段のアイテム取得制御処理で因果キャラクタに制限される。
そして、アイテム出現制御処理では、レベル別出現条件データ523に従って、適用出現条件の設定を行う。具体的には、アイテム取得制御処理によってプレーヤキャラクタ12にアイテムを取得させた出現位置111(第1通過制御処理によってグループ別識別表示が施された出現位置でもある)について、その軌跡レベルに応じた適用出現条件を設定する。また、第2通過制御処理によってグループ別識別表示が変更された出現位置111について、当該変更にあたって更新された軌跡レベルをもとに適用出現条件の設定を再度行う。その後は、適用出現条件に従ってアイテムの出現制御を行う。すなわち、出現タイミングが到来した時点で、当該出現位置111にその出現アイテム種類のアイテムを配置して出現させる。
5)アイテム取得制御処理
本実施形態では、ゲーム開始に先立ち、各出現位置111にアイテムを配置する。また、ゲーム中は、プレーヤキャラクタ12の通過や重複通過の際に出現位置111毎に適用出現条件を設定し、当該適用出現条件に従って各出現位置111にアイテムを出現させる。そして、アイテム取得制御処理では、前述のようにアイテムが配置された出現位置111をプレーヤキャラクタ12が通過したときに、当該出現位置111のアイテムを当該通過したプレーヤキャラクタ12に取得させる制御を行う。当該出現位置111のアイテムに係る取得条件としてそれを取得可能なプレーヤキャラクタ12が制限されているときには、通過したプレーヤキャラクタ12が当該取得条件を満たせば、当該プレーヤキャラクタ12にそのアイテムを取得させる。
6)スコア算出処理
スコア算出処理は、ゲーム中にアイテム取得等に応じた加点をしてプレーヤ別スコアを算出し、それらをグループ別に合算してグループ別スコアを算出する第1スコア算出処理と、ゲーム終了時にグループ別識別表示の大きさ(面積)に応じた加点をし、最終的なグループ別スコアを算出する第2スコア算出処理と、を含む。
6-1)第1スコア算出処理
第1スコア算出処理では、ゲーム中、上記の要領でプレーヤ別スコアを随時算出・更新する。すなわち、プレーヤキャラクタ12によって単位得点が定められたクッキー14やフルーツ16が取得された場合に、当該プレーヤキャラクタ12を操作するプレーヤのプレーヤ別スコアを加算する。また、一のプレーヤキャラクタ12が妨害キャラクタ13や相手グループのプレーヤキャラクタ12を倒した場合に、当該プレーヤキャラクタ12を操作するプレーヤのプレーヤ別スコアを加算する。
6-2)第2スコア算出処理
第2スコア算出処理では、ゲーム終了時における各グループそれぞれのグループ別識別表示の大きさ(面積)に基づいて、各グループの最終的なグループ別スコアを算出する。本実施形態では、グループ別識別表示の大きさと得点との対応関係(大きさ別得点換算テーブル)を予め設定しておく。そして、ゲームを終了したら、ゲーム終了時点例えばグループ別識別表示が施された出現位置111の数をそのグループ符号別に計数することで各グループに係るグループ別識別表示の大きさを求める。その後は、大きさ別得点換算テーブルを参照し、各グループのグループ別スコアにそのグループ別識別表示の大きさに応じた得点を加算して、各グループの最終的なグループ別スコアとする。
なお、グループ別識別表示の大きさから当該大きさのグループ間の比率を求めるとしてもよい。そして、求めた比率に応じた得点を加算して、各グループの最終的なグループ別スコアを算出するのでもよい。その場合は、比率と得点との対応関係を予め定めておけばよい。また、グループ別識別表示の大きさや比率が大きい方のグループにのみ所定の得点を加算する構成としてもよい。
また、第2スコア算出処理は、ゲーム終了時に加えて、若しくはゲーム終了時にかえて、ゲーム中の所定のタイミングで行うとしてもよい。ゲーム中のタイミングについては適宜設定することができる。例えば、ゲーム開始時からの経過時間が所定時間に達したタイミングや、初期配置のアイテムが全て取得されたタイミング等とすることができる。或いは、特定のアイテムが取得されたタイミングとすることもできる。その場合のアイテムは、例えばフルーツ16等としてもよいし、取得時に第2スコア算出処理を行うように定められた特別アイテムを用意するのでもよい。後者の場合は、自グループのグループ別識別表示が広範囲に施されているときに当該特別アイテムを取得することで、大量得点を狙うこともできる。そして、当該特別アイテムの出現設定を少なくとも何れかのレベル別出現条件データ523に含めることで、ゲーム中に適宜その出現制御を行う。
まとめると、本実施形態では、ゲーム開始に先立ち、初期配置に係る出現条件に従って各出現位置111にアイテムを配置する。また、プレーヤキャラクタ12の通過位置や重複通過位置に適用出現条件を随時設定し、設定した適用出現条件に従ってアイテムを配置して出現させる。そして、それらアイテムが配置された出現位置111をプレーヤキャラクタ12が通過すると、当該出現位置111に配置されたアイテムを当該プレーヤキャラクタ12に取得させる一方で、プレーヤキャラクタ12が通過した跡にグループ別識別表示を施す。そして、グループ別識別表示が施された出現位置111をプレーヤキャラクタ12が重複通過した場合は当該グループ別識別表示の表示態様を変化させ、プレーヤキャラクタ12の通過がないまま寿命が経過したグループ別識別表示については消去する。また、ゲーム中のアイテム取得等に応じた加点や、ゲーム終了時における各グループのグループ別識別表示の大きさに応じた加点によってグループ別スコアを算出する。
[機能構成]
1.サーバシステム
図11は、サーバシステム1100の機能構成例を示すブロック図である。図11に示すように、本実施形態のサーバシステム1100は、操作入力部100sと、サーバ処理部200sと、画像表示部390sと、音出力部392sと、通信部394sと、サーバ記憶部500sとを備える。
操作入力部100sは、システム管理や保守等のための各種操作を入力するためのものであり、例えばキーボードやマウス、タッチパネル等で実現できる。図1では、キーボード1106やタッチパネル1108がこれに該当する。
サーバ処理部200sは、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路であるプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現でき、操作入力部100sやサーバ記憶部500sを含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100sからの操作入力信号、プレーヤ端末1500から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、サーバシステム1100の動作を統括制御する。図1では、制御基板1150やそのCPU1151がこれに該当する。
このサーバ処理部200sは、ユーザ管理部210と、ゲーム管理部230と、計時部280sと、画像生成部290sと、音生成部292sと、通信制御部294sとを備える。
ユーザ管理部210は、ユーザ登録に係る処理及びアカウントに紐付けられる各登録ユーザ(プレーヤ)のデータの管理を行う。例えば、登録ユーザへの固有のアカウントの付与処理、アカウント別に個人情報を登録管理する登録情報管理処理、ログイン及びログアウトの履歴等を管理する利用履歴管理処理等を実行することができる。勿論、これら以外のユーザカウントに紐付けられる他のデータの管理処理も適宜含めることができる。
ゲーム管理部230は、ゲームの実行管理に係る各種処理を行う。本実施形態では、マルチプレイ対応のゲームをクライアント・サーバ型のオンラインゲームとして行う。そのため、ゲーム管理部230は、プレーヤ端末1500と通信を行いながらゲームプレイに必要なデータを提供する制御を行う。そして、データの提供に当たり、ゲームの進行制御やプレイ結果の反映に関する処理として、1)ゲームに参加するプレーヤのマッチング処理、2)背景オブジェクト等やアイテム等を配置してゲーム空間を設定する処理、3)ゲーム空間にプレーヤキャラクタを配置し、プレーヤ端末1500における操作入力に応じてプレーヤキャラクタの行動を制御する処理、4)仮想カメラをゲーム空間に配置・制御する処理、5)ゲーム空間に妨害キャラクタを配置し、その動作を自動制御する処理、6)プレーヤキャラクタや妨害キャラクタ、アイテム等の接触判定・取得判定やその反映に関する処理、7)各キャラクタのアイテム取得結果に基づくゲームの進行制御、8)仮想カメラから見たゲーム空間の画像をゲーム画像として生成する処理、9)ゲームの終了条件を満たしたかの判定処理等を実行することができる。また、これらに伴ってゲームプレイの制御に必要な各種データをサーバ記憶部500sに記憶させることができる。
このゲーム管理部230は、パラメータ値制御部231と、アイテム初期配置部233と、軌跡表示制御部235と、寿命制御部241と、アイテム取得制御部243と、アイテム出現制御部245と、スコア算出部247とを含む。
パラメータ値制御部231は、ゲーム中、各プレーヤが操作するプレーヤキャラクタそれぞれのパラメータ値を、当該プレーヤキャラクタのプレイ状況に基づいて変化させるパラメータ値制御処理を行う。本実施形態では、ゲーム中にプレーヤキャラクタが取得することのできるアイテムの1つであるクッキーの取得数を例えばプレーヤ毎に計数し、予め定められるレベル換算テーブルに従って各プレーヤのキャラクタレベルを随時設定・更新する。キャラクタレベルの更新は、ゲームの進行制御の1つということができる。
アイテム初期配置部233は、ゲーム開始に先立ちアイテム初期配置処理を行う機能部であり、初期出現条件データ521を参照し、各出現位置に、その出現条件に従ってアイテムを配置する。
軌跡表示制御部235は、軌跡表示制御処理を行う機能部であり、対戦するキャラクタ(本実施形態ではプレーヤキャラクタ)が通過した跡に、所定の識別表示(本実施形態ではグループ別識別表示)を施す。この軌跡表示制御部235は、第1通過制御処理を行う第1通過制御部237と、第2通過制御処理を行う第2通過制御部239とを備える。
第1通過制御部237は、第1のキャラクタが通過した跡に、その所属グループを識別可能な表示態様であって、そのキャラクタレベルに応じた表示態様のグループ別識別表示を施す制御を行う。その際、第1のキャラクタの所属グループとキャラクタレベルとから、通過位置の軌跡レベルを決定する。一方、第2通過制御部239は、グループ別識別表示の位置を第2のキャラクタが重複通過した場合に、その所属グループとキャラクタレベルとに基づいて、当該重複通過位置におけるグループ別識別表示時の表示態様を変化させる。その際、重複位置の軌跡レベルを、第2のキャラクタの所属グループとキャラクタレベルとに基づき更新する。
寿命制御部241は、寿命制御処理を行う機能部であり、グループ別識別表示が施された出現位置に消去タイミングを設定し、消去タイミングが到来した出現位置のグループ別識別表示を消去する制御を行う。
アイテム取得制御部243は、アイテム取得制御処理を行う機能部であり、アイテムが配置されている出現位置を通過したプレーヤキャラクタに、当該アイテムを取得させる制御を行う。
アイテム出現制御部245は、ゲーム中にアイテム出現制御処理を行う機能部であり、プレーヤキャラクタが通過し、或いは重複通過した出現位置に、アイテムを出現させる。具体的には、当該出現位置の軌跡レベルに応じたレベル別出現条件データ523を参照し、該当する出現位置について適用出現条件を設定して、アイテムの出現制御を行う。
スコア算出部247は、スコア算出処理を行う機能部であり、少なくともプレーヤキャラクタが取得したアイテムに基づいて各グループのグループ別スコア553を算出する。このスコア算出部247は、第1スコア算出処理を行う第1スコア算出部249と、第2スコア算出処理を行う第2スコア算出部251とを備える。
第1スコア算出部249は、ゲーム中に、プレーヤキャラクタによるアイテム取得等に応じて各プレーヤのプレーヤ別スコア563を随時算出・更新し、各プレーヤ別スコア563をグループ別に合算してグループ別スコア553を随時算出・更新する。一方、第2スコア算出部251は、ゲーム終了時に各グループそれぞれのグループ別識別表示の大きさを求め、求めた大きさに応じて各グループの最終的なグループ別スコア553を算出する。
計時部280sは、システムクロックを利用して現在日時や制限時間等の計時を行う。
画像生成部290sは、サーバシステム1100のシステム管理等に関する画像を生成し、画像表示部390sへ出力する。
音生成部292sは、音声データの生成やデコードをするICやソフトウェアの実行により実現され、サーバシステム1100のシステム管理や動画配信に係る操作音、BGM等の音声データを生成し、或いはデコードする。システム管理に関する音声信号は、音出力部392sへ出力される。
通信制御部294sは、通信部394sを介して外部装置(例えばプレーヤ端末1500)とのデータ通信のための通信接続及びデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
画像表示部390sは、画像生成部290sから入力される画像信号に基づいてシステム管理等のための各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。図1では、タッチパネル1108がこれに該当する。
音出力部392sは、音生成部292sから入力される音声信号を放音する。図1では、本体装置1101やタッチパネル1108が備えるスピーカ(不図示)がこれに該当する。
通信部394sは、ネットワークNと接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。図1では、通信装置1153がこれに該当する。
サーバ記憶部500sには、サーバシステム1100を動作させ、サーバシステム1100が備える種々の機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。図1では、ICメモリ1152やストレージ1140がこれに該当する。
また、サーバ記憶部500sには、サーバプログラム501と、配信用ゲームクライアントプログラム503と、ユーザ管理データ510と、ゲーム初期設定データ520と、対戦プレイデータ530とが格納される。また、その他にも、タイマーやカウンタ、各種テーブルや閾値、フラグ等の必要なデータが適宜格納される。
サーバプログラム501は、サーバ処理部200sをユーザ管理部210及びゲーム管理部230として機能させるためのプログラムである。なお、画像生成部290sや音生成部292s、通信制御部294sとして機能させるプログラムも適宜これに含めることができる。
配信用ゲームクライアントプログラム503は、プレーヤ端末1500にダウンロードされるゲームクライアントプログラム502(図11を参照)の原本である。
ユーザ管理データ510は、ユーザ登録を済ませたプレーヤ毎に用意され、プレーヤID(アカウント)やプレイ履歴等を含む当該プレーヤのゲームプレイに関する管理用の各種データを格納する。
ゲーム初期設定データ520は、ゲームを実行するために必要な各種初期設定データを格納する。例えば、ゲーム初期設定データ520は、初期出現条件データ521(図5を参照)と、レベル別のレベル別出現条件データ523(図10を参照)とを含む。また、その他にも、例えば、マップデータ等のゲームステージに係る初期設定データ、プレーヤキャラクタのモデルデータ、その動作制御に用いるモーションデータ、状態パラメータの初期値や移動速度パラメータの設定値等のプレーヤキャラクタに係る初期設定データ、妨害キャラクタのモデルデータ、その追跡動作パターンを定義する動作パターンデータ等の妨害キャラクタに係る初期設定データ等を含む。
対戦プレイデータ530は、対戦ゲーム毎に用意され、当該対戦ゲームに参加するプレーヤや、そのゲームの進行状況を記述する各種データを格納する。例えば、図12に示すように、1つの対戦プレイデータ530は、対戦ID531と、マッチングデータ533と、当該対戦ゲームに係るゲームの残り時間535と、識別表示管理テーブル537と、アイテム出現設定テーブル539と、通過キャラクタデータ540と、対戦状況データ550と、を含む。
マッチングデータ533は、当該ゲームに参加するプレーヤのデータを格納する。例えば、各プレーヤのアカウント、プレーヤ名、使用するプレーヤ端末1500の装置ID等を格納する。
識別表示管理テーブル537は、各出現位置におけるグループ別識別表示を管理するためのものである。例えば、図13に示すように、識別表示管理テーブル537には、出現位置番号と対応付けて、グループ別識別表示の有無(有:ON/無:OFF)を示す識別表示フラグと、現軌跡レベルと、消去タイミングとが設定される。
識別表示フラグは、第1通過制御部237によってその出現位置にグループ別識別表示が施された際に「ON」とされ、寿命制御部241によってその出現位置におけるグループ別識別表示が消去された際に「OFF」とされる。現軌跡レベルは、第1通過制御部237によって決定され、第2通過制御部239によって更新される軌跡レベルを格納する。消去タイミングは、寿命制御部241により設定・更新される消去タイミングを格納する。
図12に戻り、アイテム出現設定テーブル539は、各出現位置におけるアイテムの出現設定を格納する。例えば、図14に示すように、アイテム出現設定テーブル539には、出現位置番号と対応付けて、配置されているアイテムの有無(有:ON/無:OFF)を示す出現フラグと、適用出現条件と、適用取得条件と、適用単位得点とが設定される。このアイテム出現設定テーブル539は、アイテム初期配置部233によって生成され、アイテム出現制御部245によって随時更新される。
具体的には、先ず、アイテム初期配置部233は、ゲーム開始時にアイテムを配置するにあたり、初期出現条件データ521から出現条件を読み出して各出現位置の適用出現条件とし、取得条件を読み出して各出現位置の適用取得条件とし、単位得点を読み出して各出現位置の適用単位得点として設定する。そして、出現タイミングが「ゲーム開始時」となっている出現位置について出現フラグを「ON」とし、アイテム出現設定テーブル539を生成する。その後は、アイテム初期配置部233は、出現フラグが「ON」である出現位置に対応する出現アイテム種類のアイテムを配置する。また、出現フラグが「OFF」の出現位置については出現タイミングの到来を監視し、その到来時においてその出現位置に、対応するアイテム(本実施形態ではフルーツ)を出現させる。
次に、アイテム出現制御部245は、適用出現条件の設定にあたり、対象の出現位置(アイテム取得制御部243がプレーヤキャラクタにアイテムを取得させた出現位置)の出現フラグを「OFF」に更新する。そして、その軌跡レベルのレベル別出現条件データ523を参照し、当該出現位置の出現条件を読み出して当該出現位置の適用出現条件を更新する。その際、適用出現条件の出現タイミングは、当該アイテムが取得された時点から読み出した時間長が経過したタイミングとして設定する。また、当該出現位置の取得条件を読み出して当該出現位置の適用取得条件を更新し、当該出現位置の単位得点を読み出して当該出現位置の適用単位得点を更新する。
また、アイテム出現制御部245は、適用出現条件の再設定にあたっては、該当する軌跡レベルのレベル別出現条件データ523を参照し、対象の出現位置(第2のキャラクタが重複通過した出現位置)の出現条件を読み出して当該出現位置の適用出現条件を更新し、当該出現位置の取得条件を読み出して当該出現位置の適用取得条件を更新し、当該出現位置の単位得点を読み出して当該出現位置の適用単位得点を更新する。
一方、アイテム取得制御部243は、出現位置を通過したプレーヤキャラクタにアイテムを取得させるにあたり、当該出現位置の適用取得条件に適合するかを判定して、適合する場合は、当該プレーヤキャラクタにそのアイテムを取得させる制御を行う。また、第1スコア算出部249は、当該アイテム取得に応じた加点に際し、当該出現位置の適用単位得点を加算してプレーヤ別スコア563を算出する。
図12に戻り、通過キャラクタデータ540は、出現位置毎に用意され、該当する出現位置におけるプレーヤキャラクタの通過履歴を格納する。例えば、1つの通過キャラクタデータ540は、出現位置番号541と、第1キャラクタID543と、第2キャラクタIDリスト545と、因果キャラクタIDリスト547とを含む。第1キャラクタID543には、当該出現位置第1のキャラクタとして通過したプレーヤキャラクタのキャラクタIDが登録される。第2キャラクタIDリスト545には、当該出現位置を第2のキャラクタとして重複通過したプレーヤキャラクタのキャラクタIDが、その通過順に追加されて登録される。因果キャラクタIDリスト547には、第1のキャラクタのキャラクタIDと、当該出現位置を第2のキャラクタとして最後に通過したプレーヤキャラクタのキャラクタIDとが登録される。
本実施形態では、第1通過制御部237が、グループ別識別表示を施した際、その出現位置に係る通過キャラクタデータ540において第1のキャラクタのキャラクタIDを第1キャラクタID543に登録するとともに、因果キャラクタ記憶制御手段として、当該キャラクタIDを因果キャラクタIDリスト547に登録する。また、第2通過制御部239が、グループ別識別表示の表示態様を変化させた際、その出現位置に係る通過キャラクタデータ540において第2のキャラクタのキャラクタIDを第2キャラクタIDリスト545に登録・追加するとともに、因果キャラクタ記憶制御手段として、当該キャラクタIDを因果キャラクタIDリスト547に追加する。先に通過した第2のキャラクタのキャラクタIDが登録されているときには、当該キャラクタIDを削除した上で因果キャラクタIDリスト547に追加する。また、寿命制御部241が、グループ別識別表示を消去した際、その出現位置に係る通過キャラクタデータ540の設定内容をクリアする。
対戦状況データ550は、当該ゲームで対戦するグループ毎に用意され、その対戦状況を記述する各種データを格納する。例えば、1つの対戦状況データ550は、当該グループのグループID551と、当該グループのグループ別スコア553と、当該グループに所属するプレーヤキャラクタ毎のプレイ状況データ560とを格納する。
そして、プレイ状況データ560は、当該プレーヤキャラクタを操作するプレーヤのプレーヤID561と、当該プレーヤのプレーヤ別スコア563と、キャラクタレベル565と、プレーヤキャラクタの残数567とを含む。また、その他にも、クッキー等の各種アイテムのそれぞれの取得数等が適宜格納される。
2.プレーヤ端末
図15は、プレーヤ端末1500の機能構成例を示すブロック図である。図15に示すように、プレーヤ端末1500は、操作入力部100と、端末処理部200と、画像表示部390と、音出力部392と、通信部394と、端末記憶部500とを備える。
操作入力部100は、プレーヤが各種操作を入力するためのものであり、例えば、ボタンスイッチ、ジョイスティック、タッチパッド、トラックボール、加速度センサ、角速度センサ、CCDモジュール等によって実現できる。図2では、方向入力キー1502やホームキー1504、タッチパネル1506がこれに該当する。
端末処理部200は、例えばCPUやGPU、ASIC、FPGA等の演算回路であるプロセッサや、ICメモリ等の電子部品によって実現でき、操作入力部100や端末記憶部500を含む装置各部との間でデータの入出力制御を行う。そして、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号、サーバシステム1100から受信したデータ等に基づいて各種の演算処理を行い、プレーヤ端末1500の動作を統括制御する。図2では、制御基板1550やそのCPU1551がこれに該当する。そして、本実施形態における端末処理部200は、プレーヤ端末演算部270と、計時部280と、画像生成部290と、音生成部292と、通信制御部294とを備える。
プレーヤ端末演算部270は、プレーヤ端末1500をプレーヤのゲームプレイのための端末として機能させるための各種演算処理を実行する。例えば、プレーヤ端末演算部270は、操作信号送信制御部271と、ゲーム画面表示制御部273とを含む。
操作信号送信制御部271は、操作入力部100に対する操作入力に応じて、各種データやリクエスト情報をサーバシステム1100へ送信するための処理を行う。
ゲーム画面表示制御部273は、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて、ゲーム画面を表示するための制御を行う。例えば、本実施形態のオンラインゲームをウェブゲームとして実現するならば、ウェブブラウザをベースとしてHTMLとともにJava(登録商標)やCSS(Cascading Style Sheets)を利用して能動的に画面表示を制御するウェブ技術、Adobe(登録商標)Flash等のプラグインを用いて実現できる。勿論、その他の方法でもかまわない。また、本実施形態の構成では、ゲーム画面のベースとなるゲーム空間画像(例えば、3DCG等)はサーバシステム1100にて生成されるが、ゲーム空間画像をプレーヤ端末1500で生成する構成も可能である。その場合、ゲーム画面表示制御部273は、3DCGを生成するための仮想3次元空間に配置されたオブジェクトの制御を行うこととなる。
画像生成部290は、ゲーム画面表示制御部273と連係して、サーバシステム1100から受信した各種データに基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画面を表示するための画像信号を生成し、生成した画像信号を画像表示部390に出力する。例えば、GPU、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)等のプロセッサ、ビデオ信号IC、ビデオコーデック等のプログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現できる。
音生成部292は、例えば、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)や、音声合成IC等のプロセッサ、音声ファイルを再生するためのオーディオコーデック等によって実現され、ゲームの効果音やBGM、各種操作音の音声信号を生成して音出力部392に出力する。
通信制御部294は、通信部394を介して外部装置(例えばサーバシステム1100)とのデータ通信のための通信接続及びデータ処理を行い、外部装置とのデータのやりとりを実現する。
画像表示部390は、画像生成部290から入力される画像信号に基づいて、ゲーム画面等の各種画面を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示装置によって実現できる。図2では、タッチパネル1506がこれに該当する。
音出力部392は、音生成部292から入力される音声信号に基づいてゲームに関する効果音やBGM等を放音する。図2では、スピーカ1510がこれに該当する。
通信部394は、ネットワークNと接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現できる。図2では、無線通信モジュール1553がこれに該当する。
端末記憶部500には、プレーヤ端末1500を動作させ、プレーヤ端末1500が備える機能を実現するためのプログラムや、このプログラムの実行中に使用されるデータ等が予め格納され、或いは処理の都度一時的に格納される。例えば、RAMやROM等のICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD-ROMやDVD等の光学ディスク等によって実現できる。図2では、ICメモリ1552や、メモリカード1540がこれに該当する。
また、端末記憶部500には、ゲームクライアントプログラム502が格納される。ゲームクライアントプログラム502は、端末処理部200をプレーヤ端末演算部270として機能させるためのプログラムである。このゲームクライアントプログラム502は、オンラインゲームを実現する技術手法に応じた専用のクライアントプログラムであってもよいし、ウェブブラウザプログラム及びインタラクティブな画像表示を実現するプラグイン等により構成するとしてもよい。本実施形態では、サーバシステム1100から提供される配信用ゲームクライアントプログラム503(図11を参照)のコピーとする。
[処理の流れ]
図16は、本実施形態のサーバシステム1100における処理の流れを説明するためのフローチャートであり、1つのゲームに着目してゲーム処理の流れを示している。ここで説明する処理は、サーバ処理部200sがサーバプログラム501を読み出して実行することによって実現される。なお、プレーヤ端末1500では別途ログイン手続きがなされ、マッチング処理を経て対戦するプレーヤのグループ編成を終えているものとする。
先ず、アイテム初期配置部233が、ゲーム開始に先立ち、初期出現条件データ521に従ってアイテム出現設定テーブル539を生成して、ゲーム空間内の各出現位置にアイテムを配置する制御を行う(ステップS1:アイテム初期配置処理)。
その後ゲームを開始したら(ステップS3)、パラメータ値制御部231が、パラメータ値制御処理を開始する(ステップS5)。パラメータ値制御処理により、ゲームに参加する各プレーヤが操作するプレーヤキャラクタのキャラクタレベル565がそのプレイ状況に応じて随時更新される。
また、軌跡表示制御部235が、軌跡表示制御処理を開始する(ステップS7)。具体的には、第1通過制御部237が、第1のキャラクタの通過に伴い各出現位置にグループ別識別表示を施す制御を行うとともに(第1通過制御処理)、第2通過制御部239が、第2のキャラクタが重複通過した出現位置においてそのグループ別識別表示の表示態様を変更制御する(第2通過制御処理)。
また、寿命制御部241が、寿命制御処理を開始する(ステップS9)。すなわち、ステップS7で開始した軌跡表示制御処理によって施されたグループ別識別表示の消去タイミングを設定・更新し、当該消去タイミングに従ってグループ別識別表示を消去する制御を行う。
そして、ステップS7で開始した軌跡表示制御処理でグループ別識別表示の表示又はその表示態様の変更がなされたら(ステップS11:YES)、対象の出現位置にアイテムが配置されているときには(ステップS13:YES)、アイテム取得制御部243がアイテム取得制御処理を行って、当該出現位置を通過したプレーヤキャラクタに当該アイテムを取得させる(ステップS15)。
また、第1スコア算出部249が、アイテム取得時の加点を行ってプレーヤ別スコア563を算出し、グループ別スコア553を更新する(ステップS17)。
続いて、アイテム出現制御部245が、対象の出現位置の適用出現条件を設定(再設定)し、当該適用出現条件に従って当該出現位置にアイテムを出現させる制御を行う(ステップS19:アイテム出現制御処理)。その際、当該出現位置の出現フラグを適宜更新し、適用取得条件や適用単位得点を併せて設定することで、アイテム出現設定テーブル539を更新する。
また、ゲーム中、何れかのプレーヤのプレーヤキャラクタによって他のキャラクタが倒されたときには(ステップS21:YES)、第1スコア算出部249が、それがプレーヤキャラクタなのか妨害キャラクタなのかに応じた加点を行ってプレーヤ別スコア563を算出し、グループ別スコア553を更新する(ステップS23)。
その後は、ゲームを終了するまではステップS11に戻って(ステップS25:NO)、上記した処理を繰り返す。そして、ゲームを終了したならば(ステップS25:YES)、第2スコア算出部251が、第2スコア算出処理を行う(ステップS27)。すなわち、ゲーム終了時におけるグループ別識別表示の大きさをグループ毎に求め、求めた大きさに応じた加点をして各グループの最終的なグループ別スコア553を算出する。その後は、対戦結果の表示を行って(ステップS29)、本処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1のキャラクタが通過した跡に、その所属グループとキャラクタレベルとに応じた表示態様でグループ別識別表示を施すことができる。また、グループ別識別表示の施された出現位置を第2のキャラクタが重複通過したときには、その所属グループとキャラクタレベルとをもとに当該グループ別識別表示の表示態様を変化させることができる。より詳細には、出現位置を通過し、又は重複通過したプレーヤキャラクタの所属グループとキャラクタレベルとに基づいてその通過位置に係る軌跡レベルを決定・更新し、軌跡レベルに応じてグループ別識別表示の表示態様を設定・変化させることができる。
また、決定・更新した軌跡レベルに応じた出現条件(適用出現条件)でグループ別識別表示が施された出現位置にアイテムを出現させる一方で、グループ別識別表示を施してから寿命期間の間プレーヤキャラクタの通過がないときには、当該グループ別識別表示を消去することができる。
そして、ゲーム中のアイテム取得等に応じた加点をするとともに、ゲーム終了時におけるグループ別識別表示の大きさを反映させて、各グループのグループ別スコアを算出することができる。
したがって、キャラクタを移動操作して楽しむゲームにおいて、キャラクタが通過した跡に新たな興趣性を持たせる技術を実現できる。キャラクタが通過した跡にアイテムが出現し、その配置位置を通過したキャラクタに当該アイテムを取得させ、各キャラクタが取得したアイテムに基づいてゲームスコアが算出されるため、キャラクタの移動操作に関するチームプレーを発揮してグループ別のゲームスコアを伸ばすといった、独特の興趣が発揮され得るゲームを実現できる。
なお、本発明を適用可能な形態は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜構成要素の追加・省略・変更を施すことができる。
[変形例1]
上記実施形態では、本発明の適用例として、クライアント・サーバ型のゲームシステム1000のサーバシステム1100を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、複数のプレーヤ端末1500をピアツーピア接続して実現することもできる。その場合は、何れかのプレーヤ端末1500に、上記実施形態のサーバシステム1100の機能を担わせる。或いは、複数のプレーヤ端末1500でゲーム管理部230が有する機能を分担する構成としてもよい。このようにして複数のプレーヤ端末1500が接続されることで、コンピュータシステムが構成される。
具体的には、上記実施形態のサーバシステム1100が有する機能を分担して担うプレーヤ端末1500Aの機能構成例は、一例として図17のようになる。図17では、上記実施形態と同様の構成には同一の符号を付して示している。なお、この場合のサーバシステム1100は、ユーザ登録とその情報の管理及びマッチングを主に行い、プレーヤ端末1500Aからのリクエストに応じてそれらの情報を提供する。
図17に示すように、本変形例のプレーヤ端末1500Aは、端末処理部200がゲーム管理部230を有し、ゲーム画面表示制御部273が省略される。すなわち、本変形例のプレーヤ端末1500Aは、サーバシステム1100からゲーム画面の画像を表示するためのデータを取得するのではなく、自身のゲーム管理部230がゲーム管理に関する処理を実行してゲームの進行を制御し、ゲーム画面の画像を生成する。このプレーヤ端末1500Aの端末記憶部500には、端末処理部200をプレーヤ端末演算部270及びゲーム管理部230として機能させるためのゲームプログラム504が格納され、当該プレーヤ端末1500Aのプレーヤに係るユーザ管理データ510及び参加するゲームプレイに係る対戦プレイデータ530と、ゲーム初期設定データ520とが格納される。
そして、本変形例のプレーヤ端末1500Aの処理の流れは図16に示したフローチャートと基本的には同じで、プレーヤ端末1500Aのゲーム管理部230により各ステップを実行するものと読み替えればよい。
本変形例によれば、上記実施形態と同様の作用効果が得られる。なお、プレーヤ端末1500がゲーム管理部230の全ての機能を担うのではなく、その一部を担う構成としてもよい。
[変形例2]
また、上記実施形態や変形例では、複数のプレーヤのプレーヤキャラクタがグループに分かれて対戦する例を示したが、コンピュータ制御のキャラクタで編成された相手グループと対戦する場合や、コンピュータ制御のキャラクタとグループを組んで他のグループと対戦する場合にも同様に適用が可能である。
また、グループ対戦に限らず、プレーヤキャラクタが他のプレーヤキャラクタやコンピュータ制御のキャラクタと個別に対戦する構成としてもよい。その場合の第1通過処理では、対戦する何れかのキャラクタである第1のキャラクタが通過した跡に、所定の識別表示を施す。例えば、事前に対戦する各キャラクタのキャラクタカラーを設定しておく。そして、識別表示の色を第1のキャラクタのキャラクタカラーとし、そのキャラクタレベルに応じて濃淡を調整する。その場合は、上記実施形態と同様の要領でレベル値にキャラクタの識別符号(キャラクタ符号)を付して軌跡レベルを決定し、決定した軌跡レベルに従って識別表示の表示態様を設定して、通過位置(出現位置)に識別表示を施す。
一方、第2通過制御処理では、識別表示が施された位置(出現位置)を第1のキャラクタと同じプレーヤキャラクタ或いは第1のキャラクタとは異なるプレーヤキャラクタである第2のキャラクタが通過する重複通過がなされた場合に、第2のキャラクタが第1のキャラクタと同じか否かに応じて当該位置における識別表示の表示態様を変化させる。具体的には、上記実施形態と同様の要領で軌跡レベルを更新し、更新した軌跡レベルに従って識別表示の表示態様を変化させる。軌跡レベルの更新にあたっては、第1のキャラクタと第2のキャラクタとが同じ場合は軌跡レベルをレベルアップさせる一方、両者が異なる場合には軌跡レベルをレベルダウンさせ、軌跡レベルのレベル値と第1のキャラクタのキャラクタレベルとの大小関係によっては、キャラクタ符号を第2のキャラクタに変更する。
[変形例3]
また、上記実施形態等では、対戦するキャラクタ(例えばプレーヤキャラクタ)が通過した位置(出現位置)に識別表示(例えばグループ別識別表示)を施すこととした。そして、その効果として、当該グループ別識別表示の施された位置にその軌跡レベルに応じた出現条件でアイテムを出現させる制御と、当該グループ別識別表示の大きさに応じたグループ別スコアの加点とを例示したが、各キャラクタの移動制御パラメータを制御する構成を加えてもよい。その場合は、例えばゲーム管理部230が、移動制御パラメータ可変制御手段として、移動制御パラメータ可変制御処理を行う。
具体的には、対戦するキャラクタがグループ別識別表示の施された位置を通過中か否かに基づいて、当該キャラクタの移動制御パラメータを制御する。例えば、グループ別識別表示の施された位置を通過中のキャラクタについて、当該キャラクタの移動速度を、当該キャラクタの所属グループが当該グループ別識別表示に係るグループと同じか否かに基づき設定する。
そのために、例えば、グループ別識別表示が施されていない位置を通過中のキャラクタに適用する第1移動速度、自グループに係るグループ別識別表示の位置を通過中のキャラクタに適用する第2移動速度、及び相手グループに係るグループ別識別表示の位置を通過中のキャラクタに適用する第3移動速度の各値を予め定めておく。例えば、第2移動速度を第1移動速度よりも高速とし、第3移動速度を第1の速度よりも低速として設定しておく。これによれば、自グループに係るグループ別識別表示の位置を繰り返し通過してその軌跡レベルをレベルアップさせるときは、他を通過するときと比べて高速で移動できる。一方、相手グループに係るグループ別識別表示の位置を重複通過してその軌跡レベルをレベルダウンさせ、或いは自グループのグループ別識別表示に変化させようとするときには、その移動速度が他を通過するときよりも減速される。ただし、第2移動速度を第1移動速度よりも低速とし、第3移動速度を第1移動速度よりも高速とする設定としてもよい。
なお、第2移動速度及び第3移動速度は固定値とする構成に限らず、通過中のグループ別識別表示の軌跡レベルに応じて可変に設定するとしてもよい。例えば、第2移動速度は、第1移動速度よりも速い速度とする前提で、軌跡レベルが高いほど高速となるように設定する。或いは、軌跡レベルが高いほど低速となるように設定するのでもよい。同様に、第2移動速度は、第1移動速度よりも遅い速度とする前提で、軌跡レベルが高いほど低速となるように設定する。或いは、軌跡レベルが高いほど高速となるように設定するのでもよい。
また、上記した「通過中」の場合に加えて、若しくは「通過中」の場合にかえて、対戦するキャラクタがグループ別識別表示の施された位置を通過したか否かに基づいて、当該キャラクタの移動制御パラメータを制御するとしてもよい。その場合は、第2移動速度として、自グループに係るグループ別識別表示の位置を通過したキャラクタに当該通過後の所定時間の間適用する移動速度を予め定めておくとともに、第3移動速度として、相手グループに係るグループ別識別表示の位置を通過したキャラクタに当該通過後の所定時間の間適用する移動速度を予め定めておく。
また、個別対戦においても同様に、対戦するキャラクタの移動制御パラメータを制御するとしてもよい。その場合には、例えばゲーム管理部230が、移動制御パラメータ可変制御手段として、対戦するキャラクタが識別表示の施された位置を通過中か否か、及び/又は、通過したか否かに基づいて、当該キャラクタの例えば移動速度を可変に制御する。
[変形例4]
また、上記実施形態等では、プレーヤキャラクタのパラメータ値としてキャラクタレベルを例示し、クッキー等のアイテムの取得数に応じてキャラクタレベルを設定することとした。これに対し、プレーヤキャラクタ等の対戦する各キャラクタのキャラクタレベルを、当該キャラクタの移動に起因して施された識別表示(例えばグループ別識別表示)の大きさに基づいて設定するとしてもよい。例えば、広範囲を移動して広くグループ別識別表示の表示に関与するほど、キャラクタレベルが上がっていく構成としてもよい。各位置(出現位置)のグループ別識別表示の表示に関与したキャラクタの判別は、例えば、因果キャラクタとなっているか否かによって行う。そして、キャラクタ毎に、当該キャラクタが因果キャラクタとなっている位置(出現位置)の数を計数して管理し、当該数に応じて各キャラクタのキャラクタレベルを随時更新する。その場合は、該当する位置の数とキャラクタレベルとの対応関係を、レベル換算テーブルとして予め設定しておく。
また、ゲームの進行に応じて後述する状態パラメータがキャラクタ毎に可変に制御されるゲームでは、当該状態パラメータの値をパラメータ値として用いることもできる。例えば、ヒットポイントをパラメータ値とする場合であれば、通過したキャラクタのヒットポイントの減少量が少ないほど軌跡レベルを高くし、ヒットポイントが残り少ないときは軌跡レベルを低くする等とする構成も可能である。
[変形例5]
また、軌跡レベルの決定・更新にあたり、当該決定・更新の時点でのゲームの優劣状況をレベル値に反映させるようにしてもよい。例えば、軌跡レベルの決定・更新の際に、その時点での各グループのグループ別スコアの差に基づいて、第1のキャラクタ又は第2のキャラクタが所属するグループの優劣の程度を判定する。そして、判定した優劣の程度と、通過したキャラクタのキャラクタレベルとに基づいてレベル値の変更量を決定し、軌跡レベルを決定・更新する。当該グループが優勢であるほど変更量が大きくなるように決定するのでもよいし、劣勢であるほど変更量を大きくする構成でもよい。前者の場合は、自グループが優勢のときに自グループのグループ別識別表示に係る軌跡レベルを大幅に上げたり、相手グループのグループ別識別表示に係る軌跡レベルを大幅に下げることができる。これに対し後者の場合には、自グループが劣勢であるほど自グループのグループ別識別表示に係る軌跡レベルを大幅に上げたり、相手グループのグループ別識別表示に係る軌跡レベルを大幅に下げることができる。したがって、劣勢になったときほど自グループに係るグループ別識別表示の位置から自分のプレーヤキャラクタや自グループが有利となり得るアイテムを出現し易くし、逆にそのようなアイテムを相手グループに係るグループ別識別表示の位置からは出現し難くすることができる。
[変形例6]
また、上記実施形態等では、第1のキャラクタのキャラクタレベルに応じて軌跡レベルを決定し、第2のキャラクタのキャラクタレベルに応じて軌跡レベルを更新するとしたが、キャラクタレベルを用いずに軌跡レベルを決めることもできる。例えば、軌跡レベルのレベル値を第1のキャラクタの通過時に「1」とする。そして、第1のキャラクタと同じグループに所属する第2のキャラクタによる重複通過のたびにレベル値を「1」ずつ加算して更新する一方、異なるグループに所属する第2のキャラクタの重複通過時にはレベル値から「1」を減算して更新するとしてもよい。
これによれば、同じ位置(出現位置)を同じグループのキャラクタが繰り返し通過することで軌跡レベルを上げていき、それによってグループ別識別表示の表示態様を変化させ、そこから出現するアイテムの出現条件を当該グループのキャラクタにとって有利となり得る設定とさせることができる。
[変形例7]
また、識別表示(例えばグループ別識別表示)の表示態様は、その因果キャラクタのパラメータ値の変動と連動させて変化させるようにしてもよい。パラメータ値は、キャラクタレベルの他、ゲームの進行に応じて例えば能力値、経験値、ヒットポイント、マジックポイントといった状態パラメータがキャラクタ毎に可変に制御されるゲームであれば、当該状態パラメータを用いることもできる。
その場合は、例えばゲーム管理部230が、対戦する各キャラクタのパラメータ値の変化を監視する。そして、当該パラメータ値が所定の条件を満たしたキャラクタがいるときは、当該キャラクタが因果キャラクタとなっている位置(出現位置)の軌跡レベルを変更する制御を行う。例えば、パラメータ値の段階的な上昇量及び/又は下降量を変動条件として定義し、当該変動条件とレベル値の加算値及び/又は減算値との対応関係を予め定めておく。パラメータ値の上昇量が大きいほどレベル値の加算値を大きくし、下降量が大きいほど減算値を大きく設定しておくとよい。そして、実際に因果キャラクタのパラメータ値が変動条件を満たした場合には、対応するレベル値に従って該当する出現位置の軌跡レベルについてレベル値を増減させ、グループ別識別表示の表示態様を変化させる。
なお、レベル値が減算値以下の場合は、該当する出現位置のグループ別識別表示を消去するとしてもよい。また、その他にも、因果キャラクタが倒された場合やそれによりプレーヤがゲームオーバーとなった場合に、該当する出現位置のグループ別識別表示を消去する構成としてもよい。また、ゲーム中に倒されたキャラクタの数やゲームオーバーとなったプレーヤの数をグループ毎に計数し、それらの数が増えるにつれて該当するグループに係るグループ別識別表示の軌跡レベルを下げるとか、所定数に達した時点で当該グループ別識別表示を消去する等としてもよい。逆に、当該数が増えるほど軌跡レベルを上げていく構成でもよい。
或いは、グループ別識別表示を施す起因となった第1のキャラクタのその後の状態パラメータの変動と連動させて、グループ別識別表示の表示態様を変更制御するとしてもよい。その場合は、例えばゲーム管理部230が、状態パラメータ管理手段として、対戦するキャラクタ毎に状態パラメータを管理する。そして、ゲーム管理部230は、グループ別識別表示の表示態様を、第1のキャラクタの状態パラメータに応じて変更制御する。なお、第1のキャラクタに限らず、因果キャラクタやその他の第2のキャラクタの状態パラメータの変動と連動させ、グループ別識別表示の表示態様を変更制御するのでもよい。
[変形例8]
また、第2のキャラクタの重複通過時において、重複通過位置のグループ識別表示に係るグループカラーが第2のキャラクタの所属グループと異なる場合に、各グループのグループカラーを混ぜた色を新たな表示色として、当該グループ識別表示の表示態様を変化させるとしてもよい。その際、当該出現位置111をプレーヤキャラクタ12が前回通過してから今回通過するまでの時間差に応じて各色の混合割合を調整し、表示色を設定するとしてもよい。例えば、時間差が短いほど元のグループ別識別表示の色の混合割合を高くする等としてもよい。
なお、その場合は、グループカラーとして用意される各色の組合せに基づいて、想定される混合色毎に出現条件を定めておくとしてもよい。そして、施したグループ別識別表示の混合色に応じた出現条件を用いて、当該グループ識別表示の位置にアイテムを出現させるようにしてもよい。
[変形例9]
また、対戦するキャラクタの各々が移動可能なゲーム空間内の位置のうち、グループ別識別表示等の識別表示が施された位置と施されていない位置の両方からアイテムを出現させるゲームにおいて、識別表示が施されているか否かに応じた出現条件を適用して各位置からアイテムを出現させるようにしてもよい。
例えば、識別表示が施された位置には上記実施形態等と同様の要領で第1の出現条件を適用する一方、施されていない位置については、第2の出現条件を適用する。その場合は、予めレベル別出現条件データ523と同様の要領で第1の出現条件及び第2の出現条件をそれぞれ定めた出現条件データを用意しておく。第2の出現条件データと比べて第1の出現条件データの方が、各出現位置を通過したキャラクタやそこに出現したアイテムを取得したキャラクタ、その所属グループ等が有利となり得る設定を多く含めておくとよい。
そして、例えばゲーム管理部230が、識別表示が施された位置の適用出現条件を第1の出現条件とする設定を行ってアイテムの出現制御を行う一方で、第2のアイテム出現制御手段として、識別表示が施されていない位置の適用出現条件を第2の出現条件とする設定を行う。そして、当該第2の出現条件に基づいて当該位置にアイテムを出現させる制御を行う。
[変形例10]
また、上記実施形態等では、第2のキャラクタの重複通過時にその通過位置における識別表示(例えばグループ別識別表示)の表示色を変更し、変更後の表示色で当該通過位置の表示を制御することでその表示態様を変化させることとしたが、通過位置のグループ別識別表示を一旦消去し、その上で新たな表示色の設定に従ってグループ別識別表示を施すことで、その表示態様を変化させるようにしてもよい。何れの場合も、元の表示色を新たな表示色で上書きする処理ではない。
[変形例11]
また、上記実施形態等では、対戦するキャラクタをゲーム空間内で移動させ、アイテムを取得することで進行するゲームを例示したが、適用可能なゲームはこれに限定されない。例えば、キャラクタをゲーム空間内で移動させ、通過した跡に識別表示(例えばグループ別識別表示)を施すことで自陣地を広げていくゲームにも同様に適用が可能である。
その他にも、カーレースゲームに適用し、車(キャラクタ)の通過位置に表示するタイヤ痕の表示色を設定することによって、その通過した跡に識別表示を施す構成としてもよい。また、キャラクタの通過した跡に識別表示を施す態様は、通過位置の表示色を設定する構成に限定されない。例えば、キャラクタが移動したときにそのキャラクタの一部が通過位置に残る構成とすることで、当該キャラクタの通過した跡に識別表示を施すこととしてもよい。例えば、毛糸玉のキャラクタをゲーム空間内で転がして移動させることで進行するゲームにおいて、キャラクタ(毛糸玉)を移動させると毛糸が引き出され、その通過位置に沿って毛糸が表示される構成とする。そして、引き出された毛糸の表示によって、キャラクタの通過した跡に識別表示を施すこととしてもよい。
また、上記実施形態等では、識別表示(例えばグループ別識別表示)の施された出現位置111をプレーヤキャラクタが重複通過した場合に軌跡レベルを更新することとし、更新後の軌跡レベルに応じた出現条件で当該出現位置111からアイテムを出現させることとしたが、相手グループのグループ別識別表示の位置を通過することで、その相手グループのプレーヤキャラクタにダメージを与える構成も可能である。例えば、パワークッキー15を取得して相手グループのプレーヤキャラクタ12等を弱体化させた場合であって、その弱体化時間が経過するまでの間に相手グループのプレーヤキャラクタ12が因果キャラクタとなっているグループ別識別表示の位置を通過した場合に、そのグループ別識別表示上にいる相手グループのプレーヤキャラクタ12にダメージを与えるといった構成も可能である。また、上記したようにキャラクタが毛糸玉でそこから引き出された毛糸によって識別表示を施す場合であれば、当該引き出された毛糸の上を通るとそれに沿って因果キャラクタである毛糸玉の位置まで高速移動するとか、逆にその毛糸をたぐって因果キャラクタの毛糸玉を引き寄せて、当該因果キャラクタを攻撃可能な構成としてもよい。