JP7405827B2 - 銀の非シアン系析出用電解質 - Google Patents

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Description

本発明は、銀コーティング及び銀合金コーティングの電解析出のための電解質及び方法に関する。本発明による電解質は、非シアン系で貯蔵安定性であり、技術的及び装飾的用途のために光沢性、光輝性、及び白色の銀層及び銀合金層の析出を確実にする。
工業的には、銀は、シアン系電解質から直流的に析出されることが多い。しかしながら、シアン化物の毒性により、非シアン系電解質が必要とされている。現在知られている非シアン系銀電解質では、銀は、一般に有機錯体の形態で使用され、又は有機銀錯体がその場で形成される。これらの多くの非シアン系銀電解質では、浴安定性が不十分である。更に、析出した銀コーティングは、高頻度で十分に白色ではなく、及び/又は光沢が不十分である。したがって、技術的及び装飾的用途のための安定な非シアン系銀電解質の開発が引き続き必要とされている。
ヒダントイン誘導体は、銀の有機錯化剤として高頻度に使用される。したがって、米国特許出願公開第2005/0183961(A1)号は、銀の析出用ガルバニック浴を開示している。ここで、銀は、非沈殿性の水溶性塩の形態で使用される。使用される有機錯化剤は、5,5-ジメチルヒダントイン又はその誘導体であり、ピリジル誘導体は光沢剤として機能する。浴のpHは9~13である。浴が、2,2-ジピリジル及び置換ピリジン化合物の両方を光沢剤として含有し、更に湿潤剤を含有する場合、特に有利である。有利な湿潤剤は、商業的にHamposyl(登録商標)として知られる置換グリシン誘導体、及びBlancol N又はRhodacal Nとして市販されているスルホン化ナフタレン-ホルムアルデヒド縮合物である。Hamposyl(登録商標)は、N-アシルサルコシン酸塩、すなわち、脂肪酸アシル残基とN-メチルグリシン(サルコシン)との縮合生成物からなる。これらの浴で析出した銀コーティングは、白色で光沢性~高光沢である。
米国特許第5,601,696号は、銀の析出用ガルバニック浴と、この浴を使用した銀の析出方法とを開示している。浴は、無機酸の銀塩、例えば硝酸銀及び酸化銀と、ヒダントイン誘導体である錯化剤とを含む。更に、浴は、任意に光沢剤を含有してもよい。これらは、SH基若しくはカルボキシル基を含有する少なくとも1種の有機硫黄化合物、硫黄含有アミノ酸、又は亜硫酸イオンである。光沢剤の例としては、チオサリチル酸、塩酸チアミン、硝酸チアミン、及び亜硫酸カリウムが挙げられる。浴は、導電性塩を更に含有してもよい。これらは、好ましくは、塩化カリウム、ギ酸カリウム、及びカルボン酸塩などの無機塩である。浴のpHは8~13であり、析出中の浴温度は30℃~90℃であり、電流密度は用途に応じて1~150A/dm2である。米国特許第5,601,696号に記載されている浴は、光沢性の銀層を提供し、最大3回の通過まで使用することができる。
国際公開第2008/043528(A2)号は、銀イオン源、スルホン酸又はスルホン酸の誘導体、湿潤剤、及びヒダントイン誘導体を有する、銀層又は銀合金層の析出用非シアン系電解質組成物を開示している。電解質組成物は、クラックのない延性の銀層及び銀合金層の析出に役立つ。使用される銀イオン源は、少なくとも1種のスルホン酸の銀塩である。任意に、酸化銀、硝酸銀、及び硫酸銀から選択される更なる銀イオン源が存在してもよい。銀合金層を析出させる場合、対応する合金金属イオン源が使用され、有利にはスルホン酸塩、酸化物、硝酸塩、又は硫酸塩が使用される。銀を錯体化するためのヒダントイン誘導体は、複素環の5位において、水素、1~5個の炭素原子を有するアルキル基、並びに置換及び非置換アリール基から独立して選択される2つの置換基を有する。任意に、電解質組成物は、湿潤剤、例えば、ナフタレンスルホン酸-ホルムアルデヒド重縮合物及び/又はスルホプロピル化ポリアルコキシル化ナフトールを含んでもよい。更に、アルカリ金属臭化物、好ましくは臭化カリウム、及び/又はチオ硫酸塩、好ましくはチオ硫酸ナトリウムなどのアルカリ金属チオ硫酸塩を、任意に電解質に添加してもよい。アルカリ金属臭化物及びチオ硫酸塩の両方は、艶消し剤として機能する。アルカリ金属臭化物はまた、色に関してより均一な析出結果をもたらす。電解質組成物のpHは8~14である。実際には、アルカリ金属臭化物又はチオ硫酸塩を添加せずに、光沢性の銀層を析出させているようであり、光沢度に関しては記述されていない。アルカリ金属臭化物及び/又はチオ硫酸塩を有する電解質組成物は、艶消し銀コーティングを提供する。国際公開第2008/043528(A2)号は、銀層の色に関しては何も記述していない。
米国特許出願公開第2011/0062030(A1)号は、太陽電池上に金属、特に銀を析出させるための電解質組成物を記載している。銀は、例えば、そのメタンスルホン酸塩の形態で使用される。イミドコハク酸塩誘導体は、金属イオンの錯化剤として機能する。任意に、ヒダントイン誘導体を第2の錯化剤として使用してもよい。組成物は、有利には、導電性を向上させるための添加剤、好ましくはクエン酸塩と、湿潤剤、好ましくはポリアルキレンオキシド鎖を有するものとを含有する。電解質組成物のpHは8~12である。メタンスルホン酸塩の形態で存在し得る、析出される金属とは別に、組成物は、好ましくは更なるスルホン酸誘導体もシアン化物も含有しない。析出層の色及び光沢に関しては記述されていない。
米国特許出願公開第2012/0067733(A1)号は、非シアン系電解浴からニッケル層上に銀層を析出させる方法を記載している。浴に好適な銀源は、酸化銀、硝酸銀、チオ硫酸ナトリウム銀、グルコン酸銀、銀-アミノ酸錯体、例えば銀-システイン錯体、アルキルスルホン酸銀、例えばメタンスルホン酸銀、銀ヒダントイン化合物、及び銀-スクシンイミド錯体である。浴は、少なくとも1種のイミド、例えば、スクシンイミド、マレイミド、フタルイミド、又はヒダントイン誘導体を含有する。銀源は、0.1~5g/Lの比較的低い銀濃度で存在し、一方のイミドは、40g/L~120g/Lの濃度で使用される。任意に、浴は、アミドスルホン酸又はアルキルスルホン酸を含有する。更に、浴は、任意に表面活性物質を含有してもよく、これらはアニオン性、カチオン性、又は両性であってもよい。電解浴は、8~12のpHを有し、ニッケル上に鏡面光沢のある銀層を提供する。
米国特許出願公開第2012/0067735(A1)号は、銀の析出用非シアン系電解質を記載しており、銀は、ヒダントイン、ヒダントイン誘導体、スクシンイミド、及びスクシンイミド誘導体から選択される少なくとも1種の錯化剤で錯体化される。浴に好適な銀源は、例えば、酸化銀、硝酸銀、チオ硫酸ナトリウム銀、グルコン酸銀、銀-アミノ酸錯体、例えば銀-システイン錯体、アルキルスルホン酸銀、例えばメタンスルホン酸銀、銀ヒダントイン化合物、及び銀-スクシンイミド錯体である。浴は、少なくとも1種のピリジルアクリル酸と、ジアルキルスルフィド及びジアルキルジスルフィドから選択される少なくとも1種の有機スルフィドとを更に含有する。ピリジルアクリル酸と有機スルフィドとの組み合わせは、鏡面光沢のある銀析出物をもたらし、析出はまた、高電流強度及び高い浴温度で行うことができる。電解質は、導電性塩及び緩衝物質を更に含有してもよい。そのpHは8~14である。米国特許出願公開第2012/0067735(A1)号による電解質を用いると、鏡面光沢のある銀層を直流的に析出させることができる。しかしながら、この開示は、析出層の色に関しては何も記述していない。
国際公開第2015/018654(A1)号は、銀を主成分とする銀-パラジウム合金を析出させるための非シアン系、酸性、及び水性電解質と、これらの層の析出方法とを開示している。銀及びパラジウム化合物に加えて、電解質は、テルル又はセレン化合物、尿素又はアミノ酸、及びスルホン酸を含有する。この場合、テルル又はセレンの量は、析出合金中の銀濃度に影響する。尿素又はアミノ酸は、パラジウムを錯体化し、電解質の安定性を向上させる。電解質は、接点材料の工業生産に特に有利である、広い電流密度範囲にわたって、対応する銀-パラジウム合金の均一な析出を確実にする。銀-パラジウム合金の析出方法は、有利には強酸のpH範囲で実施される。
米国特許出願公開第2016/0122890(A1)号は、銀又は銀合金の析出用非シアン系電解質と、このような層の析出方法とを開示している。本発明による電解質は、少なくとも1種の銀イオン源、スルホン酸及び/又はスルホン酸誘導体、湿潤剤、及びヒダントインを含む。この電解質から析出し得る銀コーティング又は銀合金コーティングは、艶消し及び延性である。
国際公開第2017/067985(A1)号は、銀-パラジウム層の組成を調整するための好適な還元剤を含有する電解質を記載している。還元剤はまた、層の外観の改善と、析出層の明度(L値、CIE Lab)の増加に寄与する。国際公開第2017/067985(A1)号はまた、銀リッチの銀-パラジウム合金の電解析出方法についても開示する。銀及びパラジウム化合物に加えて、電解質は、テルル及び/又はセレン化合物、尿素又はアミノ酸、及びスルホン酸、更に還元剤を含有する。ここで、テルル及び/又はセレンの量は、析出合金中の銀濃度に影響する。尿素又はアミノ酸は、パラジウムを錯体化する。還元剤の含量が増加すると、析出層中のパラジウム含量が増加するため、還元剤は層組成物を調整する役割を果たす。また、開示された銀-パラジウム合金の析出方法は、有利には強酸のpH範囲で実施される。パラジウムにより、析出した銀-パラジウム合金は、純銀層よりも暗くなる。
特開2018-009227号は、パラジウム-銀合金層の析出方法を開示しており、層中のPd対Agの重量比は、1:9~9:1の範囲であり得る。析出層は、容易にはんだ付け可能であり、電気接点材料として好適である。Pd-Ag合金層の析出用電解質はまた、パラジウム塩及び銀塩に加えて、少なくとも1種のジアミン化合物及び1種の複素環化合物を含有する。ジアミン化合物は、有利にはアルキル化ジアミン、好ましくはエチレンジアミン及び1,3-プロパンジアミンである。複素環化合物は、ヒダントイン又はその誘導体である。1-(ヒドロキシメチル)-5,5-ジメチルヒダントイン及び5,5-ジメチルヒダントインが特に有利である。電解質のpHは、7.0~14.0、最も好ましくは10.0~11.0である。任意に、電解質は、導電性塩、緩衝剤、光沢剤、及び湿潤剤を含有してもよい。析出層の色及び光沢に関しては記述されていない。しかしながら、パラジウム含量が少なくとも10重量%であるため、析出層は純銀層よりも暗くなると推測することができる。
既知の銀及び銀合金の電解析出用電解質が多数あるにもかかわらず、析出物の白色度及び光沢度、浴安定性、並びにスループット挙動(金属回転率)の観点から、先行技術の電解質よりも優れた電解質を提供することが更に必要とされている。工業的使用のために、このような電解質は、十分な安定性を有し、可能な限り広い電流密度範囲にわたって安定な合金組成物を析出させることができる必要がある。電解質は、高い電流密度の負荷の後でさえも十分に機能的な状態でなければならず、これらの電解質を用いて生成した析出物は、技術的及び装飾的用途での使用に関して均質かつ有利でなければならない。
上記の目的は、本発明の請求項1の特徴を有する電解質によって達成される。請求項1に従属する下位請求項は、本発明による電解質の好ましい実施形態に関する。請求項9~13は、本発明による電解質を使用する電解析出方法に関する。
銀及び銀合金コーティングの電解析出用水性非シアン系電解質を提供することによるものであり、この電解質は、
a)銀の濃度が0.1~150g/Lの少なくとも1種の銀化合物、
b)合金金属の濃度が0~100g/Lの少なくとも1種の合金金属の化合物、
c)少なくとも1種の式(I)の化合物であって、
Figure 0007405827000001
式中、
R1、R2、R3、及びR4は、独立して、水素、1~5個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキル基、1~5個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~5個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、又はアリール基を表し、
及び
少なくとも1種の式(I)の化合物が1~350g/Lの濃度で存在する、少なくとも1種の式(I)の化合物、
d)少なくとも1種の光沢剤担体であって、
i.濃度が0.0001~5mol/L、特に0.01~5mol/Lの少なくとも1種のアミノ酸、
及び/又は
ii.濃度が0.01~5mol/Lの少なくとも1種のピリジンカルボン酸、から選択される、少なくとも1種の光沢剤担体、
e)少なくとも1種の光沢剤であって、スルホンアミド、2,2’-スルファンジイルジエタノール、システイン、メチオニン、5~7個の環原子を有する脂肪族及び芳香族複素環化合物であって、脂肪族及び芳香族複素環化合物の環が、窒素及び硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、脂肪族及び芳香族複素環化合物が、任意に、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個以上の更なるヘテロ原子を含有する、脂肪族及び芳香族複素環化合物、並びにこれらの光沢剤の混合物から選択され、光沢剤又は光沢剤の混合物の濃度が0.005~25g/Lであり、
少なくとも1種の光沢剤がシステイン及び/又はメチオニンから選択され、かつ光沢剤担体としてd)i.による少なくとも1種のアミノ酸が選択される場合、光沢剤担体のアミノ酸はシステインでもメチオニンでもない、少なくとも1種の光沢剤、
f)濃度が1~200g/Lの、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及びこれらの混合物から選択される、アルカリ金属水酸化物、の成分を溶解形態で有し、
g)電解質は7以上のpHを有し、
記載した目的が達成される。
驚くべきことに、本明細書に記載の電解質を用いると、光輝性、光沢性、及び白色の銀コーティング及び銀合金コーティングが、広い電流密度範囲にわたって導電性基材上に析出され得ることが見出された。更に、本発明による電解質は、高い浴安定性並びに高い析出率及び析出速度を有し、これにより、工業用途において特に有利である。本発明の電解質を用いると、ラック及び高速コーティングシステムにおいても、高品質の電気接触材料を有利に作製することができる。電解質は、上記の成分のみを含有するのが好ましい。
図1は、L値の決定結果を示す図である。 図2は、a値の決定結果を示す図である。 図3は、b値の決定結果を示す図である。
本発明に従った電解質を、0.1~100A/dmの電流密度範囲で使用することができる。0.5~20A/dmの電流密度範囲が好ましい。
金属コーティングの色及び輝度は、CIELb(www.cielab.de)に従った、いわゆるL測定を用いて求めることができることが、当業者に既知であり、ここで、L値は輝度を表す。本発明による銀層の明度(L値)は、95~99Lである(測定機器はKonica Minolta CM-700、光源D65/10)。a値は-0.5~+0.5であり、b値は1.5~5.0である。
光沢は、反射を測定することにより評価することができる。本発明による銀層は、91~93.5の範囲の値を有する。反射は、BYK-Gardner-Micro-TRI光沢測定器を用いて測定した。EN ISO7668(出願日における最新バージョン)に従い、光線は20°の入射角、及び20°の反射角で測定を実施した。表面の光沢の測定は当業者に既知であり、これに関する情報は、例えば「Schriftenreihe Galvanotechnik und Oberflachenbehandlung.Prufung von funktionellen metallischen Schichten[Publication series:Electroplating and surface treatment:Inspecting functional metal coatings],Section 4.3:Glanz-und Reflexionsmessung an Oberflachen’[Gloss and reflection measurement of surfaces],Eugen G Leuze-Verlag,Saulgau,1st ed.1997,pp.117-125に見出すことができる。
ガルバニック浴は、電気化学的金属沈殿物(コーティング)が基材(対象物)上に析出可能な金属塩を含有する溶液である。この種類のガルバニック浴は多くの場合、「電解質」とも呼ばれる。したがって、本発明に従ったシアン化物非含有の水性ガルバニック浴は以下、「電解質」と呼ばれる。
本発明による銀コーティング及び銀合金コーティングの電解析出用電解質、またこのような銀コーティング及び銀合金コーティングの析出方法を以下に説明するが、本発明は、以下に列挙する全ての実施形態を個々に又は互いと組み合わせて含む。
本電解質は、非シアン系水性電解質である。本明細書において、析出中に非溶解材料による層の汚染を回避するために、電解質中に存在する全ての物質が可能な限り完全に溶解していると好都合である。本発明の文脈において、物質は、少なくとも0.1gの物質が25℃で1リットルの水に溶解する場合に水溶性とみなされる。このような物質は、以下、「可溶性化合物」又は「可溶性物質」とも呼ばれる。
本発明に従った電解質に含有される銀化合物は、この電解質に可溶性である銀塩であることが好ましい。ここで、銀塩は、メタンスルホン酸銀、炭酸銀、リン酸銀、ピロリン酸銀、硝酸銀、酸化銀、乳酸銀、フッ化銀、臭化銀、塩化銀、ヨウ化銀、及び硫酸銀からなる群から選択されるのが好ましい。硝酸銀、炭酸銀、メタンスルホン酸銀、塩化銀、及び酸化銀を、本発明に従った電解質で使用するのが特に好ましい。ここで、当業者は、電解質に添加する追加の物質はできる限り少なくてはならないという原則に従わなければならない。このため、当業者は、メタンスルホン酸銀、炭酸銀、又は酸化銀を、添加する銀塩として選択するのが最も好ましい。銀及び更なる電解質成分の化合物(例えば、ヒダントイン酸銀)を使用することも可能である。用いる銀化合物の濃度に関して、当業者は、上述の値の制限に従わなければならない。銀化合物は、好ましくは、銀が0.1~150g/L、より好ましくは銀が2~100g/L、最も好ましくは銀が4~40g/Lの濃度で電解質中に存在する。
合金金属は、スズ、パラジウム、アンチモン、コバルト、インジウム、鉄、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、白金、銅、亜鉛、セレン、テルル、ビスマス、イリジウム、ゲルマニウム、ガリウム、金、レニウム、タングステン、モリブデン、ジスプロシウム、及びセリウムである。これらは、Sn2+、Sn4+、Pb2+、Sb3+、Co2+、In3+、Fe2+、Fe3+、Ni2+、Ru3+、Ru4+、Rh3+、Pt2+、Pt4+、Cu2+、Cu Zn2+、Se2+及びSe4+、Te2+、Bi3+、Ir3+、Ir4+、Ge2+、Ge4+、Ga3+、Au3+、Re3+、Re4+、W6+、Dy3+、及びCe3+の可溶性化合物の形態で、本発明による浴に添加される。
言及した合金金属の好適な可溶性化合物は、当業者に既知であり、特許請求の保護範囲から逸脱することなく使用することができる。有利に使用される合金金属の可溶性化合物を以下に記載するが、本発明は、明記していないこれらの金属の可溶性化合物も含む。
二価スズ化合物は、フッ化スズ(II)、塩化スズ(II)、臭化スズ(II)、ヨウ化スズ(II)、水酸化スズ(II)、酸化スズ(II)、ピロリン酸スズ(II)、硫酸スズ(II)、メタンスルホン酸スズ(II)から選択される。二価スズ化合物は、有利には、ピロリン酸スズ(II)、硫酸スズ(II)、及びメタンスルホン酸スズ(II)から選択される。
四価スズ化合物は、ヘキサヒドロキソスズ(IV)酸ナトリウム、ヘキサヒドロキソスズ(IV)酸カリウム、及びこれらの混合物から選択される。
二価パラジウム化合物は、塩化テトラアミンパラジウム(II)、臭化テトラアミンパラジウム(II)、水酸化パラジウム、塩化パラジウム、硫酸パラジウム、ピロリン酸パラジウム、メタンスルホン酸パラジウム、硝酸パラジウム、リン酸パラジウム、臭化パラジウム、塩化ジアミンジニトリトパラジウム(II)、臭化ジアミンジニトリトパラジウム(II)、硫酸ジアミンジニトリトパラジウム(II)、グリシン酸パラジウム、ジオキサラトパラジウム酸カリウム、ヨウ化パラジウム、シアン化パラジウム(II)、ペンタシアノニトロシル鉄(III)酸パラジウム(II)、硫酸テトラアミンパラジウム(II)、炭酸ビス(エチレンジアミノ)パラジウム(II)、硫酸ビス(エチレンジアミノ)パラジウム(II)、臭化ビス(エチレンジアミノ)パラジウム(II)、ビス(アセチルアセトナト)パラジウム(II)、ジアミンジクロロパラジウム(II)、酸化パラジウム水和物、炭酸水素テトラアミンパラジウム(II)、塩化ビス(エチレンジアミノ)パラジウム(II)、酢酸パラジウム、シアノパラジウム酸二カリウムから選択される。
三価アンチモン化合物は、酸化アンチモン(III)、フッ化アンチモン(III)、塩化アンチモン(III)、臭化アンチモン(III)、酒石酸アンチモンカリウムから選択される。
三価アンチモン化合物は、有利には、酸化アンチモン(III)及び酒石酸アンチモンカリウムから選択される。
二価コバルト化合物は、塩化コバルト(II)、酸化コバルト(II)、硝酸コバルト(II)、硫酸コバルト(II)、チオシアン酸コバルト(II)、酢酸コバルト(II)から選択される。
三価インジウム化合物は、塩化インジウム(III)、グルコン酸インジウム(III)、硫酸インジウム(III)、及び酸化インジウム(III)から選択される。三価インジウム化合物は、有利には、硫酸インジウム(III)、塩化インジウム(III)、及びグルコン酸インジウム(III)から選択される。
二価鉄化合物は、硫酸鉄(II)水和物、塩化鉄(II)、クエン酸鉄(II)、メタンスルホン酸鉄(II)、クエン酸鉄(II)アンモニウム、塩化鉄(II)六水和物、ピロリン酸鉄(II)、シュウ酸鉄(II)アンモニウム、鉄(II)リン酸錯体、フッ化鉄(II)、臭化鉄(II)、硝酸鉄(II)、チオシアン酸鉄(II)、水酸化鉄(II)から選択される。
三価鉄化合物は、硫酸鉄(III)水和物、Fe(SO、FeCl、クエン酸Fe(III)、メタンスルホン酸Fe(III)、クエン酸鉄(III)アンモニウム、塩化Fe(III)六水和物、ピロリン酸Fe(III)、シュウ酸鉄(III)アンモニウム、Fe(III)リン酸錯体、フッ化Fe(III)、臭化鉄(III)、硝酸Fe(III)、チオシアン酸Fe(III)、水酸化Fe(III)から選択される。
ニッケル化合物は、硫酸ニッケル(II)七水和物、塩化ニッケル(II)六水和物、スルファミン酸ニッケル(II)、硝酸ニッケル(II)六水和物、及びニッケル(II)エチレンジアミン錯体から選択される。
ルテニウム化合物は、フッ化ルテニウム(III)、塩化ルテニウム(III)、臭化ルテニウム(III)、ヨウ化ルテニウム(III)、ニトロシル硝酸ルテニウム(III)、酢酸ルテニウム(III)、ルテニウムイソニトリル錯体、Ruニトリド-ハロ錯体であって、一般式が[RuN(HO)3-であり、式中、Xが、フッ化物、臭化物、塩化物、及びヨウ化物から選択されるハロゲン化物イオンであるもの、例えば、[RuN(HO)Cl3-、ルテニウムニトリド-ヒドロキソ錯体、及びRuニトリド-オキサラト錯体から選択される。
三価ロジウム化合物は、フッ化ロジウム(III)、塩化ロジウム(III)、臭化ロジウム(III)、ヨウ化ロジウム(III)、酸化ロジウム(III)水和物、メタンスルホン酸ロジウム(III)、及び硫酸ロジウム(III)から選択される。
二価白金化合物は、塩化白金(II)、テトラクロロ白金(II)酸H(PtCl)、臭化白金(II)、ジニトロスルファト白金(II)酸及びその塩、ジアミノジニトリト白金(II)、テトラアミン白金(II)塩、硝酸白金(II)、及びヨウ化白金(II)から選択される。
四価白金化合物は、ヘキサクロロ白金(IV)酸H(PtCl)、フッ化白金(IV)、ヘキサヒドロキソ白金(IV)酸及びその塩、並びに臭化白金(IV)から選択される。
二価銅化合物は、硫酸銅(II)、フッ化銅(II)、塩化銅(II)、臭化銅(II)、ヨウ化銅(II)、水酸化銅(II)、酸化銅(II)、シュウ酸銅(II)、炭酸銅(II)、硝酸銅(II)、リン酸銅(II)、ピロリン酸銅(II)、メタンスルホン酸銅(II)、クエン酸銅(II)、酢酸銅(II)から選択される。二価銅化合物は、有利には、硫酸銅(II)、塩化銅(II)、及びピロリン酸銅(II)から選択される。
二価亜鉛化合物は、フッ化亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、ピロリン酸亜鉛、クエン酸亜鉛、メタンスルホン酸亜鉛から選択される。二価亜鉛化合物は、有利には、ピロリン酸亜鉛、硫酸亜鉛、及びメタンスルホン酸亜鉛から選択される。
好適なセレン及びテルル化合物は、セレン又はテルルが+4又は+6の酸化状態で存在するものである。セレン及びテルル化合物は、+4の酸化状態のセレン又はテルルが存在する電解質で有利に用いられる。セレン及びテルル化合物は、亜テルル酸塩、亜セレン酸塩、亜テルル酸、亜セレン酸、テルル酸、セレン酸、セレノシアネート、テルロシアネート、並びにセレン酸塩及びテルル酸塩から選択されるのが特に好ましい。セレン化合物よりもテルル化合物を用いるのが、ここでは概して好ましい。亜テルル酸の塩の形態、例えば、亜テルル酸カリウムの形態で電解質にテルルを添加することが、特に最も好ましい。
三価ビスマス化合物は、水酸化ビスマス(III)、水酸化ビスマス(III)、塩化ビスマス(III)、クエン酸ビスマス(III)、臭化ビスマス(III)、ヨウ化ビスマス(III)、メタンスルホン酸ビスマス(III)から選択される。三価ビスマス化合物は、有利には、クエン酸ビスマス(III)及びメタンスルホン酸ビスマス(III)から選択される。
三価イリジウム化合物は、硫酸イリジウム(III)、塩化イリジウム(III)、塩化イリジウム(III/IV)、塩化イリジウム(IV)、ヘキサブロモイリジウム(IV)酸カリウム、ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウム、ヘキサブロモイリジウム(IV)酸ナトリウム、ヘキサクロロイリジウム(IV)酸ナトリウム、ヘキサクロロイリジウム(IV)酸、ヘキサクロロイリジウム(IV)酸アンモニウム、ヘキサブロモイリジウム(IV)酸アンモニウムから選択される。
ゲルマニウム化合物は、ハロゲン化ゲルマニウム(II)又はゲルマニウム(IV)、セレン化ゲルマニウム(II)、テルル化ゲルマニウム(II)、及び酸化ゲルマニウム(IV)から選択される。
ガリウム化合物は、フッ化ガリウム(III)、塩化ガリウム(III)、臭化ガリウム(III)、ヨウ化ガリウム(III)、及び酸化ガリウム(III)から選択される。
金化合物は、亜硫酸金(I)アルカリ金属、亜硫酸金(I)アンモニウム、テトラクロロ金(III)酸、金(I)ヒダントイン錯体又は金(III)ヒダントイン錯体としての金、ジシアノ金(I)酸カリウム、テトラシアノ金(III)酸カリウム、金(I)システイン錯体、及び硫酸金(III)から選択される。
レニウム化合物は、塩化レニウム(III)及び酸化レニウム(IV)から選択される。
タングステン化合物は、タングステン酸アルカリ金属、タングステン酸アンモニウム、及び酸化タングステンから選択され、タングステン(VI)化合物が好ましい。
モリブデン化合物は、モリブデン酸アルカリ金属、モリブデン酸アンモニウム、及び酸化モリブデンから選択され、モリブデン(VI)化合物が好ましい。
ジスプロシウム化合物は、塩化ジスプロシウム(III)及び亜硝酸ジスプロシウム(III)から選択される。
セリウム化合物は、塩化セリウム(III)及び硫酸セリウム(III)水和物から選択される。
少なくとも1種の合金金属の化合物は、0~100g/Lの濃度で電解質中に存在する。好ましい実施形態では、電解質中の少なくとも1種の合金金属の濃度は0g/Lである。この場合、銀を除いて、析出される金属は存在せず、電解質は純銀コーティングの析出に役立つ。更により好ましい実施形態では、少なくとも1種の合金金属の化合物は、0超~最大100g/Lの濃度で電解質中に存在する。この場合、銀に加えて、析出される少なくとも1種の更なる金属が存在し、電解質は銀合金コーティングの析出に役立つ。有利には、電解質中の少なくとも1種の合金金属の濃度は、0.05~100g/L、好ましくは0.5~20g/L、特に好ましくは1~10g/Lである。
本発明の文脈において、「少なくとも1種の合金金属の化合物」は、以下の変形を含む。
a)単一の合金金属の単一の化合物を使用する。
b)単一の合金金属の数種の化合物を使用し、すなわち、これらの化合物のカチオンは、全ての場合で同じ合金金属から生じ、アニオンは異なる。カチオンは、異なる酸化状態で存在してもよい。
c)数種の合金金属の化合物を使用し、全ての化合物が同じアニオンを有するが、カチオンは異なる。
d)数種の合金金属の数種の化合物を使用し、すなわち、数種の異なるアニオン及び数種の異なるカチオンが存在する。
a)及びb)の場合、二元銀合金の析出用電解質が得られ、c)及びd)の場合、少なくとも三元銀合金の析出用電解質が得られる。
本発明の電解質では、銀は、少なくとも1種の式(I)の化合物と錯体化される。
Figure 0007405827000002
R1、R2、R3、及びR4は、独立して、水素、1~5個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキル基、1~5個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~5個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、又はアリール基を表し、
1~5個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキル基は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、2-メチルプロピル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、3-メチルブタ-2-イル、2-メチルブタ-2-イル、2,2-ジメチルプロピルから選択される。
1~5個の炭素原子を有するアルコキシ基は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、2-メチルプロポキシ、tert-ブトキシ、n-ペントキシ、2-ペントキシ、3-ペントキシ、2-メチルブトキシ、3-メチルブトキシ、3-メチルブタ-2-オキシ、2-メチルブタ-2-オキシ、2,2-ジメチルプロポキシから選択される。
1~5個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基は、言及したアルキル基から誘導され、特定のアルキル基の水素原子がヒドロキシ基で置換される。
アリール基は、フェノール、ナフトール、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンから選択される。
式(I)の化合物は、ヒダントイン及びその誘導体である。
有利には、少なくとも1種の式(I)の化合物は、1-メチルヒダントイン、1,3-ジメチルヒダントイン、5,5-ジメチルヒダントイン、1-ヒドロキシメチル-5,5-ジメチルヒダントイン、5,5’-ジエチルヒダントイン、及び5,5-ジフェニルヒダントイン、並びにこれらの混合物から選択される。少なくとも1種の式(I)の化合物は、特に好ましくは5,5-ジメチルヒダントインである。
銀と少なくとも1種の式(I)による化合物との錯体は、使用される銀化合物と少なくとも1種の式(I)による化合物からその場で形成される。少なくとも1種の式(I)による化合物は、1~350g/L、好ましくは5~200g/L、特に好ましくは10~100g/Lの濃度で使用される。本発明の好ましい実施形態では、銀は、式(I)の錯体として用いられる。
本発明による電解質において、式(I)による化合物に対する銀のモル比は、1:2~1:6である。これは、銀と式(I)の化合物との錯体を銀化合物として使用するか、又は銀と式(I)の化合物との錯体ではない別の銀化合物を使用するかどうかに関わらず適用され、全体的には、本発明による電解質中の式(I)による化合物の量は、銀錯体として存在する式(I)の化合物の割合に関わらず、銀の量の2倍~5倍高い。
本発明による電解質は、0.0001~5mol/L、好ましくは0.001~1mol/L、特に好ましくは0.01~0.5mol/Lの濃度の少なくとも1種のアミノ酸、及び/又は0.01~5mol/L、好ましくは0.01~1mol/L、非常に好ましくは0.1~0.5mol/Lの濃度の少なくとも1種のピリジンカルボン酸から選択される、少なくとも1種の光沢剤担体を更に含有する。
アミノ酸がカルボキシル基及びアミノ基を有する化合物であることは、当業者に既知である。これらは、必須又は非必須これらは、必須又は非必須アミノ酸であってもよい。更に、これらはα、β、又はγ-アミノ酸であってもよく、α-アミノ酸が少なくとも2個、β-アミノ酸が少なくとも3個、γ-アミノ酸が少なくとも4個の炭素原子を有することは、当業者に既知である。少なくとも1種のアミノ酸は、D型、L型、又はラセミ体として存在してもよい。2種以上のアミノ酸を使用する場合、個々の各アミノ酸は、他のアミノ酸とは独立して、D型、L型、又はラセミ体として存在してもよい。有利には、少なくとも1種のアミノ酸は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、シスチン、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、サルコシン、及びこれらの混合物から選択される。システイン又は二量体シスチンなどの硫黄含有アミノ酸に関しては、これらを電解質中で0.0001~1mol/L、好ましくは0.0005~0.5mol/L、特に好ましくは0.001~0.01mol/Lの濃度でのみ使用することが有利な場合がある。
特に有利な実施形態では、少なくとも1種のアミノ酸は、グリシン、アラニン、プロリン、システイン、及びサルコシン、並びにこれらの混合物から選択される。最も好ましくは、アミノ酸は、グリシン及びサルコシンから選択される。
有利な実施形態では、少なくとも1種のピリジンカルボン酸は、ピコリン酸、ピコリン酸アミド、ニコチン酸、ニコチンアミド、イソニコチン酸、イソニコチンアミド、及びこれらの混合物から選択される。少なくとも1種のピリジンカルボン酸は、好ましくは、ニコチン酸、ニコチンアミド、ピコリン酸、及びピコリン酸アミドから選択される。本発明の文脈において、言及される遊離ピリジンカルボン酸及びそのアミドの両方を「ピリジンカルボン酸」と呼ぶ。非常に好ましい実施形態では、本発明による電解質は、ピリジンカルボン酸を含有しないが、光沢剤担体として上述したような少なくとも1種のアミノカルボン酸を含有する。
少なくとも1種の光沢剤は、有利にはスルホンアミドの群から選択される。スルホンアミドは、当業者に既知の化学物質の群であり、その一部は抗生物質的に機能する(Beyer Walter,Lehrbuch der organischen Chemie[Textbook of Organic Chemistry],S.Hirzel Verlag Stuttgart,22nd edition,1991,pp.496,497,575-577,784,785)。好ましい実施形態では、スルホンアミドは、構造要素R-SO-NRを有し、式中、R、R、及びRは、互いに独立して、水素、(C~C10)アルキル、(C~C10)シクロアルキル、(C~C10)アリール、(C~C10)ヘテロアリール、(C~C10)ヘテロシクロアルキルである。R及びRはまた、4若しくは5個の更なる原子、具体的にはC原子、又は1若しくは2個の窒素若しくは酸素原子を有し得る、飽和又はモノ若しくはポリ不飽和環を形成してもよい。この環は、更に置換されてもよい。
この文脈において、(C1~C10)アルキルは、直鎖又は任意に分枝鎖であり得る、飽和又はモノ若しくはポリ不飽和アルキルラジカルである。これらは、好ましくは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、2-メチルプロピル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、3-メチルブタ-2-イル、2-メチルブタ-2-イル、2,2-ジメチルプロピルから選択される。ここで考慮されるラジカルは、ヘテロ原子によって置換されてもよく、ヘテロ原子は、好ましくは、酸素、窒素、又は硫黄からなる群から選択される。同様に、ヘテロ原子は、次に、更なる有機ラジカルによって置換され得る。これらのラジカルは、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、2-メチルプロピル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、3-メチルブタ-2-イル、2-メチルブタ-2-イル、2,2-ジメチルプロピルから選択される。
この文脈において、(C~C10)シクロアルキルは、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、又はシクロヘキシルなどの環状アルキルラジカルである。これらのラジカルは、二重結合を有してもよい。ここで考慮されるラジカルは、ヘテロ原子によって置換されてもよく、ヘテロ原子は、好ましくは、酸素、窒素、又は硫黄からなる群から選択される。同様に、ヘテロ原子は、次に、更なる有機ラジカルによって置換され得る。これらのラジカルは、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、2-メチルプロピル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、3-メチルブタ-2-イル、2-メチルブタ-2-イル、2,2-ジメチルプロピルから選択される。
(C~C10)アリールは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、2-メチルプロピル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、3-メチルブタ-2-イル、2-メチルブタ-2-イル、2,2-ジメチルプロピルから選択される更なるラジカルで任意に置換され得る芳香族環化合物である。最も好ましくは、これらは、フェノール、ナフトール、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメンからなる群から選択される。ここで考慮されるラジカルは、ヘテロ原子によって置換されてもよく、ヘテロ原子は、好ましくは、酸素、窒素、又は硫黄からなる群から選択される。同様に、ヘテロ原子は、次に、更なる有機ラジカルによって置換され得る。これらのラジカルは、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、2-メチルプロピル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、3-メチルブタ-2-イル、2-メチルブタ-2-イル、2,2-ジメチルプロピルから選択される。
(C~C10)ヘテロアリール又は(C~C10)ヘテロシクロアルキルは、上記のシクロアルキル及びアリールラジカルから誘導され、環中の少なくとも1個のC原子がヘテロ原子と交換されている。したがって、これらは、好ましくは5~10個の環原子を有する脂肪族又は芳香族複素環化合物であり、脂肪族及び芳香族複素環化合物の環は、窒素及び硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、脂肪族及び芳香族複素環化合物は、任意に、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個以上の更なるヘテロ原子を含有する。同様に、これらの環系は、次に、更なる有機ラジカルによって置換され得る。これらのラジカルは、特に好ましくは、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、2-メチルプロピル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、3-メチルブタ-2-イル、2-メチルブタ-2-イル、2,2-ジメチルプロピルから選択される。(C~C10)ヘテロアリール又は(C~C10)ヘテロシクロアルキルラジカルは、ヘテロ原子で置換されてもよく、ヘテロ原子は、好ましくは、酸素、窒素、又は硫黄からなる群から選択される。同様に、ヘテロ原子は、次に、更なる有機ラジカルによって置換され得る。これらのラジカルは、特に好ましくは、水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、2-メチルプロピル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、3-メチルブタ-2-イル、2-メチルブタ-2-イル、2,2-ジメチルプロピルから選択される。
更に有利な実施形態では、少なくとも1種の光沢剤はスルホンアミドであり、これは、ラジカルR、R、及びRとして、5~10個の環原子を有する芳香族(任意に複素環)化合物を有し、環は、少なくとも1個の窒素及び/又は硫黄原子を有する。ラジカルR、R、及びRとして芳香族(任意に複素環)化合物を有し、本発明の文脈において光沢剤として使用することができるスルホンアミドは、好ましくは5~7個の環原子を有する。これらの環原子のうちの少なくとも1個は、窒素又は硫黄原子である。任意に、酸素、窒素、及び硫黄から選択される1個以上の更なるヘテロ原子も存在してもよい。これらの更なるヘテロ原子は、同様に、芳香環の構成要素であり得るが、環に結合した側鎖及び基にも存在し得る。好適な脂肪族及び芳香族複素環化合物は、テトラヒドロチオフェン、チオフェン、テトラヒドロフラン、フラン、ピロリジン、ピロール、イミダゾリジン、ピラゾリジン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾリジン、イソチアゾリジン、チアゾール、イソチアゾール、ジオキソラン、ジチオラン、トリアゾール、フラザン、オキサジアゾール、チアジアゾール、ジチアゾール、テトラゾール、ピペリジン、ピリジン、テトラヒドロピラン、ピラン、チアン、チオピラン、ピペラジン、ピリミジン、ジアジン、モルホリン、オキサジン、チオモルホリン、チアジン、ジオキサン、ジオキシン、ジチアン、ジチイン、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、トリアジン、トリオキサン、トリチアン、テトラジン、ペンタジン、アゼパン、アゼピン、オキセパン、オキセピン、チエピン、ジアゼパン、ジアゼピン、チアゼピンの誘導体である。アニリン及びピリミジン、ピリジン及びピラジンが、この文脈において特に好ましい。有機化合物が炭素に基づくものであることは、当業者に既知である。本発明の目的のために、有機ヘテロ化合物は、炭素及び水素に加えて、少なくとも1個の更なる原子を含有する化合物である。この更なる原子は、「ヘテロ原子」である。有利には、これは、窒素、酸素、又は硫黄である。言及した脂肪族及び芳香族複素環化合物は、官能基を有し得る。これらの官能基は、有利には、チオ、チオール、カルボニル、カルボキシル、アルキル、ヒドロキシル、スルホニル、及びスルホニルアルキル基である。
同様に特に有利な実施形態では、少なくとも1種の光沢剤は、好ましくはアリールラジカル上のパラ位にアミノ基を有する、(C~C10)アリールラジカルで置換されたスルホンアミドから選択され、例えば、4-アミノベンゼン-スルホンアミド、4-アミノ-N-ピリジン-2-イル-ベンゼンスルホンアミド、4-アミノ-N-(2-ピリミジニル)ベンゼンスルホンアミド、4-アミノ-N-(6-クロロピラジン-2-イル)ベンゼンスルホンアミド、4-アミノ-N-(6-クロロ-3-ピリダジニル)ベンゼンスルホンアミド、4-アミノ-N-(5-メトキシ-2-ピリミジニル)ベンゼンスルホンアミド、4-アミノ-N-(1,3-チアゾール-2-イル)ベンゼンスルホンアミド、4-アミノ-N-(5-メチル-1,3,4-チアジアゾール-2イル)ベンゼンスルホンアミド、4-アミノ-N-(4-メチル-1,3-チアゾール-2イル)ベンゼンスルホンアミド、4-アミノ-N-(4-メトキシ-1,2,5-チアジアゾール-3-イル)ベンゼンスルホンアミド、4-アミノ-N-(5-メチル-3-イソオキサゾリル)ベンゼンスルホンアミド、4-アミノ-N-(4-メチル-2-ピリミジニル)ベンゼンスルホンアミド、4-アミノ-N-(5-メチルピリミジニル)ベンゼンスルホンアミド、4-アミノ-N-(6-メトキシピリダジン-3-イル)ベンゼンスルホンアミド、4-アミノ-N-(3-メトキシ-2-ピラジニル)ベンゼンスルホンアミド、4-アミノ-N-(4,5-ジメチル-1,3-オキサゾール-2-イル)ベンゼンスルホンアミド、4-アミノ-N-(3,4-ジメチル-5-イソオキサゾリル)ベンゼンスルホンアミド、N-(3,3-ジメチルアクロイル)スルファニルアミド、4-アミノ-N-(4,6-ジメチル-2-ピリミジニル)ベンゼンスルホンアミド、4-アミノ-N-(2,6-ジメチル-2-ピリミジン-4-イル)ベンゼンスルホンアミド、4-アミノ-N-(6-メトキシ-2-メチルピリミジン-4-イル)ベンゼンスルホンアミド、4-アミノ-N-(2,6-ジメトキシ-4-ピリミジニル)ベンゼンスルホンアミド、4-アミノ-N-(5,6-ジメトキシ-4-ピリミジニル)ベンゼンスルホンアミド、4-アミノ-N-(2-フェニルピラゾール-3-イル)ベンゼンスルホンアミド、2-ヒドロキシ-5-(2-(ピリジニル)スルホニル)フェニル)アゾ)安息香酸、4-アミノフェニル-スルホニルチオ尿素、1-(4-アミノベンゼンスルホニル)尿素、4-(アミノメチル)ベンゼンスルホンアミド、N-(p-アミノフェニル-スルホニル)アセトアミド、4-アミノ-N-(ジアミノメチレン)ベンゼンスルホンアミドからなる群から選択されるスルファニルアミドである(https://de.wikipedia.org/wiki/Sulfanilamid)。
少なくとも1種の光沢剤は、同様に、化合物2,2-スルファンジイルジエタノール、システイン、メチオニン、5~7個の環原子を有する脂肪族及び芳香族複素環化合物であって、脂肪族及び芳香族複素環化合物の環が、窒素及び硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含有し、脂肪族及び芳香族複素環化合物が、任意に、窒素、酸素、及び硫黄から選択される1個以上の更なるヘテロ原子を含有する、脂肪族及び芳香族複素環化合物、並びにこれらの光沢剤の混合物から選択され得る。
この点で光沢剤として使用することができる脂肪族及び芳香族複素環化合物は、5~7個の環原子を有する。これらの環原子のうちの少なくとも1個は、窒素又は硫黄原子である。任意に、酸素、窒素、及び硫黄から選択される1個以上の更なるヘテロ原子も存在してもよい。これらの更なるヘテロ原子は、同様に、芳香族又は脂肪族環の構成要素であり得るが、環に結合した側鎖及び官能基にも存在し得る。
この文脈における好適な脂肪族複素環化合物は、テトラヒドロチオフェン、チオフェン、テトラヒドロフラン、フラン、ピロリジン、ピロール、イミダゾリジン、ピラゾリジン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾリジン、イソチアゾリジン、チアゾール、イソチアゾール、ジオキソラン、ジチオラン、トリアゾール、フラザン、オキサジアゾール、チアジアゾール、ジチアゾール、テトラゾール、ピペリジン、ピリジン、テトラヒドロピラン、ピラン、チアン、チオピラン、ピペラジン、ジアジン、モルホリン、オキサジン、チオモルホリン、チアジン、ジオキサン、ジオキシン、ジチアン、ジチイン、ヘキサヒドロ-1,3,5-トリアジン、トリアジン、トリオキサン、トリチアン、テトラジン、ペンタジン、アゼパン、アゼピン、オキセパン、オキセピン、チエピン、ジアゼパン、ジアゼピン、チアゼピンの誘導体である。
言及した脂肪族及び芳香族複素環化合物は、官能基を有し得る。これらの官能基は、有利には、チオ、チオール、カルボニル、カルボキシル、アルキル、ヒドロキシル、スルホニル、及びスルホニルアルキル基である。
この点に関して特に有利な実施形態では、少なくとも1種の光沢剤は、5~7個の環原子を有する脂肪族又は芳香族複素環化合物であり、環は窒素原子及び硫黄原子を有する。
この点に関して極めて有利な実施形態では、少なくとも1種の光沢剤は、システイン、2,2-スルファンジイルジエタノール、2-メルカプトニコチン酸、ピリジン-3-スルホン酸、チオモルホリン、1,2,3-チアジアゾール、1,2,4-チアジアゾール、1,2,5-チアジアゾール、及び1,3,4-チアジアゾール、並びにこれらの誘導体から選択される。特に好ましいのは、IUPAC命名法に従ってテトラヒドロ-2H-1,4-チアジンとも呼ばれるチオモルホリンである。
少なくとも1種の光沢剤がシステイン及び/又はメチオニンから選択され、かつ光沢剤担体として少なくとも1種のアミノ酸が選択される場合、光沢剤担体のアミノ酸はシステインでもメチオニンでもない。
上記の定義による光沢剤担体又は光沢剤として、本発明による電解質中でシステイン及び/又はメチオニンを使用する方法を、いくつかの実施例を用いて以下に説明する。
a)少なくとも1種の光沢剤をシステイン及び/又はメチオニンから選択する。
次に、
-光沢剤担体として少なくとも1種のアミノ酸を選択する場合、この光沢剤担体のアミノ酸は、システイン又はメチオニンではない。
-任意に、本発明による電解質は、少なくとも1種のピリジンカルボン酸を含有してもよい。
b)少なくとも1種の光沢剤を、上記の定義による2,2’-スルファンジイルジエタノール又は脂肪族及び芳香族複素環化合物から選択する。
次に、
-光沢剤として少なくとも1種のアミノ酸を選択する場合、システイン及び/又はメチオニンを含む、上記の定義による必須又は非必須アミノ酸であってもよい。
-任意に、本発明による電解質は、少なくとも1種のピリジンカルボン酸を含有してもよい。
少なくとも1種の光沢剤をシステイン及び/又はメチオニンから選択する場合、これらの2つのアミノ酸はそれぞれ、互いに独立して、D型、L型、又はラセミ体として存在することができる。
更に、光沢剤担体と光沢剤との組み合わせにおいて、以下の組み合わせも可能である。
c)少なくとも1種の光沢剤担体が、上記の定義による少なくとも1種のピリジンカルボン酸である。光沢剤担体として、アミノ酸は使用されない。光沢剤は、上記の定義による2,2’-スルファンジイルジエタノール、システイン、メチオニン、並びに脂肪族及び芳香族複素環化合物から選択される。
用語「光沢剤担体」及び「光沢剤」は、当業者に既知である。光沢剤担体は、「一次光沢剤」とも呼ばれる。電解質からの層のガルバニック析出では、特定の光沢がもたらされるが、高光沢ではなく、これは、多くの場合に限定された電流密度範囲でのみ生じる。光沢剤担体は、多くの場合、粒径を減少させるように作用する。光沢剤は、「二次光沢剤」とも呼ばれる。それらは高光沢の析出層をもたらすが、同様に、多くの場合に限定された電流密度範囲でのみ有効である。広い電流密度範囲にわたる高光沢は、好適な光沢剤担体と光沢剤との組み合わせにより可能になることがある。
光沢剤又は光沢剤の混合物は、0.005~25g/L、好ましくは0.01~5g/L、特に好ましくは0.05~1g/Lの濃度で電解質中に存在する。
本発明による電解質は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及びこれらの混合物から選択されるアルカリ金属水酸化物を、1~200g/L、好ましくは5~150g/L、特に好ましくは10~100g/Lの濃度で更に含有する。有利な実施形態では、アルカリ金属水酸化物は、水酸化カリウムである。本発明による電解質のpHは8以上であり、有利には9~11である。
本発明による非シアン系水性電解質は、任意に1種以上の湿潤剤を含有する。
好ましい実施形態では、少なくとも1種の湿潤剤は、以下から選択される。
-非イオン性湿潤剤、例えば、β-ナフテンエトキシレートカリウム塩、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、ポリエチレンイミン、ポリエチレングリコール、及びこれらの混合物。2000g/mol未満の分子量を有する湿潤剤が、特に有利である。
-アニオン性湿潤剤、例えば、N-ドデカノイル-N-メチルグリシン、(N-ラウロイルサルコシン)Na塩、アルキルコラーゲン加水分解物、2-エチルヘキシル硫酸Na塩、ラウリルエーテル硫酸Na塩、及びこれらの混合物。
-カチオン性湿潤剤、例えば、1H-イミダゾリウム1-エテニル(又は3-メチル)-、メチル硫酸塩ホモポリマー。
本発明による電解質では、典型的には、湿潤剤としてアニオン性及び非イオン性界面活性剤を使用することができ、例えば、ポリエチレングリコール付加物、脂肪アルコール硫酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ヘテロアリール硫酸塩、ベタイン、フッ素系界面活性剤、並びにこれらの塩及び誘導体が挙げられる(Kanani,N:Galvanotechnik[Electroplating technology];Hanser Verlag,Munich Vienna,2000;pp.84 et seq.も参照されたい)。
更なる有利な実施形態では、本発明による電解質は、少なくとも1種の更なる塩を含有する。これらの塩のアニオンは、硫酸塩、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、炭酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、スルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、特にメタンスルホン酸塩、アミドスルホン酸塩、スルファミン酸塩、アミノカルボン酸及びN-複素環カルボン酸のアニオンの群から選択される。これらの塩のカチオンは、アンモニウム、リチウム、ナトリウム、及びカリウムイオンから選択される。ポリプロトン化酸の場合、1つ又は全ての水素原子が、言及したカチオンで置換されていてもよい。2つ以上の水素原子が言及したカチオンのうちの1つで置換されている場合、これらのカチオンは同一であっても、異なっていてもよい。少なくとも1種の更なる塩は、以下、「導電性塩」とも呼ばれる。少なくとも1種の導電性塩は、硫酸、塩酸、メタンスルホン酸、炭酸、硝酸、及びリン酸のナトリウム、カリウム、及びアンモニウム塩から選択される。有利な実施形態では、少なくとも1種の導電性塩は、カリウム塩であり、特に好ましくはメタンスルホン酸カリウム及び/又は硝酸カリウムである。有利な実施形態では、少なくとも1種の導電性塩は、1~200g/L、好ましくは10~100g/Lの濃度で使用される。
本発明はまた、本発明による電解質から銀コーティング及び銀合金コーティングを電解析出させる方法に関し、ここで、導電性基材が電解質に浸漬され、電解質と接触している陽極と、陰極としての基材との間で、電流の流れが確立される。電解質にとって好ましいと記載した実施形態はまた、本明細書で取り扱う方法に準用して適用されることを記しておかなければならない。
銀コーティング及び銀合金コーティングの析出中に優位的となる温度は、当業者により所望されるように選択されることができる。したがって、それらは、一方では十分な析出率及び適用可能な電流密度範囲に応じて、他方では経済的観点又は電解質の安定性に応じて決定される。温度を20℃~90℃、好ましくは40℃~80℃、特に好ましくは50℃~70℃に設定することが有利である。
本発明による電解質において析出プロセス中に陰極と陽極との間で確立される電流密度は、析出の効率及び質に従って、当業者により選択され得る。用途、及びコーティング施設の種類に応じて、電解質中の電流密度が、有利には0.1~100A/dmに設定される。必要であれば、システムのパラメータ、例えばコーティングセルの設計、流速、陽極又は陰極の状態等を調節することにより、電流密度を増加又は低下させることができる。電流密度は0.1~100A/dmが有利であり、0.2~50.0A/dmが好ましく、0.5~30A/dmが最も好ましい。
本発明の文脈において、低、中、及び高電流密度範囲は、以下のように定義される。
-低電流密度範囲:0.1~0.75A/dm
-中電流密度範囲:0.75A/dm超~5A/dm
-高電流密度範囲:5A/dm超。
本発明による電解質及び本発明による方法は、例えば、電気プラグ接続及びプリント回路基板などの技術的用途、並びに宝飾及び時計などの装飾的用途のために、銀コーティング及び銀合金コーティングの電解析出用に使用することができる。本発明の有利な実施形態では、銀コーティング及び銀合金コーティングの電解析出に低電流密度範囲を使用し、少なくとも1種の光沢剤担体は、0.2~3mol/Lの少なくとも1種のアミノ酸と、0.01~0.5mol/Lの少なくとも1種のピリジンカルボン酸とを含有する。
本発明の有利な実施形態では、銀コーティング及び銀合金コーティングの電解析出に中電流密度範囲を使用し、少なくとも1種の光沢剤担体は、0.1~1.5mol/Lの少なくとも1種のアミノ酸と、0.1~1mol/Lの少なくとも1種のピリジンカルボン酸とを含有する。
本発明の有利な実施形態では、銀コーティング及び銀合金コーティングの電解析出に高電流密度範囲を使用し、少なくとも1種の光沢剤担体は、0.01~0.1mol/Lの少なくとも1種のアミノ酸と、0.25~2.5mol/Lの少なくとも1種のピリジンカルボン酸とを含有する。
既に示されているように、本発明による電解質はアルカリ型である。pHは、7以上であるべきであり、特に好ましくは8~11、更に良いのは9~10.5である。電解中に電解液のpH値に関して変化が生じることがある。それ故、本方法の好ましい一実施形態では、当業者は、電解中にpH値の監視を続け、必要であれば公称値に調整する。有利には水酸化カリウム又はメタンスルホン酸を使用してpHを調整する。あるいは、水酸化カリウムの代わりに、水酸化リチウム若しくは水酸化ナトリウム又はこれらのアルカリ金属水酸化物の混合物も使用することができる。
電解質の使用において、様々な陽極を用いることができる。可溶性又は不溶性陽極は、可溶性及び不溶性の陽極の組み合わせと同様に好適である。可溶陽極を使用する場合、銀陽極が特に好ましい。
不溶性陽極として使用するのに好ましいのは、白金めっきチタン、黒鉛、混合金属酸化物、ガラス状炭素陽極、及び特殊炭素材料(DCL.「ダイヤモンド状炭素」)からなる群から選択される材料から作製されたもの、又はこれらの陽極の組み合わせである。白金めっきチタン、又は混合金属酸化物でコーティングされたチタンの不溶性陽極が有利であり、混合金属酸化物は、好ましくは、酸化イリジウム、酸化ルテニウム、酸化タンタル、及びこれらの混合物から選択される。また、本発明の実施に有利に使用されるのは、イリジウム-遷移金属酸化物混合酸化物陽極、より好ましくはイリジウム-ルテニウム混合酸化物、イリジウム-ルテニウム-チタン混合酸化物、又はイリジウム-タンタル混合酸化物からなる混合酸化物陽極である。更なる情報は、Cobley,A.J.et al.(The use of insoluble Anodes in Acid Sulphate Copper Electrodeposition Solutions,Trans IMF,2001,79(3),pp.113 and 114)で見出すことができる。
実施形態に応じて、析出した銀コーティング及び銀合金コーティングは、最大数ミリメートル、好ましくは0.005~500μm、特に好ましくは0.01~25μm、非常に好ましくは0.5~10μmの厚さを有することができる。
例えば、銀が0.1~0.3μmの範囲の薄い層厚さは、典型的には、ラック操作でプラスチックキャップのコーティングに使用される。ここでは、0.25~0.75A/dm2の範囲の低電流密度が使用される。低電流密度の更なる適用は、ドラム又は振動技術で、例えばコンタクトピンをコーティングする際に使用される。ここでは、約0.5~3μmの銀が、0.25~0.75A/dm2の範囲の電流密度で塗布される。1~10μmの範囲の層厚さは、典型的には、主に装飾的用途のためにラック操作で、1~5A/dm2の範囲の電流密度を用いて析出される。技術的用途では、最大25μmの層厚さでも析出させることがある。連続システムでは、層厚さは、可能な限り高い析出率で、したがって可能な限り高い電流密度の5~30A/dmを用いて、比較的広い範囲の約0.5~約5μmにわたって析出される。加えて、例えば電鋳の場合、数十μm~最大数ミリメートルの比較的高い層厚さを析出させる特別な用途もある。
直流の代わりにパルス直流を使用することもできる。それにより、電流が一定時間中断される(パルスめっき)。逆パルスめっきでは、電極の極性が変わり、それによってコーティングの部分的な陽極ストリッピングが生じる。このようにして、陰極パルスとの連続交代で層の蓄積が制御される。単純なパルス条件、例えば、中電流密度で1秒間の電流(ton)及び0.5秒間のパルス休止(toff)を使用することにより、均質で光沢性の白色コーティングが得られた。
本明細書で典型的に使用される好適な基材材料は、純銅、黄銅、又は青銅などの銅系材料、鉄又はステンレス鋼などの鉄系材料、ニッケル、金、及び銀である。基材材料はまた、直流的に、又は別のコーティング技術でコーティングされた多層系であってもよい。これは、例えば、ニッケルめっき又は銅めっきされた後、任意に金めっき又は予備銀コーティングされた回路基板材料又は鉄材料に関する。別の基材材料は、銀導電性ワニスでプレコーティングされたワックスコアである(電鋳)。
本発明の目的において特例の銀電解質は、予備銀又は銀ストリッピング電解質である。これは、典型的には、少量の銀と多くの錯化剤とを含有する電解質を意味することを意図する。結果として、電荷交換によらず、むしろ電圧の印加によってのみ、銀を析出させることができる。電荷交換によって析出した層は接着が不十分であり、したがって、別の電解質を用いてより厚い銀層を塗布する前に、多くの場合に予備銀の薄層が析出される(実施例4参照)。
本発明による電解質は、長期安定性及び高い陽極溶解性を有する。この電解質から銀コーティング及び銀合金コーティングを電解析出させる本発明による方法は、非常に白いコーティングを生成し、その色は、L色空間の白色点に近い。白色点では、L=100であり、a及びbはゼロに等しい。5μmを超える高い層厚さであっても、コーティングは、高光沢、光輝性、及び非常に耐変色性であり、すなわち、その後の黄色変化は生じない。このようなコーティングは、これまでシアン系電解質によってのみ析出させることができた。本発明による電解質のおかげで、非常に広い電流密度範囲にわたって銀コーティング及び銀合金コーティングを析出させることができる。
例示的な実施形態:
下記の電解質1リットルを、磁気攪拌器を使用して、60mmの長円筒磁気撹拌棒で少なくとも200rpmで撹拌し、例示的な実施形態に記載する温度まで加熱する。この撹拌及び温度をコーティング中も維持する。
所望の温度に達した後、電解質のpHを、KOH溶液(c=0.5g/mL)及びメタンスルホン酸(c=70%)を用いて、例示的な実施形態に記載する値に調整する。
少なくとも99.9%の純度を有する2枚の純銀プレートは、陽極として機能する。これらの陽極はまた、織物、濾紙、又はNafionなどの半透膜で作製された袋で被覆されていてもよい。
使用される陰極は、少なくとも0.2dm2の表面積を有する機械研磨された黄銅シートであり、これは、高光沢層を生成する電解質から少なくとも5μmのニッケルで予めコーティングされたものである。また、ニッケル層上に、厚さ約0.1μmの金層が析出されていてもよい。
これらの陰極は、電解質に導入する前に、電解脱脂(5~7V)及び硫酸含有酸洗浄(c=5%硫酸)を用いて洗浄される。各洗浄工程の間、及び電解質への導入前に、陰極を脱イオン水ですすぐ。
陰極を電解質中の陽極間に配置し、最低5cm/秒でそれらに平行に移動させ、陽極と陰極との距離はこのプロセス中に変化してはならない。
電解質中で、陽極及び陰極間に直流電流を印加することにより、陰極がコーティングされる。電流強度は、表面上で少なくとも0.5A/dmが達成されるように選択される。適用例で言及した電解質が、技術的な装飾様式で使用することができる層を生成可能な場合、より高い電流密度を選択することができる。
電流の持続時間は、表面上で平均1.5μmの少なくとも1つの層厚さが達成されるように選択される。適用例で言及した電解質が、技術的な装飾様式で使用することができる品質でこれらを生成可能な場合、より高い層厚さを生じることができる。
コーティング後、陰極を電解質から取り出し、脱イオン水ですすぐ。コーティング後、通常の処理を、熱水、錯化剤溶液、酸洗浄で行ってもよく、又は例えばオクタデカンチオールに基づく、変色保護を用いた処理を行ってもよい。
陰極は、圧縮空気、熱風、又は遠心分離によって乾燥させてもよい。
陰極の表面積、印加電流の大きさ及び持続時間、並びにコーティング前後の陰極の重量を記録及び使用して、平均層厚さ及び析出の効率を決定する。
析出層の色を、CIELbに従ってL測定によって決定し、記録する。
本発明による試験及び比較試験を以下の表に示す。
pHの調整及び設定に使用される水酸化カリウム及びメタンスルホン酸は、表に明記されていない。pHを調整又は設定する方法は、当業者に既知である。本発明による電解質の製造では、最初に、表に記載する全ての成分の水溶液を調製し、次いで水酸化カリウム又はメタンスルホン酸を用いてpHを所望の値に調整することができる。あるいは、最初に水酸化カリウム溶液を投入し、次いでヒダントイン誘導体を添加し、その後、全ての他の成分を添加し、最後に水酸化カリウム又はメタンスルホン酸を用いてpHを所望の値に調整することもできる。銀層又は銀合金層の析出中に、水酸化カリウム又はメタンスルホン酸を用いてpHを調整してもよい。
Figure 0007405827000003
Figure 0007405827000004
Figure 0007405827000005
Figure 0007405827000006
観測結果1:
a ガラスビーカー(60mm撹拌棒、200rpm)、陰極移動
b ガラスビーカー(60mm撹拌棒、200rpm)、バレル
c 噴流めっき(400L/h)
d ハルセル(撹拌棒40mm、600rpm)
観測結果2:
a 銀陽極
b 白金めっきチタン
c 混合金属酸化物
観測結果3:
a 均質、白色、光沢性
b 均質、白色、艶消し
c 黄色味
観測結果4:
a 沈殿なし、数ヶ月間安定、一定品質のコーティング
b 沈殿なし、ただし一定品質のコーティングは不可能
c 短時間後に沈殿
ND 測定せず
Figure 0007405827000007
Figure 0007405827000008
Figure 0007405827000009
観測結果1:
a ガラスビーカー(60mm撹拌棒、200rpm)、陰極移動
b ガラスビーカー(60mm撹拌棒、200rpm)、バレル
c 噴流めっき(400L/h)
d ハルセル(撹拌棒40mm、600rpm)
観測結果2:
a 銀陽極
b 白金めっきチタン
c 混合金属酸化物
観測結果3:
a 均質、白色、光沢性
b 均質、白色、艶消し
c 黄色味
観測結果4:
a 沈殿なし、数ヶ月間安定、一定品質のコーティング
b 沈殿なし、ただし一定品質のコーティングは不可能
c 短時間後に沈殿
ND 測定せず
Figure 0007405827000010
Figure 0007405827000011
観測結果1:
a ガラスビーカー(60mm撹拌棒、200rpm)、陰極移動
b ガラスビーカー(60mm撹拌棒、200rpm)、バレル
c ガラスビーカー(60mm撹拌棒、400rpm)、陰極移動
d 噴流めっき(400L/h)
観測結果2:
a 銀陽極
b 白金めっきチタン
c 混合金属酸化物
観測結果3:
a 均質、白色、光沢性
b 均質、白色、艶消し
c 黄色味
観測結果4:
a 沈殿なし、数ヶ月間安定、一定品質のコーティング
b 沈殿なし、ただし一定品質のコーティングは不可能
c 短時間後に沈殿
ND 測定せず
Figure 0007405827000012
色値の決定
本発明による電解質から析出した銀層及び3つの比較例について、Lb色空間に従って色値を測定した。
試験条件:
容量:1リットル
磁気攪拌器:IKA RET CV
撹拌:200及び400rpm、3A/dmを超える電流密度では高い撹拌速度を使用した。
撹拌棒:60mm
陰極:陽極と平行に移動させた、5cm/秒
陰極表面:0.2dm、黄銅
陰極電流密度:0.5~3A/dm
層厚さ:1.5μm。
陽極:99.9%銀
温度:溶液の安定性に応じて40℃~65℃。比較例4は40℃で試験したが、これは、50℃(米国特許第5,601,696号の実施例5の元のパラメータ)では、理論上電気化学的に可能であるよりも多くの銀が析出したためである。これは、ガルバニック析出に加えて化学析出も生じていることを表し、後者は望ましくない。
pH:実施例に応じて9.5~10。
測定機器:Konica Minolta Spectrophotometer CM-700、SCI 10°/D65
値の決定
色空間において、L軸は色の明度を表し、0(黒色)~100(白色)の値を有する。
各場合において、厚さ1.5μmの層を0.5~3.0A/dmの電流密度で析出させた。
Figure 0007405827000013
図1は、L値の決定結果を示す。
値の決定
色空間において、a軸は色の緑色又は赤色部分を表し、負の値は緑色、正の値は赤色を示す。
各場合において、厚さ1.5μmの層を0.5~3.0A/dmの電流密度で析出させた。
Figure 0007405827000014
図2は、a値の決定結果を示す。
値の決定
色空間において、b軸は色の青色又は黄色部分を表し、負の値は青色、正の値は黄色を示す。
各場合において、厚さ1.5μmの層を0.5~3.0A/dmの電流密度で析出させた。
Figure 0007405827000015
図3は、b値の決定結果を示す。

Claims (9)

  1. 銀コーティングの電解析出のための水性非シアン系電解質であって、以下のa)及びc)からf):
    a)銀の濃度が0.1~150g/Lの少なくとも1種の銀化合物
    )少なくとも1種の式(I)の化合物であって、
    式中、
    R1、R2、R3、及びR4は、独立して、水素、1~5個の炭素原子を有する直鎖又は分枝鎖アルキル基、1~5個の炭素原子を有するアルコキシ基、1~5個の炭素原子を有するヒドロキシアルキル基、又はアリール基を表し、
    かつ、
    前記少なくとも1種の式(I)の化合物が10~100g/Lの濃度で存在する、少なくとも1種の式(I)の化合物、
    d)少なくとも1種の光沢剤担体であって、
    i.濃度が0.01~5mol/Lの、少なくとも1種のアミノ酸から選択される、少なくとも1種の光沢剤担体、
    )スルホンアミドから選択され、濃度が0.005~25g/Lであ、少なくとも1種の光沢剤、
    f)濃度が1~200g/Lの、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及びこれらの混合物から選択される、アルカリ金属水酸化物、
    の成分を溶解形態で含み
    g)前記電解質が7以上のpHを有し、
    前記スルホンアミドが、構造要素としてR -SO -NR を有し、
    式中、R 、R 、及びR が、互いに独立して、(C ~C 10 )アルキル、(C ~C 10 )シクロアルキル、(C ~C 10 )アリール、(C ~C 10 )ヘテロアリール、(C ~C 10 )ヘテロシクロアルキルであることを特徴とする、電解質。
  2. 前記銀化合物が、メタンスルホン酸銀、炭酸銀、リン酸銀、ピロリン酸銀、硝酸銀、酸化銀、乳酸銀、フッ化銀、臭化銀、塩化銀、ヨウ化銀、及び硫酸銀から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の電解質。
  3. 前記少なくとも1種の式(I)の化合物が、1-メチルヒダントイン、1,3-ジメチルヒダントイン、5,5-ジメチルヒダントイン、1-ヒドロキシメチル-5,5-ジメチルヒダントイン、5,5’-ジエチルヒダントイン、及び5,5-ジフェニルヒダントイン、並びにこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の電解質。
  4. 前記少なくとも1種のアミノ酸が、グリシン、アラニン、プロリン、及びサルコシン、並びにこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の電解質。
  5. 請求項1~のいずれか一項に記載の電解質から銀コーティングを電解析出させる方法であって、
    前記電解質に導電性基材を浸漬し、前記電解質に接触している陽極と、陰極としての前記基材との間で、電流の流れが確立されることを特徴とする、方法。
  6. 前記電解質の温度が20℃~90℃であることを特徴とする、請求項に記載の方法。
  7. 電解中の電流密度が0.2~100A/dmであることを特徴とする、請求項5または6に記載の方法。
  8. 前記電解中にpHが9~11の範囲に連続的に調整されることを特徴とする、請求項5~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 陽極として可溶性銀陽極及び/又は不溶性陽極が使用されることを特徴とする、請求項5~8のいずれか一項に記載の方法。
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