JP7400727B2 - 細胞外マトリックス分解酵素阻害剤 - Google Patents

細胞外マトリックス分解酵素阻害剤 Download PDF

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Description

本発明は、亜鉛塩及びアミノ酸又はその誘導体を含有する細胞外マトリックス分解酵素阻害剤等に関する。
皮膚にみられるしわは、その形状により一般的に小じわ(浅いしわ)と大じわ(深いしわ)に大別される。前者は表皮性のしわと呼ばれ、表皮の乾燥に由来する一過性のものとされている。一方後者は真皮性のしわと呼ばれ、皮膚深部の構造体が加齢や光老化により量的・質的に変化することにより形成される。一般的に真皮性のしわは浅い小じわよりも目立ちやすく、見た目の老けた印象や疲れた印象に与える影響が大きい。したがって、真皮性のしわを予防・改善することは、高齢生活者のクオリティ・オブ・ライフ(QOL)向上を考える上で重要な課題である。
真皮性のしわに関わる構造体には、細胞外マトリクス(ECM)と基底膜があり、ECMは加齢と共に減少し、光老化皮膚ではさらに著しく減少することが知られている。主要なECMとして、コラーゲンやエラスチン等があげられ、これらが分解・変性することで真皮性のしわ形成が誘導されると考えてられている。このECMの分解に関与する酵素としてエラスターゼやコラゲナーゼなどが知られており、皮膚には少なくとも好中球エラスターゼ(NE)、真皮繊維芽細胞エラスターゼ、コラゲナーゼ(MMP-1)などが存在する。近年では、これら酵素の活性を低下させるエラスターゼ阻害剤を有効成分として配合したしわの予防及び/又は改善用の化粧料が開示されている(特許文献1)。
特許文献2によれば、NEの働きを阻害する成分として三フッ化イソプロピルオキソプロピルアミノカルボニルベンゾイルアミノ酢酸ナトリウムが知られているが、これは水中で不活性化されるために、使用感が良く安定な製剤を得ることが難しく、様々な化粧品製剤への汎用性は乏しい。
また、別のNEの働きを阻害する成分としてルチンが知られているが、ルチンの分子量は600以上であり、化粧品に配合してもほとんど経皮吸収されない。
特許文献3によれば、ピロリドンカルボン酸亜鉛塩は、ECMの主成分のひとつであるコラーゲンの合成促進に効果があることが知られている。
しかしながら、これらの技術では、化粧品製剤に容易に用いることができる効果が十分な細胞外マトリックス分解酵素阻害剤は得られていない。
特開2009-191043号公報 WO1999-043352 特許第5423002号公報
本発明の課題は、化粧料に容易に用いることができ且つ優れた細胞外マトリックス分解酵素阻害作用を有する組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意研究した結果、亜鉛塩、及びアミノ酸若しくはアミノ酸誘導体又はそれらの塩(ただし亜鉛塩を除く)を所定の割合で含有する組成物に優れた細胞外マトリックス分解酵素阻害作用が存在することを見出し、本発明を完成させた。
[1-1] (A)亜鉛塩、及び(B)アミノ酸若しくはアミノ酸誘導体又はそれらの塩(ただし亜鉛塩を除く)を含有し、(A)成分の(B)成分に対するモル比が、0.45以上100以下であることを特徴とする細胞外マトリックス分解酵素阻害剤。
[1-2] (A)亜鉛塩(ただし(B)成分と同種のアミノ酸若しくはアミノ酸誘導体の亜鉛塩を除く)、及び(B)アミノ酸若しくはアミノ酸誘導体又はそれらの塩(ただし亜鉛塩を除く)を含有し、(A)成分の(B)成分に対するモル比が、0.45以上100以下であることを特徴とする細胞外マトリックス分解酵素阻害剤。
[2] (A)成分が、カルボン酸亜鉛、スルホン酸亜鉛、ハロゲン化亜鉛、硫酸亜鉛および酸化亜鉛からなる群から選ばれることを特徴とする上記[1-1]又は[1-2]に記載の細胞外マトリックス分解酵素阻害剤。
[3] (A)成分が、カルボン酸亜鉛であることを特徴とする上記[2]に記載の細胞外マトリックス分解酵素阻害剤。
[4] (A)成分が、ピロリドンカルボン酸亜鉛であることを特徴とする上記[3]に記載の細胞外マトリックス分解酵素阻害剤。
[5] (A)成分の含有量が、0.001質量%以上15質量%以下であることを特徴とする上記[1-1]~[4]の何れかに記載の細胞外マトリックス分解酵素阻害剤。
[6] アミノ酸誘導体が、N-アシルアミノ酸及びN-ピリドキシルアミノ酸からなる群から選ばれることを特徴とする上記[1-1]~[5]の何れかに記載の細胞外マトリックス分解酵素阻害剤。
[7] (B)成分が、トリプトファン、チロシン、N-チロシルチロシン、N-デカノイルプロリン及びN-ピリドキシルセリン並びにそれらの塩からなる群から選ばれることを特徴とする上記[6]に記載の細胞外マトリックス分解酵素阻害剤。
[8] (A)成分の(B)成分に対するモル比が、0.6以上であることを特徴とする上記[1-1]~[7]の何れかに記載の細胞外マトリックス分解酵素阻害剤。
[9] (A)成分の(B)成分に対するモル比が、10以下であることを特徴とする上記[1-1]~[8]の何れかに記載の細胞外マトリックス分解酵素阻害剤。
[10] 細胞外マトリックス分解酵素が、好中球エラスターゼであることを特徴とする上記[1-1]~[9]の何れかに記載の細胞外マトリックス分解酵素阻害剤。
[11-1] (A)亜鉛塩、及び(B)アミノ酸若しくはアミノ酸誘導体又はそれらの塩(ただし亜鉛塩を除く)を含有し、(A)成分の(B)成分に対するモル比が、0.45以上100以下であることを特徴とする外用化粧料。
[11-2] (A)亜鉛塩(ただし(B)成分と同種のアミノ酸若しくはアミノ酸誘導体の亜鉛塩を除く)、及び(B)アミノ酸若しくはアミノ酸誘導体又はそれらの塩(ただし亜鉛塩を除く)を含有し、(A)成分の(B)成分に対するモル比が、0.45以上100以下であることを特徴とする外用化粧料。
[12-1] (A)亜鉛塩、及び(B)アミノ酸若しくはアミノ酸誘導体又はそれらの塩(ただし亜鉛塩を除く)を含有し、(A)成分の(B)成分に対するモル比が、0.45以上100以下であることを特徴とする皮膚老化の予防及び/又は改善のための組成物。
[12-2] (A)亜鉛塩(ただし(B)成分と同種のアミノ酸若しくはアミノ酸誘導体の亜鉛塩を除く)、及び(B)アミノ酸若しくはアミノ酸誘導体又はそれらの塩(ただし亜鉛塩を除く)を含有し、(A)成分の(B)成分に対するモル比が、0.45以上100以下であることを特徴とする皮膚老化の予防及び/又は改善のための組成物。
[13] 皮膚老化が、細胞外マトリックスの分解に起因する皮膚老化であることを特徴とする上記[12-1]又は[12-2]に記載の組成物。
[14] 皮膚老化が、真皮性のシワの形成、真皮性のたるみの発生、及び肌の弾力性の低下から選ばれることを特徴とする上記[12-1]~[13]の何れかに記載の組成物。
本発明によれば、化粧料に容易に用いることができ且つ優れた細胞外マトリックス分解酵素阻害作用を有する組成物を得ることができる。
図1は、実施例9及び比較例6の美容ジェルを使用した場合のシワグレードの変化量を示すグラフである。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。ただし、本発明は、下記実施形態及び例示物に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲及びその均等の範囲を逸脱しない範囲において任意に変更して実施され得る。
一実施形態において、本発明は、(A)亜鉛塩、及び(B)アミノ酸若しくはアミノ酸誘導体又はそれらの塩(ただし亜鉛塩を除く)を含有し、(A)成分の(B)成分に対するモル比が、0.45以上100以下であることを特徴とする細胞外マトリックス分解酵素阻害剤を提供する。
本発明の細胞外マトリックス分解酵素阻害剤は、化粧料に容易に用いることができ且つ優れた細胞外マトリックス分解酵素阻害効果を有する。
したがって、一実施形態において、本発明は、(A)亜鉛塩、及び(B)アミノ酸若しくはアミノ酸誘導体又はそれらの塩(ただし亜鉛塩を除く)を含有し、(A)成分の(B)成分に対するモル比が、0.45以上100以下であることを特徴とする外用化粧料を提供する。
また、細胞外マトリックス分解酵素阻害剤は、細胞外マトリックス分解酵素阻害作用に優れていることから、細胞外マトリックスの分解に起因する皮膚老化、例えば、真皮性のシワの形成、真皮性のたるみの発生、肌の弾力性の低下等の予防及び/又は改善に有用である。
したがって、一実施形態において、本発明は、(A)亜鉛塩、及び(B)アミノ酸若しくはアミノ酸誘導体又はそれらの塩(ただし亜鉛塩を除く)を含有し、(A)成分の(B)成分に対するモル比が、0.45以上100以下であることを特徴とする細胞外マトリックスの分解に起因する皮膚老化、例えば、真皮性のシワの形成、真皮性のたるみの発生、肌の弾力性の低下等の予防及び/又は改善のための組成物を提供する。
以下、本発明の細胞外マトリックス分解酵素阻害剤、外用化粧料及び組成物に含まれる成分について説明する。
((A)亜鉛塩)
本発明の細胞外マトリックス分解酵素阻害剤、外用化粧料及び組成物は、(A)亜鉛塩を含有する。
本発明における亜鉛塩としては、例えば、カルボン酸亜鉛、スルホン酸亜鉛、ハロゲン化亜鉛、硫酸亜鉛、酸化亜鉛等が挙げられる。亜鉛塩は、1種単独で使用してもよく或いは2種以上を組み合わせたものを使用してもよい。
カルボン酸亜鉛は、例えば、1~20個の炭素原子を有するカルボン酸の亜鉛塩であり、具体的には、ギ酸亜鉛、酢酸亜鉛、プロピオン酸亜鉛、酪酸亜鉛、吉草酸亜鉛、カプロン酸亜鉛(ヘキサン酸亜鉛)、エナント酸亜鉛、カプリル酸亜鉛、ペラルゴン酸亜鉛、カプリン酸亜鉛(デカン酸亜鉛)、ラウリン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、アラキジン酸亜鉛、α-リノレン酸亜鉛、リノール酸亜鉛、パルミトレイン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、トリメチル酢酸亜鉛、シクロペンタンプロピオン酸亜鉛等の脂肪酸の亜鉛塩;安息香酸亜鉛、桂皮酸亜鉛、3-フェニルプロピオン酸亜鉛、サリチル酸亜鉛等の芳香族カルボン酸の亜鉛塩;シュウ酸亜鉛、マロン酸亜鉛、コハク酸亜鉛、グルタル酸亜鉛、アジピン酸亜鉛、マレイン酸亜鉛、フマル酸亜鉛等の脂肪族ジカルボン酸の亜鉛塩;フタル酸亜鉛、イソフタル酸亜鉛等の芳香族ジカルボン酸の亜鉛塩;乳酸亜鉛、グリコール酸亜鉛、タルトロン酸亜鉛、グリセリン酸亜鉛、酒石酸亜鉛、リンゴ酸亜鉛、クエン酸亜鉛、イソクエン酸亜鉛、グルコン酸亜鉛等の脂肪族ヒドロキシ酸の亜鉛塩;マンデル酸亜鉛、ベンジル酸亜鉛、サリチル酸亜鉛、没食子酸亜鉛、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸亜鉛、パモ酸亜鉛等の芳香族ヒドロキシ酸の亜鉛塩;ピルビン酸亜鉛、レブリン酸亜鉛等のオキソカルボン酸の亜鉛塩;ピログルタミン酸亜鉛(ピロリドンカルボン酸亜鉛)、4-ヒドロキシピログルタミン酸亜鉛、6-オキソピペリジン-2-カルボン酸亜鉛等のラクタムカルボン酸の亜鉛塩;アスパラギン酸亜鉛、グルタミン酸亜鉛、ホモグルタミン酸亜鉛等のアミノ酸の亜鉛塩;N-アセチルプロリン亜鉛、N-プロパノイルプロリン亜鉛、N-ドデカノイルプロリン亜鉛、N-アセチルグリシン亜鉛、N-ラウロイルグリシン亜鉛、N-ミリストイルアラニン亜鉛等のN-アシルアミノ酸の亜鉛塩等が挙げられる。なお、ラクタムカルボン酸とは、カルボキシ基を有するラクタム化合物をいう。
スルホン酸亜鉛としては、例えば、1~20個の炭素原子を有するスルホン酸の亜鉛塩であり、具体的には、メタンスルホン酸亜鉛、エタンスルホン酸亜鉛、10-カンファースルホン酸亜鉛等の脂肪族スルホン酸の亜鉛塩;ベンゼンスルホン酸亜鉛、4-トルエンスルホン酸亜鉛、4-クロロベンゼンスルホン酸亜鉛、2-ナフタレンスルホン酸亜鉛等の芳香族スルホン酸の亜鉛塩;2-ヒドロキシエタンスルホン酸亜鉛等の脂肪族ヒドロキシスルホン酸の亜鉛塩;4-ヒドロキシベンゼンスルホン酸亜鉛(スルホ石炭酸亜鉛)、2-ヒドロキシベンゼンスルホン酸亜鉛、8-ヒドロキシ-1-ナフタレンスルホン酸亜鉛等の芳香族ヒドロキシスルホン酸の亜鉛塩;1,2-エタンジスルホン酸亜鉛等の脂肪族ジスルホン酸の亜鉛塩;1,5-ナフタレンジスルホン酸亜鉛等の芳香族ジスルホン酸の亜鉛塩等が挙げられる。
ハロゲン化亜鉛としては、例えば、塩化亜鉛、臭化亜鉛等が挙げられる。
本発明において、亜鉛塩は、カルボン酸亜鉛が好ましく、ラクタムカルボン酸の亜鉛塩がより好ましく、ピログルタミン酸亜鉛(ピロリドンカルボン酸亜鉛)が特に好ましい。ピログルタミン酸亜鉛(ピロリドンカルボン酸亜鉛)は、L体、D体のいずれであってもよいし、L体とD体との混合物であってもよい。
細胞外マトリックス分解酵素阻害剤、外用化粧料又は組成物中の(A)亜鉛塩の含有量は、0.001質量%以上であることが好ましく、0.005質量%以上であることがより好ましく、0.01質量%以上であることがさらに好ましく、0.02質量%以上であることが特に好ましい。含有量の上限は、特に限定されないが、例えば、15質量%以下又は10質量%以下であり得る。
細胞外マトリックス分解酵素阻害剤、外用化粧料又は組成物中の(A)亜鉛塩の下記で説明する(B)成分に対するモル比((A)成分/(B)成分)は、好ましくは0.45以上、より好ましくは0.46以上、さらに好ましくは0.48以上、なお一層好ましくは0.5以上、特に好ましくは0.55以上、0.6以上、0.7以上、0.8以上、又は0.9以上である。モル比の上限は、好ましくは100以下、より好ましくは50以下、さらに好ましくは10以下、なお一層好ましくは5以下、特に好ましくは3以下である。
((B)アミノ酸又はその誘導体)
本発明の細胞外マトリックス分解酵素阻害剤、外用化粧料及び組成物は、(B)アミノ酸若しくはアミノ酸誘導体又はそれらの塩(ただし亜鉛塩を除く)を含有する。(B)成分における塩には、(A)亜鉛塩に該当するものは含まれない。(A)亜鉛塩が、アミノ酸若しくはアミノ酸誘導体の亜鉛塩である場合、(B)成分におけるアミノ酸若しくはアミノ酸誘導体は、(A)成分におけるアミノ酸若しくはアミノ酸誘導体と異なるアミノ酸若しくはアミノ酸誘導体であることが好ましい。
本明細書において、アミノ酸とは、1分子中にアミノ基とカルボキシル基の両方を有する有機化合物を意味する。アミノ酸には、タンパク質を構成するアミノ酸のみならず、タンパク質を構成しないアミノ酸も含まれる。アミノ酸は、1種単独であってもよく或いは2種以上を組み合わせたものであってもよい。アミノ酸には、α-アミノ酸だけでなく、β-アミノ酸、γ-アミノ酸、δ-アミノ酸等も含まれる。α-アミノ酸としては、例えば、グリシン、アラニン、α-アミノ酪酸、ロイシン、イソロイシン、バリン、フェニルアラニン、トリプトファン、チロシン、メチオニン、システイン、スレオニン、セリン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン、グルタミン、トリプトファン等の中性α-アミノ酸;アルパラギン酸、グルタミン酸等の酸性α-アミノ酸;リジン、アルギニン、オルニチン、ヒスチジン、ヒドロキシリジン等の塩基性α-アミノ酸等が挙げられる。α-アミノ酸は、L体、D体のいずれであってもよいし、L体とD体との混合物であってもよい。β-アミノ酸としては、例えば、β-アラニン、β-アミノ酪酸等が挙げられる。γ-アミノ酸としては、例えば、γ-アミノ酪酸等が挙げられる。δ-アミノ酸としては、例えば、5-アミノ吉草酸等が挙げられる。
本明細書において、アミノ酸誘導体としては、例えば、アミノ基及び/又はカルボキシ基が置換基で置換されたアミノ酸が挙げられ、好ましくは、アミノ基が置換基でモノ又はジ置換されたアミノ酸である。アミノ基の置換基としては、例えば、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルケニル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換の複素環基、置換又は無置換のアシル基等が挙げられる。カルボキシ基の置換基としては、例えば、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルケニル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換の複素環基等が挙げられる。
本明細書において「置換又は無置換のアルキル基」とは、例えば、ハロゲン原子(例えば塩素原子)、置換又は無置換のヒドロキシ基、置換又は無置換のアミノ基、置換又は無置換のスルファニル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換の複素環基等の置換基で置換されていてもよい飽和脂肪族炭化水素基をいう。アルキル基の炭素原子数は、好ましくは1~20であり、より好ましくは1~14である。具体的に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1-エチルプロピル、ヘキシル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘプチル、イソヘプチル、ネオヘプチル、オクチル、イソオクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル等の無置換アルキル基;2-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピル等のヒドロキシ置換アルキル基、2-クロロエチル、3-クロロプロピル等のハロゲン置換アルキル;ベンジル等のアリール置換アルキル基;ピリドキシル(5-(ヒドロキシメチル)-3-ヒドロキシ-2-メチルピリジン-4-イルメチル)等の複素環基置換アルキル等が挙げられる。
本明細書において「置換又は無置換のアルケニル基」とは、例えば、ハロゲン原子、置換又は無置換のヒドロキシ基、置換又は無置換のアミノ基、置換又は無置換のスルファニル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換の複素環基等の置換基で置換されていてもよく且つ少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有する不飽和脂肪族炭化水素基をいう。アルケニル基の炭素原子数は、好ましくは2~20であり、より好ましくは2~14である。具体的に、ビニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ペンチル、ヘキセニル、ヘプテニル、ヘプタジエニル、ヘプタトリエニル、オクテニル、オクタジエニル、オクタトリエニル、ノネニル、ノナジエニル、ノナトリエニル、デセニル、デカジエニル、デカトリエニル、ウンデセニル、ウンデカジエニル、ウンデカトリエニル、ドデセニル、ドデカジエニル、ドデカトリエニル、トリデセニル、トリデカジエニル、トリデカトリエニル、テトラデセニル、テトラデカジエニル、テトラデカトリエニル、ペンタデセニル、ペンタデカジエニル、ペンタデカトリエニル、ヘキサデセニル、ヘキサデカジエニル、ヘキサデカトリエニル、ヘプタデセニル、ヘプタデカジエニル、ヘプタデカトリエニル、オクタデセニル、オクタデカジエニル、オクタデカトリエニル、ノナデセニル、イコセニル等の無置換アルケニル基;2-クロロ-1-プロペニル等のハロゲン置換アルケニル基等が挙げられる。
本明細書において「置換又は無置換のアシル基」とは、例えばハロゲン原子、置換又は無置換のヒドロキシ基、置換又は無置換のアミノ基、置換又は無置換のスルファニル基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換の複素環基等の置換基で置換されていてもよく且つ飽和又は不飽和炭化水素基が結合したカルボニル基をいう。アシル基の炭素原子数は、好ましくは2~20であり、より好ましくは2~14である。具体的に、アセチル、プロパノイル、2-メチルプロパノイル、2,2-ジメチルプロパノイル、ブタノイル、3-メチルブタノイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル(エナンチル)、オクタノイル(カプリロイル)、ノナノイル(ペラルゴニル)、デカノイル(カプリノイル)、ウンデカノイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、エイコサノイル等の無置換アルキルカルボニル基;2-ヒドロキシアセチル、3-ヒドロキシプロパノイル等のヒドロキシ置換アルキルカルボニル基;2-クロロアセチル、3-クロロプロパノイル等のハロゲン置換アルキルカルボニル基;アクリロイル、クロトノイル、イソクロトノイル、メタクリロイル、チグロイル、アンゲロイル、セネシオイル、オレオイル、リノレイル、リノレニル等の無置換アルケニルカルボニル基;ベンゾイル、ナフトイル等の無置換アリールカルボニル基;グリシル、アルギニル、アスパラギニル、アスパルチル、システイニル、グルタミニル、グルタミル、グリシル、ヒスチジル、イソロイシル、ロイシル、リジル、メチオニル、フェニルアラニル、プロリル、セリル、トレオニル、トリプトフィル、チロシル、バリル等のアミノアシル基等が挙げられる。
本明細書において「置換又は無置換のアリール基」とは、例えば、ハロゲン原子、置換又は無置換のヒドロキシ基、置換又は無置換のアミノ基、置換又は無置換のスルファニル基、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルケニル基、置換又は無置換の複素環基等の置換基で置換されていてもよい芳香族炭化水素基をいう。アリール基の炭素原子数は、好ましくは6~14である。具体的に、フェニル、ナフチル等が挙げられる。
本明細書において「置換又は無置換の複素環基」とは、例えば、ハロゲン原子、置換又は無置換のヒドロキシ基、置換又は無置換のアミノ基、置換又は無置換のスルファニル基、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルケニル基、置換又は無置換のアリール基等の置換基で置換されていてもよく且つ炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子等のヘテロ原子を1ないし4個含む単環、二環又は三環の環状基をいう。具体的に、ピロリル、フラニル、チオフェネイル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、及びピラジニル等の単環式芳香族複素環基;ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェネイル、ベンゾチオフェネイル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ピロロピリジニル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、プリニル、インドリジニル、イミダゾピリジニル、ピラゾロピリジニル、ピロロピリダジニル、イミダゾピリミジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、ピリドピリミジニル、ピリドピラジニル、ピリミドピリミジニル、ピラジノピラジニル等の二環式芳香族複素環基;アジリジニル、オキシラニル、チイラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロフラニル、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル等の単環式非芳香族複素環基;ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾイミダゾリル、ジヒドロベンゾオキサゾリル、ジヒドロベンゾチアゾリル、ジヒドロベンゾイソチアゾリル等の二環式芳香族複素環基等が挙げられる。
本明細書において「置換又は無置換のヒドロキシ基」、「置換又は無置換のアミノ基」、及び「置換又は無置換のスルファニル基」における置換基は、例えば、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルケニル基等が挙げられる。
アミノ酸誘導体は、好ましくは、アミノ基が置換又は無置換のアシル基でモノ置換されたアミノ酸(すなわち、N-アシルアミノ酸)又はアミノ基が置換又は無置換のアルキル基でモノ置換されたアミノ酸(すなわち、N-アルキルアミノ酸)であり;より好ましくは、N-アシルアミノ酸、又はアミノ基がピリドキシル基でモノ置換されたアミノ酸(すなわち、N-ピリドキシルアミノ酸)であり;さらに好ましくは、アミノ基がアミノアシル基でモノ置換されたアミノ酸(すなわち、ジペプチド)、アミノ基が無置換アルキルカルボニル基でモノ置換されたアミノ酸(すなわち、N-無置換アルキルカルボニルアミノ酸)、又はN-ピリドキシルアミノ酸である。
ジペプチドとしては、例えば、N-アラニルチロシン、N-アルギニルチロシン、N-アスパラギニルチロシン、N-アスパルチルチロシン、N-システイニルチロシン、N-グルタミニルチロシン、N-グルタミルチロシン、N-グリシルチロシン、N-ヒスチジルチロシン、N-イソロイシルチロシン、N-ロイシルチロシン、N-リジルチロシン、N-メチオニルチロシン、N-フェニルアラニルチロシン、N-プロリルチロシン、N-セリルチロシン、N-トレオニルチロシン、N-トリプトフィルチロシン、N-チロシルチロシン、N-バリルチロシン等のC-末端がチロシンのジペプチド;N-チロシルアラニン、N-チロシルアルギニン、N-チロシルアスパラギン、N-チロシルアスパラギン酸、N-チロシルシステイン、N-チロシルグルタミン、N-チロシルグルタミン酸、N-チロシルグリシン、N-チロシルヒスチジン、N-チロシルイソロイシン、N-チロシルロイシン、Nα-チロシルリジン、N-チロシルメチオニン、N-チロシルフェニルアラニン、N-チロシルプロリン、N-チロシルセリン、N-チロシルトレオニン、N-チロシルトリプトファン、N-チロシルチロシン、N-チロシルバリン等のN-末端がチロシンのジペプチド等が挙げられ、好ましくは、N-チロシルチロシン(Tyr-Tyr)である。
N-無置換アルキルカルボニルアミノ酸としては、例えば、N-ヘキサノイルアミノ酸、N-ヘプタノイルアミノ酸、N-オクタノイルアミノ酸、N-ノナノイルアミノ酸、N-デカノイルアミノ酸、N-ウンデカノイルアミノ酸、N-ドデカノイルアミノ酸、N-トリデカノイルアミノ酸、N-テトラデカノイルアミノ酸等が挙げられ、好ましくは、N-デカノイルアミノ酸である。N-デカノイルアミノ酸としては、具体的に、N-デカノイルアラニン、N-デカノイルアルギニン、N-デカノイルアスパラギン、N-デカノイルアスパラギン酸、N-デカノイルシステイン、N-デカノイルグルタミン、N-デカノイルグルタミン酸、N-デカノイルグリシン、N-デカノイルヒスチジン、N-デカノイルイソロイシン、N-デカノイルロイシン、Nα-デカノイルリジン、N-デカノイルメチオニン、N-デカノイルフェニルアラニン、N-デカノイルプロリン、N-デカノイルセリン、N-デカノイルトレオニン、N-デカノイルトリプトファン、N-デカノイルチロシン、N-デカノイルバリン等が挙げられ、好ましくは、N-デカノイルプロリンである。
N-ピリドキシルアミノ酸としては、例えば、N-ピリドキシルアラニン、N-ピリドキシルアルギニン、N-ピリドキシルアスパラギン、N-ピリドキシルアスパラギン酸、N-ピリドキシルシステイン、N-ピリドキシルグルタミン、N-ピリドキシルグルタミン酸、N-ピリドキシルグリシン、N-ピリドキシルヒスチジン、N-ピリドキシルイソロイシン、N-ピリドキシルロイシン、Nα-ピリドキシルリジン、N-ピリドキシルメチオニン、N-ピリドキシルフェニルアラニン、N-ピリドキシルプロリン、N-ピリドキシルセリン、N-ピリドキシルトレオニン、N-ピリドキシルトリプトファン、N-ピリドキシルチロシン、N-ピリドキシルバリン等が挙げられ、好ましくは、N-ピリドキシルセリンである。
(B)アミノ酸又はアミノ酸誘導体の塩は、香粧学的及び/又は薬学的に許容される塩であればよく、例えば、カルボキシル基等の酸性基に対しては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属との塩;アンモニウム塩;アルミニウム塩;トリエチルアミン、エタノールアミン、モルホリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ジシクロヘキシルアミン等の有機アミンとの塩;アルギニン、リジン等の塩基性アミノ酸との塩等が挙げられ、アミノ基等の塩基性基に対しては、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、臭化水素酸等の無機酸との塩;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸、酪酸、パモ酸、エナント酸、デカン酸、サリチル酸、乳酸、シュウ酸、マンデル酸、リンゴ酸等の有機カルボン酸との塩;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸との塩等が挙げられる。
細胞外マトリックス分解酵素阻害剤、外用化粧料又は組成物中の(B)アミノ酸若しくはアミノ酸誘導体又はそれらの塩(ただし亜鉛塩を除く)の含有量は、0.0001質量%以上であることが好ましく、0.001質量%以上であることがより好ましく、0.005質量%以上であることがさらに好ましく、0.01質量%以上であることがなお一層好ましく、0.02質量%以上であることが特に好ましい。含有量の上限は、特に限定されないが、例えば、15質量%以下又は10質量%以下であり得る。
本発明の細胞外マトリックス分解酵素阻害剤及び組成物は、(A)成分及び(B)成分に加えてさらに他の成分を含んでいてもよい。本発明のエラスターゼ阻害剤及び組成物は、外皮に適用される外用組成物であることが好ましく、例えば、化粧料、医薬部外品等として有用である。外用組成物の形態としては、外皮に適用可能な限り限定されるものではなく、例えば、水溶液系、乳化系、粉末系、油液系、ゲル系、軟膏系、エアゾール系、水-油2層系等の幅広い剤型が挙げられる。
(外用化粧料)
本発明の外用化粧料は、(A)亜鉛塩、及び(B)アミノ酸若しくはアミノ酸誘導体又はそれらの塩(ただし亜鉛塩を除く)を、(A)成分の(B)成分に対するモル比が0.45以上100以下となる割合で含有する。したがって、本発明の外用化粧料は、細胞外マトリックス分解酵素阻害作用に優れていることから、細胞外マトリックスの分解に起因する皮膚老化、例えば、真皮性のシワの形成、真皮性のたるみの発生、肌の弾力性の低下等の予防及び/又は改善に有用である。
外用化粧料の形態としては、肌に直接接触させることができる形態であればよく、例えば、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、乳液、溶液、懸濁液、油液等の形態が挙げられる。また、粉末、パック、マスク等の形態であってもよい。
外用化粧料の種類としては、肌に直接接触する外用化粧料が好ましく、例えば、化粧水(顔用、毛髪用等を含む)、美容液、化粧クリーム、美容ジェル、化粧乳液、洗顔料、化粧石鹸、アイクリーム、アイシャドウ、アイライナー、化粧下地、BBクリーム、CCクリーム、パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、クリームファンデーション、ほお紅、マスカラ、眉墨、口紅、リップクリーム、保湿クリーム、おしろい、顔用パック、シャンプー、リンス、液体ボディソープ、固形ボディソープ、液体ハンドソープ、固形ハンドソープ、ハンドクリーム、ボディークリーム、染毛料、ベビーオイル、ひげそり用クリーム、ひげそり用ローション、ひげそり用ジェル、コンシーラー、浴用化粧料、日焼けオイル、日焼け止めオイル、日焼けローション、日焼け止めローション、日焼けクリーム、日焼け止めクリーム、マッサージ用クリーム、マッサージ用ローション、軟膏等を挙げることができる。
外用化粧料の使用方法としては、例えば、手やコットン、パフ等を使用する方法、不織布等に塗布して使用する方法、スプレー容器から噴霧する方法等が挙げられる。
外用化粧料には、香粧学的に許容される任意の成分を必要に応じて含有させてもよい。このような任意の成分としては、例えば、水、低級アルコール、界面活性剤、香料、色素、防腐剤、酸化防止剤、乳化剤、油性成分、増粘剤、金属封鎖剤、殺菌剤、防臭剤、pH調整剤、細胞賦活剤、保湿剤、血行促進剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、ビタミン類、植物エキス、皮膚収斂剤、抗炎症剤、美白剤、糖類、抗脂漏剤、安定化剤、抗酸化成分、多価アルコール等の公知の各種成分、特に外用化粧料に用いられる公知の成分が例示される。これらは1種単独で使用してもよく2種以上を組み合わせて使用してもよい。それぞれの成分の配合量は当業者であれば適宜設定することができる。
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等が挙げられる。界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート等のソルビタン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸類;モノステアリン酸ポリグリセリルポリグリセリン脂肪酸類;モノステアリン酸プロピレングリコールのようなプロピレングリコール脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の硬化ヒマシ油誘導体類;モノラウリル酸ポリオキシエチレンソルビタン等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノヤシ油脂肪酸グリセリル;グリセリンアルキルエーテル;アルキルグルコシド;ポリオキシエチレンセチルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ステアリルアミン、オレイルアミン等のアミン類;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体等のシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。
香料としては、例えば、リモネン、オレンジフレーバー、ライチフレーバー、レモンフレーバー、ライムフレーバー、ストロベリーフレーバー、パイナップルフレーバー、ミントフレーバー、グレープフルーツフレーバー等が挙げられる。色素としては、例えば、コチニールレッドA、パテントブルー、クロロフィリン等が挙げられる。防腐剤としては、例えば、フェノキシエタノール、パラベン、ソルビン酸、イソプロピルメチルフェノール、塩化ベンザルコニウム、安息香酸、デヒドロ酢酸、ヘキサンジオール、ペンタンジオール、硫酸クロルヘキシジン、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-アルギニンエチル・DL-ピロリドンカルボン酸塩等が挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、α-トコフェロール、亜硫酸ナトリウム等が挙げられる。乳化剤としては、例えば、ステアリン酸ポリオキシル、セスキオレイン酸ソルビタン、ポリソルベート、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウロマクロゴール、アラビアゴム、コレステロール、ステアリン酸、モノステアリン酸グリセリン、ポピドン等が挙げられる。
油性成分としては、例えば、大豆油、とうもろこし油、綿実油、なたね油、ごま油、シソ油等の動植物油脂類及びそれらの加工油脂類;ミリスチン酸、パルミチン酸、イソパルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の脂肪酸類及びそれらのエステル類;軽質流動パラフィン、重質流動パラフィン等のパラフィン類;ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール、ステアリルアルコール等の高級アルコール;ホホバ油、ライスワックス、プロポリス等のワックス類等が挙げられる。増粘剤としては、例えば、アラビアゴム、モノステアリン酸アルミニウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルメロース、カルメロースナトリウム、カルメロースカルシウム、ポピドン、カルボキシビニルポリマー等が挙げられる。金属封鎖剤としては、例えば、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸等が挙げられる。
殺菌剤としては、例えば、4-ヒドロキシ安息香酸並びにその塩及びエステル、トリクロサン、クロルヘキシジン、フェノキシエタノール、メントール、ミント油、カプリン酸グリセリル、カプリル酸グリセリル、サリチル酸-N-アルキルアミド、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-アルギニンエチル・DL-ピロリドンカルボン酸塩、塩化ベンザルコニウム、イソプロピルメチルフェノール等が挙げられる。防臭剤としては、例えば、ラウリルメタクリレート、ゲラニルクロトレート、ミリスチン酸アセトフェノン、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、安息香酸メチル、フェニル酢酸メチル等が挙げられる。pH調整剤としては、例えば、クエン酸、アジピン酸、リン酸、グルタミン酸、乳酸、硫酸、塩酸、アンモニウム、クエン酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルギニン、γ-オリザノール等が挙げられる。細胞賦活剤としては、パルミチン酸レチノール等のビタミンA類、コラ-ゲン、エラスチン、アラントイン、プラセンタエキス、牛乳タンパク質分解物、牛脾臓抽出物、牛血液分解物、仔牛胸腺抽出物、幼牛血液の透析物、酵母エキス等が挙げられる。
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル-12-ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム等が挙げられる。血行促進剤としては、例えば、ノニル酸ワレリルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β-ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、α-ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ-オリザノール等が挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えば、パラアミノ安息香酸、ホモメンチル-N-アセチルアントラニレート、アミルサリシレート、オクチルシンナメート、ビスレゾルシニルトリアジン、3-(4’-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー、2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール等が挙げられる。紫外線散乱剤としては、例えば、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛等が挙げられる。
ビタミン類としては、例えば、レチノール等のビタミンA類、リボフラビン等のビタミンB類、ピリドキシン塩酸塩等のビタミンB類、L-アスコルビン酸等のビタミンC類、パントテン酸カルシウム等のパントテン酸類、コレカルシフェロール等のビタミンD類、ニコチン酸等のニコチン酸類、α-トコフェロール等のビタミンE類、ビタミンP、ビオチン等が挙げられる。植物エキスとしては、例えば、ウコン、オウバク、オウレン、カッコン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキョウ、オトギリソウ、ローズマリー、ニンニク、トウガラシ、ワレモコウ、チンピ、トウキ等の抽出物が挙げられる。皮膚収斂剤としては、例えば、タンニン酸等が挙げられる。
抗炎症剤としては、例えば、アラントイン、カラミン、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸ナトリウム、グリチルレチン酸ステアリル、18α-ヒドロキシグリチルレチン酸、グアイアズレン、塩酸ピリドキシン、メントール、カンフル、テレピン油、インドメタシン、サリチル酸等が挙げられる。美白剤としては、例えば、アルブチン、コウジ酸等が挙げられる。糖類としては、例えば、グルコース、フルクトース、マンノース、ショ糖、トレハロース等が挙げられる。抗脂漏剤としては、例えば、硫黄、チアントール等が挙げられる。安定化剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等の2価のアルコール;グリセリン、トリメチロールプロパン等の3価のアルコール;1,2,6-ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等の4価アルコール;キシリトール等の5価アルコール;ソルビトール、マンニトール等の6価アルコール;ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等の多価アルコール重合体;マルチトール、マルトトリオース、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等の糖類等が挙げられる。抗酸化成分としては、例えば、チオタウリン、ヒポタウリン、α-トコフェロール、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、カテキン、アルブミン、フェリチン、ビリルビン、メタロチオネイン、尿酸、紅茶エキス、緑茶抽出物、タイム抽出物、フトモモ抽出物等が挙げられる。
外用化粧料は、常法に従って製造することができる。
(外用医薬製剤)
本発明の外用医薬製剤は、(A)亜鉛塩、及び(B)アミノ酸若しくはアミノ酸誘導体又はそれらの塩(ただし亜鉛塩を除く)を、(A)成分の(B)成分に対するモル比が0.45以上100以下となる割合で含有する。したがって、本発明の外用医薬製剤は、細胞外マトリックス分解酵素阻害作用に優れていることから、細胞外マトリックスの分解に起因する皮膚老化、例えば、真皮性のシワの形成、真皮性のたるみの発生、肌の弾力性の低下等の予防及び/又は改善に有用である。
外用医薬製剤の剤型としては、軟膏剤、液剤、懸濁剤、乳剤、ローション剤等が挙げられる。
外用医薬製剤は、(A)成分及び(B)成分に加えて、香粧学的及び/又は薬学的に許容される担体を用いて調製される。担体としては、上記で説明した外用化粧料と同様の成分が挙げられる。外用医薬製剤は、皮膚上投与、経皮投与等により投与することができる。外用医薬製剤の投与量は、配合量、用法、対象の年齢、性別、体重、対象の状態、その他の条件に応じて適宜選択すればよい。
外用医薬製剤は、常法に従って製造することができる。
(細胞外マトリックス分解酵素阻害作用)
本発明の細胞外マトリックス分解酵素阻害剤、外用化粧料及び組成物は、真皮近傍又は内部で発現するか又は合成される少なくとも1種の細胞外マトリックス分解酵素に対する阻害活性を有する。
細胞外マトリックスとしては、例えば、コラーゲン、カドヘリン、フィブロネクチン、ラミニン、ビトロネクチン、エラスチン、エンタクチン、テネイシン等が挙げられる。好適な実施形態では、細胞外マトリックスは、コラーゲン、エラスチン等の真皮に存在する細胞外マトリックスである。
細胞外マトリックス分解酵素としては、例えば、間質コラゲナーゼ(MMP-1)、好中球コラゲナーゼ(MMP-8)等のコラゲナーゼ;好中球エラスターゼ、線維芽細胞エラスターゼ等のエラスターゼ等が挙げられる。好適な実施形態では、細胞外マトリックス分解酵素は、好中球エラスターゼである。
本発明の細胞外マトリックス分解酵素阻害剤、外用化粧料及び組成物は、例えば、外用することで、エラスチン、コラーゲンなどの細胞外マトリックスの分解を抑制できるため、細胞外マトリックスの分解に起因する皮膚老化の予防及び/又は改善に有用である。
細胞外マトリックスの分解に起因する皮膚老化としては、例えば、真皮性のシワの形成、真皮性のたるみの発生、肌の弾力性の低下等の真皮性の皮膚老化が挙げられる。
また、本発明の細胞外マトリックス分解酵素阻害剤、外用化粧料及び組成物は、慢性関節リウマチ、変形性関節症などの関節系疾患、全身性炎症反応症候群、動脈硬化、急性肺障害、急性呼吸窮迫症候群等の疾患の治療及び/又は予防剤としても有効であり得る。
次に実施例、比較例及び参考例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(試験例1)
好中球エラスターゼは、タンパク質のアミノ酸配列のValカルボキシ基を選択的に切断する性質を持つ。ペプチドのVal末端に蛍光物質MCAを修飾した基質を用い、好中球エラスターゼによる酵素反応で本基質が分解されて遊離するMCAによる発光強度を測定することで、好中球エラスターゼの酵素活性を評価した。
基質Suc(OMe)-Ala-Ala-Pro-Val-MCAをDMSOに1mMとなるように添加、溶解後、1M NaCl含有200mM Tris-HCl Buffer(pH8.5)にて10倍希釈し、基質液とした。Elastase from human leukocytesを0.1%のTriton-X100水溶液にて1mg/mLとし、上記Bufferで1000倍希釈して酵素液とした。成分(A)及び(B)をそれぞれ下記表1に示した濃度で上記Bufferに溶解し、検体とした。次いで96well plateに、検体を50μL、基質液を50μL添加した後に、最後にマイクロピペットで酵素液を100μL添加し、37℃、暗所にて下記表1に示した時間インキュベートした。MCAの遊離を発光強度(Ex=360nm,Em=460nm)にて測定し、成分(A)及び(B)未添加のBufferのみのコントロールに対する各検体の好中球エラスターゼ活性阻害NEI(%)を、下記計算式に従って算出した。
NEI(%)=(1-(検体の発光強度/コントロールの発光強度))x100
結果を下記表1にまとめる。
Figure 0007400727000001
表1に示す通り、成分(A)のL-ピロリドンカルボン酸亜鉛のみの場合に比べて、成分(A)と共に成分(B)のアミノ酸及びアミノ酸誘導体を含む場合に、高い好中球エラスターゼ阻害活性を示すことがわかった。
(試験例2)
試験例1とは別途、成分(A)及び(B)をそれぞれ下記表2に示した濃度でBufferに溶解したもの調製して検体とし、試験例1と同様にして試験を行い、好中球エラスターゼ阻害活性NEI(%)を算出した。
結果を下記表2にまとめる。
Figure 0007400727000002
表2に示す通り、(A)成分の(B)成分に対するモル比が、0.45以上の場合に、成分(A)のみの場合よりも高い好中球エラスターゼ阻害活性が得られることがわかった。
(参考試験例1)
下記表3に示した濃度で各成分をBufferに溶解したもの調製して検体とし、試験例1と同様にして試験を行い、好中球エラスターゼ阻害活性NEI(%)を算出した。
結果を下記表3にまとめる。
Figure 0007400727000003
表3に示す通り、成分(A)のL-ピロリドンカルボン酸亜鉛は、フッ化フェニルメチルスルホニルやルチンと同じように高い好中球エラスターゼ阻害活性を示すことがわかった。
(参考試験例2)
参考試験例1とは別途、下記表4に示した濃度で各成分をBufferに溶解したもの調製して検体とし、試験例1と同様にして試験を行い、好中球エラスターゼ阻害活性NEI(%)を算出した。
結果を下記表4にまとめる。
Figure 0007400727000004
表4に示す通り、亜鉛塩と他の塩を比較すると、亜鉛塩の方が高い好中球エラスターゼ阻害活性を示すことがわかった。
(参考試験例3)
下記表5に示した濃度で各成分をBufferに溶解したもの調製して検体とし、試験例1と同様にして試験を行い、好中球エラスターゼ阻害活性NEI(%)を算出した。
結果を下記表5にまとめる。
Figure 0007400727000005
表5に示す通り、同じモル濃度のL-ピロリドンカルボン酸亜鉛と塩化亜鉛を比較すると、L-ピロリドンカルボン酸亜鉛の方が高い好中球エラスターゼ阻害活性を示すことがわかった。
(試験例3)
下記表6に示した濃度で各成分を配合し、pHを5.0に調整した美容ジェルを調製した。2種の美容ジェルを左右それぞれの目尻に塗布し、シワ改善効果を、ヒト試験・目視評価にておいて確認した。
連用期間は3ヵ月、部位は目尻、被験者数22名で実施した。被験者は、シワグレード1~3(表6)に該当するよう熟練判定者の目視評価により選定した。1日2回(朝晩)メイク落としや洗顔料で洗顔した後に、適量(パール1個大)を手にとり、指定した側の目尻に塗布した。評価は、連用前、4週間後、8週間後、12週間後の計4回実施した。評価は、被験者の洗顔後、恒温恒湿室内(温度20℃±2℃、湿度50%±5%)で15分馴化し、熟練判定者により目視判定を行った。評価に用いたシワグレードは、日本香粧品学会作成の「新規効能取得のための抗シワ製品評価ガイドライン」記載のシワグレードを利用した。シワグレードの基準について下記表6に記す。
Figure 0007400727000006
被験者数22名の連用前に対する4週間後、8週間後、12週間後のシワグレードの変化量の平均値を下記表7及び図1にまとめる。
Figure 0007400727000007
表7に示す通り、成分(A)と(B)の両方を所定の割合で含む美容ジェルに高いシワ改善効果が見られることがわかった。
本発明の細胞外マトリックス分解酵素阻害剤は、細胞外マトリックス分解酵素阻害作用に優れていることから、細胞外マトリックスの分解に起因する皮膚老化、例えば、真皮性のシワの形成、真皮性のたるみの発生、肌の弾力性の低下等の予防及び/又は改善に有用である。したがって、外用化粧料、外用医薬製剤等の製造に有用である。

Claims (14)

  1. (A)亜鉛塩、及び(B)中性α-アミノ酸若しくは中性α-アミノ酸誘導体又はそれらの塩(ただし亜鉛塩を除く)を含有し、
    (A)成分の(B)成分に対するモル比が、0.55以上以下であることを特徴とする細胞外マトリックス分解酵素阻害剤。
  2. (A)成分が、カルボン酸亜鉛、スルホン酸亜鉛、ハロゲン化亜鉛、硫酸亜鉛および酸化亜鉛からなる群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の細胞外マトリックス分解酵素阻害剤。
  3. (A)成分が、カルボン酸亜鉛であることを特徴とする請求項2に記載の細胞外マトリックス分解酵素阻害剤。
  4. (A)成分が、ピロリドンカルボン酸亜鉛であることを特徴とする請求項3に記載の細胞外マトリックス分解酵素阻害剤。
  5. (A)成分の含有量が、0.001質量%以上15質量%以下であることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の細胞外マトリックス分解酵素阻害剤。
  6. 中性α-アミノ酸誘導体が、アミノ基が置換又は無置換のアシル基でモノ置換された中性α-アミノ酸及びアミノ基がピリドキシル基でモノ置換された中性α-アミノ酸からなる群から選ばれることを特徴とする請求項1~5の何れか1項に記載の細胞外マトリックス分解酵素阻害剤。
  7. (B)成分が、トリプトファン、チロシン、N-チロシルチロシン、N-デカノイルプロリン及びN-ピリドキシルセリン並びにそれらの塩からなる群から選ばれることを特徴とする請求項6に記載の細胞外マトリックス分解酵素阻害剤。
  8. (A)成分の(B)成分に対するモル比が、0.6以上であることを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載の細胞外マトリックス分解酵素阻害剤。
  9. (A)成分の(B)成分に対するモル比が、以下であることを特徴とする請求項1~8の何れか1項に記載の細胞外マトリックス分解酵素阻害剤。
  10. 細胞外マトリックス分解酵素が、好中球エラスターゼであることを特徴とする請求項1~9の何れか1項に記載の細胞外マトリックス分解酵素阻害剤。
  11. (A)亜鉛塩、及び(B)中性α-アミノ酸若しくは中性α-アミノ酸誘導体又はそれらの塩(ただし亜鉛塩を除く)を含有し、
    (A)成分の(B)成分に対するモル比が、0.55以上以下であることを特徴とする外用化粧料。
  12. (A)亜鉛塩、及び(B)中性α-アミノ酸若しくは中性α-アミノ酸誘導体又はそれらの塩(ただし亜鉛塩を除く)を含有し、
    (A)成分の(B)成分に対するモル比が、0.55以上以下であることを特徴とする皮膚老化の予防及び/又は改善のための組成物。
  13. 皮膚老化が、細胞外マトリックスの分解に起因する皮膚老化であることを特徴とする請求項12に記載の組成物。
  14. 皮膚老化が、真皮性のシワの形成、真皮性のたるみの発生、及び肌の弾力性の低下から選ばれることを特徴とする請求項12又は13に記載の組成物。
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