JP2018203658A - 外用組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
[1](A)一般式(I):
からなる群より選択される少なくとも一種、並びに
(B)アミノ酸及びその誘導体(但し、前記(A)を除く)からなる群より選択される少なくとも一種
を含有する組成物。
[2]R1−CO−で表されるアシル基が、炭素原子数4〜16の飽和又は不飽和脂肪酸より誘導されるアシル基であることを特徴とする、[1]に記載の組成物。
[3]R2−CO−で表されるアシル基が、炭素原子数4〜16の飽和又は不飽和脂肪酸より誘導されるアシル基であることを特徴とする、[1]に記載の組成物。
[4]R1−CO−で表されるアシル基が、飽和脂肪酸より誘導されるアシル基であることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の組成物。
[5]R2−CO−で表されるアシル基が、飽和脂肪酸より誘導されるアシル基であることを特徴とする、[1]又は[3]に記載の組成物。
[6](B)が、アミノ酸、N−アセチル−2−メチルチアゾリジン−2,4−ジカルボン酸−2−エチルエステル、N−アセチルシステイン、アラニルグルタミン、グリシルグリシン、グルタミルリジン、ピリドキシルセリン、カルノシン、エクトイン及びピロリドンカルボン酸からなる群より選択される少なくとも一種である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の組成物。
[7](B)を二種以上含有する、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の組成物。
[8]前記組成物における(A)の含有量が、前記組成物全量に対して0.001〜4重量%である、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の組成物。
[9]前記組成物における(B)の含有量が、前記組成物全量に対して0.001〜8重量%である、[1]〜[8]のいずれか一項に記載の組成物。
[10]前記組成物における(A)の含有量と(B)の含有量との重量比(A:B)が、1:0.002〜2000である、[1]〜[9]のいずれか一項に記載の組成物。
[11]さらに(C)多価アルコールを含む、[1]〜[10]のいずれか一項に記載の組成物。
[12]前記組成物のpHが、4.8〜8.5である、[1]〜[11]のいずれか一項に記載の組成物。
[13]前記組成物が、皮膚用である、[1]〜[12]のいずれか一項に記載の組成物。
[14]
(A)一般式(I):
からなる群より選択される少なくとも一種を含有する、有効成分の皮膚浸透促進剤。
[15]R1−CO−で表されるアシル基が、飽和脂肪酸より誘導されるアシル基であることを特徴とする、[14]に記載の皮膚浸透促進剤。
[16]R2−CO−で表されるアシル基が、飽和脂肪酸より誘導されるアシル基であることを特徴とする、[14]に記載の皮膚浸透促進剤。
[17]有効成分が、(B)アミノ酸及びその誘導体(但し、前記(A)を除く)より選択される少なくとも一種である、[14]〜[16]のいずれか一項に記載の皮膚浸透促進剤。
また本発明によれば、有効成分の皮膚浸透促進剤(好ましくは、アミノ酸及びその誘導体の皮膚浸透促進剤)が提供される。
(B)アミノ酸及びその誘導体(但し、前記(A)を除く)からなる群より選択される少なくとも一種を含有する組成物(本発明の組成物と略することもある)に関する。
本発明において成分(A)は、一般式(I):
本発明の成分(B)は、アミノ酸及びその誘導体(但し、成分(A)を除く)より選択される少なくとも一種の有効成分である。
オクタノール/水分配係数(LogP)は、1−オクタノール(octanol)と水(water)の2つの溶媒相中に化学物質を加えて平衡状態となった時の、その2相における化学物質の濃度比である。オクタノール/水分配係数(LogP)は低値であるほど水に分配されやすいことを示す。
1−オクタノールと水との分配係数の測定方法については、原則としてOECD Test Guideline(OECD理事会決定「C(81)30最終別添1」)107又は日本工業規格Z7260−107(2000)「分配係数(1−オクタノール/水)の測定−フラスコ振とう法」に従い測定する。
皮膚透過係数は、ランツセルを用いた透過試験によって測定され、低値であるほど皮膚を透過しにくいことを示す。
多価アルコールとしては、通常2〜6価のアルコールが挙げられ、2〜4価のアルコールが好ましい。例えば、グリセリン、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、イソプレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール等が挙げられる。環境への配慮及びしっとり感、浸透感などの観点から、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、ソルビトールが好ましい。
フェニルアラニン(味の素社製)28.01gを160gの水に溶解後、デカノイルクロライド(東京化成工業社製)34.02gと25%水酸化ナトリウム水溶液を、pHを12に調整しながら加えた。75%硫酸を加えて中和し、水層を除去後、さらに水を加え、水層を除去した。続いて減圧化で乾燥し、デカノイルフェニルアラニンを51.67g得た。
合成例1で得られたデカノイルフェニルアラニンを、適当な量の水に懸濁後、水酸化ナトリウムでpHを7まで中和することにより、デカノイルフェニルアラニンナトリウム塩を得た。
フェニルアラニン(味の素社製)とヘキサノイルクロライド(東京化成工業社製)とを用い、合成例1と同様の方法でヘキサノイルフェニルアラニンを合成した。
ヘキサノイルフェニルアラニンを用いて、合成例2と同様の方法でヘキサノイルフェニルアラニンナトリウム塩を合成した。
フェニルアラニン(味の素社製)とオクタノイルクロライド(東京化成工業社製)とを用い、合成例1と同様の方法でオクタノイルフェニルアラニンを合成した。
オクタノイルフェニルアラニンを用いて、合成例2と同様の方法でオクタノイルフェニルアラニンナトリウム塩を合成した。
フェニルアラニン(味の素社製)とラウロイルクロライド(東京化成工業社製)を用い、合成例1と同様の方法でラウロイルフェニルアラニンを合成した。
ラウロイルフェニルアラニンを用いて、合成例2と同様の方法でラウロイルフェニルアラニンナトリウム塩を合成した。
フェニルアラニン(味の素社製)とウンデシレノイルクロライド(東京化成工業社製)を用い、合成例1と同様の方法でウンデシレノイルフェニルアラニンを合成した。
ウンデシレノイルフェニルアラニンを用いて、合成例2と同様の方法でウンデシレノイルフェニルアラニンナトリウム塩を合成した。
チロシン(味の素社製)72.48gに水200mLとアセトン200mLを加え、25%水酸化ナトリウム水溶液でpH12にして溶解後、オクタノイルクロライド(東京化成工業社製)68.32gと25%水酸化ナトリウム水溶液を、pHを12に調整しながら加えた。75%硫酸を加えて中和し、水層を除去後、さらに水を加え洗浄後、水層を除去した。続いて減圧化で乾燥し、オクタノイルチロシンを123g得た。
合成例1で得られたオクタノイルチロシンを、適当な量の水に懸濁後、水酸化ナトリウムでpHを7まで中和することにより、オクタノイルチロシンナトリウム塩を得た。
(実施例1〜11及び比較例1〜14の組成物の調製)
表1〜2に示される各成分のうち、水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液又は塩酸(HCl)水溶液以外の成分を、70℃で加熱しながら撹拌した後、室温付近まで冷却し、次いで水酸化ナトリウム水溶液又は塩酸水溶液を用いてpHを調整し、最後に水の量を調整することにより、組成物を調製した。比較例3〜10は、成分(A)との比較として成分(A’)を用いた。表中、成分(B)のLogPは2以下、皮膚透過係数は3×10−6cm/s以下である。尚、表1〜2に示される組成の単位は、重量%である。また「飽和」は、溶解度まで合成例1が溶けている状態であって、4重量%未満である。
実施例及び比較例の組成物の成分(B)の皮膚透過性は、横型拡散セル(平均拡散面積:0.64cm2)及び皮膚モデルとしてStrat−Mメンブレン(25mm、メルク社製)を用いたin vitro透過試験により評価した。
具体的には、Strat−Mメンブレンを横型拡散セルに装着して固定した後に、ドナー側のセルに試料組成物を、レシーバー側のセルに水又はPBS Buffer(pH7.4、タカラバイオ社製)を加え、それぞれ37℃(±0.2℃)で撹拌し、経時でレシーバー側のセルから一定量サンプリングを行い、分析する検体を得た。得られた検体は、常法に従い液体クロマトグラフにより成分(B)について定量測定を行い、成分(B)の累積透過量(μg/cm2)を求めた。
◎:8時間以内に成分(B)の透過が確認された
○:8時間以降24時間以内に成分(B)の透過が確認された
×:24時間後でも成分(B)の透過無し(検出できなかったか、又は定量限界以下)
前記のように調製した組成物を50mLのガラス瓶に完全密封し、室温で1日及び70℃で14日間促進試験条件で保存したのちに、5人のパネラーが下記の基準により採点し、その平均点を求め評価した。
5:においが全くしない
4:においがほとんどしない
3:においをわずかに感じるが、気にならない
2:においをわずかに感じ、気になる
1:においを感じる
0:においをかなり感じる
(評価基準)
◎ 平均点が3.5以上
○ 平均点が2.5以上3.5未満
△ 平均点が1.5以上2.5未満
× 平均点が1.5未満
一方、成分(A)に代えて成分(A’)を用いた組成物(比較例3〜10)では、試験開始24時間後においても成分(B)の透過が確認されないか、(B)の透過が確認されたとしても、成分(A’)の特異臭があり、保存によりさらに臭いの増加も確認され安定性に乏しかった。
また、合成例9(0.1%)と合成例1(0.1%)を比較した場合は、合成例1のアミノ酸透過量合計は、7倍以上であった。
一方実施例3、5、6、10の組成物は均一な溶状を示し、さらに静置するとソフトゲルを形成しうることが分かった。これらの組成物は、滑らかで、しっとりしながらべたつきがなく、浸透感を有しながら肌残り感を有する良好な感触も有した。
(実施例12〜40及び比較例15〜36の組成物の調製)
表3〜6に示される成分を用い、試験例1と同様の手順で、それぞれの組成物を調製した。表中、成分(B)のLogPは2以下、皮膚透過係数は3×10−6cm/s以下である。尚、表3に示される組成の単位は、重量%である。
実施例12〜38、比較例15〜34のそれぞれの組成物の成分(B)の皮膚透過性を、試験例1と同様の手順で皮膚透過性の評価基準1に基づいて評価した。結果は表3〜5に示した。
実施例39〜40において成分(B)として用いたアラニルグルタミン及びN−アセチル−2−メチルチアゾリジン−2,4−ジカルボン酸−2−エチルエステルは、成分(A)を併用しない場合であっても試験開始から24時間以内に透過が確認されたため、それらの皮膚透過性については、試験開始8時間後の累積透過量を、成分(A)を含有しない対応する組成物(比較例35〜36)と比較し、皮膚透過性の評価基準2に基づいて評価した。例えば、実施例39の成分(B)の皮膚透過性は、その試験開始8時間後の成分(B)の累積透過量を、比較例35と比較して評価した。表中、成分(B)のLogPは2以下、皮膚透過係数は3×10−6cm/s以下である。結果は表6に示した。
成分(A)を含有する組成物の、試験開始24時間後の成分(B)の累積透過量と成分(A)を含有しない対応する組成物の累積透過量と比較した値を以下の基準で判定した。
◎:7倍以上
○:2倍以上7倍未満
△:同等以上2倍未満
×:同等未満
表6に示されるように、成分(A)及び成分(B)を含有する組成物(実施例39〜40)では、成分(B)を含有し成分(A)を含有しない組成物(比較例35〜36)と比較して、7倍以上の顕著な皮膚透過促進作用を示した。
また実施例12〜40において、成分(A)に由来する臭いもほとんどなかった。
(実施例及び比較例の組成物の調製)
表7の第I欄記載の各成分を加熱・撹拌して溶解させた後、加熱した第II欄記載の成分(水)を加え、室温付近まで冷却した。続いて、あらかじめ撹拌して溶解させた第III欄記載の各成分、成分(A)及び成分(B)を添加して、撹拌し溶解させた後に、pHを調整し、最後に水の量を調整することにより、実施例及び比較例の組成物をそれぞれ調製した。表中、成分(B)のLogPは2以下、皮膚透過係数は3×10−6cm/s以下である。尚、表7に示される組成の単位は、重量%である。
それぞれの組成物の成分(B)の皮膚透過性を、試験例1と同様の手順で皮膚透過性の評価基準1に基づいて評価した。
5名のパネラーが、各組成物50μLをそれぞれ、前腕内側の皮膚8cm×2cm以内の範囲にそれぞれ塗布し、肌のしっとり感及び浸透感について下記のように評点付けした後、5名の平均点を求め、下記の基準に基づいて評価を行った。結果は表7に示した。
5:非常にしっとり感が強い
4:しっとり感がある
3:ふつう
2:しっとり感があまりない
1:しっとり感が全くない
5:肌への浸透が非常に良く、自然になじんで消えていく
4:肌への浸透が良い
3:ふつう
2:肌への浸透が悪い
1:肌への浸透が非常に悪い
5:きしみが全くない
4:きしみがほとんどない
3:ふつう
2:ややきしみがある
1:きしみが強い
5:べたつきが全くない
4:べたつきがほとんどない
3:ふつう
2:ややべたつきがある
1:べたつきが強い
塗り伸ばした後、塗布後の肌に
5:化粧料がしっかりのっていると感じる
4:化粧料がのっていると感じる
3:ふつう
2:化粧料がのっている感じがあまりない
1:化粧料がのっている感じが全くない
◎:平均点が4.0以上
○:平均点が3.0以上4.0未満
△:平均点が2.0以上3.0未満
×:平均点が2.0未満
アセチルチロシン:東京化成工業社製
1,2−ヘキサンジオール:東京化成工業社製
1,2−オクタンジオール:東京化成工業社製
アセチルフェニルアラニン:N-Acetyl-L-phenylalanine:東京化成工業社製
N−アセチル−2−メチルチアゾリジン−2,4−ジカルボン酸−2−エチルエステル:リバイタクト(登録商標)S−CYS−50、味の素社製
また本発明によれば、皮膚浸透促進剤(好ましくは、アミノ酸及びその誘導体の皮膚浸透促進剤)が提供される。
Claims (17)
- (A)一般式(I):
からなる群より選択される少なくとも一種、並びに
(B)アミノ酸及びその誘導体(但し、前記(A)を除く)からなる群より選択される少なくとも一種
を含有する組成物。 - R1−CO−で表されるアシル基が、炭素原子数4〜16の飽和又は不飽和脂肪酸より誘導されるアシル基であることを特徴とする、請求項1記載の組成物。
- R2−CO−で表されるアシル基が、炭素原子数4〜16の飽和又は不飽和脂肪酸より誘導されるアシル基であることを特徴とする、請求項1記載の組成物。
- R1−CO−で表されるアシル基が、飽和脂肪酸より誘導されるアシル基であることを特徴とする、請求項1又は2記載の組成物。
- R2−CO−で表されるアシル基が、飽和脂肪酸より誘導されるアシル基であることを特徴とする、請求項1又は3記載の組成物。
- (B)が、アミノ酸、N−アセチル−2−メチルチアゾリジン−2,4−ジカルボン酸−2−エチルエステル、N−アセチルシステイン、アラニルグルタミン、グリシルグリシン、グルタミルリジン、ピリドキシルセリン、カルノシン、エクトイン及びピロリドンカルボン酸からなる群より選択される少なくとも一種である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
- (B)を二種以上含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記組成物における(A)の含有量が、前記組成物全量に対して0.001〜4重量%である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記組成物における(B)の含有量が、前記組成物全量に対して0.001〜8重量%である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記組成物における(A)の含有量と(B)の含有量との重量比(A:B)が、1:0.002〜2000である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
- さらに(C)多価アルコールを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記組成物のpHが、4.8〜8.5である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記組成物が、皮膚用である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
- (A)一般式(I):
からなる群より選択される少なくとも一種を含有する、有効成分の皮膚浸透促進剤。 - R1−CO−で表されるアシル基が、飽和脂肪酸より誘導されるアシル基であることを特徴とする、請求項14に記載の皮膚浸透促進剤。
- R2−CO−で表されるアシル基が、飽和脂肪酸より誘導されるアシル基であることを特徴とする、請求項14に記載の皮膚浸透促進剤。
- 有効成分が、(B)アミノ酸及びその誘導体(但し、前記(A)を除く)より選択される少なくとも一種である、請求項14〜16のいずれか一項に記載の皮膚浸透促進剤。
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