JP2019137695A - 皮膚有効成分の浸透方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】皮膚への刺激性を抑えつつ、皮膚用有効成分の皮膚への浸透をより高める方法を提供すること。【解決手段】3−メチル−1,3−ブタンジオール及び皮膚用有効成分を含む組成物を用いる、皮膚用有効成分の浸透方法。【選択図】なし
Description
本発明は、3−メチル−1,3−ブタンジオール及び皮膚用有効成分を含む組成物を用いる、皮膚用有効成分の浸透方法に関する。
皮膚用有効成分の皮膚への浸透を促進させることは、その効果を高めるために重要である。例えばアミノ酸などの水溶性の皮膚用有効成分は皮膚用の医薬、医薬部外品、化粧料等に汎用されているが、これらの皮膚用有効成分は角層を透過しにくい(すなわち皮膚に浸透しにくい)ことから、その効果を十分発揮できないため、従来から皮膚への浸透を促進する方法に関し、種々の検討がなされてきた。
例えば、特許文献1では、1,2−オクタンジオールと、1,2−ペンタンジオール及び/又は1,2−ヘキサンジオールとの混合物が水溶性薬効成分の浸透を促進させることが報告されている。
しかしながら、この方法では皮膚浸透促進効果が充分でないことも多く、さらに、乳化組成物の粘度を顕著に低下させるなど使用感への影響が大きいという問題があり、あまり配合量を増やすことは好ましくなく、場合によっては低刺激性の要件も満たさない場合がある。
特許文献2では、特定のアシルプロリンに特定のアシルフェニルアラニン及び/又はアシルチロシンを組み合わせて用いることで、広いpHにおいて高い浸透促進効果を示し、長期保存後でも浸透作用に変化がなく、アシルフェニルアラニンやアシルチロシンに由来する経時における凝集物などの発生も抑制され、かつ刺激感のない良好な使用感が得られ、処方に与える影響が小さな組成物が得られることが報告されている。
しかしながら、皮膚への刺激性を抑えつつ、皮膚用有効成分の皮膚への浸透性をより高める方法を提供することには未だ検討の余地がある。
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、皮膚への刺激性を抑えつつ、皮膚用有効成分の皮膚への浸透をより高める方法を提供することを目的とする。
本発明者は上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、3−メチル−1,3−ブタンジオールが皮膚用有効成分の皮膚への浸透性を高めることに有効であることを見出し、当該知見に基づいてさらに検討を重ねて本発明を完成させた。
すなわち、本発明は下記[1]〜[4]に関する。
[1]3−メチル−1,3−ブタンジオール及び皮膚用有効成分を含む組成物を用いる、皮膚用有効成分の浸透方法。
[2]前記皮膚用有効成分がL−アスコルビン酸2−グルコシド、パルミチン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル、アスコルビン酸ホスフェート、アスコルビルエチル、リン酸アスコルビルマグネシウム、アスコルビルリン酸ナトリウム、リン酸アスコルビル酸3ナトリウム、パルミチン酸アスコルビルリン酸3ナトリウム、テトラヘキシルデカン酸アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコビル、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸カリウム、3−O−エチル−L−アスコルビン酸からなる群より選ばれる少なくとも1つである、[1]に記載の皮膚用有効成分の浸透方法。
[3]皮膚外用剤用途である、[1]または[2]に記載の皮膚用有効成分の浸透方法。
[4]前記皮膚外用剤用途が化粧品、医薬部外用品、及び医薬品からなる群より選ばれる用途のいずれかである、[3]に記載の皮膚用有効成分の浸透方法。
[1]3−メチル−1,3−ブタンジオール及び皮膚用有効成分を含む組成物を用いる、皮膚用有効成分の浸透方法。
[2]前記皮膚用有効成分がL−アスコルビン酸2−グルコシド、パルミチン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル、アスコルビン酸ホスフェート、アスコルビルエチル、リン酸アスコルビルマグネシウム、アスコルビルリン酸ナトリウム、リン酸アスコルビル酸3ナトリウム、パルミチン酸アスコルビルリン酸3ナトリウム、テトラヘキシルデカン酸アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコビル、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸カリウム、3−O−エチル−L−アスコルビン酸からなる群より選ばれる少なくとも1つである、[1]に記載の皮膚用有効成分の浸透方法。
[3]皮膚外用剤用途である、[1]または[2]に記載の皮膚用有効成分の浸透方法。
[4]前記皮膚外用剤用途が化粧品、医薬部外用品、及び医薬品からなる群より選ばれる用途のいずれかである、[3]に記載の皮膚用有効成分の浸透方法。
本発明によれば、皮膚への刺激性を抑えつつ、皮膚用有効成分の皮膚への浸透性をより高める方法が提供される。
本発明の皮膚有効成分の浸透方法は、3−メチル−1,3−ブタンジオール(イソペンチルジオール)及び皮膚用有効成分を含む組成物を用いる方法である。
本発明における3−メチル−1,3−ブタンジオールは、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール等のアルコールに比べて脂溶性が高い。そのため、3−メチル−1,3−ブタンジオールは皮膚の角層中の脂質膜と相互作用し易く、その結果として、脂質膜の構造変化や流動性を高め、角層内の皮膚用有効成分の浸透を促進したと考えられる。そして、上記浸透方法を採用することにより、皮膚への刺激性を抑えつつ、皮膚用有効成分の皮膚への浸透性をより高める方法を提供することができる。
3−メチル−1,3−ブタンジオール(イソペンチルジオール)は、保湿剤、感触調整剤として化粧品等に広く配合可能であり、皮膚への刺激性が低く、その安全性は極めて高い。3−メチル−1,3−ブタンジオールは公知の方法により製造することができ、市販品(株式会社クラレ製等)を用いてもよい。
3−メチル−1,3−ブタンジオールの含有量は、組成物の用途、形態、性質などに応じて適宜調整することができ特に制限されないが、本発明の効果がより顕著に奏されることなどから、0.1〜50質量%であることが好ましく、1〜40質量%であることがより好ましく、5〜30質量%であることが更に好ましい。50重量%を超えて配合すると、皮膚外用剤のべたつき等の使用感が悪化する傾向にあり好ましくない。
本発明において、皮膚用有効成分とは、皮膚に対して好ましい生理的作用を期待して含有される成分を意味し、その種類に特に制限はなく、例えば、保湿作用、美白作用、抗老化作用、細胞賦活作用、抗糖化作用、抗酸化作用、抗菌作用、抗炎症作用、育毛作用、血行促進作用、保護作用及び再構成作用からなる群より選択される少なくとも1つの作用を有するものが挙げられる。皮膚用とは、皮膚に適用することを意味し、皮膚とは体(例えば、顔、頭、首、胸、腹、腰、背中、尻、腕、脚、手等)の表皮だけでなく、粘膜も包含する概念である。
皮膚用有効成分の具体例としては、アミノ酸及びその誘導体またはそれらの塩類、ビタミン及びその誘導体またはそれらの塩類、ビタミン様物質、スフィンゴ脂質、ヒドロキノン配糖体及びそのエステル類、コウジ酸及びその誘導体、グリチルリチン酸及びその誘導体、サリチル酸及びその誘導体またはそれらの塩類、安息香酸、4−アルキルレゾルシノール類、ヒノキチオール、アズレン、グアイアズレン、アデノシン、エラグ酸、ミノキシジル、イオウ、レゾルシン、カンフル、メントール、インドメタシン、尿素、ハッカ油、ユーカリ油、トリクロサン、ピリオチン亜鉛、酸化亜鉛、ベンザルコニウム塩化物、3−メチル−4−イソプロピルフェノール、臭化アルキルイソキノリニウム、エストラジオール、感光素201号、ピリドキシン塩酸塩、オリザノール、ジカプリル酸ピリドキシン、リボフラビン、トリクロロカルバニリド、濃ベンザルコニウム塩化物液50、トリニトログリセリン、硝酸イソソルビド、ツロブテロール、ニコチン、エストラジオール・酢酸ノルエチステロン、リバスチグミン、ブプレノルフィン、ビソプロロール、オキシブチニン、ケトプロフェン、ロキソプロフェン、フェルビナク、ジクロフェナク、タクロリムス水和物、クロベタゾン酪酸エステル、クロラムフェニコール、フラジオマイシン配合剤、フルオシノロンアセトニド・フラジオマイシン硫酸塩、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、ジフルコルトロン吉草酸エステル、ベタメタゾン吉草酸エステル、ベタメタゾンジプロピオン酸エステル、フェンタニルおよびそのクエン酸塩、ロチゴチン、オキシブチニン塩酸塩、クロニジン、グラニステロン、インフルエンザウイルスワクチン、リドカイン、テトラカイン、メチルフェニデート、スコポラミン、セレギリン、プラセンタエキス並びに植物エキスからなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。
本発明において、アミノ酸とは、アミノ基及びカルボキシ基の両方を分子内に有する有機化合物をいい、タンパク質を構成するアミノ酸及びタンパク質を構成しないアミノ酸のいずれをも含む概念である。タンパク質を構成するアミノ酸およびその塩類の具体例としては、脂肪族アミノ酸(グリシン、アラニン)、分岐鎖アミノ酸(バリン、ロイシン、イソロイシン)、ヒドロキシアミノ酸(セリン、トレオニン)、含硫アミノ酸(システイン、メチオニン)、アミド型アミノ酸(アスパラギン、グルタミン)、イミノ酸(プロリン)、芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン)等の中性アミノ酸;アスパラギン酸、アスパラギン酸ナトリウム、グルタミン酸、グルタミン酸ナトリウム等の酸性アミノ酸およびその塩類;リジン、アルギニン、アルギニン塩酸塩、ヒスチジン、ヒスチジン塩酸塩等の塩基性アミノ酸およびその塩類が挙げられる。タンパク質を構成しないアミノ酸の具体例としては、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、トラネキサム酸、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン、テアニン、γ−アミノ酪酸、β−アラニン、サルコシン、シトルリン、オルニチン、ε−アミノカプロン酸等が挙げられる。アミノ酸は、L−体、D−体及びDL−体のいずれも使用し得るが、好ましくはL−体、DL−体であり、より好ましくはL−体である。
本発明において、アミノ酸の誘導体とは、アミノ酸の一部が修飾(例えば、アセチル化、エステル化等)された化合物や、アミノ酸の一部が他の化合物と結合した化合物に加え、2以上のアミノ酸がペプチド結合により結合したジペプチド、トリペプチド、オリゴペプチド及び、その一部が修飾された化合物(例えば、アシル化ペプチド)等も含む概念である。アミノ酸の誘導体の具体例としては、N−アセチル−2−メチルチアゾリジン−2,4−ジカルボン酸−2−エチルエステル(N−Ac−CP2Et)、N-アセチルシステイン、アラニルグルタミン、グリシルグリシン、グルタミルリジン、カルノシン、デカルボキシカルノシン、エクトイン、ヒドロキシプロリン、ヒドロキシリジン、アンセリン、アラニルオルニチン、グリシルチロシン、バリルグリシン、バリルトリプトファン、リジルオルニチン、オルニチルトレオニン、トレオニルオルニチン、プロリルヒスタミン、エルゴチオネイン、プロリンアミドエチルイミダゾール、グルタミルアミドエチルイミダゾール、ピロリドンカルボン酸ナトリウム(PCA−Na)、PCA(ピロリドンカルボン酸)アルギニン、PCAリジン、PCAヒスチジン、PCAカルニチン、アラントイン、タウリン、チオタウリン、ヒポタウリン、ピリドキシルセリン、ホスホセリン、グルタチオン、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、ジペプチド−2、ジペプチド−4、ジペプチド−8、ジペプチド−11、ジペプチド−14、ジペプチド−17、ジペプチド−19、トリペプチド−1、トリペプチド−2、トリペプチド−3、トリペプチド−9シトルリン、トリペプチド−10シトルリン、トリペプチド−29、トリペプチド−31、トリペプチド−32、ニコチノイルジペプチド−23、酢酸ヘキサノイルジペプチド−3ノルロイシン等が挙げられる。
本発明において、ビタミンおよびその塩類としては、例えば、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK等の脂溶性ビタミン;及び、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、アスコルビン酸(ビタミンC)、アスコルビン酸ナトリウム、葉酸、ニコチン酸、ナイアシンアミド、パントテン酸、パントテン酸カリウム、ビオチン等の水溶性ビタミン等が挙げられる。
本発明において、ビタミンの誘導体とは、ビタミンの一部が修飾された化合物やビタミンの一部が他の化合物と結合した化合物をいい、その具体例としては、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、L−アスコルビン酸2−グルコシド(AA−2G)、ジパルミチン酸アスコルビル、パンテノール、パントテニルエチルエーテル、ハイドロキノン、チアミンジスルフィド、ベンフォチアミン、フルスルチアミン、アスコルビン酸ホスフェート、アスコルビルエチル、リン酸アスコルビルマグネシウム、アスコルビルリン酸ナトリウム、リン酸アスコルビル酸3ナトリウム、パルミチン酸アスコルビルリン酸3ナトリウム、パルミチン酸アスコルビル、テトラヘキシルデカン酸アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコビル(VC−IP)、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸カリウム、パンテテインスルホン酸カルシウム、3−O−エチル−L−アスコルビン酸、アセチルパントテニルエチルエーテル、D−パントテニルアルコール、酢酸トコフェロール、トコフェロールニコチン酸エステル、ニコチン酸アミド等が挙げられる。
本発明において、ビタミン様物質とは、ビタミンに似た生理作用を持つ化合物であって、ビタミンとは違って体内で生合成し得るものをいい、その具体例としては、イノシトール、コリン、αリポ酸、ユビキノン、パンガミン酸、カルニチン等が挙げられる。
本発明において、スフィンゴ脂質としては、例えば糖セラミド等の水溶性スフィンゴ脂質が挙げられる。
本発明において、ヒドロキノン配糖体及びそのエステル類としては、例えばアルブチン、α−アルブチン等が挙げられる。
本発明において、コウジ酸及びその誘導体としては、コウジ酸、アルキルコウジ酸等が挙げられる。
本発明において、グリチルリチン酸及びその誘導体としては、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸3ナトリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリル等が挙げられる。
本発明において、サリチル酸及びその誘導体またはそれらの塩類としては、サリチル酸ナトリウム、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコール、アセチルサリチル酸等が挙げられる。
本発明において、4−アルキルレゾルシノール類としては、4−ヘキシルレゾルシノール、4−シクロヘキシルレゾルシノール、4−(1−エチルプロピル)レゾルシノール等が挙げられる。
本発明において、植物エキスとしては、コンフリー葉エキス、シソエキス、ラベンダー油、アッケシソウエキス、チガヤ根エキス、カミツレエキス、グレープフルーツエキス、ハマメリスエキス、イリス根エキス及びアロエエキス、褐藻エキス、カラフトコンブエキス、ブドウ種子エキス、ブドウ葉エキス、オタネニンジンエキス、コンフリー葉エキス、オタネニンジンエキス、エンメイソウ抽出物(エキス)、センブリ抽出物(エキス)、ミツイシコンブ抽出物(エキス)、アマチャズル抽出物(エキス)、オトギリソウ抽出物(エキス)、ゲンチアナ抽出物(エキス)、セージ抽出物(エキス)、ペパーミント抽出物(エキス)、ホップ抽出物(エキス)、ヨクイニン抽出物(エキス)、柿葉抽出物(エキス)、ジオウ抽出物(エキス)、ニンジン抽出物(エキス)、ボダイジュ抽出物(エキス)、ボタンピ抽出物(エキス)、ジユ抽出物(エキス)等が挙げられる。
上記皮膚用有効成分の中でも、皮膚への浸透性を高める観点から、ビタミン及びその誘導体またはそれらの塩類を配合することが好ましく、L−アスコルビン酸2−グルコシド、パルミチン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル、アスコルビン酸ホスフェート、アスコルビルエチル、リン酸アスコルビルマグネシウム、アスコルビルリン酸ナトリウム、リン酸アスコルビル酸3ナトリウム、パルミチン酸アスコルビルリン酸3ナトリウム、テトラヘキシルデカン酸アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコビル、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸カリウム、3−O−エチル−L−アスコルビン酸を配合することがより好ましく、L−アスコルビン酸2−グルコシドを配合することが更に好ましい。
本発明の組成物における皮膚用有効成分の含有量は、当該成分の種類によっても変動するものであり、特に制限されないが、0.001〜20質量%であることが好ましく、0.01〜10質量%であることがより好ましく、0.1〜5質量%であることが更に好ましい。
本明細書において皮膚用有効成分の含有量とは、本発明の組成物に含有される皮膚用有効成分が1種のみである場合は、その1種の皮膚用有効成分の含有量を意味し、本発明の組成物に含有される皮膚用有効成分が2種以上である場合は、含有される全ての皮膚用有効成分の総含有量を意味する。
本発明において、組成物が3−メチル−1,3−ブタンジオールを含むことにより、皮膚用有効成分の皮膚への浸透性を高めることができるが、本発明の効果を損なわない範囲で組成物が水、3−メチル−1,3−ブタンジオール以外の低級アルコール、多価アルコールを含んでいてもよい。
前記低級アルコールとしては、例えば、炭素数2〜6の脂肪族モノアルコールが挙げられる。より具体的には、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノールなどが挙げられる。
前記多価アルコールとしては、例えば、ジオールが挙げられる。より具体的には、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、エチルヘキシルグリセリン、ジプロピレングリコールなどが挙げられる。
本発明において、本発明の効果を損なわない範囲内で、組成物が前記低級アルコールおよび前記多価アルコール以外の他の成分をさらに含んでいてもよい。このような他の成分としては、例えば、化粧品や医薬部外品、医薬品等に通常用いられる成分などが挙げられ、より具体的には例えば、水、糖類、ステロール類等のアルコール類;粘度鉱物、水溶性多糖類等の増粘性高分子;金属イオン封鎖剤;被膜形成性高分子化合物、無機顔料、粉体、色素、顔料、染料、皮膚浸透促進剤、収斂剤、賦形剤、希釈剤、無痛化剤、防腐剤、抗酸化剤、動植物抽出物、酸、アルカリ等の添加成分などが挙げられる。
本発明の皮膚有効成分の浸透方法の用途について、特に制限はないが、皮膚外用用途で用いられることが好ましい。皮膚外用用途としては、例えば化粧品、医薬品、医薬部外品、日用品などが挙げられ、化粧品、医薬品、医薬部外品として用いることが好ましく、化粧品、医薬部外品として用いることがより好ましい。当該化粧品としては、例えば、クリーム、化粧乳液、化粧水、エッセンス、サンスクリーン口紅、ファンデーション、マスカラ、アイライナー、パック、マスク、入浴剤、皮膚洗浄剤、爪手入れ剤、ヘアトニック、整髪料、ヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアコンディショナー、ヘアスタイリング剤、シャンプー、養毛剤、育毛剤、フレグランスなどが挙げられる。
上記各用途における剤型に特に制限はなく、水溶液系、可溶化系、乳化系、ゲル系、ペースト系、軟膏系、エアゾール系、水−油系エマルション(W/Oエマルション、O/Wエマルション)、水−油−粉末3層系などが挙げられる。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
実施例及び比較例における各評価は、以下に示す方法に従って行った。
[皮膚浸透性の評価]
実施例及び比較例の組成物のL−アスコルビン酸2−グルコシドの皮膚浸透性は、フランツセル及び皮膚モデルとしてLabCyte EPI−MODEL12(J−TEC社製)を用いたin vitro浸透試験により評価した。具体的には、LabCyte EPI−MODEL12をフランツセルに装着して固定した後に、セル上に試料組成物を400μLずつ添加し、レセプターにはPBS Bufferを5mL加え、それぞれ32℃でインキュベートし、試料組成物を添加してから6時間後にレセプター液を300μL回収し、分析する検体を得た。得られた検体は、常法に従い液体クロマトグラフによりL−アスコルビン酸2−グルコシドについて定量測定を行い、L−アスコルビン酸2−グルコシドのレセプター液中濃度(μg/mL)を求めた。
実施例及び比較例の組成物のL−アスコルビン酸2−グルコシドの皮膚浸透性は、フランツセル及び皮膚モデルとしてLabCyte EPI−MODEL12(J−TEC社製)を用いたin vitro浸透試験により評価した。具体的には、LabCyte EPI−MODEL12をフランツセルに装着して固定した後に、セル上に試料組成物を400μLずつ添加し、レセプターにはPBS Bufferを5mL加え、それぞれ32℃でインキュベートし、試料組成物を添加してから6時間後にレセプター液を300μL回収し、分析する検体を得た。得られた検体は、常法に従い液体クロマトグラフによりL−アスコルビン酸2−グルコシドについて定量測定を行い、L−アスコルビン酸2−グルコシドのレセプター液中濃度(μg/mL)を求めた。
下記表1の番号(1)〜(5)の化合物を表1に記載した割合でビーカーに入れて混合し、撹拌することにより、組成物1〜4を得た。なお、表1中の番号(1)〜(5)の化合物を混合した後は均一な溶液であった。
組成物1〜4について、皮膚浸透性の評価を行った。結果を表2に示した。
組成物1〜4について、皮膚浸透性の評価を行った。結果を表2に示した。
表2の実施例1および比較例1の結果から、3−メチル−1,3−ブタンジオールを配合した場合には、L−アスコルビン酸2−グルコシドの皮膚浸透量が増加していることから、皮膚への浸透性が高いことが分かる。また、実施例1および比較例2〜3の結果から、3−メチル−1,3−ブタンジオールは、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオールよりも上記効果が優れていることが分かる。
上記のとおり、3−メチル−1,3−ブタンジオール及び皮膚有効成分を含む組成物を用いることにより、皮膚への刺激性を抑えつつ、皮膚用有効成分の皮膚への浸透をより高めることができる。
Claims (4)
- 3−メチル−1,3−ブタンジオール及び皮膚用有効成分を含む組成物を用いる、皮膚用有効成分の浸透方法。
- 前記皮膚用有効成分がL−アスコルビン酸2−グルコシド、パルミチン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル、アスコルビン酸ホスフェート、アスコルビルエチル、リン酸アスコルビルマグネシウム、アスコルビルリン酸ナトリウム、リン酸アスコルビル酸3ナトリウム、パルミチン酸アスコルビルリン酸3ナトリウム、テトラヘキシルデカン酸アスコルビル、テトライソパルミチン酸アスコビル、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸カリウム、3−O−エチル−L−アスコルビン酸からなる群より選ばれる少なくとも1つである、請求項1に記載の皮膚用有効成分の浸透方法。
- 皮膚外用剤用途である、請求項1または2に記載の皮膚用有効成分の浸透方法。
- 前記皮膚外用剤用途が化粧品、医薬部外用品、及び医薬品からなる群より選ばれる用途のいずれかである、請求項3に記載の皮膚用有効成分の浸透方法。
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