JP6148454B2 - トラネキサム酸を含む外用及び内服用組成物 - Google Patents
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Description
しかし、トラネキサム酸は非常に結晶性が高く、皮膚外用剤や、内服剤などの水を含む組成物に配合した場合、使用を重ねるうちに、容器口付近に結晶が析出し易い。中でも、容器がディスペンサーである場合は、容器口に付着した製剤が蒸発乾固し、トラネキサム酸の硬い結晶が容器口元付近に析出して目詰まりを起こしたり、吐出液中に結晶が混入してざらつくという問題がある。特に、組成物が乳液のように水分の少ない組成物である場合は、トラネキサム酸の析出が顕著になる。
このため、従来は、容器形態を工夫し、製剤が経時的に蒸発乾固するのを防止することで対応しているが、トラネキサム酸を比較的多く配合しても結晶が析出し難い組成物を開発できれば好都合である。
また、特許文献2は、トラネキサム酸の他に、油分、PEG−60水添ヒマシ油、及び水を含み、さらに有機酸及び/又は無機酸を添加してpHを5.5以下に調製した皮膚外用剤は、トラネキサム酸の結晶析出が抑制されることを教えている。
項1. トラネキサム酸又は薬学的に許容されるその塩、及びポリヒドロキシ酸又は薬学的に許容されるその塩を含む、外用又は内服用組成物。
項2. ポリヒドロキシ酸がグルコン酸である項1に記載の組成物。
項3. トラネキサム酸又は薬学的に許容されるその塩を、組成物の全量に対して、0.001〜10重量%含む項1又は2に記載の組成物。
項4. ポリヒドロキシ酸又は薬学的に許容されるその塩を、組成物の全量に対して、0.1〜30重量%含む項1〜3の何れかに記載の組成物。
項5. トラネキサム酸又は薬学的に許容されるその塩の1重量部に対して、ポリヒドロキシ酸又は薬学的に許容されるその塩を0.1〜100重量部含む項1〜4の何れかに記載の組成物。
項6. さらに、多価アルコールを含む項1〜5の何れかに記載の組成物。
項7. トラネキサム酸又は薬学的に許容されるその塩の1重量部に対して、多価アルコールを0.1〜100重量部含む項6に記載の組成物。
項8. ポリヒドロキシ酸又は薬学的に許容されるその塩の1重量部に対して、多価アルコールを0.1〜100重量部含む項6又は7に記載の組成物。
項9. 多価アルコールを、組成物の全量に対して、0.1〜80重量%含む項6〜8の何れかに記載の組成物。
項10. さらに、水溶性高分子を含む項1〜9の何れかに記載の組成物。
項11. トラネキサム酸又は薬学的に許容されるその塩の1重量部に対して、水溶性高分子を0.01〜100重量部含む項10に記載の組成物。
項12. ポリヒドロキシ酸又は薬学的に許容されるその塩の1重量部に対して、水溶性高分子を0.001〜100重量部含む項10又は11に記載の組成物。
項13. 水溶性高分子を、組成物の全量に対して、0.01〜10重量%含む項10〜12の何れかに記載の組成物。
項14. pHが3〜7である項1〜13の何れかに記載の組成物。
項16. ポリヒドロキシ酸がグルコン酸である項15に記載の方法。
項17. ポリヒドロキシ酸又は薬学的に許容されるその塩を配合後の外用又は内服用組成物が、トラネキサム酸又は薬学的に許容されるその塩を、組成物の全量に対して、0.001〜10重量%含む項15又は16に記載の方法。
項18. ポリヒドロキシ酸又は薬学的に許容されるその塩を配合後の外用又は内服用組成物が、ポリヒドロキシ酸又は薬学的に許容されるその塩を、組成物の全量に対して、0.1〜30重量%含む項15〜17の何れかに記載の方法。
項19. ポリヒドロキシ酸又は薬学的に許容されるその塩を配合後の外用又は内服用組成物が、トラネキサム酸又は薬学的に許容されるその塩の1重量部に対して、ポリヒドロキシ酸又は薬学的に許容されるその塩を0.1〜100重量部含む項15〜18の何れかに記載の方法。
項20. さらに、多価アルコールを、トラネキサム酸又は薬学的に許容されるその塩を含む外用又は内服用組成物に配合する項15〜19の何れかに記載の方法。
項21. 多価アルコールを配合後の外用又は内服用組成物が、多価アルコールを、組成物の全量に対して、0.1〜80重量%含む項20に記載の方法。
項22. 多価アルコールを配合後の外用又は内服用組成物が、トラネキサム酸又は薬学的に許容されるその塩の1重量部に対して、多価アルコールを0.1〜100重量部含む項20又は21に記載の方法。
項23. 多価アルコールを配合後の外用又は内服用組成物が、ポリヒドロキシ酸又は薬学的に許容されるその塩の1重量部に対して、多価アルコールを0.1〜100重量部含む項20〜22の何れかに記載の方法。
項24. さらに、水溶性高分子を、トラネキサム酸又は薬学的に許容されるその塩を含む外用又は内服用組成物に配合する項15〜23の何れかに記載の方法。
項25. 水溶性高分子を配合後の外用又は内服用組成物が、水溶性高分子を、組成物の全量に対して、0.01〜10重量%含む項24に記載の方法。
項26. 水溶性高分子を配合後の外用又は内服用組成物が、トラネキサム酸又は薬学的に許容されるその塩の1重量部に対して、水溶性高分子を0.01〜100重量部含む項24又は25に記載の方法。
項27. 水溶性高分子を配合後の外用又は内服用組成物が、ポリヒドロキシ酸又は薬学的に許容されるその塩の1重量部に対して、水溶性高分子を0.001〜100重量部含む項24〜26の何れかに記載の方法。
項28. ポリヒドロキシ酸又は薬学的に許容されるその塩、又はさらに多価アルコール及び水溶性高分子からなる群より選ばれる化合物を配合後の外用又は内服用組成物のpHが3〜7である項15〜27の何れかに記載の方法。
項30.さらに、多価アルコール、及び/又は水溶性高分子を含む項29に記載の結晶析出抑制剤。
また、本発明の組成物は、ポリヒドロキシ酸又はその塩を含むという簡単な組成で、トラネキサム酸又はその塩の結晶析出が効果的に抑制されているため、広範囲の用途の組成物に適用できる。また、ポリヒドロキシ酸又はその塩に加えて、さらに多価アルコール、及び/又は水溶性高分子を、トラネキサム酸又はその塩を含む組成物に配合することにより、トラネキサム酸又はその塩の結晶析出が一層効果的に抑制される。このように、本発明では、汎用の成分を用いて、トラネキサム酸又はその塩の結晶析出を抑制できる。
トラネキサム酸又はその塩
トラネキサム酸の薬学的に許容される塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩のようなアルカリ土類金属塩;亜鉛塩;鉄塩;アンモニウム塩;アルギニン、リジン、ヒスチジン、オルニチンのような塩基性アミノ酸との塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンのようなアミンとの塩などが挙げられる。中でも、ナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩、アルギニン塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。
また、組成物中のトラネキサム酸又はその塩の含有量は、組成物の全量に対して、約10重量%以下が好ましく、約5重量%以下がより好ましく、約2重量%以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、容器口での結晶析出が十分に抑制される。
ポリヒドロキシ酸としては、炭素数3〜15、水酸基数2〜10(好ましくは、2〜6、カルボキシル基数1〜2(好ましくは1)の化合物が挙げられる。
このようなポリヒドロキシ酸の具体例として、グリセリン酸のようなジヒドロキシプロパン酸(水酸基数2、カルボキシル基数1);エリスロン酸、及びスレオン酸のようなトリヒドロキシブタン酸(水酸基数3、カルボキシル基数1);リボン酸、アラビノン酸、キシロン酸、及びリキソン酸のようなテトラヒドロキシペンタン酸(水酸基数4、カルボキシル基数1);アロン酸、アルトロン酸、グルコン酸、マンノン酸、グロン酸、イドン酸、ガラクトン酸、及びタロン酸のようなペンタヒドロキシヘキサン酸(水酸基数5、カルボキシル基数1);グルコヘプトン酸、及びガラクトヘプトン酸のようなヘキサヒドロキシヘプタン酸(水酸基数6、カルボキシル基数1);並びに酒石酸(水酸基数2、カルボキシル基数2)などが挙げられる。また、上記のポリヒドロキシ酸と、ガラクトース、グルコース、及びマルトースのような糖との糖酸も、本発明のポリヒドロキシ酸に含まれる。
中でも、ペンタヒドロキシヘキサン酸(特に、グルコン酸)、酒石酸、又はこれらの酸とガラクトース、グルコース、及びマルトースのような糖との糖酸(特に、ラクトビオン酸、マルトビオン酸)が好ましい。
グルコン酸は、単糖でありながらビフィズ菌を選択的に増殖させるなどの機能性を有しており、また、まろやかな酸味を有している。このため、グルコン酸又はその塩は、塩味代替成分、味のマスキング剤、pH調節剤、又は日持向上剤などとして、化粧品、医薬部外品、医薬、及び食品などに幅広く利用されている成分である。
ポリヒドロキシ酸又はその塩は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
また、組成物中のポリヒドロキシ酸又はその塩の含有量は、組成物の全量に対して、約30重量%以下が好ましく、約20重量%以下がより好ましく、約10重量%以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、十分に結晶析出が抑制され、使用感のよいものが得られる。
また、ポリヒドロキシ酸又はその塩の含有量は、トラネキサム酸又はその塩の1重量部に対して、約100重量部以下が好ましく、約20重量部以下がより好ましく、約10重量部以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、十分に結晶析出が抑制され、使用感のよいものが得られる。
多価アルコールとしては、炭素数2〜10のものが好ましく、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、イソプレングリコール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、及びネオペンチルグリコール等が挙げられる。中でも、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、イソプレングリコール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、及びオクタンジオールが好ましく、グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、イソプレングリコール、ソルビトール、キシリトール、エリスリトール、マンニトール、ペンタンジオール、及びヘキサンジオールがより好ましい。
多価アルコールは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
また、組成物中の多価アルコールの含有量は、組成物の全量に対して、例えば約80重量%以下とすればよく、約60重量%以下が好ましく、約40重量%以下がより好ましく、約20重量%以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、十分な保湿効果が得られながら、使用感のよいものが得られる。
また、多価アルコールの含有量は、トラネキサム酸又はその塩の1重量部に対して、約100重量部以下が好ましく、約70重量部以下がより好ましく、約40重量部以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、十分な保湿効果が得られながら、使用感のよいものが得られる。
また、多価アルコールの含有量は、ポリヒドロキシ酸又はその塩の1重量部に対して、約100重量部以下が好ましく、約70重量部以下がより好ましく、約40重量部以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、十分な保湿効果が得られながら、使用感のよいものが得られる。
水溶性高分子は、天然由来品、又は合成品の何れであってもよい。水溶性高分子としては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びカルボキシエチルセルロースのようなセルロース系増粘剤;グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、キサンタンガム、及びスクレロチウムガムのようなガム系増粘剤;アルギン酸;コンドロイチン硫酸ナトリウム;ヒアルロン酸;ポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン;カルボキシビニルポリマー、並びにアルキル変性カルボキシビニルポリマーなどが挙げられる。中でも、キサンタンガム、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、及びカルボキシビニルポリマーが好ましい。
また、組成物中の水溶性高分子の含有量は、組成物の全量に対して、例えば約10重量%以下とすればよく、約8重量%以下が好ましく、約5重量%以下がより好ましく、約2重量%以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、十分な増粘効果が得られながら、使用感のよいものが得られる。
また、水溶性高分子の含有量は、トラネキサム酸又はその塩の1重量部に対して、約100重量部以下が好ましく、約70重量部以下がより好ましく、約40重量部以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、十分な増粘が得られながら、使用感のよいものが得られる。
また、水溶性高分子の含有量は、ポリヒドロキシ酸又はその塩の1重量部に対して、約100重量部以下が好ましく、約70重量部以下がより好ましく、約40重量部以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、十分な増粘効果が得られながら、使用感のよいものが得られる。
本発明の組成物のpHは、約3以上が好ましく、約3.5以上がより好ましく、約4以上がさらにより好ましい。上記範囲であれば、トラネキサム酸又はその塩の結晶析出が十分に抑制され、かつ使用感のよいものが得られる。
また、本発明の組成物のpHは、約7以下が好ましく、約6.5以下がより好ましく、約6以下がさらにより好ましい。上記範囲であれば、トラネキサム酸又はその塩の結晶析出が十分に抑制され、かつ使用感のよいものが得られる。
本発明の組成物は、トラネキサム酸又はその塩、及びポリヒドロキシ酸又はその塩、さらに必要であれば多価アルコール、及び/又は水溶性高分子を、化粧品、又は医薬部外品に通常使用される基剤又は担体、及び必要に応じて添加剤、その他の有効成分と共に混合して、化粧品、又は医薬部外品用の皮膚や粘膜などに適用される外用組成物とすることができる。
クリーム剤、乳剤、及び軟膏剤のように、油性基剤と水性基剤とを含む場合は、W/O型でもよく、O/W型でもよいが、トラネキサム酸の安定性及び使用感が良い点で、O/W型が好ましい。
基剤又は担体としては、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ゲル化炭化水素(プラスチベースなど)、オゾケライト、α−オレフィンオリゴマー、及び軽質流動パラフィンのような炭化水素;メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル変性分岐シリコーン、ポリグリセリン変性分岐シリコーン、アクリルシリコーン、フェニル変性シリコーン、及びシリコーンレジンのようなシリコーン油;ヤシ油、オリーブ油、コメヌカ油、シアバターのような油脂;ホホバ油、ミウロウ、キャンデリラロウ、及びラノリンのようなロウ類;セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、フィトステロール、及びコレステロールのような高級アルコール;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース誘導体;ポリビニルピロリドン;カラギーナン;ポリビニルブチラート;ポリエチレングリコール;ジオキサン;ブチレングリコールアジピン酸ポリエステル;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、及びテトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリットのようなエステル類;デキストリン、及びマルトデキストリンのような多糖類;カルボキシビニルポリマー、及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーのようなビニル系高分子;エタノール、及びイソプロパノールのような低級アルコール;並びにエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、及びジプロピレングリコールモノプロピルエーテルのようなグリコールエーテルなどが挙げられる。本発明の組成物が多価アルコールを含む場合、多価アルコールは基剤又は担体としての役割も果たす場合がある。
基剤又は担体は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
外用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧品、又は医薬部外品に添加される公知の添加剤、例えば、酸化防止剤、界面活性剤、増粘剤、保存剤、pH調整剤、安定化剤、刺激軽減剤、防腐剤、着色剤、香料、及びパール光沢付与剤等を添加することができる。
酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、トコフェロール、トコフェロール誘導体、エリソルビン酸、及びL−システイン塩酸塩などが挙げられる。
刺激低減剤としては、甘草エキス、及びアルギン酸ナトリウムなどが挙げられる。
外用組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の有効成分を含むことができる。有効成分の具体例としては、例えば、保湿成分、抗炎症成分、抗菌成分、ビタミン類、ペプチド又はその誘導体、アミノ酸又はその誘導体、細胞賦活化成分、老化防止成分、血行促進成分、角質軟化成分、美白成分、及び収斂成分などが挙げられる。
老化防止成分としては、パンガミン酸、カイネチン、ウルソール酸、ウコンエキス、スフィンゴシン誘導体、ケイ素、ケイ酸、N−メチル−L−セリン、及びメバロノラクトン等が挙げられる。
美白成分としては、トコフェロールなどが挙げられる。
収斂成分としては、パラフェノールスルホン酸亜鉛、酸化亜鉛、メントール、及びエタノールなどが挙げられる。
また、本発明の組成物は、トラネキサム酸又はその塩、及びポリヒドロキシ酸又はその塩を、医薬に通常使用される基剤又は担体、及び必要に応じて添加剤、その他の有効成分と共に混合して、医薬用の皮膚や粘膜などに適用される外用組成物とすることができる。
医薬用の外用組成物の形態は特に限定されず、例えば、液剤、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、ゲル剤、リニメント剤、ローション剤、エアゾール剤、及びパップ剤などが挙げられる。また、トラネキサム酸又はその塩を溶解させることができる程度の水を含む場合は軟膏とすることもできる。これらの製剤は、第15改正日本薬局方製剤総則に記載の方法等に従い製造することができる。中でも、液剤、乳剤、クリーム剤、ゲル剤、ローション剤、及びエアゾール剤が好ましく、液剤、乳剤、クリーム剤、及びゲル剤がより好ましい。
クリーム剤、乳剤、軟膏剤のように、油性基剤と水性基剤とを含む場合は、W/O型でもよく、O/W型でもよいが、トラネキサム酸の安定性及び使用感が良い点で、O/W型が好ましい。
本発明の組成物は、内服用ないしは経口投与用医薬組成物とすることができる。製剤の剤型としては、乳剤、液剤、及びシロップ剤などが挙げられる。このような製剤は、例えば、トラネキサム酸又はその塩、及びポリヒドロキシ酸又はその塩を、水、及び必要に応じて、エタノール、グリセリン、及び/又は単シロップなどと混合することにより調製することができる。
また、医薬組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、甘味料、防腐剤、粘滑剤、滑沢剤、希釈剤、緩衝剤、着香剤、及び着色剤などの医薬製剤に使用される任意の添加剤や、任意の有効成分を添加することができる。
本発明の組成物は、医薬部外品用の内服用組成物とすることもできる。具体的には、例えば、口中清涼剤、のど清涼剤、又は健胃清涼剤などとして用いられる内服用組成物が挙げられる。
医薬部外品用の内服用組成物の剤型としては、乳剤、液剤、及びシロップ剤などが挙げられる。このような液体製剤は、例えば、トラネキサム酸又はその塩、及びポリヒドロキシ酸又はその塩を、水、及び必要に応じて、エタノール、グリセリン、及び/又は単シロップなどと混合することにより調製することができる。
また、医薬部外品用の内服用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、甘味料、防腐剤、粘滑剤、滑沢剤、希釈剤、緩衝剤、着香剤、及び着色剤などの食品又は医薬部外品組成物に使用される任意の添加剤や、任意の有効成分を添加することができる。
本発明の組成物が外用組成物である場合の組成物の使用方法は、使用対象の皮膚や粘膜の状態、トラネキサム酸又はその塩の使用目的、年齢、又は性別などによって異なるが、例えば以下の方法とすればよい。
即ち、1日数回(例えば、約1〜5回、好ましくは1〜3回)、適量(例えば、約0.05〜5g)を皮膚に塗布すればよい。また、トラネキサム酸又はその塩の1日使用量が、例えば約3〜1000mgとなるように組成物を塗布すればよい。塗布期間は、例えば約3〜100日間とすればよい。
即ち、トラネキサム酸又はその塩の例えば約20〜2000mgを、1日数回(例えば、約1〜3回)に分けて内服すればよい。また、内服期間は、例えば約1〜100日間とすればよい。
本発明は、ポリヒドロキシ酸又はその塩を、トラネキサム酸又はその塩を含む外用又は内服用組成物に配合する、トラネキサム酸又はその塩の結晶析出抑制方法を包含する。さらに、ポリヒドロキシ酸又はその塩と、多価アルコール及び/又は水溶性高分子とを、トラネキサム酸又はその塩を含む外用又は内服用組成物に配合する、トラネキサム酸又はその塩の結晶析出抑制方法を包含する。各成分の種類、含有量、含有比率、組成物の性状、用途などは本発明の組成物について説明した通りである。
また、本発明は、ポリヒドロキシ酸又はその塩を含む、トラネキサム酸又はその塩の結晶析出抑制剤を包含する。さらに、ポリヒドロキシ酸又はその塩と、多価アルコール及び/又は水溶性高分子とを含む、トラネキサム酸又はその塩の結晶析出抑制剤を包含する。各成分の種類、含有量、含有比率、組成物の性状、用途などは本発明の組成物について説明した通りである。
グルコン酸を添加した実施例1〜3では、同濃度のクエン酸、又は塩酸を添加した比較例1〜7に比べて結晶析出が抑えられていた。
下記表2の通り、精製水にトラネキサム酸およびグルコン酸を加えて溶解させ、1N 水酸化ナトリウム溶液にてpH調整を行った。その後、6well plate(TPP tissue culture plates TPP92406:Second Plastic Products AG社:直径34.6mm)に水溶液各1gを取り、60℃のホットプレート(EC−1200N:アズワン株式会社)上で時々振盪させながら2時間加熱し、水分を蒸発させた。蒸発後660nmにおける吸光度をマイクロプレートリーダー(SH-9000:コロナ電気株式会社)を用いて測定し、各wellの濁度を調べた。
下記表3の通り、精製水にトラネキサム酸、グルコン酸及び各成分を加え、溶解させた。その後、6well plate(TPP tissue culture plates TPP92406:Techno Plastic Products AG社:直径34.6mm)に水溶液各1gを取り、60℃のホットプレート(EC−1200N:アズワン株式会社)上で時々振盪させながら、2時間加熱し、水分を蒸発させた。蒸発後660nmにおける吸光度をマイクロプレートリーダー(SH-9000:コロナ電気株式会社)を用いて測定し、各wellの濁度を調べた。
図3から明らかなように、グルコン酸を含む実施例8〜15の製剤は、グルコン酸を含まない比較例1の製剤に比べて、トラネキサム酸の結晶析出が、顕著に抑制されていた。多価アルコール配合製剤(実施例8〜12)は、トラネキサム酸及びグルコン酸のみを含む実施例15の製剤に比べて、トラネキサム酸の結晶析出がより効果的に抑えられた。また、多価アルコールに代えて、キサンタンガム又はペムレンを配合した実施例13及び14の製剤は、トラネキサム酸及びグルコン酸のみを含む実施例15の製剤とほぼ同程度に結晶析出が抑えられていた。以上の結果から、多価アルコールを配合することにより、トラネキサム酸の結晶析出がより効果的に抑制されることが分かる。
下記表4の通り、精製水にトラネキサム酸、又はさらにグルコン酸を加え、溶解させた。その後、結晶析出試験(3)と同様にして、660nmにおける吸光度をマイクロプレートリーダーを用いて測定した。
下記表5の通り、精製水にトラネキサム酸、又はさらにグルコン酸及びプロピレングリコールを加え、溶解させた。その後、結晶析出試験(3)と同様にして、660nmにおける吸光度をマイクロプレートリーダーを用いて測定した。
下記表6の通り、精製水にトラネキサム酸、又はさらにグルコン酸、又はさらにプロピレングリコールを加え、溶解させた。その後、結晶析出試験(3)と同様にして、660nmにおける吸光度をマイクロプレートリーダーを用いて測定した。
<実施例16:化粧水>
精製水に下記表7の各成分を混合、溶解して調整した。pHは6.7であった。
下記表8に示す組成で、トラネキサム酸、グルコン酸、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、SEPIGEL 305、イソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20EO)、キサンタンガム、メチルパラベン、エデト酸二ナトリウム及び精製水を混ぜて水相とし、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、ステアリルアルコール、モノステアリン酸グリセリン及びプロピルパラベンを混ぜて油相とし、各相を加熱攪拌し、均一にした後に、水相と油相を混ぜて乳化し、冷却後に香料を加えて調整した。pHは4.7であった。
精製水に、下記表9の各成分を混合して均一にし、調整した。pHは5.8であった。
下記表10に示す組成で、精製水にトラネキサム酸、グルコン酸、ジプロピレングリコール、ピロ亜硫酸ナトリウム及びメチルパラベンを混合して水相とし、スクワラン、ホホバ油、SIMULGEL NS、メチルポリシロキサン及び酢酸トコフェロールを混合して油相とし、各相を加熱攪拌して、均一にした後に乳化し、冷却後にフェノキシエタノール及び香料を加え、pH調整剤を加えて調整した。pH4.2であった。
精製水に、下記表11の各成分を混合して均一にし、調整した。pH3.8であった。
Claims (12)
- トラネキサム酸又は薬学的に許容されるその塩、及びグルコン酸又は薬学的に許容されるその塩(グルコン酸クロルヘキシジンを除く)を含む、外用又は内服用組成物(ただし、水溶性遷移金属化合物を含有する歯磨組成物を除く)。
- トラネキサム酸又は薬学的に許容されるその塩を、組成物の全量に対して、0.001〜10重量%含む請求項1に記載の組成物。
- グルコン酸又は薬学的に許容されるその塩を、組成物の全量に対して、0.1〜30重量%含む請求項1又は2に記載の組成物。
- トラネキサム酸又は薬学的に許容されるその塩の1重量部に対して、グルコン酸又は薬学的に許容されるその塩を0.1〜100重量部含む請求項1〜3の何れかに記載の組成物。
- さらに、多価アルコールを含む請求項1〜4の何れかに記載の組成物。
- さらに、水溶性高分子を含む請求項1〜5の何れかに記載の組成物。
- グルコン酸又は薬学的に許容されるその塩(グルコン酸クロルヘキシジンを除く)を、トラネキサム酸又は薬学的に許容されるその塩を含む外用又は内服用組成物(ただし、水溶性遷移金属化合物を含有する歯磨組成物を除く)に配合する、トラネキサム酸又は薬学的に許容されるその塩の結晶析出抑制方法。
- さらに、多価アルコールを、トラネキサム酸又は薬学的に許容されるその塩を含む外用又は内服用組成物(ただし、水溶性遷移金属化合物を含有する歯磨組成物を除く)に配合する請求項7に記載の方法。
- さらに、水溶性高分子を、トラネキサム酸又は薬学的に許容されるその塩を含む外用又は内服用組成物(ただし、水溶性遷移金属化合物を含有する歯磨組成物を除く)に配合する請求項7又は8に記載の方法。
- グルコン酸又は薬学的に許容されるその塩(グルコン酸クロルヘキシジンを除く)を含む、トラネキサム酸又は薬学的に許容されるその塩の結晶析出抑制剤。
- さらに、多価アルコールを含む請求項10に記載の結晶析出抑制剤。
- さらに、水溶性高分子を含む請求項10又は11に記載の結晶析出抑制剤。
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