JP6743382B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents

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Description

本発明は、組成物に関する。
トラネキサム酸は、保湿作用、美白作用等の作用を有することから化粧品の有効成分として用いられてきた。しかし、トラネキサム酸類を含有する化粧品は、皮膚に適用した際にべたつき、ぬるぬる感など使用感の低下を生ずることが指摘されてきた。
特許文献1には、トラネキサム酸類とキサンタンガムとグリセリンと所定の親水性両親媒性物質とを所定割合で含有し、30℃における粘度が500mPa・s以下であり、キサンタンガム以外の増粘成分を実質的に含有しない液状皮膚外用剤組成物が、トラネキサム酸類を含有することによって生ずるべたつきやきしみを抑制し、みずみずしくなじみの良いことが記載されている。
特許第4726151号公報
しかし特許文献1の組成物では、トラネキサム酸類の他に3つの有効成分を含む必要がありしかもその分量も特定されていることから配合のバリエーションが限られていることおり、より少ない有効成分でトラネキサム酸類の本来有する保湿作用を低下させずに、かつ使用感の低下を改善することができる新たな組成物が求められていた。
本発明は、トラネキサム酸類を含む組成物であって、トラネキサム酸類の本来有する保湿作用を低下させずに、かつ使用感の低下を改善することができる新たな組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、トラネキサム酸および/またはその塩に、ステロールエステル、並びにアミノ酸および/またはアミノ酸誘導体を含む組成物は、トラネキサム酸類の有する保湿機能等の機能を十分に発揮するとともに、優れた使用感を発揮することを見出し、本発明に到達した。
本発明は、以下を提供する。
[1](A)成分:トラネキサム酸および/またはその塩、
(B)成分:ステロールエステル、および、
(C)成分:アミノ酸および/またはアミノ酸誘導体
を含む組成物。
[2](B)成分が、N−アシルアミノ酸ステロールエステルである、[1]に記載の組成物。
[3](B)成分が、式(1):
Figure 0006743382
(式(1)中、
Xは、水素原子、C8-38脂肪族アルコールのエステル生成残基、またはステロールのエステル生成残基を示し、
1は、水素原子またはC1-6アルキル基を示し、
COR2は、C8-22アシル基を示し、
3は、水素原子、または−COOY(式中、Yは、水素原子、C8-38脂肪族アルコールのエステル生成残基、またはステロールのエステル生成残基を示す)で示される基を示し、
nは1または2を示す。
但し、R3が水素原子のとき、Xはステロールのエステル生成残基であり、R3が−COOYで示される基のとき、XまたはYの少なくとも一方がステロールのエステル生成残基である。)
で示されるN−アシルアミノ酸ステロールエステルである、[1]または[2]に記載の組成物。
[4]ステロールのエステル生成残基がフィトステロールまたはコレステロールのエステル生成残基である[3]に記載の組成物。
[5]COR2がラウロイル基またはミリストイル基である[3]または[4]に記載の組成物。
[6]nが2である、[3]〜[5]のいずれか1項に記載の組成物。
[7]ステロールのエステル生成残基がフィトステロールのエステル生成残基であり、COR2がラウロイル基であり、かつnが2である、[3]〜[6]のいずれか1項に記載の組成物。
[8](B)成分が、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニルおよびミリストイルメチル−β−アラニン(フィトステリル/デシルテトラデシル)からなる群より選ばれる少なくとも1つである、[1]〜[5]のいずれか1項に記載の組成物。
[9](C)成分のアミノ酸誘導体が、ペプチド、アミノ酸またはペプチドの塩、アミノ酸またはペプチドのエステル、アセチルアミノ酸、アミノ酸またはペプチドの環化物およびそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1つである、[1]〜[8]のいずれか1項に記載の組成物。
[10](C)成分が、ピロリドンカルボン酸、N−アセチル−L−システイン、グリシン、アルギニン、およびそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも1つである、[1]〜[9]のいずれか1項に記載の組成物。
[11](A)成分の含有量が、0.5重量%以上5.0重量%以下である、[1]〜[10]のいずれか1項に記載の組成物。
[12](B)成分の含有量が、0.01重量%以上2.0重量%以下である、[1]〜[11]のいずれか1項に記載の組成物。
[13](C)成分の含有量が、0.005重量%以上5.0重量%以下である、[1]〜[12]のいずれか1項に記載の組成物。
[14](B)成分の含有量に対する(A)成分の含有量の比率が、0.5以上である、[1]〜[13]のいずれか1項に記載の組成物。
[15]外用剤である[1]〜[14]のいずれか1項に記載の組成物。
[16]皮膚外用剤である[1]〜[15]のいずれか1項に記載の組成物。
本発明の組成物は、トラネキサム酸および/またはその塩の発揮する保湿機能等の機能を充分に発揮し得るとともに、トラネキサム酸および/またはその塩に起因する使用感の低下が抑制され、その結果べたつきおよびぬるぬる感が生じにくく、さらさら感およびはり感が良好であり、皮膚外用剤として有用である。
本発明の組成物は、以下の(A)〜(C)成分を含む。
(A)成分は、トラネキサム酸および/またはその塩である。トラネキサム酸は、(トランス−4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸)とも称される。トラネキサム酸の塩としては例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩等の鉱酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩、アンモニウム塩、トリシクロヘキシルアンモニウム塩等のアンモニウム塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モノイソプロパノールアミン塩、ジイソプロパノールアミン塩、トリイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。
トラネキサム酸およびその塩の製法は特に限定されない。(A)成分は、トラネキサム酸またはその塩であってもよいし、トラネキサム酸およびその塩の組み合わせであってもよいし、2以上のトラネキサム酸の塩の組み合わせであってもよい。
(B)成分は、ステロールエステルである。ステロールエステルとしては例えば、N−アシルアミノ酸ステロールエステル、および脂肪酸ステロールエステル等が挙げられる。N−アシルアミノ酸ステロールエステルは、ステロールをアシルアミノ酸でエステル化して得ることができる。脂肪酸ステロールエステルは、ステロールを脂肪酸でエステル化して得ることができる。
ステロールとしては例えば、カンペステロール、カンペスタノール、ブラシカステロール、22−デヒドロカンペステロール、スチグマステロール、スチグマスタノール、22−ジヒドロスピナステロール、22−デヒドロスチグマスタノール、7−デヒドロスチグマステロール、シトステロール、チルカロール、オイホール、フコステロール、イソフコステロール、コジステロール、クリオナステロール、ポリフェラステロール、クレロステロール、22−デヒドロクレロステロール、フンギステロール、コンドリラステロール、アベナステロール、ベルノステロール、ポリナスタノール等のフィトステロール;コレステロール、ジヒドロコレステロール、コレスタノール、コプロスタノール、エピコプロステロール、エピコプロスタノール、22−デヒドロコレステロール、デスモステロール、24−メチレンコレステロール、ラノステロール、24,25−ジヒドロラノステロ−ル、ノルラノステロ−ル、スピナステロール、ジヒドロアグノステロール、アグノステロール、ロフェノール、ラトステロール等の動物性ステロール;デヒドロエルゴステロール、22,23−ジヒドロエルゴステロール、エピステロール、アスコステロール、フェコステロール等の菌類性ステロール等、ならびにそれらの水添物およびそれらの配合物等が挙げられる。植物から抽出等によって得られるステロールの混合物を用いても良い。
ステロールとしては、フィトステロール、ラノステロール、コレステロールまたはジヒドロコレステロールが好ましく、フィトステロールがより好ましい。シトステロール、スチグマステロール、カンペステロールおよびブラシカステロールを含むフィトステロールを用いることがより好ましい。
シトステロール、スチグマステロール、カンペステロールおよびブラシカステロールの組み合わせにおけるそれぞれの比は、シトステロール:スチグマステロール:カンペステロール:ブラシカステロールが25〜65:10〜45:5〜30:0.01〜10であることが好ましく、35〜55:20〜35:10〜25:0.1〜8であることがより好ましい。
アシルアミノ酸のアミノ酸としては、グリシン、N−メチルグリシン、アラニン、β−アラニン、N−メチル−β−アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン、グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、リシン等が挙げられる。なかでもアラニン、β−アラニン、N−メチル−β−アラニン、グルタミン酸が好ましく、N−メチル−β−アラニン、グルタミン酸がより好ましく、グルタミン酸がさらにより好ましい。
ステロールエステルは、好ましくは、N−アシルアミノ酸ステロールエステルであり、中でも、式(1)で示されるN−アシルアミノ酸ステロールエステルがより好ましい。
Figure 0006743382
(式(1)中、
Xは、水素原子、C8-38脂肪族アルコールのエステル生成残基、またはステロールのエステル生成残基を示し、
1は、水素原子またはC1-6アルキル基を示し、
COR2は、C8-22アシル基を示し、
3は、水素原子、または−COOY(式中、Yは、水素原子、C8-33脂肪族アルコールのエステル生成残基、またはステロールのエステル生成残基を示す)で示される基を示し、
nは1または2を示す。
但し、R3が水素原子のとき、Xはステロールのエステル生成残基であり、R3が−COOYで示される基のとき、XまたはYの少なくとも一方がステロールのエステル生成残基である。)
本明細書中「Ca-b」は、その直後の化合物または置換基の炭素数がa個〜b個であることを示す。
XまたはYで示される「C8-38脂肪族アルコールのエステル生成残基」における「C8-38脂肪族アルコール」は、天然または合成の、直鎖または分岐鎖の、飽和または不飽和の、一価のC8-38脂肪族アルコールであればよく、例えば、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジニルアルコール、ベヘニルアルコール等の直鎖飽和アルコール;2−ヘキシルデシルアルコール、2−オクチルドデシルアルコール、イソステアリルアルコール、デシルテトラデシルアルコール等の分岐鎖飽和アルコール;オレイルアルコール、リノレイルアルコール等の直鎖不飽和アルコール;等が挙げられる。
XまたはYで示される「C8-38脂肪族アルコールのエステル生成残基」における「C8-38脂肪族アルコール」は、好ましくは、C8-30脂肪族アルコール(好ましくはC12-24脂肪族アルコール、より好ましくはC16-20脂肪族アルコール)でかつ融点が25℃以上のものであり、より好適には、2−ヘキシルデシルアルコール、2−オクチルドデシルアルコール、イソステアリルアルコール、デシルテトラデシルアルコール等の分岐鎖飽和アルコール;オレイルアルコール、リノレイルアルコール等の直鎖不飽和アルコールが挙げられる。中でも、2−ヘキシルデシルアルコール、2−オクチルドデシルアルコールまたはデシルテトラデシルアルコールが好ましく、2−オクチルドデシルアルコールがより好ましい。
別の態様として、XまたはYで示される「C8-38脂肪族アルコールのエステル生成残基」における「C8-38脂肪族アルコール」は、好ましくは、飽和C12-38脂肪族アルコール(好ましくはC12-24脂肪族アルコール、より好ましくはC16-22脂肪族アルコール)でかつ融点が25℃未満のものであり、より好適には、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等が挙げられる。中でも、ステアリルアルコールまたはベヘニルアルコールが好ましく、ベヘニルアルコールがより好ましい。
XまたはYで示される「ステロールのエステル生成残基」における「ステロール」としては、前述のステロールが挙げられる。中でも、フィトステロール、ラノステロール、コレステロールまたはジヒドロコレステロールが好ましく、フィトステロールまたはコレステロールがさらに好ましく、フィトステロールがより好ましい。シトステロール、スチグマステロール、カンペステロールおよびブラシカステロールを含むフィトステロールを用いることがより好ましい。
シトステロール、スチグマステロール、カンペステロールおよびブラシカステロールの組み合わせにおけるそれぞれの比は、シトステロール:スチグマステロール:カンペステロール:ブラシカステロールが25〜65:10〜45:5〜30:0.01〜10であることが好ましく、35〜55:20〜35:10〜25:0.1〜8であることがより好ましい。
XとYは同じでもよいし異なっていてもよい。
3としては、−COOYで示される基が好ましい。
COR2で示される「C8-22アシル基」としては、例えば、C8-22脂肪酸より誘導されるアシル基が挙げられる。C8-22脂肪酸は、直鎖および分岐鎖のいずれであってもよい。また飽和または不飽和脂肪酸であってもよい。C8-22脂肪酸としては例えば、オクタノイル、ノナノイル、デカノイル、ウンデカノイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、オレオイル、リノレイル等の基が挙げられる。単一組成の脂肪酸より誘導されるアシル基であってもよく、ヤシ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、パーム油脂肪酸等の天然より得られる混合脂肪酸、あるいは合成により得られる脂肪酸(分岐脂肪酸を含む)より誘導されるアシル基であってもよい。中でも、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイルまたはステアロイルが好ましく、ラウロイル、ミリストイルがより好ましく、ラウロイルがより好ましい。
COR2はC8-22アシル基を示すことから、R2は、直鎖または分岐鎖の、飽和または不飽和のC7-21の炭化水素基を表す。C7-21の炭化水素基としては例えば、C7-21アルキル基、およびC7-21アルケニル基が挙げられる。
「C7-21アルキル基」としては、例えば、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル(ラウリル)、トリデシル、テトラデシル(ミリスチル)、ペンタデシル、ヘキサデシル(パルミチル、セチル)、ヘプタデシル、オクタデシル(ステアリル)、ノナデシル、イコシル(アラキジニル)等が挙げられる。中でも、C11-13アルキル基が好ましい。
「C7-21アルケニル基」としては、直鎖または分岐鎖のいずれでもよく、例えば、1−ヘプテニル、1−オクテニル、1−ノネニル、1−デセニル、1−ウンデセニル、1−ドデセニル、1−トリデセニル、1−テトラデセニル、1−ペンタデセニル、1−ヘキサデセニル、1−ヘプタデセニル、1−オクタデセニル、1−ノナデセニル、1−イコセニル、1−ヘンイコセニル等が挙げられる。中でも、C11-13アルケニル基が好ましい。
1で示される「C1-6アルキル基」としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル等が挙げられる。中でも、メチル、エチルが好ましい。R1としては、水素原子が好ましい。
nは1または2を示す。nが1かつR3が−COOYで示される基の場合、式(1)で表されるN−アシルアミノ酸ステロールエステルは、N−アシルアスパラギン酸ステロールエステルである。nが2かつR3が−COOYで示される基の場合、式(1)で表されるN−アシルアミノ酸ステロールエステルは、N−アシルグルタミン酸ステロールエステルである。nが2かつR3が−COOYであること、すなわちN−アシルグルタミン酸ステロールエステルが好ましい。なお、アミノ酸は光学活性体またはラセミ体のいずれであってもよい。
なお、本発明において、(b)成分は、2以上のN−アシルアミノ酸ステロールエステルの組み合わせであってもよい。
N−アシルアミノ酸ステロールエステルとしては、N−ミリストイル−N−メチル−β−アラニンフィトステリル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル/2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/2−オクチルドデシル)またはN−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/2−オクチルドデシル/イソステアリル)が好ましく、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/2−オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル/2−オクチルドデシル)またはN−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/2−オクチルドデシル)がより好ましく、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/2−オクチルドデシル)またはN−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/2−オクチルドデシル)が好ましく、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/2−オクチルドデシル)、N−ミリストイル−N−メチル−β−アラニン(フィトステリル/デシルテトラデシル)がより好ましい。
なお、本明細書において、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル(コレステリル)/C8-38脂肪族アルキル)は、以下を意味する:N−ラウロイル−L−グルタミン酸の2つのカルボキシル基が両方ともフィトステロール(コレステロール)とエステル結合している化合物、2つのカルボキシル基が両方ともC8-38脂肪族アルコールとエステル形成している化合物、および、一方のカルボキシル基がフィトステロール(コレステロール)とエステル形成しもう一方のカルボキシル基がC8-38脂肪族アルコールとエステル形成している化合物を含む混合物(組成物)。例えば、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/2−オクチルドデシル)は、以下を意味する:N−ラウロイル−L−グルタミン酸の2つのカルボキシル基が両方ともフィトステロールとエステル形成している化合物;または、2つのカルボキシル基が両方ともフィトステロールとエステル形成している化合物、および、一方のカルボキシル基がフィトステロールとエステル形成しもう一方のカルボキシル基が2−オクチルドデシルアルコールとエステル形成している化合物を含む混合物(組成物)。即ち、該混合物(組成物)は、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジフィトステリルエステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸γ−フィトステリル−α−2−オクチルドデシルエステル、およびN−ラウロイル−L−グルタミン酸α−フィトステリル−γ−2−オクチルドデシルエステルを含む。
また、N−ラウロイル−L−グルタミン酸(フィトステリル(コレステリル)/C8-38脂肪族アルキル1/C8-38脂肪族アルキル2)は、以下を意味する:N−ラウロイル−L−グルタミン酸の2つのカルボキシル基が両方ともフィトステロール(コレステロール)とエステル形成している化合物、一方のカルボキシル基がフィトステロール(コレステロール)とエステル形成しもう一方のカルボキシル基がC8-38脂肪族アルコール1とエステル形成している化合物、および、一方のカルボキシル基がフィトステロール(コレステロール)とエステル形成しもう一方のカルボキシル基がC8-38脂肪族アルコール2とエステル形成している化合物を含む混合物(組成物)。例えば、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/2−オクチルドデシル)は、2つのカルボキシル基が両方ともフィトステロールとエステル形成している化合物、一方のカルボキシル基がフィトステロール(コレステロール)とエステル形成しもう一方のカルボキシル基がベヘニルアルコールとエステル形成している化合物、ならびに、一方のカルボキシル基がフィトステロールとエステル形成しもう一方のカルボキシル基が2−オクチルドデシルアルコールとエステル形成している化合物を含む混合物(組成物)を示す。即ち、該混合物(組成物)は、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジフィトステリルエステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸γ−フィトステリル−α−2−オクチルドデシルエステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸α−フィトステリル−γ−2−オクチルドデシルエステルおよびN−ラウロイル−L−グルタミン酸γ−フィトステリル−α−ベヘニルエステルおよびN−ラウロイル−L−グルタミン酸α−フィトステリル−γ−ベヘニルエステルを含む。
(C)成分は、アミノ酸および/またはアミノ酸誘導体である。アミノ酸およびアミノ酸誘導体を構成するアミノ酸の例は、(B)成分のステロールエステルを構成するアミノ酸として挙げた例と同じである。アミノ酸としては中性アミノ酸、塩基性アミノ酸が好ましく、グリシン、アルギニン(例、L−アルギニン)がより好ましい。
アミノ酸誘導体は、通常はアミノ酸の水溶性(親水性)誘導体であり親油性ではなくであり、そのため、(B)成分が通常水不溶性であるのとは区別される。アミノ酸誘導体は、アミノ酸の一部が修飾(例、アセチル化、エステル化等)された化合物や、アミノ酸の一部が他の化合物と結合した化合物に加え、2以上のアミノ酸がペプチド結合により結合したジペプチド、トリペプチド、オリゴペプチド等のペプチドも含む概念である。アミノ酸誘導体としては例えば、ペプチド;アミノ酸またはペプチドの塩;アミノ酸またはペプチドのエステル;アセチルアミノ酸またはその塩;アミノ酸またはペプチドの環化物、およびそれらの塩が挙げられる。ペプチドは、2以上のアミノ酸が結合している分子であればよく、アミノ酸数は特に問わない。ペプチドとしては例えば、アラニルグルタミン、グリシルグリシン、グルタミルリジン、カルノシン、アンセリン、アラニルオルニチン、グリシルチロシン、バリルグリシン、リジルオルニチン、オルニチルトレオニン、トレオニルオルニチン、プロリルヒスタミン、が挙げられる(以下同様)。アミノ酸の例は、(B)成分のステロールエステルを構成するアミノ酸の例と同じである(以下同様)。(C)成分において塩としては例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、塩酸塩、硝酸塩、硫酸塩等の鉱酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩等の有機酸塩、アンモニウム塩、トリシクロヘキシルアンモニウム塩等のアンモニウム塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩、モノイソプロパノールアミン塩、ジイソプロパノールアミン塩、トリイソプロパノールアミン等のアルカノールアミン塩等が挙げられる。N−アセチルアミノ酸の例としては、N−アセチルシステイン等が挙げられる。アミノ酸またはペプチドの環化物としては例えば、ピロリドンカルボン酸が挙げられる。その他、N−アセチル−2−メチルチアゾリジン−2,4−ジカルボン酸−2−エチルエステル、PCA(ピロリドンカルボン酸)アルギニン、PCAリジン、PCAヒスチジン、PCAカルニチン、タウリン、チオタウリン、ヒポタウリン、ピリドキシルセリン、ホスホセリン、グルタチオン、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸等もアミノ酸誘導体として挙げられる。
(C)成分は、ピロリドンカルボン酸、N−アセチル−L−システイン、グリシン、アルギニン、およびそれらの塩から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
アミノ酸およびアミノ酸誘導体の製法は特に限定されない。(C)成分は、アミノ酸およびアミノ酸誘導体から選ばれる1つであってもよいし、アミノ酸とアミノ酸誘導体の組み合わせであってもよい。また、2以上のアミノ酸を含んでいてもよいし、2以上のアミノ酸誘導体を含んでいてもよい。
本発明の組成物は、(A)成分を通常は0.5重量%以上含み、好ましくは1.0重量%以上含み、より好ましくは2.0重量%以上含む。これにより、トラネキサム酸による美白効果を得ることができる。上限は、通常は5.0重量%以下であり、好ましくは4.0重量%以下であり、より好ましくは3.0重量%以下である。従って(A)成分は、通常0.5重量%以上5.0重量%以下であり、好ましくは1.0重量%以上4.0重量%以下であり、より好ましくは2.0重量%以上3.0重量%以下である。
本発明の組成物は、(B)成分を通常は0.01重量%以上含み、好ましくは0.05重量%以上含み、より好ましくは0.1重量%以上含む。上限は、通常は5.0重量%以下であり、好ましくは2.0重量%以下であり、より好ましくは1.0重量%以下である。従って(B)成分は、通常0.01重量%以上5.0重量%以下であり、好ましくは0.05重量%以上2.0重量%以下であり、より好ましくは0.1重量%以上1.0重量%以下である。
本発明の組成物は、(C)成分を通常は0.005重量%以上含み、好ましくは0.01重量%以上含み、より好ましくは0.1重量%以上含む。上限は、通常は5.0重量%以下であり、好ましくは5.0重量%以下であり、より好ましくは1.0重量%以下である。従って(C)成分は、通常0.005重量%以上5.0重量%以下であり、好ましくは0.01重量%以上3.0重量%以下であり、より好ましくは0.01重量%以上1.0重量%以下である。
本発明の組成物の(A)成分の含量/(B)成分の含量の比率(A/B)は、通常は0.1以上であり、好ましくは0.5以上であり、より好ましくは20以上であり、更に好ましくは50以上である。上限は、通常は500以下であり、好ましくは200以下であり、より好ましくは100以下である。従って、A/Bは、好ましくは0.5以上500以下であり、より好ましくは20以上200以下であり、更に好ましくは50以上100以下である。
本発明の組成物の(A)成分の含量/(C)成分の含量の重量比率(A/C)は、通常は0.1以上であり、好ましくは0.2以上であり、より好ましくは0.3以上である。上限は、通常は1000以下であり、好ましくは100以下であり、より好ましくは50以下である。従って、A/Cは、通常は0.1以上1000以下であり、好ましくは0.2以上100以下であり、より好ましくは0.3以上50以下である。
本発明の組成物の(B)成分の含量/(C)成分の含量の重量比率(B/C)は、通常は0.002以上であり、好ましくは0.01以上であり、より好ましくは0.1以上である。上限は、通常は1000以下であり、好ましくは100以下であり、より好ましくは10以下である。従って、B/Cは、通常は0.002以上1000以下であり、好ましくは0.01以上100以下であり、より好ましくは0.1以上10以下である。
本発明の組成物において(A)〜(C)成分の合計量の占める重量比率は、通常は0.5重量%以上であり、好ましくは1.0重量%以上であり、より好ましくは2.0重量%以上である。上限は、通常は10重量%以下であり、好ましくは5.0重量%以下であり、より好ましくは4.0重量%以下である。従って(A)〜(C)成分の合計量の占める重量比率は、通常は0.5重量%以上10重量%以下であり、好ましくは1.0重量%以上5.0重量%以下であり、より好ましくは2.0重量%以上4.0重量%以下である。
本発明の組成物の使用形態は特に限定されないが、通常は、外用剤である。適用箇所は例えば、皮膚、爪、粘膜、毛髪であり、好ましくは皮膚である。本発明の組成物の剤形としては例えば、水溶液、乳化物、粉末分散体、およびエマルジョン(水中油型、油中水型等)等が挙げられ、具体的には例えば、液剤、油剤、ローション、ゲル、ゾル、乳液、懸濁液、クリーム、軟膏、貼付剤、スティック等が挙げられる。またいわゆる化粧料として、例えば、ローション、美容液等の化粧水;エモリエント乳液、ミルキーローション、ナリシング乳液、クレンジング乳液等の乳液;エモリエントクリーム、マッサージクリーム、クレンジングクリーム、メイクアップクリーム等のクリーム;スプレー;パック、ファンデーション、口紅、リップスティック、アイシャドウ、チーク、おしろい、カラーパウダー、マニキュア等のメイクアップ用化粧料;ヘアトニック、シャンプー、リンス、ヘアローション等のヘアケア用化粧品;洗顔料、メイク落とし、ボディシャンプー、石鹸等の皮膚洗浄用化粧料等が挙げられる。本発明の組成物は、化粧料、医薬部外品、または医薬として使用してもよい。
本発明の組成物は、1または2以上の基材を含んでいてもよい。基材は、通常の外用剤に用いられる基材であればよく、例えば、油性基剤、水溶性基剤、界面活性剤等が挙げられる。油性基剤としては例えば、綿実油、胡麻油、オリーブ油、カカオ脂などの植物油脂;カルバナワックス、ミツロウ等のロウ;ワセリン、流動パラフィン、固形パラフィン、スクワラン、オレフィンオリゴマー、プラスチベース、ミネラルオイルなどの高級炭化水素;ステアリン酸、パルミチン酸などの脂肪酸およびそれらのエステル;セタノール、ステアリルアルコール等の高級アルコール類;メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、シリコンフルイド、シリコーンゴム、シリコーン油、ジメチコン(ジメチルポリシロキサン)などのシリコーン、白灯油等のベースワックス、天然高分子等が挙げられる。水溶性基剤としては例えば、ポリビニルアルコール、カルボキシビニルポリマー、セルロース誘導体(メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カチオン化セルロース等)、エステル(イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、ステアリルステアレート、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、2−エチルヘキサン酸トリグリセリド等)、ポリオール(エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール共重合体、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エタノール、グリセリン等)などが挙げられる。
本発明の製剤は、必要に応じて、通常使用される添加成分を含んでいてもよい。添加成分としては例えば、可溶化剤(乳化剤)、界面活性剤、粘度調整剤、安定化剤、pH調整剤、保存剤、吸収促進剤、パール化剤、抗炎症剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、他の機能性成分(生理活性成分)、香料、色素、防腐剤、キレート剤等が挙げられる。
可溶化剤(乳化剤)としては例えば、(ピロリドンカルボン酸/イソステアリン酸)PEG−40水添ヒマシ油、グリセリルモノステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ジグリセリンモノステアリン酸エステル、ポリオキシエチレンセチルエーテル(セテス−20など)等が挙げられる。
界面活性剤としては例えば、ポリオキシエチレンソルビタンオレイン酸エステル、高級脂肪酸石けん、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、N−アシルアミノ酸塩、アシルN−メチルタウリン塩等のアニオン界面活性剤;塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウムなどのカチオン界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルアミドジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシ−N−ヒドロキシイミダゾリニウムベタインなどの両性界面活性剤;ポリオキシエチレン型、多価アルコールエステル型(ステアリン酸グリセリルなど)、エチレンオキシド・プロピレンオキシドブロック共重合体などの非イオン界面活性剤等が挙げられる。
粘度調整剤としては例えば、ポリアクリル酸、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシビニルポリマー(カルボマー)、ポリオキシエチレングリコールジステアリン酸エステル、エタノール等が挙げられる。安定化剤としては例えば、アスコルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム、EDTA等が挙げられる。pH調製剤としては例えば、リン酸塩緩衝剤、水酸化ナトリウム等が挙げられる。保存剤としては例えば、パラオキシ安息香酸エチル、安息香酸ナトリウム、サリチル酸、ソルビン酸、パラベン(メチルパラベン、プロピルパラベン等)、亜硫酸水素ナトリウム等が挙げられる。
他の機能性成分としては(A)〜(C)成分以外の成分であればよく、例えば、抗酸化成分、細胞再生促進成分、美白成分、保湿成分、育毛成分、メラニン抑制成分が挙げられる。
実施例1〜12および比較例1〜6
〔皮膚外用剤の調製〕
表2〜3に示す組成の実施例、比較例の皮膚外用剤(化粧水)を調製した。尚、表においての組成の配合量の単位は質量%である。調製手順は以下のとおりとした。
ピロテルCPI−40と(B)成分(ステロールエステル)を50℃に加温混合し、油相とした。精製水を50℃に加温、撹拌しながら油相を徐々に添加し、可溶化相とした。可溶化相を45℃以下に冷却し、(A)成分(トラネキサム酸)、(C)成分(アミノ酸およびアミノ酸誘導体)、または比較例にある保湿成分(グリセリン、BG、ヒアルロン酸)を撹拌しながら添加し、皮膚外用剤を調製した。
〔皮膚外用剤の使用感評価〕
表2および3に示す実施例、比較例の皮膚外用剤をパネルによって実際に肌に塗布し、使用感を以下の基準で評価した(n=2)。
Figure 0006743382
Figure 0006743382
Figure 0006743382
〔表2〜3の脚注〕
表中の数値の単位:重量%
PS−203:エルデュウ(登録商標) PS−203(味の素株式会社)[N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)]
PS−306:エルデュウ(登録商標) PS−306(味の素株式会社)[N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)]
APS−307:エルデュウ(登録商標) APS−307(味の素株式会社)[ミリストイルメチル−β−アラニン(フィトステリル/デシルテトラデシル)]
PCA−Na:AJIDEW(登録商標) N−50(味の素株式会社)[ピロリドンカルボン酸ナトリウム]
NAC:N−アセチルシステイン
Gly:グリシン
Arg:アルギニン
ピロテルCPI−40:ピロテルCPI−40(日本エマルジョン株式会社)[(PCA/イソステアリン酸)PEG−40水添ヒマシ油]
BG:ブチレングリコール
表2および3から以下のことが明らかである。(A)〜(C)成分のうちいずれかを欠く比較例の皮膚外用剤が、べたつきのなさ、さらさら感、はり感およびぬるぬる感のなさのいずれについても普通以下の評価であり、保湿感も普通以下の評価であるものが多かった。これと比べて、(A)〜(C)成分を含む実施例の皮膚外用剤は、評価した5項目のいずれも概ね良好な評価であった。中でも実施例1〜3、9および10の皮膚外用剤は、保湿感にて高い評価であった。
この結果は、本発明の(A)〜(C)成分を含む組成物が、(A)成分本来の保湿機能等の機能を充分に発揮し得るとともに、(A)成分に起因する使用感の低下が抑制され、その結果べたつきおよびぬるぬる感が生じにくく、良好なさらさら感およびはり感を呈することを示している。
処方例(クリーム)
表4に示す処方にてクリームを調製した。得られたクリームは、保湿性および使用感の両方に優れていた。
Figure 0006743382

Claims (9)

  1. (A)成分:トラネキサム酸および/またはその塩、
    (B)成分:ステロールエステル、および、
    (C)成分:ピロリドンカルボン酸、N−アセチル−L−システイン、グリシン、アルギニン、それらのアルカリ金属、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、およびアルカノールアミン塩からなる群より選ばれる少なくとも1つ
    を含み、
    (B)成分のステロールエステルのエステル生成残基の少なくとも1つは、フィトステロールのエステル生成残基であり、
    (A)成分の含有量が、2.0重量%以上5.0重量%以下であり、
    (B)成分の含有量に対する(A)成分の含有量の比率が、0.5以上であり、
    (C)成分の含有量が、0.05重量%以上5.0重量%以下である、
    皮膚外用剤
  2. (B)成分が、N−アシルアミノ酸ステロールエステルである、請求項1に記載の皮膚外用剤
  3. (B)成分が、式(1):
    Figure 0006743382
    (式(1)中、
    Xは、水素原子、C8-38脂肪族アルコールのエステル生成残基、またはステロールのエステル生成残基を示し、
    1は、水素原子またはC1-6アルキル基を示し、
    COR2は、C8-22アシル基を示し、
    3は、水素原子、または−COOY(式中、Yは、水素原子、C8-38脂肪族アルコールのエステル生成残基、またはステロールのエステル生成残基を示す)で示される基を示し、
    nは1または2を示す。
    但し、R3が水素原子のとき、Xはステロールのエステル生成残基であり、R3が−COOYで示される基のとき、XまたはYの少なくとも一方がフィトステロールのエステル生成残基である。)
    で示されるN−アシルアミノ酸ステロールエステルである、請求項1または2に記載の皮膚外用剤
  4. ステロールのエステル生成残基がフィトステロールのエステル生成残基である請求項1〜3のいずれか1項に記載の皮膚外用剤
  5. COR2がラウロイル基またはミリストイル基である請求項3または4に記載の皮膚外用剤
  6. nが2である、請求項3〜5のいずれか1項に記載の皮膚外用剤
  7. ステロールのエステル生成残基がフィトステロールのエステル生成残基であり、COR2がラウロイル基であり、かつnが2である、請求項3〜6のいずれか1項に記載の皮膚外用剤
  8. (B)成分が、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル/フィトステリル/ベヘニル)およびミリストイルメチル−β−アラニン(フィトステリル/デシルテトラデシル)からなる群より選ばれる少なくとも1つである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の皮膚外用剤
  9. (B)成分の含有量が、0.01重量%以上2.0重量%以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の皮膚外用剤
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