JP2008222759A - ゲル化剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】流動パラフィンやシリコーンを含む幅広い油性基剤を増粘することが可能であり、実用的な溶解温度、増粘効果を有しつつ使用感に優れたゲル状組成物を生成しうるゲル化剤を提供する。
【解決手段】特定のリジン誘導体(A成分)にアシルアミノ酸および/または長鎖脂肪酸(B成分)を含有させる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、特定のリジン誘導体(A成分)とアシルアミノ酸および/または長鎖脂肪酸(B成分)を含有するゲル化剤、および少なくとも1種の油剤からなるゲル状組成物に関する。
従来、水に溶解しない油性基剤のゲル化剤としては、一般的にはポリアミド樹脂、12−ヒドロキシステアリン酸、脂肪酸デキストリン、脂肪酸イヌリン、脂肪酸グリセリン、ジベンジリデン−D−ソルビトール、アシルアミノ酸エステル(特許文献1)などが知られている。しかし、これらのゲル化剤は、特定の油剤をゲル化することは可能であったが、幅広く種々の油剤に対してゲル化能を発揮することはできなかった。
アシルアミノ酸(特許文献2)をゲル化剤として用いた場合には、得られたゲル状組成物は不透明で、また、皮膚に塗布した際には滑らかではなく使用感は良くないものであった。
一方、これらの問題を解決したゲル化剤として、N−アシル−L−グルタミン酸ジブチルアミドを含有する化粧料が報告されている(特許文献3、4)。これらは、炭化水素油を始め、エステル油、シリコーン油等、様々な油剤をゲル化することが知られている。しかしながら、一般的な油剤への溶解性が低く、ゲル化剤溶解時には150℃前後の高温を必要とする点、また、得られたゲルの性状は硬いが脆いため、皮膚に塗布した際には滑らかではないといった問題があった。
炭化水素油やシリコーンを含む幅広い油性基剤をゲル化することが可能であり、実用的な溶解温度を有しつつ使用感に優れたゲル状組成物を生成しうるゲル化剤が求められていた。
特開昭53−20438号公報 特開昭51−91884号公報 特開昭51−19139号公報 特開2002−31697号公報
本発明の課題は、炭化水素油やシリコーンを含む幅広い油性基剤をゲル化することが可能であり、実用的な溶解温度を有しつつ使用感に優れたゲル状組成物を生成しうるゲル化剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意研究した結果、特定のリジン誘導体(A成分)とアシルアミノ酸および/または長鎖脂肪酸(B成分)からなるゲル化剤を使用することにより、上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の態様を含む。
〔1〕下記一般式(I)で表されるリジン誘導体(A成分)とアシルアミノ酸および/または長鎖脂肪酸(B成分)を含有することを特徴とするゲル化剤。
ただし、R1は炭素原子数11〜17の直鎖飽和炭化水素基を表す。R2は炭素原子数2〜12の直鎖または分岐鎖炭化水素基を表す。
〔2〕更にNε-ラウロイルリジン(C成分)を含有することを特徴とする〔1〕記載のゲル化剤。
〔3〕アシルアミノ酸がアシルグリシン、アシルアラニン、アシルバリン、アシルロイシン、アシルイソロイシン、アシルフェニルアラニンであることを特徴とする〔1〕〜〔2〕のいずれかに記載のゲル化剤。
〔4〕〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のゲル化剤と少なくとも1種の油性基剤とを含有することを特徴とするゲル状組成物。
〔5〕更にアルキルアルコールを含有することを特徴とする〔4〕に記載のゲル状組成物。
本発明の特定のリジン誘導体(A成分)とアシルアミノ酸および/または長鎖脂肪酸(B成分)を含有するゲル化剤を用いることにより、流動パラフィン、エステル油、シリコーンを含む幅広い油性基剤をゲル化することが可能であり、実用的な溶解温度を有しつつ使用感に優れたゲル状組成物を生成しうるゲル化剤を提供することにある。使用感、透明性に優れたゲルを提供することができるようになった。
本発明のゲル化剤は特定のリジン誘導体(A成分)とアシルアミノ酸および/または長鎖脂肪酸(B成分)を含有する。
本発明の特定のリジン誘導体(A成分)は下記一般式(I)で表される構造を有する。
ただし、R1は炭素原子数11〜17の直鎖飽和炭化水素基を表す。R2は炭素原子数2〜12の直鎖または分岐鎖炭化水素基を表す。
R1−(CO)が示すアシル基は、直鎖飽和のものであり、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基である。滑らかさを付与する観点からラウロイル基が好ましい。R2が示す炭化水素基は、直鎖状または分岐鎖状のいずれであっても良い。炭素原子数2〜12のエステル基で、例としては、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ラウロイル基、またはこれらの混合物などである。調製の容易さ、得られるゲルの滑らかさの観点からエチル基、プロピル基、オクチル基、ラウロイル基が好ましい。
本発明の特定のリジン誘導体(A成分)は、公知の技術の組み合わせにより調製することができる。例えば、脂肪酸とリジン塩酸塩との脱水縮合反応により、Nε−アシルリジンを得ることができる。続く、常法のエステル化反応によりアシルリジンアルキルエステルを得ることができる。
本発明の使用されるアシルアミノ酸(B成分)のアミノ酸部分は、中性アミノ酸、酸性アミノ酸のいずれであっても良い。皮膚に塗布した際に滑らかな使用感を与えるゲルが得られるという観点から、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニンが好ましい。アシル基部分は、直鎖状または分岐鎖状のいずれであっても良く、炭素原子数8〜16の飽和または不飽和脂肪酸より誘導されるアシル基で、例としては、オクタノイル基、2−エチルヘキサノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基などである。単一組成の脂肪酸によるアシル基のほか、ヤシ油脂肪酸等の天然より得られる混合脂肪酸あるいは合成により得られる脂肪酸(分岐脂肪酸を含む)によるアシル基であっても良い。滑らかで使用感の良いゲルが得られる、また透明性に優れるという観点から、ラウロイル基、2−エチルヘキサノイル基、ヤシ油脂肪酸アシル基が最も好ましい。
本発明に使用される長鎖脂肪酸(B成分)は、直鎖状または分岐鎖状のいずれであっても良く、炭素原子数14〜18の飽和または不飽和脂肪酸である。例としては、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸などである。単一組成の脂肪酸のほか、ヒマシ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸、パーム油脂肪酸等の天然より得られる混合脂肪酸あるいは合成により得られる脂肪酸(分岐脂肪酸を含む)であっても良い。滑らかで使用感の良いゲルが得られる、また透明性に優れるという観点から、パルミチン酸、ステアリン酸、パーム油脂肪酸等が好ましい。
本発明のアシルアミノ酸(B成分)は、公知の技術の組み合わせにより調製することができる。例えば、塩基性下、長鎖脂肪酸クロライドとアミノ酸を反応させるショッテン・バウマン反応によりN−アシルアミノ酸を得ることができる。一方、長鎖脂肪酸は(B成分)は市販品を使用することができる。
本発明のゲル化剤には、更にNε-ラウロイルリジン(C成分)を含有させることにより、ゲルに塗布時の良好な伸びと塗布後の滑らかな感触を付与することができる。但し、良好な使用感の観点から、C成分の粒子径は50ミクロン以下が好ましく、30ミクロン以下がより好ましい。
本発明のC成分として使用されるNε-ラウロイルリジンのアミノ酸であるリジンはD体、L体、あるいはDL体のいずれでも使用することができるが、滑らかな使用感の観点でL体が好ましい。
本発明のA成分とB成分の配合比(モル%)は、80/20〜20/80であり、好ましくは60/40〜20/80である。滑らかな使用感という観点で、45/55〜30/70が好ましい。
本発明のゲル化剤全体に対するA成分とB成分の総量配合量(重量%)は、ゲル化しさえすれば特に制限はないが、ゲル形成するという観点では、50〜100%が好ましく、滑らかなゲルを形成するという観点から、70〜99%がより好ましく、80〜99%が特に好ましい。
本発明のゲル化剤(A成分+B成分)に対するC成分の配合量(重量%)は、ゲルが形成しうる範囲であれば特に制限はない。塗布時の伸び、塗布後の滑らかな感触という観点で、その下限値は0.5%が好ましく、1%がより好ましく、2%が更に好ましく、4%が特に好ましい。塗布時の伸びという観点で、その上限値は500%が好ましく、塗布後の外観を損ねないという観点を加えると、その上限値は250%がより好ましく、150%が更に好ましく、100%が特に好ましい。
本発明のゲル状組成物に用いられる油性基剤としては、加熱により上記ゲル化剤を充分に溶解させ、室温に冷却したときにゲルを形成するものであれば特に制限はないが、具体例としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等のシリコーン類;イソステアリン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸等の脂肪酸類;ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、モノステアリン酸グリセリン、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸エチレングリコール、オキシステアリン酸オクチル、安息香酸アルキルエステル等のエステル類;流動パラフィン、ポリイソブテン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素類;ミンク油、カカオ油、ヤシ油、パーム核油、ツバキ油、ゴマ油、ヒマシ油、オリーブ油等の油脂類;エチレン・α―オレフィン・コオリゴマー等が挙げられる。
本発明のゲル状組成物全体に対するゲル化剤の配合量(重量%)はゲルが形成しうる範囲であれば特に制限はない。ゲル化できるという観点で下限値は0.5%が好ましく、ゲルの強度の観点から1%がより好ましく、高温(50℃)安定性の観点から1.5%が特に好ましい。また、ゲルの滑らかさの観点から上限値は10%が好ましく、7%が更に好ましく、5%が特に好ましい。
本発明のゲル状組成物は、アルキルアルコールを添加することにより、ゲルの皮膚へのなじみの良さを向上させることができる。本発明に使用されるアルキルアルコールは、炭素数2から18の直鎖または分岐鎖の飽和1価或いは多価アルコールである。具体的には、エチルアルコール、プロパノールなどの低級アルコール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール等が挙げられる。アルキルアルコールの配合割合としては、ゲル状組成物が形態を安定に保ちさえすれば別段制限はない。得られたゲルの皮膚へのなじみの良さが顕著に発揮されるという観点から、ゲル状組成物に対するアルキルアルコール配合量(重量%)は0.2〜45%が好ましく、0.5〜45%がより好ましく、外観、ゲル強度に影響を与えず、皮膚へのなじみの良さが有効に発揮されつつあるという観点から、1〜20%が特に好ましい。
本発明のゲル状組成物には、更に、他のゲル化剤を併用することによりゲル強度を調整することができる。他のゲル化剤としては、特に制限はないが、例えばポリアミド樹脂、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、ジベンジリデン−D−ソルビトール、脂肪酸デキストリン、脂肪酸グリセリン、N−2―エチルヘキシル−L−グルタミン酸ジブチルアミド、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミド等のアシルグルタミン酸ジアミド類、N−ラウロイル−L−グルタミンイソプロピルエステル等のアシルグルタミンエステル類、等を使用できる。
本発明のゲル状組成物の製造方法としては、ゲル化剤及び油性基剤を、混合物が均一な溶液を形成するまで撹拌しながら60〜100℃に加熱し、その後冷却して目的のゲル状組成物を得ることができる。60℃未満の低温で溶解してしまう場合には、ゲルとしての保存安定性上問題となりうるし、100℃よりも高温で溶解する場合には、熱安定性に乏しい物質や揮発性成分を配合する上で好ましくない。
本発明のゲル状組成物は、そのまま、あるいは化粧料に用いられる各種成分を本発明の効果を阻害しない範囲で配合することにより、化粧料として利用することができる。例えば、各種キレート剤、界面活性剤、各種添加剤、各種粉体、制汗活性成分等が挙げられる。
本発明の化粧料は、特に制限はないが、各種ジェル状化粧料、クリーム状化粧料、オイル状化粧料、パック化粧料、等の形態のものとして使用することができる。
[実施例]
以下実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<製造例1;Nε−ラウロイル−L−リジンエチルエステル(A成分)の製造>
ε−ラウロイル−L−リジン20.05g、エタノール250mLに懸濁し、300mLの硫酸と170mLの塩酸より発生させた乾燥塩化水素ガスを飽和するまで導入した。この間、エタノール溶液の入ったフラスコを氷浴中で冷却しながら、時々振り混ぜて完全に溶解した。この反応混合物を一晩放置した。反応溶液を減圧濃縮し、あらたに200mLのエタノールを加えて減圧濃縮した。この操作を2回繰りかえし、最後に得られた残分に250mLのジエチルエーテルを加えて砕いた。吸引ろ過でジエチルエーテルを除去し生成物を濾取した。これを300mLの水に溶かし、53g/55mLのモルホリンを70mLの水に溶かしたモルホリン水溶液を加えてよく撹拌した。析出した結晶を濾別し乾燥した後、250mLのヘキサンから再結晶を行なった。
<製造例2;Nε−ラウロイル−L−リジンラウリルエステル(A成分)の製造>
N−ラウロイル−L−リジン15.35g、1−ドデカノール21.0mL、p−トルエンスルホン酸1水和物17.3gをベンゼン250mLとともにDean-Stark装置を用いて、120℃で2日間還流した。反応溶液を減圧濃縮し、残分に200mLのジエチルエーテルを加え冷凍庫に放置した。析出物を吸引ろ過し乾燥した。これを40mLのメタノールに溶解し、ここに10mLのモルホリンを加え撹拌した。冷蔵庫に放置し析出した結晶を濾別し乾燥した。
<製造例3;N−ラウロイル−L−アラニン(B成分)の製造>
L−アラニン110g、t−BuOH230g、さらに27%水酸化ナトリウム水溶液を入れて溶解させ、pHを11とする。それを10℃まで冷却し、ラウロイルクロライド269gと27%水酸化ナトリウム水溶液をpH11に保持したまま同時滴下した。反応終了後、アシル化反応液を75%硫酸で中和し、pHを2に調整し、60℃で有機層と水層に分離して水層を除去した。得られた油層に水757gを注入し、撹拌後、再度水層を分離し、その油層に適量の水/T-BuOH混合液を入れ、冷却し、白色結晶320gを得た。さらに水/T-BuOH混合液から再結晶、減圧乾燥を行なった。
その他アシルアミノ酸も製造例1と類似の方法で調製した。
<実施例1〜7、比較例1〜2;Nε−ラウロイルL-リジン誘導体(A成分)とアシルアミノ酸(B成分)の配合割合とゲル化能の関係>
ε−ラウロイル−L−リジンエチルエステル(A成分)/N−ラウロイル−L−アラニン(B成分)の配合割合を変えて、ゲル化剤として2wt%になるように流動パラフィンに添加後、加熱溶解させ、これを25℃まで無撹拌放冷、得られた組成物の性状を判定した。性状の評価は、滑らかで伸びのあるゲル状のものを◎、比較的滑らかなゲル状のものを○、液状だが粘性を有したものを△、析出、または溶解したものを×とした。結果を表1に示す。
表1の結果から、Nε−ラウロイル−L−リジンエチルエステル(A成分)/N−ラウロイル−L−アラニン(B成分)の好ましい配合割合としては((A成分)/(B成分)=80/20〜20/80であり、特に60/40〜20/80であり、最も45/55〜30/70の時が得られるゲル状組成物の性状の観点から優れていることがわかる。また、ゲル状組成物の製法では、冷却時に撹拌作業を必要としないといった利点がある。
<実施例8〜14、比較例3〜13;ゲル化試験>
<ゲル化能評価方法>
得られたゲルに対して、目視にてゲル化しているか否かを判定した。ゲル化能の評価は、対象溶媒に対してゲル化し得るサンプルの最小濃度、最小ゲル化濃度(g/l)で示した。評価は最小ゲル化濃度10g/l以下を◎◎、11〜20g/lを◎、21〜30g/lを○、31〜g/lを△、ゲル化せずに析出または溶解した場合を×とした。結果を表2に示す。
<ゲルの性状・透明性の評価方法>
ゲルの性状およびゲルの透明性の評価は、最小ゲル化濃度で調製したゲルに対し、透明性を目視で判定した。また、手で少量を皮膚に塗布し、性状を調べた。性状における、「軟ゲル」は滑らかなゲル、「硬ゲル」は硬くボソボソと脆いゲル、「−」はゲル化しないことを意味する。
<ゲルの調製>
表2に示すゲル化剤或いは比較化合物を用いて、対象溶媒に添加後、90℃で20分間、加熱撹拌して溶解させ、これを25℃まで静置冷却して評価した。但し、A成分/B成分のモル比は45/55に調製した。結果を表3に示す。
表3より、実施例化合物がゲル化能、透明性、滑らかな使用感が得られるといった観点で優れていることがわかる。これに対し比較化合物では、油剤に対して、溶解および析出によりゲル化しない、またはゲル化しても滑らかさがないといった好ましくないものであった。
<実施例15〜19、比較例14;1,3−ブチレングリコール添加系ゲル状組成物の評価>
ゲル化剤(A成分/B成分のモル比は40/60)に、1,3−ブチレングリコールを添加し、85℃で加熱溶解し、25℃まで静置放冷し得たゲル状組成物(表中の数値はg)を皮膚に塗布した時の感触及び皮膚へのなじみについて、無添加の場合の2点を基準として、以下の評価基準に基づき専門パネラー5人により評価した。
・皮膚へのなじみやすさ(5点満点で評価)
目安 5:皮膚へのなじみ感に優れた改善が見られる。
4:皮膚へのなじみ感に改善が見られる。
3:皮膚へのなじみ感に若干の改善が見られる。
2:基準
1:皮膚へのなじみ感が悪化する

その評価結果の平均点が4.1以上を◎、3.1〜4.0を○、2.1〜3.0を△、2.0以下を×とした。結果を表4に示す。
表4より、1,3−ブチレングリコールを添加しゲル状の形態を保ったまま、なじみのよい使用感の好ましいゲルが得られた。
<処方例1;クレンジングジェル>
<処方例2;ヘアジェル>
<処方例3;ヘアセットジェル>
本処方は、実用的な溶解温度を有しつつ滑らかな使用感でかつ、塗布時の良好な伸びと塗布後の滑らかな感触を与える良好なヘアセットジェルであった。
本発明のゲル化剤により、炭化水素油やシリコーンを含む幅広い油性基剤をゲル化することが可能であり、実用的な溶解温度を有しつつ使用感に優れた各種ジェル状化粧料、クリーム状化粧料、オイル状化粧料、パック化粧料、等を提供できるようになったことは極めて意義深い。

Claims (5)

  1. 下記一般式(I)で表されるリジン誘導体(A成分)とアシルアミノ酸および/または長鎖脂肪酸(B成分)を含有することを特徴とするゲル化剤。
    ただし、R1は炭素原子数11〜17の直鎖飽和炭化水素基を表す。R2は炭素原子数2〜12の直鎖または分岐鎖炭化水素基を表す。
  2. 更にNε-ラウロイルリジン(C成分)を含有することを特徴とする請求項1記載のゲル化剤。
  3. アシルアミノ酸がアシルグリシン、アシルアラニン、アシルバリン、アシルロイシン、アシルイソロイシン、アシルフェニルアラニンであることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のゲル化剤。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のゲル化剤と少なくとも1種の油性基剤とを含有することを特徴とするゲル状組成物。
  5. 更にアルキルアルコールを含有することを特徴とする請求項4に記載のゲル状組成物。
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