JP4696534B2 - 油性基剤のゲル化剤 - Google Patents

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Description

本発明は油性基剤のゲル化剤に関する。さらに詳しくは、特定のアミノ酸誘導体を含有する油性基剤のゲル化剤に関する。本発明のゲル化剤は、常温で液体状を呈する油性基剤をゲル化して形態を多様化するために有用である。
従来、水に溶解しない油性基剤のゲル化剤としては、一般的にはポリアミド樹脂、12−ヒドロキシステアリン酸、ジベンジリデン−D−ソルビトールに代表される芳香族アルデヒドと多価アルコールとの縮合物などが知られている。しかしながら、これらのゲル化剤は、油性基剤に対する溶解性が低いという問題を有している。例えば、これらのゲル化剤を用いて調製したゲル状組成物は溶存状態が悪く、ゲル状組成物が不均一になったり、ゲル化した油性基剤が経時変化によりゲルの表面からにじみ出るいわゆる「発汗現象」が生じるといった問題を有していた。
他の油性基剤のゲル化剤としては、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジブチルアミドが知られており、この物質をゲル化剤として含む化粧料が報告されている(特許文献1参照)。このゲル化剤は様々な油性基剤をゲル化できることが知られているが、得られたゲル状組成物の皮膚や毛髪塗布時の感触は必ずしも優れたものではなく、延び易さ(延展性)等に欠ける場合があった。
さらに、12−ヒドロキシステアリン酸とN−ラウロイルグルタミン酸ジブチルアミドを含有する制汗剤ゲルスティックが報告されているが(特許文献2および3参照)、このゲル状組成物も皮膚や毛髪塗布時の感触は必ずしも優れたものではなく、延び易さ(延展性)等に欠ける場合があった。
他の油性基剤のゲル化剤としては、N−2−エチルヘキサノイル−L−グルタミン酸ジブチルアミドが知られており(特許文献4参照)、この物質をゲル化剤として含む化粧料が報告されている。このゲル化剤は様々な油性基剤をゲル化できることが知られているが、得られたゲル状組成物の皮膚や毛髪塗布時の感触は必ずしも優れたものではなく、延び易さ(延展性)等に欠ける場合があった。
特開昭51−19139号公報 米国特許第5,591,424号明細書 特表平7−506833号公報 特開2002−316971号公報
本発明の課題は油性基剤のためのゲル化剤を提供することにある。より具体的には、油性基剤に対して優れたゲル化能を有するゲル化剤を提供することが本発明の課題である。また、皮膚塗布時の延展性に優れたゲル状組成物を製造できるゲル化剤を提供することが本発明の課題である。さらに、本発明の別の課題は、上記の特徴を有するゲル化剤と油性基剤とを含み、皮膚または毛髪等に塗布した際、延展性に優れたゲル状組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、特定の酸性アミノ酸誘導体が油性基剤のためのゲル化剤として極めて優れた性質を有しており、この酸性アミノ酸誘導体と油性基剤とから調製されたゲル状組成物が優れたゲル強度と、皮膚または毛髪に塗布した際に優れた延展性を有していることを見出した。また、得られたゲル状組成物が化粧料として使用するために十分な強度を有しており、スティック形状などに成型した場合にも皮膚または毛髪への塗布が容易であることを見出した。本発明は上記の知見を基にして完成されたものである。
すなわち、本発明は、下記一般式(A):
Figure 0004696534
(式中、Rは直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の炭素原子数7〜17の炭化水素基を示し、Rは直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の炭素原子数1〜26の炭化水素基を示す)で表される化合物(A)の少なくとも一種と
下記一般式(B):
Figure 0004696534
(式中、R3及びR4はそれぞれ独立に直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の炭素原子数1〜26の炭化水素基を示し、R5は直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の炭素原子数
7〜17の炭化水素基を示す)で表される化合物(B)の少なくとも一種とを含有する、油性基剤のゲル化剤を提供するものである。
別の観点からは、上記の化合物(A)と化合物(B)を含有する油性基剤のゲル化剤(a)、及び少なくとも1種の油性基剤(b)を含有するゲル状組成物が本発明により提供される。さらに少なくとも1種の制汗活性成分(c)を含有する上記ゲル状組成物が提供される。また、本発明により、上記ゲル状組成物を含む化粧料が提供される。この化粧料は、好ましくはスティック状に成型されていてもよい。
本発明のゲル化剤を油性基剤のゲル化に用いることにより、高いゲル強度と優れた延展性を有するゲル状組成物を製造することができる。
以下に、本発明の実施形態について説明する。化合物(A)に関し、一般式(A)において、Rは直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の炭素原子数7〜17の炭化水素基を示し、Rは直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の炭素原子数1〜26の炭化水素基を示す。Rの炭化水素基は不飽和結合を含む炭化水素基であってもよいが、より保存安定性が高いという観点で、飽和炭化水素基がより好ましい。製造のしやすさの観点から、好ましくは炭素原子数7〜15、より好ましくは炭素原子数7〜11の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。Rの炭化水素基は不飽和結合を含む炭化水素基であってもよいが、より保存安定性が高いという観点から、飽和炭化水素基がより好ましい。製造のしやすさの観点から、好ましくは炭素原子数1〜10、より好ましくは炭素原子数2〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、さらに好ましいのは炭素原子数3〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。最も好ましいものはn−ブチル基である。
化合物(A)の好ましい形態としては、汎用性や製造のしやすさの観点から、N−ブチル−2−(N’−オクタノイルアミノ)グルタルイミド、N−ブチル−2−(N’−2−エチルヘキサイルアミノ)グルタルイミド、N−ブチル−2−(N’−デカノイルアミノ)グルタルイミド、N−ブチル−2−(N’−ラウロイルアミノ)グルタルイミド、N−ブチル−2−(N’−ミリストイルアミノ)グルタルイミド、N−ブチル−2−(N’−パルミトイルアミノ)グルタルイミド等が挙げられ、N−ブチル−2−(N’−2−エチルヘキサノイルアミノ)グルタルイミド、N−ブチル−2−(N’−デカノイルアミノ)グルタルイミド、N−ブチル−2−(N’−ラウロイルアミノ)グルタルイミドが特に好ましい。
化合物(B)に関し、一般式(B)において、R及びRはそれぞれ独立に直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の炭素原子数1〜26の炭化水素基を示し、Rは直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の炭素原子数7〜17の炭化水素基を示す。R及びRの炭化水素基は不飽和結合を含む炭化水素基であってもよいが、より保存安定性が高いという観点で、飽和炭化水素基がより好ましい。製造のしやすさの観点から、好ましくは炭素原子数1〜10、より好ましくは炭素原子数2〜6の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、さらに好ましいのは炭素原子数3〜5の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。最も好ましいものはn−ブチル基である。Rの炭化水素基としては不飽和結合を含む炭化水素基であってもよいが、飽和炭化水素基がより好ましい。製造のしやすさの観点から、好ましくは炭素原子数7〜15、より好ましくは炭素原子数7〜11の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。
化合物(B)の好ましい形態としては、汎用性や製造のしやすさの観点から、N−オクタノイル−L−グルタミン酸 ジブチルアミド、N−2−エチルヘキサノイル−L−グルタミン酸 ジブチルアミド、N−デカノイル−L−グルタミン酸 ジブチルアミド、N−ラウロイル−L−グルタミン酸 ジブチルアミド、N−ミリストイル−L−グルタミン酸 ジブチルアミド、N−パルミトイル−L−グルタミン酸 ジブチルアミド等が挙げられ、N−2−エチルヘキサノイル−L−グルタミン酸 ジブチルアミド、N−ラウロイル−L−グルタミン酸 ジブチルアミドが特に好ましい。
化合物(A)は、例えばN−アシルグルタミン酸-γ-メチルエステルとアルキルアミンを反応させ、γ-アルキルアミドとし、これを加熱脱水縮合させることで得られる。
化合物(B)は、例えば塩基性触媒下に長鎖脂肪酸ハライドとL−グルタミン酸とをショッテン・バウマン反応で反応させることによりN−アシル化グルタミン酸を製造し、さらにアルキルアミンなどのアミン誘導体を酸触媒の存在下又は無触媒下に加熱反応することにより製造することができる。あるいは、酸触媒の存在下又は無触媒下にグルタミン酸とアルキルアミンなどのアミン誘導体とを反応させて得られるグルタミン酸アミドを脂肪酸ハライド等のアシル化剤でN−アシル化することにより製造できる。また、市販品(例えば、N−ラウロイルーL−グルタミン酸 ジブチルアミド、味の素(株)製のGP−1)が使用できる。
本発明の化合物(A)としては、一般式(A)で表される化合物から選ばれる1種類の化合物を用いてもよいが、一般式(A)で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせて用いてもよい。
本発明の化合物(B)としては、一般式(B)で表される化合物から選ばれる1種類の化合物を用いてもよいが、一般式(B)で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせて用いてもよい。
本発明のゲル化剤における化合物(A)と化合物(B)の含有比率としては、油性基剤をゲル化できれば特に制限はないが、化合物(B)100重量部に対する化合物(A)の含有量の下限は、通常0.1重量部以上が用いられる。0.1重量部より少ないと得られるゲル状組成物を皮膚または毛髪に塗布する際の延展性が劣る傾向がある。より効果が際立ち実用的であるという観点で、好ましくは0.5重量部以上、より好ましくは1重量部以上、一層好ましくは2重量部以上、より一層好ましくは3重量部以上、更に一層好ましくは5重量部以上、殊更好ましくは7重量部以上、特に好ましくは9重量部以上である。また、化合物(B)100重量部に対する化合物(A)の含有量の上限は、通常50重量部以下が用いられる。50重量部より多いと得られるゲル状組成物のゲル強度が劣る傾向がある。より効果が際立ち実用的であるという観点で、好ましくは30重量部以下、より好ましくは25重量部以下、一層好ましくは20重量武以下、より一層好ましくは15重量部以下、特に好ましくは10重量部以下である。
本発明のゲル状組成物において、化合物(A)と化合物(B)を含有するゲル化剤(a)の使用量は油性基剤がゲル化する量であれば特に制限はないが、通常、ゲル化させるべき油性基剤100重量部に対し0.1〜15重量部が用いられる。0.1重量部より少ない場合は十分なゲル強度を得ることができない場合があり、15重量部より多い場合は油性基剤に溶解できず、得られるゲル化油性基剤の外観が損なわれる場合がある。より効果が際立ち実用的であるという観点で、好ましくは0.5〜10重量部であり、より好ましくは1〜10重量部であり、特に好ましくは2〜10重量部である。
本発明のゲル状組成物に用いられる油性基剤としては、加熱により上記ゲル化剤を充分に溶解させ、室温に冷却したときにゲルを形成するものであれば特に制限はないが、具体例としては、シリコーン油;セチルアルコール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等の高級アルコール;イソステアリン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸等の脂肪酸;グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等の多価アルコール;ミリスチン酸ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、モノステアリン酸グリセリン、フタル酸ジエチル、モノステアリン酸エチレングリコール、オキシステアリン酸オクチル等のエステル類;n−トリデカン、流動パラフィン、ワセリン、スクワラン等の炭化水素;ラノリン、還元ラノリン、カルナバロウ等のロウ;ミンク油、カカオ油、ヤシ油、パーム核油、ツバキ油、ゴマ油、ヒマシ油、オリーブ油等の油脂;エチレン・α−オレフィン・コオリゴマー等が挙げられる。
シリコーン油の例としては、メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ポリオキシプロピレン・メチルポリシロキサン共重合体及びポリ(オキシエチレン、オキシプロピレン)・メチルポリシロキサン共重合体等のエーテル変性シリコーン;ステアロキシメチルポリシロキサン;ステアロキシトリメチルシラン;メチルハイドロジェンポリシロキサン;オクタメチルポリシロキサン;デカメチルポリシロキサン;デカメチルシクロペンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、テトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、シクロペンタシロキサン及びドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状シリコーン;メチルフェニルポリシロキサン;トリメチルシロキシケイ酸;アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体等のアミノ変性シリコーン;シラノール変性ポリシロキサン;アルコキシ変性ポリシロキサン;脂肪酸変性ポリシロキサン;フッ素変性ポリシロキサン;エポキシ変性ポリシロキサン;アルコキシ変性ポリシロキサンパーフルオロポリエーテル;ポリ酢酸ビニルジメチルポリシロキサン;及びそれらの混合物からなる群より選択されるシリコーン油が挙げられる。
油性基剤は一種または二種以上の混合物であっても良い。
油性基剤は、通常ゲル状組成物の全重量に対して10〜99.9重量%の割合で用いられる。油性基剤の配合量が10重量%よりも少ない場合、または99.9重量%よりも多い場合は、十分なゲル強度を得ることができない場合がある。
本発明のゲル状組成物は、さらに制汗活性成分(c)を含有させた場合に特にその制汗効果を顕著に持続させることができる。本明細書において、「制汗活性成分」とは、皮膚を収斂させることによって汗の発生を抑える成分を意味しているが、これらの用語は最も広義に解釈すべきであり、いかなる意味においても限定的に解釈してはならない。制汗活性成分の種類は特に制限されず、2種以上の制汗活性成分を組み合わせて用いてもよい。制汗活性成分としては、例えば、クロルヒドロキシアルミニウム、塩化アルミニウム、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、硫酸アルミニウム、酸化亜鉛、PCA亜鉛、パラフェノールスルホン酸亜鉛、ジルコニルクロリドをアルミニウムヒドロキシド及びアルミニウムクロルヒドロキシドと反応させることで製造されたジルコニウムアルミニウム複合体などを挙げることができる。制汗活性成分は、ゲル状組成物全重量に対して通常1〜60重量%が用いられる。制汗活性成分が1重量%より少ない場合は、制汗機能が不十分となる傾向があり、60重量%より多い場合は皮膚や毛髪に対する刺激が強くなることがある。より効果が際立ち実用的であるという観点で、好ましくは5〜35重量%を配合することができる。また、制汗活性成分は溶液又は粉体のいずれの形態で配合してもよい。粉体で用いられるときには、一般的には制汗活性成分である物質の粒度は通常1〜100ミクロンが用いられるが、高い嵩密度を有するという観点で、1〜50ミクロンが好ましい。
本発明のゲル状組成物に、上記制汗活性成分(c)を入れた場合、さらにその効力を持続させ、変色や臭気の発生を抑制する目的で各種キレート化剤(d)の添加はより効果的である。キレート化剤の種類は特に制限されないが、トリエチレンテトラミン、1,1,1−トリフルオロ−3,2'−テノイルアセトン、チオグリコール酸、酒石酸、コハク酸、8−キノリノール、ピリジン−2,6−ジカルボン酸、ピリジン、1,10−テナントロリン、乳酸、8−ヒドロキシキノリン−5−スルホン酸、グリシン、2,2’−ピリジルエチレンジアミン、キシレノールオレンジ、5−スルホサリチル酸、サリチル酸、ピロカテコール−3,5−ジスルホネート、4,5−ジヒドロキシベンゼン−1,3−ジスルホン酸、1,2−ジアミノシクロヘキサン−N,N,N’,N'−四酢酸、クエン酸、オキサレート、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン−N,N,N’,N'−四酢酸、アセチルアセトンとそれらの塩からなる群より選択されるキレート化剤及びそれらの混合物などが挙げられる。
本発明のゲル状組成物の製造方法は特に限定されないが、例えば、上記のゲル化剤(a)、油性基剤(b)及び必要に応じて他の成分として、制汗活性成分(c)、さらにキレート化剤(d)等を混合し、撹拌しながら通常50〜180℃に加熱する。その後冷却することにより目的のゲル状組成物を得ることができる。
本発明のゲル化剤(a)には更に、1種以上の油性基剤のゲル化剤を併用することができる。油性基剤のゲル化剤としては、例えば、ポリアミド樹脂、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸ナトリウム、ジベンジリデン−D−ソルビトール等が挙げられる。
本発明の化粧料の用途は特に限定されないが、例えば、ゲル状化粧料、パック化粧料、粒状化粧料、スティック状化粧料などの形態の化粧料として使用することができる。本発明の化粧料は、上記のゲル状組成物を調製した後、必要に応じて下記に列挙した添加剤の1種又は2種以上を添加・混合して均一の組成物として調製することができる。その製造工程は特に限定されず、当業者が利用可能な混合、攪拌、練合などの汎用の手段を適宜用いることができる。本発明の化粧料は、液状の化粧料に比べて、有効成分をゲル状態に持続的に保持することができるという特性をもっている。
また、本発明の化粧料には、本発明の効果を阻害しない範囲で、他の配合成分として界面活性剤、各種添加剤、各種粉体を配合することができる。界面活性剤としては、アニオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン界面活性剤、又は両性界面活性剤のいずれを用いてもよい。アニオン界面活性剤としては、例えば、N−長鎖アシル酸性アミノ酸塩やN−長鎖アシル中性アミノ酸塩などのN−長鎖アシルアミノ酸塩、N−長鎖脂肪酸アシル−N−メチルタウリン塩、アルキルサルフェートおよびそのアルキレンオキシド付加物、脂肪酸アミドエーテルサルフェート、脂肪酸の金属塩および弱塩基塩、スルホコハク酸系界面活性剤、アルキルフォスフェートおよびそのアルキレンオキシド付加物、アルキルエーテルカルボン酸などを挙げることができる。非イオン性界面活性剤としては、例えば、グリセリンエーテルおよびそのアルキレンオキシド付加物などのエーテル型界面活性剤、グリセリンエステルおよびそのアルキレンオキシド付加物などのエステル型界面活性剤、ソルビタンエステルおよびそのアルキレンオキシド付加物などのエーテルエステル型界面活性剤、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、グリセリンエステル、脂肪酸ポリグリセリンエステル、ソルビタンエステル、ショ糖脂肪酸エステルなどのエステル型界面活性剤、アルキルグルコシド類、硬化ヒマシ油ピログルタミン酸ジエステルおよびそのエチレンオキシド付加物、脂肪酸アルカノールアミドなどの含窒素型の非イオン性界面活性剤などを挙げることができる。カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルアンモニウムクロライド、ジアルキルアンモニウムクロライドなどの脂肪族アミン塩、それらの4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩などの芳香族4級アンモニウム塩、脂肪酸アシルアルギニンエステルなどを挙げることができ、両性界面活性剤としては、例えば、カルボキシベタインなどのベタイン型界面活性剤、アミノカルボン酸型界面活性剤、イミダゾリン型界面活性剤などを挙げることができる。
各種添加剤としては、例えば、グリシン、アラニン、セリン、スレオニン、アルギニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、ロイシン、バリンなどのアミノ酸類;グリセリン、エチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、イソプレングリコールなどの多価アルコール;2−エチルヘキサン酸ブチルアミドなどの脂肪酸アルキルアミド;ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸を含むポリアミノ酸およびその塩、ポリエチレングリコール、アラビアゴム類、アルギン酸塩、キサンタンガム、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩、キチン、キトサン、水溶性キチン、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、ポリ塩化ジメチルメチレンピペリジウム、ポリビニルピロリドン誘導体四級アンモニウム、カチオン化プロテイン、コラーゲン分解物およびその誘導体、アシル化タンパク、ポリグリセリンなどの水溶性高分子;マンニトールなどの糖アルコールおよびそのアルキレンオキシド付加物;エタノール、プロパノールなどの低級アルコール;塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ハロカルバン、塩酸クロルヘキシジンなどの殺菌剤等の他、動植物抽出物、核酸、ビタミン、酵素、抗炎症剤、防腐剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、顔料、色素、酸化染料、有機及び無機粉体、pH調整剤、パール化剤、湿潤剤等を挙げることができる。
各種粉体としては、例えば、ナイロンビーズ、シリコーンビーズ等の樹脂粉体、ナイロンパウダー、金属脂肪酸石鹸、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、酸化コバルト、カーボンブラック、群青、紺青、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化セリウム、雲母チタン、窒化ホウ素、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭化珪素、色素、レーキ、セリサイト、マイカ、タルク、カオリン、板状硫酸バリウム、バタフライ状硫酸バリウム、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化鉄、アシルリジン、アシルグルタミン酸、アシルアルギニン、アシルグリシン等のアシルアミノ酸等が挙げられる。これらの粉体に、さらにシリコーン処理、フッ素化合物処理、シランカップリング剤処理、シラン処理有機チタネート処理、アシル化リジン処理、脂肪酸処理、金属石鹸処理、油剤処理、アミノ酸処理等の表面処理が施された粉体を用いてもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
製造例1:N−ブチル−2−(N’−ラウロイルアミノ)グルタルイミドの合成
N−ラウロイルグルタミン酸−γ−メチルエステル(6.8g,0.02mol)をトルエン(10g)に溶解しブチルアミン(9g,0.12mol)を添加し、90℃で4時間反応させた。水を加えた後硫酸で中和後抽出し、溶媒を留去してγ−ブチルアミドを得た。これを6gとり窒素下で160℃、6.5時間反応させた後、酢酸エチル、NaOH水溶液を加え抽出を行い、NaSO、MgSOで脱水後溶媒を留去して反応物を得た。これをPTLC(酢酸エチル:ヘキサン=1:2)により精製し、目的物であるN−ブチル−2−(N’−ラウロイルアミノ)グルタルイミドを得た。
実施例1:ゲル状組成物の製造
化合物(A)としてN−ブチル−2−(N’−ラウロイルアミノ) グルタルイミド 0.0005重量部、化合物(B)としてN−ラウロイル−L−グルタミン酸 ジブチルアミド0.1995重量部を、油性基剤(b)としてのn−トリデカン20重量部に入れ、150℃のオイルバスで加熱溶解し、15時間、23℃で放冷し、ゲル状組成物を得た。
実施例2〜7、比較例1
化合物(A)、化合物(B)および油性基剤(b)を、表1に示す配合量用いたこと以外は、実施例1と同様に行い、それぞれゲル状組成物を得た。
〔ゲル化能の評価〕
実施例および比較例のゲル状組成物のゲル強度をレオメータ(FUDOH RHEO METER NRM−2010−J−CW)にて測定した。アダプターはプルーム用・粘弾性用、10φを用い、試料台速度は6cm/minとした。そのゲル強度値が90g/cm以上のときを○、70〜90g/cmのときを△、70g/cm未満のときを×とした。結果を表1に示す。
〔延展性の評価〕
実施例および比較例のゲル状組成物を皮膚に塗布した時の延展性につき、以下の評価基準に基づき専門パネラー5人により評価した。
5:非常に延展性に優れる
4:延展性に優れる
3:普通
2:延展性に劣る
1:非常に延展性に劣る
その評価結果の平均点が4.5以上を◎、3.5〜4.4を○、2.5〜3.4のときを△、2.4以下の時を×とした。結果を表1に示す。
Figure 0004696534
製剤例1:発汗抑制ゲルスティックの製造
1)N−ブチル−2−(N’−ラウロイルアミノ) グルタルイミド 0.02g
2)N−ラウロイル−L−グルタルミン酸 ジブチルアミド 1.0 g
3)N−2−エチルヘキサノイル−L−グルタミン酸 ジブチルアミド 1.0 g
4)2−エチルヘキサン酸 ブチルアミド 0.01g
5)12−ヒドロキシステアリン酸 7.0 g
6)オクチルドデカノール 14.0 g
7)シクロメチコンD−5(東レダウコーニング社製 SH245) 48.0 g
8)アルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレックスグリシン(ウエストウッド・ケミカル・コーポレーション Westchlor ZR 30B DM CP-5) 26.0 g
上記1)〜7)を130℃で溶解した後、上記8)を添加して、攪拌しながら放冷し、発汗抑制ゲルスティックを得た。本品は、十分な強度を有し、且つ皮膚への塗布時に延展性の良いものであった。
本発明の油性基剤のゲル化剤は、そのゲル状組成物が高いゲル強度と優れた延展性を有するので、例えば、ゲル状化粧料、パック化粧料、スティック状化粧料などの多様な形態の化粧料に使用可能である。更に、インク、ギヤ油、アスファルト等の工業用ゲル或は高粘度基剤としても有用である。

Claims (8)

  1. 下記一般式(A):
    Figure 0004696534
    (式中、Rは直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の炭素原子数7〜17の炭化水素基を示し、Rは直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の炭素原子数1〜26の炭化水素基を示す)で表される化合物(A)の少なくとも一種と、
    下記一般式(B):
    Figure 0004696534
    (式中、R及びRはそれぞれ独立に直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の炭素原子数1〜26の炭化水素基を示し、Rは直鎖または分岐鎖の飽和または不飽和の炭素原子数7〜17の炭化水素基を示す)で表される化合物(B)の少なくとも一種とを含有する、化粧料用油性基剤のゲル化剤。
  2. 化合物(B)100重量部に対する化合物(A)の含有量が、0.1重量部以上50重量部以下であることを特徴とする請求項1記載の化粧料用油性基剤のゲル化剤。
  3. 化合物(B)100重量部に対する化合物(A)の含有量が、0.5重量部以上50重量部以下であることを特徴とする請求項1記載の化粧料用油性基剤のゲル化剤。
  4. 化合物(B)100重量部に対する化合物(A)の含有量が、1重量部以上50重量部以下であることを特徴とする請求項1記載の化粧料用油性基剤のゲル化剤。
  5. 化合物(B)100重量部に対する化合物(A)の含有量が、2重量部以上50重量部以下であることを特徴とする請求項1記載の化粧料用油性基剤のゲル化剤。
  6. (a)請求項1〜5のいずれかに記載のゲル化剤、及び(b)少なくとも1種の油性基剤を含有するゲル状組成物。
  7. さらに(c)少なくとも1種の制汗活性成分を含有する請求項に記載のゲル状組成物。
  8. 請求項または記載のゲル状組成物を含む化粧料。
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