JPH1180105A - N−アシルアミノ酸及びこれを用いた化粧料 - Google Patents

N−アシルアミノ酸及びこれを用いた化粧料

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JPH1180105A
JPH1180105A JP19415298A JP19415298A JPH1180105A JP H1180105 A JPH1180105 A JP H1180105A JP 19415298 A JP19415298 A JP 19415298A JP 19415298 A JP19415298 A JP 19415298A JP H1180105 A JPH1180105 A JP H1180105A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶媒に対する溶解性に著しく優れたN−
アシルアミノ酸またはその塩、及びこれを用いた優れた
育毛促進効果、保湿作用、皮下血流量増進作用等を有す
る育毛用、皮膚用などに好適な化粧料を提供する。 【解決手段】 N−ペンタデカノイルアラニン,N−ペ
ンタデカノイルロイシン,N−ペンタデカノイルメチオ
ニン,N−ペンタデカノイルバリン,N−ペンタデカノ
イルイソロイシン,N−ペンタデカノイルフェニルアラ
ニン,N−ペンタデカノイルチロシン及びこれらの塩か
ら選ばれるN−アシルアミノ酸、及びこれらのN−アシ
ルアミノ酸の少なくとも一種を有効成分とする化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は育毛剤,養毛剤等の
化粧料に関し、特に、優れた育毛促進効果、保湿作用、
皮下血流量増進作用等を有する育毛用、皮膚用などに好
適な化粧料、及び該化粧料の製剤調製の際溶媒に対する
溶解性に著しく優れた上記化粧料の有効成分であるN−
アシルアミノ酸に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、各種の薬効剤を配合した化粧
料が知られている。例えば育毛剤においては、このよう
な薬効剤として、ビタミンEなどのビタミン類,セリ
ン,メチオニンなどのアミノ酸類、アセチルコリン誘導
体などの血管拡張剤、紫根エキス等の抗炎症剤、エラス
トジオールなどの女性ホルモン剤、セフアランチンなど
の皮膚機能亢進剤、パントテン酸銅などのメラニン合成
触媒剤、サリチル酸などの角質溶解剤などが配合され、
脱毛症の予防及び治療に用いられている。脂肪酸または
その誘導体が育毛剤等の化粧料に配合された例として、
オリーブ油,ヒマシ油等の天然植物油あるいはステアリ
ン酸を製品の物性改善の目的で配合した例が知られてい
る。このような植物油や動物油等の天然に存在する各種
脂質の構成脂肪酸はステアリン酸、パルミチン酸等の飽
和脂肪酸であれ、オレイン酸、リノール酸等の不飽和脂
肪酸であれ、その殆ど全てが偶数の炭素鎖を有する脂肪
酸であることは知られている。また一方で、炭素数が奇
数の脂肪酸またはその誘導体を毛髪化粧料に配合した例
として、例えば特公昭63−41363号公報,特開平
8−337515号公報に記載される化合物がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の育毛剤等の化粧料、特に、上記特開平8−3375
15号公報に記載の化粧料は、例えばフケ,カユミ,抜
毛などの予防及び改善に有効で、発毛や育毛を促すとさ
れているものの、これを調製すべく有効成分であるN−
アシルアミノ酸をエタノール等の溶媒に溶解する際、そ
の溶解性が十分でなく上記育毛剤等の性能を阻害し、こ
の点から、特に、低温時における溶解性の改善が望まれ
ていた。本発明は、かかる事情下でなされたものであ
り、優れた育毛促進効果、保湿作用、皮下血流量増進作
用等を有する育毛用、皮膚用などに好適な化粧料、及び
これに用いる、溶媒に対する溶解性に著しく優れたN−
アシルアミノ酸を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、化粧料におい
て、ペンタデカノイル基を有する特定のアシルアミノ酸
またはその塩が上記溶解性に著しく優れ、これを有効成
分として使用することにより、優れた育毛促進効果、保
湿作用、皮下血流量増進作用等を奏することを見出した
ものである。本発明は、かかる知見に基づいて完成した
ものである。すなわち本発明は、N−ペンタデカノイル
アラニン,N−ペンタデカノイルロイシン,N−ペンタ
デカノイルメチオニン,N−ペンタデカノイルバリン,
N−ペンタデカノイルイソロイシン,N−ペンタデカノ
イルフェニルアラニン及びN−ペンタデカノイルチロシ
ンから選ばれるN−アシルアミノ酸又はその塩、及びこ
れらのN−アシルアミノ酸及びその塩の少なくとも一種
を有効成分とする化粧料を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を更に詳細に説明
する。本発明は、ペンタデカノイル基を有する特定のN
−アシルアミノ酸又はその塩、及びこれを有効成分とす
る化粧料に関するものであるが、ここで特定のN−アシ
ルアミノ酸とは、アミノ酸中のアミノ基の少なくとも一
つがペンタデカノイル基によりアシル化されたものであ
り、N−ペンタデカノイルアラニン,N−ペンタデカノ
イルロイシン,N−ペンタデカノイルメチオニン,N−
ペンタデカノイルバリン,N−ペンタデカノイルイソロ
イシン,N−ペンタデカノイルフェニルアラニン及びN
−ペンタデカノイルチロシンから選ばれるものである。
【0006】上記N−アシルアミノ酸の塩としては、ナ
トリウム,カリウム等のアルカリ金属塩、カルシウム等
のアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン,ジエタ
ノールアミン,トリエタノールアミン等のエタノールア
ミン塩等が挙げられる。上記N−ペンタデカノイルアラ
ニン,N−ペンタデカノイルロイシン,N−ペンタデカ
ノイルメチオニン,N−ペンタデカノイルバリン,N−
ペンタデカノイルイソロイシン,N−ペンタデカノイル
フェニルアラニン,N−ペンタデカノイルチロシン又は
これらの塩の本発明の化粧料中における配合量は使用目
的、処方形態等に応じて適宜決定することができるが、
通常は化粧料全体に対し0.01〜10重量%の範囲で使
用することができる。配合量が0.01重量%未満であれ
ば本発明の効果が得られない場合があり、また、10重
量%を超える場合は効果がそれほど変わらないものの、
経済性の観点から好ましくない。本発明のN−アシルア
ミノ酸は、上記配合量で所望の効果を発揮できるばかり
でなく、溶媒に対する溶解性に優れているため、製剤と
したときに特に低温での溶解安定性が向上する。従っ
て、製剤化する際に溶解性向上のために添加される可溶
化剤あるいは分散剤などの添加剤の使用量を低減するこ
とができる。
【0007】上記N−アシルアミノ酸は、例えば、奇数
炭素数の高級脂肪酸クロリドとアミノ酸との縮合反応に
より合成することができる。具体的には、いわゆるショ
ッテン・バウマン(Schotten・Baumann)反応、あるい
は、「生化学」,第35巻,第2号,第67〜74頁
(1963年)「リポアミノ酸の研究(I)」に記載の
方法に準じて合成することができる。また、奇数炭素数
の高級脂肪酸は、従来公知の方法により製造することが
できる。すなわち、例えば、対応する偶数炭素数のα−
オレフィンからいわゆるオキソ法により合成することも
可能であるし、また特開平6−253866号公報に記
載される微生物を用いた方法により製造することもでき
る。
【0008】本発明の化粧料は、上記N−ペンタデカノ
イルアラニン,N−ペンタデカノイルロイシン,N−ペ
ンタデカノイルメチオニン,N−ペンタデカノイルバリ
ン,N−ペンタデカノイルイソロイシン,N−ペンタデ
カノイルフェニルアラニン,N−ペンタデカノイルチロ
シン及びこれらの塩から選ばれる奇数炭素数アシル基を
有するN−アシルアミノ酸の少なくとも一種に溶媒を適
用して調製することができる。このような溶媒として
は、上記化合物が溶解可能な溶媒であればいずれも使用
しうる。従って、水も使用可能であるが、有機溶媒を使
用する場合は親水性、親油性のいずれのものも使用で
き、特に、皮膚との親和性などの点からアルコール類が
好ましく使用できる。使用しうる溶媒としては、具体的
には、メタノール,エタノール,プロピルアルコール,
イソプロピルアルコール,グリセリン,プロピレングリ
コール,ポリエチレングリコール,n−パラフィン等が
挙げられ、特にエタノールの場合に本発明の効果が著し
い。
【0009】本発明の化粧料には、主成分である上記N
−アシルアミノ酸またはその塩に加えて、必要に応じて
その他の成分を本発明の目的を阻害しない範囲で配合す
ることができる。このような成分は、その用途,種類,
剤型等に応じて適宜選択されるが、例えば蒸留水,アル
コール類,多価アルコール類,界面活性剤,油脂類,多
糖類などの基材や着色料、香料、ビタミン類、アミノ酸
類、ホルモン類、血管拡張剤、抗炎症剤、角質溶解剤、
殺菌剤、防腐剤などが適宜配合される。また、化粧料の
形態は用途に応じて液状,粉状,ペースト状など様々に
調製することができ、育毛剤,養毛剤などに製品化され
る。
【0010】
【実施例】以下に、本発明を実施例により更に具体的に
説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定さ
れるものではない。 製造例1 (1)塩化ペンタデカノイルの製造 1リットル二口フラスコに、ペンタデカン酸430.4g
(1.78モル)を入れ、塩化チオニル258.1g(2.1
7モル)を入れた200ミリリットル滴下ロート及び還
流管をセットした。当該フラスコをオイルバスで90℃
に加熱攪拌しながら、ペンタデカン酸を完全に溶解させ
た後、2時間かけて塩化チオニルを滴下した。さらに、
オイルバス温度を90℃に1時間保った。この反応混合
物からアスピレーター減圧下、未反応塩化チオニルを除
去し、得られた反応粗製物を減圧蒸留して塩化ペンタデ
カノイル429.7g(1.65モル)を得た。仕込んだペ
ンタデカン酸基準の収率は93%であった。
【0011】(2)N−ペンタデカノイル−L−アラニ
ンの合成 1リットル三口フラスコに、L−アラニン40g(0.4
5モル)と、水酸化ナトリウム18.0g(0.45モル)
を水600ミリリットルに溶解した水溶液とを加え攪拌
した。アラニンが溶解した後アセトン400ミリリット
ルを加えた。反応液を0℃に冷却し、塩化ペンタデカノ
イル117.1g(0.45モル)と、水酸化ナトリウム1
8.0g(0.45モル)を水120ミリリットルに溶解し
た水溶液を同時に1時間かけて滴下した。その間、反応
温度を0℃、pHを11〜12に保った。その後、温度
を0℃に1時間保ちながら攪拌し、N−ペンタデカノイ
ル−L−アラニンナトリウム溶液を得た。その溶液に5
N塩酸90ミリリットルを加え、溶液のpHを1とし、
析出した結晶を減圧ろ過により分離し、水で洗浄後、減
圧下乾燥した。得られた結晶をヘキサン600ミリリッ
トルで洗浄、乾燥後、エタノール:水=7:3溶媒で再
結晶させ、N−ペンタデカノイル−L−アラニン86.4
g(0.28モル)を得た。仕込んだ塩化ペンタデカノイ
ル基準の収率は62%であった。
【0012】製造例2 N−ペンタデカノイル−L−ロイシンの合成 1リットル三口フラスコに、L−ロイシン50g(0.3
8モル)と、水酸化ナトリウム15.3g(0.38モル)
を水600ミリリットルに溶解した水溶液とを加え攪拌
した。ロイシンが溶解した後アセトン400ミリリット
ルを加えた。反応液を0℃に冷却し、塩化ペンタデカノ
イル99.4g(0.38モル)と、水酸化ナトリウム15.
3g(0.38モル)を水100ミリリットルに溶解した
水溶液を同時に1時間かけて滴下した。その間、反応温
度を0℃、pHを11〜12に保った。その後、温度を
0℃に1時間保ちながら攪拌し、N−ペンタデカノイル
−L−ロイシンナトリウム溶液を得た。その溶液に5N
塩酸76ミリリットルを加え、溶液のpHを1とし、析
出した結晶を減圧ろ過により分離し、水で洗浄後、減圧
下乾燥した。得られた結晶をヘキサン600ミリリット
ルで洗浄、乾燥後、酢酸エチルで再結晶させ、N−ペン
タデカノイル−L−ロイシン36.3g(0.10モル)を
得た。仕込んだ塩化ペンタデカノイル基準の収率は27
%であった。
【0013】製造例3 N−ペンタデカノイル−L−メチオニンの合成 1リットル三口フラスコに、L−メチオニン50g(0.
34モル)と、水酸化ナトリウム13.4g(0.34モ
ル)を水600ミリリットルに溶解した水溶液とを加え
攪拌した。メチオニンが溶解した後アセトン400ミリ
リットルを加えた。反応液を0℃に冷却し、塩化ペンタ
デカノイル87.4g(0.34モル)と、水酸化ナトリウ
ム13.4g(0.34モル)を水90ミリリットルに溶解
した水溶液を同時に1時間かけて滴下した。その間、反
応温度を0℃、pHを11〜12に保った。その後、温
度を0℃に1時間保ちながら攪拌し、N−ペンタデカノ
イル−L−メチオニンナトリウム溶液を得た。その溶液
に5N塩酸68ミリリットルを加え、溶液のpHを1と
し、析出した結晶を減圧ろ過により分離し、水で洗浄
後、減圧下乾燥した。得られた結晶をヘキサン600ミ
リリットルで洗浄、乾燥後、メタノール:水=8:2溶
媒で再結晶させ、N−ペンタデカノイル−L−メチオニ
ン91.2g(0.24モル)を得た。仕込んだ塩化ペンタ
デカノイル基準の収率は72%であった。
【0014】製造例4 N−ペンタデカノイル−L−バリンの合成 1リットル三口フラスコに、L−バリン40g(0.34
モル)と、水酸化ナトリウム13.7g(0.34モル)を
水600ミリリットルに溶解した水溶液とを加え攪拌し
た。バリンが溶解した後アセトン400ミリリットルを
加えた。反応液を0℃に冷却し、塩化ペンタデカノイル
89.0g(0.34モル)と、水酸化ナトリウム13.7g
(0.34モル)を水90ミリリットルに溶解した水溶液
を同時に1時間かけて滴下した。その間、反応温度を0
℃、pHを11〜12に保った。その後、温度を0℃に
1時間保ちながら攪拌し、N−ペンタデカノイル−L−
バリンナトリウム溶液を得た。その溶液に5N塩酸68
ミリリットルを加え、溶液のpHを1とし、析出した結
晶を減圧ろ過により分離し、水で洗浄後、減圧下乾燥し
た。得られた結晶をヘキサン600ミリリットルで洗
浄、乾燥後、エタノール:水=8:2溶媒で再結晶さ
せ、N−ペンタデカノイル−L−バリン71.3gを得
た。仕込んだ塩化ペンタデカノイル基準の収率は61%
であった。
【0015】製造例5 N−ペンタデカノイル−L−イソロイシンの合成 1リットル三口フラスコに、L−イソロイシン40g
(0.30モル)と、水酸化ナトリウム12.0g(0.30
モル)を水600ミリリットルに溶解した水溶液とを加
え攪拌した。イソロイシンが溶解した後アセトン400
ミリリットルを加えた。反応液を0℃に冷却し、塩化ペ
ンタデカノイル79.5g(0.30モル)と、水酸化ナト
リウム12.2g(0.30モル)を水120ミリリットル
に溶解した水溶液を同時に1時間かけて滴下した。その
間、反応温度を0℃、pHを11〜12に保った。その
後、温度を0℃に1時間保ちながら攪拌し、N−ペンタ
デカノイル−L−イソロイシンナトリウム溶液を得た。
その溶液に5N塩酸61ミリリットルを加え、溶液のp
Hを1とし、析出した結晶を減圧ろ過により分離し、水
で洗浄後、減圧下乾燥した。得られた結晶をヘキサン6
00ミリリットルで洗浄、乾燥後、エタノール:水=
8:2溶媒で再結晶させ、N−ペンタデカノイル−L−
イソロイシン63.8g(0.18モル)を得た。仕込んだ
塩化ペンタデカノイル基準の収率は60%であった。
【0016】製造例6 N−ペンタデカノイル−L−フェニルアラニンの合成 1リットル三口フラスコに、L−フェニルアラニン40
g(0.24モル)と、水酸化ナトリウム9.7g(0.24
モル)を水600ミリリットルに溶解した水溶液とを加
え攪拌した。フェニルアラニンが溶解した後アセトン4
00ミリリットルを加えた。反応液を0℃に冷却し、塩
化ペンタデカノイル63.2g(0.24モル)と、水酸化
ナトリウム9.7g(0.24モル)を水65ミリリットル
に溶解した水溶液を同時に1時間かけて滴下した。その
間、反応温度を0℃、pHを11〜12に保った。その
後、温度を0℃に1時間保ちながら攪拌し、N−ペンタ
デカノイル−L−フェニルアラニンナトリウム溶液を得
た。その溶液に5N塩酸48ミリリットルを加え、溶液
のpHを1とし、析出した結晶を減圧ろ過により分離
し、水で洗浄後、減圧下乾燥した。得られた結晶をヘキ
サン600ミリリットルで洗浄、乾燥後、酢酸エチルで
再結晶させ、N−ペンタデカノイル−L−フェニルアラ
ニン38.6gを得た。仕込んだ塩化ペンタデカノイル基
準の収率は41%であった。
【0017】製造例7 N−ペンタデカノイル−L−チロシンの合成 1リットル三口フラスコに、L−チロシン54.4g(0.
3モル)と、水酸化ナトリウム24g(0.6モル)を水
300ミリリットルに溶解した水溶液とを加え攪拌し
た。チロシンが溶解した後アセトン200ミリリットル
を加えた。反応液を0℃に冷却し、塩化ペンタデカノイ
ル52.2g(0.2モル)と、水酸化ナトリウム8g(0.
2モル)を水50ミリリットルに溶解した水溶液を同時
に1時間かけて滴下した。その間、反応温度を0℃、p
Hを11〜12に保った。その後、温度を0℃に1時間
保ちながら攪拌し、N−ペンタデカノイル−L−チロシ
ンナトリウム溶液を得た。その溶液に5N塩酸200ミ
リリットルを加え、溶液のpHを1とし、析出した結晶
を減圧ろ過により分離し、水で洗浄後、減圧下乾燥し
た。得られた結晶をヘキサン300ミリリットルで洗
浄、乾燥後、エタノール:水=8:2溶媒で再結晶さ
せ、N−ペンタデカノイル−L−チロシン52.8gを得
た。仕込んだ塩化ペンタデカノイル基準の収率は65%
であった。
【0018】実施例1〜7及び比較例1 8週令のC3H系マウスの雄(体重18〜24g)を8
匹1群として、背部約2×3.5cmを除毛し、除毛した
背部に、第1表に示すN−アシルアミノ酸化合物の1重
量%エタノール溶液を被験サンプルとし、1日1回、0.
1ミリリットルを3週間に渡り塗布し、育毛の状態を観
察した。育毛効果の評価は、エタノールのみを塗布した
場合に比べ下記の基準に従い目視にて評価した。結果を
第1表に示す。なお、試験期間中、一般症状,皮膚状態
及び体重推移に対しては、被験サンプルの塗布によって
何ら影響は認められなかった。 ◎ 再発毛早く、きわめて良好に毛生え。 〇 再発毛早く、良好に毛生え。 △ 再発毛遅く、多少毛生え。 また、上記N−アシルアミノ酸化合物を、10℃で70
%エタノールに溶解した際の溶解度を調べた。結果を第
1表に示す。なお、ここで使用したN−アシルアミノ酸
化合物は上記製造例1〜7あるいはこれに準じて合成し
たものを使用した。
【0019】
【表1】
【0020】更に、本発明の実施例として、本発明の化
粧料の種々の形態をその組成とともに以下に示す。 実施例8 養毛料 重量% エタノール 78.0 N−ペンタデカノイルアラニン 0.5 オリーブ油 1.0 α−トコフェロール 0.5 香料 0.5 精製水 19.5 防腐剤 (適量)
【0021】 実施例9 養毛料 重量% エタノール 60.0 N−ペンタデカノイルロイシン 0.5 ジプロピレングリコール 3.0 香料 0.5 精製水 36.0 防腐剤 (適量)
【0022】 実施例10 ヘアリキッド 重量% エタノール 40.0 N−ペンタデカノイルメチオニン 2.0 グリセリン 1.0 ポリオキシプロピレン(40モル)ブチルエーテル10.0 香料 0.5 精製水 46.5 防腐剤 (適量)
【0023】 実施例11 養毛料 重量% エタノール 78.0 N−ペンタデカノイルバリン 0.5 オリーブ油 1.0 α−トコフェノール 0.5 香料 0.5 精製水 19.5 防腐剤 (適量)
【0024】 実施例12 養毛料 重量% エタノール 60.0 N−ペンタデカノイルイソロイシン 0.5 ジプロピレングリコール 3.0 香料 0.5 精製水 36.0 防腐剤 (適量)
【0025】 実施例13 ヘアリキッド 重量% エタノール 40.0 N-ペンタデカノイルフェニルアラニン 2.5 グリセリン 1.0 ポリオキシプロピレン(40モル)ブチルエーテル10.0 香料 0.5 精製水 46.0 防腐剤 (適量)
【0026】
【発明の効果】本発明によればN−ペンタデカノイルア
ラニン,N−ペンタデカノイルロイシン,N−ペンタデ
カノイルメチオニン,N−ペンタデカノイルバリン,N
−ペンタデカノイルイソロイシン,N−ペンタデカノイ
ルフェニルアラニン及びN−ペンタデカノイルチロシン
から選ばれるN−アシルアミノ酸又はこれらの塩は、化
粧料を調製する際の溶媒に対する溶解度が著しく優れ、
これを有効成分とすることにより、優れた育毛促進効
果、保湿作用、皮下血流量増進作用等を有する育毛用、
皮膚用などに好適な化粧料を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石塚 達史 茨城県鹿島郡神栖町東和田4番地 鹿島石 油株式会社鹿島製油所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N−ペンタデカノイルアラニン,N−ペ
    ンタデカノイルロイシン,N−ペンタデカノイルメチオ
    ニン,N−ペンタデカノイルバリン,N−ペンタデカノ
    イルイソロイシン,N−ペンタデカノイルフェニルアラ
    ニン,N−ペンタデカノイルチロシン及びこれらの塩か
    ら選ばれる少なくとも一種を有効成分とする化粧料。
  2. 【請求項2】 N−ペンタデカノイルアラニン,N−ペ
    ンタデカノイルロイシン,N−ペンタデカノイルメチオ
    ニン,N−ペンタデカノイルバリン,N−ペンタデカノ
    イルイソロイシン,N−ペンタデカノイルフェニルアラ
    ニン及びN−ペンタデカノイルチロシンから選ばれるN
    −アシルアミノ酸又はその塩。
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