JP7388214B2 - 成形構造体の製造方法および成形構造体を成形するための成形型 - Google Patents

成形構造体の製造方法および成形構造体を成形するための成形型 Download PDF

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本明細書で開示される技術は、成形構造体の製造方法および成形構造体を成形するための成形型に関する。
従来、繊維と熱可塑性樹脂とを含む板状の基材の端面に対して樹脂成形部が接合された成形構造体が知られている。下記特許文献1には、一対の成形型によって基材を所定形状に成形した後、基材の端面に溶融樹脂を射出成形することで、樹脂成形部が接合された成形構造体を製造する方法が記載されている。
特開2018-176576号公報
このような成形構造体において、基材の端面に対して溶融樹脂を射出成形する際には、溶融樹脂の射出圧によって基材の端面に圧力が掛かり、一定の圧力以上となった場合に、基材がその形状を維持できなくなって圧縮される虞がある。このように基材が溶融樹脂によって圧縮された場合には、基材の表面に皺やヨレ等が発生し、外観不良が引き起こされる事態が懸念される。
本明細書で開示される技術は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、基材の表面に、溶融樹脂の射出圧によって皺やヨレ等の変形が発生する事態を抑制することを目的とする。
上記課題を解決するための手段として、本明細書で開示される成形構造体の製造方法は、繊維及び熱可塑性樹脂を含み、板状をなす基材と、前記基材の端面に接合された樹脂成形部と、を備える成形構造体の製造方法であって、前記繊維および前記熱可塑性樹脂を含むマットをプレス型によって熱プレスしてプレボードを成形するプレボード成形工程と、 前記プレボードを加熱するとともに成形型の成形面によりプレスして前記基材を成形する基材成形工程と、前記基材の端面及び前記成形面の双方によって構成された成形空間に溶融樹脂を射出することで、前記基材の端面と接合された状態の前記樹脂成形部を成形する樹脂成形部成形工程と、を含み、前記成形面うち前記基材と対向する基材成形部分において、前記基材の端面と隣接する位置に、前記基材に向けて突出する突部が設けられており、前記基材成形工程において、前記突部を前記基材に食い込ませる、成形構造体の製造方法である。
また、本明細書で開示される他の発明は、繊維及び熱可塑性樹脂を含み、板状をなす基材と、前記基材の端面に接合された樹脂成形部と、を備える成形構造体を成形するための成形型であって、前記繊維および前記熱可塑性樹脂を含むマットを熱プレスすることにより成形したプレボードに対し、熱プレスを行って前記基材を成形可能な基材成形部分と、前記基材成形部分に連なるとともに、前記樹脂成形部を成形するための溶融樹脂を射出する成形空間を形成可能な成形部成形部分と、を備え、前記基材成形部分において、前記成形部成形部分と隣接する位置に、前記成形面から突出する突部が設けられている成形型である。
上記構成によれば、成形型の基材成形部分に設けられた突部が、基材のうちその端面に隣接する位置に食い込む構成とされているから、基材は、突部によって食い込まれた部分およびその周辺部が圧縮され、局部的に密度が高まるとともに、突部による引っ掛かりで動きが制限され、位置ずれし難くなる。これにより、溶融樹脂の射出時に、基材の端面が溶融樹脂の射出圧により押圧されて、皺やヨレ等の変形が発生する事態を抑制することができる。
上記突部は、基材の端面と隣接する面が、前記基材の端面に沿うように配されていてもよい。このような構成とすると、突部のうち基材の端面に沿うように配された面が、端面方向から加えられる溶融樹脂の射出圧を効率よく受けることができるから、位置ずれ防止の効果が一層高まる。
上記樹脂成形部は、スライド機構を備えない成形型に対して型開き不能なアンダーカット形状部分を備えていてもよい。成形構造体がアンダーカット形状部分を備える場合、基材の端面に射出成形によって容易にアンダーカット形状部分を形成することができるが、一方で、溶融樹脂の射出圧により基材が押圧されて皺やヨレ等の変形が起きることが懸念される。上記構成によれば、基材は突部による引っ掛かりにより位置ずれし難い構成とされているから、射出圧による皺やヨレの発生を抑制することができる。
また、上記成形構造体は、乗物用内装材であり、突部は、基材成形部分のうち乗物用内装材における基材の乗物室外側の面と対向する位置に設けられていてもよい。このような構成によれば、突部が食い込むことにより形成される基材の凹部は、乗物室外側の面に形成されるから、意匠面となる乗物室内側の面を美しく保つことができる。
さらに、成形構造体を成形するための成形型は、溶融樹脂が対向する一対の成形面のうち一方の成形面側から射出されるようになっており、突部は一方の成形面に設けられていてもよい。このような構成によれば、突部が食い込むことにより形成される基材の凹部は、溶融樹脂が射出される側に形成されるから、基材のうち他方の成形面にプレスされる面を、美しく保つことができる。
本明細書に開示する技術によれば、基材の表面に溶融樹脂の射出圧に起因する皺やヨレ等の変形が発生する事態を抑制することができる。
一実施形態におけるピラーガーニッシュを車室内側から視た斜視図 ピラーガーニッシュを車室外側から視た斜視図 ピラーガーニッシュの断面図(図2のI-I線で切断した図に対応) プレボード成形工程を説明するための図であって、繊維マットをプレス型によってプレスし、プレボードを作成した状態を示す断面図 成形装置およびプレボードを示す断面図(上型及び下型が型開き状態) 図5に示す状態から成形装置において型閉じを行った後の状態を示す断面図 図6に示す状態から成形装置において樹脂を射出した後の状態を示す断面図 図7に示す状態から成形装置において下型およびスライド型を移動させた後の状態を示す断面図 突部が基材に食い込んだ状態を示す拡大断面図
一実施形態を図1から図9によって説明する。本実施形態では、成形構造体として車両用のピラーガーニッシュ20を例示する。ピラーガーニッシュ20は、車室の側壁に配設されているセンターピラー(Bピラー、図示せず)に対して車室内側から取り付けられる車両用内装材(乗物用内装材の一例)である。なお、以下の説明においては、図1の左側を車両の前方、右側を車両の後方、上側を上方、下側を下方とする。また、ピラーガーニッシュ20のうち車室内側に配される面を表面20A、車室外側に配される面を裏面20Bとして説明する。
ピラーガーニッシュ20は、図1および図2に示すように、車両前後方向に延在して乗員と対向する面を構成する主壁部22と、主壁部22の車両前後方向における両端部から車室外側に向けて立ち上がる一対の側壁部23,24と、を備える。側壁部23、24の、主壁部22からの立ち上がり方向における先端部(車室外側の端部)は、アンダーカット形状をなすように内側(互いに近づく方向)に向けて屈曲している(図3参照)。すなわち、板状の主壁部22を板厚方向(図3の図示上下方向)に挟み込む、スライド機構を備えない上下の成形型に対して、側壁部23、24の先端部(車室外側の端部)は型開き不能な形状をなしている。
主壁部22は、上下方向に長い板状をなし、その中央部には、スライドプレート(図示せず)を車室内側に露出されるための開口部25が形成されている。主壁部22の下端部には、センターピラーに取り付けるための一対の取付片26が設けられている。主壁部22の上端部の裏面20B(車室外側の面)には、図2に示すように、クリップ座47が車室外側に突出する形で形成されている。クリップ座47は、図示しないクリップを保持することが可能な構成となっており、このクリップはセンターピラーに対して取り付けられる。また、一対の側壁部23、24の各裏面20Bには、上下方向に並ぶ複数の補強リブ48が形成されている。
ピラーガーニッシュ20は、図2及び図3に示すように、繊維及び熱可塑性樹脂を含む部分である基材30と、熱可塑性樹脂によって形成された樹脂成形部40と、を備える。なお、図2においては、ピラーガーニッシュ20のうち、樹脂成形部40を網掛けで図示している。基材30はプレス成形によって成形され、樹脂成形部40は射出成形によって成形される。なお、ピラーガーニッシュ20は、基材30および樹脂成形部40を表面20A(車室内側の面)から覆う表皮材をさらに備えていてもよい。
基材30に用いられる繊維としては、例えば、ケナフ繊維が用いられるが、繊維の種類はこれに限定されない。基材30に用いられる繊維として、木質繊維、熱可塑性樹脂繊維、ガラス繊維や炭素繊維などを用いてもよい。また、基材30において、繊維は、バインダーとしての熱可塑性樹脂により結着されている。基材30に用いられるバインダーとしての熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリエステル系樹脂を例示することができる。一方、樹脂成形部40に用いられる熱可塑性樹脂は、ポリプロピレンを例示することができるが、これに限定されるものではない。なお、基材30及び樹脂成形部40に用いられる熱可塑性樹脂は、それぞれ異なる材質であってもよいし、同じ材質であってもよい。
基材30は、板状をなす基材側板状部31を備えており、この基材側板状部31は、主壁部22の大部分(上端部以外の部分)を構成する基材側主壁部32と、一対の側壁部23、24の大部分(上端部及び車室外側の端部以外の部分)を構成する一対の基材側側壁部33、34と、を備える。基材側側壁部33、34は、基材側主壁部32に対して屈曲する形で基材側主壁部32の車両前後方向における両端部からそれぞれ車室外側に立ち上がる形態をなしている。
一方、樹脂成形部40は、図2の網掛けで示すように、板状をなす成形部側板状部41、クリップ座47、補強リブ48を構成するものとされる。成形部側板状部41は、ピラーガーニッシュ20における下端部以外の端部(上端部及び車室外側の端部)を構成するものとされる。具体的には、成形部側板状部41は、主壁部22の上端部を構成する成形部側主壁部42と、一対の側壁部23、24の上端部を構成する一対の成形部側側壁部43、44と、一対の側壁部23、24における車室外側の端部を構成する一対の延設部45、46と、を備える。
樹脂成形部40の成形部側主壁部42は、基材側主壁部32の上端面(基材の端面の一例)に延設される形で基材側主壁部32に接合されている。成形部側側壁部43、44は、基材側側壁部33、34の上端面(基材の端面の一例)に延設される形で基材側側壁部33、34に接合されている。延設部45、46は、基材側側壁部33、34の側端面33A、34A(車室外側の面、基材の端面の一例)に沿うように、成形部側側壁部43、44から下方に向かって延びており、基材側側壁部33、34の側端面33A、34Aに延設される形で、基材側側壁部33、34に接合されている。
すなわち、成形部側板状部41は、基材30の下端面以外の端面に延設される形で、基材30の上端面および側端面33A、34Aに接合されている。
一対の延設部45、46の車室外側の端部(基材側側壁部33,34とは反対側の端部)は、内側(互いに近づく方向)に向けて屈曲しており(図3参照)、基材30に対してアンダーカット形状をなしている。つまり、ピラーガーニッシュ20のアンダーカット形状部分は、樹脂成形部40の一部分により構成されている。
基材側板状部31の裏面20B(車室外側の面)のうち、下端面以外の端面(上端面および側端面33A、34A)に隣接する位置には、複数の凹部37が端面の延設方向に沿って並んで形成されている。これらの凹部37は、後述する成形型51の突部57によって形成されたものである(図9参照)。
次に本実施形態のピラーガーニッシュ20を成形するための成形装置50について説明する。成形装置50は、図5に示すように、射出装置61と、成形型51と、を備える。射出装置61は、例えば、スクリュータイプのものとされ、本実施形態では上型52に設けられている。上型52及び下型56は対向配置され、図示しない駆動装置(例えば、電動モータ、エアシリンダ、油圧シリンダなど)によって接近又は離間させることが可能となっている。これにより、上型52及び下型56の型閉じ及び型開きが可能な構成となっている(図5および図6参照)。なお、本実施形態の上型52は、コア型53と、コア型53に対して略上下方向にスライド可能な一対のスライド型54とによって構成されている。
上型52は、下型56との対向面である成形面52Aが下型56に向かって突き出す形状をなしている。また、下型56は、上型52との対向面である成形面56Aが、上型52の形状に対応して凹む形状をなしている。下型56は、図6に示す型閉じ状態では、上型52に対して、基材30の板厚に等しい距離だけ離間して対向配置される。つまり、型閉じ状態では、上型52と下型56との間には、基材30を成形するための基材成形空間S1が形成される。これにより、上型52及び下型56でプレボード30Pをプレスすると、プレボード30Pが基材成形空間S1の形状に対応する形に圧縮される。つまり、上型52によってピラーガーニッシュ20の裏面20B側が賦形されるとともに、下型56によって表面20A側が賦形されることにより、所定形状の基材30が成形される構成となっている。なお、基材30の板厚、すなわち、型閉じ状態における上型52および下型56の離間距離は、プレボード30Pの板厚よりも小さいものとされる。
また、型閉じ状態における上型52と下型56との間には、基材成形空間S1に配された基材30の端部に位置するように、樹脂成形部40を成形するための成形部成形空間S2(成形空間の一例)が基材成形空間S1と連なって形成される。換言すると、成形部成形空間S2は、基材30の端面及び成形型51によって囲まれた空間である。
なお、以下においては、上型52および下型56のうち、上述した基材成形空間S1を構成する部分を基材成形部分A1とし、成形部成形空間S2を構成する部分を成形部成形部分A2と称することとする。
図5から図7に示すように、上型52(コア型53およびスライド型54)の成形面52Aには、外部へ開口する複数の溝状の樹脂供給路55が形成されている。これらの樹脂供給路55は、コア型53の内部に設けられた樹脂射出口であるゲート62に通じており、型閉じ状態において、射出装置61から樹脂供給路55に対して溶融樹脂が射出可能とされている。すなわち、溶融樹脂は基材30の裏面側から供給されるようになっている。樹脂供給路55は成形部成形空間S2に連通しており、樹脂供給路55内に射出された溶融樹脂は、樹脂供給路55を通じて、成形部成形空間S2内に射出されるようになっている。
本実施形態において、上型52の基材成形部分A1のうち、基材側板状部31の下端面以外の端面(上端面および側端面33A,34A)に隣接する部分には、成形面52Aから基材30側に向けて突出する複数の突部57が当該端面に沿うように並んで設けられている。具体的には、上型52の基材成形部分A1のうち、基材側主壁部32の上端面に隣接する領域と、一対の基材側側壁部33、34の各上端面に隣接する領域と、一対の基材側側壁部33、34の各側端面33A、34Aに隣接する領域に、複数の突部57が並んで設けられている。
これらの各突部57は、基材30の端面と隣接する面が、成形面52Aから立ち上がるとともに基材30の端面に沿うように端面と平行に配された三角形状の立ち上がり面57Aとされるとともに、この三角形の立ち上がり面57Aの一対の辺から、基材30の端面から離れる方向かつ成形面52A側に向けて傾斜した一対の三角形状の傾斜面57Bを有する、四面体状をなしている。すなわち、突部57は、突出方向の先端側が先細りとされるとともに、基材30の端面と隣接する立ち上がり面57Aが溶融樹脂の流れる方向に対して垂直に交差する返し形状とされている。
次にピラーガーニッシュ20の製造方法の一例について説明する。本実施形態のピラーガーニッシュ20の製造方法は、プレボード30Pを成形するプレボード成形工程と、プレボード30Pを加熱するとともに、上型52および下型56によってプレス成形して基材30を形成する基材成形工程と、成形部成形空間S2に溶融樹脂を射出することで基材30と接合する形で樹脂成形部40を成形する樹脂成形部成形工程と、を備える。
<プレボード成形工程>
プレボード成形工程では、図4に示すように、繊維と熱可塑性樹脂とからなる繊維マットを、一対の平坦なプレス型70によって加熱プレスする。これにより、繊維マットが圧縮されると共に、繊維マットに含まれる熱可塑性樹脂が溶融することで互いの接触面において混ざり合う。その後、繊維マットに含まれる熱可塑性樹脂が冷却固化することで、プレボード30Pが成形される。
<基材成形工程>
基材成形工程では、まず、プレボード30Pを図示しないヒータによって加熱する。これにより、プレボード30Pが軟化状態となる。その後、図5に示すように、軟化状態となっているプレボード30Pを、上型52および下型56の間に配置する。続いて、図6に示すように、上型52および下型56を型閉じすることで、プレボード30Pを上型52および下型56の各成形面52A,56Aによってプレス成形する。これにより、プレボード30Pが基材成形空間S1の形状に倣う形状となり、基材30が成形される。
この時、上型52の基材形成部分A1には、基材側板状部31の下端部以外の端部に隣接して複数の突部57が並んで設けられているから、これらの突部57が基材側板状部31に食い込む。これらの突部57は先端側が先細りの形状とされているので、基材側板状部31に対して抵抗なく食い込むことができる。
<樹脂成形部成形工程>
樹脂成形部成形工程では、図7に示すように、上型52および下型56によって基材30が挟持された状態で、射出装置61によりゲート62から溶融樹脂(例えばポリプロピレン等)を樹脂供給路55に射出する。樹脂供給路55に射出された溶融樹脂は、樹脂供給路55を通じて、成形部成形空間S2内に射出される。
この時、基材30は、突部57によって食い込まれた部分およびその周辺部が当該突部57により圧縮され、局部的に密度が高まっているとともに、突部57による引っ掛かりで、位置ずれし難くなっている。これにより、基材30は、溶融樹脂の射出圧により押圧された場合でも、位置ずれが抑制され、皺やヨレ等の変形が発生する事態が抑制される。
また、突部57は、基材30の端面と隣接する立ち上がり面57Aが、基材30の端面に沿うように配される構成とされているから、立ち上がり面57Aが基材30の端面側から加えられる溶融樹脂の射出圧を効率よく受けることができる。すなわち、優れた位置ずれ抑制効果が得られる。
なお、成形部成形空間S2に溶融樹脂が充填される過程では、溶融樹脂が基材30との接触箇所(樹脂供給路55の開口部および端面)において基材30の繊維の内部へと浸透し、基材30内部の軟化した熱可塑性樹脂と混ざり合って渾然一体となる(混融される)。
その後、溶融樹脂が冷却固化されることで、成形部成形空間S2に充填された溶融樹脂は、基材30と接合された樹脂成形部40となる。具体的には、樹脂成形部40の成形部側主壁部42は、基材側主壁部32の上端面に対して接合された状態で成形され、成形部側側壁部43、44は、基材側側壁部33、34の上端面に対して接合された状態で成形され、延設部45、46は、基材側側壁部33、34の側端面33A、34Aに対して接合された状態で成形される。このようにして基材30と樹脂成形部40とが一体的に形成されることで、ピラーガーニッシュ20が完成する。
その後、図8に示すように、下型56およびスライド型54を相対的に下方に移動させて、ピラーガーニッシュ20におけるアンダーカット部分(例えば延設部45,46)を型抜き可能な状態とすることで、ピラーガーニッシュ20を型抜きする。なお、図3および図8の符号49は、樹脂供給路55内に充填されて冷却固化されたリブを表している。
なお、突部57が食い込むことにより形成された基材30の凹部37は、車室外側の面(裏面20B)に形成されているから、意匠面となる車室内側の面(表面20A)は美しく保たれている。
次に本実施形態の作用効果について説明する。本実施形態は、繊維及び熱可塑性樹脂を含み、板状をなす基材30と、基材30の端面に接合された樹脂成形部40と、を備えるピラーガーニッシュ20の製造方法であって、 繊維および熱可塑性樹脂を含むマットをプレス型70によって熱プレスしてプレボード30Pを成形するプレボード成形工程と、プレボード30Pを加熱するとともに成形型51の成形面52A,56Aによりプレスして基材30を成形する基材成形工程と、基材30の上端面および側端面33A,34Aと、成形面52A,56Aとの双方によって構成された成形部成形空間S2に溶融樹脂を射出することで、基材30の端面と接合された状態の樹脂成形部40を成形する樹脂成形部成形工程と、を含み、上型52の成形面52Aの基材30と対向する基材成形部分A1のうち、基材30の上端面および側端面33A、34Aと隣接する位置に、基材30に向けて突出する突部57が設けられており、基材成形工程において、突部57を基材30に食い込ませる、ピラーガーニッシュ20の製造方法である。
また、本実施形態は、繊維及び熱可塑性樹脂を含み、板状をなす基材30と、基材30の端面に接合された樹脂成形部40と、を備えるピラーガーニッシュ20を成形するための成形型51であって、繊維および熱可塑性樹脂を含むマットを熱プレスすることにより成形したプレボード30Pに対し、熱プレスを行って基材30を成形可能な基材成形部分A1と、基材成形部分A1に連なるとともに、樹脂成形部40を成形するための溶融樹脂を射出する成形部成形空間S2を形成可能な成形部成形部分A2と、を備え、基材成形部分A1のうち、成形部成形部分A2と隣接する位置に、成形面52Aから突出する突部57が設けられている。
上記構成によれば、成形型51の基材成形部分A1に設けられた突部57が、基材30の端面に隣接する位置に食い込む構成とされているから、基材30は、突部57によって食い込まれた部分およびその周辺部が圧縮され、局部的に密度が高まるとともに、突部57による引っ掛かりで動きが制限され、位置ずれし難くなる。これにより、溶融樹脂の射出時に、基材30の端面が溶融樹脂の射出圧により押圧されて、皺やヨレ等の変形が発生する事態を抑制することができる。
また、突部57は、基材30の端面と隣接する面が、基材30の端面に沿うように配されている。このような構成とすると、突部57のうち基材30の端面に沿うように配された面が、端面方向から加えられる溶融樹脂の射出圧を効率よく受けることができるから、位置ずれ防止の効果が高まる。
また、樹脂成形部40は、スライド機構を備えない成形型に対して型開き不能なアンダーカット形状部分を備えている。ピラーガーニッシュ20がアンダーカット形状部分を備える場合、基材30の端面に射出成形によって容易にアンダーカット形状部分を形成することができるが、一方で、溶融樹脂の射出圧により基材30が押圧されて皺やヨレ等の変形が起きることが懸念される。上記構成によれば、基材30は突部57による引っ掛かりにより位置ずれし難い構成とされているから、射出圧による皺やヨレの発生を抑制することができる。
また、ピラーガーニッシュ20の突部57は、成形型51の基材成形部分A1のうち、ピラーガーニッシュ20における基材30の乗物室外側の面(裏面20B)と対向する位置(上型52)に設けられている。このような構成によれば、突部57が食い込むことにより形成される基材30の凹部37は、乗物室外側の面(裏面20B)に形成されるから、意匠面となる乗物室内側の面(表面20A)を美しく保つことができる。
さらに、ピラーガーニッシュの成形型51は、溶融樹脂が対向する一対の成形面52A,56Aのうち一方の成形面52A側から射出されるようになっており、突部57は上型52の成形面52Aに設けられている。このような構成によれば、突部57が食い込むことにより形成される基材30の凹部37は、溶融樹脂が射出される側に形成されるから、基材30のうち下型56の成形面56Aにプレスされる側の面を、美しく保つことができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、成形構造体として断面U字形状のピラーガーニッシュ20を例示したが、これに限定されない。成形構造体としては、ドアトリムを構成するボード部材(アッパーボード等)、インストルメントパネル、ラゲージトリム、パッケージトレイ等の車両用内装材であってもよい。また、成形構造体は、断面U字形状のものに限らず、平坦な板状であってもよい。さらに、成形構造体は、車両以外の乗物に搭載される内装材(乗物用内装材)であってもよく、内装材以外の部材であってもよい。
(2)上記実施形態では、突部57は、基材30の端面と隣接する面が、基材30の端面に沿うように配された三角形状の立ち上がり面57Aを有するとともに、この三角形の立ち上がり面57Aの一対の辺から基材30の端面から離れる方向かつ成形面52A側に向けて傾斜した、一対の三角形状の傾斜面57Bとを有する、四面体状をなす形態を示したが、突部57の形態は上記実施形態に限るものではない。例えば、突部は、基材の端面と隣接する面が、基材の端面と平行とされた立ち上がり面を有する角柱状としてもよい。また、基材の端面と隣接する面が基材の端面と平行でない、単なる円錐状や円柱、角柱状の突部とすることもできる。
(3)上記実施形態では、突部57をピラーガーニッシュ20の裏面20B側を賦形する上型52側に設ける構成としたが、突部は、ピラーガーニッシュ20の表面20A側を賦形する下型56に設けたり、両面に設ける構成としてもよい。
(4)上記実施形態では、樹脂成形部40は基材30に対してアンダーカット形状に形成されている構成を示したが、必ずしもアンダーカット形状でなくてもよい。
20…ピラーガーニッシュ(成形構造体、乗物用内装材)、20A…表面、20B…裏面(乗物室外側の面)、22…主壁部、23、24…側壁部、30…基材、30P…プレボード、32…基材側主壁部、33、34…基材側側壁部、33A,34A…側端面(基材の端面)、37…凹部、40…樹脂成形部、50…成形装置、51…成形型、52…上型、52A…成形面、56…下型、56A…成形面、57…突部、57A…立ち上がり面(基材の端面と隣接する面)、A1…基材成形部分、A2…成形部成形部分、S1…基材成形空間、S2…成形部成形空間(成形空間)

Claims (7)

  1. 繊維及び熱可塑性樹脂を含み、板状をなす基材と、前記基材の端面に接合された樹脂成形部と、を備える成形構造体の製造方法であって、
    前記繊維および前記熱可塑性樹脂を含むマットをプレス型によって熱プレスしてプレボードを成形するプレボード成形工程と、
    前記プレボードを加熱するとともに成形型の成形面によりプレスして前記基材を成形する基材成形工程と、
    前記基材の端面及び前記成形面の双方によって構成された成形空間に溶融樹脂を射出することで、前記基材の端面と接合された状態の前記樹脂成形部を成形する樹脂成形部成形工程と、を含み、
    前記成形面のうち前記基材と対向する基材成形部分において、前記基材の端面と隣接する位置に、前記基材に向けて突出する突部が設けられており、
    前記突部は、前記基材の端面と隣接する面が、前記基材の端面に沿うように配されるとともにその突出方向の先端側が先細りとされた三角形状の立ち上がり面とされ、この三角形の前記立ち上がり面の一対の辺から、前記基材の端面から離れる方向かつ前記成形面側に向けて傾斜した傾斜面を有しており、
    前記基材成形工程において、前記突部を前記基材に食い込ませる、成形構造体の製造方法。
  2. 前記樹脂成形部成形工程において、前記基材側から前記成形空間に向けて前記溶融樹脂を射出する請求項1に記載の成形構造体の製造方法。
  3. 前記樹脂成形部は、前記成形型が前記基材を挟み込む方向の型開きが不能な形状をなすアンダーカット形状部分を備えている請求項1または請求項2に記載の成形構造体の製造方法。
  4. 前記成形構造体は、乗物用内装材であり、前記突部は、前記基材成形部分のうち前記乗物用内装材における前記基材の乗物室外側の面と対向する位置に設けられている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の成形構造体の製造方法。
  5. 繊維及び熱可塑性樹脂を含み、板状をなす基材と、前記基材の端面に接合された樹脂成形部と、を備える成形構造体を成形するための成形型であって、
    前記繊維および前記熱可塑性樹脂を含むマットを熱プレスすることにより成形したプレボードに対し、熱プレスを行って前記基材を成形可能な基材成形部分と、
    前記基材成形部分に連なるとともに、前記樹脂成形部を成形するための溶融樹脂を射出する成形空間を形成可能な成形部成形部分と、を有する成形面を備え、
    前記基材成形部分において、前記成形部成形部分と隣接する位置に、前記成形面から突出する突部が設けられており、
    前記突部のうち、前記成形部成形部分と隣接する面は、前記成形部成形部分に沿うように配されているとともにその突出方向の先端側が先細りとされた三角形状の立ち上がり面とされ、この三角形の前記立ち上がり面の一対の辺から、前記基材の端面から離れる方向かつ前記成形面側に向けて傾斜した傾斜面を有している、成形構造体を成形するための成形型。
  6. 前記溶融樹脂は対向する一対の前記成形面のうち一方の前記成形面側から射出されるようになっており、前記突部は前記一方の成形面に設けられている請求項5に記載の成形構造体を成形するための成形型。
  7. 前記溶融樹脂は前記基材成形部分側から前記成形空間に向けて射出されるようになっている請求項5または請求項6に記載の成形構造体を成形するための成形型。
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