JP2023080443A - 成形構造体および成形構造体の製造方法 - Google Patents

成形構造体および成形構造体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】加熱処理の回数を減らした場合でも、端末部分の剛性を確保することが可能な成形構造体および成形構造体の製造方法を提供する。【解決手段】繊維及び熱可塑性樹脂を含む板状の成形構造体1であって、板状体の主体部分で構成される本体部11と、前記板状体の周縁部の少なくとも一部が折り曲げられて形成され、前記本体部11から立ち上がる立上部12と、を有し、前記立上部12の内側面10Bに、当該立上部12の端縁部に沿う方向に延びる溝状の溝部16が設けられ、前記溝部16内に熱可塑性樹脂からなる裏側充填部23が充填されている。【選択図】図9

Description

本明細書に開示される技術は、成形構造体および成形構造体の製造方法に関する。
従来、成形構造体の製造方法として、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1には、樹脂繊維と植物系繊維とを配合したものをマット状に形成した熱成形用繊維板を加熱・冷却してプレボードを作製し、そのプレボードを樹脂が溶ける温度に再加熱した後、コールドプレス成形用上下型によりプレス成形することで、車両の内装材(基材)を製造する方法が記載されている。
特開2001-179716号公報
特許文献1に開示の成形構造体の製造方法では、プレボード作製時と、基材成形時の2回にわたって加熱処理を行うため、加工費が増大したり、サイクルタイムが長くなり、製造コストが高くなる。また、加熱処理時には、プレボードから特有の臭いが発生したり、プレボード中の揮発性有機化合物が発生して、環境に好ましくないという問題がある。
このような問題を解決するためには、加熱処理の回数を減らすことが考えられるが、基材の成形時にプレボードを再加熱する工程を省略した場合、プレボード(基材)が硬く延び難くなるという事情がある。そして、基材成形時にこのような硬く伸び難いプレボードを折り曲げつつ端末部分をカットする場合には、成形型に設けられたカット用のシャー刃がプレボードの表面に摺接してプレボードを傷つけるため、完成した基材の端末部分が部分的に薄くなり、剛性が低下することが懸念される。
本明細書に開示される技術は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、加熱処理の回数を減らした場合でも、端末部分の剛性を確保することが可能な成形構造体および成形構造体の製造方法を提供することを目的とするものである。
本明細書に開示される技術は、繊維及び熱可塑性樹脂を含む板状の成形構造体であって、板状体の主体部分で構成される本体部と、前記板状体の周縁部の少なくとも一部が折り曲げられて形成され、前記本体部から立ち上がる立上部と、を有し、前記立上部の内側面に、当該立上部の端縁部に沿う方向に延びる溝状の溝部が設けられ、前記溝部内に熱可塑性樹脂が充填されている。
上記構成によれば、立上部の端縁部に沿う方向に延びる溝部内に充填された熱可塑性樹脂が補強部として作用するから、立上部の剛性を高めることができる。したがって、成形構造体の製造時、例えばプレス成形等により本体部の周縁部の少なくとも一部を折り曲げて立上部とする場合に、その先端部分をシャー刃でカットする際、先端部分周辺がシャー刃により傷つけられ、その部分の板厚が薄くなった場合でも、立上部の剛性を確保することができるようになる。特に、コスト削減等のためにプレス成形前の加熱を省略した場合のように、成形対象の板材が硬く変形し難いような場合には、シャー刃により傷つき易くなるため、この構成の効果は顕著となり得る。
前記溝部は、断面V字形状のV溝であってもよい。溝部がV溝とされた場合には、溝部が断面矩形やU字形状とされた場合と比較して、成形構造体の製造時、溝部内に熱可塑性樹脂が充填されていない状態において、溝部が設けられた面の反対面側の強度を保ち易い。
前記板状体の周縁部の少なくとも一部が折れ曲がって前記立上部を立ち上げる部分である屈曲部の外面に溝状の屈曲部側溝部が設けられており、前記屈曲部側溝部内に熱可塑性樹脂が充填されていてもよい。
上記構成によれば、屈曲部側溝部によって板厚が薄くなった屈曲部の強度を、屈曲部側溝部内に充填された熱可塑性樹脂により向上させることができる。また、屈曲部側溝部内に充填された熱可塑性樹脂により、成形構造体の屈曲形状を保持することができる。
前記屈曲部側溝部内に充填された樹脂は、前記溝部内に充填された樹脂と同一の熱可塑性樹脂から構成されていてもよい。
上記構成によれば、成形構造体の製造時、溝部内に溶融樹脂を射出するのと同時に、屈曲部側溝部内に溶融樹脂を充填することができる。
熱可塑性樹脂により成形された成形体が一体に設けられており、前記成形体は、前記溝部内に充填された樹脂と同一の熱可塑性樹脂から構成されていてもよい。
上記構成によれば、成形構造体の製造時、溝部内に溶融樹脂を射出するのと同時に、本体部に設けられる成形体を射出成形することができる。
また、本明細書に開示される技術は、成形構造体を製造する方法であって、繊維および熱可塑性樹脂を含むマットをプレス型によって熱プレスしてプレボードを成形するプレボード成形工程と、前記プレボードの板面の所定箇所に溝状の溝部を形成する切削工程と、前記熱可塑性樹脂が溶融しない温度で成形型により前記プレボードをプレスして、板状体の主体部分で構成される本体部と、前記板状体の周縁部の少なくとも一部を折り曲げることで前記本体部から前記溝部が内側面に配される形で立ち上がる立上部と、を有する基材を成形するプレス成形工程と、前記溝部内に熱可塑性樹脂を充填する樹脂充填工程と、を順に実行する。
上記製造方法によれば、成形構造体のプレス成形時にプレボードが加熱されず、立上部の表面が成形型に設けられた端末切断用のシャー刃により削られ、剛性が損なわれる場合でも、立上部の端縁部に沿う方向に延びる溝部内の熱可塑性樹脂が補強部として作用する。すなわち、溝部内に充填された熱可塑性樹脂によって、立上部の剛性を高めることができる。
前記切削工程において、前記プレボードのうち前記溝部が形成される面の反対側の面の所定箇所に切り込みを形成し、前記プレス成形工程において前記プレボードを前記切り込みに沿って折り曲げることにより、折り曲げた部分である屈曲部の外面に前記切り込みが開かれてなる溝状の屈曲部側溝部を形成し、前記樹脂充填工程において、前記屈曲部側溝部に前記溝部内に充填された樹脂と同一の熱可塑性樹脂を充填してもよい。
上記構成によれば、成形構造体のプレス成形時にプレボードが加熱されない場合でも、屈曲部の外面となる面に予め溝部となる切り込みを設けておくことにより、プレボードのプレス成形時に切り込みが開いて屈曲部側溝部が所定の位置に形成される。すなわち、プレボードが所定の位置以外で裂けたり割れたりすることが抑制される。また、屈曲部側溝部内に熱可塑性樹脂が充填されることにより、成形構造体の屈曲形状が保持される。
前樹脂充填工程において、前記屈曲部の内側から前記屈曲部側溝部に前記熱可塑性樹脂を充填してもよい。
上記製造方法によれば、屈曲部側溝部の外周に射出口の跡が形成されてしまうことがなく、外周を美しく成形することができる。
前記溝部内に充填された樹脂と同一の熱可塑性樹脂からなる成形体を射出成形する成形体成形工程を含み、前記成形体成形工程は、前記樹脂充填工程と同時に実行されてもよい。
上記製造方法によれば、溝部を充填するのと同時に成形体を射出成形することができる。
本明細書に開示される技術によれば、加熱処理の回数を減らした場合でも端末部分の剛性を確保することが可能な成形構造体および成形構造体の製造方法を提供することができる。
一実施形態のシートバックボードを表側から視た状態を示す斜視図 シートバックボードの背面図 シートバックボードを裏側から視た状態を示す一部拡大斜視図 プレボード成形工程を説明するための図であって、繊維マットをプレス型によってプレスしている最中の状態を示す断面図 切削工程を説明するための図であって、プレボードを切削した状態を示す一部拡大断面図 プレボードを下型に載置する前の状態を示す成形装置およびプレボードを示す一部拡大断面図(上型及び下型が型開き状態) プレス成形工程を説明するための図であって、成形装置の型閉じを行う途中の状態を示す一部拡大断面図 プレス成形工程を説明するための図であって、成形装置の型閉じを行い、基材の端末を切断した状態を示す一部拡大断面図 樹脂充填工程を説明するための図であって、図8に示す状態から溶融樹脂を射出した状態を示す一部拡大断面図 図9に示す状態から成形装置の上型及び下型が型開きされてシートバックボードが完成した状態を示す断面図 裏側溝部の断面積、形状、および形成位置と、シートバックボードの変位量変化を表すグラフ 変形例のシートバックボードの一部拡大断面図
一実施形態を図1から図11によって説明する。本実施形態の成形構造体および成形構造体の製造方法は、自動車等の乗物用シートを構成するシートバックボード1に採用されるものである。より詳しくは、乗物用シートは、シートクッションおよびシートバックを備えており、シートバックボード1は、シートバックの背面を構成するものである。なお、一部の図面にはX軸およびY軸及びZ軸を示しており、各軸方向が各図面で示した方向となるように描かれている。表裏方向については図1を基準とし、図1の上側を表側、下側を裏側とする。また、上下方向について、図1~3ではシートバックボード1を基準としてY方向を上下方向として説明し、図6~図10については、成形装置40を基準として、Z方向を上下方向として説明する。さらに、複数の同一部位については、一の部位に符号を付し、他の部位については符号を省略することがある。
シートバックボード1は、図1の斜視図に示すように、全体としては略矩形の浅皿状をなしている。シートバックボード1は、板状の基材10と、基材10の所定部分に設けられた後述する樹脂部20と、を備えて構成されている。以下、各部位について詳細に説明する。
基材10は、平坦な略矩形の板状体の周縁部が裏側かつ外側に向けて斜めに立ち上がるように屈曲された形状をなしている。以下、基材10の中央の平坦な部分であって、シートバックボード1の主体となる部分を本体部11とし、本体部11から屈曲されて立ち上がる部分を立上部12とする。また、本体部11と立上部12との境界部分(屈曲された部分)を屈曲部13と称することとする。
本体部11は、平面視矩形の板状をなしている。本体部11は、上下方向(Y方向)の寸法が、左右方向(X方向)の寸法よりやや大きいものとされる。立上部12は、本体部11の周縁部の全体にわたって設けられている。
基材10のうち、屈曲部13の外側の面(表面10A)には、屈曲部13の全体にわたって断面V字形状の表側V溝(屈曲部側溝部の一例)15が形成されている(図3参照)。つまり表側V溝15は、屈曲部13に沿う形で延びている。また、立上部12の内側面(裏面10B)には、該立上部12の先端側(本体部11の反対側)の端縁部に隣接した部分において、該端縁部に沿って延びる断面V字形状の裏側V溝(溝部およびV溝の一例)16が全周にわたって形成されている。
上述した基材10は、繊維及び熱可塑性樹脂を含むものとされる。基材10に含まれる繊維としては、例えば、ケナフ繊維が用いられるが、繊維の種類はこれに限定されない。基材10に用いられる繊維として、木質繊維、熱可塑性樹脂繊維、ガラス繊維や炭素繊維などを用いてもよい。また、基材10において、繊維は、バインダーとしての熱可塑性樹脂により結着されている。基材10に用いられるバインダーとしての熱可塑性樹脂は、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリエステル系樹脂を例示することができる。
基材10の所定位置には、熱可塑性樹脂からなる樹脂部20が設けられている。樹脂部20は、本体部11の裏面10Bにおいて立上部12に隣接して本体部11と一体に設けられたクリップ座(成形体の一例)21と、上述した表側V溝15を埋める表側充填部22と、裏側V溝16を埋める裏側充填部23と、基材10の裏面10Bに形成された後述する3種類のリブ(第1リブ24,第2リブ25,第3リブ26)と、を備えている(図1から図3参照)。
クリップ座21は、基材10の本体部11の裏面10Bから突出する形で形成されている。クリップ座21は平面視半円形をなしており(図2参照)、本体部11の中央から外側に向けてクリップが嵌め入れられるようになっている。クリップ座21は、例えば、熱可塑性樹脂であるポリプロピレンによって形成されている。
上述した表側充填部22および裏側充填部23は、ともに、V溝(表側V溝15および裏側V溝16)内を充填する形で、シートバックボード1の全周にわたって延びている。これら表側充填部22および裏側充填部23は、例えば、熱可塑性樹脂であるポリプロピレンによって形成されている。
上述した第1リブ24は、屈曲部13の内側(裏面10B)の全体にわたって設けられている。つまり、第1リブ24は環状をなしている。また、第2リブ25は、裏側充填部23と第1リブ24との間を連結する形で複数本設けられており、第3リブ26は、クリップ座21と第1リブ24との間を連結する形で設けられている(図2参照)。
第1リブ24は、後述するように、溶融樹脂を流通させるために成形型50に設けた第1ランナー64内に充填された溶融樹脂が冷却されることで形成されたもの(第1ランナー64の跡)である。また、第2リブ25は、裏側V溝16を充填する際に、溶融樹脂を流通させるために成形型50に設けた第2ランナー65内に充填された溶融樹脂が冷却されることで形成されたもの(第2ランナー65の跡)である。さらに、第3リブ26は、クリップ座21を成形する際に、溶融樹脂を流通させるために成形型50に設けた第3ランナー(図示せず)内に充填された溶融樹脂が冷却されることで形成されたもの(第3ランナーの跡)である。
これら第1リブ24、第2リブ25、第3リブ26は、例えば、熱可塑性樹脂であるポリプロピレンによって形成されている。
シートバックボード1の構成は上述した通りであって、続いて、シートバックボード1を製造するための製造装置について説明する。シートバックボード1の製造装置は、大別すると、植物性繊維と熱可塑性樹脂とから作製された繊維マット10Fを加熱しつつ押圧してプレボード10Pを作製するプレス型30,31と、切削装置によって切削されたプレボード10Pを製品形状にプレス成形する成形装置40と、を備えて構成される。
図4に示す一対のプレス型30,31は、図示しない駆動装置(例えば、電動モータ、エアシリンダ、油圧シリンダなど)によって、互いに型閉じ及び型開きが可能な構成となっている。一対のプレス型30,31(プレス板、熱板)には、例えば、通電によって発熱するヒータなどの発熱手段が内蔵されている。これにより、プレス型30,31は、所定の温度に加熱可能な構成となっており、繊維マット10Fを加熱プレスすることができる。なお、このようなヒータは、プレス型30,31のうちいずれか一方のみに設けられていてもよい。
成形装置40は、例えば図6に示すように、射出装置41と、成形型50(上型51及び下型61)とを備えている。射出装置41は、例えば、スクリュータイプのものとされ、本実施形態では下型61に設けられている。
上型51は、図示しない駆動装置(例えば、電動モータ、エアシリンダ、油圧シリンダなど)によって、下型61(固定型)に対して移動が可能な可動型とされる。上型51を下型61に対して垂直方向に接近離間させることで上型51及び下型61の型閉じ及び型開きが可能な構成となっている。
下型61は、上型51との対向面である型面61Aが上型51に向かって突き出す形状をなしている。また、上型51は、下型61との対向面である型面51Aが、下型61の形状に対応して凹む形状をなしている。上型51は、図8等に示すように、上型51及び下型61が型閉じされた閉状態では、下型61に対して、基材10の板厚に等しい距離だけ離間して対向配置される。つまり、型閉じ状態では上型51と下型61との間に基材10を成形するための基材成形空間S1が形成される。これにより、上型51及び下型61でプレボード10Pをプレスすると、プレボード10Pが基材成形空間S1の形状に対応する形に圧縮され、基材10が成形される構成となっている。
なお、基材10の板厚、すなわち、型閉じ状態における上型51および下型61の離間距離は、プレボード10Pの板厚よりも小さいものとされる。本実施形態では、基材の板厚が3mmとなるように設定されている。
上述した基材成形空間S1の周端部は、上型51の型面51Aから下方に向けて垂直に延びる上側閉鎖面51Bと、下型61の型面61Aから下方に向けて垂直に延びる下側閉鎖面61Bとが摺動しつつ重なり合うことにより閉じられるようになっている。また、上側閉鎖面51Bの下端には、プレボード10Pをプレスする際(型閉じする際)にプレボード10Pを所定の大きさにカットするためのシャー刃(図示せず)が設けられており、上型51および下型61の型閉じ過程において、シャー刃がプレボード10Pの上面に当接し、プレボード10Pを下方に向けて押圧変形させるとともに、下側閉鎖面61Bと摺動するのに伴ってプレボード10Pの端末をカットするようになっている(図7および図8参照)。
なお、下型61の型面61Aには、上述したクリップ座21を成形するための図示しないクリップ座成形凹部が、外部へ開口するように凹設されている。また下型61は、クリップ座21を成形するための図示しないスライド機構を備えている。
また、下型61の型面61Aには、外部へ開口する第1ランナー64、第2ランナー65、および、第3ランナー(図示せず)が形成されている。
第1ランナー64は、下型61の上方に突き出した型面61Aの上端角部をL字形状に切り欠く形で、型面61Aを周回するように設けられている(図6参照)。この第1ランナー64は、上述したシートバックボード1の屈曲部13に対応する位置に形成されている。この第1ランナー64には、射出装置41からの樹脂が射出される射出口であるゲート42が設けられている(図6参照)。
第2ランナー65は、下型61の上方に突き出した型面61Aのうち傾斜状とされた立ち上がり部分(立上部12に対応する部分)を溝状に切り欠く形で、第1ランナー64の延び方向と交差する方向に延びている(図6参照)。この第2ランナー65は、型閉じされた状態において、プレス成形された基材10の裏側V溝16と第1ランナー64との間を連結可能としており、複数本形成されている。
また第3ランナー(図示せず)は、下型61の型面61Aのうち水平に延びる上面(本体部11に対応する部分)を溝状に切り欠く形で、第1ランナー64の延び方向と交差する方向に延びている。この第3ランナーは、上述したクリップ座21を成形するために下型61に設けられたクリップ座成形凹部(図示せず)と第1ランナー64との間を連結するように形成されている。
次に車両用シートを構成するシートバックボード1の製造方法の一例について説明する。本実施形態のシートバックボード1の製造方法は、プレボード10Pを成形するプレボード成形工程と、プレボード10Pを所定の寸法および形状にカットし、所定箇所に切り込み15Pを入れるとともに裏側V溝16を形成する切削工程と、プレボード10Pを上型51および下型61によってプレスして基材10を成形するプレス成形工程と、第1ランナー64、第2ランナー65、および、第3ランナー内に溶融樹脂を射出することで、表側V溝15および裏側V溝16を充填するとともに、基材10と接合する形でクリップ座21を成形する樹脂部成形工程(樹脂充填工程および成形体成形工程の一例)と、が順に実行されるものである。
<プレボード成形工程>
プレボード成形工程では、図4に示すように、繊維と熱可塑性樹脂とからなる繊維マット10Fを、一対の平坦なプレス型30,31によって加熱プレスする。これにより、繊維マット10Fが圧縮されると共に、繊維マット10Fに含まれる熱可塑性樹脂が溶融することで互いの接触面において混ざり合う。その後、繊維マット10Fに含まれる熱可塑性樹脂が冷却固化することで、プレボード10Pが成形される。
<切削工程>
次に、成形されたプレボード10Pを裁断機により所定の寸法および形状にカットする。本実施形態では、図5に示すように、成形後に屈曲部13とされる位置に、周縁部に沿う形で連続的に直線状の切り込み15Pを形成するとともに、切り込み15Pの外周側に、周縁部に沿う形で断面V字形状の裏側V溝16を形成する。切り込み15Pは、プレボード10Pの一方の面(図5における表面)に形成するものとし、裏側V溝16はプレボード10Pの他方の面(図5における裏面)に形成するものとする。また、これらの位置や寸法については、後述する通りとする。
<プレス成形工程>
次に、常温(加熱しない状態)のプレボード10Pを下型61に対して位置決めしつつ載置する。プレボード10Pは、切り込み15Pが設けられた面が上面(表面10A)となり、裏側V溝16が設けられた面が下面(裏面10B)となるように、下型61に載置するものとする(図6参照)。
続いて、成形型50を型閉じすることで、プレボード10Pを上型51および下型61の各型面51A,61Aによってプレス成形する(図7および図8参照)。このプレス成形時、プレボード10Pは加熱されていないため、硬く延びに難い状態とされている。プレス成形により、プレボード10Pは切り込み15Pに沿って屈曲され、屈曲部13が形成される。屈曲部13の外面(表面)には、切り込み15Pが開くことにより断面V字型の表側V溝15が形成される。
またプレボード10Pの周端部は、上型51の上側閉鎖面51Bの下端に設けられたシャー刃により切断される。これにより、プレボード10Pは基材成形空間S1の形状に倣う形状とされる。
より詳細に説明すると、上型51が下降して徐々に下型61に近づく過程においては、図7に示すように、まず上型51の上側閉鎖面51Bの下端がプレボード10Pの周端部近くに当接し、プレボード10Pを下型61に向けて押圧することで、プレボード10Pは表面10Aに形成された切り込み15Pを基端として徐々に折り曲げられる。つまり、切り込み15Pが開いて屈曲部13が形成されるとともに、断面V字状の表側V溝15が形成される。
なお、このようにプレボード10Pが押圧され折り曲げられる過程においては、上型51の上側閉鎖面51Bの下端部に設けられたシャー刃がプレボード10Pの表面を引っ掻くように摺接するため、プレボード10Pの表面に傷がつく場合がある。
このようにして、板状をなす本体部11と、本体部11の周縁部から屈曲部13によって折れ曲がる形で立ち上がる立上部12と、を有する基材10が完成する。立上部12は、上述した裏側V溝16が内側に配される形で本体部11から立ち上がっている。
図8に示すように成形型50が型閉じされた状態において、表側V溝15と上型51の型面51Aとの間には、断面三角形状の空間が形成される。この空間は、表側充填部22を成形するための表側充填部成形空間S2とされる。また、この状態における表側V溝15の底部(溝の深さが最も深い部分)は、基材10の裏面10Bに隣接しているか、基材10の裏面10Bにまで到達している。つまり、上述した切削工程において、切り込み15Pの深さ寸法を、屈曲時に形成される表側V溝15の底部が基材10の裏面10Bに隣接するか、あるいは、裏面10Bにまで到達するように、予め設定しておく。
また、成形型50が型閉じされた状態において、裏側V溝16と下型61の型面61Aとの間には、断面三角形状の空間が形成される。この空間は、裏側充填部23を成形するための裏側充填部成形空間S3とされる。また、この状態における裏側V溝16の立上部12の周縁部からの距離L1は、2mmとされるとともに、裏側V溝16の開口幅は2mmとされている。つまり、上述した切削工程において、裏側V溝16を形成する位置を、プレス成形時に立上部12の周縁部から2mmとなるとともに、開口幅が2mmとなるように設定しておく。
さらに、成形型50が型閉じされた状態において、上述した下型61のクリップ座成形凹部(図示せず)と基材10との間には、クリップ座成形空間(図示せず)が形成されている。
<樹脂部成形工程>
型閉じの後、樹脂部成形工程(樹脂充填工程および成形体成形工程の一例)が実施される。樹脂部成形工程では、上型51の型面51A及び下型61の型面61Aによって基材10がプレスされた状態(型閉じした状態)で、射出装置41により溶融樹脂を各ランナー内に射出するとともに、各空間内を充填する。具体的には、ゲート42から第1ランナー64内に射出された溶融樹脂は、第2ランナー65を通して裏側充填部成形空間S3内に射出されるとともに、第3ランナーを通してクリップ座成形空間内に射出される。
この時、基材10の立上部12がプレス成形の際にシャー刃により削られて傷ついていたり、変形している場合でも、立上部12は裏側V溝16内に充填される溶融樹脂の圧力により上型51の型面51Aに押し付けられ、裏側充填部23により形状が保たれるとともに、補強される。
また、第1ランナー64内の溶融樹脂は、第1ランナー64内から基材10に浸み込み、基材10の裏面10Bに隣接している表側V溝15の底部から表側充填部成形空間S2内に流通されるとともに、充填される。あるいは、溶融樹脂は、基材10の裏面10Bに到達している表側V溝15の底部、または、表側V溝15から裏面10Bまで貫通した貫通孔から、表側充填部成形空間S2内に射出され、充填される。すなわち、溶融樹脂は基材10の裏面10B側から表側V溝15内に供給される(図9参照)。
このようにして、第1ランナー64、第2ランナー65、第3ランナー、表側充填部成形空間S2、裏側充填部成形空間S3、クリップ座成形空間が、溶融樹脂により充填される。
その後、これらに充填された溶融樹脂が冷却されることで、基材10および樹脂部20から構成されたシートバックボード1が完成する。シートバックボード1に含まれる熱可塑性樹脂(樹脂部20)が冷却固化された後、上型51及び下型61を開き、シートバックボード1を脱型する(図10参照)。これにより、シートバックボード1の製造が完了する。
<裏側溝部の断面積、形状、および形成位置と、シートバックボードの変位量変化の検証>
上記実施形態のシートバックボード1(裏側V溝16内が熱可塑性樹脂(裏側充填部23)で充填されたもの)の立上部12を、内側面(裏面10B)から本体部11に沿う方向に70Nの力で押圧し、裏側溝部の断面積と形状、および形成位置を変化させた場合のシートバックボードの立上部の変位量(mm/70N)の変化について測定した。立上部の幅寸法は10mmとした。測定結果を図11のグラフに示す。
グラフに示すように、裏側溝部を設けない従来のシートバックボードでは変位量が1mmであったのに対し、裏側溝部を設けたものはいずれも変位量が概ね0.7mm以下となり、溝部(裏側充填部)を設けることにより立上部の剛性が向上することが明らかになった。
また、溝部の断面積は大きい方が若干変位量が少なくなる傾向があるものの、断面積が1~5mmの範囲内では大きな差は見られないことがわかった。断面積は、溝幅や溝深さを適宜設定することにより変更可能であるが、溝の底部から表面までの距離(厚み)は0.5mm以上であることが好ましい。
また、溝部の開口の、立上部の周端部(本体部の反対側の端部)からの距離(図8のL1)は、3mmよりも2mm、すなわち、周端部に近い方が、変位量が小さかった。つまり、周端部に近い方が剛性が高くなることがわかった。ただし、2mmよりもさらに周端部に近い位置に溝部を形成した場合には、溝部を熱可塑性樹脂で充填する際に、溶融した熱可塑性樹脂が表面に回り込む場合があるので、立上部の周端部から溝部までの距離L1は、2mm以上とすることが望ましい。
さらに、溝部の断面形状について、断面積が2mmでは断面V字形状のものと断面矩形のものとで変位量の差は認められなかったが、断面積が約4mm付近では、断面V字形状の方が変位量がやや小さくなる傾向がある。すなわち、断面V字形状の方が剛性が高くなると推察される。これは、断面矩形の溝では、溝部の底部が基材の表面近くに広く存在することになるため、シートバックボード1の製造段階で溝部内に熱可塑性樹脂が充填されていない状態において表面側が脆弱になり、断面がV形状とされる場合と比較してシャー刃によってより削られ易くなるためだと考えられる。したがって、溝部の形状は断面V字形状とされることが好ましいと考えられる。
続いて、本実施形態の作用効果について説明する。本実施形態のシートバックボード1は、繊維及び熱可塑性樹脂を含む板状をなし、板状体の主体部分で構成される本体部11と、板状体の周縁部の少なくとも一部が折り曲げられて形成され、本体部11から立ち上がる立上部12と、を有し、立上部12の内側面(裏面10B)に、当該立上部12の端縁部に沿う方向に延びる溝状の裏側V溝16が設けられ、裏側V溝内に熱可塑性樹脂が充填されている。
上記構成によれば、立上部12の端縁部に沿う方向に延びる裏側V溝16内に充填された熱可塑性樹脂が補強部として作用するから、立上部12の剛性を高めることができる。したがって、シートバックボード1の製造時、プレス成形により本体部11の周縁部の少なくとも一部を折り曲げて立上部12とする場合に、その先端部分をシャー刃でカットする際、先端部分周辺がシャー刃により傷つけられ、その部分の板厚が薄くなった場合でも、立上部12の剛性を確保することができるようになる。特に、コスト削減等のためにプレス成形前の加熱を省略した場合のように、成形対象の板材が硬く変形し難いような場合には、シャー刃により傷つき易くなるため、この構成の効果は顕著となり得る。
また、裏側V溝16は、断面V字形状のV溝状とされている。このように溝部がV溝とされた場合には、溝部が断面矩形やU字形状とされた場合と比較して、シートバックボード1の製造段階で裏側V溝16内に熱可塑性樹脂が充填されていない状態において、表面10A側の強度を保ち易い。したがって、プレボード10Pをプレス成形する過程で、プレボード10Pが裏側V溝16が形成された位置でシャー刃により破断されたり、折れ曲がったりすることを抑制できる。
また、屈曲部13の外面に溝状の表側V溝15が設けられており、表側V溝15内に熱可塑性樹脂からなる表側充填部22が充填されている。
上記構成によれば、表側V溝15によって板厚が薄くなった屈曲部13の強度を、表側V溝15内に充填された熱可塑性樹脂からなる表側充填部22により向上させることができる。また、表側V溝15内に充填された表側充填部22により、シートバックボード1の屈曲形状を保持することができる。
また、表側V溝15内に充填された樹脂は、裏側V溝16内に充填された樹脂と同一の熱可塑性樹脂から構成されている。
上記構成によれば、シートバックボード1の製造時、裏側V溝16内に溶融樹脂を射出するのと同時に、表側V溝15内に溶融樹脂を充填することができる。
また、熱可塑性樹脂により成形されたクリップ座21が一体に設けられており、クリップ座21は、裏側V溝16内に充填された樹脂と同一の熱可塑性樹脂から構成されている。
上記構成によれば、シートバックボード1の製造時、裏側V溝16内に溶融樹脂を射出するのと同時に、本体部11に設けられるクリップ座21を射出成形することができる。
また、本実施形態のシートバックボード1の製造方法は、繊維および熱可塑性樹脂を含む繊維マット10Fをプレス型30,31によって熱プレスしてプレボード10Pを成形するプレボード成形工程と、プレボード10Pの板面の所定箇所に溝状の裏側V溝16を形成する切削工程と、熱可塑性樹脂が溶融しない温度で成形型50の型面51A,61Aによりプレボード10Pをプレスして、板状体の主体部分で構成される本体部11と、本体部11の周縁部を屈曲部13により折り曲げることで、本体部11から裏側V溝16が内側面に配される形で立ち上がる立上部12と、を有する基材10を成形するプレス成形工程と、裏側V溝16内に熱可塑性樹脂を充填する樹脂部成形工程(樹脂充填工程)と、を順に実行する。
上記製造方法によれば、シートバックボード1のプレス成形時にプレボード10Pが加熱されず、立上部12の表面10Aが成形型50に設けられた端末切断用のシャー刃により削られ、剛性が損なわれる場合でも、立上部12の端縁部に沿う方向に延びる裏側V溝16内の熱可塑性樹脂からなる裏側充填部23が補強部として作用する。すなわち、裏側V溝16内に充填された裏側充填部23によって、立上部12の剛性を高めることができる。
また、切削工程において、プレボード10Pのうち裏側V溝16が形成される面の反対側の面(表面10A)の所定箇所に切り込み15Pを形成し、プレス成形工程においてプレボード10Pを切り込み15Pに沿って折り曲げることにより、屈曲部13の外面(表面10A)に切り込み15Pが開かれてなる溝状の表側V溝15を形成し、樹脂部形成工程において、表側V溝15に裏側V溝16内に充填された樹脂と同一の熱可塑性樹脂を充填する。
上記構成によれば、シートバックボード1のプレス成形時にプレボード10Pが加熱されない場合でも、屈曲部13の外面となる表面10Aに予め表側V溝15となる切り込み15Pを設けておくことにより、プレボード10Pのプレス成形時に切り込み15Pが開いて表側V溝15が所定の位置に形成される。すなわち、プレボード10Pが所定の位置以外で裂けたり割れたりすることが抑制される。また、表側V溝15内に熱可塑性樹脂からなる表側充填部22が充填されることにより、シートバックボード1の屈曲形状が保持される。
また、樹脂部成形工程において、屈曲部13の内側から表側V溝15内に熱可塑性樹脂を充填する。
上記製造方法によれば、表側V溝15の外周に射出装置41のゲート42の跡が形成されてしまうことがなく、外周を美しく成形することができる。
また、裏側V溝16内に充填された樹脂と同一の熱可塑性樹脂からなるクリップ座21を射出成形するクリップ座成形工程を含み、クリップ座成形工程は、樹脂部成形工程と同時に実行される。
上記製造方法によれば、裏側V溝16を充填するのと同時にクリップ座21を射出成形することができる。
<他の実施形態>
本明細書に開示される技術は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、立上部12を本体部11の外周縁部の全体にわたって設ける構成を示したが、立上部が本体部の外周縁部の一部に設けられる構成も技術的範囲に含まれる。
(2)裏側V溝16の形状は、断面U字型や断面矩形の溝状であってもよい。図12に、裏側溝部116を断面矩形の溝状とした変形例を示す。同図においては、裏側溝部116以外の上記実施形態と同様の構成について、上記実施形態で用いる符号に100を足した符号を付している。
(3)上記実施形態では、シートバックボード1に表側V溝15および表側充填部22を設ける構成を示したが、表側溝部や表側充填部は必ずしも設けられていなくてもよい。
(4)上記実施形態では、本体部11の裏面10Bにクリップ座21が設けられる構成を示したが、クリップ座以外の成形体が設けられてもよい。また、成形体は立上部に設けられてもよい。さらに、成形体が設けられない構成も技術範囲に含まれる。
(5)上記実施形態では、表側充填部22およびクリップ座21を裏側充填部23と同じ熱可塑性樹脂により構成する形態を示したが、これらは異なる熱可塑性樹脂で構成してもよい。
1、101:シートバックボード(成形構造体)、10、110:基材、10P:プレボード、11、111:本体部、12、112:立上部、13、113:屈曲部、15、115:表側V溝(屈曲部側溝部)、15P:切り込み、16:裏側V溝(溝部、V溝)、21:クリップ座(成形体)、22、122:表側充填部(熱可塑性樹脂)、23、123:裏側充填部(熱可塑性樹脂)、50:成形型、116:裏側溝部

Claims (9)

  1. 繊維及び熱可塑性樹脂を含む板状の成形構造体であって、
    板状体の主体部分で構成される本体部と、
    前記板状体の周縁部の少なくとも一部が折り曲げられて形成され、前記本体部から立ち上がる立上部と、を有し、
    前記立上部の内側面に、当該立上部の端縁部に沿う方向に延びる溝状の溝部が設けられ、前記溝部内に熱可塑性樹脂が充填されている成形構造体。
  2. 前記溝部は、断面V字形状のV溝である請求項1に記載の成形構造体。
  3. 前記板状体の周縁部の少なくとも一部が折れ曲がって前記立上部を立ち上げる部分である屈曲部の外面に溝状の屈曲部側溝部が設けられており、
    前記屈曲部側溝部内に熱可塑性樹脂が充填されている請求項1または請求項2に記載の成形構造体。
  4. 前記屈曲部側溝部内に充填された樹脂は、前記溝部内に充填された樹脂と同一の熱可塑性樹脂から構成されている請求項3に記載の成形構造体。
  5. 熱可塑性樹脂により成形された成形体が一体に設けられており、前記成形体は、前記溝部内に充填された樹脂と同一の熱可塑性樹脂から構成されている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の成形構造体。
  6. 繊維および熱可塑性樹脂を含むマットをプレス型によって熱プレスしてプレボードを成形するプレボード成形工程と、
    前記プレボードの板面の所定箇所に溝状の溝部を形成する切削工程と、
    前記熱可塑性樹脂が溶融しない温度で成形型により前記プレボードをプレスして、板状体の主体部分で構成される本体部と、前記板状体の周縁部の少なくとも一部を折り曲げることで前記本体部から前記溝部が内側面に配される形で立ち上がる立上部と、を有する基材を成形するプレス成形工程と、
    前記溝部内に熱可塑性樹脂を充填する樹脂充填工程と、を順に実行する成形構造体の製造方法。
  7. 前記切削工程において、前記プレボードのうち前記溝部が形成される面の反対側の面の所定箇所に切り込みを形成し、
    前記プレス成形工程において前記プレボードを前記切り込みに沿って折り曲げることにより、折り曲げた部分である屈曲部の外面に前記切り込みが開かれてなる溝状の屈曲部側溝部を形成し、
    前記樹脂充填工程において、前記屈曲部側溝部に前記溝部内に充填された樹脂と同一の熱可塑性樹脂を充填する、請求項6に記載の成形構造体の製造方法。
  8. 前記樹脂充填工程において、前記屈曲部の内側から前記屈曲部側溝部に前記熱可塑性樹脂を充填する請求項7に記載の成形構造体の製造方法。
  9. 前記溝部内に充填された樹脂と同一の熱可塑性樹脂からなる成形体を射出成形する成形体成形工程を含み、
    前記成形体成形工程は、前記樹脂充填工程と同時に実行される請求項6から請求項8のいずれか一項に記載の成形構造体の製造方法。
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