JP2015009539A - 板状成形体の製造方法 - Google Patents

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俊光 神谷
Toshimitsu Kamiya
俊光 神谷
茂則 廣田
Shigenori Hirota
茂則 廣田
智久 加藤
Tomohisa Kato
智久 加藤
卓 和田
Suguru Wada
卓 和田
俊行 山本
Toshiyuki Yamamoto
俊行 山本
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Abstract

【課題】段差部を有する板状成形体において、段差部を構成する側面部の密度をより高くする。【解決手段】加熱されたプレボードP1を上型51及び下型56によってプレスすることで、板状成形体20の主面を構成する主面部21を成形するとともに、プレボードP1の一部を、下型56に形成された成形型段差部58に倣う形状の第1段差部35として成形する第1成形工程と、第1成形工程の後に行われ、スライド型61に設けられた突起部62を、プレボードP1における第1段差部35の底面部36に押し当てた状態としつつ、スライド型61を成形型段差部58の側面58Aに向かってスライド移動させ、成形型段差部58の側面58Aとスライド型61との間で第1段差部35の側面部37を板厚方向にプレスすることで、段差部40の側面部31として成形する第2成形工程と、を備えることに特徴を有する。【選択図】図6

Description

本発明は、板状成形体の製造方法に関する。
従来、板状成形体として段差部を有するものが知られており、このような板状成形体の製造方法として、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。下記特許文献1には、上型及び下型によって、成形体マット(板状体、プレボード)をプレス成形する製造方法が記載されている。上型及び下型には、製品における段差部の形状に倣った成形用段差部がそれぞれ形成されており、両成形用段差部によって成形体マットを、厚さ方向からプレスすることで、段差部が成形される。
特許文献1に示す製造方法では、図9に示すように、下型3にプレボードP1を載置した後、図10に示すように、上型1に設けられた可動型2と下型3との間でプレボードP1をプレスすることで、板状成形体4の段差部5を成形するものとされる。なお、板状成形体4における段差部5以外の箇所は、上型1及び下型3によるプレスによって成形される。
特開昭62−087303号公報
ところで、特許文献1に示す製造方法においては、可動型2の可動方向は、上型1及び下型3のプレス方向に沿うものとされる。つまり、可動型2によるプレボードP1のプレス方向は、板状成形体4の主面を構成する主面部4Aの板厚方向(図10では上下方向)に沿うものとされる。このため、可動型2によるプレス方向は、段差部5を構成する側面部4B(立壁部)の板厚方向(図10では左右方向)と一致しない。
これにより、可動型2及び下型3によって、側面部4Bを板厚方向に十分にプレスすることができず、側面部4Bの密度が低くなってしまう事態が懸念される。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、段差部を有する板状成形体において、段差部を構成する側面部の密度をより高くすることが可能な板状成形体の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、繊維及び熱可塑性樹脂を含む板状体を、段差部を有する形状にプレス成形してなる板状成形体の製造方法であって、加熱された状態の前記板状体を一対の成形型によってプレスすることで、前記板状成形体の主面を構成する主面部を成形するとともに、前記板状体における前記主面部の外周側を、前記一対の成形型のうち、一方の成形型に形成された成形型段差部に倣う形状の第1段差部として成形する第1成形工程と、前記第1成形工程の後に行われ、前記一対の成形型のプレス方向と直交する方向に沿ってスライド移動可能なスライド型に設けられた突起部を、前記板状体における前記第1段差部の底面部に押し当てた状態としつつ、前記スライド型を前記成形型段差部の側面に向かってスライド移動させ、前記成形型段差部の前記側面と前記スライド型との間で前記第1段差部の側面部を板厚方向にプレスすることで、前記段差部の側面部として成形する第2成形工程と、を備えることに特徴を有する。
本発明によれば、スライド型を用いて、第1段差部の側面部を板厚方向にプレスすることで、段差部の側面部として成形している。これにより、段差部の側面部を、板厚方向において、十分にプレスすることができ、密度をより高くすることができる。
また、第1段差部の側面部をプレスする際には、スライド型に設けられた突起部を第1段差部の底面部に押し当てた状態で、スライド型を成形型段差部の側面に向かってスライド移動させている。
このようにすれば、第1段差部の底面部が、突起部によって成形型段差部の側面側に引き摺られる。これにより、底面部を構成する材料(繊維及び熱可塑性樹脂)の一部が、段差部の側面部を構成することとなる。この結果、段差部の側面部を構成するための材料を十分に確保することができ、当該側面部の密度を確保することができる。
上記構成において、前記スライド型における前記第1段差部の前記底面部と対向する面には、前記スライド型のスライド方向に沿って延びる溝部が凹設されているものとすることができる。
本発明では、第1段差部の底面部を構成する材料(繊維及び軟化状態の熱可塑性樹脂)が、スライド型の突起部によって、成形型段差部の側面側に引き摺られる。ここで、成形型段差部の側面側に引き摺られる材料の量が多すぎると、段差部の側面部を構成するための材料の量が所定量より多くなる場合がある。これにより、スライド型によって段差部の側面部を所定の厚さまでプレスすることが困難となり、側面部の板厚が所定の厚さよりも大きくなってしまう事態が懸念される。
そこで、本発明では、スライド型に溝部を設ける構成とした。このような構成とすれば、底面部を構成する材料の一部が溝部に入り込むことで、成形型段差部の側面側に引き摺られる材料の量が低減される。この結果、段差部の側面部を所定の厚さで成形し易くなる。
本発明によれば、段差部を有する板状成形体において、段差部を構成する側面部の密度をより高くすることが可能な板状成形体の製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態1に係る板状成形体を示す斜視図 加熱工程を示す図 図1の板状成形体を成形する成形装置を示す断面図 図3において、成形型段差部付近を拡大して示す断面図 第1成形工程を示す断面図 第2成形工程を示す断面図(図1のvi−vi線で切断した図に対応) 第2成形工程において溝部を示す断面図(図6のvii−vii線で切断した図に対応) 変形例を示す断面図 従来例における型開き状態を示す断面図 従来例における型閉じ状態を示す断面図
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図7によって説明する。本実施形態では、板状成形体20として、車両の内装部材に用いられるものを例示する。このような板状成形体20は、図1に示すように、例えば、車両用シートの背面に取り付けられるバックボードとして用いられる。
板状成形体20は、図1に示すように、長手状をなし、車両後方に凹んだ湾曲形状をなしている。板状成形体20は、図1に示すように、主面21A(パックボードにおける車両後側の面)を構成する主面部21(主壁部)と、主面部21における車幅方向の側端部から車両前方に向かって立ち上がる側面部31(立壁部、側壁部)と、を備えている。側面部31は、車幅方向における両側にそれぞれ設けられている。
板状成形体20は、図3及び図6に示すように、プレボードP1(板状体)を一対のプレス型70,71によって加熱した後、一対の成形型(上型51及び下型56)、及び一対のスライド型61,61を用いてプレス成形することで製造される(詳しくは後述)。プレボードP1は、繊維(例えば、木質繊維、ガラス繊維、炭素繊維など)に熱可塑性樹脂(例えば、ポリアミドやポリプロピレンなど)を含浸させることで構成されたマット状をなしている。
板状成形体20における側面部31は、図6に示すように、プレボードP1における車幅方向(図3及び図6の左右方向)の一端部を段差状に成形することで形成される。つまり、板状成形体20は、段差部40を有する形状とされる。
段差部40は、図6に示すように、主面部21の周端部と、側面部31と、底面部36(底壁部)によって構成されている。なお、板状成形体20をバックボードとして用いる場合には、段差部40の底面部36は、段差部40を成形した後に切断される。言い換えると、底面部36は、製品における不要部分とされる。
底面部36は、主面部21に対して板状成形体20の外周側に配されている。また、段差部40において、底面部36は、主面部21に対して低い位置に配される壁部とされる。また、段差部40の側面部31は、主面部21から底面部36に向かって延び、主面部21と底面部36とを連結する壁部とされる。
本実施形態の板状成形体20は、図2に示す一対の加熱プレス型70,71と、図3に示す成形装置50を用いて製造される。
次に一対のプレス型70,71の構成について説明する。図2に示す一対のプレス型70,71は、図示しない駆動装置(例えば、電動モータ、エアシリンダ、油圧シリンダなど)によって、互いに型閉じ及び型開きが可能な構成となっている。
一対のプレス型70,71(プレス板、熱板)には、例えば、通電によって発熱するヒータなどの発熱手段が内蔵されている。これにより、プレス型70,71は、所定の温度に加熱可能な構成となっており、プレボードP1を加熱プレスすることができる。
次に、成形装置50について説明する。本実施形態における成形装置50は、図3に示すように、一対の成形型(上型51及び下型56)と、一対のスライド型61,61と、を備えている。
上型51は、図示しない駆動装置(例えば、電動モータ、エアシリンダ、油圧シリンダなど)によって、下型56(固定型)に対して移動が可能な可動型とされる。上型51を下型56に対して接近離間させることで上型51及び下型56の型閉じ及び型開きが可能な構成となっている。
以下の説明では、上型51及び下型56が型閉じされた状態を閉状態(図5及び図6の状態)、上型51及び下型56が型開きされた状態を開状態(図3及び図4の状態)と呼ぶものとする。
図3に示すように、下型56における上型51との対向面には、上型51に向かって突き出す突部57が形成されている。これにより、突部57の突出端面57Aは、その周囲の面よりも高い位置に配されている。これにより、下型56(一対の成形型のうち、一方の成形型)には、一対の成形型段差部58が形成されている。
成形型段差部58は、板状成形体20における段差部40を成形するためのもので、段差部40の延設方向(図6の紙面貫通方向)に沿って延びている。
上型51における突部57との対向面には、凹部52が形成されている。閉状態では、図6に示すように、凹部52の奥面52Aと、突部57の突出端面57Aとが対向配置される。奥面52Aと突出端面57Aとの対向間隔は、主面部21の厚さに等しいものとされる。つまり、閉状態では、奥面52Aと突出端面57Aの間に主面部21を成形するための成形空間が形成される構成となっている。
一対のスライド型61,61は、一対の成形型段差部58に対応して配されている。スライド型61は、上型51に対してスライド移動可能に取り付けられている。スライド型61は、図示しない駆動装置(例えば、電動モータ、エアシリンダ、油圧シリンダなど)によって、上型51及び下型56の型閉じ方向(プレス方向)に対して直交する方向(図3の左右方向)に沿ってスライド移動可能な構成となっている。
スライド型61は、成形型段差部58に嵌合可能な形状をなしている。スライド型61における下面61A(下型56との対向面)には、図3に示すように、複数の突起部62が設けられている。複数(本実施形態では3つ)の突起部62は、スライド型61のスライド方向に沿って配列されている。
突起部62は、先端に向かうにつれて、幅方向(スライド型61のスライド方向)の長さが小さくなる形状をなしている。また、図7に示すように、突起部62は、段差部40の延設方向(図7の左右方向)に沿って延びている。
スライド型61の下面61A(第1段差部の底面部と対向する面)には、図7に示すように、溝部63が凹設されている。溝部63は下方に向けて開口されている。溝部63の幅は、図7に示すように、下方に向かうにつれて大きくなるように設定されている。
溝部63は、図6の破線で示すように、スライド型61のスライド方向に沿って延びている。溝部63は、スライド型61のスライド方向における全長に亘って延びている。これにより、溝部63は、突部57とスライド型61の間に形成される空間(側面部31を成形するための成形空間)と連通されている。
次に、本実施形態の板状成形体20の製造方法について説明する。本実施形態における板状成形体20の製造方法は、プレボードP1を加熱する加熱工程と、加熱された状態のプレボードP1を上型51及び下型56によってプレスすることで主面部21を成形する第1成形工程と、スライド型61によって、段差部40の側面部31を成形する第2成形工程と、を備えている。
(加熱工程)
加熱工程では、図2に示すように、平板状をなすプレボードP1を、例えば、フッ素樹脂製の一対のシート74,75の間に挟み込んだ状態で、加熱された一対のプレス型70,71によって加熱プレスする。
これにより、プレス型70,71の熱は、シート74,75を介してプレボードP1に伝導される。この結果、プレボードP1は加熱される。なお、この時のプレボードP1の加熱温度は、プレボードP1を構成する熱可塑性樹脂の融点より高いものとされる。これにより、プレボードP1が軟化状態となる。
プレボードP1の加熱プレスが完了した後、プレス型70,71からプレボードP1を取り外す。プレス型70,71とプレボードP1の間には、シート74,75がそれぞれ介在されているから、軟化状態のプレボードP1がプレス型70,71に張り付くことがない。このため、プレボードP1を容易にプレス型70,71から取り外すことができる。
(第1成形工程)
加熱工程が完了した後、第1成形工程では、図3及び図4に示すように、型開き状態における下型56の上面に、加熱され軟化した状態のプレボードP1を載置する。これにより、軟化状態のプレボードP1は、突部57に倣った形状に変形する。つまり、プレボードP1は一対の成形型段差部58,58に倣う形状に変形し、一対の第1段差部35を有する形状となる。
次に、図5に示すように、上型51を下型56に接近させ、上型51及び下型56を型閉じする。これにより、プレボードP1において、突出端面57Aに載置された部分は、上型51及び下型56によってプレスされる。これにより、板状成形体20における主面部21が成形される。なお、上述した第1段差部35は、主面部21の外周側に配されている。
また、型開き状態において、各スライド型61は、図4に示すように、各第1段差部35の底面部36の上方にそれぞれ配されている。これにより、上型51及び下型56を型閉じすると、各スライド型61の突起部62は、対向する底面部36に押し当てられる(図5参照)。この結果、突起部62が、軟化状態の底面部36に突き刺さる。
(第2成形工程)
次に、一対のスライド型61,61の各々を突部57に向かってスライド移動させる。言い換えると、一対のスライド型61,61の各々を、対向する成形型段差部58の側面58Aに向かって、それぞれスライド移動させる。
突起部62を底面部36に押し当てた状態で、スライド型61を側面58Aに向けてスライド移動させることで、底面部36を構成する材料(繊維及び軟化状態の熱可塑性樹脂)は、突起部62によって側面58A側に引き摺られる。
これと同時に、スライド型61の側面61Bと成形型段差部58の側面58Aとの間に配されている第1段差部35の側面部37(図5参照)は、側面61Bと側面58Aによって、側面部37の板厚方向にプレスされる。
この結果、側面部37は、側面61Bと側面58Aによってプレスされることで、段差部40の側面部31として成形される(図6参照)。また、突起部62によって引き摺られた第1段差部35の底面部36は、段差部40における底面部36となる。これにより、主面部21、側面部31、底面部36によって構成される段差部40が成形され、板状成形体20の製造が完了する。
次に、本実施形態の効果について説明する。本実施形態によれば、スライド型61を用いて、第1段差部35の側面部37を、その板厚方向においてプレスすることで、段差部40の側面部31として成形している。これにより、段差部40の側面部31を、板厚方向において、十分にプレスすることができ、その密度をより高くすることができる。
また、第1段差部35の側面部37をプレスする際には、スライド型61に設けられた突起部62を第1段差部35の底面部36に押し当てた状態で、スライド型61を成形型段差部58の側面58Aに向かってスライド移動させている。
このようにすれば、第1段差部35の底面部36が、突起部62によって成形型段差部58の側面58A側に引き摺られる。これにより、底面部36を構成する材料(繊維及び熱可塑性樹脂)の一部が、成形型段差部58の側面58Aとスライド型61の側面61Bとの間に供給され、段差部40の側面部31を構成することとなる。この結果、段差部40の側面部31を構成するための材料(繊維及び熱可塑性樹脂)を十分に確保することができ、当該側面部31の密度を確保することができる。
なお、本実施形態において、底面部36は、製品における不要部分とされ、製品(バックボード)の意匠性に影響を与えることがない。このため、底面部36は、突起部62で押圧する箇所として好適である。
また、スライド型61における下面61A(第1段差部35の底面部と対向する面)には、スライド型61のスライド方向に沿って延びる溝部63が凹設されている。
本実施形態では、第1段差部35の底面部36を構成する材料(繊維及び軟化状態の熱可塑性樹脂)が、スライド型61の突起部62によって、成形型段差部58の側面58A側に引き摺られる。ここで、成形型段差部58の側面58A側に引き摺られる材料の量が多すぎると、側面61Bと側面58Aとの間に配される材料(段差部40の側面部31を構成するための材料)の量が所定量より多くなる場合がある。これにより、スライド型61によって段差部40の側面部31を所定の厚さまでプレスすることが困難となり、側面部31の板厚が所定の厚さよりも大きくなってしまう事態が懸念される。
そこで、本実施形態では、スライド型61に溝部63を設ける構成とした。このような構成とすれば、図7に示すように、底面部36を構成する材料の一部が溝部63に入り込むことで、成形型段差部58の側面58A側に引き摺られる材料の量が低減される。この結果、段差部40の側面部31を所定の厚さに成形し易くなる。
言い換えると、溝部63は、成形型段差部58の側面58A側に引き摺られる材料の量を調節する機能を有しており、溝部63の寸法(深さや幅)を調節することで、成形型段差部58の側面58A側に引き摺られる材料の量を調節することができる。
また、溝部63は、スライド型61の下面61A(底面部36との対向面)に形成されており、下方に開口されている。このため、上型51及び下型56の型開き時において、スライド型61が上方に移動する際には、溝部63に入り込んだ材料(底面部36を構成する材料の一部)は、溝部63から離脱する。これにより、溝部63から材料を取り出す作業を行う必要がなく、好適である。
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図8によって説明する。上記実施形態と同一部分には、同一符号を付して重複する説明を省略する。本実施形態の板状成形体20の製造方法では、スライド型61における突起部の構成が上記実施形態と異なる。
本実施形態の突起部162は、例えば、略円錐状をなしており、図8に示すように、段差部40の延設方向(図8の左右方向)に沿って複数配列されている。第1成形工程においては、各突起部162を底面部36に押し当てることで、底面部36に各突起部162を突き刺すことができる。これにより、底面部36に各突起部162を突き刺した状態で、スライド型61をスライド移動させることで、成形型段差部58の側面58A側に底面部36を引き摺ることができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、板状成形体20として、車両用シートの背面に取り付けられるバックボードに用いられるものを例示したが、これに限定されない。板状成形体の用途は、適宜変更可能である。例えば、板状成形体を、車両用ドアトリムを構成するトリムボードなどに用いてもよい。
(2)板状成形体20の形状は、上記実施形態で例示したものに限定されず、適宜変更可能である。上記実施形態では、板状成形体20として、一対の側面部31,31(一対の段差部)を有するものを例示したが、これに限定されない。板状成形体20は、少なくとも一つの段差部を有するものであればよい。
(3)上型51及びスライド型61の駆動手段は、上記実施形態で例示したものに限定されず、適宜変更可能である。また、上記実施形態では、スライド型61が上型51に取り付けられている構成を例示したが、これに限定されない。スライド型61が、一対の成形型(上型51及び下型56)とは独立して移動可能な構成であってもよい。
(4)上記実施形態では、加熱工程として、プレボードP1を一対のプレス型70,71によって加熱プレスする工程を例示したが、これに限定されない。プレボードP1の加熱工程としては、例えば、プレボードP1に熱風を吹き付ける工程や赤外線を照射する工程などを例示することができる。
(5)突起部の形状は、上記実施形態で例示したものに限定されず適宜変更可能である。なお、突起部の形状は、底面部36の軟化の程度によって適宜設定することが好ましい。例えば、底面部36の軟化の程度が比較的低い(底面部36がより固体に近い)状態では、上記実施形態2で示すような突起部162を底面部36に突き刺すことで、底面部36を引き摺ることができる。
また、底面部36の軟化の程度が比較的高い(底面部36がより液体に近い)状態では、上記実施形態1に示すような突起部62(段差部40の延設方向に沿って延びる長手状の突起部)を設けることが好ましい。長手状の突起部とすれば、底面部36がより液体に近い状態であっても、底面部36を側面58A側に押し込むことができ、好適である。
20…板状成形体、21…主面部、21A…主面(板状成形体の主面)、31…段差部の側面部、35…第1段差部、36…第1段差部の底面部、37…第1段差部の側面部、40…段差部、51…上型(一対の成形型を構成)、56…下型(一対の成形型のうち、一方の成形型)、58…成形型段差部、58A…成形型段差部の側面、61…スライド型、61A…スライド型の下面(スライド型における第1段差部の底面部と対向する面)、62…突起部、63…溝部、P1…プレボード(板状体)

Claims (2)

  1. 繊維及び熱可塑性樹脂を含む板状体を、段差部を有する形状にプレス成形してなる板状成形体の製造方法であって、
    加熱された状態の前記板状体を一対の成形型によってプレスすることで前記板状成形体の主面を構成する主面部を成形するとともに、前記板状体における前記主面部の外周側を、前記一対の成形型のうち一方の成形型に形成された成形型段差部に倣う形状の第1段差部として成形する第1成形工程と、
    前記第1成形工程の後に行われ、前記一対の成形型のプレス方向と直交する方向に沿ってスライド移動可能なスライド型に設けられた突起部を、前記板状体における前記第1段差部の底面部に押し当てた状態としつつ、前記スライド型を前記成形型段差部の側面に向かってスライド移動させ、前記成形型段差部の前記側面と前記スライド型との間で前記第1段差部の側面部を板厚方向にプレスすることで、前記段差部の側面部として成形する第2成形工程と、を備える板状成形体の製造方法。
  2. 前記スライド型における前記第1段差部の前記底面部と対向する面には、前記スライド型のスライド方向に沿って延びる溝部が凹設されている請求項1に記載の板状成形体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019104242A (ja) * 2017-12-12 2019-06-27 ヤマコー株式会社 熱可塑性cfrp材料で厚さが不均一な立体を成形する方法
WO2020196573A1 (ja) * 2019-03-27 2020-10-01 いすゞ自動車株式会社 ブレーキ装置
WO2022149263A1 (ja) * 2021-01-08 2022-07-14 トヨタ自動車株式会社 樹脂成形金型及び樹脂成形方法

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