JP7366396B2 - 活物質、リチウム硫黄電池用電極及びリチウム硫黄電池 - Google Patents
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Description
しかしながら、硫黄は絶縁性を有するため、正極電極における電子伝導性及びリチウムイオン伝導性が非常に低く、上記の理論容量が十分に発揮できない傾向にあり、活物質として、他の化合物を硫黄とともに併用する試みがなされている。例えば、特許文献1には、硫黄、及び硫黄原子を含む化合物の少なくとも1つ、導電性物質、並びに、リチウム原子、リン原子及び硫黄原子を含む固体電解質を含む電極材料が開示されており、硫黄原子を含む化合物として、硫化リチウム及び多硫化リチウム(Li2S2、Li2S4、Li2S8)が例示され、これを活物質として用いることが記載されている。
本発明の課題は、充電容量の高いリチウム硫黄電池を与える活物質及びリチウム硫黄電池用電極並びにリチウム硫黄電池を提供することである。
[1]Li2Sにおける一部のLi原子が周期表の第2族元素、第3族元素又は第13族元素に由来する多価原子で置換された化合物であって、X線回折により、実質的にLi2Sの回折パターンを有する化合物を含むことを特徴とする活物質。
[2]リチウム硫黄電池に用いられる上記[1]に記載の活物質。
[3]上記[1]又は[2]に記載の活物質を含むことを特徴とするリチウム硫黄電池用電極。
[4]上記[3]に記載のリチウム硫黄電池用電極を備えることを特徴とするリチウム硫黄電池。
上記第2族元素は、好ましくはMg、Ca、Sr、Ba等であり、特に好ましくはMg及びCaである。
第3族元素は、好ましくはSc、Y、La等であり、特に好ましくはYである。
第13族元素は、好ましくはB、Al、Ga、In等であり、特に好ましくはAlである。
Li2-atMtS (1)
(式中、Mは、周期表の第2族元素、第3族元素又は第13族元素に由来する原子であり、aは原子Mの価数であり、0<t≦0.200である。)
(ア)原子MがMg又はCaであり、好ましくは1.60≦(2-at)<2.00及び0<t≦0.200、より好ましくは1.70≦(2-at)≦1.90及び0.050≦t≦0.150である化合物
(イ)原子MがAlであり、好ましくは1.40≦(2-at)<2.00及び0<t≦0.200、より好ましくは1.50≦(2-at)≦1.90及び0.033≦t≦0.167である化合物
上記化合物(A)がハロゲン原子を含む場合、下記一般式(2)で表すことができる。この化合物は、一部のS原子がハロゲン原子で置換された化合物である。
Li2-auMuS(1-au/2)Xau (2)
(式中、Mは、周期表の第2族元素、第3族元素又は第13族元素に由来する原子であり、Xはハロゲン原子であり、aは原子Mの価数であり、0<u≦0.200である。)
(ア)原子MがMg又はCaであり、好ましくは1.60≦(2-au)<2.00及び0<u≦0.200、より好ましくは1.70≦(2-au)≦1.90及び0.050≦u≦0.150である化合物
(イ)原子MがYであり、好ましくは1.40≦(2-au)<2.00及び0<u≦0.200、より好ましくは1.50≦(2-au)≦1.90及び0.033≦u≦0.167である化合物
上記接触反応における反応系の雰囲気は、特に限定されず、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス、乾燥空気等からなるものとすることができる。
溶剤の存在下で接触反応を行った場合、通常、化合物(A)を含むサスペンジョンが得られるので、その後、溶剤を除去することによって、化合物(A)を含む固体組成物を得ることができる。この固体組成物をそのまま、本発明の活物質として用いることができる。
本発明の活物質が、化合物(A)と他の化合物とからなる場合、互いに分離可能な混合物の形態、及び、両者が一体化した形態(一方が他方を被覆する形態を含む)のいずれでもよい。
上記導電助剤としては、炭素材料、金属粉末、金属化合物等からなるものを用いることができ、これらのうち、炭素材料が好ましく用いられる。炭素材料としては、グラフェン等の板状導電性物質;カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ等の線状導電性物質;ケッチェンブラック、アセチレンブラック、デンカブラック(商品名)、サーマルブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック、黒鉛等の粒状導電性物質等が挙げられる。
活物質の製造に用いた原料は、以下の通りである。
(1)硫化リチウム(Li2S)粉体
三津和化学薬品社製「Li2S」(商品名)を用いた。純度は99.9%、粒子径は約50μmである。
(2)硫化マグネシウム(MgS)粉体
高純度化学研究所社製「MgS」(商品名)を用いた。純度は99.9%、粒子径は数十μmである。
(3)塩化カルシウム(CaCl2)粉体
Aldrich社製「CaCl2」(商品名)を用いた。純度は99.9%、粒子径は10メッシュ以下である。
(4)硫化カルシウム(CaS)粉体
高純度化学研究所社製「CaS」(商品名)を用いた。純度は99.9%、粒子径は約50μmである。
(5)硫化アルミニウム(Al2S3)粉体
高純度化学研究所社製「Al2S3」(商品名)を用いた。純度は98%、粒子径は約50μmである。
(6)塩化イットリウム(YCl3)粉体
高純度化学研究所社製「YCl3」(商品名)を用いた。純度は99.9%、粒子径は数mmである。
上記の原料を用いて活物質を製造し、以下の方法で導電率を測定した。
<導電率の測定方法>
活物質を、一軸油圧プレス機を用いて、円板形状の試験片(サイズ:半径5mm×高さ0.3mm)とし、アルゴンガス雰囲気下、測定用ユニット(ガラス容器)に入れた状態で、調温器に接続したリボンヒーター及び断熱材を測定用ユニット(ガラス容器)の周りに巻き付け、SOLATRON社製IMPEDANCE ANALYZER「S1260」(型式名)を用いて、室温から徐々に加熱し、70℃で導電率を測定した。尚、導電率は、試験片を70℃に保持し始めてから1時間静置した後、測定した。
硫化リチウム(Li2S)粉体を直径15mmのジルコニアボールとともにFrisch社製遊星型ボールミル機(容器:ジルコニア製)に入れ、回転数600rpmの条件で、メカニカルミリングを10時間行い、活物質A1を得た。
得られた活物質A1の導電率を測定したところ、70℃において、2×10-10S/cmであった。尚、室温では導電率が低く、安定した測定値が得られないことから、70℃で測定した。
Li、Mg及びSのモル比が1.9:0.05:1となるように、硫化リチウム(Li2S)粉体と、硫化マグネシウム(MgS)粉体とを秤量し、これらを混合した。次いで、混合粉末を直径15mmのジルコニアボールとともにFrisch社製遊星型ボールミル機(容器:ジルコニア製)に入れ、回転数600rpmの条件で、メカニカルミリングを10時間行い、活物質A2を得た。
得られた活物質A2のX線回折測定を行ったところ、低角度側にシフトしているものの、実質的にLi2Sの回折パターンを有する化合物を含むことを確認した(図1参照)。また、X線回折像にはLi2S以外のピークは見られず、活物質A2は、固溶限界に達していない固溶体からなると推定した。
また、この活物質A2の導電率を測定したところ、70℃において、8.0×10-9S/cmであった。
Li、Mg及びSのモル比が1.8:0.1:1となるように、硫化リチウム(Li2S)粉体と、硫化マグネシウム(MgS)粉体とを用いた以外は、実験例1-2と同じ操作を行い、活物質A3を得た。
得られた活物質A3のX線回折測定を行ったところ、低角度側にシフトしているものの、実質的にLi2Sの回折パターンを有する化合物を含むことを確認した(図1参照)。また、X線回折像にはLi2S以外のピークは見られず、活物質A3は、固溶限界に達していない固溶体からなると推定した。
また、この活物質A3の導電率を測定したところ、70℃において、9.2×10-8S/cmであった。
Li、Mg及びSのモル比が1.7:0.15:1となるように、硫化リチウム(Li2S)粉体と、硫化マグネシウム(MgS)粉体とを用いた以外は、実験例1-2と同じ操作を行い、活物質A4を得た。
得られた活物質A4のX線回折測定を行ったところ、わずかにMgSの回折パターンが見られ、また、低角度側にシフトしているものの、実質的にLi2Sの回折パターンを有する化合物を含むことを確認した(図1参照)。また、X線回折像におけるLi2SとMgSとのピーク強度比から、活物質A4は、固溶限界に達している固溶体からなると推定した。
また、この活物質A4の導電率を測定したところ、70℃において、5.1×10-8S/cmであった。
Li、Ca、S及びClのモル比が1.9:0.05:0.95:0.1となるように、硫化リチウム(Li2S)粉体と、塩化カルシウム(CaCl2)粉体とを秤量し、これらを混合した。次いで、混合粉末を直径15mmのジルコニアボールとともにFrisch社製遊星型ボールミル機(容器:ジルコニア製)に入れ、回転数600rpmの条件で、10時間メカニカルミリングを行い、活物質A5を得た。
得られた活物質A5のX線回折測定を行ったところ、高角度側にシフトしているものの、実質的にLi2Sの回折パターンを有する化合物を含むことを確認した(図2参照)。尚、図2において×印を付けたピークは、ピーク位置の検証のため混合したSiに由来するものである。従って、X線回折像にはLi2S以外のピークは見られず、活物質A5は、固溶限界に達していない固溶体からなると推定した。
また、この活物質A5の導電率を測定したところ、70℃において、2.4×10-6S/cmであった。
Li、Ca、S及びClのモル比が1.8:0.1:0.9:0.2となるように、硫化リチウム(Li2S)粉体と、塩化カルシウム(CaCl2)粉体とを用いた以外は、実験例1-5と同じ操作を行い、活物質A6を得た。
得られた活物質A6のX線回折測定を行ったところ、高角度側にシフトしているものの、実質的にLi2Sの回折パターンを有する化合物を含むことを確認した(図2参照)。尚、図2において×印を付けたピークは、ピーク位置の検証のため混合したSiに由来するものである。従って、X線回折像にはLi2S以外のピークは見られず、活物質A6は、固溶限界に達していない固溶体からなると推定した。
また、この活物質A6の導電率を測定したところ、70℃において、1.0×10-5S/cmであった。
Li、Ca、S及びClのモル比が1.7:0.15:0.85:0.3となるように、硫化リチウム(Li2S)粉体と、塩化カルシウム(CaCl2)粉体とを用いた以外は、実験例1-5と同じ操作を行い、活物質A7を得た。
得られた活物質A7のX線回折測定を行ったところ、高角度側にシフトしているものの、実質的にLi2Sの回折パターンを有する化合物を含むことを確認した(図2参照)。尚、図2において×印を付けたピークは、ピーク位置の検証のため混合したSiに由来するものである。従って、X線回折像にはLi2S以外のピークは見られず、活物質A7は、固溶限界に達していない固溶体からなると推定した。
また、この活物質A7の導電率を測定したところ、70℃において、5.2×10-5S/cmであった。
Li、Ca、S及びClのモル比が1.6:0.2:0.8:0.4となるように、硫化リチウム(Li2S)粉体と、塩化カルシウム(CaCl2)粉体とを用いた以外は、実験例1-5と同じ操作を行い、活物質A8を得た。
得られた活物質A8のX線回折測定を行ったところ、わずかにLiClの回折パターンが見られ、また、高角度側にシフトしているものの、実質的にLi2Sの回折パターンを有する化合物を含むことを確認した(図2参照)。また、X線回折像におけるLi2SとLiClとのピーク強度比から、活物質A8は、固溶限界に達している固溶体からなると推定した。
Li、Ca及びSのモル比が1.9:0.05:1となるように、硫化リチウム(Li2S)粉体と、硫化カルシウム(CaS)粉体とを秤量し、これらを混合した。次いで、混合粉末を直径15mmのジルコニアボールとともにFrisch社製遊星型ボールミル機(容器:ジルコニア製)に入れ、回転数600rpmの条件で、メカニカルミリングを10時間行い、活物質A9を得た。
得られた活物質A9のX線回折測定を行ったところ、わずかにCaSの回折パターンが見られ、また、低角度側にシフトしているものの、実質的にLi2Sの回折パターンを有する化合物を含むことを確認した(図3参照)。また、X線回折像におけるLi2SとCaSとのピーク強度比から、活物質A9は、固溶限界に達している固溶体からなると推定した。
また、この活物質A9の導電率を測定したところ、70℃において値が安定せず、10-8~10-9S/cmであった。
Li、Al及びSのモル比が1.9:0.033:1となるように、硫化リチウム(Li2S)粉体と、硫化アルミニウム(Al2S3)粉体とを秤量し、これらを混合した。次いで、混合粉末を直径15mmのジルコニアボールとともにFrisch社製遊星型ボールミル機(容器:ジルコニア製)に入れ、回転数600rpmの条件で、メカニカルミリングを10時間行い、活物質A10を得た。
得られた活物質A10のX線回折測定を行ったところ、低角度側にシフトしているものの、実質的にLi2Sの回折パターンを有する化合物を含むことを確認した(図4参照)。また、X線回折像にはLi2S以外のピークは見られず、活物質A10は、固溶限界に達していない固溶体からなると推定した。
また、この活物質A10の導電率を測定したところ、70℃において、3.0×10-6S/cmであった。
Li、Al及びSのモル比が1.8:0.067:1となるように、硫化リチウム(Li2S)粉体と、硫化アルミニウム(Al2S3)粉体とを用いた以外は、実験例1-10と同じ操作を行い、活物質A11を得た。
得られた活物質A11のX線回折測定を行ったところ、低角度側にシフトしているものの、実質的にLi2Sの回折パターンを有する化合物を含むことを確認した(図4参照)。また、X線回折像にはLi2S以外のピークは見られず、活物質A11は、固溶限界に達していない固溶体からなると推定した。
また、この活物質A11の導電率を測定したところ、70℃において、1.4×10-5S/cmであった。
Li、Al及びSのモル比が1.7:0.1:1となるように、硫化リチウム(Li2S)粉体と、硫化アルミニウム(Al2S3)粉体とを用いた以外は、実験例1-10と同じ操作を行い、活物質A12を得た。
得られた活物質A12のX線回折測定を行ったところ、低角度側にシフトしているものの、実質的にLi2Sの回折パターンを有する化合物を含むことを確認した(図4参照)。また、X線回折像にはLi2S以外のピークは見られず、活物質A12は、固溶限界に達していない固溶体からなると推定した。
また、この活物質A12の導電率を測定したところ、70℃において、7.9×10-6S/cmであった。
Li、Al及びSのモル比が1.5:0.167:1となるように、硫化リチウム(Li2S)粉体と、硫化アルミニウム(Al2S3)粉体とを用いた以外は、実験例1-10と同じ操作を行い、活物質A13を得た。
得られた活物質A13のX線回折測定を行ったところ、低角度側にシフトしているものの、実質的にLi2Sの回折パターンを有する化合物を含むことを確認した(図4参照)。また、X線回折像にはLi2S以外のピークは見られず、活物質A13は、固溶限界に達していない固溶体からなると推定した。
また、この活物質A13の導電率を測定したところ、70℃において、4.9×10-5S/cmであった。
Li、Y、S及びClのモル比が1.5:0.167:0.75:0.5となるように、硫化リチウム(Li2S)粉体と、塩化イットリウム(YCl3)粉体とを秤量し、これらを混合した。次いで、混合粉末を直径15mmのジルコニアボールとともにFrisch社製遊星型ボールミル機(容器:ジルコニア製)に入れ、回転数600rpmの条件で、メカニカルミリングを10時間行い、活物質A14を得た。
得られた活物質A14のX線回折測定を行ったところ、わずかにLiYS2の回折パターンが見られ、また、低角度側にシフトしているものの、実質的にLi2Sの回折パターンを有する化合物を含むことを確認した(図5参照)。また、X線回折像におけるLi2SとLiYS2とのピーク強度比から、活物質A14は、固溶限界に達している固溶体からなると推定した。
また、この活物質A14の導電率を測定したところ、70℃において、2.0×10-5S/cmであった。
上記の実験例の活物質を含む正極用複合物を作製し、その後、この正極用複合物を用いて、正極電極を備えるリチウム硫黄電池を作製した。
次いで、得られたリチウム硫黄電池を含む図11の測定セルを作製し、充電試験を行った。
以下の方法で、実験例1-2のLi1.9Mg0.05S含有活物質A2、固体電解質であるLi7P2S8I、及び、電子導電助剤であるカーボンナノファイバーの質量比が50:40:10である正極用複合物を得た。
はじめに、Li1.9Mg0.05S含有活物質A2となるように秤量した、硫化リチウム(Li2S)粉体と、硫化マグネシウム(MgS)粉体と、これらにより形成されるLi1.9Mg0.05S含有活物質A2に対する使用量の比を、それぞれ、80%及び20%としたLi7P2S8I及びカーボンナノファイバー(直径:0.1μm、長さ:20μm)とを混合した。その後、混合粉末を直径4mmのジルコニアボールとともにFrisch社製遊星型ボールミル機(容器:ジルコニア製)に入れ、回転数510rpmの条件で、メカニカルミリングを10時間行い、正極用複合物を得た。
次に、固体電解質であるLi7P2S8I粉末を、一軸油圧プレス機を用いて加圧成形し、円板形状の予備成形体(半径:5mm、厚さ:0.5mm)とした。そして、この電解質層用の予備成形体をポリエーテルエーテルケトン(PEEK)製の筒状体の内部に収容した状態で、その一方の表面側の全体に、上記で得られた正極用複合物約5mgを充填し、一軸油圧プレス機を用いて加圧成形を行った。更に、電解質層用予備成形体の他方の面に、Li-In合金箔(厚さ0.1mm、直径5mm)を張り付け、正極用複合物からなる正極電極21(厚さ約30μm)と、Li7P2S8Iからなる電解質層25と、Li-In合金からなる負極電極23とを備える全固体形のリチウム硫黄電池20を得た。
その後、このリチウム硫黄電池20を収納した筒状体の両側から、それぞれステンレス-ニッケルの導通部を挿入し、治具で固定して、図11に示す測定セル10を得た。そして、この測定セル10をガラス容器(図示せず)に封入し、ガラス容器内の気体をアルゴンガスに置換して、充電試験を行った。充電試験は、測定セル10を含むガラス容器を、60℃に設定した電気炉に入れ、NAGANO社製充放電装置「BTS-2004H」(型式名)を用い、0.1-3.0V vs Li-In、Cレート:0.1Cの条件で行った。その結果を図6に示す。
実験例2-1と同様にして、実験例1-1のLi2S含有活物質A1、実験例1-3のLi1.8Mg0.1S含有活物質A3又は実験例1-4のLi1.7Mg0.15S含有活物質A4と、固体電解質であるLi7P2S8Iと、電子導電助剤であるカーボンナノファイバーとの質量比が50:40:10である、実験例2-2~2-4の正極用複合物を得た。
その後、これらの正極用複合物を用いて、実験例2-1と同様にして、正極電極21を含むリチウム硫黄電池20を得た。そして、実験例2-1と同様にして充電試験を行った。その結果を図6に示す。
実験例2-1と同様にして、実験例1-5のLi1.9Ca0.05S0.95Cl0.1含有活物質A5、実験例1-6のLi1.8Ca0.1S0.9Cl0.2含有活物質A6、実験例1-7のLi1.7Ca0.15S0.85Cl0.3含有活物質A7又は実験例1-8のLi1.6Ca0.2S0.8Cl0.4含有活物質A8と、固体電解質であるLi5.5PS4.5Cl1.5と、電子導電助剤であるカーボンナノファイバーとの質量比が50:40:10である、実験例2-5~2-8の正極用複合物を得た。
その後、これらの正極用複合物を用いて、実験例2-1と同様にして、正極電極21を含むリチウム硫黄電池20を得た。そして、実験例2-1と同様にして充電試験(但し、試験温度:30℃)を行った。その結果を図7に示す。
実験例2-1と同様にして、実験例1-9のLi1.9Ca0.05S含有活物質A9と、固体電解質であるLi7P2S8Iと、電子導電助剤であるカーボンナノファイバーとの質量比が50:40:10である正極用複合物を得た。
その後、この正極用複合物を用いて、実験例2-1と同様にして、正極電極21を含むリチウム硫黄電池20を得た。そして、実験例2-1と同様にして充電試験(但し、試験温度:60℃)を行った。その結果を図8に示す。
実験例2-1と同様にして、実験例1-10のLi1.9Al0.033S含有活物質A10、実験例1-11のLi1.8Al0.067S含有活物質A11、実験例1-12のLi1.7Al0.1S含有活物質A12又は実験例1-13のLi1.5Al0.167S含有活物質A13と、固体電解質であるLi5.5PS4.5Cl1.5と、電子導電助剤であるカーボンナノファイバーとの質量比が50:40:10である、実験例2-10~2-13の正極用複合物を得た。
その後、これらの正極用複合物を用いて、実験例2-1と同様にして、正極電極21を含むリチウム硫黄電池20を得た。そして、実験例2-1と同様にして充電試験(但し、試験温度:60℃)を行った。その結果を図9に示す。
実験例2-1と同様にして、実験例1-14のLi1.5Y0.167S0.75Cl0.5含有活物質A14と、固体電解質であるLi5.5PS4.5Cl1.5と、電子導電助剤であるカーボンナノファイバーとの質量比が50:40:10である正極用複合物を得た。
その後、この正極用複合物を用いて、実験例2-1と同様にして、正極電極21を含むリチウム硫黄電池20を得た。そして、実験例2-1と同様にして充電試験(但し、試験温度:30℃)を行った。その結果を図10に示す。
20:リチウム硫黄電池
21:正極電極
23:負極電極
25:電解質層
27:PEEK製筒状体
31:押さえ板
33:押さえピン
35:締め付けネジ
37:カプトン(登録商標)テープ
Claims (5)
- Li2Sにおける一部のLi原子が周期表の第2族元素、第3族元素又は第13族元素に由来する多価原子で置換された、下記一般式(1)又は(2)で表される化合物(R)であって、X線回折により、少なくとも、回折角2θが26.99±0.1°、31.27±0.1°、44.81±0.1°、及び、53.09±0.1°の位置に回折ピークを有し、Li2Sの回折パターンを有する化合物(R)を含むことを特徴とする活物質。
Li 2-at M t S (1)
(式中、Mは、Mg原子、Ca原子又はAl原子であり、aは原子Mの価数であり、0<t≦0.200であり、
MがMg又はCaの場合、1.60≦(2-at)<2.00であり、
MがAlの場合、1.40≦(2-at)<2.00である。)
Li 2-au M u S (1-au/2) X au (2)
(式中、Mは、Mg原子、Ca原子又はY原子であり、Xはハロゲン原子であり、aは原子Mの価数であり、0<u≦0.200であり、
MがMg又はCaの場合、1.60≦(2-au)<2.00であり、
MがAlの場合、1.40≦(2-au)<2.00である。) - 前記化合物(R)が、Li 1.9 Mg 0.05 S、Li 1.8 Mg 0.1 S、Li 1.7 Mg 0.15 S、Li 1.9 Ca 0.05 S 0.95 Cl 0.1、 Li 1.8 Ca 0.1 S 0.9 Cl 0.2 、Li 1.7 Ca 0.15 S 0.85 Cl 0.3 、Li 1.6 Ca 0.2 S 0.8 Cl 0.4 、Li 1.9 Ca 0.05 S、Li 1.9 Al 0.033 S、Li 1.8 Al 0.067 S、Li 1.7 Al 0.1 S、Li 1.5 Al 0.167 S及びLi 1.5 Y 0.167 S 0.75 Cl 0.5 から選ばれた少なくとも1種である請求項1に記載の活物質。
- リチウム硫黄電池に用いられる請求項1又は2に記載の活物質。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載の活物質を含むことを特徴とするリチウム硫黄電池用電極。
- 請求項4に記載のリチウム硫黄電池用電極を備えることを特徴とするリチウム硫黄電池。
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