JP7010011B2 - 硫化物固体電解質 - Google Patents

硫化物固体電解質 Download PDF

Info

Publication number
JP7010011B2
JP7010011B2 JP2018005609A JP2018005609A JP7010011B2 JP 7010011 B2 JP7010011 B2 JP 7010011B2 JP 2018005609 A JP2018005609 A JP 2018005609A JP 2018005609 A JP2018005609 A JP 2018005609A JP 7010011 B2 JP7010011 B2 JP 7010011B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solid electrolyte
sulfide solid
general formula
composition
active material
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018005609A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019125502A (ja
Inventor
昭男 三井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2018005609A priority Critical patent/JP7010011B2/ja
Publication of JP2019125502A publication Critical patent/JP2019125502A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7010011B2 publication Critical patent/JP7010011B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

本開示は、酸化耐性が良好な硫化物固体電解質に関する。
近年におけるパソコン、ビデオカメラおよび携帯電話等の情報関連機器や通信機器等の急速な普及に伴い、その電源として利用される電池の開発が重要視されている。また、自動車産業界等においても、電気自動車用あるいはハイブリッド自動車用の高出力かつ高容量の電池の開発が進められている。現在、種々の電池の中でも、エネルギー密度が高いという観点から、リチウム電池が注目を浴びている。
現在市販されているリチウム電池は、可燃性の有機溶媒を含む電解液が使用されているため、短絡時の温度上昇を抑える安全装置の取り付けや短絡防止のための構造が必要となる。これに対し、電解液を固体電解質層に代えて、電池を全固体化したリチウム電池は、電池内に可燃性の有機溶媒を用いないので、安全装置の簡素化が図れる。
リチウム固体電池に用いられる固体電解質として、硫化物固体電解質が知られている。例えば、特許文献1には、一般式:Li(一般式中、MはSi、Ge及びSnから選択される元素、NはSb、Bi、B、Al、Ga、In、Tl、Pb、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mo、W、Zn及びCuから選択される元素、XはF、I、Br、Cl及びAtから選択される元素であり、a~fは各元素の組成比を示し、b及びdの比(b:d)は0~0.25:1であり、a、c、d、e及びfの比(a:c:d:e:f)は1~12:0~0.2:1:0.1~9:0~9を満たす。)で表される組成を有する硫化物固体電解質が開示されている。特許文献1は、結晶化の為の加熱処理温度を低くすることを目的としている。
特開2017-117635号公報
硫化物固体電解質は、Liイオン伝導性が高いといった利点を有する。一方、硫化物固体電解質を含有するリチウム固体電池は、例えば高温状態に置かれた場合に、硫化物固体電解質が酸化して発熱する場合がある。そのため、硫化物固体電解質は酸化耐性が高いことが望まれる。本開示は上記実情に鑑みてなされた発明であり、酸化耐性が良好な硫化物固体電解質を提供することを主目的とする。
上記目的を達成するため、本開示においては、下記一般式(1)で表される組成を有する、硫化物固体電解質を提供する。
一般式(1):Li{Ge(1-δ)+A(δ)3-x{P(1-γ)+B(γ)12
(上記一般式(1)中、AおよびBは、それぞれ独立に、Fe、Ag、Zn、Si、Sb、PbまたはCuであり、1.2≦x≦2.0、10≦y≦18、0≦δ≦0.1、0≦γ≦0.05、δ+γ>0を満たす。)
本開示によれば、上記一般式(1)で表される組成を有することにより、酸化耐性が良好な硫化物固体電解質とすることができる。
本開示の硫化物固体電解質は、酸化耐性が良好であるといった効果を奏する。
本開示のリチウム固体電池の一例を示す概略断面図である。 実施例1~12、および比較例1~7のDSC測定(酸化耐性試験)の結果である。 実施例1~12、および比較例1~7のXRD測定の結果である。
以下、本開示の硫化物固体電解質の詳細を説明する。
本開示の硫化物固体電解質は、下記一般式(1)で表される組成を有する。
一般式(1):Li{Ge(1-δ)+A(δ)3-x{P(1-γ)+B(γ)12
(上記一般式(1)中、AおよびBは、それぞれ独立に、Fe、Ag、Zn、Si、Sb、PbまたはCuであり、1.2≦x≦2.0、10≦y≦18、0≦δ≦0.1、0≦γ≦0.05、δ+γ>0を満たす。)
本開示によれば、上記一般式(1)で表される組成を有することにより、酸化耐性が良好な硫化物固体電解質とすることができる。
上述したように、硫化物固体電解質は、Liイオン伝導性が高いといった利点を有する。一方、硫化物固体電解質を含有するリチウム固体電池は、例えば高温状態(一例として、315℃程度の高温状態)に置かれた場合に、硫化物固体電解質が酸化して発熱する場合がある。
例えば、一般式(2)で表される硫化物固体電解質は、Liイオン伝導性が良好であるといった利点を有する一方で、比較的酸化耐性が低いといった課題がある。
一般式(2):LiyGe3-xx12
(上記一般式(2)中、1.2≦x≦2.0、10≦y≦18を満たす。)
その理由は、Ge元素およびP元素は、S元素との結合性が低いことから、例えば高温状態に置かれると、Ge元素およびP元素がS元素から脱離してO元素と結合しやすくなってしまうためであると推測される。
これに対し、本開示においては一般式(2)におけるGe元素またはP元素の一部を特定の元素(Fe、Ag、Zn、Si、Sb、PbまたはCu)で置換することにより、硫化物固体電解質の酸化耐性を向上させることができることを知見した。その理由は、上記特定の元素はS元素との結合性が高く、例えば高温状態に置かれてもS元素から脱離しにくいためと推測される。
本開示の硫化物固体電解質は、酸化耐性が良好であることから、例えば電池が高温状態に置かれた場合の発熱を抑制することができる。よって、熱安定性が良好な硫化物固体電解質とすることができる。
本開示の硫化物固体電解質は、一般式(1)で表される組成を有する。
一般式(1):Li{Ge(1-δ)+A(δ)3-x{P(1-γ)+B(γ)12
(上記一般式(1)中、AおよびBは、それぞれ独立に、Fe、Ag、Zn、Si、Sb、PbまたはCuであり、1.2≦x≦2.0、10≦y≦18、0≦δ≦0.1、0≦γ≦0.05、δ+γ>0を満たす。)
一般式(1)は、一般式(2)の組成に対し、δ×100%(モル割合)分のGe元素をA元素で置換し、γ×100%(モル割合)分のP元素をB元素で置換した組成とも捉えることができる。なお、一般式(1)中、Sの値は、例えば原料組成物の種類(例えばA元素またはB元素を含む原料組成物の種類)に応じて変動する可能性がある。そのため、Sの値は、厳密には、四捨五入して12となる値、具体的には11.5以上12.4以下の値であることが好ましい。
一般式(1)中、xは、1.2以上であればよく、例えば、1.5以上であってもよく、1.6以上であってもよい。また、xは、2.0以下であればよい。
一般式(1)中、yは、10以上であればよく、例えば、10.02以上であってもよく、10.06以上であってもよい。また、yは、18以下であればよく、例えば、10.4以下であってもよく、10.3以下であってもよい。
一般式(1)中、AおよびBは、それぞれ独立に、Fe、Ag、Zn、Si、Sb、PbまたはCuである。AおよびBは、同じ元素であってもよく、異なる元素であってもよい。
一般式(1)中、δは、0以上であればよく、0より大きくてもよく、0.02以上であってもよい。また、δは、0.1以下であればよい。
一般式(1)中、γは、0以上であればよく、0より大きくてもよく、0.01以上であってもよく、0.02以上であってもよい。また、γは、0.05以下であればよい。
一般式(1)中、δおよびγは、δ+γ>0を満たす。すなわち、δ=0の場合、γ>0であり、γ=0の場合、δ>0である。また、δ+γは、例えば、0.15以下である。
本開示においては、一般式(1)中、δ=0またはγ=0であってもよい。
本開示の硫化物固体電解質は、非晶質であってもよく、結晶であってもよいが、結晶であることが好ましい。Liイオン伝導性をより良好にすることができるからである。
本開示の硫化物固体電解質が結晶である場合、CuKαを用いたX線回折測定において、2θ=29.58°±0.50°の位置にピークを有することが好ましい。この結晶相を結晶相Aとする。結晶相Aは、さらに、2θ=12.35°±0.50°、14.43°±0.50°、17.38°±0.50°、20.18°±0.50°、20.44°±0.50°、23.56°±0.50°、23.96°±0.50°、24.93°±0.50°、26.96°±0.50°、29.07°±0.50°、29.58°±0.50°、31.71°±0.50°、32.66°±0.50°、33.39°±0.50°の位置にピークを有していてもよい。なお、これらのピーク位置の幅は、±0.30°であってもよく、±0.10°であってもよい。結晶相Aにおけるピークは、LGPS型結晶相に由来するピークである。
本開示の硫化物固体電解質は、結晶相Aを主相として含有することが好ましい。硫化物固体電解質に含まれる全ての結晶相に対する結晶相Aの割合は、例えば、50重量%以上であり、70重量%以上であってもよく、90重量%以上であってもよい。なお、上結晶相Aの割合は、例えば、放射光XRDにより測定することができる。
本開示の硫化物固体電解質は、Liイオン伝導性を有する。25℃におけるLiイオン伝導度は、例えば、4.0×10-3S/cm以上であり、4.5×10-3S/cm以上であることが好ましい。硫化物固体電解質のLiイオン伝導度は、例えば、交流インピーダンス法により測定することができる。
本開示の硫化物固体電解質の形状は、特に限定されないが、例えば粒子状が挙げられる。硫化物固体電解質の平均粒径(D50)は、例えば、0.1μm以上50μm以下であってもよい。平均粒径は、例えば、レーザー回折散乱法による粒度分布測定の結果から求めることができる。
本開示の硫化物固体電解質の製造方法としては、例えば、上述した一般式(1)で表される組成を有するように原料組成物を混合し、非晶質化処理する非晶質化工程を有する製造方法を挙げることができる。硫化物固体電解質の製造方法は、得られた硫化物ガラスを熱処理して、LGPS型結晶相を有する硫化物固体電解質を得る熱処理工程をさらに有していてもよい。原料組成物としては、例えば、LiS、P、GeS、Zn、Fe、Sb、Pb、SiS、AgS、CuSが挙げられる。また、非晶質化処理としては、例えば、メカニカルミリング処理が挙げられる。
本開示の硫化物固体電解質は、Liイオン伝導性を必要とする任意の用途に用いることができる。中でも、本開示の硫化物固体電解質は、リチウム固体電池に用いられることが好ましい。図1は、本開示のリチウム固体電池の一例を示す概略断面図である。図1におけるリチウム固体電池10は、正極活物質を含有する正極活物質層1と、負極活物質を含有する負極活物質層2と、正極活物質層1および負極活物質層2の間に形成された固体電解質層3と、正極活物質層1の集電を行う正極集電体4と、負極活物質層2の集電を行う負極集電体5と、これらの部材を収納する電池ケース6とを有する。本開示においては、正極活物質層1、負極活物質層2および固体電解質層3の少なくとも一つが、上述した硫化物固体電解質を含有することが好ましい。
以下、リチウム固体電池における各構成について説明する。
正極活物質層は、少なくとも正極活物質を含有する層であり、必要に応じて、固体電解質、導電化材および結着材の少なくとも一つを含有していてもよい。特に、本開示においては、正極活物質層が固体電解質を含有し、その固体電解質が、上述した硫化物固体電解質であることが好ましい。正極活物質層に含まれる硫化物固体電解質の割合は、例えば0.1体積%以上であり、1体積%以上であってもよく、10体積%以上であってもよい。一方、硫化物固体電解質の割合は、例えば、80体積%以下であり、60体積%以下であってもよく、50体積%以下であってもよい。また、正極活物質としては、例えばLiCoO、LiMnO、LiNiMn、LiVO、LiCrO、LiFePO、LiCoPO、LiNiO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3等を挙げることができる。本開示の硫化物固体電解質は、酸化耐性が良好であることから、酸化物正極活物質とともに用いた場合、例えば電池が高温状態に置かれた場合、硫化物固体電解質および酸化物正極活物質の反応を効果的に抑制できると推測される。
正極活物質層は、さらに導電化材を含有していてもよい。導電化材の添加により、正極活物質層の導電性を向上させることができる。導電化材としては、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンファイバー等を挙げることができる。また、正極活物質層は、結着材を含有していてもよい。結着材の種類としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素含有結着材等を挙げることができる。また、正極活物質層の厚さは、例えば、0.1μm以上、1000μm以下である。
負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含有する層であり、必要に応じて、固体電解質、導電化材および結着材の少なくとも一つを含有していてもよい。特に、本開示においては、負極活物質層が固体電解質を含有し、その固体電解質が、上述した硫化物固体電解質であることが好ましい。負極活物質層に含まれる硫化物固体電解質の割合は、例えば0.1体積%以上であり、1体積%以上であってもよく、10体積%以上であってもよい。一方、硫化物固体電解質の割合は、例えば、80体積%以下であり、60体積%以下であってもよく、50体積%以下であってもよい。また、負極活物質としては、例えば金属活物質およびカーボン活物質を挙げることができる。金属活物質としては、例えばIn、Al、SiおよびSn等を挙げることができる。一方、カーボン活物質としては、例えばメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、高配向性グラファイト(HOPG)、ハードカーボン、ソフトカーボン等を挙げることができる。
なお、負極活物質層に用いられる導電化材および結着材については、上述した正極活物質層における場合と同様である。また、負極活物質層の厚さは、例えば、0.1μm以上、1000μm以下である。
固体電解質層は、正極活物質層および負極活物質層の間に形成される層である。固体電解質層は、通常、固体電解質を含有する。本開示においては、固体電解質層が、上述した硫化物固体電解質を含有することが好ましい。固体電解質層に含まれる硫化物固体電解質の割合は、例えば、10体積%以上であり、50体積%以上であってもよい。一方、硫化物固体電解質の割合は、例えば、100体積%以下である。固体電解質層の厚さは、例えば、0.1μm以上、1000μm以下である。また、固体電解質層の形成方法としては、例えば、固体電解質を圧縮成形する方法等を挙げることができる。
リチウム固体電池は、上述した正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層を少なくとも有する。さらに通常は、正極活物質層の集電を行う正極集電体、および負極活物質層の集電を行う負極集電体を有する。
リチウム固体電池は、一次電池であってもよく、二次電池であってもよいが、中でも二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば車載用電池として有用だからである。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
本開示をさらに具体的に説明する。
[比較例1]
出発材料として、LiS、GeS、Pを用いた。各材料を、Li10GeP12の組成比で秤量し混合して混合物を得た。Li10Ge12は、一般式(1)においてx=1、y=10、δ=0、γ=0である組成(一般式(2)においてx=1、y=10である組成)に該当する。得られた混合物2gを、ジルコニア製ボール(φ5mm)53gとともに、ジルコニア製ボールポット容器(容量45ml)に入れ密閉した。容器を遊星型ボールミル装置(フリッチェ製PULVERISETTE7)に取り付け、回転数500rpmで40時間メカニカルミリング処理を行うことにより、粉末を得た。得られた粉末をφ10mm程度のペレットに成形した。得られたペレットをHSガス0.5L/min、Arガス0.5L/minが導入された管状炉に設置し、550℃で8時間熱処理を行った。以上の手順により、硫化物固体電解質を得た。
[実施例1]
実施例1および比較例2では、一般式(2):LiGe3-x12(x=1、y=10)で表される組成に対し、2%(モル割合)分のGe元素を他の元素で置換した硫化物固体電解質を合成した。
実施例1では、出発材料として、LiS、GeS、PbおよびPを用い、各材料を、Li10Ge0.98Pb0.0212の組成比で秤量して混合した点以外は、比較例1と同様にして硫化物固体電解質を得た。Li10Ge0.98Pb0.0212は、一般式(1)においてx=1、y=10、δ=0.02、γ=0であり、AがPbである組成に該当する。
[比較例2]
出発材料として、LiS、GeS、WSおよびPを用い、各材料を、Li10Ge0.980.0212の組成比で秤量して混合した点以外は、比較例1と同様にして硫化物固体電解質を得た。Li10Ge0.980.0212は、一般式(1)においてx=1、y=10、δ=0.02、γ=0であり、AがWである組成に該当する。
[実施例2]
実施例2、3および比較例3、4では、一般式(2):LiGe3-x12(x=1、y=10、10.06、または10.02)で表される組成に対し、1%(モル割合)分のP元素を他の元素で置換した硫化物固体電解質を合成した。
実施例2では、出発材料として、LiS、GeS、Sb、Pを用い、各材料を、Li10Ge1.98Sb0.0212の組成比で秤量し混合して混合物を得た点以外は、比較例1と同様にして硫化物固体電解質を得た。Li10Ge1.98Sb0.0212は一般式(1)においてx=1、y=10、δ=0、γ=0.01であり、BがSbである組成に該当する。
[実施例3]
出発材料として、LiS、GeS、Pb、Pを用い、各材料を、Li10.06Ge1.98Pb0.0212の組成比で秤量し混合した点以外は、比較例1と同様にして硫化物固体電解質を得た。Li10.06Ge1.98Pb0.0212は一般式(1)においてx=1、y=10.06、δ=0、γ=0.01であり、BがPbである組成に該当する。
[比較例3]
出発材料として、LiS、GeS、SnS、Pを用い、各材料を、Li10.02Ge1.98Sn0.0212の組成比で秤量し混合した点以外は、比較例1と同様にして硫化物固体電解質を得た。Li10.02Ge1.98Sn0.0212は一般式(1)においてx=1、y=10.02、δ=0、γ=0.01であり、BがSnである組成に該当する。
[比較例4]
出発材料として、LiS、GeS、WS、Pを用い、各材料を、Li10.02Ge1.980.0212の組成比で秤量し混合した点以外は、比較例1と同様にして硫化物固体電解質を得た。Li10.02Ge1.980.0212は一般式(1)においてx=1、y=10.02、δ=0、γ=0.01であり、BがWである組成に該当する。
[実施例4]
実施例4~8および比較例5では、一般式(2):LiGe3-x12(x=1、y=10、10.2、または10.3)で表される組成に対し、10%(モル割合)分のGe元素を他の元素で置換した硫化物固体電解質を合成した。
実施例4では、出発材料として、LiS、GeS、Zn、Pを用い、各材料を、Li10.2Ge0.9Zn0.112の組成比で秤量し混合した点以外は、比較例1と同様にして硫化物固体電解質を得た。Li10.2Ge0.9Zn0.112は一般式(1)においてx=1、y=10.2、δ=0.1、γ=0であり、AがZnである組成に該当する。
[実施例5]
出発材料として、LiS、GeS、Fe、Pを用い、各材料を、Li10.2Ge0.9Fe0.112の組成比で秤量し混合した点以外は、比較例1と同様にして硫化物固体電解質を得た。Li10.2Ge0.9Fe0.112は一般式(1)においてx=1、y=10.2、δ=0.1、γ=0であり、AがFeである組成に該当する。
[実施例6]
出発材料として、LiS、GeS、Pb、Pを用い、各材料を、Li10.2Ge0.9Pb0.112の組成比で秤量し混合した点以外は、比較例1と同様にして硫化物固体電解質を得た。Li10.2Ge0.9Pb0.112は一般式(1)においてx=1、y=10、δ=0.1、γ=0であり、AがPbである組成に該当する。
[実施例7]
出発材料として、LiS、GeS、AgS、Pを用い、各材料を、Li10.3Ge0.9Ag0.112の組成比で秤量し混合した点以外は、比較例1と同様にして硫化物固体電解質を得た。Li10.3Ge0.9Ag0.112は一般式(1)においてx=1、y=10.2、δ=0.1、γ=0であり、AがAgである組成に該当する。
[実施例8]
出発材料として、LiS、GeS、CuS、Pを用い、各材料を、Li10.3Ge0.9Cu0.112の組成比で秤量し混合した点以外は、比較例1と同様にして硫化物固体電解質を得た。Li10.3Ge0.9Cu0.112は一般式(1)においてx=1、y=10.3、δ=0.1、γ=0であり、AがCuである組成に該当する。
[比較例5]
出発材料として、LiS、GeS、WS、Pを用い、各材料を、Li10Ge0.90.112の組成比で秤量し混合した点以外は、比較例1と同様にして硫化物固体電解質を得た。Li10Ge0.90.112は一般式(1)においてy=10、x=1、δ=0.1、γ=0であり、AがWである組成に該当する。
[実施例9]
実施例9~12および比較例6、7では、一般式(2):LiGe3-x12(x=1、y=10、10.1、10.3または10.4)で表される組成に対し、5%(モル割合)分のP元素を他の元素で置換した硫化物固体電解質を合成した。
実施例9では、出発材料として、LiS、GeS、SiS、Pを用い、各材料を、Li10.1Ge1.9Si0.112の組成比で秤量し混合した点以外は、比較例1と同様にして硫化物固体電解質を得た。Li10.1Ge1.9Si0.112は一般式(1)においてx=1、y=10.1、δ=0、γ=0.05であり、BがSiである組成に該当する。
[実施例10]
出発材料として、LiS、GeS、PbS、Pを用い、各材料を、Li10.3Ge1.9Pb0.112の組成比で秤量し混合した点以外は、比較例1と同様にして硫化物固体電解質を得た。Li10.3Ge1.9Pb0.112は一般式(1)においてx=1、y=10.3、δ=0、γ=0.05であり、BがPbである組成に該当する。
[実施例11]
出発材料として、LiS、GeS、AgS、Pを用い、各材料を、Li10.4Ge1.9Ag0.112の組成比で秤量し混合した点以外は、比較例1と同様にして硫化物固体電解質を得た。Li10.4Ge1.9Ag0.112は一般式(1)においてx=1、y=10.4、δ=0、γ=0.05であり、BがAgである組成に該当する。
[実施例12]
出発材料として、LiS、GeS、CuS、Pを用い、各材料を、Li10.4Ge1.9Cu0.112の組成比で秤量し混合した点以外は、比較例1と同様にして硫化物固体電解質を得た。Li10.4Ge1.9Cu0.112は一般式(1)においてx=1、y=10.4、δ=0、γ=0.05であり、BがCuである組成に該当する。
[比較例6]
出発材料として、LiS、GeS、SnS、Pを用い、各材料を、Li10.1Ge1.9Sn0.112の組成比で秤量し混合した点以外は、比較例1と同様にして硫化物固体電解質を得た。Li10.1Ge1.9Sn0.112は一般式(1)においてx=1、y=10.1、δ=0、γ=0.05であり、BがSnである組成に該当する。
[比較例7]
出発材料として、LiS、GeS、WS、Pを用い、各材料をLi10.1Ge1.90.112の組成比で秤量し混合した点以外は、比較例1と同様にして硫化物固体電解質を得た。Li10.1Ge1.90.112は一般式(1)においてx=1、y=10.1、δ=0、γ=0.05であり、BがWである組成に該当する。
[評価]
(酸化耐性試験(DSC))
露点-80℃以下、酸素濃度10ppm以下に調整された不活性雰囲気下において、各硫化物固体電解質を15mg、Li0.3Ni1/3Co1/3Mn1/3粉末を15mg秤量し、乳鉢を用いて5min混合した。φ5mmのペレット成形機に混合した粉末を投入し、10kN/cmの圧力で成形した後にSUSパンで封止し測定試料とした。レファレンスとして空のSUSパンを使用し、測定試料およびレファレンスを試料室内に設置し、液体窒素、Aeガスを100mL/minの流量で導入し、10℃/minの昇温速度で50℃~500℃まで操作し、発熱挙動を観測した。結果を表1~4および図2に示す。
Figure 0007010011000001
Figure 0007010011000002
Figure 0007010011000003
Figure 0007010011000004
実施例1~12は、比較例1に比べてDSCピークが315℃以上の十分な高温側にシフトすることが確認された。このことから実施例1~12は、良好な酸化耐性を有することが確認された。一方、比較例5は、比較例1に比べてDSCのピークが低温側にシフトしてしまうことが確認された。このことから、比較例5は、酸化耐性が低下したことが確認された。また、比較例2~4、6~7は比較例1に比べてDSCのピークはわずかに高温側にシフトすることが確認された。このことから、比較例2~4、6~7は十分な酸化耐性を有することができないことが確認された。
(X線回折測定(XRD))
グローブボックス内(不活性雰囲気下)において、硫化物固体電解質をφ5mmの石英キャピラリーに封入し、波長0.8267ÅのX線を用いて、高エネルギー加速器研究機構フォトンファクトリー内に設置されているBL-8B X線回折装置にて測定を行った。測定範囲は、dspacing:1Å~10Åとした。
得られた値から2dsinθ=λの変換式を用いて、CuKα線を用いたX線回折測定における2θのピークに変換した。結果を図3に示す。
実施例および比較例においては、いずれも、2θ=12.35°、14.43°、17.38°、20.18°、23.96°、26.96°、29.58°の位置にピークが確認された。このピークは、LGPS型結晶相に特有のピークである。
一般式(2):LiGe3-y12で表される組成に対し、Ge元素を他の元素で置換した硫化物固体電解質においては、LGPS型結晶相におけるGeサイトが他の元素により置換されることが推測される。また、一般式(2):LiGe3-x12で表される組成に対し、P元素を他の元素で置換した硫化物固体電解質においては、LGPS型結晶相におけるPサイトが他の元素により置換されることが推測される。
1 … 正極活物質層
2 … 負極活物質層
3 … 電解質層
4 … 正極集電体
5 … 負極集電体
6 … 電池ケース
10 … リチウム固体電池

Claims (1)

  1. 下記一般式(1)で表される組成を有する、硫化物固体電解質。
    一般式(1):Li{Ge(1-δ)+A(δ)3-x{P(1-γ)+B(γ)12
    (前記一般式(1)中、AおよびBは、それぞれ独立であり、Aは、Fe、Ag、Zn、PbまたはCuであり、Bは、Ag、Si、Sb、PbまたはCuであり、1.2≦x≦2.0、10≦y≦18、0≦δ≦0.1、0≦γ≦0.05、δ+γ>0を満たす。)
JP2018005609A 2018-01-17 2018-01-17 硫化物固体電解質 Active JP7010011B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018005609A JP7010011B2 (ja) 2018-01-17 2018-01-17 硫化物固体電解質

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018005609A JP7010011B2 (ja) 2018-01-17 2018-01-17 硫化物固体電解質

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019125502A JP2019125502A (ja) 2019-07-25
JP7010011B2 true JP7010011B2 (ja) 2022-01-26

Family

ID=67398956

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018005609A Active JP7010011B2 (ja) 2018-01-17 2018-01-17 硫化物固体電解質

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7010011B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7184325B2 (ja) * 2018-07-05 2022-12-06 国立大学法人豊橋技術科学大学 リチウムイオン伝導体及びその製造方法、リチウムイオン電池用電極並びにリチウムイオン電池
CA3171754A1 (en) * 2020-03-23 2021-09-30 Lauriane D'ALENCON Process for producing solid materials of formula li6-x-2ycuxps5-yx, solid materials so obtained and their use as solid electrolyte
CN113948764A (zh) * 2021-09-01 2022-01-18 上海屹锂新能源科技有限公司 一种硫化物固态电解质材料制备方法和应用
CN113823830B (zh) * 2021-09-10 2023-10-31 四川大学 Al3+掺杂改性的LGPS型锂离子固态电解质及其制备方法

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013033659A (ja) 2011-08-02 2013-02-14 Toyota Motor Corp 固体電解質材料含有体および電池
JP2013177288A (ja) 2012-02-06 2013-09-09 Tokyo Institute Of Technology 硫化物固体電解質材料、電池および硫化物固体電解質材料の製造方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013033659A (ja) 2011-08-02 2013-02-14 Toyota Motor Corp 固体電解質材料含有体および電池
JP2013177288A (ja) 2012-02-06 2013-09-09 Tokyo Institute Of Technology 硫化物固体電解質材料、電池および硫化物固体電解質材料の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019125502A (ja) 2019-07-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5888609B2 (ja) 硫化物固体電解質材料、電池および硫化物固体電解質材料の製造方法
JP6288716B2 (ja) 硫化物固体電解質材料の製造方法
JP5527673B2 (ja) 硫化物固体電解質材料、電池および硫化物固体電解質材料の製造方法
JP6044587B2 (ja) 硫化物固体電解質材料、電池および硫化物固体電解質材料の製造方法
JP5880581B2 (ja) 硫化物固体電解質材料、電池および硫化物固体電解質材料の製造方法
JP6044588B2 (ja) 硫化物固体電解質材料、電池および硫化物固体電解質材料の製造方法
US20200381772A1 (en) Solid electrolyte, preparation method thereof, and all-solid-state battery employing the same
JP5975071B2 (ja) 硫化物固体電解質材料、電池および硫化物固体電解質材料の製造方法
JP5552974B2 (ja) 硫化物固体電解質材料、硫化物固体電解質材料の製造方法およびリチウム固体電池
JP5561383B2 (ja) 硫化物固体電解質材料、電池および硫化物固体電解質材料の製造方法
JP7010011B2 (ja) 硫化物固体電解質
JP5817657B2 (ja) 電池システム、電池システムの製造方法、電池の制御装置
JP2011187370A (ja) 全固体電池
JP2024050822A (ja) 硫化物固体電解質の製造方法、硫化物固体電解質、全固体電池、及び硫化物固体電解質の製造に用いる原料化合物の選択方法
JP6738121B2 (ja) リチウムイオン(lithiumion)二次電池
JP5660079B2 (ja) 全固体電池および全固体電池の製造方法
JP2009283344A (ja) リチウム電池用負極合材、リチウム電池用負極、リチウム電池、装置およびリチウム電池用負極合材の製造方法
JP6798477B2 (ja) 硫化物固体電解質
JP5895917B2 (ja) 硫化物固体電解質材料、電池および硫化物固体電解質材料の製造方法
CN110556573A (zh) 全固体电池
JP2015032550A (ja) 硫化物固体電解質材料、電池および硫化物固体電解質材料の製造方法
JP2019053850A (ja) 硫化物固体電解質
JP2012104280A (ja) 電池用焼結体、全固体リチウム電池および電池用焼結体の製造方法
JP6285317B2 (ja) 全固体電池システム
EP3649082B1 (en) New lithium mixed metal sulfide with high ionic conductivity

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200421

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201223

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210105

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210713

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211011

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20211011

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20211026

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20211102

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211214

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211227