JP2019053850A - 硫化物固体電解質 - Google Patents

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Abstract

【課題】本開示は、高いLiイオン伝導度を維持しつつ、硫化水素発生量が少ない硫化物固体電解質を提供することを主目的とする。【解決手段】本開示においては、Li元素、P元素、S元素およびN元素を含有し、Li7P3S11構造を有する結晶相を備え、一般式:xLi2S−30P2S5−yLi3N(1≦y≦7、66.5≦x+y≦73.1)で表される組成を有する、硫化物固体電解質を提供することにより、上記課題を解決する。【選択図】図3

Description

本開示は、硫化水素の発生が抑制された硫化物固体電解質に関する。
近年におけるパソコン、ビデオカメラおよび携帯電話等の情報関連機器や通信機器等の急速な普及に伴い、その電源として利用される電池の開発が重要視されている。また、自動車産業界等においても、電気自動車用あるいはハイブリッド自動車用の高出力かつ高容量の電池の開発が進められている。現在、種々の電池の中でも、エネルギー密度が高いという観点から、リチウム電池が注目を浴びている。
現在市販されているリチウム電池は、可燃性の有機溶媒を含む電解液が使用されているため、短絡時の温度上昇を抑える安全装置の取り付けや短絡防止のための構造が必要となる。これに対し、電解液を固体電解質層に代えて、電池を全固体化したリチウム電池は、電池内に可燃性の有機溶媒を用いないので、安全装置の簡素化が図れる。
硫化物固体電解質は、リチウムイオン伝導性が高いため、電池の高出力化を図る上で有用であり、従来から、種々の研究がなされている。例えば、特許文献1には、Li11結晶相を有する硫化物固体電解質が開示されている。また、特許文献2には、LiS、PおよびLiNを含む混合物Aをガラス化する工程を含む硫化物固体電解質の製造方法が示されている。
特許文献3には、O元素およびF元素を含有する硫化物固体電解質が開示されている。特許文献4は、硫化物固体電解質(例えば、LiPS)と水素よりもイオン化傾向の小さい金属を含有する抑制材(例えば、CuO)を含むリチウムイオン伝導材料が開示されている。特許文献5には、75LiS・(25−x)P・xPで表される結晶化ガラスを含む硫化物固体電解質が開示されている。また、非特許文献1には、(75−1.5x)LiS・25P・xLiNで表される硫化物固体電解質が開示されている。
特開2005−228570号公報 特開2015−146239号公報 特開2012−054212号公報 特開2011−113720号公報 特開2011−057500号公報
Akihiro Fukushima et al., "Mechanochemical synthesis of high lithium ion conducting solid electrolytes in Li2S-P2S5-Li3N system", Solid State Ionics 304 (2017) 85-89
従来のLi11結晶相は、Liイオン伝導度が高いが、水と接触した場合に硫化水素が発生しやすい。本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、高いLiイオン伝導度を維持しつつ、硫化水素発生量が少ない硫化物固体電解質を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本開示においては、Li元素、P元素、S元素およびN元素を含有し、Li11構造を有する結晶相を備え、一般式:xLiS−30P−yLiN(1≦y≦7、66.5≦x+y≦73.1)で表される組成を有する、硫化物固体電解質を提供する。
本開示によれば、Li11構造を有する結晶相を備え、かつ、所定の組成を有することから、高いLiイオン伝導度を維持しつつ、硫化水素発生量が少ない硫化物固体電解質とすることができる。
本開示の硫化物固体電解質は、高いLiイオン伝導度を維持しつつ、硫化水素発生量が少ないという効果を奏する。
本開示の硫化物固体電解質の製造方法の一例を示す説明図である。 本開示のリチウム固体電池の一例を示す概略断面図である。 実施例2および比較例1で得られた硫化物固体電解質に対する硫化水素発生量の時間経過である。 実施例1、2および比較例1〜3で得られた硫化物固体電解質に対するLiイオン伝導度測定の結果である。 実施例3、4および比較例1、4、5で得られた硫化物固体電解質に対するLiイオン伝導度測定の結果である。 実施例1、2および比較例1〜3で得られた硫化物固体電解質に対するXRD測定の結果である。 図6の一部を拡大した拡大図である。 実施例3、4および比較例1、4、5で得られた硫化物固体電解質に対するXRD測定の結果である。 図8の一部を拡大した拡大図である。 実施例1、2および比較例1〜3で得られた硫化物固体電解質に対するラマン分光測定の結果である。 実施例3、4および比較例1、4、5で得られた硫化物固体電解質に対するラマン分光測定の結果である。
以下、本開示の硫化物固体電解質について、詳細に説明する。
本開示の硫化物固体電解質は、Li元素、P元素、S元素およびN元素を含有し、Li11構造を有する結晶相を備え、一般式:xLiS−30P−yLiN(1≦y≦7、66.5≦x+y≦73.1)で表される組成を有する。
本開示によれば、Li11構造を有する結晶相を備え、かつ、所定の組成を有することから、高いLiイオン伝導度を維持しつつ、硫化水素発生量が少ない硫化物固体電解質とすることができる。上述したように、従来のLi11結晶相は、Liイオン伝導度が高いが、水と接触した場合に硫化水素が発生しやすい。従来のLi11結晶相は、アニオンユニットとして、PS 3−ユニットおよびP 4−ユニットを有するが、P 4−ユニットは、SP−S−PSという架橋硫黄構造を有する。架橋硫黄(−S−)が水に対する安定性が低いため、硫化水素が発生すると推測される。
これに対して、本開示においては、Li11構造を有する結晶相を備える。この結晶相は、後述する実施例の結果から、Li11結晶相にN元素が固溶した結晶相であると推測される。N元素が固溶することで、P 4−ユニットの割合が減少し、その結果、硫化水素発生量が少ない硫化物固体電解質とすることができる。さらに、本開示の硫化物固体電解質は、従来のLi11結晶相と同様の構造(Li11構造)を有するため、高いLiイオン伝導度を維持できる。また、本開示の硫化物固体電解質は、所定の組成を有することから、Li11構造を有する結晶相の割合を十分に大きくすることができる。
本開示の硫化物固体電解質は、Li元素、P元素、S元素およびN元素を含有する。硫化物固体電解質の組成は、例えば、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析により確認できる。
本開示の硫化物固体電解質は、Li11構造を有する結晶相(結晶相A)を備える。結晶相Aは、Li11結晶相にN元素が固溶した結晶相であると推測される。結晶相Aは、CuKα線を用いたX線回折測定において、Li11結晶相と同様の位置にピークを有する。Li11結晶相の典型的なピークは、2θ=17.8°、18.2°、19.8°、21.8°、23.8°、25.9°、29.5°、30.0°の位置に現れる。結晶相Aも、上記の各位置の±0.5°の位置(好ましくは±0.3°の位置)にピークを有することが好ましい。
本開示の硫化物固体電解質は、結晶相Aを主相として有することが好ましい。硫化物固体電解質に含まれる全ての結晶相における結晶相Aの割合は、例えば50重量%以上であり、70重量%以上であっても良く、90重量%以上であっても良い。結晶相Aの割合は、例えば、放射光XRDの結果から求めることができる。
本開示の硫化物固体電解質は、CuKα線を用いたX線回折測定において、LiNのピーク(例えばα型のLiNピーク、2θ=21.6°±0.5°、27.9°±0.5°)を有しないことが好ましい。また、本開示の硫化物固体電解質は、CuKα線を用いたX線回折測定において、LiSのピーク(2θ=27.0°±0.5°、31.2°±0.5°、44.8°±0.5°、53.1°±0.5°)を有しないことが好ましい。特に、本開示の硫化物固体電解質は、結晶相Aの単相材料であることが好ましい。
本開示の硫化物固体電解質は、一般式:xLiS−30P−yLiN(1≦y≦7、66.5≦x+y≦73.1)で表される組成を有する。この一般式を、一般式(1)とする。一般式(1)におけるxは、例えば、59.5以上であり、61.5以上であっても良い。一方、一般式(1)におけるxは、例えば、72.1以下であり、70.0以下であっても良い。また、一般式(1)におけるyは、例えば、1以上であり、3.1以上であっても良い。一方、一般式(1)におけるyは、例えば、7以下であり、5以下であっても良い。また、一般式(1)におけるx+yは、例えば、66.5以上であり、67.5以上であっても良い。一方、一般式(1)におけるx+yは、例えば、73.1以下であり、71以下であっても良い。
なお、一般式(1)は、LiS、P、LiNを用いて、Li元素、P元素、S元素およびN元素の割合を例示したものであり、硫化物固体電解質の原料組成物が、LiS、P、LiNであることを特定するものではない。本開示の硫化物固体電解質には、例えば、原料として単体S、単体P等を用いて作製した硫化物固体電解質も包含される。一般式(1)は、一般式(2):Li(2x+3y)60(x+150)として表現することもできる。
また、一般式(1)において、xおよびyは、x=70−1.5yの関係を有していても良い。その場合、一般式(1)は、一般式(3):(70−1.5y)LiS・30P・yLiNとして表現することができる。一般式(3)は、LiS:P=70:30で表されるモル組成を基準とした場合に、LiNの割合を変化させても、硫化物固体電解質全体のLiの割合が変化しないLi定値型の組成に該当する。一般式(3)における好ましいyの範囲は、上述した内容と同様である。
また、一般式(1)において、LiSおよびPの割合は、70:30のモル比で固定されていても良い。その場合、一般式(1)は、一般式(4):70LiS−30P−yLiNとして表現することができる。一般式(4)は、LiS:P=70:30で表されるモル組成を基準とした場合に、Liを過剰に有するLi過剰型の組成に該当する。一般式(4)における好ましいyの範囲は、上述した内容と同様である。なお、一般式(4)は、一般式(4´):(100−Y)(0.7LiS・0.3P)・YLiNと表現することもできる。この場合、y=100Y/(100−Y)となる。また、一般式(3)、(4)、(4´)も、一般式(1)と同様に、硫化物固体電解質の原料がLiS、P、LiNであることを特定するものではない。
本開示の硫化物固体電解質は、Liイオン伝導度が高いことが好ましい。25℃におけるLiイオン伝導度は、例えば、1×10−3S/cm以上である。また、硫化物固体電解質の形状は、特に限定されるものではないが、例えば粒子状を挙げることができる。硫化物固体電解質の平均粒径(D50)は、例えば、0.1μm以上、50μm以下である。
本開示の硫化物固体電解質の製造方法は、特に限定されない。図1は、本開示の硫化物固体電解質の製造方法の一例を示す説明図である。図1では、まず、原料組成物(例えばLiS、P、LiN)を非晶質化して硫化物ガラスを得る(非晶質化工程)。次に、硫化物ガラスを熱処理して、結晶性材料を得る(熱処理工程)。以上の工程を行うことにより、上述した硫化物固体電解質を得ることができる。
原料組成物は、通常、Li元素、P元素、S元素およびN元素を含有する原料を混合することにより得られる。Li元素を含有する原料としては、例えば、Liの硫化物、Liの窒化物等を挙げることができる。具体的には、LiS、LiNを挙げることができる。P元素を含む原料としては、例えば、Pの単体、Pの硫化物を挙げることができる。Pの硫化物としては、例えば、P等を挙げることができる。S元素を含有する原料としては、例えば、Sの単体、上述したLiの硫化物、Pの硫化物を挙げることができる。N元素を含有する原料としては、例えば、上述したLiの窒化物を挙げることができる。
原料組成物を非晶質化する方法としては、例えば、ボールミル、振動ミル等のメカニカルミリング法、溶融急冷法等を挙げることができる。メカニカルミリング法は、乾式であっても良く、湿式であっても良いが、均一処理の観点で後者が好ましい。湿式メカニカルミリング法に用いられる分散媒の種類は特に限定されるものではない。なお、メカニカルミリング法の各種条件は、所望の硫化物ガラスが得られるように設定する。
非晶質化により得られる硫化物ガラスは、XRD測定において、結晶に由来するピークを有しないことが好ましい。
また、熱処理工程における熱処理温度は、例えば、240℃以上であり、250℃以上であっても良く、260℃以上であっても良い。一方、熱処理温度は、例えば、320℃以下であり、310℃以下であっても良く、300℃以下であっても良い。また、加熱時間は、例えば、0.5時間以上であり、1時間以上であっても良い。一方、加熱時間は、例えば、10時間以下であり、5時間以下であっても良い。
熱処理は、例えば、密閉条件で行われることが好ましい。密閉条件で行うことで、硫化物固体電解質中にN元素を取り込みやすくすることができるためである。また、反応系外にN元素がNとして排出されることを抑制することができるためである。熱処理時の雰囲気としては、例えば、真空、不活性ガス雰囲気を挙げることができる。
本開示の硫化物固体電解質は、イオン伝導性を必要とする任意の用途に用いることができる。中でも、本開示の硫化物固体電解質は、リチウム固体電池に用いられることが好ましい。すなわち、本開示においては、上述した硫化物固体電解質を用いたリチウム固体電池を提供することもできる。図2は、本開示のリチウム固体電池の一例を示す概略断面図である。図2におけるリチウム固体電池10は、正極活物質を含有する正極活物質層1と、負極活物質を含有する負極活物質層2と、正極活物質層1および負極活物質層2の間に形成された固体電解質層3と、正極活物質層1の集電を行う正極集電体4と、負極活物質層2の集電を行う負極集電体5と、これらの部材を収納する電池ケース6とを有する。本開示においては、正極活物質層1、負極活物質層2および固体電解質層3の少なくとも一つが、上述した硫化物固体電解質を含有することが好ましい。
以下、本開示のリチウム固体電池における各構成について説明する。
(1)正極活物質層
正極活物質層は、少なくとも正極活物質を含有する層であり、必要に応じて、固体電解質、導電化材および結着材の少なくとも一つを含有していても良い。特に、本開示においては、正極活物質層が固体電解質を含有し、その固体電解質が、上述した硫化物固体電解質であることが好ましい。正極活物質層に含まれる硫化物固体電解質の割合は、例えば0.1体積%以上であり、1体積%以上であっても良く、10体積%以上であっても良い。一方、硫化物固体電解質の割合は、例えば、80体積%以下であり、60体積%以下であっても良く、50体積%以下であっても良い。また、正極活物質としては、例えばLiCoO、LiMnO、LiNiMn、LiVO、LiCrO、LiFePO、LiCoPO、LiNiO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3等を挙げることができる。
正極活物質層は、さらに導電化材を含有していても良い。導電化材の添加により、正極活物質層の導電性を向上させることができる。導電化材としては、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンファイバー等を挙げることができる。また、正極活物質層は、結着材を含有していても良い。結着材の種類としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素含有結着材等を挙げることができる。また、正極活物質層の厚さは、例えば、0.1μm以上、1000μm以下である。
(2)負極活物質層
負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含有する層であり、必要に応じて、固体電解質、導電化材および結着材の少なくとも一つを含有していても良い。特に、本開示においては、負極活物質層が固体電解質を含有し、その固体電解質が、上述した硫化物固体電解質であることが好ましい。負極活物質層に含まれる硫化物固体電解質の割合は、例えば0.1体積%以上であり、1体積%以上であっても良く、10体積%以上であっても良い。一方、硫化物固体電解質の割合は、例えば、80体積%以下であり、60体積%以下であっても良く、50体積%以下であっても良い。また、負極活物質としては、例えば金属活物質およびカーボン活物質を挙げることができる。金属活物質としては、例えばIn、Al、SiおよびSn等を挙げることができる。一方、カーボン活物質としては、例えばメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、高配向性グラファイト(HOPG)、ハードカーボン、ソフトカーボン等を挙げることができる。
なお、負極活物質層に用いられる導電化材および結着材については、上述した正極活物質層における場合と同様である。また、負極活物質層の厚さは、例えば、0.1μm以上、1000μm以下である。
(3)固体電解質層
固体電解質層は、正極活物質層および負極活物質層の間に形成される層である。固体電解質層は、通常、固体電解質を含有する。本開示においては、固体電解質層が、上述した硫化物固体電解質を含有することが好ましい。固体電解質層に含まれる硫化物固体電解質の割合は、例えば、10体積%以上であり、50体積%以上であっても良い。一方、硫化物固体電解質の割合は、例えば、100体積%以下である。固体電解質層の厚さは、例えば、0.1μm以上、1000μm以下である。また、固体電解質層の形成方法としては、例えば、固体電解質を圧縮成形する方法等を挙げることができる。
(4)その他の構成
リチウム固体電池は、上述した正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層を少なくとも有する。さらに通常は、正極活物質層の集電を行う正極集電体、および負極活物質層の集電を行う負極集電体を有する。正極集電体の材料としては、例えばSUS、アルミニウム、ニッケル、鉄、チタンおよびカーボン等を挙げることができる。一方、負極集電体の材料としては、例えばSUS、銅、ニッケルおよびカーボン等を挙げることができる。また、正極集電体および負極集電体の厚さや形状等については、電池の用途等に応じて適宜選択することが好ましい。また、本開示に用いられる電池ケースには、一般的な電池の電池ケースを用いることができ、例えばSUS製電池ケース等を挙げることができる。
(5)リチウム固体電池
リチウム固体電池は、一次電池であっても良く、二次電池であっても良いが、中でも二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば車載用電池として有用だからである。リチウム固体電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型および角型等を挙げることができる。また、リチウム固体電池の製造方法は、上述した電池を得ることができる方法であれば特に限定されるものではなく、一般的なリチウム固体電池の製造方法と同様の方法を用いることができる。その製造方法の一例としては、正極活物質層を構成する材料、固体電解質層を構成する材料、および負極活物質層を構成する材料を順次プレスすることにより、発電要素を作製し、この発電要素を電池ケースの内部に収納し、電池ケースをかしめる方法等を挙げることができる。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
以下、本開示をさらに具体的に説明する。
[比較例1]
原料として、硫化リチウム(LiS、三津和化学工業製)、五硫化二リン(P、アルドリッチ社製)、窒化リチウム(LiN、アルドリッチ社製)を用いた。それぞれの原料を、(70−1.5y)LiS・30P・yLiNの組成において、y=0となるように秤量した。秤量した混合物1gを、φ4mmのZrOボール500個と共に、遊星型ボールミルのポット(45cc、ZrO製)に投入し、密封した。この容器を遊星型ボールミル機(フリッチュ製、P−7)に取り付け、台盤回転数510rpmで45時間メカニカルミリングを行い、硫化物ガラスを得た。
得られた硫化物ガラスを、石英管に入れ、30Pa以下で真空封入した。その後、示唆熱分析(DTA)で観測される結晶化温度(Tc)よりも高い温度(200℃〜350℃)で熱処理することにより、硫化物固体電解質を得た。なお、真空ではなく、不活性雰囲気(例えば、Ar雰囲気、N雰囲気)で熱処理を行っても良い。
[実施例1]
(70−1.5y)LiS・30P・yLiNの組成において、y=5となるように、原料を秤量したこと以外は、比較例1と同様にして硫化物固体電解質を得た。
[実施例2]
(70−1.5y)LiS・30P・yLiNの組成において、y=7となるように、原料を秤量したこと以外は、比較例1と同様にして硫化物固体電解質を得た。
[比較例2]
(70−1.5y)LiS・30P・yLiNの組成において、y=10となるように、原料を秤量したこと以外は、比較例1と同様にして硫化物固体電解質を得た。
[比較例3]
(70−1.5y)LiS・30P・yLiNの組成において、y=20となるように、原料を秤量したこと以外は、比較例1と同様にして硫化物固体電解質を得た。
[実施例3]
組成を70LiS・30P・yLiNに変更し、その組成において、y=1となるように、原料を秤量したこと以外は、比較例1と同様にして硫化物固体電解質を得た。なお、上記組成は、厳密には、(100−Y)(0.7LiS・0.3P)・YLiNにおけるY=1である。
[実施例4]
70LiS・30P・yLiNの組成において、y=3.1となるように、原料を秤量したこと以外は、実施例3と同様にして硫化物固体電解質を得た。なお、上記組成は、厳密には、(100−Y)(0.7LiS・0.3P)・YLiNにおけるY=3である。
[比較例4]
70LiS・30P・yLiNの組成において、y=11.1となるように、原料を秤量したこと以外は、実施例3と同様にして硫化物固体電解質を得た。なお、上記組成は、厳密には、(100−Y)(0.7LiS・0.3P)・YLiNにおけるY=10である。
[比較例5]
70LiS・30P・yLiNの組成において、y=25となるように、原料を秤量したこと以外は、実施例3と同様にして硫化物固体電解質を得た。なお、上記組成は、厳密には、(100−Y)(0.7LiS・0.3P)・YLiNにおけるY=20である。
[評価]
(硫化水素発生量測定)
実施例1〜4および比較例1〜5で得られた硫化物固体電解質の硫化水素発生量を測定した。硫化物固体電解質50mgを容積2000cmのガラスデシケータに静置し、湿度70%の大気に曝露した。デシケータ中の硫化水素濃度を、硫化水素センサ(GBL−HS、イチネンジコー社製)により測定した。なお、曝露開始後5分後の硫化水素発生量を測定した。その結果を表1に示す。また、測定結果の一例として、図3に、実施例2および比較例1で得られた硫化物固体電解質に対する硫化水素発生量の時間経過を示す。
(Liイオン伝導度測定)
実施例1〜4および比較例1〜5で得られた硫化物固体電解質に対して、交流インピーダンス法によるLiイオン伝導度測定を行った。硫化物固体電解質を6ton/cmの圧力でコールドプレスすることで、φ11.28mm、厚さ約500μmのペレットを作製した。得られたペレットをAr雰囲気中でFRA(周波数応答アナライザ、ソーラトロン、SI1260、東陽テクニカ社製)にて交流インピーダンス測定を行った。測定は、25℃に調整した恒温槽内で行った。その結果を表1、図4、図5に示す。
表1および図3に示すように、実施例1〜4は、LiNを含まない比較例1に比べて、硫化水素発生量が低減した。また、図4に示すように、実施例1、2は、比較例1と同じく、10−3S/cm以上のイオン伝導度を有することが確認された。特に、実施例1は、比較例1よりもイオン伝導度が高いという顕著な効果を有していた。一方、比較例2、3は、実施例1、2に比べて、イオン伝導度が大幅に低下した。また、図5に示すように、実施例3、4は、比較例1と同等以上のイオン伝導度を有するという顕著な効果を有していた。一方、比較例4、5は、実施例3、4に比べて、イオン伝導度が大幅に低下した。
(X線回折測定)
実施例1〜4および比較例1〜5で得られた硫化物固体電解質に対して、X線回折(XRD)測定を行った。X線回折装置(SmartLab、リガク社製)を用い、CuKα線(1.41Å)にて、2θ=10°〜40°の範囲で測定を行った。その結果を図6〜図9に示す。なお、図7は、図6の一部を拡大した拡大図であり、図9は、図8の一部を拡大した拡大図である。
図6に示すように、実施例1、2および比較例1では、Li11構造を有する結晶相がほぼ単相で析出していることが確認された。一方、比較例2、3では、Li11構造を有する結晶相に加えて、β-LiPS等の他の結晶相も析出した。実施例1、2および比較例1の結果を、さらに詳細に調べたところ、図7に示すように、LiNの添加によって、2θ=23.8°付近のピークが高角度側にシフトしていることが確認された。このシフトは、N元素がLi11結晶相内に固溶したために生じたと推測される。
図8に示すように、実施例3、4および比較例1では、Li11構造を有する結晶相がほぼ単相で析出していることが確認された。一方、比較例4、5では、Li11構造を有する結晶相に加えて、他の結晶相も析出した。実施例3、4および比較例1の結果を、さらに詳細に調べたところ、図9に示すように、LiNの添加によって、2θ=23.8°付近のピークが高角度側にシフトしていることが確認された。
(ラマン分光測定)
実施例1〜4および比較例1〜5で得られた硫化物固体電解質に対して、ラマン分光測定を行った。ラマン分光装置(Lab-Ram HR-800、Horiba Jobin Yvon社製)を用いた。その結果を図10および図11に示す。図10および図11に示すように、LiNの添加によって、P 4−ユニット(不安定な架橋硫黄構造)の割合が減少していることが確認された。その結果、硫化水素発生量が低減した推測される。
1 …正極活物質層
2 …負極活物質層
3 …固体電解質層
4 …正極集電体
5 …負極集電体
6 …電池ケース

Claims (1)

  1. Li元素、P元素、S元素およびN元素を含有し、
    Li11構造を有する結晶相を備え、
    一般式:xLiS−30P−yLiN(1≦y≦7、66.5≦x+y≦73.1)で表される組成を有する、硫化物固体電解質。
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