JP6783736B2 - 硫化物固体電解質 - Google Patents
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Description
上述したように、硫化物固体電解質は、水と接触した場合に硫化水素が発生するおそれがある。その理由は、硫化物固体電解質がLi2S成分、P2S5成分、P2S7 4−成分等の不純物成分を含む場合に、これらの成分が大気中の微量な水分と反応して硫化水素を発生するためであると推測される。特に、P2S7 4−成分は、架橋硫黄(P−S−P)を有しており、架橋硫黄は水との反応性が高いため、硫化水素が発生しやすいと推測される。
特に、硫化物固体電解質の原料として、Li2S、P2S5およびLi3Nを用いた場合、P2S5とLi3Nとが化学反応してLi2Sが生成してしまうため、仕込み時の組成とずれることが推測される。
結晶性材料は、通常、X線回折(XRD)測定において2θに特定のピークを有する材料をいう。本開示の硫化物固体電解質は、CuKα線を用いたX線回折測定において、2θ=17.5°、18.6°、21.1°、22.2°、23.3°、25.6°、28.6°、29.4°、30.4°、33.5°、34.3°、36.0°、38.5°の位置にピークを有することが好ましい。なお、本開示の硫化物固体電解質は、上述した各位置の±0.5°の位置(好ましくは±0.3°の位置)にピークを有していても良い。
上記ピークを有する結晶相を結晶相Aとする。結晶相Aは、新規結晶相である。結晶相Aは、Li元素、P元素およびS元素を有する結晶構造にN元素が一部固溶した構造を有すると推測される。
以下、本開示のリチウム固体電池における各構成について説明する。
正極活物質層は、少なくとも正極活物質を含有する層であり、必要に応じて、固体電解質、導電化材および結着材の少なくとも一つを含有していても良い。特に、本開示においては、正極活物質層が固体電解質を含有し、その固体電解質が、上述した硫化物固体電解質であることが好ましい。正極活物質層に含まれる硫化物固体電解質の割合は、例えば0.1体積%以上であり、1体積%以上であっても良く、10体積%以上であっても良い。一方、硫化物固体電解質の割合は、例えば、80体積%以下であり、60体積%以下であっても良く、50体積%以下であっても良い。また、正極活物質としては、例えばLiCoO2、LiMnO2、Li2NiMn3O8、LiVO2、LiCrO2、LiFePO4、LiCoPO4、LiNiO2、LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2等を挙げることができる。
負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含有する層であり、必要に応じて、固体電解質、導電化材および結着材の少なくとも一つを含有していても良い。特に、本開示においては、負極活物質層が固体電解質を含有し、その固体電解質が、上述した硫化物固体電解質であることが好ましい。負極活物質層に含まれる硫化物固体電解質の割合は、例えば0.1体積%以上であり、1体積%以上であっても良く、10体積%以上であっても良い。一方、硫化物固体電解質の割合は、例えば、80体積%以下であり、60体積%以下であっても良く、50体積%以下であっても良い。また、負極活物質としては、例えば金属活物質およびカーボン活物質を挙げることができる。金属活物質としては、例えばIn、Al、SiおよびSn等を挙げることができる。一方、カーボン活物質としては、例えばメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、高配向性グラファイト(HOPG)、ハードカーボン、ソフトカーボン等を挙げることができる。
固体電解質層は、正極活物質層および負極活物質層の間に形成される層である。固体電解質層は、通常、固体電解質を含有する。本開示においては、固体電解質層が、上述した硫化物固体電解質を含有することが好ましい。固体電解質層に含まれる硫化物固体電解質の割合は、例えば、10体積%以上であり、50体積%以上であっても良い。一方、硫化物固体電解質の割合は、例えば、100体積%以下である。固体電解質層の厚さは、例えば、0.1μm以上、1000μm以下である。また、固体電解質層の形成方法としては、例えば、固体電解質を圧縮成形する方法等を挙げることができる。
リチウム固体電池は、上述した正極活物質層、固体電解質層および負極活物質層を少なくとも有する。さらに通常は、正極活物質層の集電を行う正極集電体、および負極活物質層の集電を行う負極集電体を有する。正極集電体の材料としては、例えばSUS、アルミニウム、ニッケル、鉄、チタンおよびカーボン等を挙げることができる。一方、負極集電体の材料としては、例えばSUS、銅、ニッケルおよびカーボン等を挙げることができる。また、正極集電体および負極集電体の厚さや形状等については、電池の用途等に応じて適宜選択することが好ましい。また、本開示に用いられる電池ケースには、一般的な電池の電池ケースを用いることができ、例えばSUS製電池ケース等を挙げることができる。
リチウム固体電池は、一次電池であっても良く、二次電池であっても良いが、中でも二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば車載用電池として有用だからである。リチウム固体電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型および角型等を挙げることができる。また、リチウム固体電池の製造方法は、上述した電池を得ることができる方法であれば特に限定されるものではなく、一般的なリチウム固体電池の製造方法と同様の方法を用いることができる。その製造方法の一例としては、正極活物質層を構成する材料、固体電解質層を構成する材料、および負極活物質層を構成する材料を順次プレスすることにより、発電要素を作製し、この発電要素を電池ケースの内部に収納し、電池ケースをかしめる方法等を挙げることができる。
出発原料として、硫化リチウム(Li2S、三津和化学工業製)、五硫化二リン(P2S5、アルドリッチ社製)、窒化リチウム(Li3N、アルドリッチ社製)を用いた。それぞれの原料を、xLi2S・yP2S5・zLi3Nの組成において、x=54、y=30、z=16となるように秤量した。秤量した混合物1gを、ジルコニア製ボール(φ5mm)53gとともに、ジルコニア製ボールポット容器(容積80ml)に入れ、密閉した。この容器を遊星型ボールミル装置(フリッチェ製PULVERISETTE7)に取り付け、台盤回転数510rpmで45時間メカニカルミリングを行い、硫化物ガラス状態の硫化物固体電解質を得た。この硫化物ガラスを、石英管に入れ、30Pa以下で真空封入した。その後、334℃で2時間熱処理を行うことで、ガラスセラミックス状態の硫化物固体電解質を合成した。
なお、熱処理温度は、示差熱測定装置(DTA)で分析を行い、結晶化温度より高い温度を熱処理温度に設定した。
組成比をx=52、y=30、z=18、熱処理温度334℃としたこと以外、実施例1と同様の手順でガラスセラミックス状態の硫化物固体電解質の合成を行った。
組成比をx=50、y=30、z=20、熱処理温度を357℃としたこと以外、実施例1と同様の手順でガラスセラミックス状態の硫化物固体電解質の合成を行った。
組成比をx=47、y=31、z=22、熱処理温度を346℃としたこと以外、実施例1と同様の手順でガラスセラミックス状態の硫化物固体電解質の合成を行った。
組成比をx=46、y=32、z=22、熱処理温度を351℃としたこと以外、実施例1と同様の手順でガラスセラミックス状態の硫化物固体電解質の合成を行った。
組成比をx=44、y=32、z=24、熱処理温度を356℃としたこと以外、実施例1と同様の手順でガラスセラミックス状態の硫化物固体電解質の合成を行った。
組成比をx=52、y=32、z=16、熱処理温度を337℃としたこと以外、実施例1と同様の手順でガラスセラミックス状態の硫化物固体電解質の合成を行った。
組成比をx=50、y=32、z=18、熱処理温度を325℃としたこと以外、実施例1と同様の手順でガラスセラミックス状態の硫化物固体電解質の合成を行った。
組成比をx=56、y=28、z=16、熱処理温度を338℃としたこと以外、実施例1と同様の手順でガラスセラミックス状態の硫化物固体電解質の合成を行った。
組成比をx=54、y=28、z=18、熱処理温度を350℃としたこと以外、実施例1と同様の手順でガラスセラミックス状態の硫化物固体電解質の合成を行った。
組成比をx=52、y=28、z=20、熱処理温度を340℃としたこと以外、実施例1と同様の手順でガラスセラミックス状態の硫化物固体電解質の合成を行った。
組成比をx=50、y=28、z=22、熱処理温度を332℃としたこと以外、実施例1と同様の手順でガラスセラミックス状態の硫化物固体電解質の合成を行った。
組成比がx=75、y=25、z=0とした点以外は、実施例1と同様の手順でガラスセラミックス状態の硫化物固体電解質を合成した。
組成比がx=70、y=30、z=0とした点以外は、実施例1と同様の手順でガラスセラミックス状態の硫化物固体電解質を合成した。
(大気曝露時の硫化水素発生量測定)
図3に示すように、ガラスデシケーター21、水22、硫化水素センサ23、ファン24を備える装置を用い、得られた硫化物固体電解質3aにおける硫化水素発生量を測定した。具体的には、容積1000mlのガラスデシケーター内に、合成した硫化物固体電解質約100mg、水30ml、硫化水素センサ(Toxi RAE Pro、Honeywell社製)、ファンを入れた。ガラスデシケーターを密封した状態で、ファンを起動させ、湿度100%の大気に曝露し、曝露開始から200秒経過時のデシケーター内の硫化水素濃度を測定した。
結果を表1に示す。実施例1〜8では、比較例1〜4に比べて硫化水素発生量が大きく低減されることが確認された。
交流インピーダンス法を用いて、Liイオン伝導度の測定を行った。Ar雰囲気下のグローブボックス内で、合成した硫化物固体電解質約70mgを6ton/cm2の圧力でプレスし、厚さ500μm程度のφ11.28μmのペレットを作製した。厚さはマイクロメーターを用いて測定した。作製したペレットをBio−Logic社製VMP3を用いて25℃の恒温槽内で交流インピーダンス測定を行った。
結果を表1に示す。実施例1〜8では、0.7×10−3S/cm以上のLiイオン伝導度を示すことが確認された。特に、実施例1〜6では、1.0×10−3S/cm以上のLiイオン伝導度を示すことが確認された。
X線回折装置(Ultima IV、リガク製)を用いて、CuKα線にて、2θ=10°〜60°の範囲で構造解析を行った。結果を図4(a)、(b)に示す。
図4(a)に示すように、実施例1〜8では、2θ=17.5°、18.6°、21.1°、22.2°、23.3°、25.6°、28.6°、29.4°、30.4°、33.5°、34.3°、36.0°、38.5°の位置にピークが確認された。これらのピーク位置は、例えば、従来知られている硫化物固体電解質(Li3PS4結晶相、Li7P3S11結晶相、LGPS結晶相)のピーク位置とは異なる。このことから、xLi2S−yP2S5−zLi3N(44≦x≦54、30≦y≦32、16≦y≦24)の組成を有する硫化物固体電解質は、新規結晶相を有することが確認された。
また、比較例1〜4では、2θ=27.0°(±0.3°)、31.2°(±0.3°)、44.8°(±0.3°)、53.1°(±0.3°)、55.6°(±0.3°)にLi2Sに起因する回折ピークが確認された。P2S5成分とLi3N成分とが化学反応してLi2S成分が生じたことが推測される。
2 …負極活物質層
3 …固体電解質層
3a …硫化物固体電解質
4 …正極集電体
5 …負極集電体
6 …電池ケース
Claims (1)
- Li元素、P元素、S元素およびN元素を含有し、
一般式:xLi2S−yP2S5−zLi3N(44≦x≦54、30≦y≦32、16≦z≦24、x+y+z=100)で表される組成を有する、硫化物固体電解質。
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