JP2016062720A - 硫化物固体電解質材料およびリチウム固体電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、付着水分量が少ない硫化物固体電解質材料を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、Li元素、Mg元素、P元素、S元素を含有し、アニオン構造としてPS 3−構造を主体とする硫化物固体電解質材料であって、上記Li元素および上記Mg元素の合計に対する上記Mg元素の割合が、1.69mol%〜5.26mol%の範囲内であることを特徴とする硫化物固体電解質材料を提供することにより、上記課題を解決する。
【選択図】図3

Description

本発明は、付着水分量が少ない硫化物固体電解質材料に関する。
近年におけるパソコン、ビデオカメラおよび携帯電話等の情報関連機器や通信機器等の急速な普及に伴い、その電源として利用される電池の開発が重要視されている。また、自動車産業界等においても、電気自動車用あるいはハイブリッド自動車用の高出力かつ高容量の電池の開発が進められている。現在、種々の電池の中でも、エネルギー密度が高いという観点から、リチウム電池が注目を浴びている。
現在市販されているリチウム電池は、可燃性の有機溶媒を含む電解液が使用されているため、短絡時の温度上昇を抑える安全装置の取り付けや短絡防止のための構造が必要となる。これに対し、電解液を固体電解質層に変えて、電池を全固体化したリチウム電池は、電池内に可燃性の有機溶媒を用いないので、安全装置の簡素化が図れ、製造コストや生産性に優れると考えられている。さらに、このような固体電解質層に用いられる固体電解質材料として、硫化物固体電解質材料が知られている。
硫化物固体電解質材料は、Liイオン伝導性が高いため、電池の高出力化を図る上で有用であり、従来から種々の研究がなされている。例えば、特許文献1には、オルト組成を有するイオン伝導体(例えばLiPS)と、LiIとを有し、ガラス転移点を有する硫化物固体電解質材料が開示されている。また、特許文献2には、一般式Li4−2xMg(0<x<2)で表されるチオリン酸リチウムマグネシウム化合物が開示されている。
特開2014−089986号公報 特開2003−206110号公報
硫化物固体電解質材料は、水分と反応することで水和物を形成し、Liイオン伝導度が低下しやすいという問題がある。LiPS組成やその近傍組成を有する硫化物固体電解質材料は、比較的、水分との反応性が低いものの、それでもLiイオン伝導度の低下は生じてしまう。水分による硫化物固体電解質材料の劣化は、硫化物固体電解質材料に水分が接触することで生じるため、劣化を防止するためには、硫化物固体電解質材料の付着水分量を低減することが有効であると考えられる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、付着水分量が少ない硫化物固体電解質材料を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明においては、Li元素、Mg元素、P元素、S元素を含有し、アニオン構造としてPS 3−構造を主体とする硫化物固体電解質材料であって、上記Li元素および上記Mg元素の合計に対する上記Mg元素の割合が、1.69mol%〜5.26mol%の範囲内であることを特徴とする硫化物固体電解質材料を提供する。
本発明によれば、Li元素およびMg元素の合計に対するMg元素の割合を所定の限られた範囲にすることで、付着水分量が少ない硫化物固体電解質材料とすることができる。
また、本発明においては、a((1−b)LiS・bMgS)・(100−a)P(aは70≦a≦80を満たし、bは0.033≦b≦0.1を満たす)で表される組成を有することを特徴とする硫化物固体電解質材料を提供する。
本発明によれば、LiSの一部を、限られた所定量のMgSで置換することにより、付着水分量が少ない硫化物固体電解質材料とすることができる。
上記発明においては、硫化物固体電解質材料が硫化物ガラスであることが好ましい。
また、本発明においては、正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質を含有する負極活物質層と、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成された固体電解質層と、を有するリチウム固体電池であって、上記正極活物質層、上記負極活物質層および上記固体電解質層の少なくとも一つが、上述した硫化物固体電解質材料を含有することを特徴とするリチウム固体電池を提供する。
本発明によれば、上述した硫化物固体電解質材料を用いることにより、水分に対する安定性の高いリチウム固体電池とすることができる。
本発明の硫化物固体電解質材料は、付着水分量が少ないという効果を奏する。
本発明の硫化物固体電解質材料を得る製造方法の一例を示すフローチャートである。 本発明のリチウム固体電池の一例を示す概略断面図である。 実施例1〜3および比較例1〜3で得られた硫化物固体電解質材料の付着水分量である。
以下、硫化物固体電解質材料およびリチウム固体電池について詳細に説明する。
A.硫化物固体電解質材料
本発明の硫化物固体電解質材料は、2つの実施態様に大別できる。本発明の硫化物固体電解質材料について、第一実施態様および第二実施態様に分けて説明する。
1.第一実施態様
第一実施態様の硫化物固体電解質材料は、Li元素、Mg元素、P元素、S元素を含有し、アニオン構造としてPS 3−構造を主体とする硫化物固体電解質材料であって、上記Li元素および上記Mg元素の合計に対する上記Mg元素の割合が、1.69mol%〜5.26mol%の範囲内であることを特徴とする。
第一実施態様によれば、Li元素およびMg元素の合計に対するMg元素の割合を所定の限られた範囲にすることで、付着水分量が少ない硫化物固体電解質材料とすることができる。付着水分量が少なくなる理由は、Mg元素は、Li元素よりもイオン半径が大きいため、硫化物固体電解質材料に水分子が侵入しくくなるためであると推測される。水分子の侵入が抑制されることで、結果として、硫化物固体電解質材料に吸着する水分の量が少なくなると推測される。そのため、この効果は、実施例に記載した硫化物ガラスのみならず、例えばガラスセラミックス等の材料でも得られると考えられる。
第一実施態様の硫化物固体電解質材料は、Li元素、Mg元素、P元素、S元素を含有し、アニオン構造としてPS 3−構造を主体とする。PS 3−構造(LiPS構造)は、いわゆるオルト組成におけるアニオン構造であり、化学的安定性が高いという利点を有する。ここで、オルトとは、一般的に、同じ酸化物を水和して得られるオキソ酸の中で、最も水和度の高いものをいう。第一実施態様においては、硫化物で最もLiSが付加している結晶組成をオルト組成という。なお、LiS−P系において、オルト組成を得るLiSおよびPの割合は、化学量論的には、LiS:P=75:25(モル比)である。
また、「PS 3−構造を主体とする」とは、PS 3−構造の割合が、硫化物固体電解質材料における全アニオン構造に対して、50mol%以上であることをいう。PS 3−構造の割合は、60mol%以上であることが好ましく、70mol%以上であることがより好ましく、80mol%以上であることがさらに好ましく、90mol%以上であることが特に好ましい。なお、PS 3−構造の割合は、ラマン分光法、NMR、XPS等により決定することができる。
第一実施態様において、Li元素およびMg元素の合計に対するMg元素の割合は、通常、1.69mol%以上であり、2.0mol%以上であることが好ましい。Mg元素の割合が少なすぎると、付着水分量の低減を十分に図ることができない可能性がある。一方、Mg元素の割合は、通常、5.26mol%以下であり、5.0mol%以下であることが好ましい。Mg元素の割合が多すぎると、エネルギー的に不安定になり、Mg元素が硫化物固体電解質材料の構造中に存在できない可能性がある。
第一実施態様の硫化物固体電解質材料は、例えば、a((1−b)LiS・bMgS)・(100−a)P(aは70≦a≦80を満たし、bは0.033≦b≦0.1を満たす)で表される組成を有することが好ましい。aの値は、72以上であることが好ましく、73以上であることがより好ましく、74以上であることがさらに好ましい。一方、aの値は、78以下であることが好ましく、77以下であることがより好ましく、76以下であることがさらに好ましい。bの値は、0.04以上であることが好ましい。一方、bの値は、0.08以下であることが好ましい。
また、第一実施態様の硫化物固体電解質材料が、MgSを原料として用いて得られるものである場合、MgSの含有量(原料の合計に対するMgSの割合)は、例えば2.5mol%以上であり、3mol%以上であることが好ましい。一方、MgSの含有量は、例えば7.5mol%以下であり、7mol%以下であることが好ましい。
また、第一実施態様の硫化物固体電解質材料は、LiSを実質的に含有しないことが好ましい。硫化水素の発生を抑制できるからである。例えば、原料組成物に含まれるLiSの割合が大きいと、LiSが残存しやすい。「LiSを実質的に含有しない」ことは、X線回折により確認することができる。具体的には、LiSのピーク(2θ=27.0°、31.2°、44.8°、53.1°)を有しない場合は、LiSを実質的に含有しないと判断することができる。
また、第一実施態様の硫化物固体電解質材料は、架橋硫黄を実質的に含有しないことが好ましい。硫化水素の発生を抑制できるからである。「架橋硫黄」とは、例えばSP−S−PS構造(P 4−構造)の架橋硫黄が該当する。架橋硫黄は、水と反応しやすく、硫化水素が発生しやすい。さらに、「架橋硫黄を実質的に含有しない」ことは、ラマン分光スペクトルの測定により、確認することができる。例えば、LiS−P系の硫化物固体電解質材料の場合、SP−S−PS構造のピークが、通常402cm−1に表れる。そのため、このピークが検出されないことが好ましい。また、PS 3−構造のピークは、通常417cm−1に表れる。第一実施態様においては、402cm−1における強度I402が、417cm−1における強度I417よりも小さいことが好ましい。より具体的には、強度I417に対して、強度I402は、例えば70%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましく、35%以下であることがさらに好ましい。
第一実施態様の硫化物固体電解質材料は、硫化物ガラスであっても良く、ガラスセラミックスであっても良い。硫化物ガラスとは、X線回折測定等において結晶としての周期性が観測されない厳密な「ガラス」のみならず、後述するメカニカルミリング等により非晶質化して合成した材料全般を意味する。ガラスセラミックスは、硫化物ガラスに熱処理を行うことにより、得ることができる。
第一実施態様の硫化物固体電解質材料の形状は、特に限定されるものではないが、例えば粒子状を挙げることができる。第一実施態様の硫化物固体電解質材料の平均粒径(D50)は、例えば0.1μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。また、第一実施態様の硫化物固体電解質材料のLiイオン伝導度(25℃)は、例えば1×10−4S/cm以上であることが好ましく、1×10−3S/cm以上であることがより好ましい。
第一実施態様の硫化物固体電解質材料は、Liイオン伝導性を必要とする任意の用途に用いることができ、電池に用いられるものであることが好ましい。
第一実施態様の硫化物固体電解質材料を得る製造方法は、所望の硫化物固体電解質材料を得ることができる方法であれば特に限定されるものではない。図1は、硫化物固体電解質材料を得る製造方法の一例を示すフローチャートである。図1においては、まず、LiS、PおよびMgSを含有する原料組成物を用意する。次に、原料組成物を非晶質化することにより、硫化物ガラスを得る。さらに、ガラスセラミックスを得る場合には、硫化物ガラスに熱処理を行えば良い。
原料組成物は、LiS、PおよびMgSを含有することが好ましい。Pの代わりに、同様の組成となる混合物を用いていても良い。また、原料組成物は、LiS、PおよびMgSのみを含有していても良く、他の材料を含有していても良い。
原料組成物を非晶質化する方法としては、例えば、メカニカルミリングを挙げることができる。メカニカルミリングは、乾式メカニカルミリングであっても良く、湿式メカニカルミリングであっても良いが、後者が好ましい。容器等の壁面に原料組成物が固着することを防止でき、より非晶質性の高い硫化物ガラスを得ることができるからである。メカニカルミリングとしては、例えばボールミル、振動ミル、ターボミル、メカノフュージョン、ディスクミル等を挙げることができる。
メカニカルミリングの各種条件は、所望の硫化物ガラスを得ることができるように設定する。例えば、遊星型ボールミルを用いる場合、容器に原料組成物および粉砕用ボールを加え、所定の回転数および時間で処理を行う。台盤回転数としては、例えば200rpm〜500rpmの範囲内であり、250rpm〜400rpmの範囲内であることが好ましい。また、遊星型ボールミルを行う際の処理時間は、例えば1時間〜100時間の範囲内であり、1時間〜50時間の範囲内であることが好ましい。
ガラスセラミックスを得る方法としては、例えば、硫化物ガラスを結晶化温度以上の温度で熱処理する方法を挙げることができる。
2.第二実施態様
第二実施態様の硫化物固体電解質材料は、a((1−b)LiS・bMgS)・(100−a)P(aは70≦a≦80を満たし、bは0.033≦b≦0.1を満たす)で表される組成を有することを特徴とする。
第二実施態様によれば、LiSの一部を、限られた所定量のMgSで置換することにより、付着水分量が少ない硫化物固体電解質材料とすることができる。なお、他の特徴については、上述した第一実施態様に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。
B.リチウム固体電池
図2は、本発明のリチウム固体電池の一例を示す概略断面図である。図2に示されるリチウム固体電池10は、正極活物質を含有する正極活物質層1と、負極活物質を含有する負極活物質層2と、正極活物質層1および負極活物質層2の間に形成された固体電解質層3と、正極活物質層1の集電を行う正極集電体4と、負極活物質層2の集電を行う負極集電体5と、これらの部材を収納する電池ケース6とを有する。本発明においては、正極活物質層1、負極活物質層2および固体電解質層3の少なくとも一つが、上記「A.硫化物固体電解質材料」に記載した硫化物固体電解質材料を含有することを大きな特徴とする。
本発明によれば、上述した硫化物固体電解質材料を用いることにより、水分に対する安定性の高いリチウム固体電池とすることができる。
以下、本発明のリチウム固体電池について、構成ごとに説明する。
1.正極活物質層
本発明における正極活物質層は、少なくとも正極活物質を含有する層であり、必要に応じて、固体電解質材料、導電化材および結着材の少なくとも一つをさらに含有していても良い。正極活物質層に含まれる固体電解質材料は、上記「A.硫化物固体電解質材料」に記載した硫化物固体電解質材料であることが好ましい。
正極活物質としては、特に限定されるものではないが、例えば、LiCoO、LiMnO、LiNiO、LiVO、LiNi1/3Co1/3Mn1/3等の岩塩層状型活物質、LiMn、Li(Ni0.5Mn1.5)O等のスピネル型活物質、LiFePO、LiMnPO、LiNiPO、LiCuPO等のオリビン型活物質等を挙げることができる。また、LiFeSiO、LiMnSiO等のSi含有酸化物を正極活物質として用いても良い。
本発明における正極活物質層は、正極活物質および固体電解質材料の他に、導電化材および結着材の少なくとも一つをさらに含有していても良い。導電化材としては、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンファイバー等を挙げることができる。結着材としては、例えば、PTFE、PVDF等のフッ素含有結着材を挙げることができる。正極活物質層の厚さは、例えば0.1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましい。
2.負極活物質層
本発明における負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含有する層であり、必要に応じて、固体電解質材料、導電化材および結着材の少なくとも一つをさらに含有していても良い。負極活物質層に含まれる固体電解質材料は、上記「A.硫化物固体電解質材料」に記載した硫化物固体電解質材料であることが好ましい。
負極活物質としては、例えば、金属活物質およびカーボン活物質を挙げることができる。金属活物質としては、例えば、In、Al、SiおよびSn等を挙げることができる。一方、カーボン活物質としては、例えば、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、高配向性グラファイト(HOPG)、ハードカーボン、ソフトカーボン等を挙げることができる。なお、導電化材および結着材については、上述した正極活物質層に用いられるものと同様である。負極活物質層の厚さは、例えば0.1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましい。
3.固体電解質層
本発明における固体電解質層は、正極活物質層および負極活物質層の間に形成される層であり、固体電解質材料から構成される層である。
本発明においては、固体電解質層に含まれる固体電解質材料が、上記「A.硫化物固体電解質材料」に記載した硫化物固体電解質材料であることが好ましい。固体電解質層における硫化物固体電解質材料の含有量は、例えば、10体積%〜100体積%の範囲内であり、50体積%〜100体積%の範囲内であることが好ましい。本発明においては、固体電解質層が硫化物固体電解質材料のみから構成されていても良い。一方、正極活物質層または負極活物質層が上述した硫化物固体電解質材料を用いている場合には、固体電解質層には任意の固体電解質材料を用いることができる。
また、固体電解質層は、結着材を含有していても良い。結着材を含有することにより、可撓性を有する固体電解質層を得ることができるからである。結着材としては、例えば、PTFE、PVDF等のフッ素含有結着材を挙げることができる。固体電解質層の厚さは、例えば、0.1μm〜1000μmの範囲内であり、0.1μm〜300μmの範囲内であることが好ましい。
4.その他の構成
本発明のリチウム固体電池は、通常、正極活物質層の集電を行う正極集電体、および負極活物質層の集電を行う負極集電体を有する。正極集電体の材料としては、例えば、SUS、アルミニウム、ニッケル、鉄、チタンおよびカーボン等を挙げることができる。一方、負極集電体の材料としては、例えば、SUS、銅、ニッケルおよびカーボン等を挙げることができる。また、本発明に用いられる電池ケースには、一般的なSUS製電池ケース等を用いることができる。
5.リチウム固体電池
本発明のリチウム固体電池は、一次電池であっても良く、二次電池であっても良いが、中でも、二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば、車載用電池として有用だからである。本発明のリチウム固体電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型および角型等を挙げることができる。
また、本発明における硫化物固体電解質材料は、付着水分量が少ないため、比較的高い露点環境で電池を作製することができる。そのため、次のようなリチウム固体電池の製造方法を提供することができる。すなわち、上述したリチウム固体電池の製造方法であって、上記硫化物固体電解質材料を含有する層を、露点が−60℃〜0℃の範囲内にある環境で作製することを特徴とするリチウム固体電池の製造方法を提供することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
出発原料として、硫化リチウム(LiS、日本化学工業社製)、五硫化二リン(P、アルドリッチ社製)および硫化マグネシウム(MgS、高純度化学社製)を用いた。次に、LiS、PおよびMgSを、表1に示す重量割合で秤量し、混合した。得られた混合物2gを遊星型ボールミルの容器(45cc、ZrO製)に投入し、脱水ヘプタン(水分量30ppm以下、4g)を投入し、さらにZrOボール(φ=5mm、53g)を投入し、容器を完全に密閉した。この容器を遊星型ボールミル機(フリッチュ製P7)に取り付け、台盤回転数500rpmで、40時間メカニカルミリングを行った。その後、120℃で乾燥することによりヘプタンを除去し、硫化物固体電解質材料(硫化物ガラス)を得た。
[実施例2、3、比較例1〜3]
出発原料の割合を表1に示す割合に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、硫化物固体電解質材料を得た。
Figure 2016062720
[評価]
(付着水分量の測定)
実施例1〜3および比較例1〜3で得られた硫化物固体電解質材料を、アルミ皿に500mg秤量し、露点−30℃の大気雰囲気(空気雰囲気)に1時間曝露し、硫化物固体電解質材料に水分を付着させた。曝露前後のサンプルの重量差から、付着水分量(wt%)を算出した。その結果を図3および表2に示す。
Figure 2016062720
図3および表2に示すように、実施例1〜3では、比較例1〜3よりも付着水分量が低減することが確認された。このように、Mg元素を、限られた所定の範囲で添加することで、付着水分量の低減という効果が得られた。
(XRD測定およびラマン分光測定)
実施例1〜3で得られた硫化物固体電解質材料に対して、CuKα線を用いたXRD測定を行った。その結果、いずれもLiSのピークは確認されなかった。一方、実施例1〜3で得られた硫化物固体電解質材料に対して、ラマン分光測定を行った。その結果、417cm−1における強度(I417、PS 3−構造)に対する402cm−1における強度(I402、P 4−構造)の比(I402/I417)は、いずれも35%以下であった。
1 … 正極活物質層
2 … 負極活物質層
3 … 固体電解質層
4 … 正極集電体
5 … 負極集電体
6 … 電池ケース
10 … リチウム固体電池

Claims (4)

  1. Li元素、Mg元素、P元素、S元素を含有し、アニオン構造としてPS 3−構造を主体とする硫化物固体電解質材料であって、
    前記Li元素および前記Mg元素の合計に対する前記Mg元素の割合が、1.69mol%〜5.26mol%の範囲内であることを特徴とする硫化物固体電解質材料。
  2. a((1−b)LiS・bMgS)・(100−a)P(aは70≦a≦80を満たし、bは0.033≦b≦0.1を満たす)で表される組成を有することを特徴とする硫化物固体電解質材料。
  3. 硫化物ガラスであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の硫化物固体電解質材料。
  4. 正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質を含有する負極活物質層と、前記正極活物質層および前記負極活物質層の間に形成された固体電解質層と、を有するリチウム固体電池であって、
    前記正極活物質層、前記負極活物質層および前記固体電解質層の少なくとも一つが、請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載の硫化物固体電解質材料を含有することを特徴とするリチウム固体電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017170044A (ja) * 2016-03-25 2017-09-28 株式会社ニューギン 遊技機

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