以下、本開示の実施形態を列記して例示する。
本開示のコンロシステムは、解析した撮像画像における表示部の状態に応じて制御を実行する。このコンロシステムは、位置、形状、輝度等が安定する表示部を対象として解析を行うことができるため、より迅速に対象の解析を行うことができる。例えば、手や衣服等の侵入物体(動体)を対象として解析を試みる場合、動体は、位置や形状、輝度等が不定であるため、正確な解析を行いにくく、行えたとしても時間がかかる虞がある。一方、ガスコンロにおいて予め定められた表示部を解析の対象とすれば、その位置、形状、輝度等は予め判明しているため、より迅速に且つより正確に解析を行いやすい。
例えば、コンロシステムが「表示部が通常状態から変化しているか否か」を判断するような解析方法を採用する場合、位置や形状などが不明な動体を解析するような解析方法を採用する場合に比べて、より迅速な状態解析を行うことができる。
本開示のコンロシステムでは、制御部は、コンロ部に対して表示部の状態に応じた制御を実行してもよい。
このコンロシステムは、撮像画像に基づいて表示部の状態を把握し、表示部の状態に対応した制御をコンロ部に対して適切に実行することができる。特に、解析の対象となる表示部は、位置、形状、輝度等が安定しやすいものであるため、解析対象が不安定であることに起因する処理の遅延や解析の誤りが生じにくくなり、コンロ部の制御を行う上、迅速性や正確性を高めやすい。
本開示のコンロシステムにおいて、制御部は、表示部の少なくとも一部が撮像画像から検出されなかった場合に所定の制御を実行してもよい。
このコンロシステムは、撮像画像を解析して表示部の少なくとも一部が欠けているか否かを判定すればよいため、判定に必要な処理が複雑化しにくく、処理の迅速性、正確性を高めやすくなる。また、表示部の少なくとも一部が撮像画像から検出されなかった場合(即ち、表示部の少なくとも一部が物体によって遮られている可能性が高い場合)には、予め定められた制御(所定の制御)を行うような対応が可能となる。
本開示のコンロシステムでは、制御部は、撮像画像において表示部が所定状態であるときにコンロ部の火力を弱める制御又はコンロ部を消火する制御を実行してもよい。
このコンロシステムは、表示部に基づく特徴的な画像解析によってガスコンロ付近の状態をより正確且つより迅速に把握し、表示部が所定状態であるときには、コンロ部の火力を弱める対応、又はコンロ部を消火するような対応を速やかにとることができる。
本開示のコンロシステムにおいて、表示部は、複数の光源を有していてもよい。複数の光源は、コンロ部を囲むようにコンロ部の周りに配置されていてもよい。
このコンロシステムは、撮像部の撮像範囲(所定範囲)に含まれる表示部が光を発する構成であるため、撮像画像において表示部の輝度をより高めることができる。よって、表示部の状態をより正確かつより詳細に解析しやすくなる。
表示部が複数の光源を有するようなコンロシステムでは、光を発する光源が遮られずに光を照射している状態で得られる撮像画像と、光源からの光が何らかの物体によって遮られた状態で得られる撮像画像とを比較したときに、遮られた光源の画像領域において変化の度合い(例えば、輝度の差)がより大きくなる。よって、このコンロシステムは、光源を遮るような物体が存在するか否かを、より正確に判断しやすくなる。
<第1実施形態>
以下、第1実施形態について、図面を参照して説明する。
1-1.ガスコンロシステムの概要
図1のように、ガスコンロシステムSy(以下、システムSyともいう)は、ガスコンロ1と撮像部90とを備えたシステムとして構成されている。
システムSyでは、撮像部90がガスコンロ1の上方側からガスコンロ1を撮像するように配置されている。ガスコンロ1は、撮像部90がガスコンロ1付近を撮像して得られた画像データ又は当該画像データを加工した加工データなどを取得し、上記画像データに基づく制御などを行い得る。なお、ガスコンロ1の構成は後に詳述する。
撮像部90は、CCDカメラ、CMOSカメラ、赤外線カメラなど、撮像範囲からの可視光又は赤外線を受光して撮像範囲の画像を生成し得る公知構成の撮像装置によって構成されている。撮像部90は、ガスコンロ1から離れた所定位置(例えば、排出装置100の所定位置)において所定の取付構造(例えば、排出装置100に取り付けられる取付構造)で設けられている。図1の例では、撮像部90は、排出装置100近傍からガスコンロ1を撮像し得るように配置されている。図1のように、本実施形態に係る撮像部90は、後述する表示部11,12,13を含む所定範囲の撮像領域ARを撮像する。
排出装置100は、ガスコンロ1での加熱動作によって生じる排気ガスを排出する装置であり、例えば換気扇を備えた公知のレンジフードとして構成され、ガスコンロ1から発せられた信号を無線通信(例えば赤外線通信等)によって受信する機能を有する。排出装置100は、無線信号(例えば赤外線信号)を受信する受信部102と、受信部102で受信した信号を処理する図示しない制御装置と、制御装置によって駆動される駆動負荷106(換気扇を構成するモータ等)と、を備える。
図2のように、システムSyでは、ガスコンロ1と排出装置100との間で公知の無線通信方式による無線通信が行われる。具体的には、ガスコンロ1は、排出装置100に対して赤外線信号を送信し得る構成をなし、排出装置100は、ガスコンロ1から送信された赤外線信号を受信し得る構成をなす。一方で、システムSyでは、ガスコンロ1と撮像部90との間で情報の送受信が行われる。ガスコンロ1と撮像部90との間の通信は、通信線を介した有線通信であってもよく、公知方式の無線通信であってもよい。
1-2.ガスコンロの構成
図3のように、ガスコンロ1は、ビルトインコンロとして構成され、上端部が開放した箱状の筐体部2と、筐体部2の上端部に固定される天板5とを備えている。
天板5は、トッププレートの一例に相当する。天板5は、板状に構成され、ガスバーナ51,52,53をそれぞれ露出させるための複数の孔部が形成されてなるものである。ガスバーナ51,52,53は、天板5に形成された複数の孔部にそれぞれ挿入された構成で一部がガスコンロ1の外側(具体的には上方側)に露出している。
ガスコンロ1は、天板5から露出するように、右コンロ部4A、左コンロ部4B、小コンロ部4C(以下、コンロ部4A,4B,4Cともいう)が設けられ、天板5の左右方向中央下方の筐体部2内に、グリル庫3が設けられている。コンロ部4A,4B,4Cはいずれも、トッププレート(天板5)上に露出した構成をなす。本明細書において「トッププレート上に露出した」とは、トッププレート(天板5)よりも上方側から見て視認可能に配置されていることを意味し、本本構成では、ガスコンロ1を天板5よりも上方から下方向に見たとき(平面視したとき)にコンロ部4A,4B,4Cがいずれも視認されるように配置されている。右コンロ部4A、左コンロ部4B、小コンロ部4C、グリル庫3のそれぞれには、ガスバーナ51,52,53,54が設けられ、ガスバーナ51,52,53,54の各々は、一部又は全部が筐体部2内に収容された形態でそれぞれ設けられている。天板5上において、各ガスバーナ51,52,53の周囲には、五徳9A、9B、9Cがそれぞれ設けられている。五徳9A、9B、9Cは、ガスバーナ51,52,53の上方側に調理器具を載置するために用いられる。
図3のように、ガスコンロ1の前面部付近には、右コンロ部4A、左コンロ部4B、小コンロ部4C、グリル庫3にそれぞれ対応するように4つの回転操作部6A,6B,6C,6Dがそれぞれ設けられている。第1の回転操作部6Aは、右コンロ部4Aを構成するガスバーナ51の点火、消火、火力調整を行うものである。第2の回転操作部6Bは、左コンロ部4Bを構成するガスバーナ52の点火、消火、火力調整を行うものである。第3の回転操作部6Cは、小コンロ部4Cを構成するガスバーナ53の点火、消火、火力調整を行うものである。第4の回転操作部6Dは、ガスバーナ54(グリルバーナ)の点火、消火、火力調整を行うものである。図3の例では、回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれも、使用者が押す毎に退避位置と突出位置とに切り替わるようになっている。図3では、退避位置にあるときの回転操作部6Aを実線で示し、突出位置にあるときの回転操作部6Aを二点鎖線6A’で例示している。
筐体部2内には、図4のように、ガス配管として、共通のガス流路である共通供給路60と、共通供給路60から分岐したガス流路である複数の分岐供給路61,62,63,64とが設けられている。そして、共通供給路60を通って流れたガスが、各分岐供給路61,62,63,64を通って各ガスバーナ51,52,53,54に導かれるようになっている。
共通供給路60には、共通供給路60を開閉する元電磁弁N1が設けられている。分岐供給路61には、分岐供給路61を開閉可能な電磁弁(安全弁)51G及び電磁弁(閉止弁)51Fと、ガスバーナ51へのガス供給量を調整可能な火力調整弁51Eとが設けられている。分岐供給路62には、分岐供給路62を開閉可能な電磁弁(安全弁)52G及び電磁弁(閉止弁)52Fと、ガスバーナ52へのガス供給量を調整可能な火力調整弁52Eとが設けられている。分岐供給路63には、分岐供給路63を開閉可能な電磁弁(安全弁)53G及び電磁弁(閉止弁)53Fと、ガスバーナ53へのガス供給量を調整可能な火力調整弁53Eとが設けられている。ガスバーナ54は、グリル庫3内において上側の所定位置に配置される上グリルバーナ54Aと、グリル庫3内において上グリルバーナ54Aよりも下側に配置される下グリルバーナ54Bとを備える。共通供給路60から分岐したガス流路である分岐供給路64には、分岐供給路64から分岐して上グリルバーナ54Aにガスを導くガス流路である第1供給路65Aと、分岐供給路64から分岐して下グリルバーナ54Bにガスを導くガス流路である第2供給路65Bとが接続されている。分岐供給路64には、分岐供給路64を開閉可能な電磁弁(安全弁)54G及び電磁弁(閉止弁)54Fが設けられ、第1供給路65Aには第1供給路65Aを開閉可能な複数の電磁弁54H,54Jが設けられ、第2供給路65Bには第2供給路65Bを開閉可能な電磁弁54Kが設けられている。第1供給路65Aには、電磁弁54Jと並列にバイパス路66Aが設けられ、第2供給路65Bには、電磁弁54Kと並列にバイパス路66Bが設けられている。
第1実施形態に係るガスコンロシステムSyは表示部11,12,13を備えている。図3、図6のように、表示部11,12,13は、天板5上(トッププレート上)に露出して設けられている。「表示部11,12,13が、天板5上(トッププレート上)に露出して設けられている」とは、天板5(トッププレート)よりも上方側から見て表示部11,12,13が視認可能に配置されていることを意味し、本構成では、ガスコンロ1を天板5よりも上方から下方向に見たとき(平面視したとき)に表示部11,12,13がいずれも視認されるように配置されている。より具体的には、正規状態(表示部11,12,13の各々と撮像部90との間に異物が介在していない状態)のときに表示部11,12,13のいずれもが撮像部90によって撮像されるように配置されている。
本構成では、撮像部90は、表示部11,12,13を含む所定範囲の撮像領域ARを撮像するようになっている。撮像領域ARは、撮像部90によって撮像される領域であり、その部分の画像が撮像部90によって生成される領域である。つまり、撮像領域ARを映した画像が撮像部90によって生成されるようになっている。そして、本明細書では、撮像部90が画像を撮像する範囲を「所定範囲」としている。この「所定範囲」は、換言すれば撮像部90が生成する画像に映し出される範囲であり、本構成では、この「所定範囲」に表示部11,12,13の領域が含まれている。したがって、正規状態(表示部11,12,13の各々と撮像部90との間に異物が介在していない状態)のときには、表示部11,12,13のいずれもが撮像部90によって撮像され、撮像部90が生成する撮像画像には、表示部11,12,13の各画像が含まれることになる。
表示部11,12,13は、各コンロ部4A,4B,4Cに対応して、各コンロ部4A,4B,4Cをそれぞれ取り囲むように設けられている。具体的には、本実施形態の場合、各表示部11,12,13は、各コンロ部4A,4B,4Cの各ガスバーナ51,52,53を中心に、各五徳9A,9B,9Cの外周側の所定領域(例えば、図6に示す2点鎖線の領域)に設定されている。各表示部11,12,13はそれぞれ同様の構成、機能を有し、各コンロ部4A,4B,4Cに対応して同様に動作する。以下の説明では、主として、右コンロ部4Aに対応して設けられた表示部11について説明する。
表示部11は複数(図6中12個)のLED11Aを有して構成されている。複数のLED11Aは、右コンロ部4Aを囲むように設けられている。各LED11Aは、天板5の表面から上方に向かってそれぞれ発光する。点灯した状態の各LED11Aは、撮像部90から見て、それぞれ位置が不変であり、略円形状をなしており、輝度が一定である。すなわち、手や衣服等の動体の侵入のない正常な状態の撮像領域ARを撮像した撮像画像において、各LED11Aは、所定位置、所定形状、及び所定輝度である。
同様に、表示部12は複数(図6中12個)のLED12Aを有して構成されている。複数のLED12Aは、左コンロ部4Bを囲むように設けられている。各LED12Aは、天板5の表面から上方に向かってそれぞれ発光する。点灯した状態の各LED12Aは、撮像部90から見て、それぞれ位置が不変であり、略円形状をなしており、輝度が一定である。すなわち、手や衣服等の動体の侵入のない正常な状態の撮像領域ARを撮像した撮像画像において、各LED12Aは、所定位置、所定形状、及び所定輝度である。
同様に、表示部13は複数(図6中12個)のLED13Aを有して構成されている。複数のLED13Aは、小コンロ部4Cを囲むように設けられている。各LED13Aは、天板5の表面から上方に向かってそれぞれ発光する。点灯した状態の各LED13Aは、撮像部90から見て、それぞれ位置が不変であり、略円形状をなしており、輝度が一定である。すなわち、手や衣服等の動体の侵入のない正常な状態の撮像領域ARを撮像した撮像画像において、各LED13Aは、所定位置、所定形状、及び所定輝度である。
各LED11Aは、回転操作部6Aの操作によって点灯又は消灯される。具体的には、本実施形態の場合、各LED11Aは、右コンロ部4Aを着火するために回転操作部6Aを操作すると右コンロ部4Aの着火に先立って点灯し、右コンロ部4Aを消火するために回転操作部6Aを操作すると消灯するように構成されている。
同様に、各LED12Aは、回転操作部6Bの操作によって点灯又は消灯される。具体的には、本実施形態の場合、各LED12Aは、左コンロ部4Bを着火するために回転操作部6Bを操作すると左コンロ部4Bの着火に先立って点灯し、左コンロ部4Bを消火するために回転操作部6Bを操作すると消灯するように構成されている。
同様に、各LED13Aは、回転操作部6Cの操作によって点灯又は消灯される。具体的には、本実施形態の場合、各LED13Aは、小コンロ部4Cを着火するために回転操作部6Cを操作すると小コンロ部4Cの着火に先立って点灯し、小コンロ部4Cを消火するために回転操作部6Cを操作すると消灯するように構成されている。
なお、LED11A,12A,13Aの構成としてはこれに限定されず、例えば、所定の電源スイッチのオンオフ動作によってシステムSyの電源がオン状態又はオフ状態に切り替わった時に点灯又は消灯される構成等、他の構成であってもよい。
次に、図5等を参照してガスコンロ1の電気的構成について説明する。
図5において制御回路10は、例えばマイクロコンピュータとして構成されており、CPU10A、ROM10B、RAM10Cなどを備え、更に、図示しないタイマ、I/Oインタフェイスなどを備える。なお、制御回路10の内部又は外部に不揮発性メモリを設けてもよい。電源部56は、例えば一次電池又は二次電池(具体的には複数の乾電池など)である。電源回路57は電源部56からの電力供給を受け、所定の電源電圧を生成する機能を有し、電源回路57で生成された電源電圧は、図示しない経路を介して様々な電気部品に供給される。
図5で示されるスイッチ30A,30B,30C,30Dの各々は、回転操作部6A,6B,6C,6D(図3)にそれぞれ対応するように設けられ、図5のように、スイッチ30A,30B,30C,30Dにそれぞれ対応するように点火信号入力回路40A,40B,40C,40Dがそれぞれ設けられている。スイッチ30A,30B,30C,30Dは、いずれも点火スイッチとして機能し、回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれにおいても、回転操作部が退避位置(消火位置)のときには対応するスイッチがオフ状態となり、このスイッチに対応する点火信号入力回路から制御回路10にオフ信号が与えられる。また、回転操作部が突出位置(点火位置)のときには対応するスイッチがオン状態となり、このスイッチに対応する点火信号入力回路から制御回路10にオン信号が与えられる。例えば、回転操作部6A(図3)が退避位置(図3において実線で示す回転操作部6Aの位置)にあるときには、図5で示すスイッチ30Aがオフ状態となり、このとき点火信号入力回路40Aは制御回路10に対してオフ状態を示す信号(オフ信号)を入力する。また、回転操作部6A(図3)が突出位置(図3において二点鎖線6A’で示す位置)にあるときには、図5で示すスイッチ30Aがオン状態となり、このとき点火信号入力回路40Aは、制御回路10にオン状態を示す信号(オン信号)を入力する。なお、回転操作部6B,6C,6D(図3)によって点火操作がなされる場合もそれぞれに対応する回路が同様に動作する。
図5で示される変位検出部32A,32B,32C,32Dの各々は、回転操作部6A,6B,6C,6D(図3)のそれぞれに対応するように設けられている。そして、変位検出部32A,32B,32C,32Dにそれぞれ対応するように火力信号入力回路41A,41B,41C,41Dがそれぞれ設けられている。回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれにおいても、回転操作部の変位(回転位置)を当該回転操作部に対応する変位検出部(エンコーダ等の回転角度センサなど)が検出するようになっている。そして、その変位検出部に対応する火力信号入力回路が、その変位検出部が検出した変位(回転位置)を示す信号を制御回路10に与えるようになっている。例えば、回転操作部6Aに対応して設けられた変位検出部32Aは、回転操作部6Aの変位(回転位置)を検出するようになっている。そして、変位検出部32Aに対応する火力信号入力回路41Aは、制御回路10に対して変位検出部32Aが検出した変位(即ち、回転操作部6Aの回転位置)を示す信号を制御回路10に与えるようになっている。なお、回転操作部6B,6C,6D(図3)によって火力調停操作(回転操作)がなされる場合もそれぞれに対応する回路が同様に動作する。
図5で示される熱電対51C,52C,53C,54C、54Dの各々は、ガスバーナ51,52,53,54A,54B(図4)のそれぞれに隣接して設けられている。そして、熱電対51C,52C,53C,54C、54Dの各々に対応して温度信号入力回路(熱電対信号入力回路)43A,43B,43C,43D,43Eがそれぞれ設けられている。温度信号入力回路43A,43B,43C,43D,43Eの各々は、対応する熱電対が検出した温度を示す信号を制御回路10に入力する。更に、サーミスタ34A,34B,34Cの各々が、ガスバーナ51,52,53(図2、図4)のそれぞれの近傍に隣接して設けられている。そして、サーミスタ34A,34B,34Cの各々に対応して温度信号入力回路(サーミスタ信号入力回路)44A,44B,44Cがそれぞれ設けられている。
図5で示されるイグナイタ28A,28B,28C,28Dの各々は、ガスバーナ51,52,53,54(図2、図4)のそれぞれに対応して設けられている。イグナイタ28A,28B,28C,28Dには、ガスバーナ51,52,53,54(図2、図4)のそれぞれに隣接して図示しないイグナイタ端子が設けられている。そして、イグナイタ28A,28B,28C,28Dの各々に対応して、イグナイタ回路46A,46B,46C,46Dがそれぞれ設けられている。
駆動回路47Aは、制御回路10からの指示に応じて火力調整弁51Eをその指示に応じた開度に駆動する。駆動回路47Bは、制御回路10からの指示に応じて火力調整弁52Eをその指示に応じた開度に駆動する。駆動回路47Cは、制御回路10からの指示に応じて火力調整弁53Eをその指示に応じた開度に駆動する。駆動回路48Aは、電磁弁51F,51Gを制御回路10からの指示に応じた状態に切り替える回路である。駆動回路48Bは、電磁弁52F,52Gを制御回路10からの指示に応じた状態に切り替える回路である。駆動回路48Cは、電磁弁53F,53Gを制御回路10からの指示に応じた状態に切り替える回路である。駆動回路48Dは、電磁弁54F,54G,54H,54J,54Kを制御回路10からの指示に応じた状態に切り替える回路である。駆動回路49は、元電磁弁N1を制御回路10からの指示に応じた状態に切り替える回路である。なお、駆動回路47A,47B,47Cのそれぞれは、駆動回路48A,48B,48Cのそれぞれと共通の回路によって構成されていてもよい。
音声装置81は、ブザーやスピーカなどの発音装置を1以上備えてなる装置であり、制御回路10によって発音タイミングや発する音声の内容が制御される装置である。表示部82は、発光部(LEDやその他の発光素子等)や画像表示装置(液晶表示器、有機ELディスプレイ等)などの表示媒体を1以上備えてなる装置であり、制御回路10によって表示のオンオフタイミングや表示内容が制御される装置である。操作部83は、使用者によって操作がなされる装置であり、1以上の公知の入力インターフェース(操作ボタン、タッチパネル等)によって構成され、使用者からの操作に応じた情報を制御回路10に入力するように機能する。通信部84は、制御回路10と協働し、公知の通信方式(例えば、赤外線通信方式、bluetooth(登録商標)通信方式などの公知の無線通信方式)で外部装置と通信を行う装置である。
1-3.対応制御
次に、対応制御について説明する。図7に示す対応制御は、制御回路10によって実行される制御であり、例えば制御回路10が、予め定められた開始条件の成立に応じて記憶部に記憶されたプログラムに従って実行するものである。開始条件の成立時は、例えば、所定の電源スイッチのオン動作によってシステムSyの電源がオン状態に切り替わった時(電源回路57から各部品に電力が供給され得る状態となった時)であってもよく、ガスバーナ51,52,53に点火すべく回転操作部6A,6B,6Cを操作した時であってもよい。或いは、その他の条件成立時であってもよい。
本実施形態に係る対応制御では、制御部の一例に相当する制御回路10は、上記開始条件が成立した後、撮像部90によって撮像された上記「所定範囲」の撮像領域ARの画像を解析する。具体的には、撮像部90は、少なくとも上記開始条件が成立した後に、短い時間間隔で撮像領域ARを繰り返し撮像し、上記所定範囲の画像を短い時間間隔で繰り返し生成するようになっている。一方、制御回路10は、撮像部90が断続的に生成する撮像画像を所定間隔おきに取得し、撮像画像を取得する毎に、撮像画像の解析を行うようになっている。
具体的には、制御回路10は、撮像部90が生成した撮像領域ARの画像(撮像画像)を解析する場合、点火状態となっているコンロ部に対応付けられた表示部(具体的には、点火状態となっているコンロ部の周囲に配置された表示部)を解析する。なお、以下では、回転操作部6Aが操作されたことによって右コンロ部4Aが点火状態となっている場合を例に挙げて説明する。つまり、点火状態となっている右コンロ部4Aに対応付けられた表示部11を解析する場合を例に挙げて説明する。
回転操作部6Aの操作に応じて右コンロ部4Aが点火状態となっている場合、制御回路10は、撮像画像を取得する毎に、撮像画像における表示部11の状態を解析する。そして、制御回路10は、撮像画像における表示部11の状態に応じた制御を実行する。
本実施形態では、「撮像画像における表示部11の状態」を解析する例として、撮像画像において認識できるLED11Aの個数を検出する例を代表例として説明する。この例では、撮像画像において認識されたLED11Aの個数が所定数以上である場合(具体的には、予め定められた全数(最大数)である場合)を表示部11の状態が正常状態であるとし、撮像画像において認識されたLED11Aの個数が所定数未満である場合(具体的には、予め定められた全数(最大数)未満である場合)を表示部11の状態が異常状態であるとする。しかし、この例に限定されるわけではなく、表示部11を構成するLED11Aの輝度、大きさ、形状等を解析によって検出してもよく、それらの2つ以上の組み合わせを解析によって検出してもよい。
また、本実施形態では、表示部11の状態に応じた対応・制御(具体的には、表示部の状態が異常状態である場合の制御)として、「表示部11に対応付けられたガスバーナ51を消火する制御」を代表例として例示するが、ガスバーナ51の火力を弱める制御であってもよく、警報を発する制御であってもよく、ガスバーナ51を点火させない制御であってもよく、その他の制御であってもよい。或いは、表示部11に対応付けられたガスバーナに対する制御に限定されず、全てのガスバーナを消火する制御であってもよく、点火中のガスバーナがあった場合に最小火力とするような制御であってもよい。
制御回路10は、図7の制御を開始した場合、最初に、撮像部90によって撮像領域ARの画像を撮像し、これをメモリに記憶する(ステップS1)。次に、制御回路10は、取得した画像について解析を実行する(ステップS2)。具体的には、撮像画像における表示部11の複数のLED11Aの個数を解析する。そして、制御回路10は、解析した撮像画像における表示部11の状態が正常状態であるか否か、すなわち、複数のLED11Aのうちの所定数(この場合、全数)が画像に表れているか否かを判定する(ステップS3)。撮像画像における表示部11の状態が正常状態でないと判定された場合、制御回路10は対応処理、具体的には、ガスバーナ51の消火を実行する(ステップS4)。
制御回路10は、表示部11の状態を解析することによって、天板5上の異物を検出する。例えば、天板5上に異物がない場合には、表示部11の全体が写っている撮像画像が取得される。すなわち、異物のない状態で撮像された画像では、表示部11の状態に変化はなく複数のLED11Aの全てが表れている。一方、人の手や衣服などの動体が表示部11を覆うように天板5上にある場合、複数のLED11Aのうちの少なくとも一部が写っていない撮像画像が取得される。この場合、撮像画像における表示部11の状態は動体のない状態とは異なり、撮像画像に表れている複数のLED11Aの個数が異なっている。したがって、撮像画像に表れている複数のLED11Aの個数の解析を行い、表示部11の状態の変化を検知することによって、天板5上の動体の有無を判別することができる。
次に、本構成の効果を例示する。
システムSyは、天板5(トッププレート)上に露出したコンロ部4A,4B,4Cを有するガスコンロ1を備えたシステムである。システムSyは、天板5上に露出して設けられた表示部11,12,13と、表示部11,12,13を含む所定範囲の撮像領域ARを撮像する撮像部90と、撮像部90によって撮像された撮像画像を解析し、当該撮像画像における表示部11,12,13の状態に応じた制御を実行する制御回路10(制御部)と、を備える。
システムSyは、解析した撮像画像における表示部11,12,13の状態に応じて制御を実行する。表示部11,12,13は、位置、形状、輝度等が所定である。制御回路10は、このような表示部11,12,13を含む撮像画像を取得し、撮像画像における表示部11,12,13についての状態の変化を解析する。このため、手や衣服等の位置、形状、輝度等が不明な動体について解析する場合と比較して、より迅速な状態解析を行うことができる。
制御回路10は、表示部11,12,13の状態に応じて、コンロ部4A,4B,4Cに対する制御を実行する。これにより、炎を取り扱うコンロ部4A,4B,4Cの制御をより迅速に行うことができ、安全性を高めることができる。
制御回路10は、表示部11,12,13の少なくとも一部が撮像画像から検出されなかった場合に、所定の制御を実行する。このように、位置、形状、輝度等が所定の表示部11,12,13についての画像内における有無を検出するので、より迅速に状態変化の解析を行うことができ、迅速な制御を実行できる。
システムSyでは、制御回路10(制御部)は、撮像画像において表示部が所定状態であるときにコンロ部の火力を弱める制御又はコンロ部を消火する制御を実行する。例えば、上述の例では、撮像画像において表示部11が所定状態であるとき(表示部11が異常状態であるときであって、具体的には、撮像画像において認識されたLED11Aの個数が所定数未満である場合)に、表示部11に対応するコンロ部4Aの火力を弱める制御又はコンロ部4Aを消火する制御を実行する。このシステムSyは、表示部に基づく特徴的な画像解析によってガスコンロ付近の状態をより正確且つより迅速に把握し、表示部が所定状態であるときには、コンロ部の火力を弱める対応、又はコンロ部を消火するような対応を速やかにとることができる。
表示部11,12,13は、コンロ部4A,4B,4Cを囲むようにコンロ部4A,4B,4Cの周りに配置された複数のLED11A,12A,13Aを有している。このように、高輝度発光可能なLEDを検出する構成とすることができるので、LEDが遮られずに発光している状態と、LEDが動体によって遮られた状態と、の間の輝度の差の大きな検知を実行することができる。このため、より詳細に表示部11,12,13の状態を解析することができる。
<他の実施形態>
本発明は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述又は後述の実施形態の特徴は、矛盾しない範囲であらゆる組み合わせが可能である。また、上述又は後述の実施形態のいずれの特徴も、必須のものとして明示されていなければ省略することもできる。更に、上述した実施形態を、次のように変更してもよい。
上記実施形態では、ガスコンロとしてビルトインコンロを例示したが、ガスコンロはテーブルコンロであってもよい。
上記実施形態では、撮像部90が排出装置100に設けられた例を示したが、排出装置100以外の部分に設けられていてもよい。撮像部90が設けられる部位は、表示部が撮像可能な位置関係であればガスコンロであってもよく、ガスコンロ以外であってもよい。
上記実施形態では、撮像部90が1つのカメラによって構成された例を示したが、2以上のカメラによって構成されていてもよい。
上記実施形態では、表示部11の状態が正常状態でない場合(異常状態(所定状態)である場合)の例として、撮像画像において認識されたLED11Aの個数が所定数未満である場合を例示したが、この例に限定されない。例えば、取得された撮像画像において、表示部11を構成するいずれかのLED11Aの外縁形状が正規形状(例えば所定の円形状)でない場合を異常状態(所定状態)とし、表示部11を構成する全てのLED11Aの外縁形状が正規形状である場合を正常状態としてもよい。この場合、いずれかのLED11Aが検出されない場合、そのLEDは正規形状でないとすればよい。;
上記実施形態では、表示部11の状態が正常状態でない場合(異常状態(所定状態)である場合)の例として、撮像画像において認識されたLED11Aの個数が所定数未満である場合を例示したが、例えば、取得された撮像画像において、表示部11を構成するいずれかのLED11Aの大きさ(面積)が一定値未満である場合を異常状態(所定状態)とし、表示部11を構成する全てのLED11Aの大きさが一定値以上である場合を正常状態としてもよい。この場合、いずれかのLED11Aが検出されない場合、そのLEDの大きさを0とすればよい。
上記実施形態では、表示部11の状態が正常状態でない場合(異常状態である場合)の例として、撮像画像において認識されたLED11Aの個数が所定数未満である場合を例示したが、例えば、取得された撮像画像において、表示部11を構成するLED11Aの領域の平均輝度が所定値以上である場合を正常状態とし、所定値未満である場合を異常状態(所定状態)としてもよい。
上述した説明では、表示部11の状態を異常状態と判定する例を複数例挙げたが、撮像画像がいずれかの例の1つにでも該当する場合には異常状態(所定状態)とし、上述した異常状態と判定する例のいずれにも該当しない場合を正常状態としてもよい。
上記実施形態では、表示部11,12,13が各コンロ部4A,4B,4Cを個別に囲むように配置されている形態を例示したが、天板の前縁部にライン状に配置されている形態や、天板の四辺の縁部に配置されている形態等の他の形態であってもよい。
上記実施形態では、表示部11,12,13が複数のコンロ部4A,4B,4Cのそれぞれに対応して複数設けられている形態を例示したが、表示部は、複数のコンロ部のうちの少なくとも1つに対応して設けられていてもよい。
上記実施形態では、表示部11,12,13が複数のLED11A,12A,13Aにより構成された形態を例示したが、表示部は、例えば、フード部等に設けられた照明装置と、この照明装置から天板に設けられた反射板等の他の形態であってもよい。
上記実施形態や変形例では、複数設けられた表示部が発光素子や反射部材などによって構成された例を示したが、表示部は、予め定められた形状(例えば、正円形状、楕円形状、多角形等)のマークであってもよい。このマークは、天板に描かれた図形であってもよく、天板に対して接着又は貼り付け等によって固定された別部材であってもよく、天板において他の領域とは異なる態様で一体形成された図形領域であってもよい。また、複数の表示部を設ける場合、全ての表示部が同一形状であってもよく、異なる複数種類の形状の表示部が設けられていてもよい。
上記実施形態では、表示部11の状態が正常状態である場合には第1の対応(特別な制御を行わない対応)とし、表示部11の状態が異常状態である場合には、ステップS4において特別な制御(対応処理)を行う例を示したが、この例に限定されない。例えば、表示部11の状態が第1の状態である場合(例えば検出されたLED11Aの個数が第1の閾値(LED11Aの全数よりも小さい値)未満である場合)に第1の対応(例えば、表示部11に対応するコンロ部4Aを消火する制御)を行い、表示部11の状態が第2の状態である場合(例えば検出された表示部11の個数が第1の閾値以上かつ第2の閾値(LED11Aの全数よりも小さく且つ第1の閾値よりも大きい値)未満である場合)に第2の対応(例えば、表示部11に対応するコンロ部4Aの火力を最小火力とする制御)を行い、表示部11の状態が第3の状態である場合(例えば検出されたLED11Aの個数が第2の閾値以上である場合)に第3の対応(例えば、特別な制御を行わない対応)としてもよい。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示された範囲内又は特許請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。