JP7359431B2 - コンロシステム - Google Patents

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Description

本開示は、コンロシステムに関するものである。
特許文献1のコンロ用安全装置は、侵入検出手段と、警報手段と、制御手段と、を備えている。侵入検出手段は、CCDカメラとして構成され、所定時間毎に撮像した画像情報を制御手段に送信する。侵入検出手段は、コンロの上方(フードの下端部)において、コンロの側に向けて取り付けられている。警報手段は、スピーカとして構成されている。制御手段は、一定時間ごとに受信する静止画像情報に基づいて動体を検出し、予め設定した警報領域内に人体又は衣類を含む物体が侵入すると予測されるか否か判断する。制御手段は、警報領域内に人体又は衣類を含む物体が侵入すると予測する場合、警報手段に制御信号を送信して、警報のための音声を出力させる。
特開2013-181729号公報
特許文献1で開示されるコンロ用安全装置は、コンロを含む比較的広い領域を警報領域とするものであり、この警報領域内では、どのような位置にどのような動体が入り込んでも、一律に警報がなされてしまう。このような構成であると、例えば、警報等を行うべきでない緊急性の低い位置に動体が入り込んだ場合でも一律に警報等がなされてしまうことになり、ユーザの利便性を低下させる虞がある。
そこで、上述した課題の少なくとも1つを解決するために、火力抑制制御又は報知制御の少なくともいずれかを含む対応制御を行うか否かを動体の検出位置に基づいて決定し得るコンロシステムを実現する。
本開示の一つであるコンロシステムは、
トッププレート上に露出したコンロ部を1以上有するガスコンロを備えたコンロシステムであって、
前記コンロ部を含む所定範囲を撮像する撮像部と、
前記撮像部での撮像によって得られる撮像画像に基づき、前記撮像画像内での動体の位置を検出する検出部と、
前記コンロ部の火力を調整する火力調整部と、
前記ガスコンロの外部に向けた報知を行う報知部と、
前記火力調整部及び前記報知部の少なくともいずれかを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記動体の位置が前記撮像画像内での前記コンロ部近傍の所定領域内にあることを条件として、前記火力調整部に前記コンロ部の火力を低減させる火力抑制制御、又は前記報知部に外部に向けた報知を行わせる報知制御、の少なくともいずれかを含む対応制御を行い、
前記動体の位置が前記所定領域内にないことを条件として前記対応制御を行わない。
本開示に係るコンロシステムは、火力抑制制御又は報知制御の少なくともいずれかを含む対応制御を行うか否かを動体の検出位置に基づいて決定し得る。
図1は、第1実施形態のガスコンロシステムを概略的に例示する説明図である。 図2は、図1のガスコンロシステムの電気的構成を概略的に例示するブロック図である。 図3は、図1のガスコンロシステムにおけるガスコンロを概略的に例示する斜視図である。 図4は、図3のガスコンロの各ガスバーナへのガス供給路等を概念的に示す説明図である。 図5は、図3のガスコンロの電気的構成を概略的に例示するブロック図である。 図6は、図1のガスコンロシステムにおける撮像部による撮像範囲とガスコンロとの関係を説明する説明図である。 図7は、図1のガスコンロシステムにおける火力調整制御の流れを例示するフローチャートである。 図8(A)は、図1のガスコンロにおいて、動体が調理容器の近傍領域(所定領域)に位置する場合の撮像画像を説明する説明図であり、図8(B)は、動体が調理容器の内部領域に位置する場合の撮像画像を説明する説明図であり、図8(C)は、動体が調理容器の内部領域の内外に跨る場合の撮像画像を説明する説明図である。
以下、本開示の実施形態を列記して例示する。
本開示のコンロシステムでは、上記制御部は、上記動体の位置が上記所定領域内にあることを条件として、上記火力調整部に上記コンロ部の火力を低減させる火力抑制制御、又は上記報知部に外部に向けた報知を行わせる報知制御、の少なくともいずれかを含む対応制御を行い、上記動体の位置が上記所定領域内にないことを条件として上記対応制御を行わない。
上記コンロシステムは、緊急性の高いコンロ近傍領域(所定領域)に動体が位置する場合には火力抑制制御又は報知制御の少なくともいずれかを行うことができ、緊急性が相対的に低いコンロ近傍領域外に動体が位置する場合には上記対応制御を行わないようにすることができる。よって、緊急性が相対的に低い領域に動体が位置する場合まで上記対応制御がなされてしまうことを防ぎやすくなり、火力抑制や報知を望まない環境下での強制的な火力抑制や報知を防ぎやすくなる。
本開示のコンロシステムにおいて、上記検出部は、上記撮像画像において調理容器の領域を検出してもよい。上記制御部は、上記動体の位置が上記調理容器の領域内にあることを条件として上記対応制御を行わないようにしてもよい。
上記撮像画像において調理容器の領域内で動体が検出された場合、その動体は、調理容器内で加熱調理されている調理物の変化である可能性が高い。よって、上記動体の位置が上記調理容器の領域内にあることを条件として上記対応制御を行わないようにすれば、加熱調理に伴って調理物が動くような場合まで上記対応制御がなされてしまうことを防ぎやすくなり、意図しない火力抑制や報知によってユーザに不便や不快感を与えることを防ぎやすくなる。
本開示のコンロシステムにおいて、上記検出部は、上記撮像画像において上記調理容器の領域に近接する環状の外周領域を検出してもよい。上記制御部は、上記動体の位置が上記外周領域内にある場合に上記対応制御を行わないように動作してもよい。
撮像画像において調理容器の領域に近接する環状領域が検出された場合、その環状領域は、火炎の領域であるか、或いは、火炎の反射により調理容器の周囲が環状に光って見える領域である可能性が高い。このような環状領域は、火炎の揺らめきや、火炎の揺らめきに起因する反射光の変化などによって、画像内容(具体的には色や明るさなど)が変化する可能性が高く、このような変化が動体の変化として認識される可能性が高い。このような事情があるため、上記外周領域で動体が検出された場合に上記対応制御を行うようにしてしまうと、正常な加熱調理がなされている最中に意図しない火力抑制や報知がなされやすくなり、ユーザに不便や不快感を与える虞がある。これに対し、上記コンロシステムは、動体の位置が上記外周領域内にある場合に上記対応制御を行わないようにするため、このような問題を生じにくくすることができる。
本開示のコンロシステムにおいて、上記検出部は、上記撮像画像において調理容器の領域又は上記調理容器の領域に近接する環状の外周領域を検出してもよい。そして、上記制御部は、上記動体の位置が上記調理容器の領域の内外に跨る場合又は上記調理容器を含む容器近傍領域の内外に跨る場合に前記対応制御を行わないように動作してもよい。
上記撮像画像で検出された動体の領域が調理容器の領域の内外に跨る場合又は上記調理容器を含む容器近傍領域の内外に跨る場合、調理に必要な作業に起因する可能性が高い。具体的には、例えば、調理容器内の調理物に対する撹拌作業又はその他の作業の際に、箸、杓子、ユーザの腕などが調理容器近傍に位置し、このときに、調理容器の領域の内外又は容器近傍領域の内外に跨るように撮像された可能性が高い。このようなときまで上記対応制御を行ってしまうと、正常な作業がなされている最中に意図しない火力抑制や報知がなされやすくなり、ユーザに不便や不快感を与える虞がある。これに対し、上記コンロシステムは、動体の位置が調理容器の領域の内外に跨る場合又は容器近傍領域の内外に跨る場合に対応制御を行わないようにするため、このような問題を生じにくくすることができる。
<第1実施形態>
1-1.ガスコンロシステムの概要
図1のように、ガスコンロシステムSy(以下、システムSyともいう)は、ガスコンロ1と撮像部90とを備えたシステムとして構成されている。
システムSyでは、撮像部90がガスコンロ1の上方側からガスコンロ1を撮像するように配置されている。ガスコンロ1は、撮像部90がガスコンロ1付近を撮像して得られた画像データ又は当該画像データを加工した加工データなどを取得し、上記画像データに基づく制御などを行い得る。なお、ガスコンロ1の構成は後に詳述する。
撮像部90は、CCDカメラ、CMOSカメラ、赤外線カメラなど、撮像範囲からの可視光又は赤外線を受光して撮像範囲の画像を生成し得る公知構成の撮像装置によって構成されている。撮像部90は、ガスコンロ1から離れた所定位置(例えば、排出装置100の所定位置)において所定の取付構造(例えば、排出装置100に取り付けられる取付構造)で設けられている。図1の例では、撮像部90は、排出装置100近傍からガスコンロ1を撮像し得るように配置されている。
排出装置100は、ガスコンロ1での加熱動作によって生じる排気ガスを排出する装置であり、例えば換気扇を備えた公知のレンジフードとして構成され、ガスコンロ1から発せられた信号を無線通信(例えば赤外線通信等)によって受信する機能を有する。排出装置100は、無線信号(例えば赤外線信号)を受信する受信部102と、受信部102で受信した信号を処理する図示しない制御装置と、制御装置によって駆動される駆動負荷106(換気扇を構成するモータ等)と、を備える。
図2のように、システムSyでは、ガスコンロ1と排出装置100との間で公知の無線通信方式による無線通信が行われる。具体的には、ガスコンロ1は、排出装置100に対して赤外線信号を送信し得る構成をなし、排出装置100は、ガスコンロ1から送信された赤外線信号を受信し得る構成をなす。一方で、システムSyでは、ガスコンロ1と撮像部90との間で情報の送受信が行われる。ガスコンロ1と撮像部90との間の通信は、通信線を介した有線通信であってもよく、公知方式の無線通信であってもよい。
1-2.ガスコンロの構成
図3のように、ガスコンロ1は、ビルトインコンロとして構成され、上端部が開放した箱状の筐体部2と、筐体部2の上端部に固定される天板5(トッププレート)とを備え、天板5から露出するように、右コンロ部4A、左コンロ部4B、小コンロ部4Cが設けられている。右コンロ部4A、左コンロ部4B、小コンロ部4C、グリル庫3のそれぞれには、ガスバーナ51,52,53,54が設けられ、ガスバーナ51,52,53,54の各々は、一部又は全部が筐体部2内に収容された形態でそれぞれ設けられている。天板5上において、各ガスバーナ51,52,53の周囲には、五徳9A、9B、9Cがそれぞれ設けられている。五徳9A、9B、9Cは、ガスバーナ51,52,53の上方側に調理器具を載置するために用いられる。
図3のように、ガスコンロ1の前面部付近には、右コンロ部4A、左コンロ部4B、小コンロ部4C、グリル庫3にそれぞれ対応するように4つの回転操作部6A,6B,6C,6Dがそれぞれ設けられている。第1の回転操作部6Aは、右コンロ部4Aを構成するガスバーナ51の点火、消火、火力調整を行うものである。第2の回転操作部6Bは、左コンロ部4Bを構成するガスバーナ52の点火、消火、火力調整を行うものである。第3の回転操作部6Cは、小コンロ部4Cを構成するガスバーナ53の点火、消火、火力調整を行うものである。第4の回転操作部6Dは、ガスバーナ54(グリルバーナ)の点火、消火、火力調整を行うものである。図3の例では、回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれも、使用者が押す毎に退避位置と突出位置とに切り替わるようになっている。図3では、退避位置にあるときの回転操作部6Aを実線で示し、突出位置にあるときの回転操作部6Aを二点鎖線6A’で例示している。
筐体部2内には、図4のように、ガス配管として、共通のガス流路である共通供給路60と、共通供給路60から分岐したガス流路である複数の分岐供給路61,62,63,64とが設けられている。そして、共通供給路60を通って流れたガスが、各分岐供給路61,62,63,64を通って各ガスバーナ51,52,53,54に導かれるようになっている。共通供給路60には、共通供給路60を開閉する元電磁弁N1が設けられている。分岐供給路61には、分岐供給路61を開閉可能な電磁弁(安全弁)51G及び閉止弁51Fと、ガスバーナ51へのガス供給量を調整可能な火力調整弁(火力調整部)51Eとが設けられている。分岐供給路62には、分岐供給路62を開閉可能な電磁弁(安全弁)52G及び閉止弁52Fと、ガスバーナ52へのガス供給量を調整可能な火力調整弁52E(火力調整部)とが設けられている。分岐供給路63には、分岐供給路63を開閉可能な電磁弁(安全弁)53G及び閉止弁53Fと、ガスバーナ53へのガス供給量を調整可能な火力調整弁(火力調整部)53Eとが設けられている。ガスバーナ54は、グリル庫3内において上側の所定位置に配置される上グリルバーナ54Aと、グリル庫3内において上グリルバーナ54Aよりも下側に配置される下グリルバーナ54Bとを備える。共通供給路60から分岐したガス流路である分岐供給路64には、分岐供給路64から分岐して上グリルバーナ54Aにガスを導くガス流路である第1供給路65Aと、分岐供給路64から分岐して下グリルバーナ54Bにガスを導くガス流路である第2供給路65Bとが接続されている。分岐供給路64には、分岐供給路64を開閉可能な電磁弁(安全弁)54G及び閉止弁54Fが設けられ、第1供給路65Aには第1供給路65Aを開閉可能な複数の電磁弁54H,54Jが設けられ、第2供給路65Bには第2供給路65Bを開閉可能な電磁弁54Kが設けられている。第1供給路65Aには、電磁弁54Jと並列にバイパス路66Aが設けられ、第2供給路65Bには、電磁弁54Kと並列にバイパス路66Bが設けられている。
次に、図5等を参照してガスコンロ1の電気的構成について説明する。
図5において制御回路(制御部)10は、例えばマイクロコンピュータとして構成されており、CPU10A、ROM10B、RAM10Cなどを備え、更に、図示しないタイマ、I/Oインタフェイスなどを備える。なお、制御回路10の内部又は外部に不揮発性メモリを設けてもよい。電源部56は、例えば一次電池又は二次電池(具体的には複数の乾電池など)である。電源回路57は電源部56からの電力供給を受け、所定の電源電圧を生成する機能を有し、電源回路57で生成された電源電圧は、図示しない経路を介して様々な電気部品に供給される。
図5で示されるスイッチ30A,30B,30C,30Dの各々は、回転操作部6A,6B,6C,6D(図3)にそれぞれ対応するように設けられ、図5のように、スイッチ30A,30B,30C,30Dにそれぞれ対応するように点火信号入力回路40A,40B,40C,40Dがそれぞれ設けられている。スイッチ30A,30B,30C,30Dは、いずれも点火スイッチとして機能し、回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれにおいても、回転操作部が退避位置(消火位置)のときには対応するスイッチがオフ状態となり、このスイッチに対応する点火信号入力回路から制御回路10にオフ信号が与えられる。また、回転操作部が突出位置(点火位置)のときには対応するスイッチがオン状態となり、このスイッチに対応する点火信号入力回路から制御回路10にオン信号が与えられる。例えば、回転操作部6A(図3)が退避位置(図3において実線で示す回転操作部6Aの位置)にあるときには、図5で示すスイッチ30Aがオフ状態となり、このとき点火信号入力回路40Aは制御回路10に対してオフ状態を示す信号(オフ信号)を入力する。また、回転操作部6A(図3)が突出位置(図3において二点鎖線6A’で示す位置)にあるときには、図5で示すスイッチ30Aがオン状態となり、このとき点火信号入力回路40Aは、制御回路10にオン状態を示す信号(オン信号)を入力する。なお、回転操作部6B,6C,6D(図3)によって点火操作がなされる場合もそれぞれに対応する回路が同様に動作する。
図5で示される変位検出部32A,32B,32C,32Dの各々は、回転操作部6A,6B,6C,6D(図3)のそれぞれに対応するように設けられている。そして、変位検出部32A,32B,32C,32Dにそれぞれ対応するように火力信号入力回路41A,41B,41C,41Dがそれぞれ設けられている。回転操作部6A,6B,6C,6Dのいずれにおいても、回転操作部の変位(回転位置)を当該回転操作部に対応する変位検出部(エンコーダ等の回転角度センサなど)が検出するようになっている。そして、その変位検出部に対応する火力信号入力回路が、その変位検出部が検出した変位(回転位置)を示す信号を制御回路10に与えるようになっている。例えば、回転操作部6Aに対応して設けられた変位検出部32Aは、回転操作部6Aの変位(回転位置)を検出するようになっている。そして、変位検出部32Aに対応する火力信号入力回路41Aは、制御回路10に対して変位検出部32Aが検出した変位(即ち、回転操作部6Aの回転位置)を示す信号を制御回路10に与えるようになっている。なお、回転操作部6B,6C,6D(図3)によって火力調停操作(回転操作)がなされる場合もそれぞれに対応する回路が同様に動作する。
図5で示される熱電対51C,52C,53C,54C、54Dの各々は、ガスバーナ51,52,53,54A,54B(図4)のそれぞれに隣接して設けられている。そして、熱電対51C,52C,53C,54C、54Dの各々に対応して温度信号入力回路(熱電対信号入力回路)43A,43B,43C,43D,43Eがそれぞれ設けられている。温度信号入力回路43A,43B,43C,43D,43Eの各々は、対応する熱電対が検出した温度を示す信号を制御回路10に入力する。更に、サーミスタ34A,34B,34Cの各々が、ガスバーナ51,52,53(図4)のそれぞれの近傍に隣接して設けられている。そして、サーミスタ34A,34B,34Cの各々に対応して温度信号入力回路(サーミスタ信号入力回路)44A,44B,44Cがそれぞれ設けられている。
図5で示されるイグナイタ28A,28B,28C,28Dの各々は、ガスバーナ51,52,53,54(図2、図4)のそれぞれに対応して設けられている。イグナイタ28A,28B,28C,28Dには、ガスバーナ51,52,53,54(図2、図4)のそれぞれに隣接して図示しないイグナイタ端子が設けられている。そして、イグナイタ28A,28B,28C,28Dの各々に対応して、イグナイタ回路46A,46B,46C,46Dがそれぞれ設けられている。
駆動回路47Aは、制御回路10からの指示に応じて火力調整弁51Eをその指示に応じた開度に駆動する。駆動回路47Bは、制御回路10からの指示に応じて火力調整弁52Eをその指示に応じた開度に駆動する。駆動回路47Cは、制御回路10からの指示に応じて火力調整弁53Eをその指示に応じた開度に駆動する。駆動回路48Aは、電磁弁51F,51Gを制御回路10からの指示に応じた状態に切り替える回路である。駆動回路48Bは、電磁弁52F,52Gを制御回路10からの指示に応じた状態に切り替える回路である。駆動回路48Cは、電磁弁53F,53Gを制御回路10からの指示に応じた状態に切り替える回路である。駆動回路48Dは、電磁弁54F,54G,54H,54J,54Kを制御回路10からの指示に応じた状態に切り替える回路である。駆動回路49は、元電磁弁N1を制御回路10からの指示に応じた状態に切り替える回路である。なお、駆動回路47A,47B,47Cのそれぞれは、駆動回路48A,48B,48Cのそれぞれと共通の回路によって構成されていてもよい。
音声装置(報知部)81は、ブザーやスピーカなどの発音装置を1以上備えてなる装置であり、制御回路10によって発音タイミングや発する音声の内容が制御される装置である。表示部(報知部)82は、発光部(LEDやその他の発光素子等)や画像表示装置(液晶表示器、有機ELディスプレイ等)などの表示媒体を1以上備えてなる装置であり、制御回路10によって表示のオンオフタイミングや表示内容が制御される装置である。操作部83は、使用者によって操作がなされる装置であり、1以上の公知の入力インターフェース(操作ボタン、タッチパネル等)によって構成され、使用者からの操作に応じた情報を制御回路10に入力するように機能する。通信部84は、制御回路10と協働し、公知の通信方式(例えば、赤外線通信方式、bluetooth(登録商標)通信方式などの公知の無線通信方式)で外部装置と通信を行う装置である。
1-3.火力調整制御
次に、火力調整制御について説明する。図7に示す火力調整制御は、制御回路10によって実行される制御であり、例えば制御回路10が、予め定められた開始条件の成立に応じて記憶部に記憶されたプログラムに従って実行する制御である。開始条件は、例えば、制御回路10がガスバーナ51,52,53のうち少なくともいずれか1つの点火操作が行われたことを検出したことである。すなわち、開始条件は、制御回路10が回転操作部6A,6B,6Cのいずれか1つが退避位置から突出位置に切り替わるように押す操作が行われたことを検出することである。図6は、右コンロ部4Aで調理容器Taを加熱する例を示している。調理容器Taは、有底円筒状の鍋として構成され、液体(例えば水)が貯留されている。なお、開始条件は、ガスコンロ1が電源オン状態となったことであってもよく、所定の操作ボタン(例えば、火力調整制御を行うように設定する設定ボタン)が押圧操作されることであってもよく、その他の条件であってもよい。
制御回路10は、撮像画像において、検出された動体の位置が、検出された所定領域(後述する所定領域AR2)内にあることを条件として、コンロ部(右コンロ部4A、左コンロ部4B、小コンロ部4C)の火力を低減させる火力抑制制御を火力調整弁51E,52E,53Eに行わせる。所定領域AR2は、コンロ部4Aの近傍の領域であり、具体的には、撮像画像におけるコンロ部4Aを含んだ所定範囲から、予め定められた例外領域を除いた領域である。図8の例では、例外領域は内部領域AR3及び外周領域AR4となっている。つまり、所定領域AR2は、撮像画像において予め定められた所定範囲(具体的にはコンロ部4A寄りの範囲)であって且つ内部領域AR3及び外周領域AR4を含まない領域となっている。
更に、制御回路10は、撮像画像において、検出された動体の位置が、検出された調理容器の内部領域(後述する内部領域AR3)内にあることを条件として、火力抑制制御を火力調整弁51E,52E,53Eに行わせない。また、制御回路10は、撮像画像において、検出された動体の位置が、検出された調理容器の外周領域(後述する外周領域AR4)内にあることを条件として、火力抑制制御を火力調整部に行わせない。また、制御回路10は、撮像画像において、検出された動体が調理容器の内部領域(後述する内部領域AR3)の内外に跨ることを条件として火力抑制制御を火力調整部に行わせない。
制御回路10は、上述した開始条件の成立に応じて図7の制御を開始した場合、まず、ステップS11の処理を行い、撮像指示を通信部84を介して撮像部90に送信する。具体的には、制御回路10は、撮像部90に対して撮像指示(命令信号)を送り、撮像部90に撮像動作を開始させる。撮像指示は、撮像部90が撮像処理(所定範囲AR1を撮像する処理)を実行するためのトリガとなる情報であり、予め定められた情報である。
撮像部90は、ガスコンロ1から撮像指示を受信すると、所定時間(例えば1秒)の経過ごとに、所定範囲AR1を撮像する。所定範囲AR1は、撮像部90が撮像する範囲である。所定範囲AR1は、CCDカメラ、CMOSカメラ、赤外線カメラなどの撮像素子によって撮像可能な範囲であり、撮像部90が所定範囲AR1を撮像した場合、この所定範囲AR1を映す画像を表すための撮像データが制御回路10に記憶される。図6の例では、所定範囲AR1は、上側から見てガスコンロ1の大部分(右コンロ部4A、左コンロ部4B、小コンロ部4C)を含む範囲となっており、長方形状の範囲となっている。
撮像部90は、所定時間(例えば1秒)の経過ごとに所定範囲AR1を撮像して得られた画像データ(撮像データ)又は当該画像データ(撮像データ)を加工した加工データなどを、ガスコンロ1に送信する。制御回路10は、通信部84を介して、上記画像データ又は当該画像データを加工した加工データを取得する。
画像データ(撮像データ)は、撮像部90が生成するデータであり、撮像部90が所定範囲AR1(撮像範囲)を撮像する動作を行った場合に当該所定範囲AR1の画像(撮像画像)を表すために生成されるデータである。画像データ(撮像データ)は、撮像部90が撮像した範囲の画像を表し得るデータであれば公知のどのようなデータ構成であってもよい。上記「所定範囲AR1」は、ガスコンロ1が存在する空間において撮像部90が撮像する範囲であり、撮像部90が生成する画像データ(撮像データ)によって表される画像内に収まる範囲である。また、上記の加工データは、例えば、撮像部90での撮像によって得られた撮像画像(上記画像データで表される画像)に対し、公知の方法でノイズ除去、エッジ検出、濃淡調整、ヒストグラム調整、色補正、などの公知の加工を行ったデータである。なお、このような加工データは、制御回路10で生成してもよい。
例えば、撮像部90は、撮像指示を受信してから所定時間(例えば1秒)の経過ごとに撮像して得られた第1画像データ(第1撮像データ)、第2画像データ(第2撮像データ)・・・をガスコンロ1に送信する。例えば、第1画像データ(第1撮像データ)は第1撮像画像を表す画像であり、第2画像データ(第2撮像データ)は第2撮像画像を表す画像である。
制御回路10は、ステップS11で撮像指示を送信した後、ステップS12において第1画像データを受信し、受信した第1画像データを記憶する。制御回路10は、ステップS12の後、ステップS13において第2画像データを受信し、第2画像データを記憶する。
続いて、制御回路10は、ステップS14で、動体、及び撮像画像内の各領域を検出する。制御回路10は、第1画像データ及び第2画像データの少なくともいずれかに基づいて、動体を検出する。具体的には、制御回路10は、複数の異なる時期に撮像された複数の撮像画像(第1撮像画像及び第2撮像画像)に基づいて撮像画像(例えば第2撮像画像)における動体を検出してもよく、いずれか1つの時期に撮像された撮像画像に基づいて当該撮像画像における動体を検出してもよい。なお、いずれか1つの時期に撮像された撮像画像に基づいて当該撮像画像における動体を検出する場合、例えば、ステップS12の処理を省略し、ステップS13の処理で生成された第2画像データに基づいて動体を検出してもよい。
動体は、所定範囲AR1において相対位置が変化する物体である。動体は、当該動体が所定範囲AR1外に位置するときには撮像画像に映らず、所定範囲AR1内において撮像部90によって撮像し得る位置にあるときに撮像画像に映る物体であり、ガスコンロシステムSyを構成する部分以外の物体である。なお、撮像部90によって撮像し得る範囲に動体が存在しない場合、撮像画像は動体が映っていない基準画像となる。
ステップS12及びS13で受信した第1画像データ及び第2画像データに基づいて動体を検出する場合、例えば、第1画像データによって表される第1画像においても、第2画像データによって表される第2画像においても、予め定められた基準画像に存在しない所定異物(具体的には、コンロ部に載置された調理容器以外の異物)の画像が一定面積以上存在する場合にその所定異物の画像を動体の画像として検出してもよい。この場合、基準画像は、ガスコンロ1の上方にガスコンロ1以外の異物が存在しない状態で所定範囲AR1を撮像した撮像画像とすることができる。或いは、第1画像及び第2画像のいずれにおいても、上記所定異物の画像が所定条件を満たす場合に上記所定異物の画像を動体として検出してもよい。所定条件としては、所定の色範囲の画素(例えば、色情報(色の三要素(RGB)の各数値)が一定の範囲の値である画素)が一定個数以上存在することであってもよく、所定の濃度範囲の画素が一定個数以上存在することであってもよく、所定の輝度範囲の画素が一定個数以上存在することであってもよく、これら条件の複数であってもよい。また、動体検出の別例としては、例えば、第1撮像画像と第2撮像画像との間において、特徴点を検出し、その特徴点の位置が変化している場合に、その特徴点を動体としてもよい。また、動体検出の別例としては、例えば、第1撮像画像と第2撮像画像との差分領域(第1撮像画像と第2撮像画像とを比較したときに変化が生じている領域)を検出することで、動体を検出してもよい。第1撮像画像と第2撮像画像とを比較したときに、所定の色範囲の画素(例えば、色情報(色の三要素(RGB)の各数値)が一定の範囲の値である画素)が一定個数以上含まれる領域の位置が変化している場合に、このような領域を動体として検出してもよい。第1撮像画像と第2撮像画像とを比較したときに、所定の濃度範囲又は輝度範囲の画素が一定個数以上存在する領域の位置が変化している場合に、このような領域を動体として検出してもよい。
なお、上述の説明では、複数の画像データ(例えば第1画像データ及び第2画像データ)に基づいて動体を検出する方法を例示したが、1つの画像データ(例えば第2画像データ)のみに基づいて動体を検出してもよい。この場合でも同様であり、例えば、第2画像データによって表される第2画像において、予め定められた基準画像に存在しない所定異物(具体的には、コンロ部に載置された調理容器以外の異物)の画像が一定面積以上存在する場合にその所定異物の画像を動体の画像として検出してもよい。この場合も、基準画像は、ガスコンロ1の上方にガスコンロ1以外の異物が存在しない状態で所定範囲AR1を撮像した撮像画像とすることができる。或いは、第2画像において、上記所定異物の画像が所定条件を満たす場合に上記所定異物の画像を動体として検出してもよい。所定条件としては、所定の色範囲の画素(例えば、色情報(色の三要素(RGB)の各数値)が一定の範囲の値である画素)が一定個数以上存在することであってもよく、所定の濃度範囲の画素が一定個数以上存在することであってもよく、所定の輝度範囲の画素が一定個数以上存在することであってもよく、これら条件の複数であってもよい。
また、制御回路10は、ステップS14で、第2画像データに基づいて、コンロ部(右コンロ部4A、左コンロ部4B、小コンロ部4C)の近傍領域、調理容器の内部領域、外周領域を検出する。ここで、制御回路10は、「検出部」の一例に相当し、撮像部90によって複数の異なる時期にそれぞれ撮像された複数の撮像画像に基づいて撮像画像における動体を検出するとともに、撮像画像に基づいてコンロ部の近傍の所定領域を検出するように機能する。
コンロ部(右コンロ部4A、左コンロ部4B、小コンロ部4C)の近傍領域(コンロ近傍領域)は、所定領域の一例に相当し、撮像画像(例えば、第2画像)において上側から見て右コンロ部4A、左コンロ部4B、小コンロ部4Cのいずれか(図8では右コンロ部4A)を囲む範囲である。例えば、右コンロ部4Aの近傍領域(右コンロ部4Aの近傍の所定領域)は、撮像画像において右コンロ部4Aの領域を含んだ右コンロ部4Aの近傍領域であり、上記所定範囲AR1よりも狭い領域である。左コンロ部4Bの近傍領域(左コンロ部4Bの近傍の所定領域)は、撮像画像において左コンロ部4Bの領域を含んだ左コンロ部4Bの近傍領域であり、上記所定範囲AR1よりも狭い領域である。小コンロ部4Cの近傍領域(小コンロ部4Cの近傍の所定領域)は、撮像画像において小コンロ部4Cの領域を含んだ小コンロ部4Cの近傍領域であり、上記所定範囲AR1よりも狭い領域である。例えば、右コンロ部4Aの近傍領域は、撮像画像において右コンロ部4Aの近くの領域として予め定められる領域である。撮像画像での右コンロ部4Aの近傍領域の定め方は様々であり、右コンロ部4Aの中心として予め定められた位置(座標)からの距離が一定値以内の範囲を右コンロ部4Aの近傍領域としてもよい。或いは、右コンロ部4Aの中心として予め定められた位置(座標)を中心とする所定図形(多角形、円形等)の外縁を設定した場合の、その外縁の内側の範囲を右コンロ部4Aの近傍領域としてもよい。なお、左コンロ部4Bの近傍領域や小コンロ部4Cの近傍領域も同様に設定することができる。図8の例では、右コンロ部4A、左コンロ部4B、小コンロ部4Cの近傍領域のそれぞれが、長方形状の領域となっており、例えば、図8には、右コンロ部4Aの近傍領域が長方形状の領域AR2として表されている。なお、各近傍領域の外縁形状は長方形状であってもよく、円形状であってもよく、その他の形状であってもよい。
調理容器の内部領域は、撮像画像(例えば第2画像)において調理容器を構成する領域(調理容器が占める領域)であり、図8では円形の領域AR3である。
調理容器の外周領域は、調理容器に近接する環状の領域(調理容器の外周を円環状に囲む領域)である。調理容器の外周領域は、例えば、調理容器の外側の領域であって且つ調理容器までの距離が一定値以内となる領域であってもよい。或いは、調理容器の外周領域は、例えば、調理容器の外側の領域であって且つ調理容器の中心(図心)までの距離が一定値以内となる領域であってもよい。或いは、調理容器の外周領域は、例えば、コンロ部付近において予め定められた領域のうち、調理容器として検出された領域を除いた領域であってもよい。なお、外周領域の外縁形状は長方形状であってもよく、円形状であってもよく、その他の形状であってもよい。図8では、調理容器の外周領域は円環状の領域AR4である。この調理容器の外周領域は、調理容器の外周(円周)と、調理容器の外径よりも所定の値(例えば数センチ)大きい円周とによって囲まれる領域である。
制御回路10は、ステップS14の処理の後、ステップS15の処理を行い、ステップS14で検出された動体の位置が、上述した「コンロ部の近傍領域」内にあるか否か判断する。制御回路10は、動体の位置がコンロ部の近傍領域内にあると判断する場合、Yesに進み、ステップS16を行う。例えば、図8(A)では、制御回路10は、動体M1が近傍領域AR2の内側に位置するため、動体M1の位置が近傍領域AR2内にあると判断する。動体M1は、例えば、お椀等の撮像対象物である。なお、動体M1の一部が近傍領域AR2の内側にある場合も、動体M1の位置が近傍領域AR2内にあることとしてもよい。一方で、制御回路10は、動体の位置がコンロ部の近傍領域内にないと判断する場合、Noに進み、火力抑制制御を行うことなく、再びステップS11を行う。
制御回路10は、動体の位置がコンロ部の近傍領域内にあると判断する場合(ステップS15でYesと判断する場合)、ステップS16において、第2画像データに基づいて動体が調理容器の内部領域の内外に跨っているか否か判断する。制御回路10は、動体が調理容器の内部領域の内外に跨っていないと判断する場合、Noに進み、ステップS17を行う。一方で、制御回路10は、動体が調理容器の内部領域の内外に跨っていると判断する場合、Yesに進み、火力抑制制御を行うことなく、再びステップS11を行う。例えば、図8(C)では、制御回路10は、動体M2(例えば、撹拌器具(お玉杓子等)や、お椀等の撮像対象物)が調理容器の内部領域AR3の内外に跨って位置するため、動体M2が内部領域AR3の内外に跨っていると判断する。
制御回路10は、動体が調理容器の内部領域の内外に跨っていないと判断する場合(ステップS16でNoと判断する場合)、ステップS17において、第2画像データに基づいて動体の位置が調理容器の内部領域内にあるか否か判断する。制御回路10は、動体の位置が調理容器の内部領域内にないと判断する場合、Noに進み、ステップS18を行う。一方で、制御回路10は、動体の位置が調理容器の内部領域内にあると判断する場合、Yesに進み、火力抑制制御を行うことなく、再びステップS11を行う。例えば、図8(B)では、制御回路10は、動体M1が調理容器の内部領域AR3の内側に位置するため、動体M1の位置が内部領域AR3内にあると判断する。なお、動体M1の一部が内部領域AR3の内側にある場合も、動体M1の位置が内部領域AR3内にあることとしてもよい。
制御回路10は、動体の位置が調理容器の内部領域内にないと判断する場合(ステップS17でNoと判断する場合)、ステップS18において、第2画像データに基づいて動体の位置が調理容器の外周領域内にあるか否か判断する。制御回路10は、動体の位置が調理容器の外周領域内にないと判断する場合、Noに進み、ステップS19を行う。一方で、制御回路10は、動体の位置が調理容器の外周領域内にあると判断する場合、Yesに進み、火力抑制制御を行うことなく、再びステップS11を行う。例えば、右コンロ部4Aで火力を増大させたときに火炎の光が五徳9Aや天板5で反射することで、右コンロ部4A周りの光の状態が変化する。このとき、制御回路10は、第2撮像画像において、調理容器の外周領域(図8では外周領域AR4)内の画素(色情報(色の三要素(RGB)の各数値))の変化が生じることで、右コンロ部4A周りの光の状態の変化を検出する。そして、制御回路10は、右コンロ部4A周りの光の状態の変化を動体の変化として検出し、動体の位置が調理容器の外周領域AR4内にあると判断する。
制御回路10は、ステップS18において動体の位置が調理容器の外周領域内にないと判断する場合(ステップS18でNoと判断する場合)、ステップS19において火力抑制処理を行う。すなわち、制御回路10は、火力調整弁51E,52E,53Eによって右コンロ部4A、左コンロ部4B、小コンロ部4Cの火力を予め定められた抑制状態に制御する。抑制状態とは、例えば、火力を最小レベルに下げた状態、火力を所定段階(例えば1段階)レベルを下げた状態など、火力を一定程度下げた状態である。制御回路10は、ステップS19の処理の後、再びステップS11の処理を行う。なお、図7の火力調整制御は、例えば、ガスコンロ1が電源オフ状態となった場合や、コンロ部(右コンロ部4A、左コンロ部4B、小コンロ部4C)で消火がなされた場合などに終了する。
本構成の効果を例示する。
上記のシステムSyは、制御回路10が、撮像部90によって撮像された撮像画像に基づいて、コンロ部(右コンロ部4A、左コンロ部4B、小コンロ部4C)の近傍の所定領域AR2を検出する構成である。そして、制御回路10は、動体の位置がコンロ部の近傍の所定領域AR2内にあることを条件として、コンロ部の火力を最小にする火力抑制制御を火力調整弁51E,52E,53Eに行わせる構成である。これにより、制御回路10は、コンロ部の近傍という特に注意が必要な範囲に動体がある場合に火力を抑制させることができ、コンロ部の近傍以外の注意するレベルが低い範囲に動体がある場合に不必要な火力抑制を防ぐことができる。
上記のシステムSyにおいて、コンロ部を用いた調理の進行に伴い、調理容器内の調理物の外観や色味が変化する場合、火力抑制を行う必要性が低い。そのため、制御回路10は、このような調理容器内の調理物の外観や色味の変化を動体の変化として、調理容器が占める内部領域AR3内に動体があると判断し、火力抑制制御を行わせない。したがって、適切に調理が進行しているときに、不必要な火力抑制を防ぎ、ユーザに不便を強いることを防止することができる。
上記のシステムSyにおいて、コンロ部を用いた調理時に、火力増大に伴う火炎の反射により調理容器の周囲の照り方が変化する場合、意図した火力の増大であり、火力抑制を行う必要性が低い。そのため、制御回路10は、このような調理容器の周囲の照り方の変化を動体の変化として、調理容器に近接する環状の外周領域AR4内に動体があると判断し、火力抑制制御を行わせない。したがって、意図して火力増大が行われるときに、不必要な火力抑制を防ぎ、ユーザに不便を強いることを防止することができる。
上記のシステムSyにおいて、調理容器内における調理物の撹拌の際に調理用器の内外に跨る撹拌部材の位置が変化する場合等には、火力抑制を行う必要性が低い。そのため、制御回路10は、このような撹拌部材の位置の変化を動体の変化として、内部領域AR3の内外に跨る動体があると判断し、火力抑制制御を行わせない。したがって、コンロ部近傍においてユーザの動作が行われるときに、不必要な火力抑制を防ぎ、ユーザに不便を強いることを防止することができる。
<他の実施形態>
本発明は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述又は後述の実施形態の特徴は、矛盾しない範囲であらゆる組み合わせが可能である。また、上述又は後述の実施形態のいずれの特徴も、必須のものとして明示されていなければ省略することもできる。更に、上述した実施形態を、次のように変更してもよい。
上記第1実施形態において、制御回路10は、ステップS19で、火力抑制処理を行ったが、火力抑制処理の代わりに又は火力抑制処理とともに、所定の報知処理を行ってもよい。例えば、制御回路10は、ステップS19において、火力抑制処理の代わりに又は火力抑制処理とともに、報知処理としてブザー音を鳴らすように音声装置81を動作させる音声処理を行ってもよい。或いは、制御回路10は、ステップS19において、火力抑制処理の代わりに又は火力抑制処理とともに、報知処理としてスピーカから音声を出力させるように音声装置81を動作させる音声処理を行ってもよい。或いは、制御回路10は、ステップS19において、火力抑制処理の代わりに又は火力抑制処理とともに、報知処理として表示部に表示を行わせる表示処理を行ってもよい。なお、報知処理を行う場合、上述の音声処理と表示処置とをいずれも行ってもよい。音声処理において音声を出力させる場合の音声は、例えば、「物がバーナの近くにあります」「バーナから物を遠ざけてください」「火を止めてください」「火力を小さくします」等の、コンロ部の近傍に物があることを直接的又は間接的に知らせるメッセージであってもよい。また、表示処理では、表示部82に、「物がバーナの近くにあります」「バーナから物を遠ざけてください」「火を止めてください」「火力を小さくします」等の、コンロ部の近傍に物があることを直接的又は間接的に知らせるメッセージを表示させてもよい。
上記第1実施形態では、コンロ部の近傍の所定領域として、右コンロ部4Aを囲む長方形状の領域(近傍領域AR2)を例示したが、その他の構成であってもよい。例えば、コンロ部の近傍の所定領域は、コンロ部を囲む円形状の領域や、コンロ部の前側半分を囲む領域等であってもよい。
上記第1実施形態では、調理容器の内部領域として、調理容器が占める円形の領域(内部領域AR3)を例示したが、その他の構成であってもよい。例えば、調理容器の内部領域は、調理容器が占める領域の一部(例えば中心部分近傍のみ)や、調理容器の開口部分が占める領域の全体又は一部等であってもよい。
上記第1実施形態では、調理容器の外周領域として、調理容器の外周を円環状に囲む領域(外周領域AR4)を例示したが、その他の構成であってもよい。例えば、調理容器の外周領域は、調理容器の外周を四角状に囲む領域や、調理容器の外周を囲む領域の一部であってもよい。
上記第1実施形態において、ステップS16の処理の代わりにその他の処理を行ってもよい。例えば、制御回路10は、画像データ(例えば第2画像データ)に基づいて、動体が容器近傍領域の内外に跨っているか否か判断してもよい。この場合、具体的には、調理容器の上記内部領域と調理容器の上記外周領域とを合わせた領域が容器近傍領域の一例に相当する。例えば、図8(C)の例では、撮像画像において、動体M2(例えば、撹拌器具(お玉杓子等)や、お椀等の撮像対象物)が調理容器の内部領域AR3の内外に跨って位置するとともに、動体M2が調理容器の外周領域AR4の内外に跨って位置している。すなわち、動体M2が容器近傍領域の内外に跨っている。この場合、制御回路10は、動体M2が容器近傍領域の内外に跨っていると判断する。この例では、制御回路10は、動体M2が容器近傍領域の内外に跨っている場合にステップS16でYesと判定し、そうでない場合にはステップS16でNoと判定すればよい。
上記第1実施形態では、ステップS16~S18の判定を行う例を示したが、ステップS16~S18のいずれか1つ又は2つの処理を省略してもよく、ステップS16~S18の全ての処理を省略してもよい
上記第1実施形態では、ガスコンロとしてビルトインコンロを例示したが、ガスコンロはテーブルコンロであってもよい。
上記第1実施形態では、撮像部90が1つのカメラによって構成された例を示したが、2以上のカメラによって構成されていてもよい。
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示された範囲内又は特許請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1…ガスコンロ
4A…右コンロ部(コンロ部)
4B…左コンロ部(コンロ部)
4C…小コンロ部(コンロ部)
5…天板(トッププレート)
10…制御回路(制御部、検出部)
51E,52E,53E…火力調整弁(火力調整部)
81…音声装置(報知部)
82…表示部(報知部)
90…撮像部
AR1…所定範囲
AR2…近傍領域(所定領域)
AR3…内部領域(調理容器の領域)
AR4…外周領域
Sy…ガスコンロシステム

Claims (1)

  1. トッププレート上に露出したコンロ部を1以上有するガスコンロを備えたコンロシステムであって、
    前記コンロ部を含む所定範囲を撮像する撮像部と、
    前記撮像部での撮像によって得られる撮像画像に基づき、前記撮像画像内での動体の位置を検出する検出部と、
    前記コンロ部の火力を調整する火力調整部と、
    前記ガスコンロの外部に向けた報知を行う報知部と、
    前記火力調整部及び前記報知部の少なくともいずれかを制御する制御部と、
    を備え、
    前記検出部は、前記撮像画像において調理容器の領域と前記調理容器の領域の外側に近接する環状の外周領域と前記コンロ部の近傍の領域であって前記所定範囲よりも狭い領域である近傍領域とを検出し、
    前記近傍領域の外縁の内側に前記外周領域の外縁が位置し、
    前記制御部は、
    前記検出部によって検出された前記動体の位置が前記近傍領域内にあることを条件として、前記火力調整部に前記コンロ部の火力を低減させる火力抑制制御、又は前記報知部に外部に向けた報知を行わせる報知制御、の少なくともいずれかを含む対応制御を行い、
    当該動体の位置が、前記調理容器の領域の内外に跨る場合、前記調理容器の領域内にある場合、前記外周領域内にある場合、の少なくともいずれかの場合には前記対応制御を行わず、
    当該動体の位置が、前記近傍領域内にあり、前記調理容器の領域の内外に跨らず、前記調理容器の領域内になく、前記外周領域内にない場合に、前記対応制御を行う
    コンロシステム。
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