以下、本発明の実施形態を説明する。以下に記載される装置の構造などは、特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例である。図面は、本発明が採用しうる技術的特徴を説明するために用いられるものである。以下説明は、図中に矢印で示す左右、前後、上下を使用する。
図1〜図3を参照し、コンロ1の構造を説明する。コンロ1は、例えばキッチンのキャビネット(図示略)上面に設けられた開口に、上方から落とし込まれて設置されるビルトインタイプのコンロである。コンロ1は、筐体2とトッププレート3を備える。筐体2は、略直方体状に形成され、上部が開口する。トッププレート3は、平面視略矩形状で、筐体2上部の開口部2Aに固定される。トッププレート3は平面視で筐体2よりも左右方向に大きい。トッププレート3は、ガラス板11、後板12、枠体13を備える。ガラス板11はトッププレート3の前側に設けられ、後板12はトッププレート3の後側に設けられる。枠体13は、ガラス板11と後板12を下側から支持し、且つ外周縁部を保持する。ガラス板11と後板12は枠体13によって一体になり、1枚のプレートを構成する。ガラス板11の下面には黒色のパターン印刷が施され、後述する光センサ4A〜4Kに対応する位置には矩形状の透明な窓部が形成される。
強火力バーナ5はガラス板11の上面右側に設けられ、最大火力に調整した場合にハイカロリーの強火力でガスを燃焼することができる。標準バーナ6はガラス板11の上面左側に設けられ、最大火力に調整した場合に強火力バーナ5よりは低いカロリーでガスを燃焼することができる。強火力バーナ5の上面中央には、略円筒状の温度検出部5Aが上下方向に出退可能に設けられ、図示外のバネによって常時上方に付勢されている。標準バーナ6の上面中央には、略円筒状の温度検出部6Aが上下方向に出退可能に設けられ、図示外のバネによって常時上方に付勢されている。これら温度検出部5A,6Aの夫々の内側には、サーミスタ5B,6B(図6参照)が夫々格納される。サーミスタ5B,6Bは、鍋底に当接する温度検出部5A,6Aの上壁部を介して鍋底温度を検出する。
強火力バーナ5の側面には多数の炎孔が設けられ、その炎孔の近傍にはイグナイタ35の点火電極(図示略)と熱電対5C(図6参照)が炎孔に臨むようにして設置される。イグナイタ35は、駆動することにより点火電極においてスパーク放電を発生し、炎孔から噴出されるガスに点火する。熱電対5Cは、炎孔に形成される火炎により加熱されて熱起電力を発生する。故にコンロ1は、熱電対5Cに発生する熱起電力に基づき、強火力バーナ5における失火を検出できる。標準バーナ6の側面にも多数の炎孔が設けられ、その炎孔の近傍には強火力バーナ5と同様に、イグナイタ36の点火電極(図示略)と熱電対6C(図6参照)が炎孔に臨むようにして設置される。イグナイタ36も、駆動することにより点火電極においてスパーク放電を発生し、炎孔から噴出されるガスに点火する。熱電対6Cは、炎孔に形成される火炎により加熱されて熱起電力を発生する。故にコンロ1は、熱電対6Cに発生する熱起電力に基づき、標準バーナ6における失火を検出できる。
トッププレート3の後板12中央には、グリル排気口10が設けられる。グリル排気口10には、複数の孔を有するカバー10Aが設置される。筐体2内にはグリル庫(図示略)が設けられる。グリル排気口10は、グリル庫と連通する。グリル庫内にはグリルバーナ(図示略)が設けられ、その炎孔の近傍には、上記と同様のイグナイタの点火電極と熱電対(図示略)が設置される。グリル庫内には受皿台(図示略)が収納される。受皿台上には受皿、焼網台、焼網等(図示略)が載置される。受皿台は、グリル扉14の背面下部と連結する。グリル扉14は筐体2の前面中央に設けられ、グリル庫の前面に設けられた開口部を開閉する。グリル扉14の前面下部には、取手14Aが設けられる。使用者は、取手14Aを掴んでグリル扉14を前方に引き出すことによって、受皿、焼網台、焼網等をグリル庫外に同時に引き出すことができる。
筐体2の前面中央において、グリル扉14の右側の領域には、点火ボタン15,16、火力調節レバー18、19、操作パネル25等が設けられる。点火ボタン15はグリル扉14の右側に隣接して設けられ、押下することによって強火力バーナ5の点火と消火の操作を行う。点火ボタン16は点火ボタン15の右隣に設けられ、押下することによってグリル庫内に設けられたグリルバーナ(図示略)の点火と消火の操作を行う。グリルバーナは、グリル庫内の左右の両側壁の上下に夫々設けられた上火グリルバーナと下火グリルバーナ(図示略)で構成される。
火力調節レバー18は点火ボタン15の上方に設けられ、略水平方向における回動操作によって、強火力バーナ5の火力を調節する。火力調節レバー19は点火ボタン16の上方に設けられ、上火用調節つまみ19Aと下火用調節つまみ19Bを上下に備える。上火用調節つまみ19Aは、略水平方向における回動操作によって、上火グリルバーナの火力を調節する。下火用調節つまみ19Bは、略水平方向における回動操作によって、下火グリルバーナの火力を調節する。操作パネル25は、点火ボタン15,16の下方において前後方向に回動可能に設けられる。操作パネル25は、各種操作の入力を受け付ける複数のボタンと、各種操作に応じた報知を行うLED等を備える。
一方、筐体2の前面中央において、グリル扉14の左側の領域には、点火ボタン17、火力調節レバー20等が設けられる。点火ボタン17は、グリル扉14の左側に隣接して設けられ、押下することによって標準バーナ6の点火と消火の操作を行う。火力調節レバー20は、点火ボタン17の上方に設けられ、略水平方向における回動操作によって、標準バーナ6の火力を調節する。
コンロ1は、センサ装置4を備える。センサ装置4は、複数(本実施形態では11個)の光センサ4A〜4Kを含む。光センサ4A〜4Kは夫々同一の構成である。以下説明では、光センサ4A〜4Kを総じて説明する場合、光センサ40と称する。光センサ40は公知の反射型の測距センサである。光センサ4A〜4Kは筐体2の内部に設けられ、強火力バーナ5と標準バーナ6の外方に配置される。光センサ4A〜4Kは、平面視で、筐体2の開口部2A内に位置する。筐体2にトッププレート3が固定されたとき、光センサ4A〜4Kは、トッププレート3の直下に位置する。光センサ4A〜4Kは、ガラス板11の窓部からトッププレート3の上方へ向けて検出波を出力し、強火力バーナ5と標準バーナ6に接近する異物の検出を行う。なお、本発明における強火力バーナ5と標準バーナ6の「外方」とは、強火力バーナ5と標準バーナ6の前方、後方、左方、右方、周囲など、垂直方向に交差する方向において強火力バーナ5と標準バーナ6の外側に位置する部位をいう。
光センサ4A〜4Kのうち、光センサ4A〜4Iは、強火力バーナ5と標準バーナ6の前方において、コンロ1の右端から左端にかけて並んで配置される。光センサ4A〜4Iが配置される領域を、検出領域Cとする。光センサ4A〜4Iは、検出領域Cにおいて左右方向に沿って配置され、並びを形成する。光センサ4A〜4Iは、正面視した場合には、ほぼ同じ間隔で左右方向に並ぶ。平面視した場合、光センサ4B,4E,4Hは、前後方向において同じ位置で、左右方向に並ぶ。光センサ4A,4C,4G,4Iは、前後方向において光センサ4B,4E,4Hよりも僅かに後方の位置で、左右方向に並ぶ。光センサ4D,4Eは、前後方向において光センサ4A,4C,4G,4Iよりも僅かに後方の位置で、左右方向に並ぶ。光センサ4A〜4Iの配置位置が前後方向においてずれる範囲は、左右方向においてずれる範囲と比べて小さい。故に、光センサ4A〜4Iが配置される検出領域Cは、左右方向に長く延びる。即ち、光センサ4A〜4Iは、全体として、前後方向に多少の位置ずれを許容しつつ左右方向に分かれて配置される並びを形成する。
光センサ4A〜4Iのうちの光センサ4A〜4Dは、強火力バーナ5に供給されるガス流量の制御に用いられる。光センサ4A〜4Dは、平面視で、強火力バーナ5の右斜め前方から左斜め前方にかけての位置で、強火力バーナ5の周方向に沿う緩やかな弧状をなす仮想線D1に沿って略等間隔に並ぶ。光センサ4A〜4Dは、強火力バーナ5の五徳7に、例えば直径28cmのフライパンを載置した場合の平面視で、フライパンの外周よりも外側に配置される。
光センサ4F〜4Iは、標準バーナ6に供給されるガス流量の制御に用いられる。光センサ4F〜4Iは、平面視で、標準バーナ6の右斜め前方から左斜め前方にかけての位置で、標準バーナ6の周方向に沿う緩やかな弧状をなす仮想線D2に沿って略等間隔に並ぶ。光センサ4F〜4Iは、標準バーナ6の五徳8に、例えば直径28cmのフライパンを載置した場合の平面視で、フライパンの外周よりも外側に配置される。
光センサ4Eは、強火力バーナ5及び標準バーナ6に供給されるガス流量の制御に用いられる。光センサ4Eは、光センサ4Dと光センサ4Fの間で、左右方向の略中央に配置される。
このように、光センサ4A〜4Iは、部分的には仮想線D1,D2に夫々沿って並ぶが、全体としては、上記のように、検出領域Cにおいて左右方向に沿って並ぶ。なお、本実施形態における「沿う」とは、必ずしも、所定方向に引かれた一本の仮想線上に光センサ4A〜4Iが配置される状態に限らず、位置ずれを許容しつつ、その線を基準に配置される状態をいう。また、仮想線は、必ずしも弧状をなす線に限らず、直線であってもよいし、波線であってもよい。なお、個々の光センサ4A〜4Hの配置向きについては後述する。
光センサ4Jは、強火力バーナ5に供給されるガス流量の制御に用いられる。光センサ4Jは、強火力バーナ5の左斜め前方、且つ光センサ4Dの略後方に配置される。光センサ4Jの配置位置は、平面視で、光センサ4A〜4Dよりも強火力バーナ5に近い位置である。言い換えると、光センサ4A〜4Dは、強火力バーナ5に対する前後方向において、光センサ4Jの前側に位置し、強火力バーナ5の径方向において、光センサ4Jの外側に位置する。
光センサ4Kは、標準バーナ6に供給されるガス流量の制御に用いられる。光センサ4Kは、標準バーナ6の右斜め前方、且つ光センサ4Fの略後方に配置される。光センサ4Kの配置位置は、平面視で、光センサ4F〜4Iよりも標準バーナ6に近い位置である。言い換えると、光センサ4F〜4Iは、標準バーナ6に対する前後方向において、光センサ4Kの前側に位置し、標準バーナ6の径方向において、光センサ4Kの外側に位置する。
光センサ4Jと光センサ4Kは、前後方向において略同じ位置に設けられる。光センサ4J,4Kは、異物が、光センサ4A〜4Iが並ぶ検出領域Cよりも強火力バーナ5と標準バーナ6に近づいたとき、異物の接近を確実に検出するため、強火力バーナ5と標準バーナ6と光センサ4A〜4Iが並ぶ検出領域Cとの間に設けられる。
光センサ40について説明する。図4に示すように、光センサ40は、送信部から送信した検出波が異物で反射した反射波を受信部で受信し、三角測距方式を応用して異物までの距離を測定する測距センサである。光センサ40は、遮光性樹脂からなる略直方体状の筐体49を有する。筐体49内には、発光素子41、投光レンズ43、受光素子44、集光レンズ46、制御IC47が設けられる。発光素子41、受光素子44、制御IC47は、リードフレーム48上に搭載される。リードフレーム48は、長細い板状に形成され、筐体49内の底部に設けられる。筐体49は、リードフレーム48が延びる方向に長く形成される。以下、リードフレーム48が延びる方向を、延伸方向と称する。
発光素子41は、検出波として赤外光を出射する赤外発光LEDである。発光素子41には、レーザダイオード等が用いられてもよい。発光素子41は、リードフレーム48の一方の端部で搭載面48Aに設けられる。発光素子41から赤外光が出射される出射方向は、搭載面48Aに直交し、搭載面48Aから離れる方向である。受光素子44は、反射波として受光する反射光の受光位置に応じた出力を行う光位置センサ(PSD)である。受光素子44には、CMOSイメージセンサ等が用いられてもよい。受光素子44は、リードフレーム48の他方の端部で搭載面48Aに設けられる。筐体49内で、発光素子41は、筐体49の底部且つ延伸方向の一端部に位置し、受光素子44は、筐体49の底部且つ延伸方向の他端部に位置する。制御IC47は、リードフレーム48の搭載面48Aで発光素子41と受光素子44の間に設けられる。発光素子41は、その周囲が透光性樹脂42によって封止される。受光素子44と制御IC47は、その周囲が透光性樹脂45によって封止される。
投光レンズ43は、筐体49内で、発光素子41の出射方向前方、且つ筐体49の天部に設けられる。投光レンズ43は、発光素子41から入射する赤外光をビーム状に収束し、出射方向へ向けて出射する。集光レンズ46は、筐体49内で、受光素子44の出射方向前方、且つ筐体49の天部と底部の間の中間部に設けられる。集光レンズ46は、赤外光が異物によって反射された反射光を、受光素子44の受光面に集光する。
制御IC47は、定電圧回路、発振回路、駆動回路、信号処理回路、出力回路(図示略)を内蔵する。定電圧回路は、入力電圧を降圧して一定の出力電圧を生成し、信号処理回路に供給する。発振回路は、所定の周波数で発振する。駆動回路は、1回の距離測定時に、発光素子41を発振回路の発振に合わせて断続的に駆動し、赤外光を複数回出射させる。赤外光が異物によって反射された反射光を受光素子44が受光した場合、受光素子44の出力は、赤外光の出射タイミングに同期して大きく変化する。信号処理回路は、受光素子44が光を感知して得られる電流出力を取得し、赤外光の出射タイミングに同期する電流値変化を抽出して平均値を求める演算処理を行い、演算結果を出力回路に出力する。出力回路は、演算結果に応じた大きさの電圧を生成し、異物までの距離に応じた検出信号として出力する。なお、受光素子44がCMOSイメージセンサの場合、制御IC47はCMOSイメージセンサ内に含まれる場合がある。
上記構成の光センサ40は、異物との間の距離を以下のように測定し、距離に応じた電圧値(以下、「測定電圧値」という。)を示す検出信号を出力する。光センサ40が発光素子41の出射方向前方に距離L1離れた異物B1を検出するとき、発光素子41から出射された赤外光が異物B1で反射した反射光のうち、受光素子44に向かう角度で反射した反射光を、図中、反射光R1で示す。反射光R1が集光レンズ46によって屈折し、受光素子44の受光面で集光される領域を、集光領域F1とする。なお、図4において、投光レンズ43と集光レンズ46による光の屈折は、説明の便宜上、図示を省略する。異物B2が距離L1より近い距離L2に位置する場合、発光素子41から出射された赤外光が異物B2で反射した反射光のうち、受光素子44に向かう角度で反射した反射光を、図中、反射光R2で示す。反射光R2が集光レンズ46によって屈折し、受光素子44の受光面で集光される集光領域F2は、延伸方向において、赤外光が発光素子41から出射される出射位置F0に対し集光領域F1よりも離れて位置する。受光素子44は、受光面における集光領域に応じて抵抗値が異なり、距離測定時、抵抗値に応じた大きさの電流を出力する。故にコンロ1は、光センサ40が出力する検出信号が示す測定電圧値を取得し、三角測距方式に基づく演算を行うことで、光センサ40と異物との間の距離を求めることができる。
図5を参照し、火力制御機構60を説明する。以下、強火力バーナ5の火力制御機構60について説明を行う。なお、標準バーナ6のガス供給管には、バイパス管28と電磁弁62がないこと以外は強火力バーナ5の場合と同様の構成の火力制御機構が設けられており、以下では標準バーナ6の火力制御機構の図示及び説明を省略する。
強火力バーナ5のガス供給管27には、コンロ1の調理性能と安全性向上の為に、火力制御機構60が設けられる。ガス供給管27の上流側の端部は、コンロ1のガス流入口(図示略)に接続され、下流側の端部は、火力調整機構30のガス流入口(図示略)に接続される。火力調整機構30は、点火ボタン16及び火力調節レバー18の操作に連動して動作し、強火力バーナ5の点火、消火、及び火力を調整する。
火力制御機構60は、複数の流路と複数の電磁弁を備える。ガス供給管27は、2本のバイパス管28,29を備える。バイパス管28は、ガス供給管27に設けられた分岐部65と合流部66の間に接続される。バイパス管29は、バイパス管28に設けられた分岐部67と合流部68の間に接続される。
ガス供給管27の分岐部65より上流側には、安全弁64が設けられる。なお、図中において、安全弁は「SV」と表す。ガス供給管27の分岐部65と合流部66の間には、電磁弁61が設けられる。なお、図中において、電磁弁は「KSV」と表す。バイパス管28の分岐部67と合流部68の間には、電磁弁62が設けられる。合流部66と火力調整機構30の間には、電磁弁63が設けられる。電磁弁61,62は、ガス流量調整用のキープソレノイドバルブである。電磁弁63は、ガス遮断用のキープソレノイドバルブである。故に、電磁弁61〜63によるガス流量の調節の応答性は向上する。
コンロ1は、電磁弁61,62を夫々開閉し、火力調整機構30に流れるガス流量を、第1流量、第2流量、第3流量の三段階で調節する。電磁弁61,62が共に開いた状態では、火力調整機構30に第1流量のガスが流れる。電磁弁61,62の何れか一方(本実施形態では電磁弁62)が閉じた状態では、火力調整機構30に第2流量のガスが流れる。電磁弁61,62が共に閉じた状態では、火力調整機構30に第3流量のガスが流れる。これにより、火力調節レバー18(図1参照)によって火力調整機構30を流れるガス流量が最大に調節されたときの火力は、弱火力、中火力、強火力の三段階に調節される。第1流量は強火力、第2流量は中火力、第3流量は弱火力に対応する。
電磁弁61,62の作動は、制御回路70のCPU71(図6参照)によって、サーミスタ5Bによる鍋底温度の検出結果、光センサ4A〜4E,4Jによる異物の検出結果、点火してからの時間等に応じて夫々制御される。電磁弁63の作動も同様に、CPU71によって制御される。安全弁64は点火ボタン15の押下に連動して開放される。
図6を参照し、コンロ1の電気的構成を説明する。コンロ1は、制御回路70を備える。制御回路70は、CPU71、ROM72、RAM73、不揮発性メモリ74に加え、図示しないタイマ、I/Oインタフェイス等を備える。タイマはプログラムで作動するものである。CPU71はコンロ1の各種動作を統括制御する。ROM72は、ガス流量制御処理(図9参照)を含む、コンロ1の各種プログラムを記憶する。RAM73は、各種情報を一時的に記憶する。不揮発性メモリ74は、各種パラメータ等を記憶する。
制御回路70には、電源回路81、スイッチ入力回路82、サーミスタ入力回路83、熱電対入力回路84、イグナイタ回路85、センサ入力回路87、ブザー回路88、安全弁回路90、電磁弁回路91,操作パネル25等が各々接続される。電源回路81は、電源23から供給される交流(例えば100V)を直流(例えば5V)に降圧して整流し、各種回路に電力を供給する。なお、図中において、電源は「AC」と表す。スイッチ入力回路82は、点火ボタン15〜17の押下を検出し、電源回路81と制御回路70に入力する。なお、図中において、点火ボタンは「SW」と表す。サーミスタ入力回路83は、サーミスタ5B,6Bからの検出値を制御回路70に入力する。なお、図中において、サーミスタは「TH」と表す。熱電対入力回路84は、熱電対5C,6Cからの検出値(熱起電力に対応する信号)を制御回路70に入力する。なお、図中において、熱電対は「TC」と表す。イグナイタ回路85は、CPU71の制御信号に基づき、強火力バーナ5のイグナイタ35、及び標準バーナ6のイグナイタ36を各々駆動する。なお、図中において、イグナイタは「IG」と表す。また、図6では、グリルバーナに設けられるサーミスタ、熱電対、イグナイタは省略する。
センサ入力回路87には、光センサ4A〜4Kの各検出信号が入力される。ブザー回路88は、CPU71の制御信号に基づき、圧電ブザー77を駆動する。安全弁回路90は、CPU71の制御に基づき、安全弁64を開閉する。電磁弁回路91は、CPU71の制御に基づき、電磁弁61〜63を開閉する。操作パネル25は、使用者によるタイマ設定、調理内容に応じた火力制御の選択等の入力、CPU71の制御内容に応じたLEDの点灯及び消灯等に用いられる。
点火ボタン15〜17は、スイッチ入力回路82と電源回路81に対して、夫々並列に接続される。使用者によって点火ボタン15〜17のうち何れかが押下されると、電源回路81から各種回路に電力が供給され、コンロ1の電源がオンになる。スイッチ入力回路82は、点火ボタン15〜17のうち何れが押下されたかを検出し、その検出信号を制御回路70に入力する。これにより、CPU71は、どの点火ボタン15〜17の押下によって電源がオンされたのか判断し、対応するバーナの各種センサと各種弁の作動を制御する。
本実施形態のコンロ1のCPU71は、光センサ40によって、強火力バーナ5及び標準バーナ6に接近する手や腕等の異物が検出されたとき、電磁弁61,62を作動し、ガス流量を第1流量から第3流量に低減する制御を行う。光センサ40の発光素子41は、赤外光の出射方向をコンロ1の上方(図2参照)へ向けて配置されている。光センサ40は、上方(発光素子41からの赤外光の出射方向)に異物が位置する場合、異物との精確な距離に応じた検出信号を出力する。一方、光センサ40の検出信号の大きさに対して閾値を設け、異物との距離が所定距離以下か否かを判断する処理が行われる場合、光センサ40による異物の検出範囲P(図7参照)は、以下に説明する3つの特性を有する。
第1の特性として、光センサ40は、延伸方向において、発光素子41を基準に受光素子44側よりも、受光素子44とは反対側に、異物を検出可能な検出範囲Pを広く有する特性を有する。この特性は、発光素子41から出射可能な赤外光の出射角度の範囲、もしくは受光素子44に入射可能な反射光の入射角度の範囲に基づく特性である。なお、以下説明では、延伸方向において、受光素子44から発光素子41を向く向きを、便宜上、配置向きと称する。
図7に示すように、異物B4が、発光素子41の出射方向前方で距離L3に位置する場合、発光素子41からの赤外光が異物B4で反射し、そのうちの受光素子44に向かう角度で反射した反射光R4は、集光レンズ46によって屈折し、受光素子44の集光領域F3で集光する。なお、図7において、投光レンズ43と集光レンズ46による光の屈折は、説明の便宜上、図示を省略する。光センサ40は、距離L3に対応する測定電圧値を示す検出信号を出力する。
異物B5が、出射方向前方の距離L3に位置し、且つ延伸方向で発光素子41と受光素子44の間に位置する場合に、発光素子41からの赤外光が異物B5で反射し、そのうちの受光素子44に向かう角度で反射した反射光R5は、集光レンズ46によって屈折することによって、異物B4の反射光R4と同じ集光領域F3で集光する。故に光センサ40は、異物B5の検出結果として、距離L3に対応する測定電圧値を示す検出信号を出力する。
異物B6が、出射方向前方の距離L3に位置し、且つ延伸方向において受光素子44よりも発光素子41とは反対側で、発光素子41から距離G1より大きく離れて位置する場合、異物B6の反射光は受光素子44に入射できない。故に光センサ40は、異物B6を検出できない。
一方、異物B7が、出射方向前方の距離L3に位置し、且つ延伸方向において発光素子41よりも配置向き側で、距離G1よりも大きい距離G2以内に位置すれば、発光素子41からの赤外光が異物B7で反射し、そのうちの受光素子44に向かう角度で反射した反射光R6は、受光素子44に入射できる。故に光センサ40は、異物B7を検出することができる。しかし、反射光R6は、集光レンズ46によって屈折することによって、集光領域F3とは異なる位置で集光する。故に、光センサ40が出力する検出信号は、異物B7までの距離が距離L3未満に対応する測定電圧値を示す。このように、光センサ40は、延伸方向における異物を検出可能な検出範囲Pが、発光素子41よりも配置向き側に大きい特性を有する。
第2の特性として、光センサ40は、異物が、延伸方向において発光素子41よりも配置向き側に位置する場合、異物を検出可能な距離が出射方向に長い特性を有する。この特性は、異物が出射方向において発光素子41の真っ直ぐ前方にない場合において、光センサ40が異物との距離を正しく検出できないことに基づく特性である。図4に示すように、異物B3が距離L1に位置し、且つ延伸方向において発光素子41よりも配置向き側に位置する場合に、発光素子41からの赤外光が異物B3で反射し、そのうちの受光素子44に向かう角度で反射した反射光R3が、異物B2の反射光R2と同じ光路で集光レンズ46を通り、受光素子44に入射することがある。この場合、異物B3の反射光R3が、反射光R2の集光領域F2と同じ領域で集光するので、光センサ40は、異物B3の検出信号として、距離L2に位置する異物B2と同じ測定電圧値を示す検出信号を出力する。
従って図7に示すように、延伸方向において発光素子41よりも配置向き側に位置し、且つ出射方向前方の距離L4に位置する異物B8で反射し、そのうちの受光素子44に向かう角度で反射した反射光R7の光路が、出射方向前方の距離L3に位置する異物B9で反射し、そのうちの受光素子44に向かう角度で反射した反射光R8の光路と一致する場合がある。異物B9の反射光R8が集光領域F3で集光する場合、同じ光路を辿る異物B8の反射光R7も、集光領域F3で集光する。この場合、光センサ40は、異物B8の検出信号として、距離L3に対応する測定電圧値を示す検出信号を出力する。このように、光センサ40は、出射方向における異物を検出可能な検出範囲Pが、発光素子41よりも配置向き側にて大きい特性を有する。
第3の特性として、光センサ40は、異物が、延伸方向に直交し且つ出射方向に直交する方向において、発光素子41の位置からずれて位置する場合、異物を検出することができない特性を有する。この特性は、発光素子41と受光素子44とが延伸方向に並ぶ位置関係に基づく特性である。従って光センサ40による異物の検出範囲Pは、上記のように、発光素子41と受光素子44とが並ぶ延伸方向において所定の幅を有し、延伸方向及び出射方向に直交する方向においては、ほぼ無効である。
図1〜図3に示すように、上記の特性を有する光センサ40は、出射方向を上方へ向けて、コンロ1に設けられる。仮想線D1に沿って配置される光センサ4A〜4Dと、仮想線D2に沿って配置される光センサ4F〜4Iとは、互いに異なる配置向きで配置される。光センサ4A〜4Dの夫々の配置向きは、仮想線D1がなす弧に沿い、左側から右側へ向かう方向の方向成分を有する。即ち光センサ4A〜4Dの配置向きは、夫々が配置された位置における仮想線D1の接線の方向であり、且つコンロ1の右方を向く。一方、光センサ4F〜4Iの配置向きは、仮想線D2がなす弧に沿い、右側から左側へ向かう方向の方向成分を有する。即ち光センサ4F〜4Iの配置向きは、夫々が配置された位置における仮想線D2の接線の方向であり、且つコンロ1の左方を向く。また、光センサ4Eの配置向きは、左右方向に沿い、コンロ1の左方を向く。
図8(A)に示すように、光センサ4A〜4Iは、上記第3の特性に基づき、配置向きを仮想線D1,D2に沿わせ、全体的に、配置向きが左右方向の方向成分を有した状態で配置される。これにより、図8(B)に示すように、検出領域Cにおける光センサ4A〜4Iの検出範囲Pは、左右方向に、より広く展開される。言い換えると、光センサ4A〜4Iの検出範囲Pは、強火力バーナ5と標準バーナ6の前方の検出領域Cにおいて、左右方向に広がるフェンス状に設けられる。故に光センサ4A〜4Iは、強火力バーナ5及び標準バーナ6の前方で、ほぼ隙間なく夫々の検出範囲Pを展開し、全体としての検出範囲を広く確保することができる。
更に、光センサ4A〜4Iの並びにおいて右端に配置される光センサ4Aと、左端に配置される光センサ4Iは、配置向きが異なる。並びの右端に配置される光センサ4Aは、上記第1の特性に基づき、配置向きが右方へ向かう方向成分を有して配置される。故に、光センサ4A〜4Iの並びは、光センサ4Aの配置向きを左方へ向けて配置した場合と比べ、光センサ4Aの右側に、より広い検出範囲Pを確保できる。並びの左端に配置される光センサ4Iは、上記第1の特性に基づき、配置向きが左方へ向かう方向成分を有して配置される。故に、光センサ4A〜4Iの並びは、光センサ4Iの配置向きを右方へ向けて配置した場合と比べ、光センサ4Iの左側に、より広い検出範囲Pを確保できる。
本実施形態のコンロ1は、ガス流量を低減する制御を行う場合の光センサ40による異物の検出範囲Pとして、異物が出射方向において発光素子41の真っ直ぐ前方、例えば10cmの距離に位置する場合の検出信号の測定電圧値を、閾値(以下、「作動電圧値」という。)に設定する。これにより、図7に示す形状の検出範囲P内に異物が侵入したとき、異物までの距離は10cm以下の距離に対応する。検出範囲P内に異物が侵入したとき、コンロ1は、異物が光センサ40の上方で10cm以下の位置にあること、即ち異物が強火力バーナ5又は標準バーナ6に接近したことを検出できる。
コンロ1のCPU71は、ガス流量制御処理(図9参照)を実行し、光センサ40によって異物の接近が検出されたとき、強火力バーナ5又は標準バーナ6の火力を弱める処理を行う。以下、強火力バーナ5に対応するガス流量制御処理について説明を行う。なお、標準バーナ6に対応するガス流量制御処理も強火力バーナ5の場合とほぼ同様に行われるものであり、以下では説明を省略する。
使用者が強火力バーナ5で調理を行う場合、鍋等の調理容器を五徳7上に載置し、点火ボタン15を押下する。火力制御機構60の安全弁64は、点火ボタン15が押下されていないとき、機械的に閉じられた状態である。また、電磁弁61〜63は、点火ボタン15が押下されていないときには、開放側に維持されている。点火ボタン15が押下されると安全弁64が連動して開き、火力調整機構30に第1流量のガスが流される。CPU71はイグナイタ35を駆動させ、強火力バーナ5を点火させる。強火力バーナ5の火力は、強火力になる。CPU71は、ROM72からガス流量制御処理を含む各種プログラムを読み出し、実行する。強火力バーナ5の炎孔に形成された火炎は、熱電対5Cによって検知される。使用者は、被調理物の焼き加減や、調理の進行状況等に応じて、火力調節レバー18を手動で操作し、強火力バーナ5の火力を調節する。
図9に示すように、ガス流量制御処理を開始すると、CPU71は、強火力バーナ5に対応する光センサ4A〜4E,4Jの検出信号(測定電圧値)を夫々取得する(S1)。CPU71は、取得した測定電圧値を夫々、作動距離に応じた作動電圧値と比較する。作動距離は、ガス流量を低減する制御を行う距離として予め設定され、上記したように例えば10cmである。なお、本実施形態の光センサ40が出力する測定電圧値は、測定距離の長さに反比例する。従って、作動距離以下に対応する検出範囲P内に異物が侵入しておらず、測定距離が作動距離より長い場合、測定電圧値は作動電圧値未満を示す。よって、測定距離が作動距離以下を示す光センサ40が1つもなければ(S3:NO)、CPU71は、処理をS1に戻す。火力制御機構60によって火力調整機構30に流れるガス流量は、第1流量に維持される。強火力バーナ5の火力は、強火力に維持される。
作動距離以下に対応する検出範囲P内に使用者の手や腕等の異物が侵入すると、光センサ40の測定電圧値は上昇し、作動電圧値以上を示す。光センサ4A〜4E,4Jのうち、測定電圧値が作動電圧値以上を示し、測定距離が作動距離以下を示す光センサ40が1つでもあれば(S3:YES)、CPU71は処理をS5に進める。CPU71は電磁弁回路91に指示を出し、電磁弁61,62を閉じる制御を行う(S5)。火力制御機構60によって火力調整機構30に流れるガス流量は、第3流量に低減される。強火力バーナ5の火力は、自動的に弱火力になる。CPU71は、ブザー回路88に指示を出し、圧電ブザー77を駆動して、異物の検出を報知する(S7)。また、CPU71は、操作パネル25の所定のLEDを点灯し、異物の検出を報知する。操作パネル25が液晶画面を備える場合、異物の検出を液晶画面の表示によって行ってもよい。
CPU71は、光センサ4A〜4E,4Jの検出信号を夫々取得する(S9)。CPU71は、取得した測定電圧値を夫々、解除距離に応じた解除電圧値と比較する。解除距離は、ガス流量の低減を解除する制御を行う距離として予め設定され、例えば15cmである。従って、解除距離以下に対応する検出範囲P内に異物があり、測定距離が解除距離以下の場合、測定電圧値は解除電圧値以上を示す。光センサ4A〜4E,4Jのうち、測定距離が解除距離以下を示す光センサ40が1つでもあれば(S11:YES)、CPU71は処理をS9に戻す。火力制御機構60によって火力調整機構30に流れるガス流量は、第3流量に維持される。強火力バーナ5の火力は、弱火力に維持される。
異物が解除距離以下に対応する検出範囲P外に出ると、光センサ40の測定電圧値は下降し、解除電圧値未満を示す。光センサ4A〜4E,4Jの全ての測定電圧値が解除電圧値未満を示し、測定距離が解除距離以下を示す光センサ40が1つもなくなると(S11:NO)、CPU71は処理をS13に進める。CPU71は電磁弁回路91に指示を出し、電磁弁61,62を開く制御を行う(S13)。火力制御機構60によって火力調整機構30に流れるガス流量は、第1流量に増加される。強火力バーナ5の火力は、自動的に強火力になる。CPU71は、ブザー回路88に指示を出し、圧電ブザー77の駆動を停止して、異物検出の報知を解除する(S15)。また、CPU71は、操作パネル25の所定のLEDを消灯し、異物検出の報知を解除する。CPU71は、処理をS1に戻す。
CPU71は、標準バーナ6に対してもほぼ同様のガス流量制御処理を実行し、光センサ4E〜4I,4Kの検出信号に基づいて、火力調整機構30に流れるガス流量を制御する。CPU71は、強火力バーナ5及び標準バーナ6が消火されると、各バーナに対応するガス流量制御処理の実行を終了する。
以上説明したように、発光素子41と受光素子44を一つずつ備える光センサ40は、発光素子41側における異物の検出範囲Pが受光素子44側よりも広い特性がある。故に光センサ4Aの配置向きが、仮想線D1に沿い且つ左側から右側を向く方向成分を有し、光センサ4Iの配置向きが、仮想線D2に沿い且つ右側から左側を向く方向成分を有するように、光センサ4Aと光センサ4Iを配置することで、センサ装置4は、光センサ40全体としての異物の検出範囲を広くでき、異物検出の信頼性を高めることができる。
光センサ40は、配置向きの方向において検出範囲Pが広く、配置向きとは直交する方向において、検出範囲Pが狭い特性(第3の特性)がある。故に光センサ40の夫々の配置向きを、検出領域Cにおいて光センサ40が並ぶ左右方向に沿うように配置することで、センサ装置4は、光センサ40全体としての異物の検出範囲をより広くでき、異物検出の信頼性をより高めることができる。
コンロ1は、光センサ40全体としての検出範囲を広く確保したセンサ装置4によって、異物が強火力バーナ5と標準バーナ6に接近する場合に、より確実に、異物の接近を検出することができる。故にコンロ1は、異物の検出時に強火力バーナ5と標準バーナ6の火力を弱めることで、着衣着火等を防止することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。コンロ1は強火力バーナ5及び標準バーナ6を有する、所謂2口ガスコンロを例に挙げたが、強火力バーナ5及び標準バーナ6に加えて小バーナを有する、所謂3口ガスコンロであってもよい。コンロ1はビルトインタイプに限らず、テーブルコンロであってもよいし、ガスの供給がカセット式の小型コンロであってもよい。光センサ4A〜4Iは、検出領域Cにおいて左右方向に並ぶが、並びの方向は左右方向に限らず、前後方向であってもよいし、例えば右前方と左後方を結ぶ斜め方向であってもよい。あるいは、コンロ1の後側に支柱を立て、支柱に沿って上下方向に並べて配置してもよい。また、光センサ4A〜4Iは、例えば左上方と右下方とを結ぶ傾斜方向に沿って並べて配置してもよい。また、光センサ4A〜4Iは、必ずしも直線状や弧状でなくてもよく、例えば波状にうねる方向に沿って並べて配置してもよい。また、光センサ4J,4Kのように、必ずしも全ての光センサ40が並んで配置される必要はない。
光センサ4A〜4Kは、筐体2内でトッププレート3の下側に配置されたが、上下方向の高さが低いセンサであれば、トッププレート3上に配置されてもよい。トッププレート3はガラス板11を用いたものでなくてもよい。光センサ4A〜4Kは、平面視で、筐体2の開口部2Aの外側に配置されてもよい。光センサ40は、赤外光による反射型の測距センサを用いたが、超音波による反射型センサであってもよいし、レーダ電波で異物との距離を検出するセンサであってもよい。
図10(B)に示すように、センサ装置104の光センサ104A〜104Kは、傾けた状態でコンロ101に配置してもよい。前述したように、光センサ40は、発光素子41よりも配置向き側において、異物を検出可能な距離が出射方向に長い特性(第2の特性)を有する。故にコンロ1は、光センサ104A〜104Kの出射方向を配置向きに傾けた状態で配置することによって、図10(A)に示すように、個々の光センサ104A〜104Kの検出範囲Pを、傾ける前の延伸方向に広げることができる。この場合、センサ装置104は、異物検出の信頼性を、より高めることができる。
また、光センサ104A〜104Kを傾けた状態で配置する場合に、検出領域Cにおいて左右方向の両端に位置する光センサ104Aと104Iは、両者間に配置される光センサ104B〜10Hの傾斜角度よりも大きな傾斜角度で傾けてもよい。図10(B)に示すように、光センサ104A,104Iは、出射方向を垂直方向に対して略29度、配置向き側(即ち受光素子44から離れる側)に傾けた状態で配置される。これに対し、光センサ104B,104Hは、垂直方向に対して出射方向を略19度、配置向き側に傾けた状態で配置される。また、光センサ104C,104D,104F,104Gは、垂直方向に対して出射方向を略15度、配置向き側に傾けた状態で配置される。光センサ104Eは,垂直方向に対して出射方向を略11度、配置向き側に傾けた状態で配置される。これにより、センサ装置104は、光センサ104A〜104Kの傾斜角度を一律に同じ角度とした場合と比べ、図10(A)に示すように、光センサ40全体としての検出範囲を水平方向に更に広げることができる。且つ、センサ装置104は、個々の光センサの検出範囲Pが互いに重なる状態を維持することができるので、検出漏れを抑制することができる。故にセンサ装置104は、異物検出の信頼性を、さらに高めることができる。
また、図11に示すように、光センサ240は、赤外光の出射方向が上方を向き、且つ垂直方向に対して強火力バーナ5から離れる側に傾けた状態で、コンロ201に配置されてもよい。強火力バーナ5から離れる側は、コンロ201の前側であれば好ましい。このように配置することで、光センサ240は、より早いタイミングに異物を検出することができる。故に光センサ240は、異物検出の信頼性を高めることができる。また、コンロ201のトッププレート3が通常よりも小さい場合、鍋等の調理容器209を五徳7に載置したときに、光センサ240が鍋底の下方に位置する可能性がある。このような場合であっても、光センサ240の出射方向を強火力バーナ5から離れる側に傾けた状態で配置することによって、光センサ240は異物検出を確実に行うことができる。なお、標準バーナ6についても同様である。
また、図12に示すように、センサ装置304の光センサ304A〜304Hは、左右方向に延びる仮想線D3に沿って直線状に並べて配置してもよい。なお、光センサ304A〜304Dは、配置向きをコンロ301の右方に向け、光センサ304E〜304Hは、配置向きをコンロ301の左方に向けて配置する。センサ装置304は、強火力バーナ5と標準バーナ6前方の検出領域Cに設けることで、強火力バーナ5と標準バーナ6にコンロ301の前方から接近する異物を確実に検出することができる。
また、図13に示すように、センサ装置404とコンロ401は別体に設けてもよい。センサ装置404は、光センサ404A〜404Kを一列に並べて配置したものである。センサ装置404は、光センサ404A〜404Kが左右方向に並ぶ向きで、トッププレート3の前面に取り付ける。なお、光センサ404A〜304Fは、センサ装置404をコンロ401に取り付け後の配置向きがコンロ401の右方を向き、光センサ404G〜404Kは、センサ装置404をコンロ401に取り付け後の配置向きがコンロ401の左方を向く。なお、センサ装置404は、センサ入力回路87と有線により接続してもよいし、無線通信回路等を内蔵し、無線により接続してもよい。無線による接続を行う場合、センサ装置404は磁石や吸盤等を備え、トッププレート3の任意の位置や流し台の任意の位置に配置してもよい。この場合、センサ装置404は、使用者の利便性に合わせた適切な位置に配置することができる。
ガス供給管27は、バイパス管の本数と電磁弁の数を減らして(例えば、1本のバイパス管と1つの電磁弁として)2段階でガス流量を切り替えるものであってもよい。CPU71は、光センサ40によって異物が検出された場合に、電磁弁61,62を閉じ、ガス流量を第1流量から第3流量に低減したが、電磁弁61,62の一方を閉じて、第1流量から第2流量に低減してもよい。あるいは、CPU71は、光センサ40による異物との距離に応じて、ガス流量を第1流量から第2流量を経て段階的に第3流量に低減してもよい。
上記説明において、発光素子41が本発明の「送信部」の一例である。受光素子44が本発明の「受信部」の一例である。赤外光が「検出波」の一例である。光センサ40が「センサ」の一例である。強火力バーナ5、標準バーナ6が本発明の「バーナ」の一例である。光センサ4Aが本発明の「第一センサ」の一例である。光センサ4Iが本発明の「第二センサ」の一例である。出射方向が本発明の「送信方向」の一例である。光センサ4B〜4Hが本発明の「第三センサ」の一例である。ガス供給管27が本発明の「ガス通路」の一例である。電磁弁61,62が本発明の「弁」の一例である。電磁弁回路91が本発明の「弁作動手段」の一例である。S5の処理を行うCPU71が本発明の「制御手段」に相当する。