JP7358989B2 - 永久磁石 - Google Patents

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Description

本発明は、永久磁石に関する。
高性能永久磁石として代表的なR-T-B系永久磁石はその高磁気特性から年々生産量を伸ばしており、各種モータ用、各種アクチュエータ用、MRI装置用など様々な用途に使用されている。ここで、Rは希土類元素のうち少なくとも一種、TはFeまたはFeとCo、Bは硼素である。
現在では、特に磁気異方性の高い永久磁石を得ることを目的として、ThMn12型結晶構造を有する永久磁石の開発が進められている。特に希土類元素としてSmを用いる場合には高性能な永久磁石が得られる。しかしながら、ThMn12型結晶構造は安定性が低い。そのため、ThMn12型結晶構造を有する永久磁石は実用化が困難であった。
例えば、特許文献1には、ThMn12型結晶構造とTbCu型結晶構造との中間的な結晶構造を有する強磁性合金が記載されている。当該強磁性合金は磁気異方性が大きい。また、特許文献2には、Smの一部をZrで置換したThMn12型結晶構造を有する磁性化合物が記載されている。当該磁性化合物は磁気異方性および残留磁束密度が大きい。
国際公開公報第2017/033297号 特開2017-057471号公報
本発明は特に高い保磁力および高い残留磁束密度を有する永久磁石を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明者らはThMn12型結晶構造を有する永久磁石について鋭意研究した結果、永久磁石の組成を特定の組成とすることによって高い保磁力および高い残留磁束密度が得られることを見出した。
第1の観点に係る本発明は、
RおよびTを含む永久磁石であり、
Rは希土類元素であり、Smを必須とし、YおよびGdから選択される1種以上を必須とし、
TはFe単独、もしくはFeおよびCoであり、
R全体に占めるSmの含有量が60at%以上95at%以下であり、YおよびGdの合計含有量が5at%以上35at%以下であり、
ThMn12型結晶構造を有する主相結晶粒子を含むことを特徴とする。
第2の観点に係る本発明は、
RおよびTを含む永久磁石であり、
Rは希土類元素であり、Smを必須とし、YおよびGdから選択される1種以上を必須とし、
TはFe単独、もしくはFeおよびCoであり、
Tの一部がMで置換されており、
MはTi、V、Cr、Mo、W、Zr、Hf、Nb、Ta、Al、Si、Cu、Zn、GaおよびGeから選択される1種以上であり、
R全体に占めるSmの含有量が60at%以上95at%以下であり、YおよびGdの合計含有量が5at%以上35at%以下であり、
ThMn12型結晶構造を有する主相結晶粒子を含むことを特徴とする。
本発明に係る永久磁石は、上記の特徴を有することにより、高い保磁力および高い残留磁束密度が得られる。
本発明に係る永久磁石は、
(R1a/100R2b/100R3c/100)(Fe(100-d)/100Cod/100からなる組成を有し、
R1:Sm
R2:YおよびGdから選択される1種以上
R3:R1およびR2以外の希土類元素から選択される1種以上
M:Ti、V、Cr、Mo、W、Zr、Hf、Nb、Ta、Al、Si、Cu、Zn、GaおよびGeから選択される1種以上であり、
原子数比で
60≦a≦95
5≦b≦35
0≦c≦20
0≦d≦50
10.0≦x≦12.0
0≦y≦2.0
a+b+c=100
10.0≦x+y≦12.0
であってもよい。
0<y≦2.0であってもよく、MはTiおよびVから選択される1種以上であってもよい。
0<c≦20であってもよく、R3はCeおよびPrから選択される1種以上であってもよい。
前記永久磁石を切断した切断面における個々の主相結晶粒子の粒径をDi、前記主相結晶粒子の平均粒径をDvとし、
前記Dvが0.1μm以上20μm以下であってもよく、0.7≦(Di/Dv)≦2.0を満たす主相結晶粒子の面積率が70%以上であってもよい。
以下、本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
本実施形態の永久磁石は、
RおよびTを含む永久磁石であり、Rは希土類元素であり、Smを必須とし、YおよびGdから選択される1種以上を必須とし、TはFe単独、もしくはFeおよびCoであり、R全体に占めるSmの含有量が60at%以上95at%以下であり、YおよびGdの合計含有量が5at%以上35at%以下であり、ThMn12型結晶構造を有する主相結晶粒子を含むことを特徴とする。
本実施形態の永久磁石は、ThMn12型結晶構造であるRT12結晶相を有する結晶粒子を主相結晶粒子とし、ThMn12型結晶構造以外の結晶構造を含んでいてもよい。ThMn12型結晶構造を有しないその他の相は異相とし、異相としては、例えばRT結晶相、RT結晶相、R結晶相、RT結晶相、RT結晶相、R17結晶相、R17結晶相などが挙げられる。また、異相は、RやTの酸化物相を含んでもよく、α-Fe相を含んでもよく、希土類リッチ相を含んでもよい。異相は結晶構造を有しないアモルファスであってもよい。
主相とは、永久磁石の中で最も体積比率の高い相のことである。本実施形態の永久磁石は、永久磁石全体に占めるThMn12型結晶構造であるRT12結晶相を有する結晶粒子の割合、すなわち主相結晶粒子の割合が体積比率で75%以上であり、好ましくは85%以上である。また、主相結晶粒子がThMn12型結晶構造を有すること、および異相の種類は、例えば、SEM-EDS、電子線回折解析、XRD等を用いて確認することができる。
本実施形態に係る永久磁石において、Rは希土類元素であり、Smを必須とし、YおよびGdから選択される1種以上を必須とする。さらに、R全体に占めるSmの含有量が60at%以上95at%以下であり、YおよびGdの合計含有量が5at%以上35at%以下である。YおよびGdを5at%以上35at%以下、添加することで、後述する製造時、特に熱処理時において異常粒成長が抑制されて保磁力が向上し、残留磁束密度(残留磁化)も向上する。ただし、Smが少なすぎる場合には、後述する主相結晶粒子の粒径のばらつきが大きくなり保磁力が低下する。また、YおよびGdの合計含有量が多すぎる場合には、後述する主相結晶粒子の粒径のばらつきが大きくなり保磁力が低下する。


また、RとしてSm、YおよびGd以外の希土類元素を含んでいてもよい。R全体に対するSm、YおよびGd以外の希土類元素の合計含有量は0at%以上20at%以下であることが好ましい。20at%を超える場合には、後述する主相結晶粒子の粒径のばらつきが大きくなり保磁力が低下する。なお、Sm、YおよびGd以外の希土類元素は、CeおよびPrから選択される1種以上であることが好ましい。
本実施形態に係る永久磁石において、TはFe単独、もしくはFeおよびCoである。また、TはFe単独よりもFeおよびCoからなる方が室温での磁気特性が向上するため好ましい。具体的には、T全体におけるCoの含有量が0at%以上50at%以下であることが好ましく、15at%以上30at%以下であることがより好ましい。また、Tの一部がFeおよびCo以外の遷移金属元素(希土類元素を除く)で置換されていてもよいが、T(Fe単独、もしくはFeおよびCo)全体を100at%としてFeおよびCo以外の遷移金属元素(希土類元素を除く)の含有量は3at%以下である。
本実施形態に係る永久磁石は、(R1a/100R2b/100R3c/100)(Fe(100-d)/100Cod/100からなる組成を有し、
R1:Sm
R2:YおよびGdから選択される1種以上
R3:R1およびR2以外の希土類元素から選択される1種以上
原子数比で
60≦a≦95
5≦b≦35
0≦c≦20
0≦d≦50
a+b+c=100
10.0≦x≦12.0
であることが好ましい。
本実施形態に係る永久磁石は上記の組成を有することで、さらに保磁力および残留磁束密度を向上させることができる。特に、0<c≦20であり、R3はCeおよびPrから選択される1種以上であることが好ましい。
本実施形態に係る永久磁石では、10.0≦x≦12.0とする。xが大きすぎると、α-Fe相の存在量が多くなり、保磁力が低下する。xが小さすぎると、ThMn12型結晶構造が得られにくくなり、RT12結晶相以外の異相が増える。そのため、主相(主相結晶粒子)の含有率が低くなりやすく、また、保磁力も低下しやすい。
また、本実施形態に係る永久磁石は、任意の断面における個々の主相結晶粒子の粒径をDi、主相結晶粒子の平均粒径をDvとして、Dvが0.1μm以上20μm以下であり、0.7≦(Di/Dv)≦2.0を満たす主相結晶粒子の面積率が70%以上であることが好ましい。0.7≦(Di/Dv)≦2.0を満たす主相結晶粒子の面積率は80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
Dvが小さいほど保磁力を向上させやすくなる。一方、Dvが小さいほど製造が困難となり製造コストが上昇する傾向にある。また、Dvが大きすぎると保磁力が低下しやすくなる。
0.7≦(Di/Dv)≦2.0を満たす主相結晶粒子とは、平均粒径からの粒径の差が小さい主相結晶粒子である。平均粒径からの粒径の差が小さい主相結晶粒子の面積率が大きいほど、主相結晶粒子の粒径のばらつきが小さいといえる。そして、主相結晶粒子の粒径のばらつきが小さいことにより、保磁力および残留磁束密度をさらに向上させることができる。
0.7≦(Di/Dv)≦2.0を満たす主相結晶粒子の面積率は、主相結晶粒子および主相結晶粒子間に存在する異相が含まれる永久磁石の断面全体に対する面積率である。また、0.7≦(Di/Dv)≦2.0を満たす主相結晶粒子の面積率を算出する上で、任意の断面の大きさは任意であるが、少なくとも100個の主相結晶粒子が含まれる大きさの断面とする。
0.7≦(Di/Dv)≦2.0を満たす主相結晶粒子の面積率の測定方法は任意である。例えばSEM、TEMなどで任意の断面を観察し、個々の主相結晶粒子の粒径Diを測定して0.7≦(Di/Dv)≦2.0を満たす主相結晶粒子の面積率を算出する。なお、個々の主相結晶粒子の粒径Diは円相当径である。ここでの円相当径とは、個々の主相結晶粒子の断面積と同じ面積の円の直径のことである。
以下、本実施形態に係る永久磁石の製造方法について説明する。一般的に永久磁石の製造方法には、焼結法、超急冷凝固法、蒸着法、HDDR法、ストリップキャスト法などがある。以下、超急冷凝固法による製造方法およびストリップキャスト法による製造方法については詳細な説明を行うが、それ以外の製造方法により作製してもよい。
まず、超急冷凝固法による永久磁石の製造方法について説明する。具体的な超急冷凝固法としては、単ロール法、双ロール法、遠心急冷法、ガスアトマイズ法等が存在する。本実施形態では、単ロール法について説明する。
まず、単ロール法による急冷合金薄帯の作製方法について説明する。最初に、所望の組成比を有する原料合金を準備する。原料合金は、Sm、Fe等を本実施形態に係る組成比となるように配合した原料を不活性ガス、望ましくはAr雰囲気下で高周波溶解させ、作製することが出来、その他公知の溶解法により作製する事も出来る。
次に、50kPa以下に減圧したAr雰囲気下の炉中で、原料合金を溶解させて溶湯とし、冷却ロールに対して溶湯を噴射し、急冷薄帯合金を作製する。冷却ロールの材質は任意であり、例えば銅ロールを用いることができる。
急冷合金薄帯は、アモルファス相、アモルファス相と結晶相との混相、結晶相のいずれかの相からなる。そして、アモルファス相は、結晶化処理によって微結晶化される。一般的には、冷却ロールの周速度が大きいほど、アモルファス相が多くなり、結晶化処理後の微結晶の割合が多くなり、Dvが小さくなり、0.7≦(Di/Dv)≦2.0を満たす主相結晶粒子の面積率が大きくなる。本実施形態では、冷却ロールの周速度は10m/sec以上100m/sec以下であることが好ましい。冷却ロールの周速度が低すぎると熱処理前に結晶相が生成しやすくなり、Dvが大きくなり、0.7≦(Di/Dv)≦2.0を満たす主相結晶粒子の面積率が小さくなる傾向にある。また、冷却ロールの周速度が高すぎると溶湯と冷却ロールとの密着性が低下し、溶湯が冷却しにくくなる傾向にある。
急冷合金薄帯に最適な熱処理(結晶化処理)を行う事で、高い磁気特性が発現し、薄帯状の永久磁石(以下、単に急冷薄帯磁石と記載する場合がある)となる。上記の熱処理の条件は任意である。例えば600℃以上1000℃以下で1分間以上維持することにより行うことができる。ここで、熱処理温度が高いほど主相比率が高くなるため好ましい。一方、熱処理温度が高すぎると異常粒成長が生じやすくなり、結晶粒径のばらつきが大きくなりやすくなる。すなわち、熱処理温度は異常粒成長が生じない程度に高いことが好ましい。
原料合金の組成において、Smの一部をYおよびGdから選択される1種以上で置換することにより、熱処理温度が高くても異常粒成長が抑制される。そして、0.7≦(Di/Dv)≦2.0を満たす主相結晶粒子の面積率が大きく、特に保磁力が優れた急冷薄帯磁石を得ることができる。
RがSmのみからなる場合には、高温(900~1000℃程度)で熱処理を行うと、数μm程度になるまで異常粒成長した主相結晶粒子および結晶粒径が数十~数百nm程度である主相結晶粒子が混在する微細構造となる傾向にある。このように主相結晶粒子の結晶粒径のばらつきが大きいと、本来の保磁力よりも小さい磁場で磁化反転が始まり、保磁力の低下要因となる。また異相が生成しやすくなり、主相比率が下がることで残留磁化が低下する。これに対し、Smの一部をYおよびGdから選択される1種以上で置換した場合には、異常粒成長が生じにくく、均一な微結晶からなる微細構造となりやすい。
また、得られた急冷薄帯磁石からバルク状の永久磁石を作製することができ、作製方法は目的とする永久磁石の用途や形状などにより適宜選択することができる。例えば焼結による方法および熱間成形による方法などがある。あるいは樹脂バインダーで固化成形することでボンド磁石とすることもできる。
以下、熱間加工によるバルク状の永久磁石の製造方法について説明する。熱間加工によりバルク状の永久磁石を作製する場合には、結晶粒径が数十~数百nmの微細な主相結晶粒子からなる永久磁石の粉末を用いることが望ましい。まず、上記の急冷薄帯磁石を粉砕して永久磁石の粉末を得る。粉砕は粗粉砕および微粉砕の2段階で行うことが好ましいが、微粉砕のみの1段階としてもよい。なお、以下の記載では、永久磁石の粉末のことを単に粗粉末または微粉末と呼ぶ場合もある。
粗粉砕の方法は任意である。例えば、ボールミル、スタンプミル、ジョークラッシャー、ブラウンミル等を用いる方法があり、水素粉砕処理による方法もある。いかなる方法を用いる場合においても、粉砕粒径が数十~数百μm程度となるように粉砕して粗粉末を得ることは共通している。
微粉砕の方法も任意である。例えば、ジェットミルを用いて乾式粉砕する方法や、ビーズミルを用いて湿式粉砕する方法等がある。また、乾式粉砕した後にさらに湿式粉砕する方法もある。微粉砕は酸化や窒化による磁気特性の劣化を防ぐため、不活性雰囲気下で行うことが特に好ましい。最終的に粉砕粒径が数μmから20μm程度の微粉末とする。
特にジェットミルを用いて乾式粉砕する際には、粉砕後の微粉末表面の活性が非常に高いため、粉砕された微粉末同士の再凝集や容器壁への付着が起こりやすく、収率が低下しやすい。そのため、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸アミド等の粉砕助剤を添加することが好ましい。粉砕助剤の添加量は目的とする微粉末の粒径や粉砕助剤の種類等によっても変化するが、概ね0.1質量%以上1質量%以下とすることが好ましい。また、ジェットミルを用いて乾式粉砕する場合には、分級機付きの装置を用いることが好ましい。分級機付きの装置を用いることにより、粗大な粉末や超微細な粉末の除去、および再粉砕が可能になり、粉砕粒径のばらつきを小さくしやすくなる。
次に、微粉末を圧粉し、圧粉体を得る。圧粉方法は任意であり通常用いられている方法を用いることができる。例えば、金型に微粉末を装入し、プレス機を用いて圧縮する方法がある。
次に圧粉体を焼結し、焼結体を得る。焼結の方法は任意であり通常用いられている方法を用いることができる。たとえば、放電プラズマ焼結法(SPS法)、高周波加熱によるホットプレスによる方法、および、集光加熱によるホットプレスによる方法が挙げられる。放電プラズマ焼結法(SPS法)、高周波加熱によるホットプレスによる方法、および、集光加熱によるホットプレスによる方法は、所望の焼結温度まで急速に圧粉体を昇温できるために昇温過程で主相結晶粒子が粗大化することを防止できる点で好ましい。特に、SPS法により焼結する方法を用いる場合には、比較的低温で焼結可能である。したがって、SPS法により焼結する方法を用いる場合には、主相結晶粒子が比較的、粒成長しにくく、製造安定性が高い。
焼結温度は合金組成等により適宜選択すればよい。通常は650℃~750℃とすることが好ましく、700℃~750℃とすることがより好ましい。650℃以上とすることで焼結時間を短縮しやすくなり、700℃以上とすることでさらに焼結時間を短縮しやすくなる。750℃以下とすることで焼結中に主相結晶粒子が粗大化することを防止しやすくなる。
焼結中に圧粉体が膨張により変形することを防止するため、圧粉体を装入した金型の蓋を100MPa~500MPaで加圧しておくことが好ましい。100MPa以上とすることで膨張による変形を防止することができる。500MPa以下とすることで焼結中に上記の加圧により圧粉体が塑性変形することを防止することができる。焼結時の雰囲気は、不活性ガス(例えばArガス)雰囲気とすることが好ましい。
次に、得られた焼結体を700℃~1000℃で圧縮する熱間加工を行い、熱間加工磁石を得る。熱間加工温度を700℃以上とすることで、焼結体が変形しやすくなり、容易に圧縮させやすくなる。その結果、磁化容易軸が圧縮方向に平行な方向に配向し、高い異方性を有する熱間加工磁石を得ることができる。一方、熱間加工温度を1000℃以下とすることで、主相結晶粒子の粗大化を防止でき、保磁力および残留磁束密度を高く維持できる。また、焼結体の過度な変形を防止でき、焼結体を圧縮変形する際の破損を防止できる。熱間加工温度は800℃~900℃とすることがより好ましい。熱間加工時の雰囲気は、不活性ガス(例えばArガス)雰囲気とすることが好ましい。
次に、ストリップキャスト法による永久磁石の製造方法、および異方性の焼結磁石の製造方法について説明する。
焼結によりバルク状の永久磁石を作製する場合には、上記の急冷薄帯磁石の微粉末を用い、既知の方法にて等方性の焼結磁石を作製することができる。
しかし、超急冷凝固法により作製される結晶粒径が数十~数百nmの微細な主相結晶粒子を持つ微粉末は磁区構造が多磁区となりやすい。したがって、結晶粒径が数十~数百nmの微細な主相結晶粒子を持つ微粉末を用いる場合には、当該微粉末を磁場中で成形する工程を経て異方性の焼結磁石を作製することは困難である。代わりに、結晶粒径が概ね1μm以上の大きな主相結晶粒子を持つ微粉末を用いることが望ましい。結晶粒径が概ね1μm以上の大きな主相結晶粒子を持つ微粉末は、例えばストリップキャスト法により作製される。
最初に、所望の組成比を有する溶湯を準備する。溶湯は、Sm、Fe等を本実施形態に係る組成比となるように配合した原料を不活性雰囲気(例えば、真空またはAr雰囲気)下で高周波溶解させて作製することが出来る。なお、溶湯の作製方法は上記の方法に限られず、その他公知の溶解法により作製する事も出来る。
次に、任意の材質からなる冷却ロール(例えば、銅ロール)に対して溶湯を傾注することで急冷し、そのまま破砕して回収する。溶湯を傾注する前の冷却ロールの温度を例えば200~600℃の範囲内で制御することにより冷却速度を変更することが可能である。冷却ロールの周速度は任意であるが、上記の超急冷凝固法より遅い冷却速度とすることで、超急冷凝固法で作製する永久磁石よりも大きな結晶粒径とすることができる。
次に、破砕回収して得られた合金に熱処理を行い、組織を均一にしたり所望の結晶相を生成したりすることが可能である。熱処理条件は任意であるが、例えば不活性雰囲気(真空またはAr雰囲気)下、800℃以上1300℃以下で行う。
次に粉砕を行う。粉砕は粗粉砕および微粉砕の二段階粉砕としてもよく、微粉砕のみの一段階粉砕としてもよい。
粗粉砕の方法は任意である。例えば、ボールミル、スタンプミル、ジョークラッシャー、ブラウンミル等を用いて粗粉砕してもよく、水素吸蔵粉砕を行ってもよい。水素吸蔵粉砕の場合には、水素を吸蔵させ、その後、不活性雰囲気下で加熱することで水素を放出させ、粗粉砕することができる。粗粉砕により、粉砕粒径が数十~数百μm程度になるまで粉砕する。
微粉砕の方法も任意である。例えば、ジェットミルを用いて乾式粉砕する方法や、ビーズミルを用いて湿式粉砕する方法等がある。また、乾式粉砕した後にさらに湿式粉砕する方法もある。微粉砕は酸化や窒化による磁気特性の劣化を防ぐため、不活性雰囲気下で行うことが特に好ましい。最終的に粉砕粒径が数μmから20μm程度の微粉末とする。
以上の工程を経て結晶粒径が概ね1μm以上である大きな主相結晶粒子を持つ微粉末を得ることができる。
次に、焼結後に異方性の焼結磁石を得る場合には、得られた微粉末を磁場中で成形して成形体を作製する。具体的には、微粉末を電磁石中に配置された金型内に充填した後に電磁石により磁場を印加して微粉末の結晶軸を配向させながら加圧して成形し、所望の形状の成形体とする。磁場の大きさは任意であるが、例えば1.0T~1.5T程度とする。加圧時の圧力の大きさは任意であるが、例えば50MPa~200MPa程度とする。なお、成形工程で磁場を印加しない場合には、焼結後に等方性の焼結磁石を得ることができる。
次に、得られた成形体を焼結して焼結体(焼結磁石)を得る。焼結方法は任意であるが、本実施形態では微粉末の粒度分布を小さく維持したまま、焼結することが重要である。すなわち微粉末における結晶粒径のばらつきを小さく維持したまま、焼結することが重要である。そのため、焼結時の雰囲気は不活性雰囲気とし、焼結温度は900℃~1200℃程度とすることが好ましい。900℃~1100℃程度としてもよい。焼結時間は0.05時間~10時間程度とすることが好ましい。焼結温度を上記の範囲内とし、焼結時間を上記のような時間とすることにより、主相結晶粒子の粒成長を抑制し、粒径のばらつきを小さくし、保磁力および残留磁束密度が高い異方性の焼結磁石を得ることができる。焼結温度が低すぎる場合および/または焼結時間が短すぎる場合には焼結磁石の密度が低下し、残留磁束密度が著しく低下する傾向にある。焼結温度が高すぎる場合および焼結時間が長すぎる場合には主相結晶粒子の粒成長が過剰に促進され、粒径のばらつきが大きくなる。さらに、ThMn12型結晶構造が分解する場合がある。そして、保磁力および/または残留磁束密度が低下する傾向にある。なお、上記の磁場配向成形を行う場合には、磁場配向成形を行わない場合と比較して、残留磁束密度が向上する傾向にある。
なお、粉砕から焼結までの各工程は、不活性雰囲気(例えば真空またはAr雰囲気)下で行うことが好ましい。不活性雰囲気下で行うことで合金中の希土類元素の酸化および窒化を防止しやすくなる。希土類元素の酸化物または窒化物が生成してしまうと、主相結晶粒子の体積比率が低下し、残留磁束密度が低下してしまう。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について説明するが、第1実施形態と共通する部分については説明を省略する。
本実施形態の永久磁石は、
RおよびTを含む永久磁石であり、Rは希土類元素であり、Smを必須とし、YおよびGdから選択される1種以上を必須とし、TはFe単独、もしくはFeおよびCoであり、Tの一部がMで置換されており、MはTi、V、Cr、Mo、W、Zr、Hf、Nb、Ta、Al、Si、Cu、Zn、GaおよびGeから選択される1種以上であり、R全体に占めるSmの含有量が60at%以上95at%以下であり、YおよびGdの合計含有量が5at%以上35at%以下であり、ThMn12型結晶構造を有する主相結晶粒子を含むことを特徴とする。
第1実施形態との違いは、Tの一部がMで置換されていることである。Tの一部をMで置換することで、主相結晶粒子に含まれるThMn12型結晶構造が安定化し、ThMn12型結晶構造の単相が得やすくなる効果を有する。そして、特に焼結磁石や熱間加工磁石を製造する際にThMn12型結晶構造が分解することを抑制する効果を有する。
MはTi、V、WおよびNbから選択される1種以上であることが好ましく、MはTiおよびVから選択される1種以上であることがさらに好ましく、MはTiであることが最も好ましい。
本実施形態に係る永久磁石は、(R1a/100R2b/100R3c/100)(Fe(100-d)/100Cod/100からなる組成を有し、
R1:Sm
R2:YおよびGdから選択される1種以上
R3:R1およびR2以外の希土類元素から選択される1種以上
M:Ti、V、Cr、Mo、W、Zr、Hf、Nb、Ta、Al、Si、Cu、Zn、GaおよびGeから選択される1種以上であり、
原子数比で
60≦a≦95
5≦b≦35
0≦c≦20
0≦d≦50
10.0≦x<12.0
0<y≦2.0
a+b+c=100
10.0≦x+y≦12.0
であることが好ましい。
本実施形態に係る永久磁石は上記の組成を有することで、さらに保磁力および残留磁束密度を向上させることができる。また、0<y≦2.0とし、MをTiおよびVから選択される1種以上とすることで磁気特性を向上させやすくなる。
本実施形態に係る永久磁石では、10.0≦x+y≦12.0とする。x+yが大きすぎると、α-Feの存在量が多くなり、保磁力が低下する。x+yが小さすぎると、ThMn12型結晶構造が得られにくくなり、RT12結晶相以外の異相が増える。そのため、主相(主相結晶粒子)の含有率が低くなりやすく、また、保磁力も低下しやすい。
また、Tの一部がFe、CoおよびM以外の遷移金属元素(希土類元素を除く)で置換されていてもよいが、T(Fe単独、もしくはFeおよびCo)とMの合計を100at%として、Fe、CoおよびM以外の遷移金属元素(希土類元素を除く)の含有量は3.0at%以下である。
なお、上記した第1実施形態に係る永久磁石の好ましい組成と第2実施形態に係る永久磁石の好ましい組成とを組み合わせると下記の組成となる。
(R1a/100R2b/100R3c/100)(Fe(100-d)/100Cod/100
R1:Sm
R2:YおよびGdから選択される1種以上
R3:R1およびR2以外の希土類元素から選択される1種以上
M:Ti、V、Cr、Mo、W、Zr、Hf、Nb、Ta、Al、Si、Cu、Zn、GaおよびGeから選択される1種以上であり、
原子数比で
60≦a≦95
5≦b≦35
0≦c≦20
0≦d≦50
10.0≦x≦12.0
0≦y≦2.0
a+b+c=100
10.0≦x+y≦12.0
以下、本発明の内容を実施例及び比較例を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実験例1:急冷薄帯磁石)
実験例1にかかる急冷薄帯磁石の製造方法について説明する。まず、Sm、Fe等を含む原料粉末を、最終的に得られる急冷薄帯磁石が表1にある組成比となるように配合した。次に、Ar雰囲気中、アーク溶解で合金インゴットを作製し、スタンプミルを用いて小片化した。その後、単ロール法を行い、該小片から各実施例および比較例の組成を有する急冷合金薄帯を得た。具体的には、30kPaに減圧したAr雰囲気下で高周波溶解して溶湯を得て、その後、当該浴湯を周速80m/secの銅ロールに噴射して急冷した。そして、900℃で10分間熱処理を施した。また、実施例14については、熱処理条件を1200℃で5分間とした。
次に得られた急冷薄帯磁石に対して粗粉砕を行った。粗粉砕はボールミルにより行い、粉砕粒径が数十~数百μmの粗粉末を得た。
そして、得られた粗粉末について、VSMを用いて、保磁力HcJ、残留磁化σrを測定した。結果を表1に示す。なお、実験例1では、保磁力HcJは2.8kOeを超える場合を良好とした。残留磁化σrは30emu/g以上である場合を良好とした。
本実験例では、主相結晶粒子の平均粒径Dvおよび0.7≦(Di/Dv)≦2.0を満たす主相結晶粒子の面積率については少なくとも100個の主相結晶粒子についてSEMを用いて個々の粒径を測定し、測定結果より算出した。
本実験例では、全ての実施例および比較例について、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS法)により組成分析を行った。その結果、いずれの急冷薄帯磁石も表1に記載の組成となっていることを確認した。また、X線回折法(XRD)を用いて主相結晶粒子の結晶構造を確認した。その結果、いずれの実施例及び比較例においても主相結晶粒子がThMn12型結晶構造を有することを確認した。
Figure 0007358989000001
表1より、所定の範囲内の組成を有する実施例1~14、実施例Aおよび実施例Bの粗粉末は保磁力HcJおよび残留磁化σrが良好となった。これに対し、所定の範囲外の組成を有する比較例1~4、比較例Aおよび比較例Bの粗粉末は保磁力HcJが実施例と比べて低下した。
さらに、熱処理条件以外は同条件で実施した実施例2と実施例14とを比較する。実施例2と実施例14とでは熱処理条件が異なることにより、0.7≦(Di/Dv)≦2.0を満たす主相結晶粒子の面積率が異なった。そして、0.7≦(Di/Dv)≦2.0を満たす主相結晶粒子の面積率が80%以上(96%)である実施例2は、0.7≦(Di/Dv)≦2.0を満たす主相結晶粒子の面積率が80%未満(70%)である実施例14と比較して残留磁化σrおよび保磁力HcJが優れていた。
(実験例2:熱間加工磁石)
上記実験例1の実施例Aについて得られた粗粉末に対して粉砕助剤としてオレイン酸アミドを0.5質量%添加して混合した後に、ジェットミルを用いて微粉砕を行った。ジェットミルの分級条件を変えることにより、微粉末の粉砕粒径が数μm程度となるようにした。なお、微粉砕におけるAr雰囲気中の酸素濃度は100ppm以下となるようにした。
次に、得られた微粉末を金型に挿入し、圧粉体を得た。得られた圧粉体に対して、高周波加熱によるホットプレス法で焼結し、焼結体を得た。焼結温度は750℃とし、焼結中は、Ar雰囲気下で行った。また、焼結中は、圧粉体を500MPaで加圧した。
次に、得られた焼結体に対して、表2に示す加工温度で加熱しながら圧縮する熱間加工を行い、熱間加工磁石を得た。そして、得られた熱間加工磁石(下記表2の実施例16~18について、密度を測定して相対密度を算出した後、パルスBHトレーサーを用いて磁気特性を測定した。さらに、平均粒径Dvおよび0.7≦(Di/Dv)≦2.0を満たす主相結晶粒子の面積率は、得られた熱間加工磁石を切断した断面において100個以上の主相結晶粒子が見える大きさの観察範囲を設定してSEMを用いて観察することで算出した。本実験例では、H⊥およびH//は共に3.0kOe以上である場合を良好とした。Br⊥およびBr//は共に7.0kG以上を良好とした。なお、相対密度とは、熱間加工磁石の組成および格子定数から算出される理論密度を100%とした場合において、実際に重量と磁石体積から測定した密度の比率である。
Figure 0007358989000002
表2より、所定の範囲内の組成を有する実施例16~18の熱間加工磁石は主相粒子の平均粒径Dvおよび0.7≦(Di/Dv)≦2.0を満たす主相結晶粒子の面積率が良好な範囲内であり、保磁力および残留磁束密度が良好となった。さらに、0.7≦(Di/Dv)≦2.0を満たす主相結晶粒子の面積率が90%以上である実施例16は90%未満である実施例17、18と比較して保磁力が高かった。さらに、残留磁束密度の配向性(異方性)が小さかった。なお、実施例17の方が実施例16、18よりもDvが大きく0.7≦(Di/Dv)≦2.0を満たす主相結晶粒子の面積率が低いのは、加工温度が高いために一部の主相結晶粒子同士が結合するためであると考えられる。なお、実験例1における実施例A以外の実施例の粗粉末についても同様にして組成が同一であり平均粒径Dvおよび0.7≦(Di/Dv)≦2.0を満たす主相結晶粒子の面積率が互いに異なる熱間加工磁石を作製したところ、実施例16~18と同様の傾向を示した。
(実験例3:焼結体)
上記実験例1の実施例Aと同一の組成の永久磁石をストリップキャスト法により作製した合金を用いて作製した。
最初に、実験例1の実施例2と同一の組成比となるように配合した原料を不活性雰囲気下で高周波溶解させて、溶湯を作製した。次に、周速1.5m/sの銅ロールに対して溶湯を傾注することで急冷し、そのまま破砕して回収した。
次に、破砕回収して得られた合金に、Ar雰囲気下、1000℃、1時間の熱処理を行った。
次に、粗粉砕および微粉砕を行った。粗粉砕は水素粉砕処理により行った。具体的には、水素を吸蔵させた後にAr雰囲気下で500℃、1時間の脱水素を行った。その後、Ar雰囲気下で室温まで冷却し、粗粉末を得た。
微粉砕は、得られた粗粉末に対して粉砕助剤としてオレイン酸アミドを0.5質量%添加して混合した後に、ジェットミルを用いて微粉砕を行った。ジェットミルの粉砕条件、および分級条件を変えることにより、下記表3の実施例21では粉砕粒径が数μm程度となるように、実施例Cでは粉砕粒径が十数μm程度となるようにした。なお、粗粉砕および微粉砕におけるAr雰囲気中の酸素濃度は100ppm以下となるようにした。
次に、得られた微粉末を成形した。具体的には、微粉末を電磁石中に配置された金型内に充填した後に電磁石により磁場を印加しながら加圧することで、微粉末の結晶軸を配向させながら加圧成形を行い、10mm×15mm×12mmの成形体を得た。磁場の大きさは1.5T、圧力の大きさは70MPaとした。
次に、得られた成形体を焼結した。本実験例では、焼結保持温度1200℃、保持時間4時間で行った。そして、得られた焼結体(下記表3の実施例21および実施例C)について、配向方向における保磁力HcJと残留磁束密度BrについてパルスBHトレーサーを用いて測定した。さらに、相対密度を測定した。平均粒径Dvおよび0.7≦(Di/Dv)≦2.0を満たす主相結晶粒子の面積率は、得られた焼結体を切断した断面において100個以上の主相結晶粒子が見える大きさの観察範囲を設定してSEMを用いて観察することで算出した。本実験例では、配向方向における保磁力HcJは3.0kOe以上である場合を良好とした。配向方向における残留磁束密度Brは10.0kG以上である場合を良好とした。なお、相対密度とは、焼結体の組成および格子定数から算出される理論密度を100%とした場合において、実際に重量と磁石体積から測定した密度の比率である。
本実験例では、誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS法)により組成分析を行った。その結果、実施例21および実施例Cの焼結体は表3に記載の組成となっていることを確認した。また、X線回折法(XRD)を用いて焼結体の主相結晶粒子の結晶構造を確認した。その結果、どちらの実施例においても主相結晶粒子がThMn12型結晶構造を有することを確認した。
Figure 0007358989000003
表3より、所定の範囲内の組成を有する実施例21および実施例Cの焼結体は主相粒子の平均粒径Dvおよび0.7≦(Di/Dv)≦2.0を満たす主相結晶粒子の面積率が良好な範囲内であり、保磁力HcJおよび残留磁束密度Brが良好となった。平均粒径Dvが比較的小さく、0.7≦(Di/Dv)≦2.0を満たす主相結晶粒子の面積率が90%以上である実施例21は、平均粒径Dvが比較的大きく、0.7≦(Di/Dv)≦2.0を満たす主相結晶粒子の面積率が90%未満である実施例Cと比較して高い磁気特性が得られた。なお、実験例1における実施例A以外の実施例についても、同様にして組成が同一であり平均粒径Dvおよび0.7≦(Di/Dv)≦2.0を満たす主相結晶粒子の面積率が互いに異なる焼結体を作製したところ、実施例21および実施例Cと同様の傾向を示した。
(実験例4:SPS法による焼結で得られる焼結体)
上記実験例1の実施例2と同一の組成の永久磁石をSPS法による焼結を行い、作製した。
最初に、上記実験例1の実施例2と同一の組成の粗粉末を作製した。粗粉末の作製方法は実験例1と同一である。
次に、得られた粗粉末をカーボン型に挿入し、SPS法による焼結を行った。圧力500MPa、保持時間5分とした。焼結温度を表4に示すように変化させた。
SPS法による焼結で得られた焼結体の相対密度、磁気特性、平均粒径Dv、および、0.7≦(Di/Dv)≦2.0を満たす主相結晶粒子の面積率を測定した。測定方法は実験例2と同一である。なお、実験例4では、HcJは3.0kOe以上である場合を良好とした。Brは6.0kG以上である場合を良好とした。結果を表4に示す。
Figure 0007358989000004
表4より、所定の範囲内の組成を有する実施例31~33のSPS法による焼結で得られた焼結体主相粒子の平均粒径Dvおよび0.7≦(Di/Dv)≦2.0を満たす主相結晶粒子の面積率が良好な範囲内であり、保磁力および残留磁束密度が良好となった。なお、実験例1における実施例2以外の実施例の粗粉末についても同様にして組成が同一であり焼結温度が互いに異なる焼結体をSPS法による焼結で作製したところ、実施例31~33と同様の傾向を示した。

Claims (5)

  1. RおよびTを含む永久磁石であり、
    Rは希土類元素であり、Smを必須とし、YおよびGdから選択される1種以上を必須とし、
    TはFe単独、もしくはFeおよびCoであり、
    R全体に占めるSmの含有量が60at%以上95at%以下であり、YおよびGdの合計含有量が5at%以上35at%以下であり、
    ThMn12型結晶構造を有する主相結晶粒子を含み、
    前記永久磁石を切断した切断面における個々の主相結晶粒子の粒径をDi、前記主相結晶粒子の平均粒径をDvとし、
    前記Dvが0.1μm以上20μm以下であり、0.7≦(Di/Dv)≦2.0を満たす主相結晶粒子の面積率が80%以上であることを特徴とする永久磁石であって、
    焼結磁石または熱間加工磁石である永久磁石。
  2. RおよびTを含む永久磁石であり、
    Rは希土類元素であり、Smを必須とし、YおよびGdから選択される1種以上を必須とし、
    TはFe単独、もしくはFeおよびCoであり、
    Tの一部がMで置換されており、
    MはTi、V、Cr、Mo、W、Zr、Hf、Nb、Ta、Al、Si、Cu、Zn、GaおよびGeから選択される1種以上であり、
    R全体に占めるSmの含有量が60at%以上95at%以下であり、YおよびGdの合計含有量が5at%以上35at%以下であり、
    ThMn12型結晶構造を有する主相結晶粒子を含み、
    前記永久磁石を切断した切断面における個々の主相結晶粒子の粒径をDi、前記主相結晶粒子の平均粒径をDvとし、
    前記Dvが0.1μm以上20μm以下であり、0.7≦(Di/Dv)≦2.0を満たす主相結晶粒子の面積率が80%以上であることを特徴とする永久磁石であって、
    焼結磁石または熱間加工磁石である永久磁石。
  3. (R1a/100R2b/100R3c/100)(Fe(100-d)/100Cod/100xyからなる組成を有し、
    R1:Sm
    R2:YおよびGdから選択される1種以上
    R3:R1およびR2以外の希土類元素から選択される1種以上
    M:Ti、V、Cr、Mo、W、Zr、Hf、Nb、Ta、Al、Si、Cu、Zn、GaおよびGeから選択される1種以上であり、
    原子数比で
    60≦a≦95
    5≦b≦35
    0≦c≦20
    0≦d≦50
    10.0≦x≦12.0
    0≦y≦2.0
    a+b+c=100
    10.0≦x+y≦12.0
    である請求項1または2に記載の永久磁石。
  4. 0<y≦2.0であり、MはTiおよびVから選択される1種以上である請求項3に記載の永久磁石。
  5. 0<c≦20であり、R3はCeおよびPrから選択される1種以上である請求項3または4に記載の永久磁石。
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