JP7351244B2 - 合わせガラス、合わせガラスの製造方法、調光装置、調光セル及び調光装置用積層体 - Google Patents

合わせガラス、合わせガラスの製造方法、調光装置、調光セル及び調光装置用積層体 Download PDF

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Description

本開示の実施形態は、合わせガラス、合わせガラスの製造方法、調光装置、調光セル及び調光装置用積層体に関する。
従来、窓等の透光部材と組み合わせて用いられ、外来光の透過量を制御する電子ブラインドに利用可能な調光部材や、このような調光部材を用いた調光装置等が提案されている。これら調光部材の一つとして、液晶層を備えた調光フィルムが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。この液晶フィルムは、透明電極を含む透明な樹脂製の基材により液晶材料を挟持し、これをさらに直線偏光板により挟持する等して作成される。そして、液晶フィルムは、透明電極間に印加する電界を変化させることにより液晶の配向を変化させ、外来光の透過量を制御することができる。
特許第6135816号 特開2017-187810号公報
調光フィルムを挟み込んだ合わせガラスを製造する手法として、例えば、中間膜を挟んで構成される従来の合わせガラスと同様の手法を適用することが考えられる。具体的には、調光フィルムを中間膜で覆った積層体を、一対のガラス板で挟んで加熱及び加圧する手法である。
しかし、合わせガラスの表面に加える圧力を理想的に均一にすることは難しく、圧力が不均一になることで、合わせガラスを構成する各部材が均一に圧着されないという課題があった。合わせガラスに加える圧力が不均一になると、調光フィルム内で液晶が移動して、液晶が局所的に偏在してしまう。調光フィルム内で液晶の偏在が生じると、外観不良となるだけでなく、調光性能が低下する。そのため、調光フィルムを挟み込んだ合わせガラスにおいては、液晶の偏在を抑制することが望まれていた。
本実施形態は、液晶の偏在を抑制可能な合わせガラス及び合わせガラスの製造方法を提供する。
また、液晶フィルムを自動車のルーフウィンドウ、サイドウィンドウ等に利用可能な調光部材とする場合には、液晶フィルムを、中間膜を介して一対のガラスで挟み、合わせガラスとすることが好適である。しかしながら、液晶フィルムを挟み込んだ合わせガラスでは、各部材を一体に圧着する際にその表面にかかる圧力が均一でない場合や、使用するガラスや中間膜の形状が上下で一致しない場合、中間膜や液晶フィルムにシワが生じた場合等、液晶の不均一な分布により、局所的に液晶が多く存在する現象である液晶だまりが生じやすく、調光機能を有する合わせガラスとしての品質や外観が低下するという問題がある。
本実施形態は、面内で液晶を均一に分散させ、局所的に液晶が多く存在する現象である液晶だまりの発生を抑制することが可能な、調光装置、調光セル及び調光装置用積層体を提供する。
本開示の一実施形態による合わせガラスは、第1ガラス板と、前記第1ガラス板と対向して配置される第2ガラス板と、前記第1ガラス板と前記第2ガラス板との間に設けられる調光フィルムと、前記調光フィルムの前記第2ガラス板側の面に積層される緩衝体と、前記第1ガラス板と前記調光フィルムとの間に設けられる第1中間膜と、前記第2ガラス板と前記緩衝体との間に設けられる第2中間膜と、を備え、前記緩衝体と前記調光フィルムとの間には、空間部が形成されている。
本開示の一実施形態による合わせガラスにおいて、前記緩衝体と前記調光フィルムとの間に、複数のスペーサーが設けられても良い。
本開示の一実施形態による合わせガラスにおいて、前記緩衝体は、紫外線吸収、遮熱、遮音、反射防止、超複屈折のうちの少なくとも一つの機能を有する機能性フィルムであっても良い。
本開示の一実施形態による合わせガラスにおいて、前記緩衝体は、透明スクリーンの機能を有するフィルムであっても良い。
本開示の一実施形態による合わせガラスにおいて、前記緩衝体は、調光フィルムであっても良い。
本開示の一実施形態による合わせガラスにおいて、前記緩衝体の融点は、前記第1中間膜及び前記第2中間膜の軟化点よりも高くても良い。
本開示の一実施形態による合わせガラスにおいて、前記調光フィルムは、一対の積層体により液晶層を挟持しており、少なくとも一方の積層体に設けられた電極の駆動により、前記液晶層における液晶分子の配向を制御して、前記調光フィルムを透過する透過光の光量を調節可能であっても良い。
本開示の一実施形態による合わせガラスの製造方法は、第1ガラス板の上に第1中間膜を積層する工程と、前記第1中間膜の上に調光フィルムを積層する工程と、前記調光フィルムの表面に第1緩衝体を相対的に移動可能に積層する工程と、前記第1緩衝体の上に第2中間膜を積層する工程と、前記第2中間膜の上に第2ガラス板を積層する工程と、前記第1ガラス板、前記第1中間膜、前記調光フィルム、前記第1緩衝体、前記第2中間膜及び前記第2ガラス板からなる積層体を、加熱及び加圧する工程と、を備える。
本開示の一実施形態による合わせガラスの製造方法において、前記第1中間膜の上に調光フィルムを積層する工程は、前記第1中間膜と前記調光フィルムとの間に第2緩衝体を、前記調光フィルムに対して相対的に移動可能に配置する工程を含んでも良い。
本開示の実施形態によれば、液晶の偏在を抑制可能な合わせガラス及び合わせガラスの製造方法を提供できる。
本開示の一実施形態による調光装置は、第1ガラス板と、第2ガラス板と、前記第1ガラス板と前記第2ガラス板との間に配置された調光セルと、前記第1ガラス板と前記調光セルとの間に配置された第1中間膜と、前記第2ガラス板と前記調光セルとの間に配置された第2中間膜と、を備え、前記調光セルと前記第1中間膜との間に、フィルムが配置され、前記調光セルと前記フィルムとの間に、空隙層又は流動性樹脂層が設けられている。
本開示の一実施形態による調光装置において、前記調光セルと前記フィルムとの間の前記空隙層に、スペーサーが配置されていても良い。
本開示の一実施形態による調光装置において、前記調光セルと前記第2中間膜との間に、追加のフィルムが配置され、前記調光セルと前記追加のフィルムとの間に、空隙層又は流動性樹脂層が設けられていても良い。
本実施形態による調光装置において、前記調光セルと前記フィルムとの間と、外気とを連通する連通孔が設けられていても良い。
本開示の一実施形態による調光装置において、前記調光セルの一部と前記フィルムの一部とによって延長部が形成され、前記延長部は、平面視で前記第1ガラス板及び前記第2ガラス板の外方に延び、前記連通孔は、前記延長部に形成されていても良い。
本開示の一実施形態による調光装置において、前記連通孔は密封されていても良い。
本実施形態による調光装置において、前記調光セルの周縁と前記フィルムの周縁とが、シール材により互いに接着されていても良い。
本開示の一実施形態による調光セルは、第1基材と、第1透明電極と、第2透明電極と、第2基材と、前記第1透明電極と前記第2透明電極との間に配置された液晶層と、を備え、前記第1基材は、外方に突出する突出片を有する。
本開示の一実施形態による調光装置用積層体は、第1基材と、第1透明電極と、第2透明電極と、第2基材と、前記第1透明電極と前記第2透明電極との間に配置された液晶層とを有する、調光セルと、前記調光セルにシール材によって接着されたフィルムとを備え、前記調光セルと前記フィルムとの間に、空隙層又は流動性樹脂層が設けられている。
本開示の一実施形態によれば、面内で液晶を均一に分散させ、局所的に液晶が多く存在する現象である液晶だまりの発生を抑制することができる。
第1実施形態における合わせガラスの構成を示す図である。 調光フィルムの層構成を示す断面図である。 第1実施形態における合わせガラスの製造工程を示す図である。 第1実施形態における合わせガラスの製造工程を示す図である。 第2実施形態における合わせガラスの一部を示す拡大図である。 変形形態における緩衝体の構成の一例を示す図である。 第3実施形態による調光装置を示す斜視図である。 第3実施形態による調光装置を示す断面図である。 第3実施形態による調光装置を示す分解斜視図である。 第3実施形態による調光セルの製造方法を示す断面図である。 第3実施形態による調光セルの製造方法を示す断面図である。 第3実施形態による調光装置の製造方法を示す断面図である。 第3実施形態による調光装置の作製後、調光セルの液晶だまりが解消する際の作用を示す断面図である。 第3実施形態の第1の変形例による調光装置を示す断面図である。 第3実施形態の第2の変形例による調光装置を示す断面図である。 第3実施形態の第3の変形例による調光装置を示す断面図である。 第3実施形態の第4の変形例による調光装置を示す断面図である。 第3実施形態の第4の変形例による調光装置を示す分解斜視図である。 第3実施形態の第5の変形例による調光装置を示す分解斜視図である。 第3実施形態の第6の変形例による調光装置を示す断面図である。 第3実施形態の第6の変形例による調光装置を示す分解斜視図である。 第3実施形態の第7の変形例による調光装置を示す分解斜視図である。 第3実施形態の第8の変形例による調光装置を示す分解斜視図である。 第3実施形態の第9の変形例による調光装置を示す分解斜視図である。 第3実施形態の第10の変形例による調光装置を示す分解斜視図である。 第3実施形態の第11の変形例による調光装置を示す分解斜視図である。 第3実施形態の第12の変形例による調光装置を示す分解斜視図である。
以下、図面を参照して、本開示の実施形態に係る合わせガラス及び合わせガラスの製造方法について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、本開示の実施形態に係る合わせガラスの構成を模式的に示している。そのため、各部の大きさ、形状等は、理解を容易にするため、適宜に誇張している。また、各図には、X-Y又はY-Zの互いに直交する座標系を記載した(分図の一部を除く)。この座標系においては、合わせガラス1を図1(A)の配置で見たときの一方をX方向とし、このX方向と直交する他方の方向をY方向とする。また、合わせガラス1において、X-Y平面と直交する厚さ方向(法線方向)をZ方向とする。なお、本明細書中に記載する数値、形状、材料等は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜に選択して使用してもよい。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態における合わせガラス1の構成を示す図である。図1(A)は、合わせガラス1の平面図である。図1(B)は、図1(A)のa-a断面を示す断面図である。図1(C)は、図1(B)の領域bに相当する拡大図である。なお、後述する調光フィルム40を示す各図においては、調光フィルム40の透明電極42A,42Bから外部に延びる電極端子の図示を省略している。図1(A)及び(B)に示すように、合わせガラス1は、第1ガラス板10、第2ガラス板20、中間膜30、調光フィルム40及び緩衝体50を備える。
第1ガラス板10及び第2ガラス板20は、それぞれ、合わせガラス1の表裏面に配置される部材である。例えば、第1ガラス板10が合わせガラス1の裏面側に配置されるとすると、第2ガラス板20は、合わせガラス1の表面側に配置される。第1ガラス板10及び第2ガラス板20としては、例えば、ソーダライムガラス(青板ガラス)、硼珪酸ガラス(白板ガラス)、石英ガラス、ソーダガラス、カリガラス等の透光性の高い板ガラスを用いることができる。
また、第1ガラス板10及び第2ガラス板20として、樹脂ガラスを用いることができる。樹脂ガラスとしては、例えば、ポリカーボネート、アクリル等からなるものを用いることができる。特に、ポリカーボネートは、耐熱性、強度の面で好ましい。更に、ガラス板には、耐擦傷性等の要求特性に応じて、ハードコート等の表面処理がなされてもよい。ガラス板の材料としては、無機ガラスより樹脂ガラスの方が軽量化の面で好ましい。他方、無機ガラスの方が樹脂ガラスよりコスト、耐熱性、耐傷性等の面で好ましい。
中間膜30は、第1ガラス板10と第2ガラス板20との間に設けられる層であり、第1ガラス板10と第2ガラス板20とを接合させる部材である。中間膜30としては、例えば、PVB(ポリビニルブチラール)、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)、COP(シクロオレフィンポリマー)等が挙げられる。
本実施形態において、中間膜30は、第1中間膜30a、第2中間膜30b及び第3中間膜30cを有する。第1中間膜30aは、第1ガラス板10と調光フィルム40との間に設けられる中間膜である。第2中間膜30bは、第2ガラス板20と緩衝体50との間に設けられる中間膜である。第3中間膜30cは、第1中間膜30aと第2中間膜30bとの間において、調光フィルム40及び緩衝体50を除いた領域に設けられる中間膜である。第3中間膜30cは、平面視において中抜きの四角形、すなわち額縁状である。
調光フィルム40は、電極に印加する電圧を変化(オン/オフ)させることにより、液晶層における液晶分子の配向を制御して、透過光の光量を調節可能なフィルム(例えば、液晶フィルム)である。本実施形態の調光フィルム40は、液晶層として、二色性色素を使用したゲストホスト液晶組成物を備える。
調光フィルム40を備えた合わせガラス1は、例えば、建築物の窓ガラス、ショーケース、屋内の透明パーテーション、車両のウィンドウ等の調光を図る部位(外光が入射する部位、例えば、フロント、サイド、リア、ルーフ等のウィンドウ)に配置される。調光フィルム40へ印加する電圧を変化させることにより、建築物や車両等の内側への入射光(透過光)の光量を調節できる。なお、調光フィルム40の構成については、後に詳細に説明する。
緩衝体50は、後述する合わせガラス1の製造時において、調光フィルム40における液晶の偏在を抑制するための部材である。本実施形態において、緩衝体50は、図1(C)に示すように、調光フィルム40の第2ガラス板側の面(以下、「フィルム面40a」ともいう)に積層されている。
緩衝体50としては、例えば、光透過性の高いPET等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル・スチレン樹脂、ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。また、緩衝体50は、紫外線吸収、遮熱、遮音、反射防止、超複屈折等の機能を一つ又は複数有する機能性フィルムであってもよい。緩衝体50の厚さは特に規定されないが、例えば、後述する調光フィルム40の基材41A,41Bと同じ厚さであることが好ましい。
緩衝体50は、調光フィルム40(フィルム面40a)と相対的に移動可能に積層されている。ここで、相対的に移動可能とは、調光フィルム40と緩衝体50との間が適度な密着力で積層されており、互いに移動ができないようにはされていない状態をいう。具体的には、緩衝体50は、調光フィルム40との間に他の部材、粘着層等を介在させない状態で積層される。これにより、緩衝体50を、調光フィルム40と相対的に移動可能な適度な密着力で積層させることができる。
調光フィルム40と緩衝体50との間の密着力は、例えば、90mN/25mm未満である。調光フィルム40と緩衝体50との間の密着力は、例えば、テンシロン試験機(株式会社エー・アンド・ディ社製、TTG-1210)を用いた剥離試験により測定できる。
緩衝体50の融点は、中間膜30の軟化点よりも高いことが望ましい。緩衝体50の融点が中間膜30の軟化点よりも低いと、合わせガラス1の製造工程(後述)で加熱及び加圧した際、緩衝体50が液化するおそれがあるためである。緩衝体50の融点が中間膜30の軟化点よりも高ければ、緩衝体50は、合わせガラス1の製造時に加熱及び加圧されても、固体の状態を保つことができる。
次に、調光フィルム40の構成について説明する。図2は、調光フィルム40の層構成を示す断面図である。調光フィルム40は、図2に示すように、第1積層体47と第2積層体48との間に液晶層44、スペーサー45及びシール材46を挟んで構成される。第1積層体47は、基材41Aに、透明電極42A、配向層43Aを積層して形成される。第2積層体48は、基材41Bに、透明電極42B、配向層43Bを積層して形成される。調光フィルム40は、第1積層体47及び第2積層体48に設けられた透明電極42A,42Bに印加する電圧を変化させることにより、液晶層44(ゲストホスト液晶組成物)による液晶分子の配向を制御することで、透過光の光量を調節する。
基材41A,41Bは、透明な樹脂製の部材であり、例えば、可撓性を有するフィルムを用いることができる。基材41A,41Bとしては、光学異方性が小さく、また、可視域の波長(380~800nm)における透過率が80%以上である透明樹脂フィルムを用いることが望ましい。
透明樹脂フィルムの材料としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等のアセチルセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、ポリメチルペンテン、EVA等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリサルホン(PEF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリスルホン、ポリエーテル(PE)、ポリエーテルケトン(PEK)、(メタ)アクロニトリル、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー等の樹脂を挙げることができる。透明樹脂フィルムの材料としては、特に、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂が好ましい。また、基材41B,21Aとして用いられる透明樹脂フィルムの厚みは、その材料にもよるが、その透明樹脂フィルムが可撓性を有する範囲内で適宜に選択できる。
透明電極42A,42Bは、それぞれ基材41A,41B(透明樹脂フィルム)に積層される透明導電膜である。透明導電膜としては、この種の透明樹脂フィルムに適用される各種の透明電極材料を適用することができ、酸化物系の全光透過率が50%以上の透明な金属薄膜を挙げることができる。透明電動膜としては、例えば、酸化錫系、酸化インジウム系、酸化亜鉛系が挙げられる。
酸化錫(SnO)系としてはネサ(酸化錫SnO)、ATO(Antimony Tin Oxide:アンチモンドープ酸化錫)、フッ素ドープ酸化錫が挙げられる。酸化インジウム(In2O3)系としては、酸化インジウム、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)、IZO(Indium Zinc Oxide)が挙げられる。酸化亜鉛(ZnO)系としては、酸化亜鉛、AZO(アルミドープ酸化亜鉛)、ガリウムドープ酸化亜鉛が挙げられる。
スペーサー45は、液晶層44における外周部を除く部分の厚み(セルギャップ)を規定する部材である。スペーサー45としては、例えば、球形状の透明なビーズスペーサーを用いることができる。スペーサー45に用いられるビーズスペーサーとしては、シリカ等による無機材料による構成、有機材料による構成、これらを組み合わせたコアシェル構造の構成等を広く適用することができる。また、このビーズスペーサーは、球形状による構成の他、円柱形状、楕円柱形状、角柱形状等によるロッド形状により構成してもよい。またスペーサー45は、透明部材により製造されるが、必要に応じて着色した材料を適用して色味を調整するようにしてもよい。
なお、液晶層44の厚みを規定するスペーサー45は、上述のビーズスペーサーに限定されず、例えば、フォトレジストを基材41A側に塗工して露光、現像することにより円柱形状に作製してもよい。また、スペーサー45は、第2積層体48に設けられてもよいし、第1積層体47、第2積層体48の両方、又は、第1積層体47に設けられてもよい。
配向層43A,43Bは、光配向層により形成される。光配向層に適用可能な光配向材料は、光配向の手法を適用可能な各種の材料を広く適用することができる。光配向材料としては、例えば、光分解型、光二量化型、光異性化型等を挙げることができる。
光二量化型の材料としては、例えば、シンナメート、クマリン、ベンジリデンフタルイミジン、ベンジリデンアセトフェノン、ジフェニルアセチレン、スチルバゾール、ウラシル、キノリノン、マレインイミド、又は、シンナミリデン酢酸誘導体を有するポリマー等を挙げることができる。中でも、配向規制力が良好である点で、シンナメート、クマリンの一方又は両方を有するポリマーが好ましく用いられる。このような光二量化型の材料の具体例としては、例えば特開平9-118717号公報、特表平10-506420号公報、特表2003-505561号公報及びWO2010/150748号公報に記載された化合物を挙げることができる。
なお、光配向層に代えて、ラビング配向層を用いてもよい。ラビング配向層に関しては、ラビング処理を行わないものとしてもよいし、ラビング処理を行い、微細なライン状凹凸形状を賦型処理して配向層を作製してもよい。また、本実施形態において、調光フィルム40は、配向層43A,43Bを備える形態を示したが、これに限らず、配向層43A,43Bを備えない形態としてもよい。
液晶層44には、ゲストホスト液晶組成物、二色性色素組成物を広く適用することができる。ゲストホスト液晶組成物にはカイラル剤を含有させるようにして、液晶材料を水平配向させた場合に、液晶層44の厚み方向に螺旋形状に配向させるようにしてもよい。調光フィルム40には、液晶層44を囲むように、シール材46が設けられている。このシール材46により、第1積層体47、第2積層体48が一体に保持され、液晶材料の漏出が防止される。シール材46としては、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等を用いることができる。
調光フィルム40は、遮光時におけるゲストホスト液晶組成物の配向が電界印加時となるように、配向層43A,43Bを一定の方向にプレチルトに係る配向規制力を設定した垂直配向層により構成される。これにより、調光フィルム40は、ノーマリークリアとして構成される。なお、この透光時の設定を電界印加時として、ノーマリーダークとして構成してもよい。ここで、ノーマリーダークとは、液晶に電圧がかかっていない時に透過率が最小となり、黒い画面(遮光状態)となる構造である。ノーマリークリアとは、液晶に電圧がかかっていない時に透過率が最大となり、透明(透過状態)となる構造である。
本実施形態では、調光フィルム40において、ゲストホスト型の液晶層44を備える例を示したが、二色性色素組成物を用いないTN(Twisted Nematic)方式、VA(Vertical Alignment)方式、IPS(In-Plane-Switching)方式等の液晶層44を備える構成としてもよい。このような液晶層44を備える場合、各基材41A,41Bの表面に直線偏光層を更に設けることで、調光フィルムとして機能させることができる。なお、IPS方式の液晶層とした場合、電極は、液晶層の片側にあればよい。
次に、調光フィルム40に積層した緩衝体50の作用について説明する。上述したように、緩衝体50は、調光フィルム40(フィルム面40a)と相対的に移動可能に積層されている。そのため、緩衝体50と調光フィルム40との間には、図1(C)に示すように、接触部c1と空間部c2(隙間)とがランダムに形成される。ここで、空間部c2は、真空状態又は微量な空気が存在している空間である。このように、緩衝体50と調光フィルム40との間に空間部c2があることによって、緩衝体50と調光フィルム40は、合わせガラス1のX-Y平面(図1(A)参照)において、互いに移動可能な状態となっている。そのため、合わせガラス1の製造時において、中間膜30を介して緩衝体50に加えられた圧力は、主に緩衝体50がX-Y平面上を移動することにより分散される。すなわち、緩衝体50において、ある領域に他の領域よりも過剰に圧力が加えられると、緩衝体50がX-Y平面とほぼ平行に移動するため、過剰に加えられた圧力の一部は、X-Y平面上に分散される。このように、合わせガラス1の製造時において、調光フィルム40に加わる圧力の不均一は、緩衝体50により緩和される。
以上説明したように、第1実施形態の合わせガラス1によれば、合わせガラス1の製造時において、調光フィルム40に加わる圧力の不均一が緩和され、圧力がほぼ均一になるため、調光フィルム40内における液晶の偏在を抑制できる。したがって、第1実施形態の合わせガラス1は、良好な外観を有すると共に、調光性能にも優れている。
また、第1実施形態の合わせガラス1は、緩衝体50と調光フィルム40との間に空間部c2(図1(C)参照)が形成される。そのため、調光フィルム40と空間部c2との間の屈折率差により、調光フィルム40と空間部c2との界面で反射が起こる。また、緩衝体50と空間部c2との間の屈折率差により、緩衝体50と空間部c2との界面で反射が起こる。これらの界面反射により、調光フィルム40を遮光状態とすると、合わせガラス1は、上側から見ても下側から見ても、鏡面のような外観となる。したがって、第1実施形態の合わせガラス1は、鏡面状態と透過状態との切り替えが可能となる。
次に、合わせガラス1の製造方法について説明する。図3及び図4は、第1実施形態における合わせガラス1の製造工程を示す図である。まず、図3(A)に示すように、第1ガラス板10の上に、第1中間膜30aを形成する。第1中間膜30a、第2中間膜30b及び第3中間膜30cは、後述する圧着工程において、一体化した中間膜30となる。
次に、図3(B)に示すように、第1中間膜30aの上に調光フィルム40を積層する(調光フィルム積層工程)。次に、図3(C)に示すように、緩衝体50を、調光フィルム40と相対的に移動可能となるように、調光フィルム40の上に積層する(緩衝体積層工程)。
次に、図4(D)に示すように、第1中間膜30aの上の調光フィルム40及び緩衝体50を除いた領域に第3中間膜30cを積層する。更に、緩衝体50及び第3中間膜30cの上に第2中間膜30bを積層する。なお、図4(D)に示す例では、第3中間膜30c及び第2中間膜30bを、この順に積層しているが、第3中間膜30c及び第2中間膜30bは、一体に積層してもよい。
次に、図4(E)に示すように、第2中間膜30bの上に第2ガラス板20を積層して、第1ガラス板10、第1中間膜30a、調光フィルム40、緩衝体50、第2中間膜30b及び第2ガラス板20からなる積層体1Aを形成する。この積層体1Aを真空バッグ(不図示)に封入し、内部の空気を吸引することにより、積層体1Aを加圧状態とする。更に、加圧状態の積層体1Aを封入した真空バッグをオーブン(不図示)に入れ、所定の温度で加熱する。なお、オーブンによる加熱中においても、真空バッグからの空気の吸引が継続して行われる。このように、積層体1Aを加熱及び加圧することにより、積層体1Aの各部材が圧着される(圧着工程)。
そして、オーブン内において、所定時間に亘って加熱及び加圧を実施した後、真空バッグ内の空気の吸引を停止して、真空バッグをオーブンから取り出して冷却する。なお、真空バッグ内の空気の吸引を停止するのは、真空バッグをオーブンから取り出してからでもよい。真空バッグの冷却後、真空バッグから積層体1A(合わせガラス1)を取り出すことにより、図4(E)に示すように、調光フィルム40を挟み込んだ合わせガラス1が得られる。
なお、真空バッグから取り出した積層体1Aを、オードクレーブ用の圧力容器(不図示)に移し、高温・高圧の環境下で所定時間、更に加熱及び加圧を行ってもよい。また、真空バッグを、オーブンの代わりにオートクレーブ装置に入れて加熱し、吸引による加圧だけでなく、更なる加圧を行ってもよい。
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態における合わせガラス11の一部を示す拡大図である。図5は、図1(C)と同じく、図1(B)の領域bに相当する拡大図である。第2実施形態の合わせガラス11は、調光フィルム40と緩衝体50との間にスペーサー60を備える点が第1実施形態と相違する。そのため、第2実施形態の説明及び図面では、合わせガラス11全体の図示及び説明を省略する。また、第2実施形態の説明及び図面では、第1実施形態と同等の部材等には、第1実施形態と同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図5に示すように、第2実施形態の合わせガラス11には、調光フィルム40と緩衝体50との間に複数のスペーサー60が設けられている。スペーサー60としては、例えば、球形状の透明なビーズスペーサーを用いることができる。スペーサー60に用いられるビーズスペーサーとしては、前述した調光フィルム40のスペーサー45と同じでもよいし、異なっていてもよい。スペーサー60として、透明なビーズスペーサーを用いることにより、合わせガラス11を透過状態としたときの外観を良くできる。なお、スペーサー60の径は、緩衝体50の表面粗さ(例えば、最大高さ)よりも大きくすることが望ましい。
調光フィルム40と緩衝体50との間に複数のスペーサー60を設けることにより、図5に示すように、調光フィルム40と緩衝体50との間のほぼ全面に空間部c2を形成できる。前述したように、空間部c2は、真空状態又は微量な空気が存在している空間であるため、調光フィルム40と緩衝体50との間のほぼ全面を、真空状態又は微量な空気が存在している空間とすることができる。これによれば、調光フィルム40と緩衝体50との間に形成された空間部c2により、調光フィルム40から緩衝体50及び緩衝体50から調光フィルム40へ熱が伝わりにくくなるため、合わせガラス11の断熱効果を高めることができる。
なお、第2実施形態の合わせガラス11においても、第1実施形態の合わせガラス1と同様に、液晶の偏在を抑制できる。また、第2実施形態の合わせガラス11においても、合わせガラス11を遮光状態とした場合に、第1実施形態の合わせガラス1と同様に、鏡面のような外観を得ることができる。すなわち、調光フィルム40と緩衝体50との間に複数のスペーサー60を設けた場合においても、鏡面状態と透過状態との切り替えが可能となる。
以上、本開示の実施形態について説明したが、前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、最も好適な効果を列挙したに過ぎず、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述の実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
(変形形態)
緩衝体50として、映像源から投射された映像光を反射して表示すると共に、表裏面からの光を透過する、透明スクリーンの機能を有するフィルム(以下、「透明スクリーンフィルム」ともいう)を用いてもよい。透明スクリーンとは、映像源から投射された映像光を反射して表示するとともに、表裏面からの光の少なくとも一部を透過する機能を有するものであり、スクリーンの向こう側の景色が透けて見えると共に、映像光を投影可能な反射スクリーンのことである。図6は、変形形態における緩衝体70の構成の一例を示す図である。なお、図6では、層構成を分かり易くするため、緩衝体70と調光フィルム40とを示すが、調光フィルム40の構成は、第1実施形態と同じであるため、説明を省略する。
本変形形態の緩衝体70は、例えば、図6に示すように、基材層71、第1光学形状層72、反射層73、第2光学形状層74及び保護層75を備える。基材層71は、光透過性を有するシート状の部材であり、調光フィルム40の側(以下、「背面側」ともいう)に、第1光学形状層72が一体に形成されている。基材層71は、第1光学形状層72を形成する基材(ベース)となる層である。基材層71は、例えば、高い光透過性を有するPET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル・スチレン樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂等により形成される。
第1光学形状層72は、基材層71の背面側に形成された光透過性を有する層である。第1光学形状層72には、単位光学形状72Aが複数配列されて設けられている。単位光学形状72Aは、図6に示すように、X方向に平行であって、単位光学形状72Aの配列方向に平行な断面における断面形状が、略三角形形状である。
単位光学形状72Aは、背面側に凸であり、光が入射する第1斜面72Aaと、これに対向する第2斜面72Abとを有している。1つの単位光学形状72Aにおいて、第1斜面72Aaは、頂点aを挟んで第2斜面72Abの上側(基材層71側)に位置している。単位光学形状72Aの第1斜面72Aa及び第2斜面72Abは、微細かつ不規則な凹凸形状を有している。この微細な凹凸形状は、凸形状と凹形状とが2次元方向に不規則に配列されて形成されており、凸形状及び凹形状は、その大きさや形状、高さ等が不規則である。
なお、第1光学形状層72の背面側の面には、サーキュラーフレネルレンズ形状が形成される形態としてもよいし、リニアフレネルレンズ形状が形成される形態としてもよい。また、柱状の単位プリズムが、図中の奥行き方向を長手方向として、左右方向(X方向)に複数された形態としてもよい。第1光学形状層72は、例えば、光透過性の高いウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリチオール系、ブタジエンアクリレート系等の紫外線硬化型樹脂等により形成される。
反射層73は、単位光学形状72A上(第1斜面72Aa及び第2斜面72Ab上)に形成されている。この反射層73は、入射した光の一部を反射し、その他を透過する半透過型の反射層、いわゆるハーフミラーである。反射層73は、入射した光の一部を反射面の微細な凹凸形状により拡散して反射し、反射しない他の光を拡散しないで透過する機能を有する。
反射層73は、光反射性の高い金属、例えば、アルミニウム、銀、ニッケル等により形成される。これらの金属は、スパッタリングにより形成してもよい。また、反射層13は、屈折率の高い誘電体膜と屈折率が低い誘電体膜とが交互に複数積層された誘電体多層膜を用いてもよい。屈折率の高い誘電体膜は、例えば、TiO(二酸化チタン)、Nb(五酸化ニオブ)、Ta(五酸化タンタル)等により形成される。屈折率が低い誘電体膜は、例えば、SiO(二酸化ケイ素)、MgF(フッ化マグネシウム)等により形成される。
第2光学形状層74は、第1光学形状層72の背面側に設けられた光透過性を有する層である。第2光学形状層74は、単位光学形状72A間の谷部を埋めるように充填され、第1光学形状層72の背面側の面を平坦化している。第2光学形状層74の基材層71側の面は、第1光学形状層72の単位光学形状72Aの略逆型の形状が複数配列されて形成されている。このような第2光学形状層74を設けることにより、反射層73を保護することができる。また、このような第2光学形状層74を設けることにより、背面側に保護層75を積層しやすくなる。
第2光学形状層74の屈折率は、第1光学形状層72と略同等(同等とみなせる程度に小さい屈折率差を有している状態)であることが好ましく、同等であることが望ましい。第2光学形状層74は、前述の第1光学形状層12と同じ樹脂を用いて形成してもよいし、異なる樹脂を用いて形成してもよい。
保護層75は、第2光学形状層74の背面側に形成された光透過性を有する層であり、緩衝体70の背面側を保護する機能を有する。保護層75は、光透過性の高い樹脂製のシート状の部材が用いられる。保護層75は、例えば、前述の基材層71と同様の材料を用いて形成されたシート状の部材を用いてもよい。なお、保護層75は、無くてもよい。
緩衝体70として、上述のような透明スクリーンフィルムを用いた場合、合わせガラス1に画像等の表示機能を付与できる。また、合わせガラス1を遮光状態とした場合の暗状態をより暗くできる。また、緩衝体50として、調光フィルム40を用いてもよい。この場合、調光フィルム40と、緩衝体50として用いられる調光フィルム40とは、同一の構成とする必要はなく、一部の構成が互いに相違していてもよい。このように、緩衝体50として調光フィルム40を用いることにより、合わせガラス1を遮光状態とした場合の暗状態をより暗くできる。
緩衝体50は、図1(B)に示すように、調光フィルム40の第2ガラス板20側の面に積層される構成に限らず、調光フィルム40の第1ガラス板10側の面及び第2ガラス板20側の面の両方に積層されていてもよい。この場合、図3(B)に示す調光フィルム積層工程の前工程として、第1中間膜30aの上に第2緩衝体(不図示)を積層し、続いて、調光フィルム積層工程として、この第2緩衝体の上に調光フィルム40を積層すればよい。第2緩衝体は、調光フィルム40に対して相対的に移動可能となるように積層される。そして、図3(C)に示す(緩衝体積層工程)において、調光フィルム40の上に第1緩衝体(緩衝体50に相当)を積層すればよい。
上述したように、合わせガラス1に2つの緩衝体(第1及び第2緩衝体)を設けることにより、合わせガラス1に、使用用途に応じた機能性を付与することができる。例えば、2つの緩衝体を設けた合わせガラス1を車両のウィンドウに適用した場合、紫外線吸収の機能を有する緩衝体を室外側に配置し、遮音の機能を有する緩衝体を室内側に配置することにより、車両のウィンドウとして適用された合わせガラス1の機能性をより高めることができる。
また、合わせガラス1に2つの緩衝体(第1及び第2緩衝体)を設けた構成において、スペーサー60(図5参照)は、第1緩衝体と調光フィルム40との間又は第2緩衝体と調光フィルム40との間に設けてもよいし、第1緩衝体と調光フィルム40との間及び第2緩衝体と調光フィルム40との間に、それぞれ設けてもよい。
合わせガラス1の表面形状は、2次元形状に限らず、例えば、一方の面側に凸となる3次元形状であってもよい。ここで、3次元形状とは、平面を伸縮なしに変形させるだけでは形成できない曲面であり、3次元空間で2つの独立したパラメータで定義される曲面である。例えば、直交するX軸とY軸とをそれぞれ中心軸として、X軸を中心とした曲率半径Rx、Y軸を中心とした曲率半径Ryという2つの曲率基準をパラメータとする曲面を例示できる。
(第3実施形態)
次に、図7乃至図13を参照して第3実施形態について説明する。
以下に説明する調光装置110は、光の透過率の調整が求められる様々な技術分野に応用可能であり、適用範囲は特に限定されない。調光装置110は、上述した合わせガラス1について説明したのと同様に、建築物や車両等に配置することができる。
なお以下に説明する調光装置110は、一実施形態を例示しているに過ぎない。したがって例えば、調光装置110の構成要素として以下に挙げられている要素の一部が、他の要素に置換されてもよいし、含まれていなくてもよい。また以下に挙げられていない要素が、調光装置110の構成要素として含まれていてもよい。また図面中には、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺及び寸法比等を、実物のそれらから適宜変更又は誇張されている部分がある。
(調光装置)
図7は、本実施形態による調光装置(合わせガラス)110を示す図である。本実施形態による調光装置110は、その表面形状が曲面形状を有する3次元形状により構成されており、図7では、一例として、調光装置110が一方の面側に凸となる形状を有している。なお、調光装置110は、これに限らず、例えば、表面形状が平面状(すなわち、平板状)としてもよいし、その表面形状が曲面形状を有する2次元形状(例えば、円筒の一部を構成する形状)等としてもよい。ここで、3次元形状とは、単純な円筒面ではなく、平面を伸縮なしに変形させるだけでは構成できない曲面であり、単一の軸を中心として2次元的に曲がった2次元形状(2次元曲面)、或いは、互いに平行な複数の軸を中心として異なる曲率で2次元的に曲がった2次元形状(2次元曲面)とは区別されるものである。すなわち、3次元形状とは、互いに対して傾斜した複数の軸の各々を中心として、部分的に又は全体的に曲がっている面による形状である。また本明細書中、平面視とは、調光装置110の主たる面に対して垂直な方向から見た状態をいう。
図7に示すように、本実施形態による調光装置110は、第1ガラス板111と、第1中間膜113と、調光セル120と、第2中間膜114と、第2ガラス板112とを備えている。第1ガラス板111と、第1中間膜113と、調光セル120と、第2中間膜114と、第2ガラス板112とは、この順番で積層配置されている。
図8は、本実施形態による調光装置110の層構成を示す断面図であり、図9は、本実施形態による調光装置110の層構成を示す分解斜視図である。なお、本実施形態の調光装置110は、3次元形状の表面形状を有しているが、図8及び図9では、理解を容易にするために、調光装置110の表面形状が平面状である場合の断面図を示している。
図8に示すように、調光装置110は、第1ガラス板111と、第2ガラス板112と、第1ガラス板111と第2ガラス板112との間に配置された調光セル120とを備えている。調光セル120は、第1基材124と第1透明電極125と第1配向層126とを含む第1積層体121と、第2基材127と第2透明電極128と第2配向層129とを含む第2積層体122と、第1積層体121と第2積層体122との間に配置された液晶層123とを備えている。
第1ガラス板(透明部材)111及び第2ガラス板(透明部材)112は、それぞれ、調光装置110の表裏面に配置され、高い透光性を有する板ガラスである。第1ガラス板111及び第2ガラス板112は、その表面形状が曲面形状を有する3次元形状であり、一方の面側に凸となる曲面形状を有する形状に予め形成されている(図7参照)。この場合、第1ガラス板111及び第2ガラス板112は、第2ガラス板112側に対して第1ガラス板111側が凸状になるように形成されているが、これに限らず、第1ガラス板111側に対して第2ガラス板112側が凸状になるように形成されていても良い。また、本実施形態では、第1ガラス板111及び第2ガラス板112は、厚さが1mm以上4mm以下であり、一例として、いずれも厚さ2mmの板ガラスを用いている。第1ガラス板111及び第2ガラス板112としては、上述した第1ガラス板10及び第2ガラス板20と同様のものを用いることができる。
第1中間膜113は、第1ガラス板111と調光セル120とを接合させる部材である。同様に、第2中間膜114は、第2ガラス板112と調光セル120とを接合させる部材である。第1中間膜113及び第2中間膜114としては、上述した中間膜30と同様のものを用いることができる。また、第1中間膜113及び第2中間膜114の厚さに関しても、その材料等に応じて適宜選択してよい。具体的には、第1中間膜113及び第2中間膜114の厚さは、300μm以上2.5mm以下としても良く、一例として厚さ760μmのものが用いられる。
また、図8及び図9に示すように、第1中間膜113及び第2中間膜114は、額縁中間膜(第3中間膜)116により互いに接続されている。額縁中間膜116は、平面視で額縁状ないしはロ字形状(中央がくり抜かれた四角形形状)を有する中間膜である。額縁中間膜116は、第1中間膜113及び第2中間膜114と同一の材料から構成されても良い。額縁中間膜116を設けることにより、調光装置110の側面からの水分等の侵入を抑止し、調光装置110の遮水性をより高めることができる。
具体的には、額縁中間膜116は、(平面視で)第1中間膜113及び第2中間膜114が調光セル120よりも大きい場合に、断面視において、調光セル120の厚み部分に形成される中間膜である。この額縁中間膜116は、平面視において調光セル120の周囲を取り囲むように形成され、第1中間膜113及び第2中間膜114の形状から調光セル120の形状をくり抜いた額縁状の中間膜である。この場合、第1中間膜113と第2中間膜114との間であって、調光セル120の周囲に相当する部分に、額縁中間膜116が形成されている。また第1中間膜113と第2中間膜114との間であって、フィルム133(後述)及び空隙層G(後述)の周囲に相当する部分にも、額縁中間膜116が形成されている。なお、額縁中間膜116の幅W1(図9)は、0mm以上10mm以下程度とすることが好ましい。
調光セル120(調光フィルム、液晶フィルム)は、印加電圧を変化させることにより透過光の光量を制御することができるフィルムである。調光セル120は、第1ガラス板111と第2ガラス板112との間に挟持されるように配置されている。この調光セル120は、二色性色素を使用したゲストホスト型の液晶層を有しており、液晶に印加する電界により透過光量を変化させる部材である。調光セル120は、フィルム状の第1積層体121と、フィルム状の第2積層体122と、第1積層体121と第2積層体122との間に配置された液晶層123とを備えている。
図8に示すように、第1積層体121は、第1基材124と、第1透明電極125と、第1配向層126とを積層して形成される。すなわち、第1中間膜113側から、第1基材124と、第1透明電極125と、第1配向層126とがこの順番で積層配置されている。また第2積層体122は、第2基材127と、第2透明電極128と、第2配向層129とを積層して形成される。すなわち、第2中間膜114側から、第2基材127と、第2透明電極128と、第2配向層129とがこの順番で積層配置されている。
さらに、第1積層体121と第2積層体122との間には、複数のビーズスペーサー131が配置されている。液晶層123は、第1積層体121及び第2積層体122の間において、複数のビーズスペーサー131の間に充填配置されている。複数のビーズスペーサー131は、それぞれ不規則的又は規則的に配置されていても良い。
調光セル120は、この第1積層体121及び第2積層体122に設けられた第1透明電極125及び第2透明電極128の駆動により、液晶層123に設けられたゲストホスト液晶組成物による液晶材料の配向を変化させ、これにより透過光の光量を変化させるものである。
第1基材124及び第2基材127としては、上述した基材41A、41Bと同様のものを用いることができる。また、第1基材124及び第2基材127として用いられる透明樹脂フィルムの厚みは、その材料にもよるが、その透明樹脂フィルムが可撓性を有する範囲内で適宜選択することができる。第1基材124及び第2基材127の厚みは、それぞれ50μm以上200μm以下としても良い。本実施形態では、第1基材124及び第2基材127の一例として、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムが適用される。
第1透明電極125及び第2透明電極128は、それぞれ第1基材124及び第2基材127(透明樹脂フィルム)に積層される透明導電膜から構成されている。第1透明電極125及び第2透明電極128としては、上述した透明電極42A、42Bと同様のものを用いることができる。
ビーズスペーサー131は、液晶層123における外周部を除く部分の厚み(セルギャップ)を規定する部材である。本実施形態では、ビーズスペーサー131として、球形状のビーズスペーサーを用いている。ビーズスペーサー131の直径は、1μm以上20μm以下、好ましくは3μm以上15μm以下の範囲としても良い。ビーズスペーサー131としては、上述したスペーサー45と同様のものを用いることができる。
なお、本実施形態では、ビーズスペーサー131は、第2積層体122に設けられるが、これに限定されるものでなく、第1積層体121及び第2積層体122の両方、又は、第1積層体121にのみ設けられるようにしてもよい。また、ビーズスペーサー131は必ずしも設けられていなくてもよい。または、ビーズスペーサー131に代えて、あるいはビーズスペーサー131とともに、柱状のスペーサーを用いても良い。
第1配向層126及び第2配向層129としては、上述した配向層43A、43Bと同様のものを用いることができる。
なお、光配向層に代えて、ラビング配向層を用いてもよい。ラビング配向層に関しては、ラビング処理を行わないものとしてもよいし、ラビング処理を行い、微細なライン状凹凸形状を賦型処理して配向層を作製してもよい。なお、本実施形態では、調光セル120は、第1配向層126及び第2配向層129を備えているが、これに限らず、第1配向層126及び第2配向層129を備えない形態としてもよい。
液晶層123としては、上述した液晶層44と同様のものを用いることができる。また、第1積層体121と第2積層体122との間において、液晶層123を取り囲むように、平面視で環状または枠状のシール材132が配置されている。このシール材132により、第1積層体121と第2積層体122とが一体に保持され、液晶材料の漏出が防止される。シール材132としては、上述したシール材46と同様のものを用いることができる。
調光セル120としては、上述した調光フィルム40と同様のものを用いることができる。
本実施形態において、調光セル120と第1中間膜113との間に、フィルム133が配置されている。このフィルム133は、調光セル120の第1基材124と第1中間膜113との間に配置されており、第1中間膜113に対して接合されている。フィルム133は、透明な樹脂製であって、可撓性を有する樹脂フィルムであっても良い。フィルム133としては、光学異方性が小さく、また、可視域の波長(380nm以上800nm以下)における透過率が80%以上である透明樹脂フィルムを適用することが望ましい。透明樹脂フィルムの材料としては、上述した第1基材124及び第2基材127に用いられる透明樹脂フィルムと同一のものを用いることができる。あるいは、フィルム133としては、赤外線(IR)反射フィルム、紫外線(UV)カットフィルムなどの機能性フィルムを用いても良い。さらに、フィルム133は、調光セル、AR(Anti-Reflection)フィルム、AG(Anti-Glare)フィルム、反射型偏光性フィルム、液晶以外の調光方式を有する調光フィルム、又は、デフロスター機能を有するフィルムであっても良い。また、フィルム133の厚みは、その材料にもよるが、例えば50μm以上250μm以下としても良く、100μm以上125μm以下とすることが好ましい。
また、フィルム133の平面形状は、第1中間膜113及び第2中間膜114の平面形状よりも小さい。さらに、フィルム133の平面形状は、調光セル120全体の平面形状よりも小さく、シール材132の内側に位置する液晶層123の平面形状よりも大きいことが好ましい。これにより、フィルム133が液晶層123の全体を覆うので、液晶層123の一部に局所的に液晶が多く存在する現象である液晶だまりの発生を面内全域で抑制することができる。フィルム133の平面形状を、調光セル120のシール材132の内側(液晶層123)よりも小さくし、フィルム133が存在しない領域に液晶だまりを誘導してもよい。このようにして液晶だまりを誘導した部分(外周)は、調光装置110を車両のウィンドウ等に配置した場合に隠すことができる。また、フィルム133と調光セル120の間に、赤外線(IR)反射フィルム、紫外線(UV)カットフィルム、AR(Anti-Reflection)フィルム、AG(Anti-Glare)フィルム等の機能性フィルムを追加してもよい。この場合、機能性フィルムは、フィルム133や調光セル120に貼合わせてもよい。また、上記機能性フィルムは、第1中間膜113とフィルム133との間に追加してもよい。
さらに、調光セル120とフィルム133との間に、空隙層Gが設けられている。この空隙層Gは、調光セル120の第1基材124とフィルム133との間の空間に形成される。すなわち調光セル120の第1基材124とフィルム133とは互いに接合されることなく、厚み方向に一定の間隔を空けて配置されている。空隙層Gには、空気が充填されているが、これに限らず、窒素や不活性ガス等の気体が充填されていても良い。この空隙層Gの厚みは、例えば0μmより大きく10000μm以下であり、0.1μm以上100μm以下とすることが好ましい。空隙層Gの平面形状は、フィルム133の平面形状と略同一であっても良い。このように、調光セル120とフィルム133との間に空隙層Gが形成されることにより、後述するように、調光セル120のセルギャップ不良が減少し、液晶層123の一部に局所的に液晶が多く存在する現象である液晶だまりの発生を抑制することができる。また、調光セル120とフィルム133との間に空隙層Gが設けられることにより、調光装置110の断熱性が向上し、調光装置110を配置した車両や建物の保温性を高めることができる。また、調光装置110は、調光セル120を遮光状態にすると、調光セル120と空隙層Gの界面及びフィルム133と空隙層Gの界面での反射により、第1ガラス板111側から見ると、鏡面状に観察される。
図9に示すように、調光装置110は、調光コントローラ191に接続され、調光コントローラ191にはセンサ装置192及びユーザ操作部193が接続される。調光コントローラ191は、調光装置110の調光状態を制御し、調光装置110による光の遮断及び透過を切り換えたり、調光装置110における光の透過度を変えたりすることができる。具体的には、調光コントローラ191は、調光装置110の外部電極基板135に接続され、調光装置110の液晶層123に印加する電界を調整して液晶層123中の液晶分子の配向を変えることで、調光装置110による光の遮断及び透過を切り換えたり、光の透過度を変えたりすることができる。
調光コントローラ191は、任意の手法に基づいて液晶層123に印加する電界を調整できる。調光コントローラ191は、例えばセンサ装置192の測定結果やユーザ操作部193を介してユーザにより入力される指示(コマンド)に応じて、液晶層123に印加する電界を調整し、調光装置110による光の遮断及び透過を切り換えたり、光の透過度を変えたりすることができる。したがって調光コントローラ191は、液晶層123に印加する電界を、センサ装置192の測定結果に応じて自動的に調整してもよいし、ユーザ操作部193を介したユーザの指示に応じて手動的に調整してもよい。なおセンサ装置192による測定対象は特に限定されず、例えば使用環境の明るさを測定してもよく、この場合、調光装置110による光の遮断及び透過の切り換えや光の透過度の変更が使用環境の明るさに応じて行われる。また調光コントローラ191には、必ずしもセンサ装置192及びユーザ操作部193の両方が接続されている必要はなく、センサ装置192及びユーザ操作部193のうちのいずれか一方のみが接続されていてもよい。
外部電極基板135は、第1積層体121と第2積層体122とによって挟持されている。外部電極基板135が形成される領域において、第1積層体121及び第2積層体122は、面方向外側に向けて突出する電極用突出片136を有している。外部電極基板135は、電極用突出片136の内部に埋め込まれている。外部電極基板135及び電極用突出片136は、図9の矢印に示すように、額縁中間膜116と第2中間膜114との間に挟まれ、額縁中間膜116及び第2中間膜114から外方に突出する。しかしながら、これに限らず、外部電極基板135及び電極用突出片136は、額縁中間膜116と第1中間膜113との間に挟まれても良い。
(調光セルの製造方法)
次に、本実施形態による調光装置110の調光セル120の製造方法について、図10(a)-(d)及び図11(a)-(c)を用いて説明する。図10(a)-(d)及び図11(a)-(c)は、本実施形態による調光セル120の製造方法を示す断面図である。
まず、図10(a)に示すように、ロール状に供給された第2基材127を準備する。続いて、図10(b)に示すように、スパッタリング装置を使用したスパッタリング等によって、第2基材127上に例えばITOからなる第2透明電極128を形成する。このとき、透明電極を所定のパターン形状となるようにパターンニングしてもよい。
次に、図10(c)に示すように、第2透明電極128を形成した第2基材127上に第2配向層129に係る塗工液を塗工した後、露光し、第2配向層129を作製する。このようにして、第2基材127と、第2透明電極128と、第2配向層129とが積層された第2積層体122が準備される。
なお、図10(a)-(c)に示す工程と同様にして、第1基材124と、第1透明電極125と、第1配向層126とが積層された第1積層体121も準備する。
続いて、図10(d)に示すように、第2積層体122の第2配向層129上に、ビーズスペーサー131を配置する。このビーズスペーサー131の配置は、湿式/乾式散布に加え、種々の配置方法を広く適用することができる。例えば、ビーズスペーサー131を樹脂成分と共に溶剤に分散して製造した塗工液を部分的に塗工した後、乾燥、焼成の処理を順次実行することにより、第2配向層129上にランダムにビーズスペーサー131を配置して移動困難に保持しても良い。なお、図示していないが、このビーズスペーサー131の外周が第2配向層129で覆われるようにしても良い。具体的には、第2配向層129に係る塗工液にビーズスペーサー131を混合させて第2配向層129を形成することにより、ビーズスペーサー131が第2配向層129に薄く覆われて保持される形態にすることができる。
次に、図11(a)に示すように、第2積層体122の第2配向層129上にディスペンサを使用してシール材132を塗布する。このシール材132は、液晶層123を作製する部位を取り囲むように枠形状に塗布される。
次いで、図11(b)(c)に示すように、第2積層体122と第1積層体121とを互いに積層し、液晶層123を配置する。この間、まず図11(b)に示すように、シール材132によって囲まれた領域に液晶層123を構成する液晶を滴下する。このとき、液晶層123は、シール材132の内側であって、ビーズスペーサー131の周囲に充填される。
続いて、図11(c)に示すように、液晶層123を配置した第2積層体122と、予め準備した第1積層体121とを互いに積層して押圧する。その後、紫外線を照射することによりシール材132を半硬化させた後、加熱し、これにより第1積層体121と第2積層体122とを一体化する。その後、このようにして作製された第1積層体121と第2積層体122との積層体をトリミングすることにより所望の大きさに切断する。
なお、上述したように、液晶層123を配置した後、第2積層体122と第1積層体121とを互いに積層することが好ましいが、これに限らず、第2積層体122と第1積層体121とを互いに積層した後、液晶層123を配置するようにしても良い。その後、第1積層体121と第2積層体122との間に外部電極基板135(図9参照)を取り付けることにより、本実施形態による調光セル120が得られる。
(調光装置の製造方法)
次に、本実施形態による調光装置110の製造方法(合わせガラス加工方法)について、図12(a)-(c)を用いて説明する。図12(a)-(c)は、調光装置110の製造方法を示す断面図である。
まず、図12(a)に示すように、第1ガラス板111及び第2ガラス板112を準備するとともに、第1ガラス板111及び第2ガラス板112によって第1中間膜113と額縁中間膜116とフィルム133と調光セル120と第2中間膜114とを挟み、合わせガラス積層体130を作製する。ここで、第1ガラス板111及び第2ガラス板112は、予め、表面形状が3次元形状である曲面形状が賦形されている。
次に、図12(b)に示すように、合わせガラス積層体130をバッグ151に封入する。バッグ151は、可撓性及び気密性を有するゴム製やシリコン製が好適である。また、このバッグ151には、通気管152が接続されており、この通気管152を介して不図示のポンプによりバッグ151内の空気を吸引する。これにより、合わせガラス積層体130の各部材間に残る空気を吸引し、調光装置110の内部に気泡等が残ることによる圧着不良を抑制できる。本実施形態では、バッグ151内及び合わせガラス積層体130の内部が真空状態となるように吸引し、合わせガラス積層体130に対して差圧により大気圧程度(0.1MPa)の圧力がかかる例を挙げて説明する。しかしながら、これに限らず、例えば、不図示のポンプの吸引力を調整し、バッグ151内が完全に真空ではないが、合わせガラス積層体130の各部材間の空気が十分に吸引され、合わせガラス積層体130に対して、差圧により大気圧よりも小さい圧力がかかる状態としてもよい。
続いて、図12(c)に示すように、バッグ151に合わせガラス積層体130を封入した後、バッグ151ごと加熱・加圧装置153内へ配置する。続いて、所定の温度及び時間で、バッグ151ごと合わせガラス積層体130を加熱する。本実施形態においては、第1中間膜113、第2中間膜114及び額縁中間膜116の軟化温度以上の温度で所定の時間、合わせガラス積層体130を加熱する。このとき、通気管152を介して不図示のポンプによりバッグ151内の空気を吸引することが好ましい。加熱・加圧装置153として使用する装置は、合わせガラス積層体130に対して十分に加熱や加圧が行えるのであれば特に限定しないが、例えば、オーブンやオートクレーブ用の装置等が挙げられる。この加熱により、第1中間膜113、第2中間膜114及び額縁中間膜116が溶融し、合わせガラス積層体130の第1ガラス板111、第1中間膜113、額縁中間膜116、フィルム133、調光セル120、第2中間膜114及び第2ガラス板112が圧着されて一体に接合され、調光装置110が得られる。なお、このとき、フィルム133と調光セル120とは互いに直接接合されることがないので、これらの間に空隙層Gが形成される。このような空隙層Gが設けられていることにより、調光装置110の製造後、調光セル120の液晶層123に加わる圧力が解放されるため、調光セル120内に液晶層123の偏在が存在していたとしても、この液晶層123の偏在が自然に解消される。
その後、第1中間膜113、第2中間膜114及び額縁中間膜116の軟化温度以上で、合わせガラス積層体130(調光装置110)を所定の時間、加熱することにより、セルギャップ(液晶層123の厚み)を均一とする工程(均し工程)を行っても良い。
ところで、このようにして調光装置110を製造する合わせガラス加工の際、合わせガラス積層体130の各部材には圧力が加わる。この際、スペーサー(ビーズスペーサー131)が位置する部分では、本来のセルギャップ(液晶層123の厚み)を維持しているが、ビーズスペーサー131から離れると、本来のセルギャップの値よりも小さくなる。そして、このようなセルギャップにムラが生じると、調光装置110に外観不良が生じたり、調光機能が不均一化になったりする等、その品質が低下するおそれがある。
これに対して本実施形態によれば、調光セル120と第1中間膜113との間に、フィルム133が配置され、調光セル120とフィルム133との間に、空隙層Gが設けられている。これにより、調光セル120の液晶層123に液晶だまり(局所的に液晶が多く存在する現象)が生じていた場合でも、調光装置110の作製後、液晶層123に加わる圧力が解放された際、調光セル120が空隙層G内でセルギャップ(液晶層123の厚み)が均一になるように自然に移動する(図13(a)-(c)参照)。これにより、調光セル120の液晶だまりが解消され、調光セル120の液晶層123を面内で均一に分布させることができ、調光装置110の品質や外観を高めることができる。
また、本実施形態によれば、調光セル120とフィルム133との間に空隙層Gが設けられていることにより、調光装置110の断熱性を向上させ、調光装置110が設けられる車両や建造物の内部の保温性を高めることができる。
また、本実施形態によれば、調光セル120の周囲を取り囲むように額縁中間膜116が形成され、額縁中間膜116は、第1中間膜113と第2中間膜114とを接続している。これにより、調光装置110の側面からの水分等の侵入を抑止し、調光装置110の遮水性をより高めることができる。
(第3実施形態の変形例)
次に、図14乃至図27を参照して、第3実施形態の各種変形例について説明する。図14乃至図27は、それぞれ本実施形態の変形例による調光装置を示す図である。図14乃至図27において、図7乃至図13に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
(第1の変形例)
図14は、第1の変形例による調光装置110Aを示している。図14に示す調光装置110Aにおいて、調光セル120とフィルム133との間に、流動性樹脂層Lが設けられている。この流動性樹脂層Lは、調光セル120とフィルム133との間の空間に封入されている。流動性樹脂層Lは、例えば、第1中間膜113及び第2中間膜114よりも低い温度で軟化する透明樹脂であり、未硬化の液体であってもゲル状であってもよい。また、流動性樹脂層Lの屈折率は、フィルム133に合わせられていることが好ましい。このような流動性樹脂層Lとしては、例えばグリセリン等を用いることができる。また流動性樹脂層Lは、流動性液体層であってもよい。流動性樹脂層Lの厚さは、0μmより大きく10000μm以下としても良い。このように、調光セル120とフィルム133との間に流動性樹脂層Lを設けることにより、合わせガラス加工後に流動性樹脂層Lを流動させることができる。これにより、調光セル120の液晶層123の厚みを均一化し、液晶だまりの発生を抑えることができる。なお、後述する図15乃至図27に示す例においても、調光セル120とフィルム133(又は追加のフィルム133A)との間に、空隙層Gに代えて流動性樹脂層Lを設けても良い。
(第2の変形例)
図15は、第2の変形例による調光装置110Bを示している。図15に示す調光装置110Bにおいて、調光セル120とフィルム133との間の空隙層Gに、複数のスペーサー134が設けられている。スペーサー134としては、上述した調光セル120のビーズスペーサー131と同様の構成をもつ球形状のビーズスペーサーを用いても良い。複数のスペーサー134は、平面視で規則的に配置されても良く、不規則に配置されても良い。この場合、スペーサー134の直径は、0μmより大きく10000μm以下の範囲としても良く、視認性の観点からは、1μm以上100μm以下の範囲とすることが好ましい。あるいは、スペーサー134としては、柱状のスペーサーを用いても良い。このように、空隙層Gにスペーサー134を配置することにより、空隙層Gの厚みを確保することができる。これにより、調光セル120とフィルム133とが貼りつかないようにし、液晶層123に虹状のムラや液晶だまりが生じることを抑えることができる。また、スペーサー134に代えて、あるいはスペーサー134とともに、フィルム133の表面を粗化することにより、調光セル120とフィルム133とが貼りつかないようにしてもよい。
(第3の変形例)
図16は、第3の変形例による調光装置110Cを示している。図16に示す調光装置110Cにおいて、調光セル120と第2中間膜114との間に、追加のフィルム133Aが配置されている。また調光セル120と追加のフィルム133Aとの間に、空隙層Gが設けられている。追加のフィルム133Aとしては、フィルム133と同様の構成をもつものを用いても良い。このように、調光セル120の両面側(第1中間膜113側及び第2中間膜114側)にそれぞれ空隙層Gが設けられていることにより、調光セル120の液晶層123の流動性を高め、液晶層123に液晶だまりが生じることをより効果的に抑制することができる。また、調光セル120に対して第1ガラス板111側、第2ガラス板112側の双方にフィルムがあるため、調光セル120を遮光状態としたときに、第1ガラス板111側、第2ガラス板112側のどちらから見ても、同様の鏡面状に観察される。
(第4の変形例)
図17及び図18は、第4の変形例による調光装置110Dを示している。図17及び図18に示す調光装置110Dにおいて、調光セル120の一部とフィルム133の一部とにより、延長部161が形成されている。この延長部161は、調光装置110Dから面方向外側に向けて突出する。また延長部161は、平面視で略長方形形状を有し、第1ガラス板111及び第2ガラス板112の外方に延びている。この場合、延長部161は、調光セル120の第1基材124とフィルム133とによって形成されている。すなわち、調光セル120の第1基材124は、外方に突出する突出片124aを有し、フィルム133は、外方に突出する突出片133aを有する。延長部161は、調光セル120の突出片124aとフィルム133の突出片133aとにより構成される。延長部161を構成する第1基材124の突出片124aとフィルム133の突出片133aとは、互いに同一形状を有する。本開示において、このような突出片124aを有する調光セル120も提供する。
本変形例において、調光セル120とフィルム133との間の空隙層Gと、外気とを連通する連通孔(通気孔)162が設けられている。この連通孔162は、延長部161の内部に形成されており、具体的には、延長部161における第1基材124とフィルム133との間の隙間に設けられる。この場合、合わせガラス加工時に調光セル120とフィルム133との間の空隙層Gから空気が抜けた場合でも、連通孔162から空気又は窒素等の気体を注入して空隙層Gを復元することができる。これにより、調光セル120の液晶層123に液晶だまりが生じることを抑えることができる。調光セル120とフィルム133との間に空隙層Gを復元した後、連通孔162を接着剤又は液状の中間膜等により密封してもよい。なお、延長部161は、第1基材124とフィルム133とによって形成されており、延長部161の箇所には第2基材127が存在しない。これにより、連通孔162を薄く作製することができ、空気の通り道が広くなり、液晶溜まりが改善し易い。しかしながら、これに限らず、延長部161は、第2基材127と第1基材124とフィルム133とによって形成されても良い。延長部161(延長部161)を設ける場所は限定されないが、しわ等の発生を抑えるため、調光セル120の角部近傍以外とすることが好ましい。
また、延長部161の幅W2(図18)は5mm以上40mm以下とすることが好ましく、10mm以上20mm以下とすることがさらに好ましい。上記範囲とすることにより、延長部161の幅W2を狭く抑え、連通孔162の歪みによる液晶溜まりを発生しにくくすることができる。また本変形例において、少なくとも連通孔162が形成される部分の額縁中間膜116の幅W3(図17、図18)を細くすることが望ましい。具体的には、額縁中間膜116の幅W3を0mm以上10mm以下程度とすることが好ましい。これにより、連通孔162による空気の通り道を広く確保することができ、液晶溜まりを改善しやすくすることができる。なお、調光セル120とフィルム133との間に流動性樹脂層L(図14)を封入する場合、この連通孔162から流動性樹脂層Lを注入しても良い。また、調光セル120とフィルム133との間の空隙層Gに複数のスペーサー134を設ける場合(図15)、延長部161にもスペーサー134を設けることが好ましい。なお、連通孔162は、調光セル120とフィルム133との間の空隙層Gと、外気とを互いに連通させることができるものであればよい。例えば、延長部161が、調光セル120の第1基材124(第2基材127)とフィルム133の一辺全体に渡って形成されていてもよい。
(第5の変形例)
図19は、第5の変形例による調光装置110Eを示している。図19に示す調光装置110Eにおいて、第4の変形例(図17及び図18)と同様に、調光セル120の一部とフィルム133の一部とにより、延長部161が形成されている。この延長部161は、調光装置110Eから面方向外側に向けて突出する。また、調光セル120とフィルム133との間の空隙層Gと、外気とを連通する連通孔(通気孔)162が設けられている。本変形例において、額縁中間膜116は、調光セル120の第1基材124(第2基材127)とフィルム133の4つの辺のうち連通孔162が設けられた一辺が欠けた平面視コの字形状を有している。このように、連通孔162が設けられた一辺に額縁中間膜116が存在しないことにより、連通孔162から空気又は窒素等の気体を注入しやすくすることができる。額縁中間膜116の平面形状は、コの字形状のほか、例えば、(i)連通孔162が設けられた部分のみが欠けた額縁形状、(ii)対向する二辺のみの形状(「=」字形状)、(iii)四隅のみにそれぞれドット状に設けられた形状、(iv)四隅のみにそれぞれL字状に設けられた形状、(v)対角線上の2つの角部のみに設けられた形状、(vi)四隅のみを除いた形状等であっても良い。このほかの構成は、図17及び図18に示す第4の変形例の構成と略同様である。
(第6の変形例)
図20及び図21は、第6の変形例による調光装置110Fを示している。図20及び図21に示す調光装置110Fにおいて、調光セル120とフィルム133との間に、連通管163が配置されている。この連通管163は、調光装置110Fから面方向外側に向けて突出する。すなわち、連通管163は、細長い管形状を有し、第1ガラス板111及び第2ガラス板112の外方に延びている。この場合、連通管163は、調光セル120の第1基材124とフィルム133との間に挟持されている。また、本変形例において、調光セル120とフィルム133との間の空隙層Gと、外気とを連通する連通孔(通気孔)162Aが設けられている。この連通孔162Aは、連通管163の径方向中心に形成される。この場合、合わせガラス加工時に調光セル120とフィルム133との間の空隙層Gから空気が抜けた場合でも、連通孔162Aから空気を注入して空隙層Gを復元することができる。これにより、調光セル120の液晶層123に液晶だまりが生じることを抑えることができる。また、調光セル120とフィルム133との間に流動性樹脂層L(図14)を封入する場合、この連通孔162Aから流動性樹脂層Lを注入しても良い。
(第7の変形例)
図22は、第7の変形例による調光装置110Gを示している。図22に示す調光装置110Gにおいて、調光セル120の一部とフィルム133の一部とにより、複数(2つ)の延長部161A、161Bが形成されている。2つの延長部161A、161Bは、それぞれ調光装置110Gから面方向外側に向けて突出する。すなわち、各延長部161A、161Bは、平面視で略長方形形状を有し、第1ガラス板111及び第2ガラス板112の外方に延びている。2つの延長部161A、161Bは、調光装置110Gの同一の辺上に位置しているが、これに限らず、異なる辺上に位置していても良い。この場合、各延長部161A、161Bは、それぞれ第1基材124の突出片124aとフィルム133の突出片133aとによって形成されている。本変形例において、調光セル120とフィルム133との間の空隙層Gと、外気とを連通する連通孔(通気孔)162B、162Cが設けられている。この連通孔162B、162Cは、それぞれ延長部161A、161Bに形成されており、具体的には、延長部161A、161Bにおける第1基材124とフィルム133との間の隙間に設けられる。このように、複数(2つ)の延長部161A、161Bを設けることにより、一方の延長部161A(161B)から調光セル120とフィルム133との間に流動性樹脂層Lを封入する場合、他方の延長部161B(161A)から真空引きすることができ、流動性樹脂層Lをスムーズに封入することができる。このほか、各延長部161A、161Bの構成は、図17及び図18に示す延長部161の構成と略同一である。
(第8の変形例)
図23は、第8の変形例による調光装置110Hを示している。図23に示す調光装置110Hにおいて、調光セル120と第2中間膜114との間に、追加のフィルム133Aが配置されている。調光セル120と追加のフィルム133Aとの間には、空隙層Gが設けられている。また、調光セル120の一部とフィルム133の一部とにより、延長部161Cが形成されている。この延長部161Cは、それぞれ調光装置110Hから面方向外側に向けて突出する。すなわち、延長部161Cは、平面視で略長方形形状を有し、第1ガラス板111及び第2ガラス板112の外方に延びている。この場合、延長部161Cは、第1基材124の突出片124a、第2基材127の突出片127a、フィルム133の突出片133a及び追加のフィルム133Aの突出片133bによって形成されている。本変形例において、調光セル120とフィルム133との間の空隙層Gと、外気とを連通する連通孔(通気孔)162Dが設けられている。この連通孔162Dは、延長部161Cにおける第1基材124とフィルム133との間の隙間に設けられる。また、調光セル120と追加のフィルム133Aとの間の空隙層Gと、外気とを連通する連通孔(通気孔)162Eが設けられている。この連通孔162Eは、延長部161Cにおける第1基材124と追加のフィルム133Aとの間の隙間に設けられる。このほか、延長部161Cの構成は、図17及び図18に示す延長部161の構成と略同一である。
(第9の変形例)
図24は、第9の変形例による調光装置110Iを示している。図24に示す調光装置110Iにおいて、調光セル120と第2中間膜114との間に、追加のフィルム133Aが配置されている。調光セル120と追加のフィルム133Aとの間には、空隙層Gが設けられている。また、調光セル120の一部とフィルム133の一部とにより、複数(2つ)の延長部161D、161Eが形成されている。2つの延長部161D、161Eは、それぞれ調光装置110Iから面方向外側に向けて突出する。すなわち、各延長部161D、161Eは、平面視で略長方形形状を有し、第1ガラス板111及び第2ガラス板112の外方に延びている。この場合、一方の延長部161Dは、第1基材124の突出片124aとフィルム133の突出片133aとによって形成されている。また、調光セル120とフィルム133との間の空隙層Gと、外気とを連通する連通孔(通気孔)162Fが設けられている。この連通孔162Fは、一方の延長部161Dに形成されており、具体的には、延長部161Dにおける第1基材124とフィルム133との間の隙間に設けられる。他方の延長部161Eは、第2基材127の突出片127aと追加のフィルム133Aの突出片133bとによって形成されている。また、調光セル120と追加のフィルム133Aとの間の空隙層Gと、外気とを連通する連通孔(通気孔)162Gが設けられている。この連通孔162Gは、他方の延長部161Eに形成されており、具体的には、他方の延長部161Eにおける第2基材127と追加のフィルム133Aとの間の隙間に設けられる。このほか、延長部161D、161Eの構成は、図17及び図18に示す延長部161の構成と略同一である。
(第10の変形例)
図25は、第10の変形例による調光装置110Jを示している。図25に示す調光装置110Jにおいて、調光セル120の周縁とフィルム133の周縁とが、シール材164により互いに接着されている。このシール材164は、空隙層Gの周縁に沿って設けられている。シール材164としては、上述した調光セル120のシール材132と同様の材料を用いることができ、シール材132と同様の材料以外にもエポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等を適用することができる。シール材164の幅W4は、0.1mm以上50mm以下としても良い。このシール材164は、調光セル120の第1基材124の周縁に沿って塗布され、調光セル120とフィルム133とをラミネートした後、例えば紫外線(UV)及び熱によって硬化されて形成される。なお、シール材164は、調光セル120のシール材132と同時に形成されても良い。また、シール材164は、調光セル120及びフィルム133の周縁全体に設けられているが、これに限らず、調光セル120及びフィルム133の周縁の一部のみに設けられても良い。このように、調光セル120及びフィルム133を一体化させることにより、調光セル120及びフィルム133の剛性が高まり、しわの発生や液晶だまりの発生を抑制することができる。また、調光セル120とフィルム133との間の空隙層Gと、額縁中間膜116とが直接触れることがなくなるため、空気等による額縁中間膜116の劣化が抑制される。さらに、調光セル120及びフィルム133が一体化しているため、これらを積層する工程を簡略化することができる。また、図25において、調光セル120とフィルム133との間隔をシール材164により調整することができるので、調光セル120の表面で反射した光とフィルム133の表面で反射した光が干渉し、虹ムラが生じることを防止することができる。この場合、シール材164にスペーサー(例えば上述したビーズスペーサー131と同様のもの)を混入し、調光セル120とフィルム133との間隔を調整してもよい。本開示において、調光セル120と、調光セル120にシール材164によって接着されたフィルム133とを備え、調光セル120とフィルム133との間に、空隙層Gが設けられている調光装置用積層体160も提供する。
(第11の変形例)
図26は、第11の変形例による調光装置110Kを示している。図26に示す調光装置110Kにおいて、調光セル120の一部とフィルム133の一部とにより、延長部161が形成されている。また、調光セル120の周縁とフィルム133の周縁とが、シール材164により互いに接着されている。さらに、延長部161において、調光セル120の第1基材124とフィルム133とがシール材164により互いに接着されている。このシール材164は、延長部161の幅方向両端縁にも形成されている。なお、延長部161の基端部にはシール材164が設けられておらず、連通孔162と空隙層Gとの連通が阻害されることはない。本変形例において、延長部161から調光セル120とフィルム133との間の空間に流動性樹脂層Lを封入する場合、この空間を陰圧とした状態で、延長部161の先端を流動性樹脂層Lの入った容器に浸漬することにより、流動性樹脂層Lを空間にスムーズに封入することができる。このため、調光セル120の辺全体を流動性樹脂層Lの入った容器に浸漬する必要が生じない。
(第12の変形例)
図27は、第12の変形例による調光装置110Lを示している。図27に示す調光装置110Lにおいて、調光セル120の一部とフィルム133の一部とにより、延長部161が形成されている。また、調光セル120とフィルム133の対向する2辺が、それぞれシール材164により互いに接着されている。具体的には、調光セル120とフィルム133の4つの辺のうち、延長部161が形成された辺と、延長部161が形成された辺に対向する辺がそれぞれシール材164により接着されている。さらに、延長部161において、調光セル120の第1基材124とフィルム133とがシール材164により互いに接着されている。このシール材164は、延長部161の幅方向両端縁にも形成されている。このほかの構成は、図25に示す構成と略同様である。
上記実施形態および変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記実施形態および変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。

Claims (5)

  1. 第1透明部材と、
    第2透明部材と、
    前記第1透明部材と前記第2透明部材との間に配置された調光セルと、
    前記第1透明部材と前記調光セルとの間に配置された第1中間膜と、を備え、
    前記調光セルと前記第1中間膜との間に、フィルムが配置され、
    前記フィルムは、前記第1中間膜に対して接合され、前記調光セルに対して接合されておらず、
    前記調光セルと前記フィルムとの間に空隙層が形成されている、調光装置。
  2. 前記調光セルは、フィルム状の第1積層体と、フィルム状の第2積層体と、第1積層体と第2積層体との間に配置された液晶層と、前記液晶層を取り囲むように配置されたシール材とを備え、
    前記フィルムの平面形状は、前記第1中間膜の平面形状よりも小さく、前記調光セルの平面形状よりも小さく、かつ前記シール材の内側に位置する前記液晶層の平面形状よりも大きい、請求項1に記載の調光装置。
  3. 前記フィルムが、赤外線(IR)反射フィルム、紫外線(UV)カットフィルム、AR(Anti-Reflection)フィルム、AG(Anti-Glare)フィルム、反射型偏光性フィルム、調光フィルム、又は、デフロスター機能を有するフィルムのいずれかである、請求項1または2に記載の調光装置。
  4. 前記フィルムと前記調光セルとの間、または、前記第1中間膜と前記フィルムとの間に機能性フィルムをさらに備える、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の調光装置。
  5. 前記フィルムの前記調光セル側の表面が粗化されている、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の調光装置。
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