JP7073795B2 - 合わせガラス製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶層を備える液晶フィルムをガラス板で挟持した合わせガラスを製造する合わせガラス製造方法と、これに用いられる液晶フィルム、これによって製造される合わせガラスに関するものである。
従来、窓等の透光部材と組み合わせて用いられ、外来光の透過を制御する電子ブラインド等に利用可能な調光部材や、このような調光部材を用いた調光装置等が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。このような調光部材の1つに、液晶層を備える液晶フィルムが知られている。
この液晶フィルムは、透明電極を含む透明な樹脂製の基材により液晶材料を挟持し、これをさらに直線偏光板により挟持する等して作成される。そして、液晶フィルムは、透明電極間に印加する電界を変化させることにより液晶の配向を変化させ、外来光の透過量を制御することができる。
特許第6135816号 特開2017-187810
このような液晶フィルムを自動車のルーフウィンドウ、サイドウィンドウ等に利用可能な調光部材とする場合には、液晶フィルムを、中間膜を介して一対のガラスで挟み、合わせガラスとすることが好適である。しかし、従来は、液晶フィルムを挟み込んだ合わせガラスが実際に製造されたことがなかった。したがって、単に中間膜を挟んで構成される従来の合わせガラスと同様な手法をそのまま適用しただけでは、液晶フィルムを挟み込んだ合わせガラスを正しく製造できない場合があった。
例えば、従来のガラス板で中間膜を挟んで構成される合わせガラスでは、各部材を一体に圧着する際にその表面にかかる圧力が均一でない場合であっても、十分に圧着され、その外観に問題はなかった。しかし、液晶フィルムを挟み込んだ合わせガラスでは、各部材を一体に圧着する際にその表面にかかる圧力が均一でない場合等において、液晶の不均一な分布により、局所的に液晶が多く存在する部分である液晶溜り等が生じやすく、液晶フィルムを挟み、調光機能を有する合わせガラスとしての品質や外観が低下するという問題があった。
本発明の課題は、液晶フィルムを挟み込んだ合わせガラスにおいて、液晶の偏在による液晶溜り等を低減できる合わせガラス製造方法、液晶フィルム、合わせガラスを提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の発明は、第1のガラス板(33A)及び第2のガラス板(33B)で液晶層(14)を備える液晶フィルム(10)を挟んで接合した合わせガラス(1)を製造する合わせガラス製造方法であって、前記第1のガラス板と前記第2のガラス板とで第1の中間膜形成シート(31A)と前記液晶フィルムと第2の中間膜形成シート(31B)とを挟んだ積層体(30)を、加熱して、又は、加熱及び加圧して一体に接合する接合工程(S20)と、前記接合工程の後、前記積層体を加熱して前記液晶層の層厚を均一にする均し工程(S30)と、を備えること、特徴とする合わせガラス製造方法である。
第2の発明は、第1の発明の合わせガラス製造方法において、前記接合工程(S20)において前記積層体(30)を加熱する温度は、前記第1の中間膜形成シート(31A)及び前記第2の中間膜形成シート(31B)の軟化温度以上であること、を特徴とする合わせガラス製造方法である。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明に記載の合わせガラス製造方法において、前記均し工程(S30)では、前記積層体(30)に対して、前記接合工程(S20)から連続的に加熱を行うこと、特徴とする合わせガラス製造方法である。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明までのいずれかの合わせガラス製造方法において、前記接合工程(S20)では、可撓性及び気密性を有するバッグ(501)内に前記積層体(30)を配置し、前記バッグ内の空気を吸引しながら、前記積層体に対して、加熱を行う、又は、加熱及び加圧を行うこと、を特徴とする合わせガラス製造方法である。
第5の発明は、第4の発明の合わせガラス製造方法において、前記均し工程(S30)では、前記バッグ(501)内の空気の吸引を前記接合工程(S20)から連続して行うこと、を特徴とする合わせガラス製造方法である。
第6の発明は、第4の発明の合わせガラス製造方法において、前記接合工程(S20)の終了前に、前記バッグ(501)内の空気の吸引を終了すること、を特徴とする合わせガラス製造方法である。
第7の発明は、第1のガラス板及び第2のガラス板で液晶層を備える液晶フィルムを挟んで接合した合わせガラスを製造する合わせガラス製造方法であって、前記第1のガラス板(33A)と前記第2のガラス板(33B)とで第1の中間膜形成シート(31A)と前記液晶フィルム(10)と第2の中間膜形成シート(31B)とを挟んで一体に接合した積層体(30)を、前記第1の中間膜形成シート及び前記第2の中間膜形成シートの軟化温度以上の温度で加熱して前記液晶層の層厚を均一にすること、特徴とする合わせガラス製造方法である。
第8の発明は、第1の発明の前記第1のガラス板と前記第2のガラス板とで前記液晶フィルムを挟んで接合する合わせガラス製造方法に用いられる液晶フィルムであって、前記液晶フィルムは、厚み方向において順に、第1基材層(21A)と、第1透明電極層(22A)と、液晶層(14)と、第2透明電極層(22B)と、第2基材層(21B)とを備え、前記液晶層には、その総厚を均一に維持するための複数のスペーサー(24,34)が設けられ、前記スペーサーの少なくとも一部(34)は、前記液晶層の厚さ方向を長手方向とする柱状であること、を特徴とする液晶フィルム(10)である。
第9の発明は、第8の発明の液晶フィルム(10)を第1のガラス板(33A)と第2のガラス板(33B)とで挟んで一体に接合した合わせガラス(1)である。
本発明によれば、液晶フィルムを挟み込んだ合わせガラスにおいて、液晶溜りによる外観不良を低減できる合わせガラス製造方法、液晶フィルム、合わせガラスを提供することができる。
実施形態の合わせガラス1を示す図である。 実施形態の合わせガラス1の層構成について調光フィルム10を主として示す断面図である。 実施形態の合わせガラス製造方法を説明する図である。 実施形態の合わせガラス製造方法を説明するフローチャートである。 実施形態の接合工程S20を説明するフローチャートである。 均し工程S30での液晶層14の様子を説明する図である。 吸引工程S22、加熱工程S23、均し工程S30における加熱や加圧の状態の組み合わせ例を説明するグラフである。 吸引工程S22、加熱工程S23、均し工程S30における加熱や加圧の状態の組み合わせ例を説明するグラフである。 吸引工程S22、加熱工程S23、均し工程S30における加熱や加圧の状態の組み合わせ例を説明するグラフである。 吸引工程S22、加熱工程S23、均し工程S30における加熱や加圧の状態の組み合わせ例を説明するグラフである。 吸引工程S22、加熱工程S23、均し工程S30における加熱や加圧の状態の組み合わせ例を説明するグラフである。 吸引工程S22、加熱工程S23、均し工程S30における加熱や加圧の状態の組み合わせ例を説明するグラフである。 接合工程S20の他の実施形態を示すフローチャートである。 調光フィルム10の他の実施形態の断面を示す図である。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
また、本明細書において、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
また、本発明において透明とは、少なくとも利用する波長の光を透過するものをいう。例えば、仮に可視光を透過しないものであっても、赤外線を透過するものであれば、赤外線用途に用いる場合においては、透明として取り扱うものとする。
(実施形態)
図1は、本実施形態の合わせガラス1を示す図である。
本実施形態の合わせガラス1は、その表面形状が曲面形状を有する3次元形状により構成されており、図1では、一例として、合わせガラス1(積層体30)が一方の面側に凸となる形状を有している。なお、合わせガラス1は、これに限らず、例えば、表面形状が平面状(すなわち、平板状)としてもよいし、その表面形状が曲面形状を有する2次元形状(例えば、円筒の一部形状)等としてもよい。
ここで、3次元形状とは、単純な円筒面ではなく、平面を伸縮なしに変形させるだけでは構成できない曲面であり、単一の軸を中心として2次元的に曲がった2次元形状(2次元曲面)、或いは、互いに平行な複数の軸を中心として異なる曲率で2次元的に曲がった2次元形状(2次元曲面)とは区別されるものである。すなわち、3次元形状とは、互いに対して傾斜した複数の軸の各々を中心として、部分的に又は全体的に曲がっている面による形状である。
本実施形態の説明中では、合わせガラス1の各構成部材が積層配置されているものを積層体30と呼ぶ。積層体30は、合わせガラス1の各部材が接合される前の状態を指しているので、構成自体は、合わせガラス1と同等である。
本実施形態の積層体30は、第1のガラス板33Aと、第1の中間膜形成シート31Aと、調光フィルム(液晶フィルム)10と、第2の中間膜形成シート31Bと、第2のガラス板33Bと、がこの順番で積層配置されている。なお、図1では、第1の中間膜形成シート31A及び第2の中間膜形成シート31Bは、図示を省略している。
図2は、本実施形態の合わせガラス1の層構成について調光フィルム10を主として示す断面図である。なお、本実施形態の合わせガラス1は、3次元形状の表面形状を有しているが、図2では、理解を容易にするために、合わせガラス1の表面形状が平面状である場合の断面図を示している。
調光フィルム10(液晶フィルム)は、印加電圧を変化させることにより透過光の光量を制御することができるフィルムである。本実施形態の調光フィルム10は、合わせガラス1の中間材とともに、ガラス板(透明部材)間に挟持される等して使用される。
この調光フィルム10備える合わせガラス1は、例えば、建築物の窓ガラスや、ショーケース、屋内の透明パーテーション、車両のウインドウ等の調光を図る部位(外光が入射する部位、例えば、フロントや、サイド、リア、ルーフ等のウインドウ)に配置され、建築物や車両等の内側への入射光の光量を制御することができる。
調光フィルム10(液晶フィルム)は、二色性色素を使用したゲストホスト型の液晶層を備えており、液晶に印加する電界により透過光量を変化させる部材である。調光フィルム10は、フィルム形状による液晶用第2積層体13及び液晶用第1積層体12により液晶層14を挟持して構成される。
液晶用第1積層体12は、基材21Aに、透明電極22A、配向層23Aを積層して形成される。
液晶用第2積層体13は、基材21Bに、透明電極22B、配向層23B、スペーサー24を積層して形成される。
調光フィルム10は、この液晶用第1積層体12及び液晶用第2積層体13に設けられた透明電極22A,22Bの駆動により、液晶層14に設けられたゲストホスト液晶組成物による液晶材料の配向を変化させ、これにより透過光の光量を変化させる。
基材21A,21Bは、透明な樹脂製であって、可撓性を有するフィルムを適用することができる。基材21A,21Bとしては、光学異方性が小さく、また、可視域の波長(380~800nm)における透過率が80%以上である透明樹脂フィルムを適用することが望ましい。
透明樹脂フィルムの材料としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等のアセチルセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、ポリメチルペンテン、EVA等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリサルホン(PEF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリスルホン、ポリエーテル(PE)、ポリエーテルケトン(PEK)、(メタ)アクロニトリル、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー等の樹脂を挙げることができる。透明樹脂フィルムの材料としては、特に、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂が好ましい。
また、基材21B,21Aとして用いられる透明樹脂フィルムの厚みは、その材料にも依るが、その透明樹脂フィルムが可撓性を有する範囲内で適宜選択することができる。
本実施形態では、基材21A,21Bは、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムが適用される。
透明電極22A,22Bは、基材21A,21B(透明樹脂フィルム)に積層される透明導電膜から構成されている。
透明導電膜としては、この種の透明樹脂フィルムに適用される各種の透明電極材料を適用することができ、酸化物系の全光透過率が50%以上の透明な金属薄膜を挙げることができる。例えば、酸化錫系、酸化インジウム系、酸化亜鉛系が挙げられる。
酸化錫(SnO)系としてはネサ(酸化錫SnO)、ATO(Antimony Tin Oxide:アンチモンドープ酸化錫)、フッ素ドープ酸化錫が挙げられる。
酸化インジウム(In2O3)系としては、酸化インジウム、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)、IZO(Indium Zinc Oxide)が挙げられる。
酸化亜鉛(ZnO)系としては、酸化亜鉛、AZO(アルミドープ酸化亜鉛)、ガリウムドープ酸化亜鉛が挙げられる。
本実施形態では、透明電極22A,22Bを構成する透明導電膜は、ITOにより形成されている。
スペーサー24は、液晶層14における外周部を除く部分の厚み(セルギャップ)を規定する部材である。本実施形態では、スペーサー24として、球形状のビーズスペーサーを用いている。
スペーサー24に用いられるビーズスペーサーは、シリカ等による無機材料による構成、有機材料による構成、これらを組み合わせたコアシェル構造の構成等を広く適用することができる。また、このビーズスペーサーは、球形状による構成の他、円柱形状、楕円柱形状、多角柱形状等のロッド形状により構成してもよい。
また、上述の説明では、スペーサー24は、液晶用第2積層体13に設けられる例を示したが、これに限定されるものでなく、液晶用第1積層体12、液晶用第2積層体13の両方、又は、液晶用第1積層体12にのみ設けられるようにしてもよい。
配向層23A,23Bは、光配向層により形成される。光配向層に適用可能な光配向材料は、光配向の手法を適用可能な各種の材料を広く適用することができ、例えば、光分解型、光二量化型、光異性化型等を挙げることができる。
本実施形態では、光二量化型の材料を使用する。光二量化型の材料としては、例えば、シンナメート、クマリン、ベンジリデンフタルイミジン、ベンジリデンアセトフェノン、ジフェニルアセチレン、スチルバゾール、ウラシル、キノリノン、マレインイミド、又は、シンナミリデン酢酸誘導体を有するポリマー等を挙げることができる。中でも、配向規制力が良好である点で、シンナメート、クマリンの一方又は両方を有するポリマーが好ましく用いられる。このような光二量化型の材料の具体例としては、例えば特開平9-118717号公報、特表平10-506420号公報、特表2003-505561号公報及びWO2010/150748号公報に記載された化合物を挙げることができる。
なお、光配向層に代えて、ラビング配向層を用いてもよい。ラビング配向層に関しては、ラビング処理を行わないものとしてもよいし、ラビング処理を行い、微細なライン状凹凸形状を賦型処理して配向層を作製してもよい。
また、本実施形態では、調光フィルム10は、配向層23A,23Bを備える形態を示したが、これに限らず、配向層23A,23Bを備えない形態としてもよい。
液晶層14には、ゲストホスト液晶組成物、二色性色素組成物を広く適用することができる。ゲストホスト液晶組成物にはカイラル剤を含有させるようにして、液晶材料を水平配向させた場合に液晶層14の厚み方向に螺旋形状に配向させるようにしてもよい。
なお、調光フィルム10において、液晶層14を囲むように、シール材25が配置されている。このシール材25により、液晶用第1積層体12、液晶用第2積層体13が一体に保持され、液晶材料の漏出が防止される。シール材25は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等を適用することができる。
調光フィルム10は、この遮光時におけるゲストホスト液晶組成物の配向が電界印加時となるように配向層23A,23Bを一定の方向にプレチルトに係る配向規制力を設定した垂直配向層により構成し、これによりノーマリークリアとして構成される。なお、この透光時の設定を電界印加時としてノーマリーダークとして構成してもよい。
ここで、ノーマリーダークとは、液晶に電圧がかかっていない時に透過率が最小となり、黒い画面になる構造である。ノーマリークリアとは、液晶に電圧がかかっていない時に透過率が最大となり、透明となる構造である。
なお、本実施形態の調光フィルム10は、ゲストホスト型の液晶層14を備える例を示したが、二色性色素組成物を用いないTN(Twisted Nematic)方式、VA(Vertical Alignment)方式、IPS(In-Plane-Switching)方式等の液晶層14を備える構成としてもよい。このような液晶層14を備える場合、各基材21A,21Bの表面に直線偏光層をさらに設けることで、調光フィルムとして機能させることができる。
第1のガラス板33A及び第2のガラス板33Bは、それぞれ、合わせガラス1の表裏面に配置され、高い透光性を有する板ガラスである。
本実施形態の第1のガラス板33A及び第2のガラス板33Bは、その表面形状が曲面形状を有する3次元形状であり、一方の面側に凸となる曲面形状を有する形状に予め形成されている。
また、本実施形態では、第1のガラス板33A及び第2のガラス板33Bは、いずれも厚さ2mmの板ガラスを用いている。
第1の中間膜形成シート31Aは、第1のガラス板33Aと調光フィルム10とを接合させ、同様に、第2の中間膜形成シート31Bは、第2のガラス板33Bと調光フィルム10とを接合させる部材である。合わせガラス1が完成した状態では、第1の中間膜形成シート31A及び第2の中間膜形成シート31Bは、それぞれ、第1の中間膜及び第2の中間膜を構成する。
本実施形態では、第1の中間膜形成シート31A及び第2の中間膜形成シート31Bは、PVB(ポリビニルブチラール)樹脂製の、厚さ760μmのシートを用いている。
なお、第1の中間膜形成シート31A及び第2の中間膜形成シート31Bの素材としては、上記PVBに限らす、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)、COP(シクロオレフィンポリマー)等を用いてもよい。また、第1の中間膜形成シート31A及び第2の中間膜形成シート31Bの厚さに関しても、その材料等に応じて適宜選択してよい。
(合わせガラス製造方法について)
図3は、本実施形態の合わせガラス製造方法を説明する図である。
図4は、本実施形態の合わせガラス製造方法を説明するフローチャートである。
図5は、本実施形態の接合工程S20を説明するフローチャートである。
本実施形態の合わせガラス製造方法では、まず、ステップ(以下、単に「S」として示す。)10で、図3(a)に示すように、第1のガラス板33A及び第2のガラス板33Bで、第1の中間膜形成シート31Aと調光フィルム(液晶フィルム)10と第2の中間膜形成シート31Bとを挟み、積層体30を形成する積層体形成工程を行う。ここで、第1のガラス板33A及び第2のガラス板33Bは、予め、表面形状が3次元形状である曲面形状が賦形されている。
積層体形成工程S10では、積層体30を構成する各部材を、順次積層していくことにより、積層体30を形成する。
次に、積層体30を合わせガラス1とするための接合工程S20を行う。本実施形態では、接合工程S20として、真空バッグ法を用いている。以下にその詳細を説明する。
まず、S21では、図3(b)に示すように、積層体30をバッグ501に封入する封入工程を行う。
バッグ501は、可撓性及び気密性を有するゴム製やシリコン製が好適である。バッグ501は、柔軟性や耐熱性の観点からシリコン製を用いることがより好ましいが、積層体30を一体に接合する接合工程S20において、シリコンの成分がガラス板33A,33Bの表面へ転写される場合があり、これを抑制したい場合には、EPDMゴム(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)を用いることが好ましい。
このバッグ501は、開口部を十分に封止できることが好ましい。なお、開口部の封止形態に関しては、適宜選択してよい。また、このバッグ501には、通気管502が接続されており、この通気管502から不図示のポンプ等でバッグ501内の空気を吸引することが可能である。
バッグ501に積層体30を封入した後、バッグ501ごと加熱・加圧装置503内へ配置する。
次に、S22では、通気管502を介して不図示のポンプによりバッグ501内の空気を吸引する吸引工程を行う。吸引工程S22を行うことにより、積層体30の各部材間に残る空気を吸引し、合わせガラス1の内部に気泡等が残ることによる圧着不良を抑制できる。
本実施形態では、吸引工程S22において、バッグ501内及び積層体30の内部が真空状態となるように吸引し、積層体30に対して差圧により大気圧程度(0.1MPa)の圧力がかかる例を挙げて説明するが、これに限らず、例えば、不図示のポンプの吸引力を調整し、バッグ501内が完全に真空ではないが、積層体30の各部材間の空気が十分に吸引され、積層体30に対して、差圧により大気圧よりも小さい圧力がかかる状態としてもよい。
この吸引工程S22は、後述の加熱工程S23よりも前に行うことが好ましい。これは、吸引工程S22を行わずに加熱工程S23を開始してしまうと積層体30の各部材間(特に、中間膜形成シート31A,31Bとガラス板33A,33Bの間等)の空気が気泡となり、圧着不良や外観不良の要因となってしまうからである。
次に、S23では、図3(c)に示すように、加熱・加圧装置503内において、所定の温度及び時間で、積層体30をバッグ501ごと加熱する加熱工程を行う。本実施形態においては、加熱工程S23では、中間膜形成シート31A,31Bの軟化温度以上の温度で所定の時間、積層体30を加熱する。なお、中間膜形成シート31A,31Bの軟化温度は、例えば、JIS K-7196に準拠した方法で求めることができる。
この加熱工程S23においても、前述の吸引工程S22から連続して、所定の時間、通気管502を介して不図示のポンプによりバッグ501内の空気を吸引することが好ましい。これは、中間膜形成シート31A,31Bが溶融してガラス板33A,33Bと調光フィルム10を圧着して接合する前に、積層体30の各部材間に、再び空気が侵入して気泡となることを抑制するためである。加熱工程S23において吸引を続ける時間は、少なくとも、中間膜形成シート31A,31Bが溶融して積層体30の各部材が圧着され、再び空気が部材間に侵入できない状態となるまで行うことが望ましく、加熱工程S23終了まで行ってもよい。
加熱・加圧装置503として使用する装置は、積層体30に対して十分に加熱や加圧が行えるのであれば特に限定しないが、例えば、オーブンやオートクレーブ用の装置等が挙げられる。
この加熱工程S23により、中間膜形成シート31A,31Bが溶融し、積層体30の各部材が圧着されて一体に接合され、合わせガラス1となる。
上述の説明では、加熱工程S23において、積層体30に対して加熱のみを行う例を示したが、これに限らず、中間膜形成シート31A,31Bの材質に応じて、加熱・加圧装置503内を所定の圧力とし、積層体30(及びバッグ501)に対して加熱しながらさらに加圧を行ってもよい。
接合工程S20(加熱工程S23)の後、均し工程S30を行う。
均し工程S30では、中間膜形成シート31A,31Bの軟化温度以上で、積層体30(合わせガラス1)を所定の時間、加熱する。この均し工程S30は、接合工程S20(加熱工程S23)の後、積層体30(合わせガラス1)を一旦冷却してから行ってもよいし、接合工程S20(加熱工程S23)から連続して、継続的に行ってもよい。また、バッグ501内の空気の吸引を行う必要がない場合等には、バッグ501から積層体30(合わせガラス1)を取り出して均し工程S30を行ってもよい。
図6は、均し工程S30での液晶層14の様子を説明する図である。図6では、理解を容易にするために、積層体30(合わせガラス1)の表面形状が平面状である場合の断面の一部を拡大し、液晶層14及び中間膜形成シート31A,31Bのみを示している。
図6(a)に示すように、接合工程S20終了後の合わせガラス1(積層体30)では、接合時(圧着時)の圧力の不均一等を要因として、液晶の偏在が生じ、局所的に液晶が多く存在する液晶溜り(図6(a)に破線で示す領域A)が生じている場合がある。このような液晶の偏在は、特に、合わせガラス1が曲面形状等を有している場合には、顕著に生じやすい。
このとき、液晶溜りが生じている箇所は、セルギャップ(液晶層14の厚み)が本来の値より大きくなり、液晶溜りが生じていない箇所では、スペーサー24が位置する部分では本来のセルギャップを維持しているが、スペーサー24から離れると本来のセルギャップの値よりも小さくなっている。そして、このような合わせガラス1は、液晶溜りによる外観不良を有し、調光機能が不均一化である等、その品質が低下している。
そこで、均し工程S30において、中間膜形成シート31A,31Bの軟化温度以上の温度で所定の時間、積層体30(合わせガラス1)を加熱することにより、図6(b)に示すように、加熱により中間膜形成シート31A,31Bが軟化して、液晶層14内の液晶が均厚になろうと移動する(図6(b)に示す矢印B参照)。また、これにより、移動してきた液晶により、軟化した中間膜形成シート31A,31Bが厚み方向に押される(図6(b)に示す矢印C参照)。
そして、図6(c)に示すように、所定の値よりも小さくなっていたセルギャップが本来の値に戻り、液晶溜り等の液晶の偏在が解消され、液晶層14の厚み(セルギャップ)が均一となり、合わせガラス1としての外観が向上し、かつ、調光機能も均一とすることができる。
この均し工程S30では、積層体30(合わせガラス1)にかかる圧力は、可能な限り小さいことがより好ましい。これは、均し工程S30において、積層体30(合わせガラス1)にかかる圧力を可能な限り小さいものとすることで、中間膜形成シート31A、31Bの軟化により移動可能となった液晶の移動を妨げず、液晶の偏在を十分に解消できるようにするためである。
均し工程S30が終了すれば、液晶溜り等が解消され、外観や調光機能の良好な合わせガラス1として完成となる。なお、必要に応じて、合わせガラス1の外形の形状を整える切除工程を行うこともできる。
本実施形態によれば、接合工程S20の後、均し工程S30を行うことにより、液晶の偏在による液晶溜り等を解消し、合わせガラス1の外観や調光機能を向上させることができる。
また、一般的に、表面形状が3次元形状や2次元形状の曲面形状を有する合わせガラス1では、ガラスの加工精度等により、2枚のガラス板33A,33Bの曲面形状の曲率が一致しない場合があり、表面形状が平面状の合わせガラスに比べて、圧着不良による液晶溜りが発生しやすい。しかし、本実施形態によれば、そのような表面形状が曲面形状である合わせガラス1においても、効果的に液晶溜りを解消することができる。
(吸引工程S22、加熱工程S23、均し工程S30における加熱及び加圧の状態の組み合わせ例)
上述の吸引工程S22、加熱工程S23、均し工程S30における加熱や加圧の状態の組み合わせに関して、以下に詳細を後述する。
図7~図12は、吸引工程S22、加熱工程S23、均し工程S30における積層体30への加熱や加圧の状態の組み合わせ例を説明するグラフである。図7~図12において、計12の組み合わせ例を示している。図7(a)は、例1、図7(b)は、例2、図8(a)は、例3、図8(b)は、例4、図9(a)は、例5、図9(b)は、例6、図10(a)は、例7、図10(b)は、例8、図11(a)は、例9、図11(b)は、例10、図12(a)は、例11、図12(b)は、例12をそれぞれ示している。
図7~図12において、右縦軸は圧力(MPa)を示し、左縦軸は加熱温度(℃)を示し、横軸は時間(分)を示している。また、図7~図12において、実線で示す「温度」は、加熱温度を示し、破線で示す「圧力1」は、バッグ501内の圧力を示し、一点鎖線で示す「圧力2」は、加熱・加圧装置503の装置内の圧力を示している。図7~図12において、横軸の時間のスタートから10分程度は、吸引工程S22を行っている状態であり、その後、加熱工程S23、均し工程S30を行っている。
なお、図7~12において示す温度や圧力の数値は一例であり、使用する中間膜形成シート31A,31Bの材質、ガラス板33A,33Bの形状や材質等に応じて、適宜変更してよい。
例1では、吸引工程S22から連続してバッグ501内の空気の吸引を行いながら、加熱工程S23として加熱・加圧装置503により、積層体30に対して加熱及び加圧を行っている。加熱工程S23終了後、一旦、積層体30をバッグ501ごと装置から取り出す等して積層体30(合わせガラス1)を冷却した後、均し工程S30として、再度、積層体30への加熱を行っている。なお、バッグ501内の空気の吸引は、均し工程S30の終了まで行っている。
具体的には、例1では、吸引工程S22により、バッグ501内が真空状態(圧力1が0MPa)となるように吸引されており、かつ、加熱工程S23では、吸引工程S22から連続してバッグ501内の空気の吸引を続けながら、加熱温度135℃、加熱・加圧装置503内の圧力(圧力2)0.9MPaの環境下で70分程度、加熱及び加圧を行っている。このとき、積層体30には、1.0MPaの圧力がかかっている。
なお、加熱工程S23では、加熱温度を90℃~140℃、加熱・加圧装置503内の圧力(圧力2)を0.3MPa~1.2MPa、加熱・加圧時間を40分~100分とすることが好ましく、加熱温度を130℃~135℃、加熱・加圧装置503内の圧力(圧力2)を0.7MPa~0.9MPa、加熱・加圧時間を50分~70分とすることがより好ましい。
また、例1では、加熱工程S23終了後、5分程度室温環境下で冷却した後、均し工程S30として、加熱温度135℃で40分程度加熱を行っている。このときもバッグ501内の空気の吸引は行っており、バッグ501内の積層体30(合わせガラス1)には、0.1MPaの圧力がかかっている。そして、均し工程S30終了に合わせて、バッグ501内の空気の吸引も終了する。
なお、均し工程S30では、加熱温度を120℃~150℃、加熱時間を30分~120分とすることが好ましく、加熱温度を130℃~140℃、加熱時間を40分~60分とすることがより好ましい。
例3,5,7,9,11は、いずれも例1と同様に、加熱工程S23後に積層体30を一旦冷却した後、均し工程S30で積層体30を再び加熱する例に相当する。
以下、例3,5,7,9,11について、例1との相違点についてのみ説明しており、吸引工程S22でのバッグ501内の圧力(圧力1)、加熱工程S23、均し工程S30の加熱温度や加熱・加圧装置503による圧力(圧力2)について特に説明がない場合は、前述の例1と同様の条件であり、好ましい加工条件等についても同様である。
例3では、加熱工程S23で、加熱・加圧装置503により、積層体30への加熱を行うが、加圧を行っていない。したがって、積層体30には、加熱工程S23及び均し工程S30を通して、0.1MPaの圧力がかかっている。
例5では、加熱工程S23(接合工程S20)の終了に合わせてバッグ501内の空気の吸引も終了し、均し工程S30時には、バッグ501内の空気の吸引を行っていない。したがって、均し工程S30では、積層体30が大気圧環境下で加熱される。
例7では、加熱工程S23で、加熱・加圧装置503により加熱を行うが加圧を行わず、かつ、加熱工程S23(接合工程S20)の終了に合わせてバッグ501内の空気の吸引も終了し、均し工程S30時には、バッグ501内の空気の吸引を行っていない。
例9では、バッグ501内の空気の吸引が、加熱工程S23の途中(加熱開始45分後程度)で終了している。すなわち、積層体30の各部材間に再度空気が侵入できない程度に各部材が圧着された時点で、バッグ501内の空気の吸引を終了している。
例11では、加熱工程S23で、加熱・加圧装置503により、積層体30への加熱を行うが加圧を行わず、かつ、例9と同様に、バッグ501内の空気の吸引を、加熱工程S23の途中で終了している。
次に、例2では、吸引工程S22により、バッグ501内が真空状態(圧力1が0MPa)となるように吸引されており、吸引工程S22から連続してバッグ501内の空気の吸引を続けながら、加熱工程S23として加熱・加圧装置503により積層体30への加熱及び加圧を行っている。
例2では、加熱工程S23(接合工程S20)後、連続して均し工程S30を行っている。すなわち、例2では、加熱工程S23終了に伴い加熱・加圧装置503による加圧は終了するが、積層体30は冷却されることなく、加熱工程S23から連続して均し工程S30を行い、加熱され続ける。また、例2では、バッグ501内の空気の吸引は、均し工程S30の終了まで連続して行っている。
具体的には、例2では、吸引工程S22により、バッグ501内が真空状態(圧力1が0MPa)となるように吸引されており、かつ、加熱工程S23では、吸引を続けながら、加熱温度135℃、加熱・加圧装置503内の圧力0.9MPaの環境下で70分程度、加熱及び加圧されている。このとき、積層体30には、1.0MPaの圧力がかかっている。
また、例2では、加熱工程S23終了後、連続して均し工程S30として、加熱温度135℃で45分程度加熱を行っている。したがって、積層体30は、加熱工程S23及び均し工程S30と連続して115分程度加熱される。また、均し工程S30の間もバッグ501内の空気の吸引は行われており、バッグ501内の積層体30(合わせガラス1)には、0.1MPaの圧力がかかっている。そして、均し工程S30終了に合わせて、バッグ501内の吸引も終了する。
この例2のように、加熱工程S23から均し工程S30へ連続して加熱を行う場合においても、例1と同様に、加熱工程S23において、加熱温度を90℃~140℃、加熱・加圧装置503内の圧力(圧力2)を0.3MPa~1.2MPa、加熱・加圧時間を40分~100分とすることが好ましく、加熱温度を130℃~135℃、加熱・加圧装置503内の圧力(圧力2)を0.7MPa~0.9MPa、加熱・加圧時間を50分~70分とすることがより好ましい。また、例1と同様に、均し工程S30において、加熱温度を120℃~150℃、加熱時間を30分~120分とすることが好ましく、加熱温度を130℃~140℃、加熱時間を40分~60分とすることがより好ましい。
例2においては、加熱工程S23及び均し工程S30と連続して加熱される時間は、好ましくは、70分~220分とすることが好ましく、90分~130分とすることがより好ましい。
例4,6,8,10,12は、いずれも例2と同様に、加熱工程S23(接合工程S20)終了後にそのまま連続して均し工程S30として加熱を続ける例に相当する。以下、例4,6,8,10,12について、例2との相違点についてのみ説明する。吸引工程S22でのバッグ501内の圧力(圧力1)、加熱工程S23、均し工程S30の加熱温度や加熱・加圧装置503による圧力(圧力2)について特に説明がない場合は、前述の例2と同様の条件であり、好ましい加工条件等についても同様である。
例4では、加熱工程S23で、加熱・加圧装置503により、積層体30に対して加熱を行うが、加圧を行っていない。したがって、積層体30には、加熱工程S23及び均し工程S30を通して、0.1MPaの圧力がかかっている。この例4では、加熱工程S23及び均し工程S30の加熱及び加圧条件が同じであり、連続して行っているため、実質的には、加熱工程S23及び均し工程S30は1工程となっている。
例6では、加熱工程S23(接合工程S20)の終了に合わせてバッグ501内の空気の吸引も終了し、均し工程S30時には、バッグ501内の空気の吸引を行っていない。したがって、均し工程S30では、積層体30が大気圧環境下で加熱される。
例8では、加熱工程S23で、加熱・加圧装置503により、積層体30に対して加熱を行うが加圧を行わず、かつ、加熱工程S23(接合工程S20)の終了に合わせてバッグ501内の空気の吸引も終了し、均し工程S30では、バッグ501内の空気の吸引を行っていない。
例10では、バッグ501内の空気の吸引が、加熱工程S23の途中(加熱開始45分後程度)で終了している。すなわち、積層体30の各部材間に再度空気が侵入できない程度に各部材が圧着された時点で、バッグ501内の空気の吸引を終了している。
例12では、加熱工程S23で、加熱・加圧装置503により、積層体30に対して加熱を行うが加圧を行わず、かつ、例10と同様に、バッグ501内の空気の吸引を、加熱工程S23の途中で終了している。この例12では、前述の例4と同様に、加熱工程S23及び均し工程S30の加熱及び加圧条件が同じであり、連続して行っているため、実質的には、加熱工程S23及び均し工程S30は1工程となっている。
上述のように加熱工程S23から均し工程S30まで連続して加熱を行う例2,4,6,8,10,12は、加熱工程S23と均し工程S30との間の冷却時間を省略でき、生産に係る時間を短縮できるという利点を有する。
なお、上記、例1~12に示した加熱・加圧条件の組み合わせは、中間膜形成シート31A,31Bの材質等に応じて、適宜採用することができる。例えば、例3,4,7,8,11,12は、加熱のみで接合可能な中間膜形成シート31A,31Bを用いた場合に好適である。
ここで、積層体30のサンプルを用意し、上述の例1~12の加熱、加圧条件の組み合わせでそれぞれ実際に合わせガラス1製造し、その外観等を目視評価した。なお、積層体30のサンプルの各部の部材等は、前述の実施形態に記載のものと同様であるが、積層体30のサンプルのうち、例1,2,5,6,9,10の条件で合わせガラス1を製造したものは、加熱工程S23において、加熱及び加圧を必要とする中間膜形成シート31A,31Bを用いている。また、積層体30のサンプルのうち、例3,4,7,8,11,12の条件で合わせガラス1を製造したものは、加熱工程S23において、加熱のみを必要とする中間膜形成シート31A,31Bを用いている。なお、中間膜形成シート31A,31B以外の部材(調光フィルム10及びガラス板33A,33B)は、例1~12のいずれの条件に使用した積層体30のサンプルも同じ部材を用いている。
目視評価の結果、いずれの条件で製造された合わせガラス1も、液晶溜りは解消され、良好な外観及び調光機能を有していた。
以上のことから、本実施形態によれば、液晶溜りを解消し、良好な外観及び均一な調光機能を有する高品質の合わせガラス1を製造することができる。
なお、本実施形態では、接合工程S20において吸引工程S22の後に、加熱工程S23を行う例を挙げて説明したが、これに限らず、例えば、吸引工程S22の後に、予備圧着工程、オートクレーブ工程の2工程を行う形態としてもよい。
図13は、接合工程S20の他の実施形態を示すフローチャートである。
ここでは、吸引工程S22の後、S24として予備圧着工程を行い、次にS25としてオートクレーブ工程を行う。
予備圧着工程S24では、積層体30を入れたバッグ501を不図示のオーブン等に入れる等して、バッグ501内の空気の吸引を続けながら、中間膜形成シート31A,31Bの軟化温度以上に加熱して、積層体30の各部材を圧着する。この際、オーブン内において、所定の圧力で積層体30への加圧を行ってもよい。
なお、予備圧着工程S24では、上述のようなバッグ501を用いたバッグ法に限らず、例えば、真空ラミネート法を用いて積層体30の各部材を圧着してもよい。
オートクレーブ工程S25では、予備圧着工程S24の終了後、積層体30を、不図示のオートクレーブ用の装置内に移し、高圧高温環境下に積層体30を所定時間おいて、積層体30(合わせガラス1)の各部材の接合を強めて、合わせガラス1としての強度を高める。
上述のように、接合工程S20において、加熱、又は、加熱及び加圧を行う工程を2工程としてもよい。なお、その際においても、均し工程S30は、接合工程S20(オートクレーブ工程S25)と連続して行ってもよいし、一旦、積層体30(合わせガラス1)を冷却した後、行ってもよい。
上述のように、接合工程S20において、予備圧着工程S24及びオートクレーブ工程S25を行った場合等においても、均し工程S30を行うことにより、合わせガラス1の液晶溜りを効果的に解消することができる。
(調光フィルム10の他の実施形態)
図14は、調光フィルム10の他の実施形態の断面を示す図である。図14(a)は、従来のビーズ状等のスペーサー24と、これとは別の第2スペーサー34とを併用している例を示し、図14(b)は、第2スペーサー34のみを使用している例を示している。図14では、理解を容易にするために、前述の図6と同様に、合わせガラス1の表面形状が平面状である場合の断面図を示している。
調光フィルム10は、図14(a)に示すように、前述のビーズ状等のスペーサー24に限らず、第2スペーサー34とスペーサー24とを併用してもよいし、図14(b)に示すように、第2スペーサー34のみをスペーサーとして使用してもよい。以下、第2スペーサー34について説明する。
第2スペーサー34は、液晶層14に複数設けられており、前述のスペーサー24と同様に液晶層14の厚さ(セルギャップ)を均一に保つ機能を有している。
第2スペーサー34は、例えば、円柱形状や楕円柱形状、多角柱形状等であり、調光フィルム10の厚み方向(液晶層14の厚み方向)を所定の寸法に維持する機能を有する。
第2スペーサー34の径(断面形状が真円状でない場合には、最小径となる寸法)の大きさは、スペーサー24よりも大きいことが好ましい。このような形状とすることにより、第2スペーサー34の液晶用第1積層体12及び液晶用第2積層体13との接触面積を、スペーサー24に比べて大きくすることができる。
この第2スペーサー34は、優れた弾性を有する材料によって構成することが好ましい。これにより、第2スペーサー34は、接合工程S20において調光フィルム10の厚み方向において圧力がかかった場合に厚み方向にやや縮むが、均し工程S30でその圧力が開放され、中間膜が軟化すると、弾性力により厚み方向の寸法が戻る。これにより、液晶層14内の液晶が移動して、液晶層14の本来のセルギャップを回復させることができる。
したがって、第2スペーサー34を優れた弾性を有する材料によって形成した場合には、均し工程S30による液晶溜り解消効果を、さらに高めることができる。
第2スペーサー34は、シール材25と同じ材料(エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等)を用いて形成されると、シール材25形成時に同時に第2スペーサー34も同一の形成装置を使って同時に形成でき、製造が容易となるので好ましい。そのような形成装置は、例えば、ディスペンサーやスクリーン印刷装置等が好適である。
また、第2スペーサー34は、フォトレジストを、液晶用第2積層体13側、又は、液晶用第1積層体12側の少なくとも一方に塗工して露光、現像することにより形成してもよい。
なお、第2スペーサー34は、液晶用第1積層体12及び液晶用第2積層体13に対して接合されていることが、より望ましい。第2スペーサー34の液晶用第1積層体12及び液晶用第2積層体13に対する接着方式は、特に限定されず、第2スペーサーの材料等に応じて、適宜選択してよい。
第2スペーサー34が、液晶用第1積層体12及び液晶用第2積層体13に対して接合される形態とした場合には、スペーサー24のみでは規制が難しかった液晶層14の厚みが大きくなる方向への液晶用第1積層体12及び液晶用第2積層体13の相対的な移動を、抑制することができ、液晶溜りの発生を抑制する効果を高めることができる。
このように、調光フィルム10において、柱状であって、液晶用第1積層体12及び液晶用第2積層体13と面接触する第2スペーサー34を用いることにより、均し工程S30における液晶溜まり解消効果をより高めることができる。
なお、このような第2スペーサー34を用いることによる効果は、図14(a)に示すように、スペーサー24と併用した場合にも、スペーサーとして第2スペーサー34のみを使用した場合にも得られる。
(変形形態)
以上説明した実施形態等に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)上述の実施形態では、バッグ501内に1つの積層体30を配置する例を示したが、これに限らず、複数個の積層体30を配置してもよい。
なお、本実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した実施形態等によって限定されることはない。
1 合わせガラス
10 調光フィルム(液晶フィルム)
12 液晶用第1積層体
13 液晶用第2積層体
14 液晶層
21A,21B 基材
22A,22B 透明電極
23A,23B 配向層
24 スペーサー
25 シール材
30 積層体
31A 第1の中間膜形成シート
31B 第2の中間膜形成シート
33A 第1のガラス板
33B 第2のガラス板
34 第2スペーサー
501 バッグ
502 通気管
503 加熱・加圧装置

Claims (9)

  1. 第1のガラス板及び第2のガラス板で液晶層を備える液晶フィルムを挟んで接合した合わせガラスを製造する合わせガラス製造方法であって、
    前記第1のガラス板と前記第2のガラス板とで第1の中間膜形成シートと前記液晶フィルムと第2の中間膜形成シートとを挟んだ積層体を、加熱して、又は、加熱及び加圧して一体に接合する接合工程と、
    前記接合工程の後、前記積層体を加熱して前記液晶層の層厚を均一にする均し工程と、を備え
    前記均し工程において、前記積層体を加熱する温度は、前記第1の中間膜形成シート及び前記第2の中間膜形成シートの軟化温度以上であること、
    特徴とする合わせガラス製造方法。
  2. 請求項1に記載の合わせガラス製造方法において、
    前記均し工程において、前記積層体にかかる圧力は、前記接合工程よりも小さいこと、
    を特徴とする合わせガラス製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の合わせガラス製造方法において、
    前記接合工程において前記積層体を加熱する温度は、前記第1の中間膜形成シート及び前記第2の中間膜形成シートの軟化温度以上であること、
    を特徴とする合わせガラス製造方法。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の合わせガラス製造方法において、
    前記均し工程では、前記積層体に対して、前記接合工程から連続的に加熱を行うこと、
    特徴とする合わせガラス製造方法。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の合わせガラス製造方法において、
    前記接合工程では、可撓性及び気密性を有するバッグ内に前記積層体を配置し、前記バッグ内の空気を吸引しながら、前記積層体に対して、加熱を行う、又は、加熱及び加圧を行うこと、
    を特徴とする合わせガラス製造方法。
  6. 請求項5に記載の合わせガラス製造方法において、
    前記均し工程では、前記バッグ内の空気の吸引を前記接合工程から連続して行うこと、
    を特徴とする合わせガラス製造方法。
  7. 請求項5に記載の合わせガラス製造方法において、
    前記接合工程の終了前に、前記バッグ内の空気の吸引を終了すること、
    を特徴とする合わせガラス製造方法。
  8. 第1のガラス板及び第2のガラス板で液晶層を備える液晶フィルムを挟んで接合した合わせガラスを製造する合わせガラス製造方法であって、
    前記第1のガラス板と前記第2のガラス板とで第1の中間膜形成シートと前記液晶フィルムと第2の中間膜形成シートとを挟んで一体に接合した積層体を、前記第1の中間膜形成シート及び前記第2の中間膜形成シートの軟化温度以上の温度で加熱して前記液晶層の層厚を均一にすること、
    特徴とする合わせガラス製造方法。
  9. 請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の合わせガラス製造方法において、
    前記合わせガラスは、その表面形状が曲面形状を有すること3次元形状を有すること、
    を特徴とする合わせガラス製造方法。
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