JP2019142752A - 合わせガラス製造方法 - Google Patents

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Norio Ishii
憲雄 石井
裕介 萩原
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裕介 萩原
誠 山木
Makoto Yamaki
誠 山木
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Abstract

【課題】液晶フィルムを挟み、かつ、一方の面側に凸となる表面形状を有する合わせガラスにおいて、圧着不良を抑制する合わせガラス製造方法を提供する。【解決手段】一方の面側に凸となる曲面形状を有する第1のガラス板33A及び第2のガラス板33Bで液晶層14を備える調光フィルム10を挟んで接合した合わせガラス1を製造する合わせガラス製造方法であって、第1のガラス板33Aと第2のガラス板33Bとで調光フィルム10を挟んだ積層体30を形成する積層体形成工程と、積層体30を一体に接合する接合工程とを備え、接合工程では、可撓性及び気密性を有するバッグ501内に積層体30を鉛直方向下側に凸となる状態で配置してバッグ内の空気を吸引する。【選択図】図3

Description

本発明は、一方の面側に凸となる表面形状を有する合わせガラスを製造する合わせガラス製造方法に関するものである。
従来、窓等の透光部材と組み合わせて用いられ、外来光の透過を制御する電子ブラインド等に利用可能な調光部材や、このような調光部材を用いた調光装置等が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。このような調光部材の1つに、液晶層を備える液晶フィルムが知られている。液晶フィルムは、基材として柔軟性を有する樹脂基材を用いており、ガラス製の基材を用いた場合に比べ、様々な曲率を有し得る曲面形状に対応することから、曲面形状を有する調光部材への適用が期待されている。
この液晶フィルムは、透明電極を含む透明な樹脂製の基材により液晶材料を挟持し、これをさらに直線偏光板により挟持する等して作成される。この液晶フィルムは、透明電極間に印加する電界を変化させることにより液晶の配向を変化させ、外来光の透過量を制御する。
また、表面形状が曲面形状等を有する合わせガラスの製造方法についても様々なものが開発されており、例えば、可撓性及び気密性を有するバッグ内に合わせガラスを構成する部材を積層して封入し、吸引、加熱、加圧を行う製造方法等が知られている(例えば、特許文献3参照)。
しかし、従来は、液晶フィルムを挟み込んだ合わせガラスが実際に製造されたことがなかった。従って、単に中間膜を挟んで構成される従来の合わせガラスと同様な手法をそのまま適用しただけでは、液晶フィルムを挟み込んだ合わせガラスを正しく製造できない場合があった。
特に、合わせガラスの表面形状が、一方の面側に凸となる曲面形状を有する場合等には、合わせガラスの表面に対して均一に加圧することができず、合わせガラスを構成する各部材が均一に圧着されないという問題があった。そして、これにより、液晶の不均一な分布(液晶溜り)等が生じ、液晶フィルムを挟み、調光機能を有する合わせガラスとしての品質が低下するため、圧着不良の改善が望まされている。
特許第6135816号 特開2017−187810 特開2006−137625号公報
本発明の課題は、液晶フィルムを挟み、かつ、一方の面側に凸となる表面形状を有する合わせガラスにおいて、圧着不良を抑制する合わせガラス製造方法を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の発明は、一方の面側に凸となる曲面形状を有する第1のガラス板(33A)及び第2のガラス板(33B)で液晶フィルム(10)を挟んで接合した合わせガラス(1)を製造する合わせガラス製造方法であって、前記第1のガラス板と前記第2のガラス板とで前記液晶フィルムを挟んだ積層体(30)を形成する積層体形成工程(S10)と、前記積層体を一体に接合する接合工程(S20)と、を備え、前記接合工程では、可撓性及び気密性を有するバッグ(501)内に、前記積層体を鉛直方向下側に凸となる状態で配置して前記バッグ内の空気を吸引すること、特徴とする合わせガラス製造方法である。
第2の発明は、第1の発明の合わせガラス製造方法において、前記接合工程では、前記積層体(30)が配置された前記バッグ(501)は、平坦な支持台(503)の上に載置された状態で内部の空気が吸引され、前記積層体の自重は、前記バッグに対して1ヶ所(30a)でかかること、特徴とする合わせガラス製造方法である。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明の合わせガラス製造方法において、前記合わせガラス(1)は、その表面形状が3次元形状を有していること、を特徴とする合わせガラス製造方法である。
本発明によれば、液晶フィルムを挟み、かつ、一方の面側に凸となる表面形状を有する合わせガラスにおいて、圧着不良を抑制する合わせガラス製造方法を提供することができる。
実施形態の合わせガラス1を示す図である。 実施形態の合わせガラス1の層構成について調光フィルム10を主として示す断面図である。 実施形態の合わせガラス製造方法を説明する図である。 実施形態の合わせガラス製造方法を説明するフローチャートである。 積層体30の曲面形状の凸方向の向きの違いによる吸引工程S22後の様子等を示す図である。
以下、図面等を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
また、本明細書において、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
また、本発明において透明とは、少なくとも利用する波長の光を透過するものをいう。例えば、仮に可視光を透過しないものであっても、赤外線を透過するものであれば、赤外線用途に用いる場合においては、透明として取り扱うものとする。
(実施形態)
図1は、本実施形態の合わせガラス1を示す図である。
本実施形態の合わせガラス1は、一方の面側に凸となる曲面形状を有している。
本実施形態では、合わせガラス1は、その表面形状が3次元形状により構成されている例を挙げて説明するが、これに限らず、その表面形状が一方の面側に凸となる曲面形状を有する2次元形状(例えば、円筒の一部形状)としてもよい。ここで、3次元形状とは、単純な円筒面ではなく、平面を伸縮なしに変形させるだけでは構成できない曲面であり、3次元空間で2つの独立したパラメータで定義される曲面である。例えば、直交するX軸とY軸とをそれぞれ中心軸として、X軸を中心とした曲率半径Rx、Y軸を中心とした曲率半径Ryの2つの曲率基準をパラメータとして有する曲面を例示できる。
本実施形態の説明中では、合わせガラス1の各構成部材が積層配置されているものを積層体30と呼ぶ。積層体30は、合わせガラス1の各部材が接合される前の状態を指しているので、構成自体は、合わせガラス1と同等である。
本実施形態の積層体30は、第1のガラス板33Aと、第1の中間膜形成シート31Aと、調光フィルム(液晶フィルム)10と、第2の中間膜形成シート31Bと、第2のガラス板33Bとが、この順番で積層配置されている。なお、図1では、第1の中間膜形成シート31A及び第2の中間膜形成シート31Bは、図示を省略している。
図2は、本実施形態の合わせガラス1の層構成について調光フィルム10を主として示す断面図である。なお、本実施形態の合わせガラス1は、3次元形状の表面形状を有しているが、図2では、理解を容易にするために、合わせガラス1(積層体30)の表面形状が平面状である場合の断面図を示している。
調光フィルム10(液晶フィルム)は、印加電圧を変化させることにより透過光の光量を制御することができるフィルムである。本実施形態の調光フィルム10は、合わせガラス1の中間材とともに、又は、中間材の代わりに、ガラス板(透明部材)間に挟持される等して使用される。
この調光フィルム10備える合わせガラス1は、例えば、建築物の窓ガラスや、ショーケース、屋内の透明パーテーション、車両のウインドウ等の調光を図る部位(外光が入射する部位、例えば、フロントや、サイド、リア、ルーフ等のウインドウ)に配置され、建築物や車両等の内側への入射光の光量を制御することができる。
調光フィルム10(液晶フィルム)は、二色性色素を使用したゲストホスト型の液晶層を備えており、液晶に印加する電界により透過光量を変化させる部材である。調光フィルム10は、フィルム形状による第1及び第2の積層体である液晶用第2積層体13及び液晶用第1積層体12により液晶層14を挟持して構成される。
液晶用第1積層体12は、基材21Aに、透明電極22A、配向層23Aを積層して形成される。
液晶用第2積層体13は、基材21Bに、透明電極22B、配向層23B、スペーサー24を積層して形成される。
調光フィルム10は、この液晶用第1積層体12及び液晶用第2積層体13に設けられた透明電極22A,22Bの駆動により、液晶層14に設けられたゲストホスト液晶組成物による液晶材料の配向を変化させ、これにより透過光の光量を変化させる。
基材21A,21Bは、透明な樹脂製であって、可撓性を有するフィルムを適用することができる。基材21A,21Bとしては、光学異方性が小さく、また、可視域の波長(380〜800nm)における透過率が80%以上である透明樹脂フィルムを適用することが望ましい。
透明樹脂フィルムの材料としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等のアセチルセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、ポリメチルペンテン、EVA等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリサルホン(PEF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリスルホン、ポリエーテル(PE)、ポリエーテルケトン(PEK)、(メタ)アクロニトリル、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー等の樹脂を挙げることができる。透明樹脂フィルムの材料としては、特に、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂が好ましい。
また、基材21B,21Aとして用いられる透明樹脂フィルムの厚みは、その材料にも依るが、その透明樹脂フィルムが可撓性を有する範囲内で適宜選択することができる。
本実施形態では、基材21A,21Bは、厚み100μmのポリカーボネートフィルムが適用される。
透明電極22A,22Bは、基材21A,21B(透明樹脂フィルム)に積層される透明導電膜から構成されている。
透明導電膜としては、この種の透明樹脂フィルムに適用される各種の透明電極材料を適用することができ、酸化物系の全光透過率が50%以上の透明な金属薄膜を挙げることができる。例えば、酸化錫系、酸化インジウム系、酸化亜鉛系が挙げられる。
酸化錫(SnO)系としてはネサ(酸化錫SnO)、ATO(Antimony Tin Oxide:アンチモンドープ酸化錫)、フッ素ドープ酸化錫が挙げられる。
酸化インジウム(In2O3)系としては、酸化インジウム、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)、IZO(Indium Zinc Oxide)が挙げられる。
酸化亜鉛(ZnO)系としては、酸化亜鉛、AZO(アルミドープ酸化亜鉛)、ガリウムドープ酸化亜鉛が挙げられる。
本実施形態では、透明電極22A,22Bを構成する透明導電膜は、ITOにより形成されている。
スペーサー24は、液晶層14における外周部を除く部分の厚み(セルギャップ)を規定する部材である。本実施形態では、スペーサー24として、球形状のビーズスペーサーを用いている。
スペーサー24に用いられるビーズスペーサーは、シリカ等による無機材料による構成、有機材料による構成、これらを組み合わせたコアシェル構造の構成等を広く適用することができる。また、このビーズスペーサーは、球形状による構成の他、円柱形状、角柱形状等によるロッド形状により構成してもよい。
なお、液晶層14の厚みを規定するスペーサー24は、上述のビーズスペーサーに限定されず、例えば、フォトレジストを基材21A側に塗工して露光、現像することにより円柱形状に作製してもよい。
また、上述の説明では、このようなスペーサー24は、液晶用第2積層体13に設けられる例を示したが、これに限定されるものでなく、液晶用第1積層体12、液晶用第2積層体13の両方、又は、液晶用第1積層体12にのみ設けられるようにしてもよい。
配向層23A,23Bは、光配向層により形成される。光配向層に適用可能な光配向材料は、光配向の手法を適用可能な各種の材料を広く適用することができ、例えば、光分解型、光二量化型、光異性化型等を挙げることができる。
本実施形態では、光二量化型の材料を使用する。光二量化型の材料としては、例えば、シンナメート、クマリン、ベンジリデンフタルイミジン、ベンジリデンアセトフェノン、ジフェニルアセチレン、スチルバゾール、ウラシル、キノリノン、マレインイミド、又は、シンナミリデン酢酸誘導体を有するポリマー等を挙げることができる。中でも、配向規制力が良好である点で、シンナメート、クマリンの一方又は両方を有するポリマーが好ましく用いられる。このような光二量化型の材料の具体例としては、例えば特開平9−118717号公報、特表平10−506420号公報、特表2003−505561号公報及びWO2010/150748号公報に記載された化合物を挙げることができる。
なお、光配向層に代えて、ラビング配向層を用いてもよい。ラビング配向層に関しては、ラビング処理を行わないものとしてもよいし、ラビング処理を行い、微細なライン状凹凸形状を賦型処理して配向層を作製してもよい。
また、本実施形態では、調光フィルム10は、配向層23A,23Bを備える形態を示したが、これに限らず、配向層23A,23Bを備えない形態としてもよい。
液晶層14には、ゲストホスト液晶組成物、二色性色素組成物を広く適用することができる。ゲストホスト液晶組成物にはカイラル剤を含有させるようにして、液晶材料を水平配向させた場合に液晶層14の厚み方向に螺旋形状に配向させるようにしてもよい。
なお、調光フィルム10において、液晶層14を囲むように、シール材25が配置されている。このシール材25により、液晶用第1積層体12、液晶用第2積層体13が一体に保持され、液晶材料の漏出が防止される。シール材25は、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等を適用することができる。
調光フィルム10は、この遮光時におけるゲストホスト液晶組成物の配向が電界印加時となるように配向層23A,23Bを一定の方向にプレチルトに係る配向規制力を設定した垂直配向層により構成し、これによりノーマリークリアとして構成される。なお、この透光時の設定を電界印加時としてノーマリーダークとして構成してもよい。
ここで、ノーマリーダークとは、液晶に電圧がかかっていない時に透過率が最小となり、黒い画面になる構造である。ノーマリークリアとは、液晶に電圧がかかっていない時に透過率が最大となり、透明となる構造である。
なお、本実施形態の調光フィルム10は、ゲストホスト型の液晶層14を備える例を示したが、二色性色素組成物を用いないTN(Twisted Nematic)方式、VA(Vertical Alignment)方式、IPS(In−Plane−Switching)方式等の液晶層14を備える構成としてもよい。このような液晶層14を備える場合、各基材21A,21Bの表面に直線偏光層をさらに設けることで、調光フィルムとして機能させることができる。
第1のガラス板33A及び第2のガラス板33Bは、それぞれ、合わせガラス1の表裏面に配置され、高い透光性を有する板ガラスである。
本実施形態の第1のガラス板33A及び第2のガラス板33Bは、一方の面側に凸となる曲面形状を有する形状に、予め形成されている。
また、本実施形態では、第1のガラス板33A及び第2のガラス板33Bは、いずれも厚さ2mmの板ガラスを用いている。
第1の中間膜形成シート31Aは、第1のガラス板33Aと調光フィルム10とを接合させる部材であり、同様に、第2の中間膜形成シート31Bは、第2のガラス板33Bと調光フィルム10とを接合させる部材である。合わせガラス1が完成した状態では、第1の中間膜形成シート31A及び第2の中間膜形成シート31Bは、それぞれ、第1の中間膜及び第2の中間膜を構成する。
本実施形態では、第1の中間膜形成シート31A及び第2の中間膜形成シート31Bは、PVB(ポリビニルブチラール)樹脂製の、厚さ760μmのシートを用いている。
なお、第1の中間膜形成シート31A及び第2の中間膜形成シート31Bの素材としては、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)、COP(シクロオレフィンポリマー)等を用いてもよい。また、第1の中間膜形成シート31A及び第2の中間膜形成シート31Bの厚さに関しても、その材料等に応じて適宜選択してよい。
(合わせガラス製造方法について)
図3は、本実施形態の合わせガラス製造方法を説明する図である。
図4は、本実施形態の合わせガラス製造方法を説明するフローチャートである。図4(a)では、合わせガラス製造方法を説明するフローチャートを示し、図4(b)では、接合工程S20を説明するフローチャートを示している。
本実施形態の合わせガラス製造方法では、まず、ステップ(以下、単に「S」として示す。)10で、図3(a)に示すように、第1のガラス板33A及び第2のガラス板33Bで、調光フィルム(液晶フィルム)10と第1の中間膜形成シート31A及び第2の中間膜形成シート31Bとを挟み、積層体30を形成する(積層体形成工程)。ここで、第1のガラス板33A及び第2のガラス板33Bは、予め、一方の面側に凸となる曲面形状が賦形されている。
積層体形成工程S10では、積層体30を構成する各部材を、不図示の作業台の上に順次積層していくが、この際、第1のガラス板33A及び第2のガラス板33Bは、鉛直方向下側に凸となるようにして積層作業を行ってもよいし、鉛直方向上側に凸となるようにして積層作業を行ってもよい。
次に、積層体30を合わせガラス1とするための接合工程S20を行う。本実施形態では、接合工程S20として、真空バッグ法を用いている。以下にその詳細を説明する。
まず、S21では、図3(b)に示すように、積層体30をバッグ501に封入する封入工程を行う。
バッグ501は、可撓性及び気密性を有するゴム製やシリコン製が好適である。バッグ501は、柔軟性や耐熱性の観点からシリコン製を用いることがより好ましいが、積層体30を一体に接合する接合工程S20において、シリコンの成分がガラス板33A,33Bの表面へ転写される場合があり、これを抑制したい場合には、EPDMゴム(エチレン・プロピレン・ジエンゴム)を用いることが好ましい。
このバッグ501は、開口部を十分に封止できることが好ましい。なお、開口部の封止形態に関しては、適宜選択してよい。また、このバッグ501には、通気管502が接続されており、この通気管502から不図示のポンプ等でバッグ501内の空気を吸引することが可能である。
この封入工程S21において、積層体30は、バッグ501内に、鉛直方向上側に凸となるように配置してもよいし、鉛直方向下側に凸となるように配置してもよい。
次に、S22では、通気管502を介して不図示のポンプによりバッグ501内の空気を吸引し、積層体30の表面にバッグ501を密着させる吸引工程を行う。本実施形態では、この吸引工程S22を行うことにより、バッグ501が積層体30の表面に密着し、積層体30の内部が真空状態となり、積層体30には差圧によって大気圧(1気圧)と同等の圧力がかかる。なお、これに限らず、例えば、不図示のポンプの吸引力を調整し、バッグ501内が完全に真空ではないが、バッグ501が積層体30の表面に十分に密着する状態とし、差圧によって積層体30に大気圧(1気圧)よりも小さい圧力がかかる状態としてもよい。
この吸引工程S22は、バッグ501に封入された積層体30が鉛直方向下向きに凸となる状態として作業台503に載置して行う。これにより、図3(c)に示すように、バッグ501が、十分に積層体30の形状に追従して密着することができ、積層体30の表面への密着度や加圧度を均一とすることができる。
また、この吸引工程S22は、後述の加熱工程S23よりも前に行うことが好ましい。これは、吸引工程S22の完了前に加熱工程S23を開始してしまうと積層体30内(中間膜形成シート31A,31Bとガラス板33A,33Bの間等)の空気が抜けきらず、気泡となってしまい、圧着不良や外観不良の要因となってしまうからである。
次に、S23では、オーブン504内にバッグ501を配置し、所定の温度で加熱する加熱工程を行う。この加熱工程S23は、図3(d)示すように、通気管502を介して不図示のポンプによりバッグ501内の空気を吸引しながら、すなわち、積層体30への圧力を維持しながら行われる。
本実施形態では、オーブン504内に、積層体30が鉛直方向下側に凸となるように積層体30及びバッグ501を配置する例を挙げて説明するが、これに限らず、例えば、積層体30が鉛直方向上側に凸となるように配置してもよい。
吸引工程S22及びこの加熱工程S23により、中間膜形成シート31A,31Bが溶融し、積層体30の各部材が圧着される。
所定の時間、オーブン504内で加熱及び加圧された後、バッグ501内の空気の吸引は停止され、バッグ501は、オーブン504外へ出されて冷却され、バッグ501内から積層体30(合わせガラス1)が取り出される。
次に、S24は、オートクレーブ工程を行う。このオートクレーブ工程S24では、加熱工程S23が終了した積層体30(合わせガラス1)を、オートクレーブ用の圧力容器に移し、高圧高温環境下に積層体30を所定時間おいて、積層体30(合わせガラス1)の各部材の接合を強めて、合わせガラス1としての強度を高める。
このオートクレーブ工程S24において、積層体30は、鉛直方向下側に凸となるように圧力容器内に配置してもよいし、鉛直方向上側に凸となるように圧力容器内に配置してもよい。
本実施形態のオートクレーブ工程S24では、加熱工程S23後の積層体30(合わせガラス1)を、120℃、8気圧の環境下においた。
オートクレーブ工程S24が終了すれば、合わせガラス1として完成となる。なお、必要に応じて、合わせガラス1の外形の形状を整える切除工程を行うこともできる。
なお、上述の実施形態では、接合工程S20として、加熱工程S23の後に、オートクレーブ工程S24を行う例を示したが、中間膜形成シート31A,31Bの材料等によっては、オートクレーブ工程S24を行わず、接合工程S20として、封入工程S21の後、吸引工程S22及び加熱工程S23のみを行ってもよいし、加熱工程S23を行わず、接合工程S20として、封入工程S21の後、吸引工程S22及びオートクレーブ工程S24のみを行ってもよい。
また、上述の実施形態では、加熱工程S23において、オーブン504を用いる例を示したが、これに限らず、調光フィルム10の液晶層14の特性等に応じて、不図示の減圧オーブンを用いてもよい。減圧オーブンとは、オーブン内が減圧された状態で積層体30を加熱できる装置であり、これを用いることにより、加熱時に積層体30へかかる圧力を、前述のオーブン504に比べて小さくすることができる。
また、上述の説明では、吸引工程S22を作業台503の上で行った後、積層体30が封入されたバッグ501をオーブン504内へ入れて加熱工程S23を行う例を示したが、これに限らず、例えば、加熱していない状態のオーブン504内に積層体30を封入したバッグ501を載置し、オーブン504内で吸引工程S22を行った後、オーブン504により加熱工程S23を行ってもよい。
また、上述の説明では、吸引工程S22を作業台503の上で行った後、積層体30が封入されたバッグ501をオーブン504内へ入れて加熱工程を行い、バッグ501から積層体30を取り出してオートクレーブ用の不図示の厚力容器に入れてオートクレーブ工程S24を行う例を示したが、これに限らず、積層体30が封入されたバッグ501を、オートクレーブ用の圧力容器に入れ、吸引工程S22、加熱工程S23、オートクレーブ工程S24を連続して行ってもよい。なお、この場合も、少なくとも吸引工程S22においては、積層体30が鉛直方向下側に凸となるように載置されることが好ましい。
また、吸引工程S22及び加熱工程S23時に積層体30へかかる圧力を調整する方法として、不図示のポンプがバッグ501内の空気を吸引する力を調整することにより、積層体30へかかる圧力を調整することも適用可能である。
図5は、積層体30の曲面形状の凸方向の向きの違いによる吸引工程S22後の様子等を示す図である。図5(a)は、積層体30が鉛直方向上側に凸となる状態でバッグ501に封入されて作業台503に載置された状態で吸引工程S22を行った比較例を示す図であり、図5(b)は、本実施形態のように積層体30が鉛直方向下側に凸となる状態でバッグ501に封入されて作業台503に載置された状態で吸引工程S22を行った例を示す図(図3(c)に相当)であり、図5(c)は、図5(a)に示す比較例での圧着不良の生じる領域を例示した図である。
図5(a)に示すように、バッグ501内に積層体30が鉛直方向上側に凸となる状態で封入されて作業台503に載置された状態で、吸引工程S22を行うと、積層体30の自重によって、積層体30の互いに離れた端部30b,30cで、バッグ501が鉛直方向下方(重力方向)へ押し付けられる。そのため、バッグ501の材質やガラス板33A,33Bの曲面形状の曲率によっては、この端部30b,30cの間となる積層体30の下方側の領域Bでは、バッグ501が積層体30の表面に十分追従し、密着することができない場合がある。
そのため、この領域Bには、圧力が十分かからず、以降の加熱工程S23等の接合工程S20において積層体30の各部材を十分圧着して接合することができず、接合工程S20後に完成した合わせガラス1において領域Bに対応する部分、特に合わせガラス1の凸形状の先端部分及びその近傍(図5(c)参照)等に、圧着不良を原因とする液晶溜りや空隙等が生じてしまう場合がある。
また、仮に、領域Bにおいてバッグ501が積層体30の表面に密着していても、バッグ501による積層体30の表面への圧力の面内分布に偏りが生じている場合があり、これにより、液晶溜り等が発生する場合がある。
これに対して、本実施形態では、吸引工程S22において、積層体30は、バッグ501内に鉛直方向下側に凸となるようにして配置され、作業台503の上に載置されるので、積層体30の自重は、図5(b)に示すように、点30aにのみかかり、バッグ501が吸引工程S22によって積層体30の表面に追従して密着する動きを妨げない。
従って、本実施形態によれば、圧着不良を生じることなく品質の高い合わせガラス1を製造することができる。また、本実施形態によれば、特別な治具や装置等を用いることなく、従来の製造装置を用いながら容易に圧着不良を低減できる。
また、本実施形態のように、合わせガラス1の表面形状が3次元形状を有する場合には、2次元形状を有する場合に比べて、吸引工程S22においてバッグ501が積層体30の表面形状に追従しにくいという問題がある。しかし、本実施形態によれば、バッグ501を積層体30の表面形状に十分に追従させ、密着させることができ、圧着不良等の生じやすい表面形状が3次元形状である合わせガラス1において、効果的に圧着不良を低減し、液晶溜りや空隙を低減できる。また、表面形状が2次元形状である合わせガラスにおいても、十分に圧着不良を低減し、液晶溜りや空隙を低減できる。
また、本実施形態のように、吸引工程S22において、積層体30は、バッグ501内に鉛直方向下側に凸となるようにして配置され、作業台503の上に載置されるので、バッグ501内に積層体30の端部を鉛直方向下方側として立てた状態で配置し、そのバッグ501を作業台503に載置して吸引工程を行う場合や、前述のように積層体30を立てた状態等で治具等により空中に吊り下げたバッグ501内に入れて吸引工程を行う場合に比べて、積層体30の各部材のずれ(合わせガラス1の表面方向での位置ずれ)を低減でき、このようなずれが生じたまま接合されることによる合わせガラスの品質低下等を抑制できる。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)上述の実施形態において、バッグ501内に1つの積層体30を配置する例を示したが、これに限らず、複数個の積層体30を配置してもよい。この場合、バッグ501の大型化に伴い、バッグ501自体の厚みが増す。そのため、仮に、積層体30を鉛直方向上側に凸となるように配置した場合には、前述の積層体30の領域B(図5(a),(c)参照)へのバッグ501の密着不良がより大きくなる。従って、実施形態のように、積層体30を鉛直方向下側に凸となるようにバッグ501内に配置することにより、そのような密着不良を低減し、圧着不良による液晶溜り等を効果的に抑制できる。
なお、本実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明については省略する。また、本発明は、以上説明した実施形態等によって限定されることはない。
1 合わせガラス
10 調光フィルム(液晶フィルム)
12 液晶用第1積層体
13 液晶用第2積層体
14 液晶層
21A,21B 基材
22A,22B 透明電極
23A,23B 配向層
24 スペーサー
25 シール材
30 積層体
31A 第1の中間膜形成シート
31B 第2の中間膜形成シート
33A 第1のガラス板
33B 第2のガラス板
501 バッグ
502 通気管
503 作業台(ステージ)
504 オーブン

Claims (3)

  1. 一方の面側に凸となる曲面形状を有する第1のガラス板及び第2のガラス板で液晶フィルムを挟んで接合した合わせガラスを製造する合わせガラス製造方法であって、
    前記第1のガラス板と前記第2のガラス板とで前記液晶フィルムを挟んだ積層体を形成する積層体形成工程と、
    前記積層体を一体に接合する接合工程と、
    を備え、
    前記接合工程では、
    可撓性及び気密性を有するバッグ内に、前記積層体を鉛直方向下側に凸となる状態で配置して前記バッグ内の空気を吸引すること、
    特徴とする合わせガラス製造方法。
  2. 請求項1に記載の合わせガラス製造方法において、
    前記接合工程では、前記積層体が配置された前記バッグは、平坦な支持台の上に載置された状態で内部の空気が吸引され、
    前記積層体の自重は、前記バッグに対して1ヶ所でかかること、
    特徴とする合わせガラス製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の合わせガラス製造方法において、
    前記合わせガラスは、その表面形状が3次元形状を有していること、
    を特徴とする合わせガラス製造方法。
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