JP2023058690A - 合わせガラス - Google Patents

合わせガラス Download PDF

Info

Publication number
JP2023058690A
JP2023058690A JP2023023570A JP2023023570A JP2023058690A JP 2023058690 A JP2023058690 A JP 2023058690A JP 2023023570 A JP2023023570 A JP 2023023570A JP 2023023570 A JP2023023570 A JP 2023023570A JP 2023058690 A JP2023058690 A JP 2023058690A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
spacers
liquid crystal
laminated glass
spacer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2023023570A
Other languages
English (en)
Inventor
憲雄 石井
Norio Ishii
裕介 萩原
Yusuke Hagiwara
啓介 三浦
Keisuke Miura
翼 本田
Tsubasa Honda
誠 山木
Makoto Yamaki
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Publication of JP2023058690A publication Critical patent/JP2023058690A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E06DOORS, WINDOWS, SHUTTERS, OR ROLLER BLINDS IN GENERAL; LADDERS
    • E06BFIXED OR MOVABLE CLOSURES FOR OPENINGS IN BUILDINGS, VEHICLES, FENCES OR LIKE ENCLOSURES IN GENERAL, e.g. DOORS, WINDOWS, BLINDS, GATES
    • E06B9/00Screening or protective devices for wall or similar openings, with or without operating or securing mechanisms; Closures of similar construction
    • E06B9/24Screens or other constructions affording protection against light, especially against sunshine; Similar screens for privacy or appearance; Slat blinds
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • G02F1/133Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
    • G02F1/1333Constructional arrangements; Manufacturing methods
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • G02F1/133Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
    • G02F1/1333Constructional arrangements; Manufacturing methods
    • G02F1/1339Gaskets; Spacers; Sealing of cells

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Nonlinear Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Architecture (AREA)
  • Civil Engineering (AREA)

Abstract

【課題】液晶溜まりや空隙の発生を低減できる液晶フィルム及び合わせガラスを提供する。【解決手段】合わせガラス1は、第1ガラス板33Aと第2ガラス板33Bとで調光フィルム10を挟んだ形態であり、調光フィルム10は、厚み方向において順に、第1基材層21Aと、第1透明電極層22Aと、液晶層14と、第2透明電極層22Bと、第2基材層21Bとを備える。液晶層14は、その厚みを維持するための複数のスペーサー24を層内に備え、第1基材層21A及び第2基材層21Bは、その厚さをt(μm)とし、ヤング率をY(GPa)とするとき、t×Y≧215(μm×GPa)を満たし、かつ、スペーサー24は、1mm2あたりに配置される個数が60個以上であるものとした。【選択図】図2

Description

本開示の実施形態は、液晶フィルムを備える合わせガラス、液晶フィルムに関するものである。
従来、例えば、窓に設けて外来光の透過を制御する電子ブラインド等として利用可能な調光部材が提案されている。このような調光部材の1つに、液晶を利用した調光フィルム(液晶フィルム)がある。
液晶フィルムは、例えば、透明電極を含む透明板材により液晶材料を挟持したフィルム状部材を直線偏光板により挟持する等して作成される。この液晶フィルムは、透明電極間に印加する電界を変化させることにより液晶の配向を変化させ、外来光の透過量を制御する。
また、上述した液晶フィルムをさらにガラスで挟み込んで合わせガラスを製造することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、従来、液晶フィルムを挟み込んだ合わせガラスが実際に製造されたことがなかった。したがって、単に中間膜を挟んで構成される従来の合わせガラスと同様な手法をそのまま適用しただけでは、液晶フィルムを挟み込んだ合わせガラスを正しく製造できない場合があった。
液晶フィルムを挟み込んだ合わせガラスが正しく製造できない場合として、合わせガラスの製造過程において、液晶フィルム内における液晶が一部に多く溜まってしまう現象(以下、「液晶溜まり」と呼ぶ)がある。また、合わせガラス内の一部に空隙が生じてしまう場合もある。
特開2016-164617号公報
本開示の実施形態の課題は、液晶溜まりや空隙の発生を低減できる液晶フィルム及び合わせガラスを提供することである。
本開示の実施形態は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本開示の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の開示の実施形態は、第1ガラス板(33A)と第2ガラス板(33B)と液晶フィルム(10)とを備える合わせガラスであって、前記液晶フィルムは、厚み方向において順に、第1基材層(21A)と、第1透明電極層(22A)と、液晶層(14)と、第2透明電極層(22B)と、第2基材層(21B)とを備え、前記液晶層は、その厚みを維持するための複数のスペーサー(24)を層内に備え、前記スペーサーは、少なくとも柱状スペーサーを含み、前記第1基材層及び前記第2基材層は、その厚さをt(μm)とし、ヤング率をY(GPa)とするとき、t×Y≧215(μm×GPa)を満たし、かつ、前記スペーサーは、1mmあたりに配置される個数が60個以上であること、を特徴とする合わせガラス(1)である。
第2の開示の実施形態は、第1の開示の実施形態に記載の合わせガラスにおいて、前記スペーサー(24)は、前記柱状スペーサーとビーズスペーサーとの双方を含み、前記柱状スペーサーは、側面と、平坦な天面と、を有し、前記天面と前記側面との間の角が曲率を有さない合わせガラス(1)である。
第3の開示の実施形態は、第1ガラス板(33A)と第2ガラス板(33B)と液晶フィルム(10)とを備える合わせガラスであって、前記液晶フィルムは、厚み方向において順に、第1基材層(21A)と、第1透明電極層(22A)と、液晶層(14)と、第2透明電極層(22B)と、第2基材層(21B)とを備え、前記液晶層は、その厚みを維持するための複数のビーズスペーサー(24)を層内に備え、前記第1基材層及び前記第2基材層は、その厚さをt(μm)とし、ヤング率をY(GPa)とするとき、t×Y≧215(μm×GPa)を満たし、かつ、前記ビーズスペーサーは、1mmあたりに配置される個数が60個以上220個以下である合わせガラス(1)である。
第4の開示の実施形態は、第1の開示の実施形態の合わせガラスにおいて、前記スペーサー(24)間の平均ピッチは、130μm以下であって、前記スペーサーが互いに接するように局所的に集まった部分を有しない合わせガラス(1)である。
第5の開示の実施形態は、第1の開示の実施形態から第3の開示の実施形態までのいずれかの合わせガラスにおいて、第1基材層(21A)及び第2基材層(22B)の材料は、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマーのいずれかである合わせガラス(1)である。
第6の開示の実施形態は、厚み方向において順に、第1基材層(21A)と、第1透明電極層(22A)と、液晶層(14)と、第2透明電極層(22B)と、第2基材層(21B)とを備える液晶フィルムであって、前記液晶層は、その厚みを維持するための複数のスペーサー(24)を層内に備え、前記第1基材層及び前記第2基材層は、その厚さをt(μm)とし、ヤング率をY(GPa)とするとき、t×Y≧215(μm×GPa)を満たし、かつ、前記スペーサーは、1mmあたりに配置される個数が60個以上である液晶フィルム(10)である。
本開示の実施形態によれば、液晶溜まりや空隙の発生を低減できる液晶フィルム及び合わせガラスを提供することができる。
実施形態の合わせガラス1を示す図である。 ビーズスペーサーをスペーサー24として用いた合わせガラス1の層構成を示す断面図である。 第1柱状スペーサーをスペーサー24として用いた合わせガラス1の層構成を示す断面図である。 第2柱状スペーサーとビーズスペーサーとをスペーサー24として含む合わせガラス1の層構成を示す断面図である。 第2柱状スペーサー242を示す部分断面斜視図である。 第2柱状スペーサー242の変形例を示す図である。 第2柱状スペーサー242の変形例を示す図である。 第2柱状スペーサー242の変形例を示す図である。 第2柱状スペーサー242の変形例を示す図である。
以下、図面等を参照して、本開示の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
本明細書において、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
また、本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
本明細書において、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
また、本開示の実施形態において透明とは、少なくとも利用する波長の光を透過するものをいう。例えば、仮に可視光を透過しないものであっても、赤外線を透過するものであれば、赤外線用途に用いる場合においては、透明として取り扱うものとする。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において規定する具体的な数値には、一般的な誤差範囲は含むものとして扱うべきものである。すなわち、本件の数値範囲をわずかに超えた範囲に数値が設定されているものは、実質的には、本開示の実施形態の範囲内のものと解釈すべきである。
(実施形態)
図1は、本実施形態の合わせガラス1を示す図である。
本実施形態の説明中では、合わせガラス1の各構成部材が積層配置されているものを積層体30と呼ぶ。積層体30は、合わせガラス1の各部材が接合される前の状態を指しているので、各構成部材の形状、大きさ、配置等は、合わせガラス1と同等である。
本実施形態の積層体30は、第1ガラス板33Aと、第1中間膜31Aと、調光フィルム(液晶フィルム)10と、第2中間膜31Bと、第2ガラス板33Bとを備え、合わせガラス1の厚み方向に沿ってこの順番で積層配置されている。
図2は、ビーズスペーサーをスペーサー24として用いた合わせガラス1の層構成を示す断面図である。
調光フィルム(液晶フィルム)10は、印加電圧を変化させることにより透過光の光量を制御することができるフィルムである。本実施形態の調光フィルム10は、図1に示すように、中間膜を介して、2つのガラス板により挟持し、合わせガラスにして使用される。
この調光フィルム10を備えた合わせガラス1は、例えば、建築物の窓ガラスや、ショーケース、屋内の透明パーテーション、車両のウインドウ等の調光を図る部位(外光が入射する部位、例えば、フロントや、サイド、リア、ルーフ等のウインドウ)に配置され、建築物や車両等の内側への入射光の光量を制御することができる。
なお、図1及び図2では、合わせガラス1は、平面形状である例を示したが、2次元形状(2次元曲面)や3次元形状(3次元曲面)であってもよい。ここで、3次元形状とは、単純な円筒面ではなく、平面を伸縮なしに変形させるだけでは構成できない曲面であり、単一の軸を中心として2次元的に曲がった2次元形状(2次元曲面)、又は、互いに平行な複数の軸を中心として異なる曲率で2次元的に曲がった2次元形状(2次元曲面)とは区別されるものである。
調光フィルム(液晶フィルム)10は、二色性色素を使用したゲストホスト型の液晶層14を備え、液晶層14の液晶に印加する電界により透過光量が変化する部材である。この調光フィルム10は、フィルム形状による第1及び第2の積層体である第1積層体12及び第2積層体13により液晶層14を挟持して構成される。
本実施形態の第1積層体12は、例えば、第1基材層21Aに、第1透明電極層22A、第1配向層23Aを積層して形成される。また、本実施形態の第2積層体13は、例えば、第2基材層21Bに、第2透明電極層22B、第2配向層23B、スペーサー24を積層して形成される。なお、スペーサー24は、第1積層体12側に積層してもよい。各積層体において、第1配向層23A、第2配向層23Bを省略することが可能である。
調光フィルム10は、この第1積層体12及び第2積層体13に設けられた第1透明電極層22A、第2透明電極層22Bの駆動により、液晶層14のゲストホスト液晶組成物による液晶材料の配向を変化させ、これにより透過光の光量を変化させる。
第1基材層21A、第2基材層21Bは、種々の透明樹脂フィルムを適用することができるが、光学異方性が小さく、また、可視域の波長(380~800nm)における透過率が80%以上である透明樹脂フィルムを適用することが望ましい。
透明樹脂フィルムの材料としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等のアセチルセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、ポリメチルペンテン、EVA等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリサルホン(PEF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリスルホン、ポリエーテル(PE)、ポリエーテルケトン(PEK)、(メタ)アクロニトリル、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー等の樹脂を挙げることができる。
特に、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂が好ましい。
この第1基材層21A、第2基材層21Bの厚みは、液晶溜りや合わせガラス1内の空隙を低減する観点から、材料のヤング率等に応じて、好ましい厚さを選択することが好ましい。第1基材層21A、第2基材層21Bの材料や厚み等に関しては、詳細を後述する。
本実施形態では、第1基材層21A、第2基材層21Bは、一例として、厚み100μmのポリカーボネートフィルムを用いている。
第1透明電極層22A、第2透明電極層22Bは、それぞれ第1基材層21A、第2基材層21B(透明樹脂フィルム)に積層される透明導電膜から構成されている。
透明導電膜としては、この種の透明樹脂フィルムに適用される各種の透明電極材料を適用することができ、酸化物系の全光透過率が50%以上の透明な金属薄膜を挙げることができる。例えば、酸化錫系、酸化インジウム系、酸化亜鉛系が挙げられる。
酸化錫(SnO)系としてはネサ(酸化錫SnO)、ATO(Antimony Tin Oxide:アンチモンドープ酸化錫)、フッ素ドープ酸化錫が挙げられる。
酸化インジウム(In)系としては、酸化インジウム、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)、IZO(Indium Zinc Oxide)が挙げられる。
酸化亜鉛(ZnO)系としては、酸化亜鉛、AZO(アルミドープ酸化亜鉛)、ガリウムドープ酸化亜鉛が挙げられる。
本実施形態では、第1透明電極層22A、第2透明電極層22Bを構成する透明導電膜は、ITO(Indium Tin Oxide)により形成される。
スペーサー24は、液晶層14における外周部を除く部分の厚み(セルギャップ)を規定するために設けられる部材である。
(ビーズスペーサー)
例えば、図2に示すように、一例として、スペーサー24は、球形状のビーズスペーサーを用いることができる。ビーズスペーサーの直径は、1μm以上20μm以下、好ましくは3μm以上15μm以下の範囲としてもよい。このビーズスペーサーは、シリカ等による無機材料による構成、有機材料による構成、これらを組み合わせたコアシェル構造の構成等を広く適用することができる。また、ビーズスペーサーは、球形状による構成の他、円柱形状、角柱形状等によるロッド形状により構成してもよい。また、ビーズスペーサーは、透明部材により製造されるが、必要に応じて着色した材料を適用して色味を調整するようにしてもよい。本実施形態のように、ビーズスペーサーをスペーサー24として用いる場合、第2積層体13の第2配向層23B上、第1積層体12の第1配向層23A上にそれぞれ散布してもよいし、いずれか一方のみに散布してもよい。
(第1柱状スペーサー)
また、スペーサー24は、ビーズスペーサーに限らず、例えば、フォトレジストを第1透明電極層22A又は第2透明電極層22Bに塗工して露光、現像すること等により作製し、円柱形状や、楕円柱形状、多角柱形状等のスペーサーとしてもよい(例えば、光硬化アクリル樹脂等のフォトレジストによって作製され、第1透明電極層22A上又は第2透明電極層22B上に設けられた柱状スペーサーを以下、第1柱状スペーサーと適宜呼ぶ)。第1柱状スペーサーは、例えば、直径5~40μmの円柱状とすることができ、100~300μmの間隔を空けて、規則的に配置することができる。第1柱状スペーサーの高さは2~20μm、好ましくは、3~12μmである。また、スペーサー24は、高さ方向に直交する断面形状が無定形である柱状のスペーサーとしてもよい。すなわち、柱状のスペーサーにおける、高さ方向に直交する断面形状については、特に限定しない。このようなスペーサー24とする場合には、不規則な配置としてもよいし、規則的な配置とすることもできる。
図3は、第1柱状スペーサーをスペーサー24として用いた合わせガラス1の層構成を示す断面図である。
図3に示すように、スペーサー24を第1柱状スペーサーとした場合、その作製過程において現像処理を受けた側の面(図3においては、フォトレジストを第2積層体13側に塗工して、上面、すなわち、第1積層体12側から露光、現像しているため、図3においては、スペーサー24の上面であって、第1積層体側の面)が曲率を有している。
(第2柱状スペーサー)
さらに、スペーサー24は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等を用いて印刷を利用して柱状に作製してもよい(以下、第2柱状スペーサーと適宜呼ぶ)。また、第2柱状スペーサーの材料は、後述するシール材32の材料と同一としてもよい。また、第2柱状スペーサーは、黒色、灰色等の色に着色された不透明部材により製造されるが、透明な材料を用いてもよい。第2柱状スペーサーは、例えば、直径20~100μmの円柱状とすることができ、115~2000μmの間隔を空けて、規則的に配置することができる。しかしながら、不規則に配置してもよい。第2柱状スペーサーの高さは2~20μm、好ましくは、3~12μmである。なお、第1柱状スペーサーが第1透明電極層22A又は第2透明電極層22Bに設けられるのに対し、第2柱状スペーサーは、第1配向層23A又は第2配向層23B上に設けられる。
(ビーズスペーサーと第2柱状スペーサーとの混在)
第2柱状スペーサーを採用する場合には、ビーズスペーサーを混在させることにより、精度の高い第2柱状スペーサーの製造を容易に行なうことが可能である。
図4は、第2柱状スペーサーとビーズスペーサーとをスペーサー24として含む合わせガラス1の層構成を示す断面図である。
図4に示す例では、スペーサー24は、ビーズスペーサー241と、第2柱状スペーサー242とを含んでいる。この図4に示す構成のスペーサー24の作製を行なうには、先ず、第2配向層23B上にビーズスペーサー241を配置する。このビーズスペーサー241の配置は、湿式/乾式散布に加え、種々の配置方法を広く適用することができる。例えば、ビーズスペーサー241を樹脂成分と共に溶剤に分散して製造した塗工液を部分的に塗工した後、乾燥、焼成の処理を順次実行することにより、第2配向層23B上にランダムにビーズスペーサー241を配置して移動困難に保持してもよい。また、このビーズスペーサー241の外周が第2配向層23Bで覆われるようにしてもよい。具体的には、第2配向層23Bに係る塗工液にビーズスペーサー241を混合させて第2配向層23Bを形成することにより、ビーズスペーサー241が第2配向層23Bに薄く覆われて保持される形態にすることができる。
次に、第2配向層23B上に第2柱状スペーサー242を形成する。先ず、第2配向層23B上に第2柱状スペーサー242を形成するための印刷層を印刷により形成する。この印刷層は、各第2柱状スペーサー242に対応する位置にそれぞれドット状に配置され、第2配向層23B上に接着される。なお、印刷層の厚みは、第2柱状スペーサー242の厚みよりも若干厚く形成される。印刷層を形成する方法は問わないが、例えば円筒状の版を用いてロータリースクリーン印刷法により印刷層を形成してもよい。印刷層は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等から構成される。このようにして形成された印刷層は、その頂部が表面張力により丸みを帯びており、頂部の周縁部の角部は曲率を有している。
次に、円筒状のローラを準備し、このローラを用いて未硬化の印刷層の頂部を押しつぶして平坦化する。この押しつぶす作業と同時に、押しつぶされた印刷層を熱又は紫外線によって硬化する。ローラによって押しつぶされることにより、印刷層の頂部に平坦な天面が形成される。なお、このローラによる押しつぶし作業では、予めビーズスペーサー241が配置されていることから、印刷層が必要以上に押しつぶされてしまうことがなく、高さ寸法の精度の高い第2柱状スペーサー242を容易に作製可能である。
図5は、第2柱状スペーサー242を示す部分断面斜視図である。
図5に示すように、各第2柱状スペーサー242は、第2配向層23B上に直接印刷されており、印刷されている側とは反対側の表面には、第2配向層23Bが積層されておらず、全体として略切り株状の中実筒形状を有している。また、第2柱状スペーサー242は、第2配向層23B上に直接印刷されることから、第2柱状スペーサー242の側面部分は、配向層を構成する材料が付着することなく、液晶が直接接触している。各第2柱状スペーサー242は、天面243と、天面243に連接された側面245と、側面245に連接された底面244とを有している。このうち底面244は、第2積層体13の第2配向層23Bと接着されている。底面244は、平面視で略円形、略楕円形等、曲線で囲まれた形状からなる。底面244の幅(最大幅)w1は、20μm以上100μm以下としてもよい。
天面243は、第1配向層23Aと接着されることなく、第1配向層23Aに対して面で接触している。天面243は平坦面であり、この平坦面は、第1配向層23A及び第2配向層23Bと略平行である。天面243は、平面視で略円形、略楕円形等、曲線で囲まれた形状からなる。天面243の幅(最大幅)w2は、20μm以上100μm以下としてもよい。本実施形態では、天面243は、平面視で底面244よりも小さいが、底面244と同一又は底面244よりも大きくしてもよい。
また、側面245は、天面243と底面244との間に位置している。この側面245は、外側から内側に向けて湾曲した曲面を有している。側面245は、水平断面(第1配向層23A及び第2配向層23Bに平行な断面)が略円形、略楕円形等、曲線で囲まれた形状からなる。また、側面245は、上側湾曲部245aと、縮径部245bと、裾部245cとを有している。
このうち上側湾曲部245aは、縮径部245bから天面243側に延びている。上側湾曲部245aの水平断面は、縮径部245bから天面243(第1積層体12)側に向けて徐々に広くなっている。この上側湾曲部245aは、ローラによって押しつぶされることによって天面243と共に形成される。また縮径部245bは、側面245のうち最も水平断面が狭い部分であり、天面243と底面244との中間部分よりも天面243側に位置している。裾部245cは、縮径部245bから底面244側に延びている。裾部245cの水平断面は、縮径部245bから底面244(第2積層体13)側に向けて徐々に広くなっている。なお、側面245の水平断面は、裾部245cの底面244側で最も大きくなっている。
本実施形態では、天面243と側面245の間の角θ1は曲率を有さない形状となっている。すなわち、天面243と側面245の間の角θ1が、丸みを帯びておらず、また、天面243と側面245とが、連続する1つの曲面により接続されていない。
ここで、天面243と側面245の間の角θ1は曲率を有さないと説明したが、例えば、走査電子顕微鏡(SEM)等を用いて拡大視すれば、微小な曲面が構成されていることが確認可能な場合もあり得るが、それを排除するものではない。すなわち、本実施形態では、曲率を有さないとは、天面243と側面245の間の角を拡大視して円弧とみなし得る場合に、この円弧とみなされる円の半径rの微小な円の曲率kが1/rで表される場合において、曲率半径r<0.5μm、すなわち、曲率k>1/(0.5μm)である状態を指すものとする。
第1柱状スペーサーでは、天面と側面との間の角は、曲率半径1μm程度の曲率を有している。
これに対して第2柱状スペーサーでは、天面と側面との間の角は、0.5μmよりも十分小さな曲率であり、曲率半径0.1μm程度か、それ以下の曲率半径に構成されているので、実質的には、曲率を有していないといえる。
また、この角θ1は、上側湾曲部245aのうち最も天面243側の部分と天面243とがなす角であり、具体的には、θ1は75°以上105°以下の範囲にあることが好ましい。θ1をこの範囲とすることにより、合わせガラス加工時に、第1積層体12が天面243に沿って湾曲することが抑えられ、調光セル10にかかる圧力を均一に分散させることができる。
また、底面244と側面245の間の角θ2は鋭角に形成されており、曲率を有する形状となっている。この角θ2は、裾部245cのうち最も底面244側の部分と底面244とのなす角であり、具体的には、θ2は60°以上90°以下の範囲にあることが好ましい。
この角θ1、θ2の測定は、調光セル10中にある第2柱状スペーサー242をその天面243又は底面244に対して垂直方向に切断するか、又は、切断せずに第2柱状スペーサー242の柱形状を走査電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影することで、角度を測定することができる。
図6から図9は、第2柱状スペーサー242の変形例を示す図である。
図6に示すように、第2柱状スペーサー242の天面243の中心と底面244の中心とが平面方向(第1配向層23A及び第2配向層23Bに平行な面方向)にオフセットされていてもよい。この場合、第2柱状スペーサー242の側面245は、周方向に非回転対称な形状を有する。
図7に示すように、第2柱状スペーサー242の側面245は、内側から外側に湾曲した曲面を有していてもよい。この場合、側面245の水平断面は、天面243側で最も小さくなっている。また、側面245のうち最も水平断面が大きい部分は、天面243と底面244との間に位置している。
図8に示すように、第2柱状スペーサー242の側面245は、縮径部245bで最も小さくなっており、側面245のうち縮径部245bよりも天面243側の部分は、均一な径を有していてもよい。
図9に示すように、第2柱状スペーサー242の天面243と底面244とが互いに略同一の形状を有していてもよい。この場合、側面245のうち最も水平断面が狭い縮径部245bは、天面243と底面244との中間部分に位置している。
上述のように、スペーサー24は、様々な形態を利用することができ、第1積層体12及び第2積層体13に設けられてもよいし、第1積層体12、第2積層体13の一方のみに設けられるようにしてもよい。また、スペーサー24は、どちらか一方の積層体に固定されてもよいし、両方の積層体に固定されてもよく、さらに、ビーズスペーサーを用いる場合等は、各積層体の表面に付着され、固定されていない形態としてもよい。
第1配向層23A、第2配向層23Bは、光配向層により形成される。光配向層に適用可能な光配向材料は、光配向の手法を適用可能な各種の材料を広く適用することができ、例えば、光分解型、光二量化型、光異性化型等を挙げることができる。
本実施形態では、光二量化型の材料を使用する。光二量化型の材料としては、例えば、シンナメート、クマリン、ベンジリデンフタルイミジン、ベンジリデンアセトフェノン、ジフェニルアセチレン、スチルバゾール、ウラシル、キノリノン、マレインイミド、又は、シンナミリデン酢酸誘導体を有するポリマー等を挙げることができる。中でも、配向規制力が良好である点で、シンナメート、クマリンの一方又は両方を有するポリマーが好ましく用いられる。このような光二量化型の材料の具体例としては、例えば特開平9-118717号公報、特表平10-506420号公報、特表2003-505561号公報及びWO2010/150748号公報に記載された化合物を挙げることができる。
なお、光配向層に代えてラビング処理により配向層を作製してもよく、微細なライン状凹凸形状を賦型処理して配向層を作製してもよい。
また、本実施形態では、第1配向層23A、第2配向層23Bとして光配向層を用いる例を挙げて説明したが、これに限らず、光配向やラビング処理等の配向処理を行わない配向層としてもよい。また、本実施形態では、調光フィルム10は、第1配向層23A、第2配向層23Bを備える形態を示したが、これに限らず、第1配向層23A、第2配向層23Bを備えない形態としてもよい。
液晶層14には、二色性色素を使用したゲストホスト液晶組成物を広く適用することができる。ゲストホスト液晶組成物にはカイラル剤を含有させるようにして、液晶材料を水平配向させた場合に液晶層14の厚み方向に螺旋形状に配向させるようにしてもよい。
シール材25は、調光フィルム10の第1積層体12と第2積層体13の間において、液晶層14を囲むように、平面視で環状、枠状に配置されている。このシール材25により、第1積層体12、第2積層体13が一体に保持され、液晶材料の漏出が防止される。シール材25は、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等を適用することができる。
調光フィルム(液晶フィルム)10は、この遮光時におけるゲストホスト液晶組成物の配向が電界印加時となるように第1配向層23A、第2配向層23Bを一定の方向にプレチルトに係る配向規制力を設定した垂直配向層により構成し、これによりノーマリークリアにより構成される。なお、この透光時の設定を電界印加時としてノーマリーダークにより構成してもよい。
ここで、ノーマリーダークとは、液晶に電圧がかかっていない時に透過率が最小となり、黒い画面になる構造である。ノーマリークリアとは、液晶に電圧がかかっていない時に透過率が最大となり、透明となる構造である。
なお、本実施形態の調光フィルム10は、ゲストホスト型の液晶層14を備える形態としたが、二色性色素組成物を用いないTN(Twisted Nematic)方式、VA(Vertical Alignment)方式、IPS(In-Plane-Switching)方式等の液晶層14を備える形態としてもよい。このような液晶層14を備える調光フィルム10の場合、第1基材層21A、第2基材層21Bの表面に、それぞれ直線偏光層をさらに設けることで、調光セルとして機能させることができる。
第1ガラス板33A及び第2ガラス板33Bは、それぞれ、合わせガラス1の表裏面に配置され、透光性を有する板ガラスである。
本実施形態では、第1ガラス板33A及び第2ガラス板33Bは、いずれも厚さ2mmの板ガラスを用いている。
第1中間膜31Aは、第1ガラス板33Aと調光フィルム10とを接合させる部材である。同様に、第2中間膜31Bは、第2ガラス板33Bと調光フィルム10とを接合させる部材である。
本実施形態では、第1中間膜31A及び第2中間膜31Bは、PVB(ポリビニルブチラール)樹脂製の、厚さ760μmのシートを用いている。
なお、第1中間膜31A及び第2中間膜31Bの素材としては、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)、COP(シクロオレフィンポリマー)等を用いてもよい。また、第1中間膜31A及び第2中間膜31Bの厚さに関しても、その材料等に応じて適宜選択してよい。
なお、平面視で、調光フィルム10が第1ガラス板33A及び第2ガラス板33Bよりも小さい場合には、調光フィルム10の周囲であって、第1中間膜31Aと第2中間膜31Bの間の厚みに相当する部分に環状、枠状の中間膜をさらに設けてもよい。
以下、本実施形態の合わせガラス1の製造方法について説明する。
まず、第1ガラス板33A、第1中間膜31A、調光フィルム10、第2中間膜31B、第2ガラス板33Bを順に積層する積層工程を行う。積層工程により、積層体30が作成される。
次に、積層体30を一体に接合するための接合工程を行う。本実施形態では、接合工程として、予備圧着工程と、オートクレーブ工程とを行う。
予備圧着工程では、積層体30を加熱及び加圧し、積層体30の各部材を接合する工程である。この予備圧着工程は、例えば、真空バッグ法、真空ラミネート法、ロールプレス法、チューブ法等により行うことが好適である。
予備圧着工程後、オートクレーブ工程を行う。このオートクレーブ工程では、予備圧着工程が終了した積層体30を、オートクレーブ用の圧力容器に移し、高圧高温環境下に積層体30を所定時間おいて、積層体30の各部材の接合を強める。
オートクレーブ工程が終了すれば、合わせガラス1として完成となる。なお、必要に応じて、合わせガラス1の一部を切除し、外形の形状を整える切除工程を行うこともできる。
(液晶溜りと空隙の低減に関して)
前述のように、調光フィルム10を備える合わせガラス1では、積層体30を接合する工程において、液晶層14の液晶溜りや合わせガラス1内の空隙が生じる場合がある。このような液晶溜りや空隙は、調光フィルム10の光学性能や外観の低下を招き、好ましくない。
本願発明者らは、このような液晶溜りや空隙を低減するためには、第1基材層21A、第2基材層21Bの物性や厚さ、スペーサーの配置密度等を選択することが重要であることを発見した。
すなわち、合わせガラス1における液晶溜りや空隙を低減する観点から、第1基材層21A、第2基材層21Bは、その厚さをt(μm)とし、そのヤング率をY(GPa)とするとき、これらの積であるt×Yの値が215(μm・GPa)以上であること(すなわち、t×Y≧215(μm・GPa)を満たすこと)が好ましく、かつ、スペーサー24は、1mmあたりに60個以上配置されることが好ましい。
また、スペーサー24間の平均ピッチは、130μm以下であることが好ましい。
また、スペーサー24は、規則的に、又は、不規則かつ配置に偏り等がなく配置されることが好ましい。
(試料による評価試験)
以下、第1基材層21A、第2基材層21Bの材料や厚さ、スペーサー24の形状や配置密度等を変えた調光フィルム10を複数用意し、試料となる合わせガラス1を実際に製造して液晶溜りや空隙の発生の有無について調べた。なお、用いた試料の調光フィルム10において、第1基材層21A、第2基材層21Bとスペーサー24以外はすべて同様の形態であり、上述の実施形態に記載した形態であるとする。なお、各試料の合わせガラス1は、262mm×328mmの矩形状である。
この評価試験において、試料となる合わせガラス1の製造工程において、予備圧着工程は、バッグ法を用いて、第1基材層21A、第2基材層21Bのガラス転移点以下の温度で行った。オートクレーブ工程は、予備圧着工程後の積層体30を、120℃、8気圧の環境下においた。
以下に示す表1に、各試料及び評価結果について示す。この表1に示す試料1~8、11、12、16~21、24~31が本願実施形態の実施例に相当し、試料9、10、13~15、22、23、32、33が比較例に相当する。
各試料の合わせガラスにおいて、第1基材層21A、第2基材層21Bに用いたポリエチレンテレフタレートフィルムのヤング率は4.3GPaであり、ポリカーボネートフィルムのヤング率は2.3GPa、シクロオレフィンポリマーのヤング率は2.5GPaである。
Figure 2023058690000002
試料1、2、3のスペーサーは、第1柱状スペーサーを用いている。試料17~試料23のスペーサーは、ビーズスペーサーと第2柱状スペーサーとを混在させている。
表1において、試料17~試料23のスペーサーの直径、例えば、試料17において、9/70と記載しているのは、ビーズスペーサーの直径が9μmであり、第2柱状スペーサーの直径が70μmであることを示している。なお、第2柱状スペーサーの直径は、上述したように位置によって若干異なっているが、個々では最大外径の位置で複数測定した平均値とした。
表1において、スペーサーの密度とは、1mmあたりに配置されるスペーサー24の個数である。また、ピッチとは、1mmあたりに配置されるスペーサー24の個数から計算されるスペーサー24間の平均ピッチ(合わせガラス1を平面視した際のスペーサー24の中心間の距離の平均値)である。また、凝集とは、ビーズ状のスペーサーにおいて3個以上固まっている状態が1つでもある場合を「有」とし、そのような状態が1つもない場合を「無」として示している。
なお、密度及び平均ピッチの計算を行う場合、ビーズスペーサーと第2柱状スペーサーとを混在させた試料では、ビーズスペーサーと第2柱状スペーサーとを区別せずに同様に計算を行うものとする。
表1において、液晶溜りの評価、及び、空隙の評価は、全く不良(液晶溜り、又は、空隙)が生じていないものを「excellent」とし、基本的に不良は生じないが希に不良が発生するものを「good」とし、不良が一部生じているが使用に問題がないものを「acceptable」とし、不良が大幅に生じる等で使用に適さないものを「bad」とした。
表1に示す結果等から、液晶溜りや空隙の発生を低減する観点から、第1基材層21A、第2基材層21B及びスペーサー24については、以下のことがいえる。
第1基材層21A、第2基材層21Bのヤング率Yは、大きい方が好ましく、厚みも厚い方が好ましく、その厚みをt(μm)、ヤング率をY(GPa)とするとき、これらの積であるt×Yの値が215(μm×GPa)以上であることが好ましい。
スペーサー24は、配置される密度が大きい方が好ましく、1mmあたりに配置される個数は、60個以上であることが好ましい。ただし、ビーズスペーサーを用いる場合には、その数が多すぎると凝集が発生してしまうことにより良好な結果が得られていない。ビーズスペーサーを用いる場合には、1mmあたりに配置される個数は、220個以下とすることが望ましい。また、これに関連して、スペーサー24は、配置されるスペーサー24間の平均ピッチが小さい方が好ましく、130μm以下であることが好ましい。
スペーサー24は、密度が大きくても、凝集等のように配置に偏りが生じていると好ましくない。また、配置は規則的であっても不規則であってもよい。
実施例である試料1~8、11、12、16は、厚みt(μm)とヤング率Y(GPa)との積の値が215(μm×GPa)以上であり、かつ、スペーサー24に関しても配置密度が1mmあたり60個以上であり、スペーサー24間の平均ピッチが130μm以下であり、凝集等も生じていない。したがって、上記好ましい範囲を満たしており、液晶溜りや空隙に関する評価も「good」又は「acceptable」であった。
これに対して、スペーサー24が凝集を起こしていた試料9、10や、密度が好ましい範囲より小さく、スペーサー24間の平均ピッチが好ましい範囲より大きい試料13では、液晶溜りや空隙が生じていた。また、第1基材層21A、第2基材層21Bの厚みt(μm)とヤング率Y(GPa)との積の値が215(μm×GPa)未満である試料14、15は、液晶溜りや空隙が生じていた。
さらに、試料17~21では、ビーズスペーサーと第2柱状スペーサーとを混在させており、これらの評価結果は「excellent」であった。ただし、ビーズスペーサーと第2柱状スペーサーとを混在させた場合であっても、試料22、23のように、スペーサーの密度が60個/mmよりも低かったり、t×Yの値が215よりも低かったりする場合には、評価結果は「bad」であった。
以上のことから、合わせガラス1における液晶溜りや空隙を低減する観点から、第1基材層21A、第2基材層21Bの厚みt(μm)とヤング率Y(GPa)との積の値が215(μm×GPa)以上であり、かつ、スペーサー24が1mmあたり60個以上配置されることが好ましい。ただし、ビーズスペーサーを用いる場合には、1mmあたりに配置される個数は、220個以下とすることが望ましい。
さらに、スペーサー24間の平均ピッチが130μm以下であることが好ましい。
さらに、スペーサー24は、規則的な配置であっても不規則な配置であってもよいが、不規則に配置される場合には、凝集のような配置の偏りがないことが好ましい。
さらにまた、ビーズスペーサーと第2柱状スペーサーとを混在させることが望ましい。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本開示の実施形態の範囲内である。
(1)実施形態において、合わせガラス1の製造方法として、接合工程において、予備圧着工程を行った後、オートクレーブ工程を行う例を挙げて説明したが、これに限らず、接合工程において、予備圧着工程で十分に積層体30を接合できるのであれば、例えば、オートクレーブ工程を省略してもよい。
(2)実施形態において、建築物や車両等の内側への入射光の光量を制御する、いわゆる調光機能を主目的とした合わせガラスを例に挙げて説明したが、調光機能を主目的としない液晶フィルムを有する合わせガラスに本開示の実施形態を適用してもよい。
なお、本実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本開示の実施形態は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
1 合せガラス
10 調光フィルム(液晶フィルム)
12 第1積層体
13 第2積層体
14 液晶層
21A 第1基材層
21B 第2基材層
22A 第1透明電極層
22B 第2透明電極層
23A 第1配向層
23B 第2配向層
24 スペーサー
25 シール材
30 積層体
31A 第1中間膜
31B 第2中間膜
33A 第1ガラス板
33B 第2ガラス板

Claims (4)

  1. 第1ガラス板と第2ガラス板と液晶フィルムとを備える合わせガラスであって、
    前記液晶フィルムは、厚み方向において順に、第1基材層と、第1透明電極層と、液晶層と、第2透明電極層と、第2基材層とを備え、
    前記液晶層は、その厚みを維持するための複数のスペーサーを層内に備え、
    前記スペーサーは、少なくとも柱状スペーサーを含み、
    前記柱状スペーサーの底面及び天面の最大幅は、それぞれ20μm以上100μm以下であり、
    前記第1基材層及び前記第2基材層は、その厚さをt(μm)とし、ヤング率をY(GPa)とするとき、t×Y≧215(μm×GPa)を満たす、合わせガラス。
  2. 請求項1に記載の合わせガラスにおいて、
    前記スペーサーは、前記柱状スペーサーとビーズスペーサーとの双方を含み、
    前記柱状スペーサーは、
    側面と、
    平坦な天面と、
    を有し、
    前記天面と前記側面との間の角が曲率を有さない合わせガラス。
  3. 請求項1に記載の合わせガラスにおいて、
    前記スペーサー間の平均ピッチは、130μm以下であって、前記スペーサーが互いに接するように局所的に集まった部分を有しない合わせガラス。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれかに記載の合わせガラスにおいて、
    前記第1基材層及び前記第2基材層の材料は、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマーのいずれかである合わせガラス。
JP2023023570A 2017-11-24 2023-02-17 合わせガラス Pending JP2023058690A (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017225788 2017-11-24
JP2017225788 2017-11-24
PCT/JP2018/043257 WO2019103115A1 (ja) 2017-11-24 2018-11-22 合わせガラス、液晶フィルム
JP2019555376A JP7440266B2 (ja) 2017-11-24 2018-11-22 合わせガラス、液晶フィルム

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019555376A Division JP7440266B2 (ja) 2017-11-24 2018-11-22 合わせガラス、液晶フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023058690A true JP2023058690A (ja) 2023-04-25

Family

ID=66631046

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019555376A Active JP7440266B2 (ja) 2017-11-24 2018-11-22 合わせガラス、液晶フィルム
JP2023023570A Pending JP2023058690A (ja) 2017-11-24 2023-02-17 合わせガラス

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019555376A Active JP7440266B2 (ja) 2017-11-24 2018-11-22 合わせガラス、液晶フィルム

Country Status (2)

Country Link
JP (2) JP7440266B2 (ja)
WO (1) WO2019103115A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019198748A1 (ja) * 2018-04-11 2019-10-17 大日本印刷株式会社 合わせガラス、合わせガラスの製造方法、調光装置、調光セル及び調光装置用積層体

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04152324A (ja) * 1990-10-17 1992-05-26 Teijin Ltd 調光構成体
JP3294381B2 (ja) * 1993-05-24 2002-06-24 株式会社半導体エネルギー研究所 液晶電気光学装置作製方法
JP3699828B2 (ja) * 1997-10-06 2005-09-28 シャープ株式会社 液晶表示素子およびその製造方法
JP2000206537A (ja) * 1999-01-12 2000-07-28 Canon Inc 液晶素子、及び該液晶素子の製造方法
JP2004246046A (ja) * 2003-02-13 2004-09-02 Fujitsu Ltd 液晶表示素子の製造方法及び液晶表示素子
JP2006267366A (ja) * 2005-03-23 2006-10-05 Konica Minolta Holdings Inc 液晶表示素子の製造方法
JP4901134B2 (ja) * 2005-06-03 2012-03-21 エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド 液晶表示装置及びその製造方法
JP3184348U (ja) * 2013-04-12 2013-06-20 株式会社オックスプランニング 複層ガラス及び複層ガラスシステム
JP6331948B2 (ja) 2014-10-14 2018-05-30 新日鐵住金株式会社 トーションビームの製造方法及びトーションビーム
JP6213653B2 (ja) * 2015-11-13 2017-10-18 大日本印刷株式会社 調光フィルム及び合わせガラス
TWM521197U (zh) * 2016-01-11 2016-05-01 Nanobit Tech Co Ltd 感應式高分子分散液晶智慧窗裝置
EP3447566B1 (en) * 2016-04-21 2020-05-27 Dai Nippon Printing Co., Ltd. Light control film, laminated glass and method for producing light control film

Also Published As

Publication number Publication date
JP7440266B2 (ja) 2024-02-28
JPWO2019103115A1 (ja) 2020-11-19
WO2019103115A1 (ja) 2019-05-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6673537B2 (ja) 合わせガラス、合わせガラスの製造方法、調光装置、調光セル及び調光装置用積層体
JP2022145903A (ja) 調光フィルム及び合わせガラス
WO2019088261A1 (ja) 合わせガラスの製造方法、合わせガラス、調光フィルム
JP5950014B1 (ja) 調光フィルム
JP7420298B2 (ja) 調光セルおよびその製造方法、ならびに調光装置およびその製造方法
JP7073795B2 (ja) 合わせガラス製造方法
JP2023058690A (ja) 合わせガラス
JP2024015005A (ja) 調光装置、調光装置用積層体及び調光セル
JP7056419B2 (ja) 合わせガラスの製造方法
JP7286928B2 (ja) 調光装置およびその製造方法
JP6520081B2 (ja) 合わせガラス、合わせガラスの製造方法
JP2023181296A (ja) 調光装置及びその製造方法
KR20230051625A (ko) 조광 부재, 조광 부재의 제조 방법, 조광체, 차량
JP7404910B2 (ja) 調光セルおよび調光装置
JP2020024267A (ja) 調光セルおよびその製造方法、ならびに調光装置およびその製造方法
JP7196437B2 (ja) 調光セルおよびその製造方法、ならびに調光装置およびその製造方法
JP6057012B1 (ja) 調光フィルム
JP6048606B1 (ja) 調光フィルム及び調光フィルムの製造方法
JP7432139B2 (ja) 調光装置
JP7401038B2 (ja) 合わせガラス及び液晶装置
JP2018180169A (ja) 調光フィルム及び調光フィルムの製造方法
JP2023087230A (ja) 液晶装置
JP2019142752A (ja) 合わせガラス製造方法
JP2022109495A (ja) 調光装置及びその製造方法
JP2021123057A (ja) 積層体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240109

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240307

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20240430