JP2021123057A - 積層体 - Google Patents

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俊二 宮川
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俊二 宮川
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正隆 中島
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孝夫 池澤
朋也 川島
Tomoya Kawashima
朋也 川島
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Abstract

【課題】部分的に中間層の一部が多く集まる現象を低減することができる積層体を提供する。【解決手段】合わせガラス1は、第1のガラス板40Aと、第2のガラス板40Bと、第1のガラス板40Aと第2のガラス板40Bとの間に配置される中間層30と、を備え、曲面に構成された合わせガラスであって、第1のガラス板40Aと第2のガラス板40Bとが互いに対向しているそれぞれの対向面の間の法線方向における間隔は、一定間隔である。【選択図】図5

Description

本開示の実施形態は、積層体に関するものである。
従来、例えば窓に設けて外来光の透過を制御する電子ブラインド等として利用可能な調光部材が提案されている。このような調光部材の1つに、液晶を利用した調光フィルム(液晶フィルム)がある。
液晶フィルムは、透明電極を含む透明板材により液晶材料を挟持し、さらにこれを直線偏光板により挟持する等して作成される。この調光フィルムは、透明電極間に印加する電界を変化させることにより液晶の配向を変化させ、外来光の透過量を制御する。
また、上述した液晶フィルムをさらに2枚以上のガラスで挟み込んで合わせガラスを製造することが提案されている(特許文献1参照)。
しかし、従来は液晶フィルムを挟み込んだ合わせガラスが実際に製造されたことがなかった。したがって、単に中間膜を挟んで構成される従来の合わせガラスと同様な手法をそのまま適用しただけでは、液晶フィルムを挟み込んだ合わせガラスを正しく製造できない場合があった。
特に、合わせガラスの表面形状が曲面形状や3次元形状により構成される場合には、曲面形状や3次元形状の表面形状を有するガラス板の間に挟まれた液晶フィルムに局所的に液晶が多く集まる現象(以下、「液晶溜まり」とも呼ぶ)が発生し、液晶フィルムの厚みが不均一になる場合があった。
また、液晶フィルムを挟み込む場合に限らず、厚みが変化する中間層をガラスで挟み込んだ構成の合わせガラスでは、中間層が部分的に多く集まる現象が発生する場合があった。
特開2019−144554号公報
本開示の実施形態の課題は、部分的に中間層の一部が多く集まる現象を低減することができる積層体を提供することである。
本開示の実施形態は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本開示の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の開示の実施形態は、第1透明基板(40A)と、第2透明基板(40B)と、前記第1透明基板(40A)と前記第2透明基板(40B)との間に配置される中間層(30)と、を備え、曲面に構成された積層体(1)であって、前記第1透明基板(40A)と前記第2透明基板(40B)とが互いに対向しているそれぞれの対向面の間の法線方向における間隔は、一定間隔である積層体(1)である。
第2の開示の実施形態は、第1の開示の実施形態に記載の積層体(1)において、前記中間層(30)は、第1の中間膜(31A)と、第2の中間膜(31B)と、前記第1の中間膜(31A)と前記第2の中間膜(31B)との間に配置された液晶フィルム(10)と、を備える積層体(1)である。
第3の開示の実施形態は、第1の開示の実施形態又は第2の開示の実施形態に記載の積層体(1)において、当該積層体(1)の表面は、3次元形状の曲面を有している積層体(1)である。
本開示の実施形態によれば、部分的に中間層の一部が多く集まる現象を低減することができる積層体を提供することができる。
本開示の実施形態による合わせガラス1を示す図である。 合わせガラス1の層構成を分解して示す図である。 本開示の実施形態の合わせガラス1の層構成について調光フィルム10を主として示す断面図である。 合わせガラス1を図1中の矢印A−Aの位置で切断した断面図である。 図4から中間層30を省略して示した断面図である。 2枚のガラス板を重ねた状態で所望の形状に成形する状態を示す図である。 図6に示す方法で成形されたガラス板で中間層30を挟みこむ状態を示す図である。
以下、本開示の実施形態を実施するための最良の形態について図面等を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、本開示の実施形態による合わせガラス1を示す図である。
図2は、合わせガラス1の層構成を分解して示す図である。
なお、図1及び図2を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
本開示の実施形態において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
本開示の実施形態において、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
また、本開示の実施形態において透明とは、少なくとも利用する波長の光を透過するものをいう。例えば、仮に可視光を透過しないものであっても、赤外線を透過するものであれば、赤外線用途に用いる場合においては、透明として取り扱うものとする。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において規定する具体的な数値には、一般的な誤差範囲は含むものとして扱うべきものである。すなわち、±10%程度の差異は、実質的には違いがないものであって、本件の数値範囲をわずかに超えた範囲に数値が設定されているものは、実質的には、本開示の実施形態の範囲内のものと解釈すべきである。
積層体である合わせガラス1は、その表面が3次元形状の曲面を有する。ここで、3次元形状の曲面とは、単純な円筒面ではなく、平面を伸縮なしに変形させるだけでは構成できない曲面であり、3次元空間で2つの独立したパラメータで定義される曲面である。例えば、直交するX軸とY軸とをそれぞれ中心軸として、X軸を中心とした曲率半径Rx、Y軸を中心とした曲率半径Ryの2つの曲率基準をパラメータとして有する曲面を例示できる。本開示の実施形態では、理解を容易にするために、合わせガラス1の表面形状は、球面形状の一部であるものとして説明する。
本開示の実施形態の合わせガラス1は、第1のガラス板(第1透明基板)40Aと第2のガラス板(第2透明基板)40Bとの間に中間層30を挟んで構成されている。より詳しくは、合わせガラス1は、第1のガラス板40Aと、第1の中間膜31Aと、調光フィルム(液晶フィルム)10と、第2の中間膜31Bと、第2のガラス板40Bと、がこの順番で積層配置されている。本開示の実施形態の合わせガラス1においては、第1の中間膜31Aと、調光フィルム(液晶フィルム)10と、第2の中間膜31Bとを合わせたものが中間層30である。
(調光フィルムの基本構成)
図3は、本開示の実施形態の合わせガラス1の層構成について調光フィルム10を主として示す断面図である。なお、本開示の実施形態の合わせガラス1は、3次元形状の表面形状を有しているが、図3では、理解を容易にするために、その表面形状が平面状である場合の断面図を示している。また、以下に説明する調光フィルム10の具体的な構成は、一例を例示するものであり、各部の構成は適宜変更することができる。
調光フィルム(液晶フィルム)10は、印加電圧を変化させることにより透過光の光量を制御することができるフィルムである。本開示の実施形態の調光フィルム10は、合わせガラス1の中間材とともに、又は、中間材の代わりに、ガラス板(透明部材)間に挟持されて使用される。
この調光フィルム10を備える合わせガラス1は、例えば、建築物の窓ガラスや、ショーケース、屋内の透明パーテーション、車両のウインドウ等の調光を図る部位(外光が入射する部位、例えば、フロントや、サイド、リア、ルーフ等のウインドウ)に配置され、建築物や車両等の内側への入射光の光量を制御することができる。
調光フィルム10(液晶フィルム)は、二色性色素を使用したゲストホスト型の液晶層を備えており、液晶に印加する電界により透過光量を変化させる部材である。調光フィルム10は、フィルム状の第1積層体12及び第2積層体13により液晶層14を挟持して構成される。
第1積層体12は、第1の基材21Aに、透明電極22A、配向膜層23Aを積層して形成される。
第2積層体13は、第2の基材21Bに、透明電極22B、配向膜層23B、ビーズスペーサー24を積層して形成される。
調光フィルム10は、この第1積層体12及び第2積層体13に設けられた透明電極22A、22Bの駆動により、液晶層14に設けられたゲストホスト液晶組成物からなる液晶材料の配向を変化させ、これにより透過光の光量を変化させる。
第1の基材21A,第2の基材21Bは、透明な樹脂製であって、可撓性を有するフィルムを適用することができる。第1の基材21A,第2の基材21Bとしては、光学異方性が小さく、また、可視域の波長(400〜800nm)における透過率が80%以上である透明樹脂フィルムを適用することが望ましい。
本開示の実施形態の調光フィルム10は、合わせガラスとした際に、その表面が3次元形状の曲面を有するよう変形されるため、第1の基材21A,第2の基材21Bに用いる透明樹脂フィルムの材料としては、ポリカーボネート(PC)樹脂と、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂と、シクロオレフィンポリマー(COP)樹脂とのうちのいずれかを素材とすることが望ましい。また、第1の基材21A,第2の基材21Bは、厚みを150μm以下とすることが望ましい。
透明電極22A、22Bは、第1の基材21A,第2の基材21B(透明樹脂フィルム)に積層される透明導電膜から構成されている。
透明導電膜としては、この種の透明樹脂フィルムに適用される各種の透明電極材料を適用することができ、酸化物系の全光透過率が50%以上の透明な金属薄膜を挙げることができる。例えば、酸化錫系、酸化インジウム系、酸化亜鉛系、銀ナノワイヤ(AgNW)が挙げられる。
酸化錫(SnO)系としてはネサ(酸化錫SnO)、ATO(Antimony Tin Oxide:アンチモンドープ酸化錫)、フッ素ドープ酸化錫が挙げられる。
酸化インジウム(In)系としては、酸化インジウム、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)、IZO(Indium Zinc Oxide)が挙げられる。
酸化亜鉛(ZnO)系としては、酸化亜鉛、AZO(アルミドープ酸化亜鉛)、ガリウムドープ酸化亜鉛が挙げられる。
本開示の実施形態では、透明電極22A、22Bを構成する透明導電膜は、ITOにより形成されている。
本開示の実施形態では、スペーサーとして球形状のビーズスペーサー24を用いる。ビーズスペーサー24は、液晶層14における外周部を除く部分の厚み(セルギャップ)を規定するために設けられる。
ビーズスペーサー24は、シリカ等の無機材料による構成、有機材料による構成、これらを組み合わせたコアシェル構造の構成等を広く適用することができる。また、ビーズスペーサー24は、球形状の構成の他、円柱形状、角柱形状等のロッド形状により構成してもよい。
ただし、液晶層14の厚みを規定するスペーサーは、ビーズスペーサー24に限定されず、例えば、フォトレジストを第1の基材21A側に塗工して露光、現像することにより円柱形状に作製してもよい。
なお、上述の説明では、このようなスペーサーは、第2積層体13に設けられる例を示したが、これに限定されるものでなく、第1積層体12、第2積層体13の両方、又は、第1積層体12にのみ設けられるようにしてもよい。
配向膜層23A、23Bは、液晶分子群を一定方向に配列させるための膜である。例えば、配向膜層23A、23Bは、光配向膜層として作製したり、光配向膜層に代えてラビング処理して配向膜層を作製したりしてもよいし、微細なライン状凹凸形状を賦型処理して配向膜層を作製してもよい。なお、配向膜層23A、23Bの作製方法は、上述した方法に限らず、適宜異なる方法を用いてもよい。
また、本開示の実施形態では、調光フィルム10は、配向膜層23A,23Bを備える形態を示したが、これに限らず、配向膜層23A,23Bを備えない形態としてもよい。
液晶層(液晶材料)14には、二色性色素組成物を使用したゲストホスト液晶組成物を広く適用することができる。ゲストホスト液晶組成物にはカイラル剤を含有させるようにして、液晶材料を水平配向させた場合に液晶層14の厚み方向に螺旋形状に配向させるようにしてもよい。なお、調光フィルム10において、平面視で液晶層14の周囲を囲むように、シール材25が配置されている。このシール材25により、第1積層体12、第2積層体13が一体に保持され、液晶層14の液晶材料の漏出が防止される。シール材25は、例えばエポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等を適用することができる。
調光フィルム10は、この遮光時におけるゲストホスト液晶組成物の配向が電界印加時となるように配向膜層23A,23Bを一定の方向にプレチルトに係る配向規制力を設定した垂直配向膜層として構成し、これによりノーマリークリアとして構成される。なお、この透光時の設定を電界印加時としてノーマリーダークとして構成してもよい。
ここで、ノーマリーダークとは、液晶に電圧がかかっていない時に透過率が最小となり、黒い画面になる構造である。ノーマリークリアとは、液晶に電圧がかかっていない時に透過率が最大となり、透明となる構造である。
なお、本開示の実施形態の調光フィルム10は、ゲストホスト型の液晶層14を備える例を示したが、二色性色素組成物を用いないTN(Twisted Nematic)方式、VA(Vertical Alignment)方式、IPS(In−Plane−Switching)方式等の液晶層14を備える構成としてもよい。このような液晶層14を備える場合、第1の基材21A,第2の基材21Bの表面に直線偏光層をさらに設けることで、調光フィルムとして機能させることができる。
第1のガラス板40A及び第2のガラス板40Bは、それぞれ、合わせガラス1の表裏面に配置され、高い透光性を有する板ガラスである。
本開示の実施形態では、第1のガラス板40A及び第2のガラス板40Bは、いずれも厚さ2mmの板ガラスを用いている。第1のガラス板40A及び第2のガラス板40Bは、それらの表面が3次元形状の曲面を有するように予め成形されている。第1のガラス板40A及び第2のガラス板40Bの形状については、後に詳しく説明する。
第1の中間膜31A及び第2の中間膜31Bは、本開示の実施形態では、PVB(ポリビニルブチラール)樹脂製の、厚さ760μmのシートを用いている。第1の中間膜31Aは、第1のガラス板40Aと調光フィルム10とを接合させ、同様に、第2の中間膜31Bは、第2のガラス板40Bと調光フィルム10とを接合させる。
なお、第1の中間膜31A及び第2の中間膜31Bの素材としては、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)、COP(シクロオレフィンポリマー)等を用いてもよい。
第1の中間膜31A及び第2の中間膜31BのTgは、PVBを用いる場合は70〜90℃、EVAを用いる場合は−30℃(融点:75℃)、COPを用いる場合は100〜120℃となる。
また、第1の中間膜31A及び第2の中間膜31Bの厚さに関しても、その材料等に応じて適宜選択してよい。
図4は、合わせガラス1を図1中の矢印A−Aの位置で切断した断面図である。
図5は、図4から中間層30を省略して示した断面図である。
上述したように、本開示の実施形態では、合わせガラス1の表面形状は、球面形状の一部である。よって、図4及び図5において、合わせガラス1の表面は、断面視で円弧となっており、第1のガラス板40Aの凸側の表面も、断面視で円弧となっている。また、第1のガラス板40Aの板厚は、2mmで一定であるので、第1のガラス板40Aの中間層30と接合する側(凹側)の表面も断面視で円弧となっている。
図4及び図5に示すように、中間層30と接合する側の第1のガラス板40Aの円弧の半径をRAとする。また、第2のガラス板40Bの中間層30と接合する側の表面の断面形状の円弧の半径をRBとする。図5に示した状態は、合わせガラス1の状態から中間層30を疑似的に取り除いた状態であり、第1のガラス板40Aと第2のガラス板40Bとが互いに対向しているそれぞれの対向面の間の法線方向における間隔は、RA−RB=t30で一定間隔となるように、第1のガラス板40Aと第2のガラス板40Bとが成形されている。よって、図4のように中間層30を挟んで合わせガラスとなった状態においても、第1のガラス板40Aと第2のガラス板40Bとが互いに対向しているそれぞれの対向面の間の法線方向における間隔は、RA−RB=t30で一定となっている。当然ながら、合わせガラス状態での中間層30の厚さもt30で一定となっている。
ここで、本開示の実施形態における第1のガラス板40Aと第2のガラス板40Bとの間の間隔が従来と異なる点について、説明する。
従来、曲面形状の合わせガラスにおける最も簡単な構成としては、全く同じ曲面形状に形成された2枚の曲面形状のガラス板で中間層を挟んで合わせガラスとする構成が知られている。しかし、そのような構成では、板ガラスの凸側の表面の円弧の半径は、板ガラスの凹側の表面の円弧の半径よりもガラス板の板厚分だけ円弧の半径が大きいので、ガラス板の板厚分だけ円弧の寸法の異なる面の間に中間層が配置されることとなる。この場合、図示するまでもなく、2枚のガラス板間の間隔は、場所により異なる。特に、ガラス板の中央付近よりも周辺部において間隔が狭くなってしまう。これにより、合わせガラスにしたときに、周辺部で中間層を押圧する圧力が中央部よりも高くなってしまい、周辺部において中間層が部分的に多く集まる現象が発生していた。特に、中間層に液晶フィルムを含む場合、液晶溜まりが周辺部において発生する場合があった。
そこで、予め板ガラスを曲面に成形するときに、2枚のガラス板を重ねた状態で所望の形状に成形することが行われている。これにより、中間層を挟み込む対向面の形状を合わせガラスとなった時により適切な形状に近づけることが可能となる。
図6は、2枚のガラス板を重ねた状態で所望の形状に成形する状態を示す図である。
図7は、図6に示す方法で成形されたガラス板で中間層30を挟みこむ状態を示す図である。
図6及び図7に示す従来の第1のガラス板400Aと第2のガラス板400Bとが対向する面の円弧の半径をRCとする。この場合、中間層30を挟んで合わせガラスとなった図7の状態でも第1のガラス板400Aと第2のガラス板400Bとが対向する面の円弧の半径は、それぞれRCであり、その中心の位置がずれた位置となる。したがって、図7に示した合わせガラスとした状態において、合わせガラスの中央付近よりも周辺部の方が、第1のガラス板400Aと第2のガラス板400Bとの間の間隔が狭くなっている。これは、中間層30の厚さが厚い場合に特に顕著となるものである。例えば、本開示の実施形態の調光フィルム10は、厚さが2.4mmと厚いため、第1のガラス板400Aと第2のガラス板400Bとの間の間隔が不均一となり、液晶溜まりが周辺部において発生する場合があった。
ここで、第1のガラス板40Aと第2のガラス板40Bとが互いに対向しているそれぞれの対向面の間の法線方向における間隔t30がどの程度変化すると液晶溜まりが発生するのかを調べた。具体的には、ガラス中央部の間隔(以下、t30Aとする)と、ガラス端部の間隔(以下、t30Bとする)に差がある合わせガラスを試作し、液晶溜まりの発生状況を調べた。なお、合わせガラスの大きさは、262mm(図5の断面方向)×328mmであり、RA(設計狙い値)=1698.4mmであり、第1のガラス板40A及び第2のガラス板40B自体の厚さは、2mmである。
(試作品1)
試作品1は、ガラス中央部の間隔t30A=2.4mmであり、ガラス端部の間隔t30B=2.387mmであった。よって、t30の差Δt=t30A−t30B=0.013mmである。これは、t30の狙い値である2.4mmを基準として、0.54%である。
この試作品1では、液晶溜まりの発生が確認された。
(試作品2)
試作品2は、ガラス中央部の間隔t30A=2.4mmであり、ガラス端部の間隔t30B=2.393mmであった。よって、t30の差Δt=t30A−t30B=0.007mmである。これは、t30の狙い値である2.4mmを基準として、0.3%である。
この試作品2では、液晶溜まりの発生は無かった。
以上の結果から、t30の寸法差(寸法ばらつき)は、0.3%以内であれば、液晶だまりの発生を抑制でき、好ましい。
このように、従来の構成では、周辺部において周辺部で中間層を押圧する圧力が中央部よりも高くなってしまい、周辺部において中間層が部分的に多く集まる現象が発生していた。特に、中間層に液晶フィルムを含む場合、液晶溜まりが周辺部において発生する場合があった。
これに対して、本開示の実施形態では、第1のガラス板40Aと第2のガラス板40Bとが互いに対向しているそれぞれの対向面の間の法線方向における間隔は、t30で一定間隔である。より具体的には、t30=2.4mmで一定である。これにより、合わせガラスにしたときに従来発生していた、周辺部において中間層が部分的に多く集まる現象を抑制することができる。特に、中間層30に調光フィルム10を含むので、液晶溜まりが周辺部において発生することを抑制できる。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本開示の実施形態の範囲内である。
(1)実施形態において、中間層30は、液晶フィルムを含む例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、中間層は、液晶フィルムを含まない構成としてもよい。
(2)実施形態において、合わせガラス1は、表面が球面形状の一部である例を挙げて説明した。これに限らず、合わせガラスの曲面形状は、より複雑な毛状であってもよく、例えば、波打つように凹凸形状が連続した形態としてもよく、3次元形状の曲面は、様々な形態とすることができる。また、これとは逆に、3次元形状に限らず、円筒面のような単純な曲面であってもよい。
(3)実施形態において、積層体の一例として、第1透明基板及び第2透明基板としてガラス板を用いた合わせガラスを例示して説明した。これに限らず、例えば、積層体は、第1透明基板及び第2透明基板として透明樹脂基板を用いたものでもよい。
なお、各実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本開示の実施形態は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
1 合わせガラス
10 調光フィルム(液晶フィルム)
12 第1積層体
13 第2積層体
14 液晶層
21A 第1の基材
21B 第2の基材
22A 透明電極
22B 透明電極
23A 配向膜層
23B 配向膜層
24 ビーズスペーサー
25 シール材
30 中間層
31A 第1の中間膜
31B 第2の中間膜
40A 第1のガラス板
40B 第2のガラス板

Claims (3)

  1. 第1透明基板と、
    第2透明基板と、
    前記第1透明基板と前記第2透明基板との間に配置される中間層と、
    を備え、
    曲面に構成された積層体であって、
    前記第1透明基板と前記第2透明基板とが互いに対向しているそれぞれの対向面の間の法線方向における間隔は、一定間隔である積層体。
  2. 請求項1に記載の積層体において、
    前記中間層は、
    第1の中間膜と、
    第2の中間膜と、
    前記第1の中間膜と前記第2の中間膜との間に配置された液晶フィルムと、
    を備える積層体。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の積層体において、
    当該積層体の表面は、3次元形状の曲面を有している積層体。
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