JP2021124583A - 調光装置及びその製造方法 - Google Patents

調光装置及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021124583A
JP2021124583A JP2020017345A JP2020017345A JP2021124583A JP 2021124583 A JP2021124583 A JP 2021124583A JP 2020017345 A JP2020017345 A JP 2020017345A JP 2020017345 A JP2020017345 A JP 2020017345A JP 2021124583 A JP2021124583 A JP 2021124583A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
dimming
liquid crystal
layer
transparent substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020017345A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7409125B2 (ja
Inventor
孝夫 池澤
Takao Ikezawa
孝夫 池澤
勇 白石
Isamu Shiraishi
勇 白石
誠 山木
Makoto Yamaki
誠 山木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2020017345A priority Critical patent/JP7409125B2/ja
Publication of JP2021124583A publication Critical patent/JP2021124583A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7409125B2 publication Critical patent/JP7409125B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

【課題】局所的に液晶が多く存在する現象である液晶だまりの発生を抑制するとともに、重力によって液晶が鉛直方向下方に偏在してしまう現象を抑制することが可能な、調光装置及びその製造方法を提供する。【解決手段】調光装置10は、第1透明基板11と、第2透明基板12と、第1透明基板11と第2透明基板12との間に配置された調光セル20と、調光セル20と第2透明基板12との間に配置された第1フィルム33及び第2フィルム34と、を備えている。第2フィルム34は、調光セル20に接着されている。第1フィルム33と第2フィルム34との間に、空隙層G、又は流動性樹脂層又は硬化性樹脂層が設けられている。【選択図】図2

Description

本開示は、調光装置及びその製造方法に関する。
従来、窓等の透光部材と組み合わせて用いられ、外来光の透過を制御する電子ブラインド等に利用可能な調光部材や、このような調光部材を用いた調光装置等が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。このような調光部材の1つに、液晶層を備える液晶フィルムが知られている。この液晶フィルムは、透明電極を含む透明な樹脂製の基材により液晶材料を挟持し、これをさらに直線偏光板により挟持する等して作成される。そして、液晶フィルムは、透明電極間に印加する電界を変化させることにより液晶の配向を変化させ、外来光の透過量を制御することができる。
特許第6135816号公報 特開2017−187810号公報
このような液晶フィルムを自動車のルーフウィンドウ、サイドウィンドウ等に利用可能な調光部材とする場合には、液晶フィルムを、中間膜を介して一対のガラスで挟み、合わせガラスとすることが好適である。しかしながら、液晶フィルムを挟み込んだ合わせガラスでは、各部材を一体に圧着する際にその表面にかかる圧力が均一でない場合や、使用するガラスや中間膜の形状が上下で一致しない場合、中間膜や液晶フィルムにシワが生じた場合等、液晶の不均一な分布により、局所的に液晶が多く存在する現象である液晶だまりが生じやすく、調光機能を有する合わせガラスとしての品質や外観が低下するという問題がある。
また、完成後の調光部材を垂直な壁面等に縦置きした場合、液晶が重力で落下し、局所的に液晶フィルムの液晶層の厚みが変化する場合がある。すなわち重力によって鉛直方向下方ほど液晶が増加し、液晶層の厚みが増してしまう。この場合、鉛直方向下方部分では液晶及び色素の量が多くなり、調光部材の面内にムラが発生するおそれがある。
本実施の形態は、局所的に液晶が多く存在する現象である液晶だまりの発生を抑制するとともに、重力によって液晶が鉛直方向下方に偏在してしまう現象を抑制することが可能な、調光装置及びその製造方法を提供する。
本実施の形態による調光装置は、第1透明基板と、第2透明基板と、前記第1透明基板と前記第2透明基板との間に配置された調光セルと、前記調光セルと前記第2透明基板との間に配置された第1フィルム及び第2フィルムと、を備え、前記第2フィルムは、前記調光セルに接着され、前記第1フィルムと前記第2フィルムとの間に、空隙層、流動性樹脂層又は硬化性樹脂層が設けられている。
本実施の形態による調光装置において、前記第2フィルムは、中間膜又は透明粘着樹脂により前記調光セルに接着されていても良い。
本実施の形態による調光装置において、前記第1フィルムと前記第2フィルムとの間と、外気とを連通する連通孔が設けられていても良い。
本実施の形態による調光装置において、前記連通孔は密封されていても良い。
本実施の形態による調光装置において、前記第1透明基板と前記第2透明基板との間に、平面視において前記調光セルの周囲を取り囲むように形成された額縁形状の中間膜が配置され、前記連通孔は、前記額縁形状の中間膜の一部を切り欠いて形成されていても良い。
本実施の形態による調光装置の製造方法は、第1透明基板と、第2透明基板と、前記第1透明基板と前記第2透明基板との間に配置された調光セルと、前記調光セルと前記第2透明基板との間に配置された第1フィルム及び第2フィルムとを有する積層体を作製する工程と、前記積層体の前記第1透明基板と、前記調光セルと、前記第1フィルムと、前記第2フィルムと、前記第2透明基板とを一体に接合する工程と、備え、前記接合する工程の後、前記第2フィルムは、前記調光セルに接着され、前記接合する工程の後、前記第1フィルムと前記第2フィルムとの間に、空隙層、流動性樹脂層又は硬化性樹脂層が設けられる。
本開示の実施の形態によれば、局所的に液晶が多く存在する現象である液晶だまりの発生を抑制するとともに、重力によって液晶が鉛直方向下方に偏在してしまう現象を抑制することができる。
図1は、一実施の形態による調光装置を示す斜視図である。 図2は、一実施の形態による調光装置を示す断面図である。 図3は、一実施の形態による調光装置を示す分解斜視図である。 図4(a)−(d)は、一実施の形態による調光セルの製造方法を示す断面図である。 図5(a)−(c)は、一実施の形態による調光セルの製造方法を示す断面図である。 図6(a)−(f)は、積層体を作製する方法を示す断面図である。 図7(a)−(d)は、積層体を作製する方法を示す断面図である。 図8(a)−(c)は、一実施の形態による調光装置の製造方法を示す断面図である。 図9(a)−(b)は、変形例による調光装置の製造方法を示す断面図である。 図10は、変形例による調光装置の製造方法を示す断面図である。 図11(a)−(c)は、調光装置の作製後、調光セルの液晶だまりが解消する際の作用を示す断面図である。 図12は、調光装置を縦置きした際に液晶層の液晶が重力によって移動することを抑制する際の作用を示す断面図である。 図13は、第1の変形例による調光装置を示す断面図である。 図14は、第2の変形例による調光装置を示す断面図である。 図15は、第3の変形例による調光装置を示す断面図である。 図16は、第4の変形例による調光装置を示す断面図である。 図17は、第4の変形例による調光装置を示す分解斜視図である。 図18は、第5の変形例による調光装置を示す断面図である。 図19は、第6の変形例による調光装置を示す分解斜視図である。 図20は、第7の変形例による調光装置を示す分解斜視図である。 図21は、第8の変形例による調光装置を示す分解斜視図である。
以下、図1乃至図12を参照して一実施の形態について説明する。
以下に説明する調光装置10は、光の透過率の調整が求められる様々な技術分野に応用可能であり、適用範囲は特に限定されない。調光装置10は、例えば、建築物の窓ガラスや、ショーケース、屋内の透明パーテーション、車両のウインドウ等の調光を図る部位(外光が入射する部位、例えば、フロントや、サイド、リア、ルーフ等のウインドウ)に配置され、建築物や車両等の内側への入射光の光量を制御することができる。
なお以下に説明する調光装置10は、一実施の形態を例示しているに過ぎない。したがって例えば、調光装置10の構成要素として以下に挙げられている要素の一部が、他の要素に置換されてもよいし、含まれていなくてもよい。また以下に挙げられていない要素が、調光装置10の構成要素として含まれていてもよい。また図面中には、図示と理解のしやすさの便宜上、縮尺及び寸法比等を、実物のそれらから適宜変更又は誇張されている部分がある。
(調光装置)
図1は、本実施の形態による調光装置(合わせガラス)10を示す図である。本実施の形態による調光装置10は、その表面形状が曲面形状を有する3次元形状により構成されており、図1では、一例として、調光装置10が一方の面側に凸となる形状を有している。なお、調光装置10は、これに限らず、例えば、表面形状が平面状(すなわち、平板状)としてもよいし、その表面形状が曲面形状を有する2次元形状(例えば、円筒の一部を構成する形状)等としてもよい。ここで、3次元形状とは、単純な円筒面ではなく、平面を伸縮なしに変形させるだけでは構成できない曲面であり、単一の軸を中心として2次元的に曲がった2次元形状(2次元曲面)、或いは、互いに平行な複数の軸を中心として異なる曲率で2次元的に曲がった2次元形状(2次元曲面)とは区別されるものである。すなわち、3次元形状とは、互いに対して傾斜した複数の軸の各々を中心として、部分的に又は全体的に曲がっている面による形状である。また本明細書中、平面視とは、調光装置10の主たる面に対して垂直な方向から見た状態をいう。
図1に示すように、本実施の形態による調光装置10は、第1ガラス板11と、第1中間膜13と、第1フィルム33と、第2フィルム34と、接着層37と、調光セル20と、第2中間膜14と、第2ガラス板12とを備えている。第1ガラス板11と、第1中間膜13と、第1フィルム33と、第2フィルム34と、接着層37と、調光セル20と、第2中間膜14と、第2ガラス板12とは、この順番で積層配置されている。また、第1フィルム33と第2フィルム34との間に空隙層Gが設けられている。
図2は、本実施の形態による調光装置10の層構成を示す断面図であり、図3は、本実施の形態による調光装置10の層構成を示す分解斜視図である。なお、本実施の形態の調光装置10は、3次元形状の表面形状を有しているが、図2及び図3では、理解を容易にするために、調光装置10の表面形状が平面状である場合の図を示している。
図2に示すように、調光装置10は、第1ガラス板11と、第2ガラス板12と、第1ガラス板11と第2ガラス板12との間に配置された調光セル20とを備えている。調光セル20は、第1基材24と第1透明電極25と第1配向層26とを含む第1積層体21と、第2基材27と第2透明電極28と第2配向層29とを含む第2積層体22と、第1積層体21と第2積層体22との間に配置された液晶層23とを備えている。
第1ガラス板(第1透明基板)11及び第2ガラス板(第2透明基板)12は、それぞれ、調光装置10の表裏面に配置され、高い透光性を有する板ガラスである。第1ガラス板11及び第2ガラス板12は、その表面形状が曲面形状を有する3次元形状であり、一方の面側に凸となる曲面形状を有する形状に予め形成されている(図1参照)。この場合、第1ガラス板11及び第2ガラス板12は、第2ガラス板12側に対して第1ガラス板11側が凸状になるように形成されているが、これに限らず、第1ガラス板11側に対して第2ガラス板12側が凸状になるように形成されていても良い。また、本実施の形態では、第1ガラス板11及び第2ガラス板12は、厚さが0.5mm以上4mm以下であり、一例として、いずれも厚さ2mmの板ガラスを用いている。第1ガラス板11及び第2ガラス板12は、無機ガラスでも良く、樹脂ガラスでも良い。樹脂ガラスとしては、例えば、ポリカーボネート、アクリル等を用いることができる。第1ガラス板11及び第2ガラス板12として無機ガラスを用いた場合、耐熱性、耐傷性に優れた調光装置10とすることができる。他方、第1ガラス板11及び第2ガラス板12として樹脂ガラスを用いた場合、調光装置10を軽量化することができる。さらに、第1ガラス板11及び第2ガラス板12には、必要に応じて、ハードコート等の表面処理がなされても良い。なお、第1ガラス板11及び第2ガラス板12に代えて、それぞれ透明な樹脂基材を用いても良い。
第1中間膜13は、第1ガラス板11と第1フィルム33とを接合させる部材である。同様に、第2中間膜14は、第2ガラス板12と調光セル20とを接合させる部材である。本実施の形態では、第1中間膜13及び第2中間膜14は、それぞれPVB(ポリビニルブチラール)樹脂製のシートを用いている。なお、第1中間膜13及び第2中間膜14の素材としては、上記PVBに限らす、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)、COP(シクロオレフィンポリマー)等を用いてもよい。また、第1中間膜13及び第2中間膜14の厚さに関しても、その材料等に応じて適宜選択してよい。具体的には、第1中間膜13及び第2中間膜14の厚さは、300μm以上2.5mm以下としても良く、一例として厚さ760μmのものが用いられる。また、第1中間膜13及び第2中間膜14の大きさは、第1ガラス板11及び第2ガラス板12と同一の大きさであっても良く、第1ガラス板11及び第2ガラス板12よりも大きくてもよい。
また、図2及び図3に示すように、第1中間膜13及び第2中間膜14は、額縁中間膜(第3中間膜)16及び額縁中間膜(第4中間膜)17により互いに接続されている。このうち額縁中間膜16は第1中間膜13側に位置し、額縁中間膜17は第2中間膜14側に位置する。額縁中間膜16と額縁中間膜17とは、後述する接着剤層37を介して接続されている。額縁中間膜16、17は、それぞれ平面視で額縁形状の中間膜であり、より具体的にはロ字形状(中央がくり抜かれた四角形形状)、またはロ字形状の一部を切断した形状を有する中間膜である。額縁中間膜16、17は、第1中間膜13及び第2中間膜14と同一の材料から構成されても良い。額縁中間膜16、17を設けることにより、調光セル20の側面又はその一部が調光装置10の側面に露出するのを防ぎ、また、調光装置10の側面からの水分等の侵入を抑止し、調光装置10の遮水性をより高めることができる。なお、本実施の形態において、額縁中間膜16と額縁中間膜17は、後述する接着剤層37を介して接続されているが、額物中間膜16と額物中間膜17とが直接接続されていても良い。
額縁中間膜16、17は、それぞれ(平面視で)第1中間膜13及び第2中間膜14が調光セル20よりも大きい場合に、断面視において、調光セル20の厚み部分に形成される中間膜である。この額縁中間膜16、17は、それぞれ平面視において調光セル20の周囲を取り囲むように形成され、第1中間膜13及び第2中間膜14の形状から調光セル20の形状をくり抜いた額縁状の中間膜である。この場合、第1中間膜13と第2中間膜14との間であって、第1フィルム33、第2フィルム34及び空隙層Gの周囲に相当する部分に、額縁中間膜16が形成されている。また第1中間膜13と第2中間膜14との間であって、調光セル20の周囲に相当する部分に、額縁中間膜17が形成されている。
額縁中間膜16、17の外周は、第1ガラス板11及び第2ガラス板12の外周と同一の大きさであっても良く、第1ガラス板11及び第2ガラス板12の外周よりも大きくても良い。また、額縁中間膜16、17の内周は、調光セル20の外周と同一の大きさであっても良く、調光セル20の外周よりも大きくても良い。また、額縁中間膜16、17の内周は、第1フィルム33及び第2フィルム34の外周と同一の大きさであっても良く、第1フィルム33及び第2フィルム34の外周よりも大きくても良い。なお、額縁中間膜16の幅Wa及び額縁中間膜17の幅Wb(図3参照)は、それぞれ0mm超かつガラス幅の1/4以下程度とすることが好ましい。また額縁中間膜16の幅Waは、額縁中間膜17の幅Wbと同一であっても良く(Wa=Wb)、額縁中間膜17の幅Wbよりも狭くても良い(Wa<Wb)。あるいは、調光セル20の側面又はその一部が調光装置10の側面から露出しなければ、額縁中間膜16又は額縁中間膜17、もしくはその両方がなくてもよい。
調光セル20(調光フィルム、液晶フィルム)は、印加電圧を変化させることにより透過光の光量を制御することができるフィルムである。調光セル20は、第1ガラス板11と第2ガラス板12との間に挟持されるように配置されている。この調光セル20は、二色性色素を使用したゲストホスト型の液晶層を有しており、液晶に印加する電界により透過光量を変化させる部材である。調光セル20は、フィルム状の第1積層体21と、フィルム状の第2積層体22と、第1積層体21と第2積層体22との間に配置された液晶層23とを備えている。
図2に示すように、第1積層体21は、第1基材24と、第1透明電極25と、第1配向層26とを積層して形成される。すなわち、第1中間膜13側から、第1基材24と、第1透明電極25と、第1配向層26とがこの順番で積層配置されている。また第2積層体22は、第2基材27と、第2透明電極28と、第2配向層29とを積層して形成される。すなわち、第2中間膜14側から、第2基材27と、第2透明電極28と、第2配向層29とがこの順番で積層配置されている。
さらに、第1積層体21と第2積層体22との間には、複数のビーズスペーサー31が配置されている。液晶層23は、第1積層体21及び第2積層体22の間において、複数のビーズスペーサー31の間に充填配置されている。複数のビーズスペーサー31は、それぞれ不規則的又は規則的に配置されていても良い。
調光セル20は、この第1積層体21及び第2積層体22に設けられた第1透明電極25及び第2透明電極28の駆動により、液晶層23に設けられたゲストホスト液晶組成物による液晶材料の配向を変化させ、これにより透過光の光量を変化させるものである。
第1基材24及び第2基材27は、透明な樹脂製であって、可撓性を有するフィルムを適用することができる。第1基材24及び第2基材27としては、光学異方性が小さく、また、可視域の波長(380nm以上800nm以下)における透過率が80%以上である透明樹脂フィルムを適用することが望ましい。透明樹脂フィルムの材料としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等のアセチルセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、ポリメチルペンテン、EVA等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリサルホン(PEF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリスルホン、ポリエーテル(PE)、ポリエーテルケトン(PEK)、(メタ)アクロニトリル、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー等の樹脂を挙げることができる。透明樹脂フィルムの材料としては、特に、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂が好ましい。また、第1基材24及び第2基材27として用いられる透明樹脂フィルムの厚みは、その材料にもよるが、その透明樹脂フィルムが可撓性を有する範囲内で適宜選択することができる。第1基材24及び第2基材27の厚みは、それぞれ50μm以上200μm以下としても良い。本実施の形態では、第1基材24及び第2基材27の一例として、厚み125μmのポリエチレンテレフタレートフィルムが適用される。
第1透明電極25及び第2透明電極28は、それぞれ第1基材24及び第2基材27(透明樹脂フィルム)に積層される透明導電膜から構成されている。透明導電膜としては、この種の透明樹脂フィルムに適用される各種の透明電極材料を適用することができ、酸化物系の全光透過率が50%以上の透明な金属薄膜を挙げることができる。例えば、酸化錫系、酸化インジウム系、酸化亜鉛系が挙げられる。
酸化錫(SnO)系としてはネサ(酸化錫SnO)、ATO(Antimony Tin Oxide:アンチモンドープ酸化錫)、フッ素ドープ酸化錫が挙げられる。酸化インジウム(In)系としては、酸化インジウム、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)、IZO(Indium Zinc Oxide)が挙げられる。酸化亜鉛(ZnO)系としては、酸化亜鉛、AZO(アルミドープ酸化亜鉛)、ガリウムドープ酸化亜鉛が挙げられる。本実施の形態では、第1透明電極25及び第2透明電極28を構成する透明導電膜は、ITOにより形成されている。
ビーズスペーサー31は、液晶層23における外周部を除く部分の厚み(セルギャップ)を規定する部材である。本実施の形態では、ビーズスペーサー31として、球形状のビーズスペーサーを用いている。ビーズスペーサー31の直径は、1μm以上20μm以下、好ましくは3μm以上15μm以下の範囲としても良い。ビーズスペーサー31は、シリカ等による無機材料による構成、有機材料による構成、これらを組み合わせたコアシェル構造の構成等を広く適用することができる。また、このビーズスペーサーは、球形状による構成の他、円柱形状、楕円柱形状、多角柱形状等のロッド形状により構成してもよい。またビーズスペーサー31は、透明部材により製造されるが、必要に応じて着色した材料を適用して色味を調整するようにしてもよい。
なお、本実施の形態では、ビーズスペーサー31は、第2積層体22に設けられるが、これに限定されるものでなく、第1積層体21及び第2積層体22の両方、又は、第1積層体21にのみ設けられるようにしてもよい。また、ビーズスペーサー31は必ずしも設けられていなくてもよい。または、ビーズスペーサー31に代えて、あるいはビーズスペーサー31とともに、柱状のスペーサーを用いても良い。
第1配向層26及び第2配向層29は、液晶層23に含まれる液晶分子群を所望方向に配向させるための部材である。第1配向層26及び第2配向層29は、光配向層により形成される。光配向層に適用可能な光配向材料は、光配向の手法を適用可能な各種の材料を広く適用することができ、例えば、光分解型、光二量化型、光異性化型等を挙げることができる。本実施の形態では、光二量化型の材料を使用する。光二量化型の材料としては、例えば、シンナメート、クマリン、ベンジリデンフタルイミジン、ベンジリデンアセトフェノン、ジフェニルアセチレン、スチルバゾール、ウラシル、キノリノン、マレインイミド、又は、シンナミリデン酢酸誘導体を有するポリマー等を挙げることができる。中でも、配向規制力が良好である点で、シンナメート、クマリンの一方又は両方を有するポリマーが好ましく用いられる。
なお、光配向層に代えて、ラビング配向層を用いてもよい。ラビング配向層に関しては、ラビング処理を行わないものとしてもよいし、ラビング処理を行い、微細なライン状凹凸形状を賦型処理して配向層を作製してもよい。なお、本実施の形態では、調光セル20は、第1配向層26及び第2配向層29を備えているが、これに限らず、第1配向層26及び第2配向層29を備えない形態としてもよい。
液晶層23には、ゲストホスト液晶組成物、二色性色素組成物を広く適用することができる。ゲストホスト液晶組成物にはカイラル剤を含有させるようにして、液晶材料を水平配向させた場合に液晶層23の厚み方向に螺旋形状に配向させるようにしてもよい。また、第1積層体21と第2積層体22との間において、液晶層23を取り囲むように、平面視で環状または枠状のシール材32が配置されている。このシール材32により、第1積層体21と第2積層体22とが一体に保持され、液晶材料の漏出が防止される。シール材32は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等を適用することができる。
調光セル20は、この遮光時におけるゲストホスト液晶組成物の配向が電界印加時となるように、第1配向層26及び第2配向層29を、一定の方向にプレチルトに係る配向規制力を設定した垂直配向層により構成し、これによりノーマリークリアとして構成される。なお、この透光時の設定を電界印加時としてノーマリーダークとして構成してもよい。ここで、ノーマリーダークとは、液晶に電圧がかかっていない時に透過率が最小となり、黒い画面になる構造である。ノーマリークリアとは、液晶に電圧がかかっていない時に透過率が最大となり、透明となる構造である。
なお、本実施の形態の調光セル20は、ゲストホスト型の液晶層23を備える例を示したが、これに限られるものではない。調光セル20は、二色性色素組成物を用いないTN(Twisted Nematic)方式、VA(Vertical Alignment)方式、IPS(In-Plane-Switching)方式等の液晶層23を備える構成としてもよい。このような液晶層23を備える場合、第1基材24及び第2基材27の表面にそれぞれ直線偏光層をさらに設けることで、調光フィルムとして機能させることができる。
本実施の形態において、調光セル20と第1ガラス板11との間に、第1フィルム33及び第2フィルム34が配置されている。より具体的には、調光セル20と第1中間膜13との間に第1フィルム33が配置され、第1フィルム33と調光セル20との間に第2フィルム34が配置されている。このうち第1フィルム33は、第1中間膜13に接合されている。
また、第2フィルム34は、接着層37によって調光セル20の第1基材24に接着されている。このように、第2フィルム34を調光セル20に接着することにより、後述するように、調光装置10を垂直な壁面等に縦置きした際、液晶層23の液晶の一部が重力によって落下することを抑えることができる。これにより、鉛直方向下方部分の液晶層23の液晶の量が鉛直方向上方部分よりも局所的に多くなり、調光装置10の外観にムラが発生する現象(重力ムラ)を抑制することができる。すなわち、第2フィルム34の剛性によって液晶層23の液晶を第2ガラス板12側に保持することができるので、液晶層23の液晶が重力によって落下することを抑え、液晶層23の液晶の量を面内で均一にすることができる。
第1フィルム33及び第2フィルム34(以下、フィルム33、34ともいう)は、透明な樹脂製であって、可撓性を有する樹脂フィルムであっても良い。フィルム33、34としては、光学異方性が小さく、また、可視域の波長(380nm以上800nm以下)における透過率が80%以上である透明樹脂フィルムを適用することが望ましい。透明樹脂フィルムの材料としては、上述した第1基材24及び第2基材27に用いられる透明樹脂フィルムと同一のものを用いることができる。あるいは、フィルム33、34としては、赤外線(IR)反射フィルム、紫外線(UV)カットフィルムなどの機能性フィルムを用いても良い。さらに、フィルム33、34は、調光セル、AR(Anti-Reflection)フィルム、AG(Anti-Glare)フィルム、反射型偏光性フィルム、液晶以外の調光方式を有する調光フィルム、又は、デフロスター機能を有するフィルムであっても良い。また、フィルム33、34の厚みは、その材料にもよるが、例えば50μm以上250μm以下としても良く、100μm以上125μm以下とすることが好ましい。また、フィルム33、34の平面形状は、第1中間膜13及び第2中間膜14の平面形状よりも小さくても良いし、同じでも良い。さらに、フィルム33、34の平面形状は、調光セル20全体の平面形状よりも大きくすることが好ましく、とりわけシール材32の内側に位置する液晶層23の平面形状よりも大きいことが好ましい。これにより、フィルム33、34が液晶層23の全体を覆うので、液晶層23の一部に局所的に液晶が多く存在する現象である液晶だまりや、重力によって液晶が鉛直方向下方に偏在してしまう現象の発生を面内全域で抑制することができる。あるいは、フィルム33、34の平面形状を、調光セル20のシール材32の内側(液晶層23)よりも小さくし、フィルム33、34が存在しない領域に液晶だまりを誘導してもよい。このようにして液晶だまりを誘導した部分(外周)は、調光装置10を車両のウィンドウ等に配置した場合に隠すことができる。また、第2フィルム34と調光セル20の間に、赤外線(IR)反射フィルム、紫外線(UV)カットフィルム、AR(Anti-Reflection)フィルム、AG(Anti-Glare)フィルム等の機能性フィルムを追加してもよい。この場合、機能性フィルムは、第2フィルム34や調光セル20に貼合わせてもよい。また、上記機能性フィルムは、第1中間膜13と第1フィルム33との間に追加してもよい。
なお、第2フィルム34は、第1フィルム33と同一の構成(材料、厚み等)を有していても良く、第1フィルム33と異なる構成を有していても良い。後者の場合、例えば、第2フィルム34は、第1フィルム33よりも剛性の高い材料のものを用いても良く、第1フィルム33よりも厚いものを用いても良い。この場合、第2フィルム34の剛性によって液晶層23を第2ガラス板12側により強固に保持することができるので、液晶層23の液晶が重力によって落下することをより効果的に抑えることができる。
接着層37は、第2フィルム34を調光セル20に対して接着可能なものであって、透明なもの、具体的には可視域の波長(380nm以上800nm以下)における透過率が80%以上のものを用いることが望ましい。接着層37は、それぞれ平面視で略四角形形状であり、調光セル20の全体を覆うことが好ましい。接着層37の平面形状は、調光セル20全体の平面形状よりも大きくすることが好ましく、とりわけ調光セル20よりも外周全域にわたって5mm以上大きくすることが好ましい。これにより、接着層37の多少の位置ずれを吸収し、第2フィルム34を調光セル20の全域に対して確実に接着することができる。また、接着層37は、額縁中間膜17の全体又は一部を覆うように配置しても良い。この接着層37の厚さは、2.5mm以下としても良い。接着層37は、中間膜から構成されても良い。この場合、接着層37は、第1中間膜13及び第2中間膜14と同一の材料から構成されても良い。あるいは、接着層37は、例えばOCR(Optical Clear Resin)、OCA(Optical Clear Adhesive)等の透明粘着樹脂を用いても良い。
本実施の形態において、第1フィルム33と第2フィルム34との間に、空隙層Gが設けられている。すなわち第1フィルム33と第2フィルム34とは互いに接合されることなく、厚み方向に一定の間隔を空けて配置されている。空隙層Gには、空気が充填されているが、これに限らず、窒素や不活性ガス等の気体が充填されていても良い。この空隙層Gの厚みは、例えば0μmより大きく10000μm以下であり、0.1μm以上100μm以下とすることが好ましい。空隙層Gの平面形状は、フィルム33、34の平面形状と略同一であっても良い。このように、第1フィルム33と第2フィルム34との間に空隙層Gが形成されることにより、後述するように、調光セル20のセルギャップ不良が減少し、液晶層23の一部に局所的に液晶が多く存在する現象である液晶だまりの発生を抑制することができる。また、第1フィルム33と第2フィルム34との間に空隙層Gが設けられることにより、調光装置10の断熱性が向上し、調光装置10を配置した車両や建物の保温性を高めることができる。また、調光装置10は、調光セル20を遮光状態にすると、第1フィルム33と空隙層Gの界面及び第2フィルム34と空隙層Gの界面での反射により、第1ガラス板11側から見ると、鏡面状に観察される。
図3に示すように、調光装置10は、調光コントローラ91に接続され、調光コントローラ91にはセンサ装置92及びユーザ操作部93が接続される。調光コントローラ91は、調光装置10の調光状態を制御し、調光装置10による光の遮断及び透過を切り換えたり、調光装置10における光の透過度を変えたりすることができる。具体的には、調光コントローラ91は、調光装置10の外部電極基板35に接続され、調光装置10の液晶層23に印加する電界を調整して液晶層23中の液晶分子の配向を変えることで、調光装置10による光の遮断及び透過を切り換えたり、光の透過度を変えたりすることができる。
調光コントローラ91は、任意の手法に基づいて液晶層23に印加する電界を調整できる。調光コントローラ91は、例えばセンサ装置92の測定結果やユーザ操作部93を介してユーザにより入力される指示(コマンド)に応じて、液晶層23に印加する電界を調整し、調光装置10による光の遮断及び透過を切り換えたり、光の透過度を変えたりすることができる。したがって調光コントローラ91は、液晶層23に印加する電界を、センサ装置92の測定結果に応じて自動的に調整してもよいし、ユーザ操作部93を介したユーザの指示に応じて手動的に調整してもよい。なおセンサ装置92による測定対象は特に限定されず、例えば使用環境の明るさを測定してもよく、この場合、調光装置10による光の遮断及び透過の切り換えや光の透過度の変更が使用環境の明るさに応じて行われる。また調光コントローラ91には、必ずしもセンサ装置92及びユーザ操作部93の両方が接続されている必要はなく、センサ装置92及びユーザ操作部93のうちのいずれか一方のみが接続されていてもよい。
外部電極基板35は、第1積層体21と第2積層体22とによって挟持されている。外部電極基板35が形成される領域において、第1積層体21及び第2積層体22は、面方向外側に向けて突出する電極用突出片36を有している。外部電極基板35は、電極用突出片36の内部に埋め込まれている。外部電極基板35及び電極用突出片36は、図3の矢印に示すように、額縁中間膜17と第2中間膜14との間に挟まれ、額縁中間膜17及び第2中間膜14から外方に突出する。しかしながら、これに限らず、外部電極基板35及び電極用突出片36は、額縁中間膜16と第1中間膜13との間に挟まれても良い。
(調光セルの製造方法)
次に、本実施の形態による調光装置10の調光セル20の製造方法について、図4(a)−(d)及び図5(a)−(c)を用いて説明する。図4(a)−(d)及び図5(a)−(c)は、本実施の形態による調光セル20の製造方法を示す断面図である。
まず、図4(a)に示すように、ロール状に供給された第2基材27を準備する。続いて、図4(b)に示すように、スパッタリング装置を使用したスパッタリング等によって、第2基材27上に例えばITOからなる第2透明電極28を形成する。このとき、透明電極を所定のパターン形状となるようにパターンニングしてもよい。
次に、図4(c)に示すように、第2透明電極28を形成した第2基材27上に第2配向層29に係る塗工液を塗工した後、露光し、第2配向層29を作製する。このようにして、第2基材27と、第2透明電極28と、第2配向層29とが積層された第2積層体22が準備される。
なお、図4(a)−(c)に示す工程と同様にして、第1基材24と、第1透明電極25と、第1配向層26とが積層された第1積層体21も準備する。
続いて、図4(d)に示すように、第2積層体22の第2配向層29上に、ビーズスペーサー31を配置する。このビーズスペーサー31の配置は、湿式/乾式散布に加え、種々の配置方法を広く適用することができる。例えば、ビーズスペーサー31を樹脂成分と共に溶剤に分散して製造した塗工液を部分的に塗工した後、乾燥、焼成の処理を順次実行することにより、第2配向層29上にランダムにビーズスペーサー31を配置して移動困難に保持しても良い。なお、図示していないが、このビーズスペーサー31の外周が第2配向層29で覆われるようにしても良い。具体的には、第2配向層29に係る塗工液にビーズスペーサー31を混合させて第2配向層29を形成することにより、ビーズスペーサー31が第2配向層29に薄く覆われて保持される形態にすることができる。
次に、図5(a)に示すように、第2積層体22の第2配向層29上にディスペンサやスクリーン印刷によりシール材32を塗布する。このシール材32は、液晶層23を作製する部位を取り囲むように枠形状に塗布される。
次いで、図5(b)(c)に示すように、第2積層体22と第1積層体21とを互いに積層し、液晶層23を配置する。この間、まず図5(b)に示すように、シール材32によって囲まれた領域に液晶層23を構成する液晶を滴下する。このとき、液晶層23は、シール材32の内側であって、ビーズスペーサー31の周囲に充填される。
続いて、図5(c)に示すように、液晶層23を配置した第2積層体22と、予め準備した第1積層体21とを互いに積層して押圧する。その後、紫外線を照射することによりシール材32を半硬化させた後、加熱し、これにより第1積層体21と第2積層体22とを一体化する。その後、このようにして作製された第1積層体21と第2積層体22との積層体をトリミングすることにより所望の大きさに切断する。
なお、上述したように、液晶層23を配置した後、第2積層体22と第1積層体21とを互いに積層することが好ましいが、これに限らず、第2積層体22と第1積層体21とを互いに積層した後、液晶層23を配置するようにしても良い。その後、第1積層体21と第2積層体22との間に外部電極基板35(図3参照)を取り付けることにより、本実施の形態による調光セル20が得られる。
(調光装置の製造方法)
次に、本実施の形態による調光装置10の製造方法(合わせガラス加工方法)について、図6(a)−(f)、図7(a)−(d)及び図8(a)−(c)を用いて説明する。図6(a)−(f)、図7(a)−(d)及び図8(a)−(c)は、調光装置10の製造方法を示す断面図である。
はじめに、図6(a)−(f)及び図7(a)−(d)に示すように、第1ガラス板11、第1中間膜13、第1フィルム33、第2フィルム34、接着層37、調光セル20、第2中間膜14、及び第2ガラス板12を積層した積層体30を作製する。
この場合、まず第2ガラス板12を準備し(図6(a))、第2ガラス板12上に第2中間膜14を積層する(図6(b))。
次に、第2中間膜14上に調光セル20を積層する(図6(c))。続いて、第2中間膜14上であって、調光セル20の周りに額縁中間膜17を配置する(図6(d))。
次いで、調光セル20上に接着層37を積層する(図6(e))。接着層37は、調光セル20よりも大きくても良く、額縁中間膜17の全体又は一部を覆っても良い。続いて、接着層37上に、第2フィルム34を積層する(図6(f))。なお、この時点では第2フィルム34は接着層37に接着されていない。
次に、第2フィルム34上に第1フィルム33を積層し(図7(a))、続いて、接着層37を介した額縁中間膜17上であって、第1フィルム33及び第2フィルム34の周りに額縁中間膜16を配置する(図7(b))。
次いで、額縁中間膜16及び第1フィルム33上に第1中間膜13を積層する(図7(c))。その後、第1中間膜13上に第1ガラス板11を積層することにより、積層体30を得る(図7(d))。
続いて、このようにして得られた積層体30を合わせガラス加工することにより、調光装置10を作製する方法について説明する。
まず、図8(a)に示すように、上述した積層体30を準備する。ここで、第1ガラス板11及び第2ガラス板12は、予め、表面形状が3次元形状である曲面形状が賦形されている。
次に、図8(b)に示すように、積層体30をバッグ(真空バッグ)51に封入する。バッグ51は、可撓性及び気密性を有するゴム製やシリコン製が好適である。また、このバッグ51には、通気管52が接続されている。このように、バッグ51に積層体30を封入した後、バッグ51ごと積層体30をオーブン等の加熱装置54内へ配置する。続いて、所定の温度及び時間で、バッグ51ごと積層体30を加熱する。この場合、第1中間膜13、第2中間膜14、額縁中間膜16及び額縁中間膜17の軟化温度以上の温度で所定の時間、積層体30を加熱する。このとき、通気管52を介して不図示のポンプによりバッグ51内の空気を吸引することが好ましい。これにより、積層体30の各部材間に残る空気を吸引し、調光装置10の内部に気泡等が残ることによる圧着不良を抑制できる。本実施の形態では、バッグ51内及び積層体30の内部が真空状態となるように吸引し、積層体30に対して差圧により大気圧程度(0.1MPa)の圧力がかかる例を挙げて説明する。しかしながら、これに限らず、例えば、不図示のポンプの吸引力を調整し、バッグ51内が完全に真空ではないが、積層体30の各部材間の空気が十分に吸引され、積層体30に対して、差圧により大気圧よりも小さい圧力がかかる状態としてもよい。このようにして、積層体30の各部材が仮圧着される。
続いて、図8(c)に示すように、加熱装置54からバッグ51及び積層体30を取り出し、さらにバッグ51から積層体30を取り出した後、積層体30を加熱・加圧装置53内へ配置する。続いて、所定の温度及び時間で、積層体30を加熱する。本実施の形態においては、第1中間膜13、第2中間膜14、額縁中間膜16及び額縁中間膜17の軟化温度以上の温度で所定の時間、積層体30を加熱する。加熱・加圧装置53として使用する装置は、積層体30に対して十分に加熱や加圧が行えるものであれば良く、例えば、オートクレーブ装置等が挙げられる。この加熱により、第1中間膜13、第2中間膜14、額縁中間膜16及び額縁中間膜17が溶融し、積層体30の第1ガラス板11、第1中間膜13、額縁中間膜16、17、第1フィルム33、第2フィルム34、調光セル20、第2中間膜14及び第2ガラス板12が圧着(本圧着)されて一体に接合され、調光装置10が得られる。なお、このとき、第1フィルム33と第2フィルム34とは互いに直接接合されることがないので、これらの間に空隙層Gが形成される。このような空隙層Gが設けられていることにより、調光装置10の製造後、調光セル20の液晶層23に加わる圧力が解放されるため、調光セル20内に液晶層23の液晶の偏在が存在していたとしても、この液晶層23の液晶の偏在が自然に解消される。
あるいは、図9(a)に示すように、オーブン等の加熱装置54内でバッグ51に封入した積層体30の各部材を仮圧着し、その後、図9(b)に示すように、バッグ51に積層体30を封入したままの状態で、オートクレーブ装置等の加熱・加圧装置53によってバッグ51ごと積層体30を加熱及び加圧しても良い。この間、通気管52を介して不図示のポンプによりバッグ51内の空気を吸引することが好ましい。
あるいは、図10に示すように、仮圧着工程を設けることなく、一つの工程で積層体30の各部材を一体に接合しても良い。具体的には、バッグ51に積層体30を封入した状態で、オートクレーブ装置等の加熱・加圧装置53によってバッグ51ごと積層体30を加熱及び加圧しても良い。この間、通気管52を介して不図示のポンプによりバッグ51内の空気を吸引することが好ましい。
ところで、このようにして調光装置10を製造する合わせガラス加工の際、積層体30の各部材には圧力が加わる。この際、スペーサー(ビーズスペーサー31)が位置する部分では、本来のセルギャップ(液晶層23の厚み)を維持しているが、ビーズスペーサー31から離れると、本来のセルギャップの値よりも小さくなる。そして、このようなセルギャップにムラが生じると、調光装置10に外観不良が生じたり、調光機能が不均一化になったりする等、その品質が低下するおそれがある。
これに対して本実施の形態によれば、調光セル20と第1中間膜13との間に、第1フィルム33及び第2フィルム34が配置され、第1フィルム33と第2フィルム34との間に、空隙層Gが設けられている。これにより、調光セル20の液晶層23に液晶だまり(局所的に液晶が多く存在する現象)が生じていた場合でも、調光装置10の作製後、各部材が完全に固まる前に液晶層23に加わる圧力が解放された際、液晶層23の液晶が空隙層Gを用いてセルギャップ(液晶層23の厚み)が均一になるように自然に移動する(図11(a)−(c)参照)。これにより、液晶層23の液晶だまりが解消され、調光セル20の液晶層23を面内で均一に分布させることができ、調光装置10の品質や外観を高めることができる。なお、調光装置10の作製した直後は、熱によって第2フィルム34及び接着層37が軟らかい状態となっているので、第2フィルム34及び接着層37によって上述した液晶層23の液晶の移動が阻害されるおそれは少ない。
また本実施の形態によれば、第2フィルム34は、調光セル20に接着されている。これにより、調光装置10の各部材が完全に固まった後、第2フィルム34の剛性によって調光セル20の液晶層23を第2ガラス板12側に保持することができる。このため、調光装置10を垂直な壁面等に縦置きした場合に、液晶層23の液晶の一部が重力によって鉛直方向下方に落下してしまうことを抑え、液晶層23の液晶の量を調光装置10の面内で均一にすることができる(図12参照)。この結果、調光装置10の外観にムラが発生する現象(重力ムラ)を抑制し、調光装置10の品質や外観を高めることができる。とりわけ、空隙層Gが存在することによって液晶層23の液晶が移動しやすくなっている場合でも、第2フィルム34の剛性によって調光セル20の厚みを一定に保つことができ、調光装置10を縦置きした際に液晶層23の液晶が重力によって移動することを抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、第1フィルム33と第2フィルム34との間に空隙層Gが設けられていることにより、調光装置10の断熱性を向上させ、調光装置10が設けられる車両や建造物の内部の保温性を高めることができる。
また、本実施の形態によれば、平面視で調光セル20の周囲を取り囲むように額縁中間膜16、17が形成され、額縁中間膜16、17は、第1中間膜13と第2中間膜14とを接続している。これにより、調光装置10の側面からの水分等の侵入を抑止し、調光装置10の遮水性をより高めることができる。
また、本実施の形態によれば、第2フィルム34は、中間膜又は透明粘着樹脂である接着層37により調光セル20に接着されている。これにより、合わせガラス加工により調光装置10を製造する際、接着層37によって第2フィルム34を調光セル20に接着することができる。また、調光装置10を製造した直後は接着層37が軟らかいため、液晶層23に加わる圧力が解放された際、調光セル20の液晶層23の液晶をセルギャップが均一になるように自然に移動させることができる。
(変形例)
次に、図13乃至図21を参照して、本実施の形態の各種変形例について説明する。図13乃至図21は、それぞれ本実施の形態の変形例による調光装置を示す図である。図13乃至図21において、図1乃至図12に示す形態と同一部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
(第1の変形例)
図13は、第1の変形例による調光装置10Aを示している。図13に示す調光装置10Aにおいて、第1フィルム33と第2フィルム34との間に、透明な流動性樹脂層Lが設けられている。この流動性樹脂層Lは、第1フィルム33と第2フィルム34との間の空間に封入されている。流動性樹脂層Lは、例えば、第1中間膜13及び第2中間膜14よりも低い温度で軟化する透明樹脂であり、未硬化の液体であってもゲル状であってもよい。また、流動性樹脂層Lの屈折率は、第1フィルム33及び第2フィルム34に合わせられていることが好ましい。このような流動性樹脂層Lとしては、例えばグリセリン等を用いることができる。また流動性樹脂層Lは、流動性液体層であってもよい。流動性樹脂層Lの厚さは、0μmより大きく10000μm以下としても良い。このように、第1フィルム33と第2フィルム34との間に流動性樹脂層Lを設けることにより、合わせガラス加工後に流動性樹脂層Lを流動させることができる。これにより、調光セル20の液晶層23の厚みを均一化し、液晶だまりの発生を抑えることができる。なお、後述する図15乃至図21に示す例においても、第1フィルム33と第2フィルム34との間に、空隙層Gに代えて流動性樹脂層Lを設けても良い。
(第2の変形例)
図14は、第2の変形例による調光装置10Bを示している。図14に示す調光装置10Bにおいて、第1フィルム33と第2フィルム34との間に、透明な硬化性樹脂層38が設けられている。この硬化性樹脂層38は、第1フィルム33と第2フィルム34との間の空間に充填された後、硬化されている。このような硬化性樹脂層38としては、例えば熱硬化性樹脂や紫外線硬化樹脂等を用いることができる。硬化性樹脂層38の厚さは、0μmより大きく10000μm以下としても良い。この硬化性樹脂層38は、合わせガラス加工後に第1フィルム33と第2フィルム34との間に充填され、その後、熱又は紫外線等によって硬化される。このように、第1フィルム33と第2フィルム34との間に硬化性樹脂層38を設けることにより、合わせガラス加工の直後には、未硬化の硬化性樹脂層38を流動させることができる。これにより、調光セル20の液晶層23の厚みを均一化し、液晶だまりの発生を抑えることができる。その後、硬化性樹脂層38を硬化させることにより、硬化性樹脂層38の剛性によって調光セル20の液晶層23を第2ガラス板12側に保持することができる。これにより、調光装置10Bを縦置きした際に、液晶層23の液晶の一部が重力によって鉛直方向下方に落下してしまうことを抑えることができる。なお、後述する図15乃至図21に示す例においても、第1フィルム33と第2フィルム34との間に、空隙層Gに代えて硬化性樹脂層38を設けても良い。
(第3の変形例)
図15は、第3の変形例による調光装置10Cを示している。図15に示す調光装置10Cにおいて、第1フィルム33と第2フィルム34との間の空隙層Gに、複数のスペーサー39が設けられている。スペーサー39としては、上述した調光セル20のビーズスペーサー31と同様の構成をもつ球形状のビーズスペーサーを用いても良い。複数のスペーサー39は、平面視で規則的に配置されても良く、不規則に配置されても良い。この場合、スペーサー39の直径は、0μmより大きく10000μm以下の範囲としても良く、視認性の観点からは、1μm以上100μm以下の範囲とすることが好ましい。あるいは、スペーサー39としては、柱状のスペーサーを用いても良い。このように、空隙層Gにスペーサー39を配置することにより、空隙層Gの厚みを確保することができる。これにより、第1フィルム33と第2フィルム34とが貼りつかないようにし、液晶層23に虹状のムラや液晶だまりが生じることを抑えることができる。また、スペーサー39に代えて、あるいはスペーサー39とともに、第1フィルム33又は第2フィルム34の表面を粗化することにより、第1フィルム33と第2フィルム34とが貼りつかないようにしてもよい。
(第4の変形例)
図16及び図17は、第4の変形例による調光装置10Dを示している。図16及び図17に示す調光装置10Dにおいて、第1フィルム33の一部と第2フィルム34の一部とにより、延長部61が形成されている。この延長部61は、調光装置10Dから面方向外側に向けて突出する。また延長部61は、平面視で略長方形形状を有し、第1ガラス板11及び第2ガラス板12の外方に延びている。この場合、第1フィルム33は、外方に突出する突出片33aを有し、第2フィルム34は、外方に突出する突出片34aを有する。延長部61は、第1フィルム33の突出片33aと第2フィルム34の突出片34aとにより構成される。延長部61を構成する第1フィルム33の突出片33aと第2フィルム34の突出片34aとは、互いに同一形状を有する。
本変形例において、第1フィルム33と第2フィルム34との間の空隙層Gと、外気とを連通する連通孔(通気孔)62が設けられている。この連通孔62は、延長部61の内部に形成されており、具体的には、延長部61における第1フィルム33と第2フィルム34との間の隙間に設けられる。この場合、合わせガラス加工時に第1フィルム33と第2フィルム34との間の空隙層Gから空気が抜けた場合でも、連通孔62から空気又は窒素等の気体を注入して空隙層Gを復元することができる。これにより、調光セル20の液晶層23に液晶だまりが生じることを抑えることができる。第1フィルム33と第2フィルム34との間に空隙層Gを復元した後、連通孔62を接着剤又は液状の中間膜等により密封してもよい。延長部61(延長部61)を設ける場所は限定されないが、しわ等の発生を抑えるため、調光セル20の角部近傍以外とすることが好ましい。
また、延長部61の幅W2(図17)は5mm以上40mm以下とすることが好ましく、10mm以上20mm以下とすることがさらに好ましい。上記範囲とすることにより、延長部61の幅W2を狭く抑え、連通孔62の歪みによる液晶溜まりを発生しにくくすることができる。また本変形例において、少なくとも連通孔62が形成される部分の額縁中間膜16、17の幅W3(図17)を他の部分よりも狭くすることが望ましい。具体的には、額縁中間膜16、17の幅W3を0mm以上10mm以下程度とすることが好ましい。これにより、連通孔62による空気の通り道を広く確保することができ、液晶溜まりを改善しやすくすることができる。なお、第1フィルム33と第2フィルム34との間に流動性樹脂層L(図13)又は硬化性樹脂層38(図14)を封入する場合、この連通孔62から流動性樹脂層L又は硬化性樹脂層38を注入しても良い。また、第1フィルム33と第2フィルム34との間の空隙層Gに複数のスペーサー39を設ける場合(図15)、延長部61にもスペーサー39を設けることが好ましい。なお、連通孔62は、第1フィルム33と第2フィルム34との間の空隙層Gと、外気とを互いに連通させることができるものであればよい。例えば、延長部61が、第1フィルム33及び第2フィルム34の一辺全体に渡って形成されていてもよい。
(第5の変形例)
図18は、第5の変形例による調光装置10Eを示している。図18に示す調光装置10Eにおいて、第1フィルム33と第2フィルム34との間に、連通管63が配置されている。この連通管63は、調光装置10Eから面方向外側に向けて突出する。すなわち、連通管63は、細長い管形状を有し、第1ガラス板11及び第2ガラス板12の外方に延びている。この場合、連通管63は、第1フィルム33と第2フィルム34との間に挟持されている。また、第1フィルム33と第2フィルム34との間の空隙層Gと、外気とを連通する連通孔(通気孔)62Aが設けられている。この連通孔62Aは、連通管63の径方向内側に形成される。この場合、合わせガラス加工時に第1フィルム33と第2フィルム34との間の空隙層Gから空気が抜けた場合でも、連通孔62Aから空気を注入して空隙層Gを復元することができる。これにより、調光セル20の液晶層23に液晶だまりが生じることを抑えることができる。また、第1フィルム33と第2フィルム34との間に流動性樹脂層L(図13)又は硬化性樹脂層38(図14)を封入する場合、この連通孔62Aから流動性樹脂層L又は硬化性樹脂層38を注入しても良い。
(第6の変形例)
図19は、第6の変形例による調光装置10Fを示している。図19に示す調光装置10Fにおいて、第1フィルム33の一部と第2フィルム34の一部とにより、複数(2つ)の延長部61A、61Bが形成されている。2つの延長部61A、61Bは、それぞれ調光装置10Fから面方向外側に向けて突出する。すなわち、各延長部61A、61Bは、平面視で略長方形形状を有し、第1ガラス板11及び第2ガラス板12の外方に延びている。2つの延長部61A、61Bは、調光装置10Fの同一の辺上に位置しているが、これに限らず、異なる辺上に位置していても良い。この場合、各延長部61A、61Bは、それぞれ第1フィルム33の突出片33aと第2フィルム34の突出片34aとによって形成されている。本変形例において、第1フィルム33と第2フィルム34との間の空隙層Gと、外気とを連通する連通孔(通気孔)62B、62Cが設けられている。この連通孔62B、62Cは、それぞれ延長部61A、61Bに形成されており、具体的には、延長部61A、61Bにおける第1フィルム33と第2フィルム34との間の隙間に設けられる。このように、複数(2つ)の延長部61A、61Bを設けることにより、一方の延長部61A(61B)から第1フィルム33と第2フィルム34との間に流動性樹脂層L(図13)又は硬化性樹脂層38(図14)を封入する場合、他方の延長部61B(61A)から真空引きすることができ、流動性樹脂層L又は硬化性樹脂層38をスムーズに封入することができる。このほか、各延長部61A、61Bの構成は、図16及び図17に示す延長部61の構成と略同一である。
(第7の変形例)
図20は、第7の変形例による調光装置10Gを示している。図20に示す調光装置10Gにおいて、第1フィルム33の周縁と第2フィルム34の周縁とが、シール材64により互いに接着されている。このシール材64は、空隙層Gの周縁に沿って設けられている。シール材64としては、上述した調光セル20のシール材32と同様の材料を用いることができ、シール材32と同様の材料以外にもエポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等を適用することができる。シール材64の幅W4は、0.1mm以上50mm以下としても良い。このシール材64は、第2フィルム34の周縁に沿って塗布され、第1フィルム33と第2フィルム34とを積層した後、例えば紫外線(UV)又は熱によって硬化することにより形成されても良い。なお、シール材64は、第1フィルム33及び第2フィルム34の周縁略全体に設けられていても良く、第1フィルム33及び第2フィルム34の周縁の一部のみに設けられても良い。このように、第1フィルム33及び第2フィルム34を一体化させることにより、第1フィルム33及び第2フィルム34の剛性が高まり、しわの発生や液晶だまりの発生を抑制することができる。また、第1フィルム33と第2フィルム34との間の空隙層Gと、額縁中間膜16とが直接触れることがなくなるため、空気等による額縁中間膜16の劣化が抑制される。さらに、第1フィルム33及び第2フィルム34が一体化しているため、これらを積層する工程を簡略化することができる。また、図20において、第1フィルム33と第2フィルム34との間隔をシール材64により調整することができるので、第1フィルム33で反射した光と第2フィルム34で反射した光が干渉し、虹ムラが生じることを防止することができる。この場合、シール材64にスペーサー(例えば上述したビーズスペーサー31と同様のもの)を混入し、第1フィルム33と第2フィルム34との間隔を調整してもよい。また、第1フィルム33と第2フィルム34との間に流動性樹脂層L(図13)又は硬化性樹脂層38(図14)を封入する場合、第1フィルム33と第2フィルム34との間から流動性樹脂層L又は硬化性樹脂層38が漏れることを抑制することができる。
図20において、第1フィルム33の一部と第2フィルム34の一部とにより、延長部61が形成されている。また、延長部61において、第1フィルム33と第2フィルム34とがシール材64により互いに接着されている。このシール材64は、延長部61の幅方向両端縁に形成されている。なお、延長部61の基端部にはシール材64が設けられておらず、連通孔62と空隙層Gとの連通が阻害されることはない。本変形例において、延長部61から第1フィルム33と第2フィルム34との間の空間に流動性樹脂層L又は硬化性樹脂層38を封入する場合、この空間を陰圧とした状態で、延長部61の先端を流動性樹脂層L又は硬化性樹脂層38の入った容器に浸漬することにより、流動性樹脂層L又は硬化性樹脂層38を空間にスムーズに封入することができる。なお、第1フィルム33及び第2フィルム34を構成する4辺のうち、延長部61の存在しない3辺に沿って、平面視コ字状にシール材64を形成しても良い。この場合、第1フィルム33及び第2フィルム34の延長部61の存在する辺全体を流動性樹脂層L又は硬化性樹脂層38の入った容器に浸漬し、第1フィルム33と第2フィルム34との間の空間に流動性樹脂層L又は硬化性樹脂層38を封入しても良い。
(第8の変形例)
図21は、第8の変形例による調光装置10Hを示している。図21に示す調光装置10Hにおいて、額縁中間膜16、17の一部が切り欠かれて連通孔(通気孔)62Dが形成されている。この連通孔62Dは、第1フィルム33と第2フィルム34との間の空隙層Gと、外気とを連通する。この連通孔62Dは、額縁中間膜16、17を幅方向に除去したような形状を有する。また連通孔62Dは、額縁中間膜16、17の両方に形成されていなくても良く、額縁中間膜16、17のいずれか一方のみに形成されていても良い。この場合、合わせガラス加工時に第1フィルム33と第2フィルム34との間の空隙層Gから空気が抜けた場合でも、連通孔62Dから空気を注入して空隙層Gを復元することができる。これにより、調光セル20の液晶層23に液晶だまりが生じることを抑えることができる。また、第1フィルム33と第2フィルム34との間に流動性樹脂層L(図13)又は硬化性樹脂層38(図14)を封入する場合、この連通孔62Dから流動性樹脂層L又は硬化性樹脂層38を注入しても良い。また、連通孔62Dは、流動性樹脂層L又は硬化性樹脂層38を注入した後、額縁中間膜16、17の素材又はシール材を用いて塞ぐことが好ましい。
上記各実施の形態及び変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記各実施の形態及び変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
10、10A〜10H 調光装置
11 第1ガラス板
12 第2ガラス板
13 第1中間膜
14 第2中間膜
16 額縁中間膜(第3中間膜)
17 額縁中間膜(第4中間膜)
20 調光セル
21 第1積層体
22 第2積層体
23 液晶層
24 第1基材
25 第1透明電極
26 第1配向層
27 第2基材
28 第2透明電極
29 第2配向層
30 積層体
31 ビーズスペーサー
32 シール材
33 第1フィルム
34 第2フィルム
35 外部電極基板
36 電極用突出片
37 接着層

Claims (7)

  1. 第1透明基板と、
    第2透明基板と、
    前記第1透明基板と前記第2透明基板との間に配置された調光セルと、
    前記調光セルと前記第2透明基板との間に配置された第1フィルム及び第2フィルムと、を備え、
    前記第2フィルムは、前記調光セルに接着され、
    前記第1フィルムと前記第2フィルムとの間に、空隙層、流動性樹脂層又は硬化性樹脂層が設けられている、調光装置。
  2. 前記第2フィルムは、中間膜又は透明粘着樹脂により前記調光セルに接着されている、請求項1に記載の調光装置。
  3. 前記第1フィルムと前記第2フィルムとの間と、外気とを連通する連通孔が設けられている、請求項1又は2に記載の調光装置。
  4. 前記第1フィルムの一部と前記第2フィルムの一部とによって延長部が形成され、前記延長部は、平面視で前記第1透明基板及び前記第2透明基板の外方に延び、前記連通孔は、前記延長部に形成されている、請求項3に記載の調光装置。
  5. 前記連通孔は密封されている、請求項3又は4に記載の調光装置。
  6. 前記第1透明基板と前記第2透明基板との間に、平面視において前記調光セルの周囲を取り囲むように形成された額縁形状の中間膜が配置され、前記連通孔は、前記額縁形状の中間膜の一部を切り欠いて形成されている、請求項3に記載の調光装置。
  7. 第1透明基板と、第2透明基板と、前記第1透明基板と前記第2透明基板との間に配置された調光セルと、前記調光セルと前記第2透明基板との間に配置された第1フィルム及び第2フィルムとを有する積層体を作製する工程と、
    前記積層体の前記第1透明基板と、前記調光セルと、前記第1フィルムと、前記第2フィルムと、前記第2透明基板とを一体に接合する工程と、備え、
    前記接合する工程の後、前記第2フィルムは、前記調光セルに接着され、
    前記接合する工程の後、前記第1フィルムと前記第2フィルムとの間に、空隙層、流動性樹脂層又は硬化性樹脂層が設けられる、調光装置の製造方法。
JP2020017345A 2020-02-04 2020-02-04 調光装置及びその製造方法 Active JP7409125B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020017345A JP7409125B2 (ja) 2020-02-04 2020-02-04 調光装置及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020017345A JP7409125B2 (ja) 2020-02-04 2020-02-04 調光装置及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021124583A true JP2021124583A (ja) 2021-08-30
JP7409125B2 JP7409125B2 (ja) 2024-01-09

Family

ID=77458780

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020017345A Active JP7409125B2 (ja) 2020-02-04 2020-02-04 調光装置及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7409125B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024060252A1 (zh) * 2022-09-23 2024-03-28 京东方科技集团股份有限公司 调光结构及其制备方法、调光装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009005133A1 (ja) * 2007-07-03 2009-01-08 Asahi Glass Company, Limited 調光窓材
US20190227357A1 (en) * 2016-08-19 2019-07-25 Pilkington Group Limited Switchable glazing unit
JP2019158938A (ja) * 2018-03-08 2019-09-19 大日本印刷株式会社 熱反射機能を有する調光フィルム
WO2019198748A1 (ja) * 2018-04-11 2019-10-17 大日本印刷株式会社 合わせガラス、合わせガラスの製造方法、調光装置、調光セル及び調光装置用積層体

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015182308A (ja) 2014-03-24 2015-10-22 大日本印刷株式会社 光学フィルム、画像表示装置、及び光学フィルムの製造方法
JP6213653B2 (ja) 2015-11-13 2017-10-18 大日本印刷株式会社 調光フィルム及び合わせガラス
JP6716913B2 (ja) 2015-12-25 2020-07-01 大日本印刷株式会社 光学機能層付カラーフィルタ基材
JP7054468B2 (ja) 2017-09-26 2022-04-14 大日本印刷株式会社 調光セル、および調光パネル
JP7073795B2 (ja) 2018-03-09 2022-05-24 大日本印刷株式会社 合わせガラス製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009005133A1 (ja) * 2007-07-03 2009-01-08 Asahi Glass Company, Limited 調光窓材
US20190227357A1 (en) * 2016-08-19 2019-07-25 Pilkington Group Limited Switchable glazing unit
JP2019158938A (ja) * 2018-03-08 2019-09-19 大日本印刷株式会社 熱反射機能を有する調光フィルム
WO2019198748A1 (ja) * 2018-04-11 2019-10-17 大日本印刷株式会社 合わせガラス、合わせガラスの製造方法、調光装置、調光セル及び調光装置用積層体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024060252A1 (zh) * 2022-09-23 2024-03-28 京东方科技集团股份有限公司 调光结构及其制备方法、调光装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP7409125B2 (ja) 2024-01-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6673537B2 (ja) 合わせガラス、合わせガラスの製造方法、調光装置、調光セル及び調光装置用積層体
JP7420298B2 (ja) 調光セルおよびその製造方法、ならびに調光装置およびその製造方法
JP2024015005A (ja) 調光装置、調光装置用積層体及び調光セル
JP7286928B2 (ja) 調光装置およびその製造方法
EP3845957A1 (en) Light control device and method for producing light control device
JP7073795B2 (ja) 合わせガラス製造方法
JP7294003B2 (ja) 調光装置
JP7056419B2 (ja) 合わせガラスの製造方法
JP2023181296A (ja) 調光装置及びその製造方法
JP7409125B2 (ja) 調光装置及びその製造方法
JP7404910B2 (ja) 調光セルおよび調光装置
JP7432139B2 (ja) 調光装置
JP7415270B2 (ja) 調光装置の製造方法
JP2022109495A (ja) 調光装置及びその製造方法
JP7440266B2 (ja) 合わせガラス、液晶フィルム
WO2023090133A1 (ja) 合わせガラス及び液晶装置
WO2022138762A1 (ja) 調光装置及びその製造方法、並びに液晶装置
JP7196437B2 (ja) 調光セルおよびその製造方法、ならびに調光装置およびその製造方法
JP2020024267A (ja) 調光セルおよびその製造方法、ならびに調光装置およびその製造方法
JP7340163B2 (ja) 合わせガラスの製造方法及び合わせガラス
JP2023087230A (ja) 液晶装置
JP2023028885A (ja) 液晶装置の製造方法
CN116745152A (zh) 调光装置及其制造方法、以及液晶装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20221227

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230706

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230707

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230904

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230912

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231110

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20231121

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20231204

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7409125

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150