JP2023087230A - 液晶装置 - Google Patents

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孝夫 池澤
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Abstract

【課題】高温の環境下に曝した場合であっても、液晶ムラの発生を抑えることができる液晶装置を提供する。【解決手段】液晶装置1は、第1ガラス板41と、第2ガラス板42と、これらの間に配置された液晶セル10と、第1ガラス板41と液晶セル10との間に配置された第1接合層31と、第2ガラス板42と液晶セル10との間に配置された第2接合層32とを備える。第1ガラス板41は、第1接合層31側に凸となる湾曲形状を有し、液晶装置1の平面視での液晶セル10の中心を通り湾曲形状を有する方向に平行な断面において、液晶セル10の中心での第1接合層31の厚みT1が、液晶セル10の外周端での第1接合層31の厚みT2よりも小さい。【選択図】図5

Description

本開示の実施形態は、液晶装置に関するものである。
従来、窓等の透光部材と組み合わせて用いられ、外来光の透過を制御する電子ブラインド等に利用可能な、液晶を用いた調光部材や、このような調光部材を用いた調光装置等の液晶装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2019/198748号
このような液晶装置では、一対のガラス板と、このガラス板間に配置される液晶セルと、各ガラス板と液晶セルとの間に設けられる接合層を備える構成が用いられている。
しかし、完成後の液晶装置を高温の環境下に曝した場合、液晶セルの基材や液晶等が膨張する一方で、従来用いられているPVBからなる接合層は軟化する。この結果、液晶セルの形態を維持している接合層の位置規制力が弱まり、液晶セルの液晶が局所的に偏在する現象である液晶溜まりが生じ、液晶ムラとなる場合がある。
液晶ムラは、目視により視認されやすく、液晶装置の外観性を損なうことに加え、液晶セルの性能を低下させるため、好ましくない。
本開示の実施形態の課題は、高温の環境下に曝した場合であっても、液晶ムラの発生を抑えることができる液晶装置を提供することである。
本開示の実施形態は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本開示の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の開示の実施形態は、第1透明基板(41)と、第2透明基板(42)と、前記第1透明基板と前記第2透明基板との間に配置された液晶セル(10)と、前記第1透明基板と前記液晶セルとの間に配置された第1接合層(31)と、前記第2透明基板と前記液晶セルとの間に配置された第2接合層(32)と、を備える液晶装置であって、前記第1透明基板又は前記第2透明基板の少なくとも一方は、該液晶装置の表面に平行な少なくとも一方向に沿って、前記液晶セル側に凸となる湾曲形状を有し、該液晶装置の平面視での前記液晶セルの中心(P1)を通り前記一方向に平行な断面において、前記液晶セルの中心での前記第1接合層の厚み(T1)が、前記液晶セルの外周端(P2)での前記第1接合層の厚み(T2)よりも小さい液晶装置(1)である。
第2の開示の実施形態は、第1の開示の実施形態の液晶装置において、前記第1接合層(31)は、OCRからなり、前記液晶セル(10)の中心(P1)の前記第1接合層の厚み(T1)と前記液晶セルの外周端(P2)での前記第1接合層の厚み(T2)との差Tと前記液晶セルの中心と前記液晶セルの外周端との距離Wとの比T/Wは、T/W>1.0×10-3を満たす液晶装置(1)である。
第3の開示の実施形態は、第1又は第2の開示の実施形態の液晶装置において、前記第2接合層(32)が、OCAからなる液晶装置(1)である。
第4の開示の実施形態は、第1から第3の開示の実施形態のいずれかの液晶装置において、前記第1透明基板(41)が、前記湾曲形状を有している液晶装置(1)である。
本開示の実施形態によれば、高温の環境下に曝した場合であっても、液晶ムラの発生を抑えることができる液晶装置を提供することである。
本開示の実施形態の液晶装置1の構成を示す分解斜視図である。 本開示の実施形態による液晶装置1の層構成を示す断面図である。 本開示の実施形態の第1ガラス板41の湾曲形状を説明する図である。 本開示の実施形態による液晶装置1の製造方法を示す断面図である。 本開示の実施形態の第1接合層31の厚さについて説明する図である。 高温環境下に曝した比較例の液晶装置1Xを平面視で示す図である。 液晶装置1の他の実施形態を示す図である。
以下、図面等を参照して、本開示の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
本明細書において、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
また、本明細書において、シート面とは、各シートにおいて、そのシート全体として見たときにおける、シートの平面方向となる面を示すものであるとする。なお、板面、フィルム面に関しても同様であるとする。また、本明細書において、平面視とは、液晶装置の主たる面に対して垂直な方向から見た状態である。
また、本明細書において透明とは、少なくとも利用する波長の光を透過するものをいう。例えば、仮に可視光を透過しないものであっても、赤外線を透過するものであれば、赤外線用途に用いる場合においては、透明として取り扱うものとする。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において規定する具体的な数値には、一般的な誤差範囲は含むものとして扱うべきものである。すなわち、±10%程度の差異は、実質的には違いがないものであって、本開示の実施形態の数値範囲をわずかに超えた範囲に数値が設定されているものは、実質的には、本開示の実施形態の範囲内のものと解釈すべきである。
(実施形態)
図1は、本開示の実施形態の液晶装置1の構成を示す分解斜視図である。
図2は、本開示の実施形態による液晶装置1の層構成を示す断面図である。
本開示の実施形態の液晶装置1は、光の透過率の調整が求められる様々な技術分野に応用可能であり、適用範囲は特に限定されない。液晶装置1は、例えば、建築物の窓ガラスや、ショーケース、屋内の透明パーテーション、車両のウインドウ(例えば、フロントや、サイド、リア、ルーフ等のウインドウ)、車両内部のパーテーションボード等の調光を図る部位に配置される。これにより、建築物や車両等の内側への入射光の光量を制御したり、建築物や車両等の内部における所定区域への入射光の光量を制御したりすることができる。
本開示の実施形態による液晶装置1は、その全体形状が、平板状である例を挙げて説明する。
また、本開示の実施形態では、一例として、平面視での液晶装置1は、正方形形状である例を挙げて説明する。
本開示の実施形態による液晶装置(合わせガラス)1は、第1ガラス板41と、第1接合層31と、液晶セル10と、第2接合層32と、第2ガラス板42とを備えている。第1ガラス板41と、第1接合層31と、液晶セル10と、第2接合層32と、第2ガラス板42とは、液晶装置1の厚み方向に沿って、この順番で積層配置されている。
液晶セル10は、第1基材21Aと第1透明電極22Aと第1配向層23Aとを含む第1積層体12と、第2基材21Bと第2透明電極22Bと第2配向層23Bとを含む第2積層体13と、第1積層体12と第2積層体13との間に配置された液晶層14とを備えている。
第1ガラス板(第1透明基板)41及び第2ガラス板(第2透明基板)42は、それぞれ、液晶装置1の表裏面に配置され、高い透光性を有する板ガラスである。
本開示の実施形態では、第1ガラス板41及び第2ガラス板42は、厚さが0.5mm以上4mm以下であり、一例として、いずれも厚さ2mmの板ガラスを用いている。第1ガラス板41及び第2ガラス板42として無機ガラスを用いた場合、耐熱性、耐傷性に優れた液晶装置1とすることができる。第1ガラス板41及び第2ガラス板42には、必要に応じて、ハードコート等の表面処理がなされてもよい。
なお、第1透明基板及び第2透明基板として、無機ガラスからなる第1ガラス板41及び第2ガラス板42の代わりに、透明樹脂板(いわゆる、樹脂ガラス)を用いてもよい。このような透明樹脂板としては、例えば、ポリカーボネート、アクリル等を用いることができる。第1透明基板及び第2透明基板として透明樹脂板を用いた場合、液晶装置1を軽量化することができる。
本開示の実施形態では、第2ガラス板42は、平板状であるが、第1ガラス板41は、液晶セル10側に凸となるように3次元的に湾曲している。この第1ガラス板41の湾曲形状は、液晶装置1の形状に影響を及ぼすものではなく、液晶装置1は、その全体を見た場合、平板状である。図1、図2及び後述する図4においては、理解を容易にするために、第1ガラス板41は、湾曲形状を省略し、平板状として示している。
図3は、本開示の実施形態の第1ガラス板41の湾曲形状を説明する図である。
本開示の実施形態において、第1ガラス板41の湾曲形状は、図3に示すように、その全体を見た場合、第1ガラス板41の板面が3次元曲面をなすように湾曲している。
ここで、例えば、「2次元曲面」とは、単一の軸を中心として2次元的に湾曲しているもの、或いは、互いに平行な複数の軸を中心として異なる曲率で2次元的に湾曲しているものを意味するものとし、「3次元曲面」とは、互いに対して角度をなす複数の軸をそれぞれ中心として、部分的に又は全体的に湾曲しているもの意味するものとする。
本開示の実施形態において、第1ガラス板41の面41aは、その幾何学的中心となる点Cが最も突出する形態となるような3次元曲面をなしている。この点Cは、液晶セル10及び液晶装置1の平面視での幾何学的中心に一致している。
第1ガラス板41は、液晶装置1において、この面41aが液晶セル10側となるように配置されている。
第1接合層31は、第1ガラス板41と液晶セル10との間に配置されており、第1ガラス板41と液晶セル10とを互いに接合させる部材である。
第1接合層31は、液晶セル10よりも平面視の大きさが大きい。また、第1接合層31は、第1ガラス板41及び第2ガラス板42と同一の大きさであってもよく、液晶セル10よりも大きく第1ガラス板41及び第2ガラス板42よりも小さくてもよい。
図2に示すように、第1接合層31は、液晶装置1の断面視において、液晶セル10を被覆する領域に加え、液晶セル10の周囲に相当する部分にも形成されており、この部分において第2接合層32に接続されている。
第1接合層31をこのような形態とすることにより、液晶セル10の側面又はその一部が液晶装置1の側面(端面)に露出することを防ぎ、また、液晶装置1の側面からの水分等の侵入を抑止し、液晶装置1の遮水性をより高めることができる。
本開示の実施形態では、第1接合層31は、OCR(Optical Clear Resin)から構成されている。OCRは、重合性化合物を含む液状の硬化性接着層用組成物を硬化した硬化物である。具体的には、OCRは、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂又はウレタン系樹脂等のベース樹脂と添加剤とを混合した液状の樹脂を対象物に塗布した後、例えば紫外線(UV)等を用いて硬化したものである。第1接合層31は、光学透明性を有しており、さらに少なくとも120℃程度までの耐熱性、耐湿熱性、耐候性を有することが好ましい。
第1接合層31の厚さは、その材料等に応じて適宜選択してよい。具体的には、平面視において液晶セル10と重複する領域における第1接合層31の厚さは、30μm以上1000μm以下としてもよい。
なお、本実施形態の第1接合層31は、前述の第1ガラス板41の湾曲形状に追従してその厚みが変化している。第1接合層31は、上記の好ましい厚み範囲を満たしながら、平面視での液晶セル10の中心となる位置で最も厚みが薄く、液晶セル10の外周側に向かうにつれてその厚みが大きくなっている。
第2接合層32は、第2ガラス板42と液晶セル10との間に配置されており、第2ガラス板42と液晶セル10とを互いに接合させる部材である。
第2接合層32は、液晶セル10よりも平面視の大きさが大きい。また、第2接合層32は、第1ガラス板41及び第2ガラス板42と同一の大きさであってもよく、液晶セル10よりも大きく第1ガラス板41及び第2ガラス板42よりも小さくてもよい。
本開示の実施形態では、第2接合層32は、OCA(Optical Clear Adhesive)から構成した。OCAは、例えば、以下のようにして作製された層である。
まず、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の離型フィルム上に、重合性化合物を含む液状の硬化性接着層用組成物を塗布し、これを紫外線(UV)等により硬化し、OCAシートを得る。上記硬化性接着層用組成物は、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂又はウレタン系樹脂等の光学用粘着剤であってもよい。このOCAシートを対象物に貼合した後、離型フィルムを剥離除去することにより、上記OCAからなる層が得られる。
OCAからなる第2接合層32は、光学透明性を有しており、さらに少なくとも120℃程度までの耐熱性、耐湿熱性、耐候性を有することが好ましい。
第2接合層32の厚さは、その材料等に応じて適宜選択してよい。具体的には、第2接合層32の厚さは、30μm以上500μm以下としてもよく、50μm以上200μm以下とすることが好ましい。
本開示の実施形態において、第1接合層31は、第1ガラス板41と液晶セル10とを直接接合させている。また、第2接合層32は、第2ガラス板42と液晶セル10とを直接接合させている。これに限らず、第1ガラス板41と液晶セル10との間、第2ガラス板42と液晶セル10との間の少なくとも1ヶ所に、紫外線(UV)カットフィルム等のフィルムを介在させてもよい。
第1接合層31及び第2接合層32は、非圧着性の接着成分を含有する接合体である。ここで、「非圧着性の接着成分を含有する接合体」とは、隣接物体に対して適切に接着するために加圧が不要な接合体であり、常圧下で隣接物体と適度に接着することが可能なものをいう。
液晶セル10(調光フィルム、液晶フィルム)は、印加電圧を変化させることにより透過光の光量を制御することができるフィルムである。液晶セル10は、第1ガラス板41と第2ガラス板42との間に挟持されるように配置されている。
本開示の実施形態では、一例として、平面視での液晶セル10は、正方形形状である例を挙げて説明する。
液晶セル10は、二色性色素を使用したゲストホスト型の液晶層を有しており、液晶に印加する電界により透過光量を変化させる部材である。液晶セル10は、フィルム状の第1積層体12と、フィルム状の第2積層体13と、第1積層体12と第2積層体13との間に配置された液晶層14とを備えている。
図2に示すように、第1積層体12は、第1基材21Aと、第1透明電極22Aと、第1配向層23Aとを備え、第1接合層31側から、第1基材21A、第1透明電極22A、第1配向層23Aの順番で積層配置されている。
また、第2積層体13は、第2基材21Bと、第2透明電極22Bと、第2配向層23Bとを備え、第2接合層32側から、第2基材21B、第2透明電極22B、第2配向層23Bの順番で積層配置されている。
さらに、第1積層体12と第2積層体13との間には、複数のビーズスペーサー24が配置されている。液晶層14は、第1積層体12及び第2積層体13の間において、複数のビーズスペーサー24の間に液晶材料が充填されることにより形成されている。
複数のビーズスペーサー24は、それぞれ不規則的に配置されていてもよいし、規則的に配置されていてもよい。
液晶セル10は、この第1積層体12及び第2積層体13に設けられた第1透明電極22A及び第2透明電極22Bの駆動により、液晶層14のゲストホスト液晶組成物による液晶材料の配向を変化させ、これにより透過光の光量を変化させるものである。
第1基材21A及び第2基材21Bは、透明な樹脂製であって、可撓性を有するフィルムを適用することができる。第1基材21A及び第2基材21Bとしては、光学異方性が小さく、また、可視域の波長(380nm以上800nm以下)における透過率が80%以上である透明樹脂フィルムを適用することが望ましい。
このような透明樹脂フィルムの材料としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等のアセチルセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、ポリメチルペンテン、EVA等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、(メタ)アクロニトリル、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー等の樹脂を挙げることができる。透明樹脂フィルムの材料としては、特に、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂が好ましい。
また、第1基材21A及び第2基材21Bとして用いられる透明樹脂フィルムの厚みは、その材料にもよるが、その透明樹脂フィルムが可撓性を有する範囲内で適宜選択することができる。第1基材21A及び第2基材21Bの厚みは、それぞれ50μm以上200μm以下としてもよい。
本開示の実施形態では、第1基材21A及び第2基材21Bの一例として、厚み125μmのポリエチレンテレフタレートフィルムが適用される。
第1透明電極22A及び第2透明電極22Bは、それぞれ第1基材21A及び第2基材21B(透明樹脂フィルム)に積層される透明導電膜から構成されている。透明導電膜としては、この種の透明樹脂フィルムに適用される各種の透明電極材料を適用することができ、酸化物系の全光透過率が50%以上の透明な金属薄膜を挙げることができる。例えば、酸化錫系、酸化インジウム系、酸化亜鉛系が挙げられる。
酸化錫(SnO)系としてはネサ(酸化錫SnO)、ATO(Antimony Tin Oxide:アンチモンドープ酸化錫)、FTO(フッ素ドープ酸化錫)が挙げられる。酸化インジウム(In)系としては、酸化インジウム、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)、IZO(Indium Zinc Oxide)が挙げられる。酸化亜鉛(ZnO)系としては、酸化亜鉛、AZO(アルミドープ酸化亜鉛)、GZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)が挙げられる。本開示の実施形態では、第1透明電極22A及び第2透明電極22Bを構成する透明導電膜は、ITOにより形成されている。
ビーズスペーサー24は、液晶層14の厚み(セルギャップ)を規定する部材である。
本開示の実施形態では、ビーズスペーサー24として、球形状のビーズスペーサーを用いている。ビーズスペーサー24の直径は、1μm以上20μm以下、好ましくは3μm以上15μm以下の範囲としてもよい。
ビーズスペーサー24は、シリカ等による無機材料による構成、有機材料による構成、これらを組み合わせたコアシェル構造の構成等を広く適用することができる。
ビーズスペーサー24は、球形状による構成の他、円柱形状、楕円柱形状、多角柱形状等のロッド形状により構成してもよい。また、ビーズスペーサー24は、透明部材により製造されるが、必要に応じて着色した材料を適用して色味を調整するようにしてもよい。
なお、本開示の実施形態では、ビーズスペーサー24は、第2積層体13に設けられるが、これに限定されるものでなく、第1積層体12及び第2積層体13の両方、又は、第1積層体12にのみ設けられるようにしてもよい。また、ビーズスペーサー24は必ずしも設けられていなくてもよい。また、ビーズスペーサー24に代えて、又は、ビーズスペーサー24とともに、柱状のスペーサーを用いてもよい。
第1配向層23A及び第2配向層23Bは、液晶層14に含まれる液晶分子群を所望の方向に配向させるための部材である。
第1配向層23A及び第2配向層23Bは、光配向層により形成される。光配向層に適用可能な光配向材料は、光配向の手法を適用可能な各種の材料を広く適用することができ、例えば、光分解型、光二量化型、光異性化型等を挙げることができる。
本開示の実施形態では、光二量化型の材料を使用する。光二量化型の材料としては、例えば、シンナメート、クマリン、ベンジリデンフタルイミジン、ベンジリデンアセトフェノン、ジフェニルアセチレン、スチルバゾール、ウラシル、キノリノン、マレインイミド、又は、シンナミリデン酢酸誘導体を有するポリマー等を挙げることができる。なかでも、配向規制力が良好である点で、シンナメート、クマリンの一方又は両方を有するポリマーが好ましく用いられる。
なお、光配向層に代えて、ラビング配向層を用いてもよい。ラビング配向層に関しては、ラビング処理を行わないものとしてもよいし、ラビング処理を行い、微細なライン状凹凸形状を賦型処理して配向層を作製してもよい。
また、本開示の実施形態では、液晶セル10は、第1配向層23A及び第2配向層23Bを備えているが、これに限らず、第1配向層23A及び第2配向層23Bを備えない形態としてもよい。
液晶層14には、ゲストホスト液晶組成物、二色性色素組成物を広く適用することができる。ゲストホスト液晶組成物にはカイラル剤を含有させるようにして、液晶材料を水平配向させた場合に液晶層14の厚み方向に螺旋形状に配向させるようにしてもよい。
また、第1積層体12と第2積層体13との間において、液晶層14を取り囲むように、平面視で環状又は枠状のシール材25が配置されている。このシール材25により、第1積層体12と第2積層体13とが一体に保持され、液晶材料の漏出が防止される。シール材25は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等を適用することができる。
液晶層14には、重合性官能基を有していない液晶化合物として、ネマチック液晶化合物、スメクチック液晶化合物及びコレステリック液晶化合物を適用することができる。
ネマチック液晶化合物としては、例えば、ビフェニル系化合物、ターフェニル系化合物、フェニルシクロヘキシル系化合物、ビフェニルシクロヘキシル系化合物、フェニルビシクロヘキシル系化合物、トリフルオロ系化合物、安息香酸フェニル系化合物、シクロヘキシル安息香酸フェニル系化合物、フェニル安息香酸フェニル系化合物、ビシクロヘキシルカルボン酸フェニル系化合物、アゾメチン系化合物、アゾ系化合物、及びアゾオキシ系化合物、スチルベン系化合物、トラン系化合物、エステル系化合物、ビシクロヘキシル系化合物、フェニルピリミジン系化合物、ビフェニルピリミジン系化合物、ピリミジン系化合物、及びビフェニルエチン系化合物等を挙げることができる。
スメクチック液晶化合物としては、例えば、ポリアクリレート系、ポリメタクリレート系、ポリクロロアクリレート系、ポリオキシラン系、ポリシロキサン系、ポリエステル系等の強誘電性高分子液晶化合物を挙げることができる。
コレステリック液晶化合物としては、例えば、コレステリルリノレート、コレステリルオレエート、セルロース、セルロース誘導体、ポリペプチド等を挙げることができる。
ゲストホスト方式に用いられる二色性色素としては、液晶に対して溶解性があり、二色性の高い色素、例えば、アゾ系、アントラキノン系、キノフタロン系、ペリレン系、インジゴ系、チオインジゴ系、メロシアニン系、スチリル系、アゾメチン系、テトラジン系等の二色性色素が挙げられる。
液晶セル10は、無電界時において、遮光状態でのゲストホスト液晶組成物の配向となるように、第1配向層23A及び第2配向層23Bを一定の方向にプレチルトに係る配向規制力を設定した水平配向層に構成し、これによりノーマリーダークとして構成される。なお、液晶セル10は、電界印加時において、遮光状態となるノーマリークリアとして構成してもよい。
ここで、ノーマリーダークとは、液晶に電圧がかかっていない時に透過率が最小となり、遮光状態となる構造である。ノーマリークリアとは、液晶に電圧がかかっていない時に透過率が最大となり、透光状態となる構造である。
また、透光状態において液晶セル10を通して見える景色等が明瞭に見えることが望ましいので、透光状態のヘイズ値は低いことが望ましい。具体的には、液晶セル10の透光状態のヘイズ値は、30%以下であることが望ましく、15%以下であることがより望ましい。このような低いヘイズ値を実現するためには、液晶混合物中に重合性化合物が入っていないことが望ましい。
本開示の実施形態の液晶セル10は、ゲストホスト型の液晶層14を備える例を示したが、これに限られるものではない。液晶セル10は、二色性色素組成物を用いないTN(Twisted Nematic)方式、VA(Vertical Alignment)方式、IPS(In-Plane-Switching)方式等の液晶層14を備える構成としてもよい。このような液晶層14を備える場合、第1基材21A及び第2基材21Bの表面にそれぞれ直線偏光層をさらに設けることで、調光フィルムとして機能させることができる。
図1に示すように、液晶装置1には、第1透明電極22A及び第2透明電極22Bと外部との電気的接続を行うために、フレキシブルプリント配線基板18が配置されている。
フレキシブルプリント配線基板18は、例えば、第1透明電極22A及び第2透明電極22Bが液晶層14を挟んでいない領域において、第1透明電極22A及び第2透明電極22Bに挟まれて配置されることにより接続することができる。なお、フレキシブルプリント配線基板18は、例えば、第1透明電極22A及び第2透明電極22Bに挟まれていない形態としてもよい。
(調光装置の製造方法)
次に、本開示の実施形態の液晶装置1の製造方法について説明する。
図4は、本開示の実施形態による液晶装置1の製造方法を示す断面図である。
先ず、図4(a)に示すように、第2ガラス板42を準備する。
次に、図4(b)に示すように、第2ガラス板42上に、OCAからなる第2接合層32を貼合する。この場合、例えば、第2接合層32と離型フィルム35とを有するOCAシートを第2ガラス板42に貼合し、その後、離型フィルム35を剥離除去することにより、第2ガラス板42上に第2接合層32が貼合される。第2接合層32は、第2ガラス板42の片面の全域に貼合されてもよいし、一部領域に貼合されてもよい。
次に、図4(c)に示すように、第2接合層32上に別途作製された液晶セル10を貼合し、第2接合層32によって液晶セル10を第2ガラス板42に貼合する。なお、液晶セル10の製造方法については、公知の各種手法を用いることができる。
OCAからなる第2接合層32は、上述したように非圧着性の接着成分を含有する接合体である。このため、液晶セル10及び第2ガラス板42は加圧されることなく(すなわち環境圧下(通常は大気圧下)で)接着される。また、第2接合層32は、常温(例えば10℃以上30℃以下)で液晶セル10及び第2ガラス板42に接着される。
次に、図4(d)に示すように、液晶セル10及び液晶セル10の周囲に露出している第2接合層32上に、未硬化の液状の第1接合材料310を塗布する。第1接合材料310は、硬化後に第1接合層31となるものであり、OCRを含むOCR材料である。このOCR材料は、重合性化合物を含む液状の硬化性接着層用組成物であり、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂又はウレタン系樹脂等のベース樹脂と添加剤とを混合した液状の硬化性接着層用組成物からなっていてもよい。
第1接合材料310は、例えば、ディスペンサー又はスリットコーター等の塗布ノズル50によって、液晶セル10及び液晶セル10の周囲に露出している第2接合層32の片面の全域又は一部領域に塗布される。
次に、図4(e)に示すように、第1ガラス板41を準備し、第1接合材料310上に第1ガラス板41を積層し、第1接合材料310により、第1ガラス板41を液晶セル10及び液晶セル10の周囲に露出している第2接合層32に貼合する。このとき、第1ガラス板41は、その湾曲形状の凸側となる面41a(図3参照)が液晶セル10側となるように、第1接合材料310上に積層する。また、平面視において、第1ガラス板41は、その幾何学的な中心となる点Cが、液晶セル10の中心となる点と一致するように積層する。第1接合層31は、第1ガラス板41の湾曲形状に追従してその厚みが変化し、液晶セル10の中心となる位置での厚みが、液晶セル10の外周端となる位置での厚みよりも薄くなる。
第1接合材料310は、OCRであり、非圧着性の接着成分を含有する接合体である。このため、第1ガラス板41は、第1接合材料310により、加圧されることなく(すなわち環境圧下(通常は大気圧下)で)液晶セル10に接着される。また、第1ガラス板41は、常温(例えば10℃以上30℃以下)で液晶セル10に接着される。
また、第1接合材料310は、液晶セル10の周囲において、第2接合層32と接しており、第1接合材料310及び第2接合層32を介して第1ガラス板41と第2ガラス板42とが接着される。
その後、図4(f)に示すように、互いに積層された第2ガラス板42、第2接合層32、液晶セル10、第1接合材料310及び第1ガラス板41に対して紫外線(UV)を照射することにより、第1接合材料310を硬化する。第1接合材料310が硬化することにより、OCRからなる第1接合層31が形成される。
このようにして、第1ガラス板41と、第1接合層31と、液晶セル10と、第2接合層32と、第2ガラス板42とが互いに積層された液晶装置1が得られる。
(第1接合層31の厚みついて)
ここで、第1ガラス板41の湾曲形状により、液晶セル10を被覆する領域において、第1接合層31の層厚差を設けた理由等について説明する。
図5は、本開示の実施形態の第1接合層31の厚さについて説明する図である。図5では、平面視での液晶セル10の幾何学的な中心を通り、液晶装置1(第1ガラス板41、第2ガラス板42)の一辺に平行な断面での液晶装置1の断面を示している。
本開示の実施形態の液晶装置1において、第1ガラス板41は、その表面が3次元曲面となる湾曲形状を有しており、平面視において、幾何学的な中心となる点Cが最も凸となるように第1接合層31側に湾曲している。この点Cは、液晶セル10の幾何学的中心に一致する。そのため、第1接合層31の厚みは、第1ガラス板41の湾曲形状に追従しており、平面視で液晶セル10の幾何学的中心に相当する位置P1で最も小さく、外周側へ向かうにつれて大きくなっている。
図5に示す断面において、液晶セル10の中心に相当する位置P1での第1接合層31の厚さをT1とし、液晶セル10の外周端に相当する位置P2での第1接合層31の厚さをT2とする。この厚さT1,T2は、T1<T2である。この第1接合層31の厚みの差をT(ただし、T=T2-T1)とする。また、図5に示すような液晶セル10の中心を通り液晶セル10の一辺に平行な断面において、位置P1から位置P2までの距離をWとする。
このとき、第1接合層31の厚さの差Tと距離Wとの比T/Wは、液晶装置1が高温環境下に曝された場合に生じる液晶溜まりによる液晶ムラを低減する観点から、以下の(式1)を満たしていることが好ましい。
T/W>1.0×10-3 ・・・(式1)
なお、本開示の実施形態では、第1ガラス板41が3次元状の湾曲形状を有しており、液晶装置1及び第1ガラス板41、第2ガラス板42は、その平面視での形状が正方形である例を示している。これに限らず、第1ガラス板41が3次元状の湾曲形状を有しており、液晶装置1及び第1ガラス板41、第2ガラス板42の平面視での形状が長方形である場合には、長方形の短辺又は長辺に平行であって液晶セル10の幾何学的な中心を通る断面において、液晶セル10の中心に相当する位置P1での第1接合層31の厚さと液晶セル10の外周端に相当する位置P2との第1接合層31の厚さの差をTとし、位置P1から位置P2までの距離をWとすることが好ましい。
図6は、高温環境下に曝した比較例の液晶装置1Xを平面視で示す図である。
比較例の液晶装置1Xは、第1ガラス板41が湾曲形状を有しておらず、平板状であり、第1接合層31が層厚差を有していない点以外は、本開示の実施形態の液晶装置1と同様の形態である。
液晶装置1Xが高温環境下に曝されると、液晶層14内の液晶材料等が膨張する。この液晶材料の膨張により、液晶セル10に接している第1接合層31及び第2接合層32が液晶装置1Xの外側へ押される。このとき、第1接合層31及び第2接合層32が液晶セル10を押し返す力が弱いと、液晶材料が自由に膨張して、局所的に液晶層14の厚み(セルギャップ)が広がり、広がった部分に液晶材料が偏在化して不規則な形状の液晶溜まりD1が生じ、液晶ムラが発生する。
高温環境下において、第1接合層31及び第2接合層32が熱膨張により液晶セル10を押し返す力が十分ならば、液晶層14の厚み(セルギャップ)を保持することができる。これにより、液晶装置1の有効エリア内の液晶溜まりD1を抑制でき、液晶装置1の有効エリア内に島状に出現する液晶ムラの発生を抑制することができる。
本開示の実施形態では、第1接合層31は、OCRを用いて形成しており、第1ガラス板41は、液晶セル10側に凸となるような湾曲形状を有する形態となっており、液晶セル10の外周端での第1接合層31の層厚T2が、液晶セル10の中心での第1接合層31の層厚T1よりも厚くなっており、前述の(式1)が満たされている。
したがって、本開示の実施形態の液晶装置1では、液晶セル10の外周端やその周囲で第1接合層31が第1ガラス板41を外側へ押し、第1ガラス板41の湾曲形状により、液晶セル10の中心部分が第1ガラス板41により押される。これにより、液晶セル10有効エリア内の液晶溜まりが液晶セル10の外周側へ分散され、液晶ムラが抑制される。
(比T/Wについて)
前述の比T/Wの値が異なる測定例1~5の液晶装置を用意し、その液晶装置を高温環境下に配置した場合の液晶ムラの発生について評価した。測定例1~5の液晶装置は、第1ガラス板41の湾曲形状が異なり、これにより、比T/W1の値が異なっているが、それ以外の構成は同様である。
各測定例の液晶層14の厚み(セルギャップ)は12μmであり、液晶セル10の厚みは260μmであり、液晶装置1の平面視の大きさは300mm×300mmであり、液晶セル10の平面視の大きさは280mm×280mmである。
また、各測定例の液晶装置は、高温環境下(85℃)環境下に立て置きで60分放置後の液晶ムラを目視にて確認した。
Figure 2023087230000002
上記表1に示すように、第1ガラス板41の湾曲形状により生じる第1接合層31の厚さに関する比T/Wが、T/W>1.0×10-3を満たす測定例4,5については、液晶溜まりが低減され、液晶ムラは観察されなかった。
これに対して、第1ガラス板41が湾曲形状を有しておらず平板状である測定例2や、第1ガラス板41が湾曲形状を有していても比T/WがT/W>1.0×10-3を満たしていない測定例1では、液晶ムラが生じていた。また、測定例3は、比T/WがT/W>1.0×10-3であり、測定例1,2と比べて、液晶ムラは発生していたが、かなり低減されていた。
したがって、第1ガラス板41が液晶セル10側に凸となる湾曲形状を有し、第1接合層31の厚みの比T/Wが、T/W>1.0×10-3を満たすことが、高温環境下での液晶溜まりを抑制し、液晶ムラを低減する観点から好ましい。
以上示したように、本開示の実施形態によれば、第1ガラス板41が液晶セル10側に凸となる湾曲形状を有し、かつ、OCRからなる第1接合層31の層厚が、比T/W>1.0×10-3を満たしているので、高温環境下において生じる液晶溜まりの発生を抑制し、液晶ムラを抑制することができる。これにより、液晶装置1の品質や外観性を向上させることができる。
従来のPVBからなる接合層は、高温環境下において軟化しやすく、これにより液晶黙溜まりが生じて液晶ムラが顕著に観察されるという問題があった。しかし、本開示の実施形態によれば、第1接合層31は、耐熱性の高いOCRからなり、第2接合層32は、耐熱性の高いOCAからなる。これにより、例えば液晶装置1を真夏の車両内等の高温環境下においた場合でも、耐熱性の高いOCA及びOCRは軟化せず、液晶溜まりの発生を抑制でき、液晶ムラを抑制することができる。
(他の実施形態)
上述の実施形態において、第1ガラス板41のみが湾曲形状を有し、第2ガラス板42が平板状である例を挙げて説明したが、これに限らず、第2ガラス板42も湾曲形状を有する形態としてもよい。
図7は、液晶装置1の他の実施形態を示す図である。図7では、液晶装置1の平面視での中央を通り辺に平行な断面を示している。
図7(a)に示すように、液晶装置1は、第1ガラス板41と第2ガラス板42とが、液晶装置1の厚み方向において同じ方向に凸となる湾曲形状を有している形態としてもよい。図7(a)では、液晶装置1の厚み方向において、第1ガラス板41が液晶セル10側に凸であり、第2ガラス板42は、液晶セル10とは反対側(液晶装置1の外側)に凸となっている。このような形態の場合、第1ガラス板41の湾曲の大きさと第2ガラス板42の湾曲の大きさとに差があり、液晶装置1の平面視での液晶セル10の中心での第1接合層31の厚みは、湾曲方向に沿った液晶セル10の外周端での第1接合層31の厚みよりも小さい形態となっている。
また、図7(b)に示すように、液晶装置1は、厚み方向において第1ガラス板41とは反対の方向(液晶装置の内側)に凸となる湾曲形状を第2ガラス板42が有する形態としてもよい。図7(b)では、液晶装置1の厚み方向において、第1ガラス板41が液晶セル10側に凸であり、第2ガラス板42も液晶セル10側に凸となっている。
また、液晶装置1は、その全体的な形状が、一方の面側に凸となる湾曲形状を有していてもよい。この湾曲形状は、3次元曲面としてもよいし、2次元曲面としてもよい。
また、液晶装置1が一方の面側に凸となる湾曲形状を有している場合、第1ガラス板41が、液晶装置1の厚み方向において、面41aが液晶セル10側とは反対側(すなわち、液晶装置1の外側)に凸となるように配置され、第2ガラス板42が、液晶セル10側(すなわち、液晶装置1の内側)に凸となるように配置される形態としてもよい。
上述したこれらの形態とする場合にも、第1接合層31は、液晶セル10の中心での厚みと外周端での厚みの差(変化量)Tと、液晶セル10の中心からその外周端までの距離Wとの比T/Wが、T/W>1.0×10-3を満たしていることが、高温環境下での液晶溜まりに起因する液晶ムラを低減する観点から好ましい。
また、液晶装置1及び第2ガラス板42が平板状であって、第1ガラス板41が、対向する1組の辺に沿って、液晶セル10側に凸となるように2次元的に湾曲している形態としてもよい。
このとき、液晶セル10の中心を通り湾曲形状を有する辺に平行な断面において、液晶セル10の中心と外周端での厚さの差Tと、液晶セル10の中心に相当する点P1とその外周端に相当する位置P2とのとの距離Wとの比T/Wが、T/W>1.0×10-3を満たすことが好ましい。
このような形態でも、液晶ムラを抑制する効果が十分に得られる。なお、第1ガラス板41が3次元的に湾曲している形態の方が、2次元的に湾曲してる形態よりも、より液晶ムラ抑制の効果が高い。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本開示の実施形態の範囲内である。
(1)第1接合層31の層厚が、比T/W>1.0×10-3を満たしているならば、液晶装置1は、第1ガラス板41は、OCAからなる第2接合層により液晶セル10と接合され、平板状の第2ガラス板42が、OCRからなる第1接合層31により接合される形態としてもよい。
(2)液晶セル10及び液晶装置1は、光の透過率の調整を行うものに限らず、情報表示を行う液晶セル10及び液晶装置1としてもよい。
なお、本開示の実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本開示の実施形態は、以上説明した実施形態等によって限定されることはない。
1 液晶装置
10 液晶セル
31 第1接合層
32 第2接合層
12 第1積層体
13 第2積層体
14 液晶層
18 フレキシブルプリント配線基板
21A 第1基材
21B 第2基材
22A 第1透明電極
22B 第2透明電極
23A 第1配向層
23B 第2配向層
24 ビーズスペーサー
25 シール材
31 第1接合層
310 第1接合材料
32 第2接合層
35 離型フィルム
41 第1ガラス板
42 第2ガラス板
50 塗布ノズル

Claims (4)

  1. 第1透明基板と、
    第2透明基板と、
    前記第1透明基板と前記第2透明基板との間に配置された液晶セルと、
    前記第1透明基板と前記液晶セルとの間に配置された第1接合層と、
    前記第2透明基板と前記液晶セルとの間に配置された第2接合層と、
    を備える液晶装置であって、
    前記第1透明基板又は前記第2透明基板の少なくとも一方は、該液晶装置の表面に平行な少なくとも一方向に沿って、前記液晶セル側に凸となる湾曲形状を有し、
    該液晶装置の平面視での前記液晶セルの中心を通り前記一方向に平行な断面において、前記液晶セルの中心での前記第1接合層の厚みが、前記液晶セルの外周端での前記第1接合層の厚みよりも小さい
    液晶装置。
  2. 請求項1に記載の液晶装置において、
    前記第1接合層は、OCRからなり、
    前記液晶セルの中心での前記第1接合層の厚みと前記液晶セルの外周端での前記第1接合層の厚みとの差Tと前記液晶セルの中心と前記液晶セルの外周端との距離Wとの比T/Wは、
    T/W>1.0×10-3
    を満たす液晶装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の液晶装置において、
    前記第2接合層が、OCAからなる
    液晶装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の液晶装置において、
    前記第1透明基板が、前記湾曲形状を有している
    液晶装置。
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