JP2023101925A - 液晶セル、液晶装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液晶装置を高温の環境下に曝した場合であっても、液晶材料の滲出を抑制できる液晶セル、液晶装置を提供することができる。【解決手段】液晶セル10は、第1積層体12と、第2積層体13と、第1積層体12及び第2積層体13により挟持された液晶層14と、第1積層体12と第2積層体13と間に設けられ、液晶層14の液晶材料を封止するシール材25とを備え、第1積層体12及び第2積層体13は、透明フィルムからなる第1基材21A,第2基材21Bと、これら基材に形成された第1透明電極22A,第2透明電極22Bとを有し、これらの電極の駆動により、透過光を制御する。平面視における液晶セル10の面積が480000mm2以上であり、シール材25は、100℃環境下において、第1積層体12及び第2積層体13に対して、90度剥離接着強さが0.3N/10mm以上であり、かつ、せん断強度が0.5N/mm2以上である。【選択図】図2

Description

本開示の実施形態は、液晶セル、液晶装置に関するものである。
従来、窓等の透光部材と組み合わせて用いられ、外来光の透過を制御する電子ブラインド等に利用可能な、液晶を用いた調光部材や、このような調光部材を用いた調光装置等の液晶装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2019/198748号
このような液晶装置では、一対のガラス板と、このガラス板間に配置される液晶セルと、各ガラス板と液晶セルとの間に設けられる接合層を備える構成が用いられている。
しかし、完成後の液晶装置を高温の環境下に曝した場合、液晶セル内に封止された液晶材料が液晶セル外に漏れたり、シール材の接着面上に滲み出したりする現象(以下、液晶材料の滲出、という)が生じる場合がある。液晶装置を高温環境下に曝した場合、接合層が高温により膨張する。これにより、液晶セルが押圧されて液晶材料が流動し、シール材が押圧される。このとき、シール材の接着強度が不十分であると、シール材の剥離や破損により、上述のような液晶材料の滲出が生じてしまう。液晶材料の滲出は、液晶セルの性能を低下させるとともに、液晶装置の外観も損なうため、好ましくない。
本開示の実施形態の課題は、液晶装置を高温の環境下に曝した場合であっても、液晶材料の滲出を抑制できる液晶セル、液晶装置を提供することである。
本開示の実施形態は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本開示の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の開示の実施形態は、第1積層体(12)と、第2積層体(13)と、前記第1の積層体及び前記第2積層体により挟持された液晶層(14)と、前記第1の積層体と前記第2積層体と間に設けられ、前記液晶層の液晶材料を封止するシール材(25)と、を備え、前記第1の積層体及び前記第2積層体は、透明フィルムからなる基材(21A,21B)と、前記基材に形成された電極(22A,22B)とを有し、前記電極の駆動により、透過光を制御する液晶セルであって、平面視における面積が480000mm以上であり、前記シール材は、100℃環境下において、前記第1積層体及び前記第2積層体に対して、90度剥離接着強さが0.3N/10mm以上であり、かつ、せん断強度が0.5N/mm以上である、液晶セル(10)である。
第2の開示の実施形態は、第1の開示の実施形態の液晶セルにおいて、平面視の形状が矩形形状であり、短辺が480mm以上である、液晶セル(10)である。
第3の開示の実施形態は、第1又は第2の開示の実施形態の液晶セル(10)と、前記液晶セルの一方の面側に位置する第1透明基板(41)と、前記液晶セルの他方の面側に位置する第2透明基板(42)と、前記第1透明基板と前記液晶セルとの間に配置された第1接合層(31)と、前記第2透明基板と前記液晶セルとの間に配置された第2接合層(32)と、を備え、前記第1接合層及び前記第2接合層は、圧着性の接着成分を含有する接合体を含まない、液晶装置(1)である。
第4の開示の実施形態は、第3の開示の実施形態の液晶装置において、前記第1接合層(31)がOCRであり、前記第2接合層(32)がOCR又はOCAである、液晶装置(1)である。
本開示の実施形態によれば、液晶装置を高温の環境下に曝した場合であっても、液晶材料の滲出を抑制できる液晶セル、液晶装置を提供することができる。
本開示の実施形態の液晶装置1の構成を示す分解斜視図である。 本開示の実施形態による液晶装置1(合わせガラス)の層構成を示す断面図である。 シール材25の90度剥離接着強さの試験片60の作製方法を説明する図である。 シール材25の90度剥離接着強さの測定方法を説明する図である。 シール材25のせん断強度の試験片70の作製方法を説明する図である。 シール材25のせん断強度の測定方法を説明する図である。
以下、図面等を参照して、本開示の実施形態について説明する。なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示すが、これらは、適宜変更することができる。また、本明細書及び特許請求の範囲において規定する具体的な数値には、一般的な誤差範囲は含むものとして扱うべきものである。すなわち、±10%程度の差異は、実質的には違いがないものであって、本件の数値範囲をわずかに超えた範囲に数値が設定されているものは、実質的には、本件発明の範囲内のものと解釈すべきである。
本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
また、本明細書において、透明とは、少なくとも利用する波長の光を透過するものをいう。例えば、仮に可視光を透過しないものであっても、赤外線を透過するものであれば、赤外線用途に用いる場合においては、透明として取り扱うものとする。
本明細書において、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
本明細書において、シート面とは、各シートにおいて、そのシート全体として見たときにおける、シートの平面方向となる面を示すものであるとする。なお、板面、フィルム面に関しても同様であるとする。
また、本明細書及び特許請求の範囲において、特に限定がある場合を除いて、平面視とは、液晶装置の主たる面に対して垂直な方向から見た状態である。
(実施形態)
図1は、本開示の実施形態の液晶装置1の構成を示す分解斜視図である。
液晶装置1は、光の透過率の調整が求められる様々な技術分野に応用可能であり、適用範囲は特に限定されない。液晶装置1は、例えば、建築物の窓ガラスや、ショーケース、屋内の透明パーテーション、車両のウインドウ(例えば、フロントや、サイド、リア、ルーフ等のウインドウ)、車両内部のパーテーションボード等の調光を図る部位に配置される。これにより、建築物や車両等の内側への入射光の光量を制御したり、又は建築物や車両等の内部における所定区域への入射光の光量を制御したりすることができる。
本開示の実施形態による液晶装置1は、表面形状が平面状(すなわち、平板状)である例を挙げて説明する。しかし、これに限らず、液晶装置1は、表面形状が曲面形状を有する3次元形状により構成されていてもよく、例えば、液晶装置1が一方の面側に凸となる形状を有していてもよい。
図1に示すように、本開示の実施形態による液晶装置(合わせガラス)1は、第1ガラス板41と、第1接合層31と、液晶セル10と、第2接合層32と、第2ガラス板42とを備えている。液晶装置1の厚み方向において、第1ガラス板41と、第1接合層31と、液晶セル10と、第2接合層32と、第2ガラス板42とは、この順番で積層配置されている。
図2は、本開示の実施形態による液晶装置1(合わせガラス)の層構成を示す断面図である。
図2に示すように、液晶装置1は、第1ガラス板41と、第2ガラス板42と、第1ガラス板41と第2ガラス板42との間に配置された液晶セル10とを備えている。
液晶セル10は、第1基材21Aと第1透明電極22Aと第1配向層23Aとを含む第1積層体12と、第2基材21Bと第2透明電極22Bと第2配向層23Bとを含む第2積層体13と、第1積層体12と第2積層体13との間に配置された液晶層14とを備えている。
第1ガラス板(第1透明基板)41及び第2ガラス板(第2透明基板)42は、それぞれ、液晶装置1の表裏面に配置され、高い透光性を有する板ガラスである。
本開示の実施形態では、第1ガラス板41及び第2ガラス板42は、厚さが0.5mm以上4mm以下であり、一例として、いずれも厚さ2mmの板ガラスを用いている。第1ガラス板41及び第2ガラス板42として無機ガラスを用いた場合、耐熱性、耐傷性に優れた液晶装置1とすることができる。第1ガラス板41及び第2ガラス板42には、必要に応じて、ハードコート等の表面処理がなされてもよい。
なお、第1ガラス板(第1透明基板)41及び第2ガラス板(第2透明基板)42には、無機ガラスの代わりに透明樹脂板(いわゆる、樹脂ガラス)を用いてもよい。第1透明基板及び第2透明基板として用いる透明樹脂板としては、例えば、ポリカーボネート、アクリル等を用いることができる。第1透明基板及び第2透明基板に透明樹脂板を用いた場合、液晶装置1を軽量化することができる。
第1接合層31は、第1ガラス板41と液晶セル10との間に配置されており、第1ガラス板41と液晶セル10とを互いに接合させる部材である。
第1接合層31は、液晶セル10よりも平面視の大きさが大きい。これに限らず、第1接合層31は、平面視において、第1ガラス板41及び第2ガラス板42と同一の大きさであってもよいし、液晶セル10よりも大きく第1ガラス板41及び第2ガラス板42よりも小さくてもよい。
図2に示すように、第1接合層31は、液晶セル10を覆う領域に加え、液晶セル10の周囲に相当する部分にも形成されており、この部分において第1接合層31は、第2接合層32に接続されている。第1接合層31をこのような形態とすることにより、液晶セル10の側面又はその一部が液晶装置1の側面に露出することを防ぎ、また、液晶装置1の側面からの水分等の侵入を抑止し、液晶装置1の遮水性をより高めることができる。
本開示の実施形態では、第1接合層31は、OCR(Optical Clear Resin)から構成されている。OCRは、重合性化合物を含む液状の硬化性接着層用組成物を硬化した硬化物である。具体的には、OCRは、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂又はウレタン系樹脂等のベース樹脂と添加剤とを混合した液状の樹脂を対象物に塗布した後、例えば紫外線(UV)等を用いて硬化したものである。
第1接合層31は、光学透明性を有しており、さらに少なくとも120℃程度までの耐熱性、耐湿熱性、耐候性を有することが好ましい。
第1接合層31の厚さは、その材料等に応じて適宜選択してよい。具体的には、平面視において液晶セル10と重複する領域における第1接合層31の厚さは、30μm以上1000μm以下とすることができる。
第2接合層32は、第2ガラス板42と液晶セル10との間に配置されており、第2ガラス板42と液晶セル10とを互いに接合させる部材である。
第2接合層32は、液晶セル10よりも平面視の大きさが大きい。これに限らず、第2接合層32は、平面視において、第1ガラス板41及び第2ガラス板42と同一の大きさであってもよいし、液晶セル10よりも大きく第1ガラス板41及び第2ガラス板42よりも小さくてもよい。
本開示の実施形態では、第2接合層32は、OCA(Optical Clear Adhesive)から構成した。OCAは、例えば、以下のようにして作製された層である。
まず、ポリエチレンテレフタレート(PET)等の離型フィルム上に、重合性化合物を含む液状の硬化性接着層用組成物を塗布し、これを例えば紫外線(UV)等を用いて硬化し、OCAシートを得る。上記の硬化性接着層用組成物は、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂又はウレタン系樹脂等の光学用粘着剤であってもよい。
このOCAシートを対象物に貼合した後、離型フィルムを剥離除去することにより、上記OCAからなる層が得られる。
OCAからなる第2接合層32は、光学透明性を有しており、さらに少なくとも120℃程度までの耐熱性、耐湿熱性、耐候性を有することが好ましい。
なお、本開示の実施形態において、第2接合層32は、OCAから構成される例を挙げて説明するが、これに限らず、第1接合層31と同様にOCRにより構成されてもよいし、第1接合層31及び第2接合層32が、いずれもOCAにより構成されてもよい。また、第1接合層及び第2接合層32は、一方が、OCA又はOCRにより構成され、他方がPVB(ポリビニルブチラール)により構成されてもよいし、いずれもPVBにより構成されてもよい。
第2接合層32の厚さは、その材料等に応じて適宜選択してよい。具体的には、第2接合層32の厚さは、30μm以上500μm以下としてもよく、50μm以上200μm以下とすることが好ましい。
なお、本開示の実施形態において、第1接合層31は、第1ガラス板41と液晶セル10とを直接接合させ、第2接合層32は、第2ガラス板42と液晶セル10とを直接接合させている。しかし、これに限らず、第1ガラス板41と液晶セル10との間、第2ガラス板42と液晶セル10との間の少なくとも1ヶ所に、例えば、紫外線(UV)カットフィルム等のフィルムを介在させてもよい。
上述のように、第1接合層31及び第2接合層32は、非圧着性の接着成分を含有する接合体である。ここで、「非圧着性の接着成分を含有する接合体」とは、隣接物体に対して適切に接着するために加圧が不要な接合体であり、常圧下で隣接物体と適度に接着することが可能なものをいう。
本開示の実施形態では、第1接合層31は、OCRから形成される層であるので、第1ガラス板41は、第1接合層31により加圧されることなく(すなわち環境圧下(通常は大気圧下)で)、液晶セル10に接着可能である。また、第1ガラス板41は、第1接合層31により、常温(例えば10℃以上30℃以下)で液晶セル10に接着可能である。同様に、第2接合層32は、OCAから形成される層であるので、第2ガラス板42は、第2接合層32により加圧されることなく(すなわち環境圧下(通常は大気圧下)で)、液晶セル10に接着可能である。また、第2ガラス板42は、第2接合層32により、常温(例えば10℃以上30℃以下)で液晶セル10に接着可能である。
なお、液晶装置1は、接合層として圧着性の接着成分を含有する接合体を用いてもよい。圧着性の接着成分を含有する接合体としては、例えばPVB(ポリビニルブチラール)等からなる中間膜を挙げることができる。なお、「圧着性の接着成分を含有する接合体」とは、隣接物体に対して適切に接着するために加圧(すなわち常圧よりも大きな圧力)が必要となる接合体をいう。常圧は、環境圧であり、通常は大気圧に等しく、標準大気圧としうる。
PVB等からなる中間膜のような圧着性の接着成分を含有する接合体に関しても、本開示の実施形態の第1接合層31及び第2接合層32として使用可能であるが、高温環境下において、この中間膜が軟化して液晶溜まりが生じる場合がある。そのような観点から、前述の「非圧着性の接着成分を含有する接合体」であるOCAやOCRにより、第1接合層31及び第2接合層32を形成することが好ましい。
液晶セル10(調光フィルム、液晶フィルム)は、印加電圧を変化させることにより透過光の光量を制御することができるフィルムである。液晶セル10は、第1ガラス板41と第2ガラス板42との間に挟持されるように配置されている。
この液晶セル10は、二色性色素を使用したゲストホスト型の液晶層を有しており、液晶に印加する電界により透過光量を変化させる部材である。液晶セル10は、フィルム状の第1積層体12と、フィルム状の第2積層体13と、第1積層体12と第2積層体13との間に配置された液晶層14とを備えている。
図2に示すように、第1積層体12は、第1基材21Aと、第1透明電極22Aと、第1配向層23Aとを備え、第1接合層31側から、第1基材21A、第1透明電極22A、第1配向層23Aの順番で積層配置されている。
また、第2積層体13は、第2基材21Bと、第2透明電極22Bと、第2配向層23Bとを備え、第2接合層32側から、第2基材21B、第2透明電極22B、第2配向層23Bの順番で積層配置されている。
さらに、第1積層体12と第2積層体13との間には、複数のビーズスペーサー24が配置されている。液晶層14は、第1積層体12及び第2積層体13の間において、複数のビーズスペーサー24の間に液晶が充填されることで配置されている。複数のビーズスペーサー24は、それぞれ不規則的に配置されていてもよいし、規則的に配置されていてもよい。
液晶セル10は、第1積層体12及び第2積層体13に設けられた第1透明電極22A及び第2透明電極22Bの駆動により、液晶層14のゲストホスト液晶組成物による液晶材料の配向を変化させ、これにより透過光の光量を変化させるものである。
第1基材21A及び第2基材21Bは、透明な樹脂製であって、可撓性を有するフィルムを適用することができる。第1基材21A及び第2基材21Bとしては、光学異方性が小さく、また、可視域の波長(380nm以上800nm以下)に対する透過率が80%以上である透明樹脂フィルムを適用することが望ましい。
このような透明樹脂フィルムの材料としては、例えば、トリアセチルセルロース(TAC)等のアセチルセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、ポリメチルペンテン、EVA等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、(メタ)アクロニトリル、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー等の樹脂を挙げることができる。透明樹脂フィルムの材料としては、特に、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマー、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂が好ましい。
また、第1基材21A及び第2基材21Bとして用いられる透明樹脂フィルムの厚みは、その材料にもよるが、その透明樹脂フィルムが可撓性を有する範囲内で適宜選択することができる。第1基材21A及び第2基材21Bの厚みは、それぞれ50μm以上200μm以下としてもよい。
本開示の実施形態では、第1基材21A及び第2基材21Bの一例として、厚み125μmのポリエチレンテレフタレートフィルムが適用される。
第1透明電極22A及び第2透明電極22Bは、それぞれ第1基材21A及び第2基材21B(透明樹脂フィルム)に積層される透明導電膜から構成されている。透明導電膜としては、この種の透明樹脂フィルムに適用される各種の透明電極材料を適用することができ、酸化物系の全光透過率が50%以上の透明な金属薄膜、例えば、酸化錫系、酸化インジウム系、酸化亜鉛系が挙げられる。
酸化錫(SnO)系としては、ネサ(酸化錫SnO)、ATO(Antimony Tin Oxide:アンチモンドープ酸化錫)、FTO(フッ素ドープ酸化錫)が挙げられる。酸化インジウム(In)系としては、酸化インジウム、ITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)、IZO(Indium Zinc Oxide)が挙げられる。酸化亜鉛(ZnO)系としては、酸化亜鉛、AZO(アルミドープ酸化亜鉛)、GZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)が挙げられる。
本開示の実施形態では、第1透明電極22A及び第2透明電極22Bを構成する透明導電膜は、ITOにより形成されている。
ビーズスペーサー24は、液晶層14における外周部を除く部分の厚み(セルギャップ)を規定する部材である。本開示の実施形態では、ビーズスペーサー24として、球形状のビーズスペーサーを用いている。ビーズスペーサー24の直径は、1μm以上20μm以下としてもよく、3μm以上15μm以下とすることが好ましい。
ビーズスペーサー24は、シリカ等による無機材料による構成、有機材料による構成、これらを組み合わせたコアシェル構造の構成等を広く適用することができる。
なお、ビーズスペーサーは、球形状による構成の他に、円柱形状、楕円柱形状、多角柱形状等のロッド形状により構成してもよい。また、ビーズスペーサー24は、透明部材により製造されるが、必要に応じて着色した材料を適用して、色味を調整するようにしてもよい。
なお、本開示の実施形態では、ビーズスペーサー24は、第2積層体13に設けられるが、これに限定されるものでなく、第1積層体12及び第2積層体13の両方、又は、第1積層体12にのみ設けられるようにしてもよい。また、ビーズスペーサー24は、必ずしも設けられていなくてもよい。また、ビーズスペーサー24に代えて、もしくはビーズスペーサー24とともに、柱状のスペーサーを用いてもよい。
第1配向層23A及び第2配向層23Bは、液晶層14に含まれる液晶分子群を所望の方向に配向させるための部材である。
第1配向層23A及び第2配向層23Bは、光配向層により形成される。光配向層に適用可能な光配向材料は、光配向の手法を適用可能な各種の材料を広く適用することができ、例えば、光分解型、光二量化型、光異性化型等を挙げることができる。
本開示の実施形態では、光二量化型の材料を使用する。光二量化型の材料としては、例えば、シンナメート、クマリン、ベンジリデンフタルイミジン、ベンジリデンアセトフェノン、ジフェニルアセチレン、スチルバゾール、ウラシル、キノリノン、マレインイミド、又は、シンナミリデン酢酸誘導体を有するポリマー等を挙げることができる。光二量化型の材料としては、特に、配向規制力が良好である点で、シンナメート、クマリンの一方又は両方を有するポリマーが好ましく用いられる。
なお、光配向層に代えて、ラビング配向層を用いてもよい。ラビング配向層に関しては、ラビング処理を行わないものとしてもよいし、ラビング処理を行い、微細なライン状凹凸形状を賦型処理して配向層を作製してもよい。
本開示の実施形態では、液晶セル10は、第1配向層23A及び第2配向層23Bを備えているが、これに限らず、第1配向層23A及び第2配向層23Bを備えない形態としてもよい。
液晶層14には、ゲストホスト液晶組成物、二色性色素組成物を広く適用して形成することができる。ゲストホスト液晶組成物にはカイラル剤を含有させ、液晶材料を水平配向させた場合に液晶層14の厚み方向に螺旋形状に配向させるようにしてもよい。
また、第1積層体12と第2積層体13との間において、液晶層14を取り囲むように、平面視で環状又は枠状のシール材25が配置されている。このシール材25により、第1積層体12と第2積層体13とが一体に接着されて保持され、液晶材料の漏出が防止される。
シール材25は、エポキシ樹脂、アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等を適用することができる。
また、シール材25は、その幅が3~5mmであり、厚みを25~30μmとすることができる。
シール材25は、高温(100℃)環境下において、第1積層体12や第2積層体13に対する接着強度が十分高いことが好ましい。具体的には、高温(100℃)環境下におけるシール材25の第1積層体12、第2積層体13に対する90度剥離接着強さ(いわゆる、T型剥離接着強さ)が0.3N/10mm以上であり、かつ、高温(100℃)環境下におけるシール材25の第1積層体12、第2積層体13に対するせん断強度が0.5N/mm以上であることが好ましい。シール材25が第1積層体12及び第2積層体13に対して上述の接着強度を満たすことにより、液晶装置1を高温環境下に曝した場合に、シール材が剥離したり破損したりすることにより生じる液晶材料の滲出を抑制することができる。このような液晶材料の滲出は、液晶セル10の平面視での面積が大きいほど生じやすい傾向を有し、特に、液晶セル10の平面視での面積が480000mm以上である場合には、シール材25が上記接着強度を満たすことが、液晶材料の滲出を抑制する観点から特に有効である。
なお、液晶セル10の平面視での面積とは、平面視での液晶セル10全体の面積、すなわち、液晶セル10の外形の面積であり、シール材25の内側に位置する液晶層14の平面視での面積ではない。
シール材25の90度剥離接着強さ(T型剥離接着強さ)及びせん断強度の測定方法等については、詳細を後述する。
液晶層14には、重合性官能基を有していない液晶化合物として、ネマチック液晶化合物、スメクチック液晶化合物及びコレステリック液晶化合物を適用することができる。
ネマチック液晶化合物としては、例えば、ビフェニル系化合物、ターフェニル系化合物、フェニルシクロヘキシル系化合物、ビフェニルシクロヘキシル系化合物、フェニルビシクロヘキシル系化合物、トリフルオロ系化合物、安息香酸フェニル系化合物、シクロヘキシル安息香酸フェニル系化合物、フェニル安息香酸フェニル系化合物、ビシクロヘキシルカルボン酸フェニル系化合物、アゾメチン系化合物、アゾ系化合物、及びアゾオキシ系化合物、スチルベン系化合物、トラン系化合物、エステル系化合物、ビシクロヘキシル系化合物、フェニルピリミジン系化合物、ビフェニルピリミジン系化合物、ピリミジン系化合物、及びビフェニルエチン系化合物等を挙げることができる。
スメクチック液晶化合物としては、例えば、ポリアクリレート系、ポリメタクリレート系、ポリクロロアクリレート系、ポリオキシラン系、ポリシロキサン系、ポリエステル系等の強誘電性高分子液晶化合物を挙げることができる。
コレステリック液晶化合物としては、例えば、コレステリルリノレート、コレステリルオレエート、セルロース、セルロース誘導体、ポリペプチド等を挙げることができる。
ゲストホスト方式に用いられる二色性色素としては、液晶に対して溶解性があり、二色性の高い色素、例えば、アゾ系、アントラキノン系、キノフタロン系、ペリレン系、インジゴ系、チオインジゴ系、メロシアニン系、スチリル系、アゾメチン系、テトラジン系等の二色性色素が挙げられる。
液晶セル10は、無電界時において遮光状態のゲストホスト液晶組成物の配向となるように、第1配向層23A及び第2配向層23Bを一定の方向にプレチルトに係る配向規制力を設定した水平配向層に構成し、これによりノーマリーダークにより構成される。なお、液晶セル10は、電界印加時において遮光状態となるノーマリークリアとして構成してもよい。
ここで、ノーマリーダークとは、液晶に電圧がかかっていない時に透過率が最小となり、遮光状態となる構造である。ノーマリークリアとは、液晶に電圧がかかっていない時に透過率が最大となり、透光状態となる構造である。
また、透光状態において液晶セル10を通して見える景色等が明瞭に見えることが望ましいので、透光状態でのヘイズ値は低いことが望ましい。具体的には、液晶セル10の透光状態でのヘイズ値は、30%以下であることが望ましく、15%以下であることがより望ましい。このような低いヘイズ値を実現するためには、液晶混合物中に重合性化合物が入っていないことが望ましい。
本開示の実施形態の液晶セル10は、ゲストホスト型の液晶層14を備える例を示したが、これに限られるものではない。液晶セル10は、二色性色素組成物を用いないTN(Twisted Nematic)方式、VA(Vertical Alignment)方式、IPS(In-Plane-Switching)方式等の液晶層14を備える構成としてもよい。このような液晶層14を備える場合、第1基材21A及び第2基材21Bの表面にそれぞれ直線偏光層をさらに設けることで、調光フィルムとして機能させることができる。
図1に示すように、液晶セル10には、第1透明電極22A及び第2透明電極22Bと外部との電気的接続を行うために、フレキシブルプリント配線基板18が配置されている。
フレキシブルプリント配線基板18は、例えば、第1透明電極22A及び第2透明電極22Bが液晶層14を挟んでいない領域において、第1透明電極22A及び第2透明電極22Bに挟まれて配置されることにより接続することができる。なお、フレキシブルプリント配線基板18は、例えば、第1透明電極22A及び第2透明電極22Bに挟まれていない形態としてもよい。
(シール材25の接着強度に関して)
シール材25の高温(100℃)環境下での90度剥離接着強さ(T型剥離接着強さ)及びせん断強度の好ましい範囲等について説明する。
シール材25は、100℃環境下において、90度剥離接着強さ(T型剥離接着強さ)が0.3N/10mm以上であり、かつ、せん断強度が0.5N/mmであることが、高温環境下でのシール材25の破断や第1積層体12や第2積層体13からの剥離による液晶材料の滲出を抑制する観点から好ましい。
液晶装置1が高温環境下に曝された場合、第2接合層32のOCR材料が膨張する。このとき、液晶セル10は、第1ガラス板41及び第2ガラス板42に挟持されているため、OCR材料の膨張により液晶セル10が加圧される。これにより、液晶材料が液晶層14の外端側(シール材25側)へ流動し、シール材25と第1積層体12及び第2積層体13との接着面に強い圧力がかかる。このとき、シール材25の第1積層体12及び第2積層体13への接着強度が不十分だと、シール材25の剥離や破損が生じ、液晶材料がシール材25と第1積層体12や第2積層体13との接着面や液晶セル10外へ滲み出すという現象が生じる。このような液晶材料の滲出は、液晶セル10の平面視での面積が大きい場合に生じやすく、液晶装置1としての光学性能の低下や外観性の低下等を招き、好ましくない。
そこで、特に、液晶セル10の平面視での面積が480000mmを超える場合に、高温(100℃)環境下における、シール材25の第1積層体12及び第2積層体13に対する接着強度は、90度剥離接着強さが0.3N/10mm以上であり、かつ、せん断強度が0.5N/mmであることが、液晶材料の滲出を抑制する観点から好ましい。
前述のように、本開示の実施形態では、液晶セル10において、シール材25は、第1積層体12と第2積層体13とを接着して液晶層14の液晶材料を封止している。第1積層体12は、第1基材21Aの液晶層14側の面に第1透明電極22A及び第1配向層23Aが設けられており、第2積層体13は、第2基材21Bの液晶層14側の面に第2透明電極22B及び第2配向層23Bが設けられている。
したがって、本開示の実施形態でのシール材25の第1積層体12、第2積層体13との接着強度は、シール材25とこれらの積層体の液晶側の面(配向層、電極が積層された面)との接着強度に相当する。
90度剥離接着強さ、せん断強度の測定方法等を説明する。
図3は、シール材25の90度剥離接着強さの試験片60の作製方法を説明する図である。
図4は、シール材25の90度剥離接着強さの測定方法を説明する図である。
シール材25の90度剥離接着強さ試験に用いる試験片60は、以下のように作製される。まず、図3(a)に示すように、不図示のノズル等により、第2積層体13の液晶層14側となる面(第2透明電極22B及び第2配向層23Bが設けられている面)上にシール材25を枠状に塗布する。このとき、シール材25が、液晶セル10の製造時と同様の幅及び厚みとなるように塗布する。
次に図3(b)に示すように、第2積層体13及びシール材25の上に第1積層体12をラミネートで貼り合わせて積層体60Aとし、シール材25を硬化させる。このとき、第1積層体12は、その液晶層14側となる面(第1透明電極22A及び第1配向層23Aが設けられている面)がシール材25及び第2積層体13側となるように積層する。また、積層体60Aの厚み方向から見て、図3(c)に示すように、第1積層体12は、第2積層体13に対して全面に積層された状態となっている。
次に、図3(c)に示すように、積層体60Aから、90度剥離接着強さの測定用の試験片に応じた大きさ及びシール材25の位置となるように、試験片60を切り出す。
試験片60は、図3(d)に示すように、平面視での形状が長方形形状である。平面視において、試験片60のシール材25は、試験片60の長辺方向の一方の端部近傍に、短辺方向に平行に延在している。このとき、試験片60の短辺の寸法D11が10mmであり、シール材25から試験片60の長辺方向に沿って他方側の短辺までの寸法D12が15mmである。シール材25の幅は3~5mm、シール材25の厚みは25~30μmである。
次に、この試験片60のシール材25の位置から長辺方向に沿って他方の短辺側へ寸法D13=8mmの位置(解放されている短辺から寸法D14=7mmの位置)で、図3(e)に示すように、第1積層体12を90度上側へ、第2積層体13を90度下側へ折る。この状態の試験片60を用いて、90度剥離接着強さの測定を行う。
90度剥離接着強さは、以下のように測定した。
まず、図4に示すように、試験片60の各積層体の接着されていない側、すなわち、90度折り曲げられた側の端部を治具81A,81Bで保持する。治具81A,81B間の寸法D15は、5~10mmである。
次に、治具81A,81Bを反対方向(例えば、図4に示すように、鉛直方向に沿って第1積層体12を上側、第2積層体13を下側)へ速度10mm/minで引っ張ぱり、シール材25が破損したときの強さを測定する。この測定は、引張試験機であるインストロン5565(インストロン社製)を用い、その恒温槽内に試験片60等を配置し、恒温槽の温度を100℃まで上昇させた状態で行った。
図5は、シール材25のせん断強度の試験片70の作製方法を説明する図である。
図6は、シール材25のせん断強度の測定方法を説明する図である。
シール材25のせん断強度試験に用いる試験片70は、以下のように作製される。まず、図5(a)に示すように、第2積層体13の液晶層14側となる面(第2透明電極22B及び第2配向層23Bが設けられている面)の上の一辺近傍(図5(a)では、左側の辺近傍)に、その一辺に平行な線状に不図示のノズル等によりシール材25を塗布する。このとき、シール材25が、液晶セル10の製造時と同様の幅及び厚みとなるように塗布する。
次に、図5(b)に示すように、シール材25が設けられた第2積層体13の端部に、第1積層体12の他方側の辺の端部(図5(b)では、第1積層体12の右側の辺の端部)が積層されるように載置してラミネートで貼り合わせ、積層体70Aとし、シール材25を硬化させる。このとき、第1積層体12は、その液晶層14側となる面(第1透明電極22A及び第1配向層23Aが設けられている面)がシール材25及び第2積層体13側となるように積層する。また、図5(c)に示すように、第1積層体12と第2積層体13とは、平面視において、シール材25を挟む積層領域71以外は積層されていない状態であり、シール材25は、第1積層体12と第2積層体13とが積層された積層領域71の中央に位置している。
その後、積層体70Aから、図5(c)に示すように、せん断強度の測定用の試験片に応じた大きさ及びシール材の位置となるように、試験片70を切り出す。
試験片70は、図5(d)に示すように、平面視において、長方形形状である。試験片70の短辺の寸法D21は、10mmであり、各積層体の長辺方向において、一方の端部からシール材25までの寸法D22は、15mmである。シール材25は、この試験片70の長辺方向の中央に位置し、試験片70の短辺方向に平行に延在するように設けられている。シール材25の幅は3~5mm、シール材25の厚みは25~30μmである。
せん断強度の測定は、以下のように行った。
まず、図6に示すように、試験片70の長辺方向の両端部(第1積層体12の端部、第2積層体13の端部)を治具81A,81Bにより保持する。このとき、治具81A,81B間の寸法D23は、15~20mmである。
次に、治具81A,81Bを鉛直方向に沿って反対方向(例えば、第1基材21Aを上側、第2基材21Bを下側)へ速度10mm/minで引っ張ぱり、シール材25が破損したときの強さ測定する。なお、この測定は、引張試験機であるインストロン5565(インストロン社製)を用い、その恒温槽内に試験片60等を配置し、恒温槽の温度を100℃まで上昇させた状態で行った。
90度剥離接着強さ及びせん断強度は、それぞれ、試験片を5枚用いて測定を計5回行い、その平均値を採用した。
上述の測定方法により測定された90度剥離接着強さ及びせん断強度が異なる複数のシール材25の材料を用意し、それぞれのシール材25を用いて大きさの異なる液晶セル10及び液晶装置1を作製し、液晶装置1を高温環境に曝した場合のシール材25の剥離や破損による液晶材料の滲出の有無を評価した。
用意した試料1~5のシール材の90度剥離接着強さ及びせん断強度は、以下の通りである。
試料1:90度剥離接着強さが0.0N/10mm、せん断強度が0.2N/mm
試料2:90度剥離接着強さが0.0N/10mm、せん断強度が0.4N/mm
試料3:90度剥離接着強さが0.3N/10mm、せん断強度が0.5N/mm
試料4:90度剥離接着強さが0.3N/10mm、せん断強度が0.7N/mm
試料5:90度剥離接着強さが0.4N/10mm、せん断強度が1.7N/mm
また、液晶セル10、液晶装置1(合わせガラス)の平面視での大きさは、以下の4通りである。
サイズ1:液晶セル10は50mm×50mm、液晶装置1は60mm×60mm
サイズ2:液晶セル10は280mm×280mm、液晶装置1は300×300mm
サイズ3:液晶セル10は280mm×580mm、液晶装置1は300mm×600mm
サイズ4:液晶セル10は480mm×1000mm、液晶装置1は500mm×1020mm
なお、いずれのサイズにおいても、液晶層14の厚み(セルギャップ)は、12μmである。
各試料を用いた各サイズの液晶セル及び液晶装置を作製し、これらを高温(85℃)環境下に立て置き(液晶装置1の主面が鉛直方向に平行となる配置)して60分間放置する。そして、高温環境下から取り出した直後の各液晶装置を目視し、シール材25の剥離や破損による液晶材料の滲出の有無を確認した。
Figure 2023101925000002
Figure 2023101925000003
Figure 2023101925000004
Figure 2023101925000005
Figure 2023101925000006
表1は、試料1のシール材25での液晶材料の滲出の有無を示す表である。
表2は、試料2のシール材25での液晶材料の滲出の有無を示す表である。
表3は、試料3のシール材25での液晶材料の滲出の有無を示す表である。
表4は、試料4のシール材25での液晶材料の滲出の有無を示す表である。
表5は、試料5のシール材25での液晶材料の滲出の有無を示す表である。
表2のサンプル7,8に示すように、液晶装置を立て置きした場合に鉛直方向に平行な辺は、短辺方向であっても長辺方向であっても、シール材25の剥離や破損による液晶材料の滲出の有無に影響はなかった。
また、表1,2に示す試料1,2のように、90度剥離接着強さが0.3N/10mm未満、かつ、せん断強度が0.5N/mm未満であり、接着強度が好ましい範囲を満たしていないシール材25を用いていても、液晶セル10及び液晶装置1(合わせガラス)の大きさが小さい場合(サンプル1~3,5~8)は、シール材の剥離や破損による液晶材料の滲出は生じていない。しかし、液晶セル10の面積が480000mmである場合(サンプル4,9)には、液晶材料の滲出が生じていた。
表3,4,5に示す試料3,4,5のように、90度剥離接着強さが0.3N/10mm以上、かつ、せん断強度が0.5N/mm以上であり、接着強度が好ましい範囲を満たしているシール材25を用いた場合には、液晶セル10の面積が小さい場合(サンプル10~12,14~16,18~20)も、液晶セル10の面積が480000mmと大きい場合(サンプル13,17,21)も、液晶材料の滲出は生じていなかった。
なお、90度剥離接着強さ及びせん断強度が好ましい範囲を満たしていない試料2のシール材を用いて480mm×1000mmの液晶セル10を作製し、500mm×1020mmの大きさの第2ガラス板42に第2接合層32(OCAによる層)により接合した状態、すなわち、第1接合層31と第1ガラス板41とが積層されておらず合わせガラスとはなっていない状態の積層部材を作製し、85℃環境下に60分間立て置きで配置した場合と、85℃環境下に60分間平置き(液晶装置1の主面が水平方向に平行となる配置)した場合に、液晶材料の滲出が生じるか確認する試験も行った。このとき、この積層部材の状態、すなわち、液晶セル10の片面に第1接合層31及び第1ガラス板41が積層されていない状態では、シール材25の剥離や破損による液晶材料の滲出は生じていなかった。
したがって、シール材の破損や剥離による液晶材料の滲出は、合わせガラス(液晶装置1)とした状態で高温環境下に曝された場合に生じる現象であると確認された。
以上のことから、本開示の実施形態によれば、100℃環境下での液晶セル10のシール材25の90度剥離接着強さが0.3N/10mm以上、かつ、せん断強度が0.5N/mmであるシール材25を用いることにより、液晶装置1が高温(85℃)環境下に曝された場合のシール材25の剥離や破損による液晶材料の滲出を抑制することができる。また、この液晶材料の滲出の抑制効果は、液晶セル10の平面視での面積が480000mm以上である場合に特に有効である。
また、本開示の実施形態によれば、液晶セル10は、平面視での面積が480000mm以上であって、平面視での形状が矩形形状である場合には、短辺の寸法が480mm以上であると、高温環境下でのシール材の剥離や破損による液晶材料の滲出が生じやすいが、上述の条件を満たすことにより、液晶材料の滲出を効果的に抑制できる。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本開示の実施形態の範囲内である。
(1)本開示の実施形態において、液晶装置1及び液晶セル10が、平面視において長方形である例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、液晶セル10は、平面視において正方形や平行四辺形、台形等であってもよく、液晶セル10の平面視での形状は適宜変更可能である。
(2)本開示の実施形態において、液晶セル10は、光の透過率の調整を行う調光セルである例を挙げて説明した。これに限らず、液晶セル10は、情報表示を行うものとしてもよく、そのような液晶セル10を含む液晶装置にも好適に適用できる。
なお、実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本開示の実施形態は、以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
1 液晶装置
10 液晶セル
12 第1積層体
13 第2積層体
14 液晶層
18 フレキシブルプリント配線基板
21A 第1基材
21B 第2基材
22A 第1透明電極
22B 第2透明電極
23A 第1配向層
23B 第2配向層
24 ビーズスペーサー
25 シール材
31 第1接合層
32 第2接合層
41 第1ガラス板
42 第2ガラス板

Claims (4)

  1. 第1積層体と、
    第2積層体と、
    前記第1積層体及び前記第2積層体により挟持された液晶層と、
    前記第1積層体と前記第2積層体と間に設けられ、前記液晶層の液晶材料を封止するシール材と、
    を備え、
    前記第1積層体及び前記第2積層体は、透明フィルムからなる基材と、前記基材に形成された電極とを有し、
    前記電極の駆動により、透過光を制御する液晶セルであって、
    平面視における面積が480000mm以上であり、
    前記シール材は、100℃環境下において、前記第1積層体及び前記第2積層体に対して、90度剥離接着強さが0.3N/10mm以上であり、かつ、せん断強度が0.5N/mm以上である、
    液晶セル。
  2. 請求項1に記載の液晶セルにおいて、
    平面視の形状が矩形形状であり、短辺が480mm以上である、
    液晶セル。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の液晶セルと、
    前記液晶セルの一方の面側に位置する第1透明基板と、
    前記液晶セルの他方の面側に位置する第2透明基板と、
    前記第1透明基板と前記液晶セルとの間に配置された第1接合層と、
    前記第2透明基板と前記液晶セルとの間に配置された第2接合層と、
    を備え、
    前記第1接合層及び前記第2接合層は、圧着性の接着成分を含有する接合体を含まない、
    液晶装置。
  4. 請求項3に記載の液晶装置において
    前記第1接合層がOCRであり、
    前記第2接合層がOCR又はOCAである、
    液晶装置。
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