JP2019158938A - 熱反射機能を有する調光フィルム - Google Patents

熱反射機能を有する調光フィルム Download PDF

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博志 久保田
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裕介 萩原
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Abstract

【課題】熱反射機能を有する調光フィルムにおいて、厚みを小さく抑え、製造コストを低減する。【解決手段】図(a) の調光フィルム40Aは、液晶層43と、その上面に設けた電圧印加層42a(3層構造)および保護層41と、下面に設けた電圧印加層44および保護層45と、を備える。電圧印加層42aは、一対の透光性金属層421,423とその間に介挿された透光性誘電体層422とを有するファブリー・ペロー干渉フィルタを構成し、可視光を透過し赤外光を反射する熱反射層として機能する。透光性金属層423は、調光層43に対する電圧印加層としての役割も果たし、透光性金属層423と電圧印加層44との間に電圧を印加することにより、調光層43の透過率を制御できる。図(b),(c) に示す調光フィルム40B,40Cでは、より多層の構造を有する電圧印加層42b,42cが用いられる。【選択図】図7

Description

本発明は、光の透過率を変化させる調光機能を有するとともに熱反射機能を有する調光フィルムに関する。
光の透過率を変化させる調光機能を有する液晶等の調光層を用いると、光学的な特性を電気的に制御できる調光セルを実現することができる。最近は、この調光セルの面積を広げてフィルム状に加工することにより、調光フィルムと呼ばれる製品も提案されており、透明状態から遮光状態に段階的に切り替えることができる電子シェードとして実用化されている。調光層としては、液晶層、エレクトロクロミック層、SPD(Suspended Particle Device)層などが利用されている。
たとえば、下記の特許文献1には、液晶層の両面に設けられた電極層の間に抵抗値を可変とする抵抗部材を設けることにより、場所によって透過率を変化させ、グラデーション表現を行うことが可能な液晶調光フィルムが開示されている。また、特許文献2には、液晶層の厚みを保持するスペーサーを設けることにより、透過率の低下を回避する液晶調光フィルムが開示されており、特許文献3には、液晶層を挟む配光膜上にシール材の一部を浸透させることにより、シール剤を強固に接着する技術が開示されている。
特許第6128269号公報 特開2017−097339公報 特許第6120196号公報
電子シェードとして利用される比較的面積の大きな調光フィルムは、建物の外装もしくは内装に用いられる窓や、乗り物の窓などに張り付けて用いられる。このような利用環境では、調光機能とともに熱を遮断するための熱反射機能を有する調光フィルムの需要が見込まれている。
熱反射機能を有するフィルム自体は、従来から、熱反射シートとして種々の製品が提供されているが、窓に張り付けて用いるためには、可視光についての透光性が要求される。したがって、これまでに提案されている熱反射機能を有する調光フィルムは、可視光を透過し、赤外光を反射する波長選択性をもった熱反射シートを通常の調光フィルムに積層する構造を採用している。
しかしながら、上記波長選択性を有する熱反射シートは、通常、多層膜によって構成されており、このような多層膜からなる熱反射シートを通常の調光フィルムに積層する構造を採用すると、全体的な厚みが増し、かつ、コストが高騰するという問題が生じる。
そこで本発明は、厚みが小さく、製造コストを低減することができる熱反射機能を有する調光フィルムを提供することを目的とする。
(1) 本発明の第1の態様は、光の透過率を変化させる調光機能を有するとともに熱反射機能を有する調光フィルムにおいて、
厚み方向に電圧を印加することにより光の透過率が変化する光学的性質を有する調光層と、
調光層の上面に形成された透光性の層であって、調光層の上面に電圧を印加するための導電層を有する上面側電圧印加層と、
調光層の下面に形成された透光性の層であって、調光層の下面に電圧を印加するための導電層を有する下面側電圧印加層と、
上面側電圧印加層の上面に形成され、透光性を有する上面側保護層と、
下面側電圧印加層の下面に形成され、透光性を有する下面側保護層と、
を設け、
上面側電圧印加層もしくは下面側電圧印加層またはその双方が、導電層を含む多層構造を有するファブリー・ペロー干渉フィルタを含み、この導電層に電圧を印加することにより、調光層に電圧が印加されるように構成され、
ファブリー・ペロー干渉フィルタが、可視光を透過し赤外光を反射する波長選択性を有するようにしたものである。
(2) 本発明の第2の態様は、上述した第1の態様に係る調光フィルムにおいて、
ファブリー・ペロー干渉フィルタを、一対の透光性金属層とこの一対の透光性金属層の間に介挿された透光性誘電体層とを有する多層構造によって構成したものである。
(3) 本発明の第3の態様は、上述した第1の態様に係る調光フィルムにおいて、
ファブリー・ペロー干渉フィルタを、一対の透光性金属層とこの一対の透光性金属層の間に介挿された透光性酸化物層とを有する多層構造によって構成したものである。
(4) 本発明の第4の態様は、上述した第2または第3の態様に係る調光フィルムにおいて、
ファブリー・ペロー干渉フィルタが、n枚(但し、nは自然数)の透光性誘電体層もしくは透光性酸化物層と、(n+1)枚の透光性金属層とを、一対の透光性金属層が外側層となるように交互に積層させた交互積層膜によって構成されているようにしたものである。
(5) 本発明の第5の態様は、上述した第4の態様に係る調光フィルムにおいて、
調光層に直接的に接している接触透光性金属層に、外部の電源装置に接続するための外部接続端子を取り付け、外部接続端子および接触透光性金属層を介して調光層に対する電圧印加が行われるようにしたものである。
(6) 本発明の第6の態様は、上述した第4の態様に係る調光フィルムにおいて、
調光層に直接的には接していない非接触透光性金属層に、外部の電源装置に接続するための外部接続端子を取り付け、外部接続端子および非接触透光性金属層ならびに非接触透光性金属層と調光層との間に配置された各層を介して、調光層に対する電圧印加が可能となるように、非接触透光性金属層と調光層との間に配置された透光性誘電体層もしくは透光性酸化物層の厚みを設定したものである。
(7) 本発明の第7の態様は、上述した第4〜第6の態様に係る調光フィルムにおいて、
透光性金属層を、厚み4〜40nmの金属または合金によって構成し、透光性誘電体層もしくは透光性酸化物層を、厚み30〜200nmの金属酸化物の結晶層もしくはアモルファス層によって構成したものである。
(8) 本発明の第8の態様は、上述した第1〜第7の態様に係る調光フィルムにおいて、
調光層を、液晶層、エレクトロクロミック層またはSPD(Suspended Particle Device)層によって構成したものである。
(9) 本発明の第9の態様は、上述した第1〜第8の態様に係る調光フィルムにおいて、
上面側保護層および下面側保護層を、厚み1mm以上の合成樹脂層によって構成したものである。
(10) 本発明の第10の態様は、上述した第1〜第9の態様に係る調光フィルムと、光透過性をもつ光透過プレートと、調光フィルムと光透過プレートとの間に配置され、調光フィルムと光透過プレートとを接合する接合用中間層と、によって調光プレートを構成するようにしたものである。
(11) 本発明の第11の態様は、上述した第1〜第9の態様に係る調光フィルムと、光透過性をもつ第1の光透過プレートおよび第2の光透過プレートと、接合用中間層と、によって調光プレートを構成し、
調光フィルムが、第1の光透過プレートと第2の光透過プレートとの間に配置され、接合用中間層によって調光フィルムと第1の光透過プレートとが接合されているようにしたものである。
(12) 本発明の第12の態様は、上述した第11の態様に係る調光プレートにおいて、
調光フィルムと第2の光透過プレートとの間に空隙部を形成するようにしたものである。
(13) 本発明の第13の態様は、上述した第12の態様に係る調光プレートにおいて、
調光フィルムと第2の光透過プレートとの間に形成された空隙部が密閉空間を構成するように、調光フィルムの縁部から第2の光透過プレートの縁部に至る部分をシール材によって封止するようにしたものである。
(14) 本発明の第14の態様は、上述した第11の態様に係る調光プレートにおいて、
第1の接合用中間層と第2の接合用中間層とを用意し、第1の接合用中間層によって調光フィルムと第1の光透過プレートとを接合し、第2の接合用中間層によって調光フィルムと第2の光透過プレートとを接合したものである。
(15) 本発明の第15の態様は、上述した第10〜第14の態様に係る調光プレートにおいて、
調光フィルムもしくは光透過プレートの表面に、反射防止層を形成したものである。
(16) 本発明の第16の態様は、上述した第10〜第15の態様に係る調光プレートと、この調光プレートを構成する調光フィルムの上面側電圧印加層と下面側電圧印加層との間に所定の電圧を印加する電源装置と、によって、調光装置を構成したものである。
本発明に係る調光フィルムでは、液晶などからなる調光層に電圧を印加するための電圧印加層として、たとえば、一対の透光性金属層とこの一対の透光性金属層の間に介挿された透光性誘電体層もしくは透光性酸化物層とを有するファブリー・ペロー干渉フィルタを用い、このファブリー・ペロー干渉フィルタには、可視光を透過し赤外光を反射する波長選択性をもたせるようにし、しかも透光性金属層を調光層への電圧印加層として利用できるようにしている。このように、本発明によれば、透光性金属層に、熱反射フィルムの構成層と調光フィルムの構成層とを兼務させる構成を採用したため、熱反射機能を有していながら、厚みを小さく抑え、製造コストを低減した調光フィルムを実現することができるようになる。また、厚みを小さく抑えることにより、曲げやすく、軽量な調光フィルムを実現する効果も得られる。
一般的な調光フィルム10の側断面図およびこれを駆動する電源装置100のブロック図である。 図1に示す調光フィルム10に、熱反射フィルム20を張り付けることにより熱反射機能を付加した熱反射機能を有する調光フィルム30を示す側断面図である。 本発明に係る熱反射機能を有する調光フィルム40の基本構造を示す側断面図である。 図3に示す調光フィルム40に用いられているファブリー・ペロー干渉フィルタ42の具体的な構成例を示す側断面図である。 図4(a) に示すファブリー・ペロー干渉フィルタ42aの光学的性質を示す側断面図である(断面を示すハッチングは省略)。 可視光を透過し赤外光を反射する波長選択性を有するファブリー・ペロー干渉フィルタの反射率特性を示すグラフである。 図3に示す調光フィルム40における上面側電圧印加層42に、図4(a) 〜(c) に示すファブリー・ペロー干渉フィルタを用いた調光フィルム40A〜40Cを示す側断面図である。 図3に示す調光フィルム40の第1の変形例である調光フィルム50の基本構造を示す側断面図である。 図3に示す調光フィルム40の第2の変形例である調光フィルム60の基本構造を示す側断面図である。 本発明の第1の実施例に係る調光プレート200Aの基本構造を示す側断面図である。 本発明の第2の実施例に係る調光プレート200Bの基本構造を示す側断面図である。 本発明の第3の実施例に係る調光プレート200Cの基本構造を示す側断面図である。 本発明の第4の実施例に係る調光プレート200Dの基本構造を示す側断面図である。 本発明の第5の実施例に係る調光プレート200Eの基本構造を示す側断面図である。 本発明の第6の実施例に係る調光プレート200Fの基本構造を示す側断面図である。
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。なお、本発明において、「透光性」という文言は、可視光波長域の光の透過率が調光フィルムの用途に応じて十分である、という意味で用いている。また、本願図面では、様々な多層構造が描かれているが、これら各層の寸法比(特に、厚みの寸法比)については、説明の便宜上、必要に応じたデフォルメがなされており、図面上の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致するものではない。
<<< §1. 従来の一般的な調光フィルム >>>
図1は、光の透過率を変化させる調光機能を有する一般的な調光フィルム10の側断面図およびこれを駆動する電源装置100のブロック図である。図示のとおり、この調光フィルム10は、上面側保護層11、上面側電圧印加層12、調光層13、下面側電圧印加層14、下面側保護層15を有している。ここで、「上面側」という文言が付与された構成要素は、調光層13の上面側に配置されており、「下面側」という文言が付与された構成要素は、調光層13の下面側に配置されている。
調光層13は、厚み方向に電圧を印加することにより光の透過率が変化する光学的性質を有する層であり、ここに示す例の場合、液晶層によって構成されている。
上面側電圧印加層12は、調光層13の上面に形成された透光性の導電層であり、調光層13の上面に電圧を印加する役割を果たす。同様に、下面側電圧印加層14は、調光層13の下面に形成された透光性の導電層であり、調光層13の下面に電圧を印加する役割を果たす。一方、上面側保護層11は、上面側電圧印加層12の上面に形成された透光性を有する層であり、上面側電圧印加層12を保護する役割を果たす。同様に、下面側保護層15は、下面側電圧印加層14の下面に形成された透光性を有する層であり、下面側電圧印加層14を保護する役割を果たす。
上面側電圧印加層12には、外部の電源装置100に接続するための外部接続端子Pが取り付けられており、下面側電圧印加層14には、電源装置100に接続するための外部接続端子Qが取り付けられている。電源装置100は、この外部接続端子P,Q間に所定の電圧を印加するための装置であり、この電源装置100から印加された電圧が、外部接続端子P,Qおよび一対の電圧印加層12,14を介して調光層(この例の場合は、液晶層)13に印加される。調光層13は、厚み方向への電圧印加を受け、光の透過率を変化させる光学的性質を有しており、電源装置100から供給する電圧によって、調光フィルム10全体の透光率を制御することができる。
したがって、この調光フィルム10を、建物の外装もしくは内装に用いられる窓や、乗り物の窓などに張り付ければ、透光率を電気的に制御可能な電子シェードとして利用することが可能になる。前述したとおり、このような電子シェードとしての用途では、調光機能だけでなく、熱を遮断するための熱反射機能の付加が望まれている。そこで、図1に示す調光フィルム10に、このような熱反射機能を付加するために、可視光を透過し、赤外光を反射する波長選択性をもった熱反射シートを積層する構造が提案されている。
図2は、図1に示す調光フィルム10に、熱反射フィルム20を張り付けることにより熱反射機能を付加した熱反射機能を有する調光フィルム30を示す側断面図である。図2に示す調光フィルム10の部分は、図1に示す調光フィルム10と全く同じものであり、その上面に熱反射フィルム20を張り付けることにより調光フィルム30が得られる。
図示の熱反射フィルム20は、保護層21、熱反射層22、粘着層23を有している。熱反射層22は、可視光を透過し、赤外光を反射するフィルタ機能をもったシートであり、保護層21は、この熱反射層22を保護する役割を果たす。また、粘着層23は、熱反射層22を調光フィルム10の上面(保護層11の上面)に張り付ける役割を果たす。このような熱反射機能を有する調光フィルム30では、通常の調光フィルム10の部分が調光機能を果たし、熱反射フィルム20の部分が熱反射機能を果たすことになる。
しかしながら、上記波長選択性を有する熱反射層22の部分は、通常、多層膜によって構成されており、調光フィルム30の全体的な厚みは大きくならざるを得ない。また、この調光フィルム30を製造するには、通常の調光フィルム10と、熱反射フィルム20とをそれぞれ作製し、これらを貼り合わせる工程が必要になるため、製造コストが高騰するという問題も生じる。本発明は、このような問題を解決するための新規な提案を行うものである。本発明によれば、厚みが小さく、製造コストを低減することができる熱反射機能を有する調光フィルムを提供することが可能になる。
<<< §2. 本発明に係る熱反射機能を有する調光フィルム >>>
図3は、本発明に係る熱反射機能を有する調光フィルム40の基本構造を示す側断面図である。この調光フィルム40は、光の透過率を変化させる調光機能を有するとともに熱反射機能を有する調光フィルムであり、図示のとおり、上面側保護層41、上面側電圧印加層42、調光層43、下面側電圧印加層44、下面側保護層45を有している。ここでも、「上面側」という文言が付与された構成要素は、調光層43の上面側に配置されており、「下面側」という文言が付与された構成要素は、調光層43の下面側に配置されている。
調光層43は、厚み方向に電圧を印加することにより光の透過率が変化する光学的性質を有する層であり、ここに示す例の場合、液晶層によって構成される。なお、本発明を実施するにあたり、調光層43は、液晶層に限定されるものではなく、たとえば、エレクトロクロミック層、SPD(Suspended Particle Device)層などを用いて構成してもかまわない。
上面側電圧印加層42は、調光層43の上面に形成された透光性の導電層であり、調光層43の上面に電圧を印加する役割を果たす。なお、図3では、この上面側電圧印加層42は、説明の便宜上、単一層として描かれているが、実際には、後述するように、多層構造を有しており、少なくとも2層の導電層を有している。
一方、下面側電圧印加層44は、調光層43の下面に形成された透光性の導電層であり、調光層43の下面に電圧を印加する役割を果たす。また、上面側保護層41は、上面側電圧印加層42の上面に形成された透光性を有する層であり、上面側電圧印加層42を保護する役割を果たす。同様に、下面側保護層45は、下面側電圧印加層44の下面に形成された透光性を有する層であり、下面側電圧印加層44を保護する役割を果たす。
この調光フィルム40の特徴は、上面側電圧印加層42が、可視光を透過し赤外光を反射する波長選択性を有し、かつ、導電層を含む多層構造を有するファブリー・ペロー干渉フィルタによって構成されている点である。別言すれば、このファブリー・ペロー干渉フィルタは、その導電層を用いて調光層43の上面に電圧を印加する上面側電圧印加層42としての機能を果たすとともに、それ自身が、可視光を透過し赤外光を反射する熱反射フィルムとしての機能を果たすことになる。
このような役割を果たすために、上面側電圧印加層42を構成するファブリー・ペロー干渉フィルタは、一対の透光性金属層とこの一対の透光性金属層の間に介挿された透光性誘電体層(たとえば、透光性酸化物層)とを有している。
図4(a) 〜(c) は、図3に示す調光フィルム40に用いられているファブリー・ペロー干渉フィルタ42の具体的な構成例を示す側断面図である。図4(a) に示すファブリー・ペロー干渉フィルタ42aは、透光性金属層421,透光性誘電体層422,透光性金属層423の3層構造を有しており、図4(b) に示すファブリー・ペロー干渉フィルタ42bは、更に、透光性誘電体層424,透光性金属層425を加えた5層構造を有しており、図4(c) に示すファブリー・ペロー干渉フィルタ42cは、更に、透光性誘電体層426,透光性金属層427を加えた7層構造を有している。
図5は、図4(a) に示すファブリー・ペロー干渉フィルタ42aの光学的性質を示す側断面図である(断面を示すハッチングは省略)。透光性金属層421,423は、金属からなる導電性の層であるが、厚みを十分に薄くすることにより透光性を有している。一方、透光性誘電体層422は、透光性を有する誘電体材料からなる層である。図5には、このファブリー・ペロー干渉フィルタ42aの上面に照射された光L1の光学的挙動が示されている。
すなわち、光L1は、透光性金属層421に入射する際に、一部が反射光L2として反射し、残りが透過光L3として下方へ透過する。この透過光L3は、透光性誘電体層422内を進行し、透光性金属層423を透過して下方へと射出するが、このとき、一部が反射して反射光L4として上方に進み、透光性金属層421を透過して上方へと射出する。このとき、一部が反射して反射光L5として下方に進み、透光性金属層423を透過して下方へと射出するが、このとき、一部が反射して反射光L6として上方に進み、透光性金属層421を透過して上方へと射出する。このとき、一部が反射して反射光L7として下方に進み、透光性金属層423を透過して下方へと射出する。以下、光量を徐々に減じながら、同様のプロセスが繰り返される。
結局、このファブリー・ペロー干渉フィルタ42aの上面に入射した入射光L1は、L2,L4,L6等の反射光とL3,L5,L7等の透過光とに別れることになる。ここで、入射光が最終的に反射光になるか透過光になるかを決める確率は、波長依存性を有することになる。本発明に用いるファブリー・ペロー干渉フィルタ42aは、図6のグラフに示すような波長選択性、すなわち、可視光の波長領域(380〜750nm)の光を透過し、赤外光の波長領域(750nm〜)の光を反射する波長選択性を有しており、赤外線反射複合膜として機能する。
ファブリー・ペロー干渉フィルタが、このように特定の波長域の光を反射するフィルタ機能を有することは、光学において、ファブリー・ペロー干渉計の原理として広く知られており、ここでは、その原理についての説明は省略する。ファブリー・ペロー干渉フィルタの透過波長スペクトルは、その共振波長に応じて定まり、各層の材質および厚みにより調整することができる。したがって、図4(a) に示すファブリー・ペロー干渉フィルタ42aの場合、透光性金属層421,透光性誘電体層422,透光性金属層423の材質や厚みを適切に設定することにより、図6のグラフに示す反射・透過特性をもったフィルタを構成することができる。
図4(b) に示すファブリー・ペロー干渉フィルタ42bは、図4(a) に示すファブリー・ペロー干渉フィルタ42aを2段階積層したものであり(透光性金属層423は、上下のフィルタの共通層になる)、図4(c) に示すファブリー・ペロー干渉フィルタ42cは、図4(a) に示すファブリー・ペロー干渉フィルタ42aを3段階積層したものである(透光性金属層423,425は、上下のフィルタの共通層になる)。いずれも、各層の材質や厚みを適切に設定することにより、図6のグラフに示す反射・透過特性をもったフィルタを構成することができる。
図7は、図3に示す調光フィルム40における上面側電圧印加層42に、図4(a) 〜(c) に示すファブリー・ペロー干渉フィルタを用いた調光フィルム40A〜40Cを示す側断面図である。すなわち、図7(a) に示す調光フィルム40Aは、上面側電圧印加層42として、図4(a) に示す3層構造をもつファブリー・ペロー干渉フィルタ42aを用いたものであり、図7(b) に示す調光フィルム40Bは、上面側電圧印加層42として、図4(b) に示す5層構造をもつファブリー・ペロー干渉フィルタ42bを用いたものであり、図7(c) に示す調光フィルム40Cは、上面側電圧印加層42として、図4(c) に示す7層構造をもつファブリー・ペロー干渉フィルタ42cを用いたものである。
図7(a) 〜(c) に示す調光フィルム40A,40B,40Cは、いずれも、ファブリー・ペロー干渉フィルタ42a,42b,42cの部分が、図6のグラフに示す反射率特性、すなわち、可視光を透過し赤外光を反射する熱反射特性を有しており、熱反射機能を有する透光性フィルムとして機能することになる。
また、図7(a) に示す調光フィルム40Aの場合、調光層43の上面に直接的に接している接触透光性金属層423(上面側電圧印加層42aの最下層)に外部接続端子Pが取り付けられており、調光層43の下面に直接的に接している下面側電圧印加層44に外部接続端子Qが取り付けられている。ここで、外部の電源装置100から、両接続端子P,Q間に電圧を印加すれば、調光層43(たとえば、液晶層)の光の透過率を変化させることができるので、この調光フィルム40Aは熱反射機能を有する調光フィルムとして機能することになる。
同様に、図7(b) に示す調光フィルム40Bの場合、調光層43の上面に直接的に接している接触透光性金属層425(上面側電圧印加層42bの最下層)に外部接続端子Pが取り付けられており、調光層43の下面に直接的に接している下面側電圧印加層44に外部接続端子Qが取り付けられている。ここで、外部の電源装置100から、両接続端子P,Q間に電圧を印加すれば、調光層43(たとえば、液晶層)の光の透過率を変化させることができるので、この調光フィルム40Bも熱反射機能を有する調光フィルムとして機能することになる。
更に、図7(c) に示す調光フィルム40Cの場合、調光層43の上面に直接的に接している接触透光性金属層427(上面側電圧印加層42cの最下層)に外部接続端子Pが取り付けられており、調光層43の下面に直接的に接している下面側電圧印加層44に外部接続端子Qが取り付けられている。ここで、外部の電源装置100から、両接続端子P,Q間に電圧を印加すれば、調光層43(たとえば、液晶層)の光の透過率を変化させることができるので、この調光フィルム40Cも熱反射機能を有する調光フィルムとして機能することになる。
結局、図7(a) 〜(c) に示す調光フィルム40A,40B,40Cは、いずれも、上面側電圧印加層が、少なくとも一対の透光性金属層とこの一対の透光性金属層の間に介挿された透光性誘電体層とを有するファブリー・ペロー干渉フィルタ42a,42b,42cを含んでおり、調光層43の上面に直接的に接している接触透光性金属層423、425、または427(外部接続端子Pが取り付けられた金属層)に電圧を印加することにより、調光層43に電圧が印加されるように構成されている。しかも、ファブリー・ペロー干渉フィルタ42a,42b,42cは、図6のグラフに示すように、可視光を透過し赤外光を反射する波長選択性を有しており、熱反射フィルムとして機能するため、調光フィルム40A,40B,40Cは、いずれも、熱反射機能を有する調光フィルムとして機能する。
ここで、調光層43の上面に直接的に接している接触透光性金属層423、425、または427(外部接続端子Pが取り付けられた金属層)は、調光層43の上面に電圧を印加するための導電層としての役割を果たすとともに、熱反射フィルムを構成するファブリー・ペロー干渉フィルタの一部分層としての役割も果たすことになる。このように、本発明によれば、透光性金属層に、熱反射フィルムの構成層と調光フィルムの構成層とを兼務させる構成を採用したため、熱反射機能を有していながら、厚みを小さく抑え、製造コストを低減した調光フィルムを実現することができるようになる。また、厚みを小さく抑えることにより、曲げやすく、軽量な調光フィルムを実現することも可能になる。
<<< §3. 本発明に係る調光フィルムの各層の材質および厚み >>>
ここでは、§2で述べた調光フィルム40A〜40C(図7参照)を構成する各層の材質および厚みについて、具体的な例を示しておく。
まず、図7(a) 〜(c) に示されている調光層43は、厚み方向に電圧を印加することにより光の透過率が変化する光学的性質を有する材料を用いた層であるが、ここでは、電界効果型の液晶分子(ゲスト・ホスト型)を含む厚み9μmの液晶層を用いている。
一般に、液晶層は、用いる液晶分子の種類により、ノーマリーダークとノーマリークリアという2つのタイプの製品に分類される。ノーマリーダークのタイプの製品は、電圧を印加しない状態では光の透過率が低く、観察者には「不透明」なフィルムとして観察されるが、電圧を印加した状態では光の透過率が高くなり、観察者には「透明」なフィルムとして観察される。これに対して、ノーマリークリアのタイプの製品は、電圧を印加しない状態では光の透過率が高く、観察者には「透明」なフィルムとして観察されるが、電圧を印加した状態では光の透過率が低くなり、観察者には「不透明」なフィルムとして観察される。本発明では、いずれのタイプの液晶層を用いてもかまわない。
ここに示す実施例の場合、調光層43にはゲスト・ホスト型の液晶層を用いているが、本発明は、そのような実施例に限定されるものではない。本発明を実施する上で、調光層43を構成する液晶層の駆動方式は特に限定されるものではなく、たとえば、VA(Vertical Alignment)型、TN(Twisted Nematic)型、IPS(In-Place-Switching)型、FES(Fringe Field Swithing)型等の液晶層を用いることができる。また、液晶層の具体的な構造も駆動方式に応じた任意のものを採用することができる。たとえば、一般的なVA型もしくはTN型を採用する場合であれば、調光層43として、配向層を含んだ液晶層が用いられる。もちろん、調光層43は、必ずしも液晶層によって構成する必要はなく、前述したように、エレクトロクロミック層やSPD(Suspended Particle Device)層によって構成してもかまわない。
また、図7(a) 〜(c) に示されている下面側電圧印加層44は、調光層43の下面に形成された透光性の層であり、調光層43の下面に電圧を印加するための導電層を有していればよい。ここでは、厚み数30nmのITO(Indium Tin Oxcide)からなる単層によって構成している。ITO(Indium Tin Oxcide)は、透明かつ導電性を有する材料として広く利用されており、下面側電圧印加層44として利用するのに最適な材料である。
一方、図7(a) 〜(c) に示されている上面側電圧印加層42a,42b,42cは、調光層43の上面に形成された透光性の層であり、調光層43の上面に電圧を印加するための導電層を有するとともに、可視光を透過し赤外光を反射する波長選択性を有するファブリー・ペロー干渉フィルタとしての機能を有している必要がある。そのため、図7(a) に示す上面側電圧印加層42aは3層の積層構造体から構成され、図7(b) に示す上面側電圧印加層42bは5層の積層構造体から構成され、図7(c) に示す上面側電圧印加層42cは7層の積層構造体から構成されている。
これらの各積層構造体は、いずれも、透光性金属層(421,423,425,427)と透光性誘電体層(422,424,426)とを有している。透光性金属層は、可視光波長域の光を透過する金属層であり、厚み4〜40nmの金属または合金によって構成することができる。具体的には、この透光性金属層は、たとえば、銀、金、プラチナ、パラジウム、アルミニウム、銅、ニッケルなどの金属や、これらの合金を材料として用い、透光性誘電体層の上面や下面にスパッタ蒸着法や電子ビーム蒸着法などを用いて形成すればよい。一般に、これらの金属や合金は、厚み4〜40nmの厚みをもった層にすれば、透光性を示すことになる。
一方、透光性誘電体層は、可視光波長域の光を透過する誘電体層であり、厚み30〜200nmの金属酸化物の結晶層もしくはアモルファス層によって構成することができる。具体的には、この透光性誘電体層は、たとえば、酸化鉛、酸化インジウム、酸化錫、二酸化チタニウム、酸化硅素、二酸化硅素、酸化ビスマス、酸化クロムなどの無機誘電体を材料として形成すればよい。
もちろん、上面側電圧印加層42a,42b,42cに、可視光を透過し赤外光を反射する波長選択性を有するファブリー・ペロー干渉フィルタとしての機能をもたせるためには、透光性金属層および透光性誘電体層の厚みを適切に設定する必要がある。たとえば、厚み10nmの銀からなる金属層を透光性金属層として用い、厚み70nmの酸化鉛からなる誘電体層を透光性誘電体層として用いれば、図6のグラフに示すような反射率特性を有するファブリー・ペロー干渉フィルタを構成することができる。
このような熱反射機能をもったファブリー・ペロー干渉フィルタについての詳細は、たとえば、特表平4−504555や特許第6174330号に例示がなされているので、本願では詳しい説明は省略する。
図7(a) 〜(c) に示されている上面側保護層41および下面側保護層45は、透光性を有し、この調光フィルムの上面および下面を保護する役割を果たすことができる層であれば、どのような材質を用い、どのような厚みの層にしてもかまわないが、一般的には、厚み1mm以上の合成樹脂層によって構成するのが好ましい。具体的には、たとえば、厚み2mm程度のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムによって、上面側保護層41および下面側保護層45を構成することができる。
<<< §4. 本発明の変形例 >>>
最後に、本発明の変形例をいくつか述べておく。
(1) ファブリー・ペロー干渉フィルタの配置に関する変形例
図7に示す調光フィルム40A〜40Cは、いずれも図3に示す基本的な実施形態に係る調光フィルム40に係るものであり、上面側電圧印加層42を、ファブリー・ペロー干渉フィルタ42a,42b,42cによって構成したものである。しかしながら、本発明を実施する上で、ファブリー・ペロー干渉フィルタは、必ずしも上面側電圧印加層42として設ける必要はなく、下面側電圧印加層44として設けることも可能である。
図8は、図3に示す調光フィルム40の第1の変形例である調光フィルム50の基本構造を示す側断面図である。この変形例に係る調光フィルム50は、ファブリー・ペロー干渉フィルタを、下面側電圧印加層として設けたものである。すなわち、この調光フィルム50は、上面側保護層51、上面側電圧印加層52、調光層53、下面側電圧印加層54、下面側保護層55を有している。
ここで、調光層53は、図3に示す調光層43と同じ構成要素であり、厚み方向に電圧を印加することにより光の透過率が変化する光学的性質を有する液晶層などによって構成されている。上面側電圧印加層52は、調光層53の上面に形成された透光性の導電層であり、調光層53の上面に電圧を印加する役割を果たす。また、上面側保護層51および下面側保護層55は、図3に示す上面側保護層41および下面側保護層45と同じ構成要素であり、各電圧印加層を保護する透光性を有する層である。
一方、下面側電圧印加層54は、調光層53の下面に形成され、調光層53の下面に電圧を印加する役割を果たすとともに、ファブリー・ペロー干渉フィルタとして熱反射機能を有する層である。図8では、説明の便宜上、この下面側電圧印加層54が単一層として描かれているが、実際には、図4(a) ,(b) ,(c) に示すようなファブリー・ペロー干渉フィルタ42a,42b,42cを、下面側電圧印加層54として用いることになる。
結局、図8に示す調光フィルム50は、図3に示す調光フィルム40を上下逆転したものであり、製品としての実体的な構造は同一の物ということになる。したがって、各部の材質や厚みも、§3で述べたとおりである。
一方、図9は、図3に示す調光フィルム40の第2の変形例である調光フィルム60の基本構造を示す側断面図である。この変形例に係る調光フィルム60は、ファブリー・ペロー干渉フィルタを、上面側電圧印加層および下面側電圧印加層の双方として設けたものである。すなわち、この調光フィルム60は、上面側保護層61、上面側電圧印加層62、調光層63、下面側電圧印加層64、下面側保護層65を有している。
ここで、調光層63は、図3に示す調光層43と同じ構成要素であり、厚み方向に電圧を印加することにより光の透過率が変化する光学的性質を有する液晶層などによって構成されている。また、上面側保護層61および下面側保護層65は、図3に示す上面側保護層41および下面側保護層45と同じ構成要素であり、各電圧印加層を保護する透光性を有する層である。
一方、上面側電圧印加層62は、調光層63の上面に形成され、調光層63の上面に電圧を印加する役割を果たすとともに、ファブリー・ペロー干渉フィルタとして熱反射機能を有する層である。同様に、下面側電圧印加層64は、調光層63の下面に形成され、調光層63の下面に電圧を印加する役割を果たすとともに、ファブリー・ペロー干渉フィルタとして熱反射機能を有する層である。図9では、説明の便宜上、上面側電圧印加層62および下面側電圧印加層64が単一層として描かれているが、実際には、図4(a) ,(b) ,(c) に示すようなファブリー・ペロー干渉フィルタ42a,42b,42cを、上面側電圧印加層62や下面側電圧印加層64として用いることになる。
このように、本発明に係る熱反射機能を有する調光フィルムは、調光層と、調光層の上面に電圧を印加するための上面側電圧印加層と、調光層の下面に電圧を印加するための下面側電圧印加層と、上面側電圧印加層の上面を保護する役割を果たす上面側保護層と、下面側電圧印加層の下面を保護する役割を果たす下面側保護層と、を備えているが、ここで、上面側電圧印加層もしくは下面側電圧印加層またはその双方が、一対の透光性金属層とこの一対の透光性金属層の間に介挿された透光性誘電体層とを有するファブリー・ペロー干渉フィルタを含んでいるようにし、透光性金属層に電圧を印加することにより、調光層に電圧が印加されるように構成され、ファブリー・ペロー干渉フィルタが、可視光を透過し赤外光を反射する波長選択性を有するようにすればよい。
(2) ファブリー・ペロー干渉フィルタの構成に関する変形例
本発明では、図3に示す調光フィルム40の上面側電圧印加層42、図8に示す調光フィルム50の下面側電圧印加層54、図9に示す調光フィルム60の上面側電圧印加層62および下面側電圧印加層64として、可視光を透過し赤外光を反射する波長選択性を有するファブリー・ペロー干渉フィルタを用いることになる。
このファブリー・ペロー干渉フィルタとしては、図4(a) に示すような3層の積層構造体から構成されたファブリー・ペロー干渉フィルタ42a、図4(b) に示すような5層の積層構造体から構成されたファブリー・ペロー干渉フィルタ42b、図4(c) に示すような7層の積層構造体から構成されたファブリー・ペロー干渉フィルタ42cを提示した。しかしながら、本発明に用いるファブリー・ペロー干渉フィルタは、これらの例に限定されるものではなく、より多層の積層構造体からなるファブリー・ペロー干渉フィルタを用いてもかまわない。
要するに、本発明で用いるファブリー・ペロー干渉フィルタは、n枚(但し、nは自然数)の透光性誘電体層(透光性酸化物層)と、(n+1)枚の透光性金属層とを、一対の透光性金属層が外側層となるように交互に積層させた交互積層膜によって構成すればよい。図4(a) ,(b) ,(c) に示す各ファブリー・ペロー干渉フィルタ42a,42b,42cは、それぞれn=1,2,3に設定したものであるが、もちろん、n=4以上に設定してもかまわない。ただ、nの数を増加させると、全体の厚みが大きくなるので、実用上は、n=1,2,3程度に設定するのが好ましい。
(3) 外部接続端子の配置に関する変形例
本発明で用いるファブリー・ペロー干渉フィルタは、調光層に電圧を印加する電圧印加層としての機能も備えている必要があるため、その構成要素の一部となる透光性金属層には、外部の電源装置100に接続するための外部接続端子を取り付けておく必要がある。この外部接続端子の取付対象となる透光性金属層としては、一般的には、調光層に直接的に接している接触透光性金属層を選択すればよい。
たとえば、図7(a) に示す調光フィルム40Aの場合は、調光層43に直接的に接している接触透光性金属層423に、外部の電源装置100に接続するための外部接続端子Pが取り付けられており、図7(b) に示す調光フィルム40Bの場合は、調光層43に直接的に接している接触透光性金属層425に、外部接続端子Pが取り付けられており、図7(c) に示す調光フィルム40Cの場合は、調光層43に直接的に接している接触透光性金属層427に、外部接続端子Pが取り付けられている。
一方、いずれの場合も、下面側電圧印加層44にもう一方の外部接続端子Qが取り付けられており、外部の電源装置100から両端子P,Q間に電圧を印加すると、これら両外部接続端子P,Qおよび接触透光性金属層423、425または427を介して調光層43に対する電圧印加が行われることになる。
もっとも、外部接続端子Pは、必ずしも接触透光性金属層に取り付ける必要はなく、透光性誘電体層(たとえば、誘電体層422,424,426)が電荷の伝達機能を有していれば、調光層43に直接的には接していない非接触透光性金属層に、外部の電源装置100に接続するための外部接続端子Pを取り付けるようにしてもかまわない。
具体的には、図7(a) に示す調光フィルム40Aの場合は、接触透光性金属層423の代わりに、非接触透光性金属層421に外部接続端子Pを取り付けるようにしてもよい。図7(b) に示す調光フィルム40Bの場合は、接触透光性金属層425の代わりに、非接触透光性金属層421や423に外部接続端子Pを取り付けるようにしてもよい。図7(c) に示す調光フィルム40Cの場合は、接触透光性金属層427の代わりに、非接触透光性金属層421,423,425に外部接続端子Pを取り付けるようにしてもよい。
非接触透光性金属層に外部接続端子Pを取り付けるようにすると、当該外部接続端子Pおよび非接触透光性金属層、ならびに当該非接触透光性金属層と調光層43との間に配置された各層を介して、調光層43に対する電圧印加が行われることになる。したがって、そのような電圧印加が可能となるように、当該非接触透光性金属層と調光層43との間に配置された透光性誘電体層の厚みを設定しておく必要がある。
一般に、誘電体層は、直流信号は遮断する性質を有するが、交流信号は通過させる性質を有しているので、外部の電源装置100から交流電圧を印加して調光層43を駆動させるタイプの調光フィルムの場合、透光性誘電体層の厚みを適切に設定しておけば、透光性誘電体層を通して調光層43に交流電圧を供給することが可能である。
なお、複数の透光性金属層にそれぞれ外部接続端子Pを取り付けることも可能である。たとえば、図7(a) に示す調光フィルム40Aの場合は、透光性金属層421,423の2層にそれぞれ外部接続端子Pを取り付け、これら2層から調光層43に対する電圧供給を行うようにしてもよい。また、図7(b) に示す調光フィルム40Bの場合は、透光性金属層421,423,425の3層にそれぞれ外部接続端子Pを取り付け、これら3層から調光層43に対する電圧供給を行うようにしてもよい。同様に、図7(c) に示す調光フィルム40Cの場合は、透光性金属層421,423,425,427の4層にそれぞれ外部接続端子Pを取り付け、これら4層から調光層43に対する電圧供給を行うようにしてもよい。
もちろん、すべての透光性金属層ではなく、一部の選択された透光性金属層に外部接続端子Pを取り付けるようにしてもかまわない。たとえば、図7(c) に示す調光フィルム40Cの場合に、透光性金属層425,427の2層にそれぞれ外部接続端子Pを取り付けたり、透光性金属層421,427の2層にそれぞれ外部接続端子Pを取り付けたりしてもかまわない。
上述したように、上面側電圧印加層42,62や下面側電圧印加層54,64は、可視光を透過し赤外光を反射する波長選択性を有するファブリー・ペロー干渉フィルタを構成する必要がある。このため、これら電圧印加層を構成する透光性金属層や透光性誘電体層の材質や厚みは、そのような光学的な条件に合致するように調整する必要がある。このような事情により、接触透光性金属層よりも非接触透光性金属層の方が導電性が高いケースも想定される。このようなケースでは、非接触透光性金属層に外部接続端子Pを取り付ければ、より効率的な電圧印加を行うことが可能になる。
(4) 透光性誘電体層に関する変形例
これまで述べてきた実施例では、ファブリー・ペロー干渉フィルタを、一対の透光性金属層とこの一対の透光性金属層の間に介挿された透光性誘電体層とを有する多層構造によって構成している。このような透光性誘電体層の材料については、既に述べたように、酸化鉛、酸化インジウム、酸化錫、二酸化チタニウム、酸化硅素、二酸化硅素、酸化ビスマス、酸化クロムなどの酸化物を用いることができる。別言すれば、本発明におけるファブリー・ペロー干渉フィルタは、一対の透光性金属層とこの一対の透光性金属層の間に介挿された透光性酸化物層とを有する多層構造によって構成することができる。
なお、「誘電体」とは一般的には電気を通さない絶縁体を意味するが、本発明に用いる透光性誘電体層は電圧印加層を構成する層であるため、必ずしも絶縁体である必要はなく、電圧印加層としての役割を果たす上では、むしろ導電性を有していた方が好ましい。本発明において、透光性誘電体層を用いているのは、透光性金属層に対して屈折率の差を十分にとるためである。このように、本発明に用いる透光性誘電体層は、透明性があり、透光性金属層に対して屈折率の差が十分に確保できる材料であれば足りるので、ある程度電気を通すアモルファス層などによって構成してもかまわない。
要するに、本発明における透光性誘電体層は、必ずしも絶縁性をもった層である必要はなく、アモルファス状態を含む酸化物層などによって構成することができる。このような観点では、これまで述べてきた実施例における透光性誘電体層は、絶縁体としての透光性酸化物層によって構成することもできるし、その代用として、アモルファス状態など若干の導電性を有する透光性酸化物層(厳密には、誘電体とは言えない材料層)に置き換えることもできる。
<<< §5. 調光プレートや調光装置への利用 >>>
これまで、本発明を調光フィルムの発明として説明してきたが、この調光フィルムは、産業上、調光プレート(剛性をもった調光基板)や、調光装置(調光機能を果たすための駆動機能をもった装置)として利用することが可能である。具体的には、図3に示す調光フィルム40、図8に示す調光フィルム50、もしくは図9に示す調光フィルム60を、ガラス基板などの光透過性をもつ光透過プレートに張り付けることにより、熱反射機能と調光機能とを兼ね備えた剛性を有する調光プレートを構成することができる。
図10は、本発明の第1の実施例に係る調光プレート200Aの基本構造を示す側断面図である。この調光プレート200Aは、図示のとおり、光透過プレート210、接合用中間層220、調光フィルム40,50,60を積層した構造を有する。
ここで、調光フィルム40,50,60は、図3に示す調光フィルム40、図8に示す調光フィルム50、もしくは図9に示す調光フィルム60のいずれかであり、熱反射機能と調光機能とを兼ね備えたシートである(図における符号40,50,60は、これまで述べてきた調光フィルム40,50,60のいずれかに相当することを示している)。なお、この調光フィルム40,50,60は、既に述べたとおり、実際には複数の層をもった積層構造体であるが、ここでは便宜上、積層構造の図示は省略する。
光透過プレート210は、ガラス基板などの光透過性をもつ剛性基板であり、調光フィルム40,50,60を支持するための支持体として機能する。もちろん、光透過プレート210は、ガラス以外の部材によって構成してもよく、たとえば、COP(Cyclo Olefin Polymer)などの樹脂からなる高剛性基板によって構成することもできる。また、光透過プレート210に紫外線阻害成分を含ませておけば、調光プレート200Aは、熱反射機能(赤外線反射機能)に紫外線反射機能を付加することができるようになる。
接合用中間層220は、ここに示す実施例の場合、一般にOCA(Optical Clear Adhesive Film)と呼ばれている光透過性を有する粘着性のフィルムによって構成されている。図示のとおり、この接合用中間層220は、調光フィルム40,50,60と光透過プレート210との間に配置され、調光フィルム40,50,60と光透過プレート210とを接合する役割を果たす。結局、調光フィルム40,50,60は、接合用中間層220によって、光透過プレート210に張り付けられた状態になる。このような接合用中間層220を用いると、光透過プレート210が曲面を有する構造体であった場合にも、調光フィルム40,50,60を支障なく張り付けることができる。
光透過プレート210は、剛性をもった基板であるため、調光プレート200Aは、熱反射機能と調光機能とを兼ね備えた透明な剛性板状部材になる。このような調光プレート200Aは、たとえば、自動車等の乗り物の窓などに装着して用いるのに適している。自動車等の窓は、その表面が曲面を形成している場合があるが、当該曲面に合致した光透過プレート210を用いれば、調光プレート200Aを窓の表面に支障なく装着することができ、窓に熱反射機能と調光機能とを付加することができる。
図11は、本発明の第2の実施例に係る調光プレート200Bの基本構造を示す側断面図である。この調光プレート200Bは、図10に示す調光プレート200Aの下面に、更に、反射防止層230を形成したものである。この反射防止層230を設けることにより、調光プレート200Bに、防眩機能や外光の映り込みを抑制する機能を付加することができる。
反射防止層230は、入射光を拡散させることで正反射を低減できるアンチグレア(Anti Glare)層、反射光の干渉を利用して正反射を低減できるアンチリフレクション(Anti Reflection)層、反射率の低い低反射材料によって構成される低反射(Low Reflection)層などによって構成することができる。
図12は、本発明の第3の実施例に係る調光プレート200Cの基本構造を示す側断面図である。この調光プレート200Cは、図示のとおり、第1の光透過プレート211、接合用中間層220、調光フィルム40,50,60、および第2の光透過プレート212を有している。調光フィルム40,50,60は、第1の光透過プレート211と第2の光透過プレート212との間に配置されている。そして、調光フィルム40,50,60と第1の光透過プレート211とは、接合用中間層220によって接合されている。
第1の光透過プレート211および第2の光透過プレート212は、図10に示す光透過プレート210と同様に、ガラス基板などの光透過性をもつ剛性基板である。したがって、図12に示す第1の光透過プレート211、接合用中間層220、調光フィルム40,50,60は、図10に示す調光プレート200Aと同様に3層からなる積層構造体になる。
一方、第2の光透過プレート212は、調光フィルム40,50,60に対して、若干距離をおいて配置されており、図示のとおり、調光フィルム40,50,60の下面と第2の光透過プレート212の上面との間には、所定の空隙部G(エアギャップ)が形成されている。図には示されていないが、第1の光透過プレート211と第2の光透過プレート212とは、相互間距離が一定に維持されるように、何らかの固定部材によって固定されている。空隙部Gには、空気が満たされることになるので、この調光プレート200Cには、更に、断熱材としての機能が付加される。
図13は、本発明の第4の実施例に係る調光プレート200Dの基本構造を示す側断面図である。この調光プレート200Dは、図12に示す調光プレート200Cの所定箇所に、反射防止層231,232,233を設けたものである。このように、調光フィルム40,50,60もしくは光透過プレート212(光透過プレート211でもよい)の表面に、反射防止層を形成すると、防眩機能や外光の映り込みを抑制する機能が付加される点は、前述した第2の実施例に係る調光プレート200Bと同様である。もちろん、この調光プレート200Dにおいても空隙部Gが維持されるため、断熱材としての機能も付加される。
図14は、本発明の第5の実施例に係る調光プレート200Eの基本構造を示す側断面図である。この調光プレート200Eは、図12に示す調光プレート200Cの空隙部Gの周囲をシール材240によって封止し、空隙部Gが密閉空間Sとなるようにしたものである。別言すれば、調光フィルム40,50,60の縁部(周囲部)から第2の光透過プレート212の縁部(周囲部)に至る部分が、シール材240によって封止されている。これにより、調光フィルム40,50,60と第2の光透過プレート212との間に形成された空隙部Gが密閉空間Sを構成することになる。
ここで、密閉空間Sを真空にしておけば、断熱効果を更に高めることができる。また、密閉空間Sに特定の材料を充填することにより、調光プレート200Eに別な機能をもたせることも可能である。たとえば、密閉空間Sにシリコーン(Silicone)を充填すれば、シリコーンのもつ機能特性を調光プレート200Eにもたせることができる。もちろん、密閉空間Sには、その他にも、任意の固定(ゲル状体を含む)、液体、気体や、これらの混合体を充填することも可能である。
図15は、本発明の第6の実施例に係る調光プレート200Fの基本構造を示す側断面図である。この調光プレート200Fは、図12に示す調光プレート200Cと同様に、調光フィルム40,50,60と、透光性をもつ第1の光透過プレート211および第2の光透過プレート212とを備え、更に、第1の接合用中間層221と第2の接合用中間層222とを備えている。そして、第1の接合用中間層221によって調光フィルム40,50,60と第1の光透過プレート211とが接合されており、第2の接合用中間層222によって調光フィルム40,50,60と第2の光透過プレート212とが接合されている。
結局、この調光プレート200Fは、第1の光透過プレート211、第1の接合用中間層221、調光フィルム40,50,60、第2の接合用中間層222、第2の光透過プレート212が、この順に積層された積層構造体によって構成されており、一対の光透過プレート211,212の間に、調光フィルム40,50,60が挟まれた状態で固着されている。一対の光透過プレート211,212としてガラス基板を用いれば、調光プレート200Fは、熱反射機能と調光機能とを兼ね備えた「合わせガラス」を構成することになる。
以上、本発明に係る調光フィルムを、剛性を有する調光プレートに利用する実施例をいくつか示したが、もちろん、本発明に係る調光プレートは、これらの実施例に限定されるものではなく、この他にも様々な構造を採用することができる。たとえば、上述した実施例における接合用中間層220,221,222としては、PVB(ポリビニルブチラール)樹脂製の、厚み760μmの光学透明粘着フィルムを用いているが、その他にも、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)、COP(シクロオレフィンポリマー)樹脂性の光学透明粘着フィルムを用いてもかまわない。もちろん、その厚みも材料等に応じて適宜選択することができる。もちろん、種々の接着剤を硬化させることにより、接合用中間層220,221,222を形成してもよい。
また、これら調光プレートに、更に、図1に示すような電源装置100を付加すれば、調光機能を果たすための駆動機能をもった調光装置を作成することができる。すなわち、電源装置100によって、調光プレートを構成する調光フィルムの上面側電圧印加層と下面側電圧印加層との間に所定の電圧を印加することにより、調光プレートの透光性を制御することができる。
10:調光フィルム
11:上面側保護層
12:上面側電圧印加層
13:調光層
14:下面側電圧印加層
15:下面側保護層
20:熱反射フィルム
21:保護層
22:熱反射層
23:粘着層
30:熱反射機能を有する調光フィルム
40:熱反射機能を有する調光フィルム
40A,40B,40C:熱反射機能を有する調光フィルム
41:上面側保護層
42:上面側電圧印加層(ファブリー・ペロー干渉フィルタ)
42a,42b,42c:ファブリー・ペロー干渉フィルタ
43:調光層
44:下面側電圧印加層
45:下面側保護層
50:熱反射機能を有する調光フィルム
51:上面側保護層
52:上面側電圧印加層
53:調光層
54:下面側電圧印加層(ファブリー・ペロー干渉フィルタ)
55:下面側保護層
60:熱反射機能を有する調光フィルム
61:上面側保護層
62:上面側電圧印加層(ファブリー・ペロー干渉フィルタ)
63:調光層
64:下面側電圧印加層(ファブリー・ペロー干渉フィルタ)
65:下面側保護層
100:電源装置
200A〜200F:調光プレート
210:光透過プレート(ガラス基板)
211:第1の光透過プレート(ガラス基板)
212:第2の光透過プレート(ガラス基板)
220,221,222:接合用中間層
230,231,232,233:反射防止層
240:シール材
421:透光性金属層
422:透光性誘電体層
423:透光性金属層
424:透光性誘電体層
425:透光性金属層
426:透光性誘電体層
427:透光性金属層
G:空隙部
L1〜L6:光
P:外部接続端子
Q:外部接続端子
S:密閉空間

Claims (16)

  1. 光の透過率を変化させる調光機能を有するとともに熱反射機能を有する調光フィルムであって、
    厚み方向に電圧を印加することにより光の透過率が変化する光学的性質を有する調光層と、
    前記調光層の上面に形成された透光性の層であって、前記調光層の上面に電圧を印加するための導電層を有する上面側電圧印加層と、
    前記調光層の下面に形成された透光性の層であって、前記調光層の下面に電圧を印加するための導電層を有する下面側電圧印加層と、
    前記上面側電圧印加層の上面に形成され、透光性を有する上面側保護層と、
    前記下面側電圧印加層の下面に形成され、透光性を有する下面側保護層と、
    を備え、
    前記上面側電圧印加層もしくは前記下面側電圧印加層またはその双方が、導電層を含む多層構造を有するファブリー・ペロー干渉フィルタを含み、前記導電層に電圧を印加することにより、前記調光層に電圧が印加されるように構成され、
    前記ファブリー・ペロー干渉フィルタが、可視光を透過し赤外光を反射する波長選択性を有することを特徴とする熱反射機能を有する調光フィルム。
  2. 請求項1に記載の調光フィルムにおいて、
    ファブリー・ペロー干渉フィルタが、一対の透光性金属層とこの一対の透光性金属層の間に介挿された透光性誘電体層とを有する多層構造を有することを特徴とする熱反射機能を有する調光フィルム。
  3. 請求項1に記載の調光フィルムにおいて、
    ファブリー・ペロー干渉フィルタが、一対の透光性金属層とこの一対の透光性金属層の間に介挿された透光性酸化物層とを有する多層構造を有することを特徴とする熱反射機能を有する調光フィルム。
  4. 請求項2または3に記載の調光フィルムにおいて、
    ファブリー・ペロー干渉フィルタが、n枚(但し、nは自然数)の透光性誘電体層もしくは透光性酸化物層と、(n+1)枚の透光性金属層とを、一対の透光性金属層が外側層となるように交互に積層させた交互積層膜によって構成されていることを特徴とする熱反射機能を有する調光フィルム。
  5. 請求項4に記載の調光フィルムにおいて、
    調光層に直接的に接している接触透光性金属層に、外部の電源装置に接続するための外部接続端子が取り付けられており、前記外部接続端子および前記接触透光性金属層を介して調光層に対する電圧印加が行われることを特徴とする熱反射機能を有する調光フィルム。
  6. 請求項4に記載の調光フィルムにおいて、
    調光層に直接的には接していない非接触透光性金属層に、外部の電源装置に接続するための外部接続端子が取り付けられており、前記外部接続端子および前記非接触透光性金属層ならびに前記非接触透光性金属層と調光層との間に配置された各層を介して、調光層に対する電圧印加が可能となるように、前記非接触透光性金属層と調光層との間に配置された透光性誘電体層もしくは透光性酸化物層の厚みが設定されていることを特徴とする熱反射機能を有する調光フィルム。
  7. 請求項4〜6のいずれかに記載の調光フィルムにおいて、
    透光性金属層が、厚み4〜40nmの金属または合金によって構成され、透光性誘電体層もしくは透光性酸化物層が、厚み30〜200nmの金属酸化物の結晶層もしくはアモルファス層によって構成されていることを特徴とする熱反射機能を有する調光フィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の調光フィルムにおいて、
    調光層が、液晶層、エレクトロクロミック層またはSPD(Suspended Particle Device)層によって構成されていることを特徴とする熱反射機能を有する調光フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の調光フィルムにおいて、
    上面側保護層および下面側保護層が、厚み1mm以上の合成樹脂層によって構成されていることを特徴とする調光フィルム。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の調光フィルムと、光透過性をもつ光透過プレートと、前記調光フィルムと前記光透過プレートとの間に配置され、前記調光フィルムと前記光透過プレートとを接合する接合用中間層と、を備えることを特徴とする調光プレート。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載の調光フィルムと、光透過性をもつ第1の光透過プレートおよび第2の光透過プレートと、接合用中間層と、を備え、
    前記調光フィルムは、前記第1の光透過プレートと前記第2の光透過プレートとの間に配置され、前記接合用中間層によって前記調光フィルムと前記第1の光透過プレートとが接合されていることを特徴とする調光プレート。
  12. 請求項11に記載の調光プレートにおいて、
    調光フィルムと第2の光透過プレートとの間に空隙部が形成されていることを特徴とする調光プレート。
  13. 請求項12に記載の調光プレートにおいて、
    調光フィルムと第2の光透過プレートとの間に形成された空隙部が密閉空間を構成するように、前記調光フィルムの縁部から前記第2の光透過プレートの縁部に至る部分がシール材によって封止されていることを特徴とする調光プレート。
  14. 請求項11に記載の調光プレートにおいて、
    第1の接合用中間層と第2の接合用中間層とを備え、前記第1の接合用中間層によって調光フィルムと第1の光透過プレートとが接合されており、前記第2の接合用中間層によって調光フィルムと第2の光透過プレートとが接合されていることを特徴とする調光プレート。
  15. 請求項10〜14のいずれかに記載の調光プレートにおいて、
    調光フィルムもしくは光透過プレートの表面に、反射防止層が形成されていることを特徴とする調光プレート。
  16. 請求項10〜15のいずれかに記載の調光プレートと、この調光プレートを構成する調光フィルムの上面側電圧印加層と下面側電圧印加層との間に所定の電圧を印加する電源装置と、を備えることを特徴とする調光装置。
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