JP7350399B2 - ヨットのマリーナからのリフト装置 - Google Patents

Description

本発明は、リフト装置に関し、特にヨットのマリーナからのリフト装置に関する。

１７世紀にヨーロッパで生まれたヨット産業は、３世紀以上にわたって進化を続け、現在ではセーリング、スポーツ、エンターテインメント、観光、レジャー、ビジネスの機能を統合した現代的な消費財産業として発展しつつある。近年中国の政府はヨット産業に注目し、中国の上海、山東、福建、遼寧、浙江、広東などの東部沿岸地方では、ヨット産業に関する計画を策定し、質の高い発展を促している。ヨットの数の急増に伴い、ヨットでの観光は娯楽やレジャーの手段になり、各地域で産業の発展を促進するための政策が積極的に導入されているが、航海中にヨットが耐航性のある状態にあるかどうかは、ヨット産業の運営上、重要な一環となる。

現在、中国で運航しているオープンボートの検査・認証は、主に各地方の船舶検査機関が行っており、検査規則によると、年次検査の際に船底の外部検査が義務付けられており、検査の際に、一般的にオープンボートはマリーナに係留されるため、船底の外部検査は困難である。また、オープンボートが浅瀬に係留される場合、船体構造やプロペラに一定の損傷を与える可能性がある。

本発明の目的は、船の安全調査員がヨットマリーナに係留されたオープンボートを検査する時に、船底の外部を容易に検査することを可能とするヨットのマリーナからのリフト装置を提供する。

本発明は、ヨットマリーナに固定される固定ベースを備え、前記固定ベースの頂部の両側には互いに対称する変位台が取り付けられ、前記変位台の頂部には回転台が取り付けられ、回転台の頂部には昇降台が取り付けられ、前記昇降台の頂板の中央には回転駆動部が固定され、回転駆動部内に機械アームが接続され、前記機械アームにはトグルプレートが設けられ、トグルプレートは回転駆動部の両側に位置し、機械アームの上部には複数の耐荷重アームが更に固定され、前記変位台、回転台、昇降台及び回転駆動部は、いずれも中央制御台に電気的に接続されるヨットのマリーナからのリフト装置を提供する。

前記回転台は、スペーサープレートにより変位台の耐荷重パネル上に取り付けられ、回転台は、機械アームを駆動して水平面の特定範囲において回転させる。

前記昇降台は、フランジにより回転台に接続され、昇降台は、自身の昇降機能により、オープンボートが垂直面において移動するようにし、オープンボートを水面からリフトさせる。

前記昇降台と機械アームとの間には支持アームが接続され、前記支持アームの一端は、昇降台の頂板の両側に設けられ、他端は、機械アームのフライホイールに溶接され、機械アームを固定・支持する役割をするとともに、機械アームの回転による摩擦抵抗を低減させることができる。

前記トグルプレート内にはフライホイールが配置され、前記フライホイールは機械アームにスリーブされ、機械アームを固定、支持する役割をするとともに、機械アームの回転による摩擦抵抗を低減させることができる。

前記耐荷重アームは、湾曲耐荷重アームであり、その外側にはゴムガスケットに覆われ、オープンボートをリフトさせる時の繊維強化プラスチックの船体へ与える損傷を防止することができる。

前記中央制御台は、運転室内に設けられ、前記運転室は、固定ベースに溶接される。

本発明は、以下の効果を有する。
（１）ヨットマリーナからオープンボートを水面以上の船の安全調査員の手の届く領域にリフトさせ、船の安全調査員の船底の外部検査を可能とし、ボートが浅瀬において航行うる際に発生する船体構造やプロペラへ与える損傷を回避することができる。
（２）変位台は、リフトの初期に装置全体を直線に沿って運動するように駆動することができるため、機械アームをオープンボートの適切な力受け位置に配置させ、リフト時のオープンボート全体にかかる力が不均一になることによる船体構造に与える損傷を回避する。
（３）２つの回転台が同時に回転する場合、機械アームの水平面における作用範囲を広げることにより、ゴムガスケットで覆われている湾曲耐荷重アーム上に幅の異なるオープンボートを乗せることができる。
（４）２つの回転台が同時に回転する場合、リフトされて水面から離脱するオープンボートを船の安全調査員の手の届く領域に回転させ、船の安全調査員が定期検査時に船底の外部検査を実現することができる。
（５）トグルプレート、支持アーム内にフライホイールを配置することで、機械アームを固定、支持する役割をするとともに、機械アームの回転による摩擦抵抗を低減することができる。
（６）昇降台が自身の昇降機能によりオープンボートを垂直面において移動するようにし、オープンボートを水面からリフトさせることで、船の安全調査員が水面下にあった船体の外板を検査可能となる。
（７）回転駆動部により機械アームを垂直面において回転させ、機械アームのゴムガスケットで覆われる湾曲耐荷重アームを回転するように駆動することで、湾曲耐荷重アームを船底に配置させ、オープンボートがその上に位置するようになり、その後の水面からのリフトのための事前準備をすることができる。
（８）湾曲耐荷重アームは、ボルトで機械アームに締め付けられ、湾曲耐荷重アームに対するメンテナンス及びゴムガスケットに対する取り替えを便利にする。
（９）ゴムガスケットを湾曲耐荷重アームに固定することで、ヨットをリフトする時のプラスチックの船体へ与える損傷を防止することができる。

本発明の平面図である。 図１の部分拡大図である。 本発明の正面図である。

以下、図面を参照して本発明を更に説明する。

図１～図３に示すように、本発明は、固定ベース２を備え、固定ベース２は、締め付けボルト３によってその外周に沿ってヨットマリーナに固定され、固定ベース２の中心線の後ろに寄る位置には運転室１が溶接され、運転室１内には中央制御台１４が取り付けられ、中央制御台１４には様々な制御ボタン及び操作ハンドル等が設けられ、中央制御台１４は、変位台４、回転台６、昇降台７及び回転駆動部８に電気的に接続される。

運転室１の左右の両側には互いに対称する変位台４が設けられ、ボルトにより各側の２つの変位台４が固定ベース２に平行に固定され、各側の２つの変位台４は、１つの制御装置により同期前進及び後退を行う。変位台４は、リフト初期に装置全体を直線に沿って運動するように駆動することで、機械アーム１１をオープンボートの適切な力受け位置に配置させ、リフト時のオープンボート全体にかかる力が不均一になることによる船体構造に与える損傷を回避する。

変位台４の頂部には回転台６が取り付けられ、回転台６はスペーサープレート５により変位台４の頂部の耐荷重パネルに固定される。回転台６は機械アーム１１を水平面の特定範囲において回転するように駆動し、２台の回転台６が同時に回転する場合、機械アーム１１の水平面における作用範囲広げ、ゴムガスケット１３で覆われている湾曲耐荷重アーム１２上に幅の異なるオープンボートを乗せることができる。回転台６は、リフトされて水面から離脱するオープンボートを船の安全調査員の手の届く領域に回転させ、船の安全調査員が定期検査時に船底の外部検査を実現することができる。

昇降台７はフランジにより回転台６の頂部に接続され、昇降台７は自身の昇降機能により、オープンボートを垂直面において移動するようにし、オープンボートを水面からリフトさせ、便船の安全調査員が水面下にあった船体の外板を検査することが可能となる。昇降台７の頂部の中央には回転駆動部８が固定され、回転駆動部８内には機械アーム１１が接続され、回転駆動部８の両側に位置する機械アーム１１にはトグルプレート９がそれぞれ取り付けられ、トグルプレート９内にはフライホイールが配置される。フライホイールの外輪は軸止めによりトグルプレートに強固に固定され、フライホイールの内輪の内径は機械アーム１１の外径寸法に合わせられ、機械アーム１１とフライホイールの内径は軸止めにより固定される。この時、機械アーム１１を固定、支持する役割をするとともに、機械アーム１１の回転による摩擦抵抗を低減することができる。回転駆動部８の主な役割は、機械アーム１１を垂直面において回転させ、機械アーム１１の湾曲耐荷重アーム１２を回転するように駆動することで、湾曲耐荷重アーム１２を船底に配置させ、オープンボートがその上に位置するようになり、その後の水面からのリフトのための事前準備をする。

機械アーム１１の上部には更に３列の湾曲耐荷重アーム１２が間隔をおいて均等に固定され、湾曲耐荷重アーム１２が締め付けボルト３により機械アーム１１に締め付けられることで、湾曲耐荷重アーム１２に対するメンテナンス、及びゴムガスケット１３に対する取り替えを便利にする。接触部位の機械アーム１１を研磨することで接触面積を増やし、３つの湾曲耐荷重アーム１２を設けることによって力受け面積を増やす。湾曲耐荷重アーム１２の外側にゴムガスケット１３が更に覆われることで、オープンボートをリフトする時の繊維強化プラスチックの船体へ与える損傷を防止することができる。昇降台７の頂部と機械アーム１１との間には支持アーム１０が更に固定され、支持アーム１０の一端は、昇降台７の頂部に溶接され、他端は、支持アーム１１に接続されるフライホイールの外輪に溶接される。前記フライホイールは、湾曲耐荷重アーム１２の下に位置する。支持アーム１０全体は二等辺三角形のような形状をしており、軸止めにより機械アーム１１とフライホイールの内輪とを固定する。この時に、機械アーム１１を固定する役割をするとともに、機械アームの回転による摩擦抵抗を低減することができる。取り付ける際に、機械アーム１１が回転駆動部８、加強トグルプレート９、支持アーム１０を通過する時にねじれないようにすることを確保することができる。

オープンボートがヨットマリーナのリフト装置に近くに係留されると、先ず、係留位置を確認し、変位台４を操作して円筒形の機械アーム１１をオープンボートの中央に位置させ、運転室１の左右の両側の２つの回転台６を操作して水平面において回転させ、機械アーム１１と湾曲耐荷重アーム１２とを駆動して一定の角度を形成し、オープンボートを形成された角度内に位置させる。操作運転室１の左右の両側の回転駆動部８により、機械アーム１１を回転させることで、機械アーム１１のゴムガスケット１３で覆われる湾曲耐荷重アーム１２を回転するように駆動し、湾曲耐荷重アーム１２を船底に位置させ、オープンボートをその上に安全に乗せることができる。昇降台７によりボートを水面からリフトさせ、船の安全調査員の手の届く領域に移動し、船底の外部検査を行う。

Claims (7)

1. ヨットマリーナに固定される平面視において矩形形状を有する固定ベース（２）を備え、
   前記固定ベース（２）の頂部の両側には互いに対称する変位台（４）が取り付けられ、
   前記変位台（４）の頂部には回転台（６）が取り付けられ、回転台（６）の頂部には昇降台（７）が取り付けられ、前記昇降台（７）の頂板の中央には回転駆動部（８）が固定され、回転駆動部（８）内には機械アーム（１１）が前記回転駆動部（８）に対して前記固定ベース（２）の短辺方向に平行する方向において延びるように接続され、前記機械アーム（１１）にはトグルプレート（９）が設けられ、トグルプレート（９）は回転駆動部（８）の両側に位置し、前記機械アーム（１１）の平面視において前記固定ベース（２）から突出される部分には複数の耐荷重アーム（１２）が前記機械アーム（１１）に垂直する方向に延びるように更に固定され、前記変位台（４）、回転台（６）、昇降台（７）及び回転駆動部（８）は、いずれも中央制御台（１４）に電気的に接続される、ことを特徴とするヨットのマリーナからのリフト装置。
2. 前記回転台（６）は、スペーサープレート（５）により変位台（４）の耐荷重パネルに取り付けられる、ことを特徴とする請求項１に記載のヨットのマリーナからのリフト装置。
3. 前記昇降台（７）は、フランジにより回転台（６）に接続される、ことを特徴とする請求項１に記載のヨットのマリーナからのリフト装置。
4. 前記昇降台（７）と機械アーム（１１）との間には、支持アーム（１０）が接続され、前記支持アーム（１０）の一端は昇降台（７）の頂板の両側に溶接され、他端は機械アーム（１１）に固定されるフライホイールに溶接される、ことを特徴とする請求項１又は３に記載のヨットのマリーナからのリフト装置。
5. 前記トグルプレート（９）内にはフライホイールが配置され、前記フライホイールは、機械アーム（１１）にスリーブされる、ことを特徴とする請求項１に記載のヨットのマリーナからのリフト装置。
6. 前記耐荷重アーム（１２）は、湾曲耐荷重アームであり、その外側には、ゴムガスケット（１３）が覆われる、ことを特徴とする請求項１に記載のヨットのマリーナからのリフト装置。
7. 前記中央制御台（１４）は、運転室（１）内に設けられ、前記運転室（１）は、固定ベース（２）に溶接される、ことを特徴とする請求項１に記載のヨットのマリーナからのリフト装置。