特許文献1に開示されるような従来の仮設トイレシステムでは、便器の周囲に個室空間を形成する仮設小屋として、テント式またはパネル組立式のものが設置される。仮設小屋を設置するときには、周囲に土嚢などの錘を置いたり、めがね杭などの杭を打ち込んだりした後、この錘または杭を固定用支点として、固定用ロープ等を用いて仮設小屋を固定していた。しかしながら、土嚢などの錘を用いた固定は、強風を考慮すると脆弱である。一方、杭を用いた固定は、ハンマ等による打込み作業が大変であって設置に時間を要する上、アスファルト面またはコンクリート面には使用できないという問題がある。
また、テント式またはパネル組立式の仮設小屋では、夜間には照明光を透過して使用者のシルエットが映ったり、施錠および素材そのものが脆弱であったりする等、必ずしも安心安全な空間を提供できないという問題がある。
また、特許文献1の仮設トイレシステムは、複数回の使用毎(たとえば2時間毎)に排水するもので、平常時において普段使用している水洗トイレとは異なる。被災直後は必要最低限のトイレとして使用者の欲求を満足させることができるが、被災後一定時間が経過し、電気、水道が復旧した後も避難所での生活を強いられる環境下では、必ずしも使用者の欲求を満たしているとは言えない。2016年4月に発生した熊本地震では、避難先において、トイレを我慢するために水分を十分に摂らない、車中泊をする等の制限された生活により、多くの方がエコノミークラス症候群を発症、生命に関わるケースもあり、問題となった。一部の避難所には、建設現場で使用されているタンク式の仮設レンタルトイレが設置されたが、タンクに溜まった用便からの臭気、タンクによる段差等、日常使い慣れた水洗トイレの使用感とは程遠く、避難所生活の負担を軽減するような快適な仮設トイレを提供するという視点が欠けている。
また、特許文献1の仮設トイレシステムを新規に設置するにあたっては、災害時のみにしか使用できない施設に費用をかけることに躊躇する施設導入検討者が少なくない。災害時だけでなく、花見、花火大会およびお祭り等のイベント開催時にも使用できることが望まれるが、テント式またはパネル組立式の仮設小屋では、前述の通り、平常時利用の仮設トイレとしては安心安全な空間を提供することはできない問題がある。
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、仮設トイレシステムを提供することである。
この発明の他の目的は、仮設トイレを容易に設置できる、仮設トイレシステムを提供することである。
この発明のさらに他の目的は、快適な仮設トイレを設置可能である、仮設トイレシステムを提供することである。
第1の発明は、便器および便器の周囲に個室空間を形成する仮設小屋を使用時に取り付けることで、仮設トイレとして使用される仮設トイレシステムであって、予め定めた便器の設置位置の地中に埋設される複数の縦管部材、縦管部材の下端部同士を接続する排水管、地表面と略面一となるように設けられ、縦管部材の上方を覆う縦管用蓋体、および縦管部材の周囲に設置され、仮設小屋を固定するためのロープまたはワイヤが接続される固定用支点を備え、仮設小屋は、施錠可能なドアを有するボックス型の小屋であり、固定用支点は、上端が地表面よりも下方に位置するように予め地中に埋設される、仮設トイレシステムである。
第1の発明では、仮設トイレシステムは、災害時またはイベント開催時などにおいて、便器およびその周囲に個室空間を形成する仮設小屋が取り付けられることによって、仮設トイレとして使用される。仮設トイレシステムは、地中に埋設される複数の縦管部材、縦管部材の下端部同士を接続する排水管、および縦管部材の上方を覆う縦管用蓋体を備える。また、縦管部材の周囲には、仮設小屋を固定するためのロープおよびワイヤが接続される、固定用支点が予め設置される。この固定用支点は、上端が地表面よりも下方に位置するように地中に埋設される。そして、仮設小屋として、テント式またはパネル組立式よりも強度に優れ、安全性の高いボックス型の小屋が用いられる。
第1の発明によれば、固定用支点を常設しておくので、仮設小屋を容易かつ強固に固定できる。したがって、仮設トイレの設置が容易となり、仮設トイレの設置時間を短縮できる。
また、施錠可能なドアを有するボックス型の仮設小屋のような重量物であっても、強固に固定できるので、強風時においても転倒の心配がなく設置できる。したがって、第1の発明によれば、快適な仮設トイレを設置可能である。
さらに、第1の発明によれば、風または雨の影響を受け難く、外灯によって使用者の影が映らない、安全性の高い快適なトイレ空間を提供できる。これにより、災害後の避難先において、トイレの使用を我慢するために水分を十分に摂らない被災者を減らし、エコノミークラス症候群の発症者を軽減することが可能になる。よって、単に利便性の問題に留まらず、被災者にとって、生命に関わるような重要な効果を発揮する。また、花見、花火大会およびお祭り等のイベント開催時にも使用することが可能になるため、災害トイレシステムの設置導入を促し、災害に強い街づくり、国土強靭化に貢献できる。
第2の発明は、便器および便器の周囲に個室空間を形成する仮設小屋を使用時に取り付けることで、仮設トイレとして使用される仮設トイレシステムであって、予め定めた便器の設置位置の地中に埋設される複数の縦管部材、縦管部材の下端部同士を接続する排水管、地表面と略面一となるように設けられ、縦管部材の上方を覆う縦管用蓋体、および縦管部材の周囲に設置され、仮設小屋を固定するためのロープまたはワイヤが接続される固定用支点を備え、仮設小屋は、施錠可能なドアを有するボックス型の小屋であり、固定用支点は、地表面と略面一の支点用蓋体によって上方が覆われており、支点用蓋体を開放することによって外部に露出する、仮設トイレシステムである。
第2の発明によれば、第1の発明と同様に、仮設トイレの設置が容易となり、仮設トイレの設置時間を短縮できる。また、快適な仮設トイレを設置可能である。さらに、仮設トイレシステムを使用しないとき(非使用時)に、固定用支点が邪魔になることはなく、また、使用したいときに固定用支点を容易に使用できる。
第3の発明は、第1または第2の発明に従属し、地中に埋設され、便器に水洗用の水を供給する水洗用給水管をさらに備える。
第3の発明では、水洗式の便器に水を供給するための水洗用給水管が予め埋設される。したがって、水洗式の便器の設置作業が容易となり、仮設トイレの設置時間を短縮できる。また、水洗用給水管の接続方法に工具が不要な簡易な手法を選択すれば、給水専業者でなくても給水管の接続・解体が可能になる。さらに、水洗式の便器に設けられた封水トラップにより、縦管部材および排水管から仮設小屋内への臭気の侵入を防ぐことが可能になり、衛生的で快適なトイレ空間を提供できる。
第4の発明は、第1または第2の発明に従属し、地上に仮設される水洗用給水管を接続するための水栓をさらに備える。
第4の発明では、地中または地上に常設される水栓をさらに備える。この水栓には、災害時などに地上に仮設される、水洗式の便器に水を供給するための水洗用給水管が接続される。このように予め水栓を設けておくことで、仮設の水洗用給水管の設置作業が容易となる。したがって、水洗式の便器の設置作業が容易となり、仮設トイレの設置時間を短縮できる。
第5の発明は、第3または第4の発明に従属し、水洗用給水管の上流側は、水道管に接続される第1管部と、給水タンクに接続される第2管部とに分岐しており、水洗用給水管に対する給水源が水道管と給水タンクとで切り替え可能である。
第5の発明によれば、水道管が復旧するまでは給水タンクを給水源とし、水道管が復旧した後は給水源を水道管に切り替えて使用するというような使用方法が可能となるので、仮設トイレシステムの利便性が向上する。大地震等の発災時には、水道、電気、ガスといったライフラインが停止するが、ライフラインは、被害状況の調査の後、順次復旧が進められる。家屋の被災者は、暫くは避難所での生活を強いられるが、給水タンクへの給水源を確保することで、給水が復旧する前段階から水洗トイレの使用が可能になる。水道管が復旧した後には、給水源を水道管に切り替えることで、ロータンクへの給水が早くなり、日常使い慣れた水洗トイレの使用環境にスムーズに移行することができる。
第6の発明は、第1から第5のいずれかの発明に従属し、地中に埋設され、仮設小屋に設けられる照明器具に電力を供給する電気配線をさらに備える。
第6の発明では、電気配線が予め埋設される。したがって、電気配線の設置作業が容易となり、仮設トイレの設置時間を短縮できる。
第7の発明は、第1から第6のいずれかの発明に従属し、排水管の下流側に設けられる排水貯留槽をさらに備える。
第7の発明では、排水管の下流側に排水貯留槽が設けられる。したがって、災害時において、下水本管が破損する等して使用できないときでも、排水を排水貯留槽の内部に一時的に貯留しておくことができるので、仮設トイレを使用することが可能となる。
この発明によれば、固定用支点を常設しておくので、仮設小屋を容易かつ強固に固定できる。したがって、仮設トイレの設置が容易となり、仮設トイレの設置時間を短縮できる。また、施錠可能なドアを有するボックス型の仮設小屋のような重量物であっても強固に固定できるので、快適な仮設トイレを設置可能である。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
図1および図2を参照して、この発明の一実施例である仮設トイレシステム10(以下、単に「システム10」と言う。)は、複数の縦管部材12、排水管14および固定用支点16等を含み、災害が発生した際に避難場所となる学校および公園、或いはマンション等の空きスペースの地中に予め施工(つまり常設)される。そして、災害時およびイベント開催時などの使用時には、所定位置に便器102および仮設小屋104が取り付けられることによって、仮設トイレ100として使用される。
図1-図3に示すように、縦管部材12は、予め定めた便器102の設置位置に対応させて地中に埋設される部材であり、この実施例では、5基の縦管部材12が2000mm毎に直線状に並んで配置される。縦管部材12の内径は、たとえば300mmである。
縦管部材12としては、公知の合成樹脂製の汚水桝(小型マンホール)等を用いることができる。この実施例では、リブ付の横管部12aと首振り機能を有する立上り管部12bとを備える硬質塩化ビニル製の汚水桝が縦管部材12として用いられる。また、立上り管部12bの上端部に長さ調整用の直管12cを接続することにより、縦管部材12の長さがその埋設位置に応じて適宜調整される。ただし、縦管部材12の個数、形状、材質および配置態様などは、設置場所などの状況に応じて適宜変更可能である。
排水管14は、縦管部材12の下端部(横管部12a)同士を連結し、たとえば18mm/1000mmの所定の下り勾配で配設される。排水管14は、その外周面に複数のリブが形成されたリブ付管であって、硬質塩化ビニル等の合成樹脂によって形成される。排水管14の内径は、たとえば150mmである。
排水管14の下流側端部は、下水本管108に繋がる公共桝106に接続される。つまり、排水管14は、複数の縦管部材12と公共桝106とを接続する。一方、排水管14の上流側端部には、排水管14内に洗浄用水を送り込むための給水タンク(排水管用給水タンク)18が設けられる。給水タンク18は、硬質塩化ビニル等の合成樹脂によって有底角筒状に形成され、その上端開口部には、蓋体が着脱可能に装着される。給水タンク18の側壁下端部には、排水管14の上流側端部と接続される流出口18aが形成され、この流出口18aには、ゲート弁(図示せず)が設けられる。給水タンク18内に供給された水は、ゲート弁を開くことによって、流出口18aから排水管14内に洗浄用水として流される。ただし、ゲート弁は必ずしも設ける必要はなく、給水タンク18内に供給された水がそのまま、流出口18aから排水管14内に供給されるようにしてもよい。また、給水タンク18の材質および形状等は、適宜変更可能である。
給水タンク18内に洗浄用水を供給する給水源としては、雨水や水道水などを予め貯水しておいた貯水槽、井戸または水道管などを利用するとよい。たとえば、本願出願人等によって製造販売されている雨水貯留槽であるRAIN望スタジアムII(商品名)を排水管14の配管経路に隣接させて設置しておき、この雨水貯留槽内に溜まった雨水を給水タンク18内に供給するとよい。
上述のような複数の縦管部材12、排水管14および給水タンク18が仮設トイレ100の排水設備として使用される。
また、各縦管部材12の上端部を囲むように、合成樹脂製の台座20が埋設される。この台座20には、受枠、内蓋および鉄蓋(縦管用蓋体)22a等で構成される防護蓋22が載置される。すなわち、台座20には、略矩形筒状の鉄製の受枠が載置される。この受枠の下端部は、テーパ状に形成されており、そこに略短円筒形の下端開口部が形成される。また、受枠の上端開口部には、地表面に臨む(つまり地表面と略面一の)鉄蓋22aが設けられ、受枠の下端開口部には、内蓋が装着される。防護蓋22の鉄蓋22aおよび内蓋を取り外すことによって、縦管部材12の上端開口部が外部に開放される。
そして、この実施例では、縦管部材12の周囲に、仮設小屋104の固定に用いられる固定用支点16が予め埋設される。この固定用支点16は、仮設小屋104を固定するためのロープおよびワイヤ等の固定部材110が接続されるものであり、配置態様は特に限定されないが、たとえば、仮設小屋104のドア104aを正面として、縦管部材12の両側に2つずつ設けられる。なお、隣り合う縦管部材12の間に設けられる固定用支点16は、両側の仮設小屋104の固定に兼用される。
具体的には図4に示すように、この実施例では、上端部にリング状部16aを有し、下端部に屈曲部16bを有するめがね杭が、固定用支点16として用いられる。また、固定用支点16の周囲を囲繞するように、硬質塩化ビニル等の合成樹脂製の管部材30が地中に埋設される。管部材30は、上部の径小部30aと下部の径大部30bとこれらを連結するテーパ部30cとを含み、管部材30内には、上端部に空間32を残してコンクリート34が充填される。管部材30の径小部30aの内径は、たとえば50mmであり、径大部30bの内径は、たとえば100mmである。また、管部材30の軸方向長さは、たとえば400mmである。固定用支点16は、リング状部16aが空間32に突出するように、コンクリート34内に埋め込まれることで固定される。
また、管部材30の上端開口部には、地表面に臨む合成樹脂製の蓋体(支点用蓋体)36が開閉自在に装着される。つまり、固定用支点16は、地表面と略面一の蓋体36によって上方が覆われており、蓋体36を取り外す(開放する)ことによって外部に露出する。したがって、システム10を使用しない通常時(非使用時)において、固定用支点16が邪魔になることはない。また、使用したいときに、固定用支点16を容易に使用できる。
ただし、固定用支点16の具体的な形状および設置態様は、適宜変更可能である。たとえば、蓋体36は、この実施例では管部材30から取り外し可能なものであるが、ヒンジ等を用いて、管部材30に対して開閉可能に連結されたものであってもよい。また、たとえば、図5に示すように、上端部にD状部16cを有し、外周面に複数の環状突起16dが形成されたP型のめがね杭(Pアンカ)を固定用支点16として用いることもできる。図5に示す固定用支点16の場合には、ハンマ等を用いて固定用支点16が地中に打ち込まれる。また、固定用支点16のD状部16cの周囲に空間32を形成するように、短管状の管部材30が設けられ、管部材30の上端開口部には、地表面に臨む合成樹脂製の蓋体36が着脱自在に装着される。さらに、たとえば、固定用支点16は、防護蓋22の受枠を利用して固定される場合もある。さらにまた、固定用支点16は、必ずしも蓋体36によって覆われる必要はなく、また、リング状部16aおよびD状部16c等の連結部が地表面から突出した状態で設置されてもよい。
このような固定用支点16をシステム10の施工時に予め埋設(つまり常設)しておくことにより、災害時などに固定用支点16を仮設する必要がなくなるので、仮設小屋104の固定作業が容易となる。また、固定用支点16を強固なものにすることもできる。すなわち、固定用支点16を常設しておくことで、仮設小屋104を容易かつ強固に固定できるようになる。
以上のようなシステム10を、地中に予め施工しておくことにより、災害時またはイベント開催時などに、仮設トイレ100を早急にしかも簡単に設置することが可能になる。
図1および図2と共に図6を参照して、システム10を仮設トイレ100として使用する際には、防護蓋22の鉄蓋22aおよび内蓋を取り外し、各縦管部材12の上方に、便器102と便器102の周囲に個室空間を形成する仮設小屋104とを仮設する。仮設小屋104を設置する際には、蓋体36を取り外して固定用支点16を露出させ、仮設小屋104に掛け渡した固定部材110をこの固定用支点16に接続することにより、仮設小屋104を固定する。
この実施例では、災害時などにおいても、使用者に対して安心かつ快適なトイレ空間を提供するため、便器102として水洗式の洋式便器が用いられる。この便器102は、陶器製、樹脂製、その他の材質でもよい。また、仮設小屋104としては、テント式またはパネル組立式よりも強度に優れ、安全性の高いボックス型の小屋が用いられる。具体的には、この実施例の仮設小屋104は、施錠可能なドア104aを有するボックス型の小屋であって、ポリエチレン等の合成樹脂によって形成される。仮設小屋104の側壁、底壁およびドア104a等は、中空の二重壁によって構成される。また、仮設小屋104の天壁には、固定部材110を掛け渡すための溝部104bが形成される。
さらに、仮設小屋104には、便器102に水洗用の水を供給するロータンク112、図示しない照明器具および換気扇なども設けられる。ロータンク112には、地上に予め設置した水栓114から地表面上に沿って配設される仮設の水洗用給水管116が接続され、この水洗用給水管116からロータンク112を介して便器102に水洗用の水が供給される。ただし、仮設の水洗用給水管116を接続するための水栓114は、地中に予め埋設しておいてもよい。地上または地中に水栓114を予め設けておくことで、仮設の水洗用給水管の設置作業が容易となる。
なお、上述のような便器102および仮設小屋104としては、建設現場などで使用されるボックス型の仮設トイレの便槽を除く部分(つまり便器および小屋の部分)をそのまま使用できる。一例として、日野興業株式会社製の水洗式仮設トイレ(品名:GX-WSまたはLX-WS)等を便器102および仮設小屋104として使用するとよい。
このような便器102および仮設小屋104を用いることにより、風または雨の影響を受け難く、外灯によって使用者の影が映らない、安全性の高い快適なトイレ空間を提供できる。また、水洗式の便器102に設けられた封水トラップにより、縦管部材12および排水管14から仮設小屋104内への臭気の侵入を防ぐことが可能になり、衛生的で快適な空間を提供できる。これにより、災害後の避難先において、トイレの使用を我慢するために水分を十分に摂らない被災者を減らし、エコノミークラス症候群の発症者を軽減することが可能になる。よって、単に利便性の問題に留まらず、被災者にとって、生命に関わるような重要な効果を発揮する。また、花見、花火大会およびお祭り等のイベント開催時にも使用することが可能になるため、システム10の設置導入を促し、災害に強い街づくり、国土強靭化に貢献できる。
また、ボックス型の仮設小屋104は、組み立て作業が不要であるので、設置作業が容易である。さらに、仮設小屋104の下の便槽が不要であるので、仮設小屋104の入口部分の段差を無くすことができ、バリアフリー化を図ることができる。ただし、便器102および仮設小屋104の材質、形状および付属品などは、適宜変更可能である。
また、図6に示すように、便器102および仮設小屋104を設置するときには、防護蓋22の受枠の上端開口部と仮設小屋104の下面との間に、防臭用パッキン118が挟み込まれる。この防臭用パッキン118によって、縦管部材12および排水管14内の臭気が、仮設小屋104の下面と地表面との間の隙間を通って外部に漏れることが防止される。
さらに、図7に示すように、便器102の排水口102aには、縦管部材12まで延びる短筒状の案内部材120が接続される。案内部材120の具体的構成は特に限定されないが、案内部材120は、たとえば、図7(A)に示すように、蝶ねじ122を用いて排水口102aに接続される合成樹脂管であってもよい。また、たとえば、図7(B)に示すように、バンド124を用いて排水口102aに接続されるゴムホースであってもよい。このような案内部材120によって、便器102からの排水は、周囲に飛び散ることなく(つまり防護蓋22の受枠を汚すことなく)、スムーズに縦管部材12内に導かれる。
そして、上述のような仮設トイレ100が使用されて、各便器102から縦管部材12内に排出された汚物が溜まってきたときには、給水タンク18のゲート弁を開いて、給水タンク18の流出口18aから排水管14内に所定量の洗浄用水を流入させる。なお、給水タンク18のゲート弁を開くタイミングや給水タンク18から送り込む洗浄用水の量は、各縦管部材12内に溜められた汚物を比較的少ない洗浄用水で掃流させることができるように適宜調整する。
給水タンク18から排水管14に供給された洗浄用水は、排水管14および縦管部材12の下端部(横管部12a)内を所定の速度で流下する。そして、各縦管部材12内に溜められた汚物を洗い流しつつ、公共桝106に導かれて、公共桝106から下水本管108に排出される。これによって、仮設トイレ100を衛生的に使用できる。
なお、ロータンク112から便器102に供給する水洗用の水が十分な場合には、各便器102からの汚物が縦管部材12および排水管14内に溜まらずに公共桝106に導かれて、公共桝106から下水本管108に排出されるため、給水タンク18から排水管14に送り込む洗浄用水は必要ない。
以上のように、この実施例によれば、固定用支点16を常設しておくので、仮設小屋104を容易かつ強固に固定できる。したがって、仮設トイレ100の設置が容易となり、仮設トイレ100の設置時間を短縮できる。
また、この実施例によれば、施錠可能なドアを有するボックス型の仮設小屋104のような重量物であっても、強固に固定できるので、強風時においても転倒の心配がなく設置できる。したがって、快適な仮設トイレ100を設置可能である。
なお、上述の実施例では、便器102に水洗用の水を供給する水洗用給水管116をシステム10の使用時に仮設するようにしたが、水洗用給水管は、システム10の施工時に予め埋設(つまり常設)しておくこともできる。
たとえば、図8-図10に示す実施例では、水洗用給水管40が排水管14に沿うように埋設される。水洗用給水管40の上流側は、給水源である図示しない水道管に接続されており、水洗用給水管40には、最上流側の縦管部材12よりも上流側となる位置に止水栓42が設けられる。止水栓42の上方は、開閉自在の蓋体44によって覆われる。また、水洗用給水管40は、各縦管部材12の周囲において分岐しており、そこに管接続部(便器側管接続部)46が設けられる。管接続部46としては、ネジ継手またはカプラ等を用いるとよい。また、管接続部46の周囲に空間を形成するように、短管状の管部材48が設けられ、管部材48の上端開口部には、地表面に臨む図示しない蓋体が開閉自在に装着される。災害時などの使用時には、管接続部46に仮設の連結管126が接続され、この連結管126を介して水洗用給水管40とロータンク112とが接続される。
このように水洗用給水管40を常設しておくことで、水洗用給水管40とロータンク112とを仮設の連結管126によって接続するだけで、水洗式の便器102が使用可能となる。すなわち、水洗用給水管40を常設しておくことで、水洗式の便器102の設置が容易となり、仮設トイレ100の設置時間を短縮できる。また、水洗用給水管40の管接続部46としてネジ継手またはカプラのような簡易な接続手法を用いるので、給水専業者でなくても接続・解体が可能になる。
なお、水洗用給水管40の給水源としては、図11および図12に示すように、給水タンク(給水管用給水タンク)130を用いることもできる。この場合、水洗用給水管40の上流側端部には、ネジ継手またはカプラ等の管接続部(給水源側管接続部)50が設けられる。また、管接続部50の周囲に空間を形成するように、矩形枠状の保護部材52が設けられ、保護部材52の上端開口部には、地表面に臨む図示しない蓋体が開閉自在に装着される。給水タンク130としては、たとえば、段ボール製の八角筒状の筐体内にポリエチレン製の内袋を収容したものを用いるとよい。災害時などの使用時には、ロータンク112よりも給水タンク130の方が高い位置にくるように、架台132上に給水タンク130が設置され、給水タンク130の注ぎ口と水洗用給水管40の管接続部50とが仮設の連結管134を介して接続される。そして、高低差を利用した自然流下によって、給水タンク130内の水が、水洗用給水管40を通ってロータンク112に供給される。
また、水洗用給水管40の給水源は、図13に示すように、水道管と給水タンク130とで切り替え可能とすることもできる。この場合、水洗用給水管40の上流側は、図示しない水道管に接続される第1管部40aと、連結管134を介して給水タンク130に接続される第2管部40bとに分岐される。そして、第1管部40aと第2管部40bとの分岐部に図示しない三方弁が設けられることにより、或いは、第1管部40aおよび第2管部40bのそれぞれに仕切弁が設けられることにより、いずれか一方の給水源が選択可能とされる。このように、水洗用給水管40に対する給水源を選択可能としておくことで、たとえば、水道管が復旧するまでは給水タンク130を給水源とし、水道管が復旧した後は給水源を水道管に切り替えて使用できる。したがって、システム10の利便性が向上する。大地震等の発災時には、水道、電気、ガスといったライフラインが停止するが、ライフラインは、被害状況の調査の後、順次復旧が進められる。家屋の被災者は、暫くは避難所での生活を強いられるが、給水タンク130への給水源を確保することで、給水が復旧する前段階から水洗トイレの使用が可能になる。水道管が復旧した後には、給水源を水道管に切り替えることで、ロータンク112への給水が早くなり、日常使い慣れた水洗トイレの使用環境にスムーズに移行することができる。
さらに、図示は省略するが、水洗用給水管40と同様にして、仮設小屋104に設けられる照明器具などに電力を供給する電気配線(配電ケーブル)をシステム10の施工時に予め埋設(つまり常設)しておくこともできる。この場合には、地中に保護管を埋設し、その保護管の内部に電気配線を配設するとよい。埋設される電気配線の先端部には、仮設小屋104側の電気配線と接続可能なコンセントを含む配電設備が地上に設けられる。これによって、電気配線の設置作業が容易となり、仮設トイレ100の設置時間を短縮できる。
さらにまた、図14に示すように、排水貯留槽60を排水管14の下流側に設けておくこともできる。たとえば、排水貯留槽60は、レジンコンクリートによって略矩形の箱状に形成され、排水管14の下流側端部は、この排水貯留槽60の上部を貫通するように配管される。また、排水管14には、排水貯留槽60内を通る部分において、分岐管部62aを有する管継手62が組み込まれる。そして、この分岐管部62aを開放するか否かによって、排水をそのまま下水本管108に排出するか、排水貯留槽60内に一時的に貯留しておくかを選択可能とされる。このような排水貯留槽60を設けておくことで、災害時において、下水本管108が破損する等して使用できないときでも、排水を排水貯留槽60の内部に一時的に貯留しておくことができるので、仮設トイレ100を衛生的に使用することが可能となる。
また、上述の実施例では、縦管部材12の上方に、地表面に臨む鉄蓋22aを有する防護蓋22を設けるようにしたが、防護蓋22を省略することもできる。図示は省略するが、たとえば、縦管部材12の上端開口部に略円板状の合成樹脂製の蓋体(縦管用蓋体)を装着し、この蓋体が地表面に臨むように縦管部材12を埋設することもできる。使用時において、縦管部材12の上方に便器102を取り付ける際には、この蓋体を取り外すだけでよい。
また、上述の実施例では、各縦管部材12の上方に洋式の便器102を設置するようにしたが、和式の便器を設置することもできる。また、防護蓋22の受枠をそのまま和式便器として利用することもできる。また、全てを洋式または和式にする必要はなく、たとえば、洋式と和式とを半数ずつ設置してもよい。さらに、便器102は、水洗式、簡易水洗式または非水洗式のいずれであっても構わない。図6に示すように、案内部材120は各縦管部材12内に収まるため、水洗式、簡易水洗式または非水洗式のいずれの便器102であっても接続可能である。
さらに、上述の実施例では、仮設小屋104として施錠可能なドア104aを有するボックス型の小屋を用いるようにしたが、仮設小屋104は、テント式またはパネル組立式のものであってもよい。つまり、固定用支点16は、テント式またはパネル組立式の仮設小屋104の固定に用いることもできる。たとえば、災害発生時の当初は、簡易な非水洗式の便器102およびテント式の仮設小屋104を設置しておき、避難が長引いてきた場合に、上述のような水洗式の便器102およびボックス型の仮設小屋104を設置し直すようにしてもよい。
さらにまた、上述の実施例では、便器102として下側に排水口102aを有する床排水便器(S型便器)を例示しているが、便器102は、後ろ側(側方)に排水口102aを有する床上排水便器(P型便器)であってもよい。図15および図16に示すように、便器102としてP型便器を用いる場合には、仮設小屋104の下側に底上げ部140が設けられる。底上げ部140は、枠体142と、便器102からの排水を縦管部材12まで導く排水配管144とを含む。枠体142は、仮設小屋104の下縁部に沿う矩形枠状に形成され、仮設小屋104の下側に所定高さの空間を形成する。枠体142の後ろ側の側壁には、開口部142aが形成されており、この開口部142aを通るように排水配管144が配管される。排水配管144は、仮設小屋104の後ろ側の側壁から縦管部材12まで延びる管であって、曲管部144aと横管部144bと縦管部144cとを含む。このような排水配管144は、工場等で事前加工(プレファブユニット化)しておくとよい。これによって、仮設トイレ100の設置時間および解体時間を短縮することができる。また、排水配管144の横管部144bには、ゴム輪受口と差口とによって構成される伸縮継手を組み込んでおくとよい。これによって、縦管部材12との位置調整が可能となるので、縦管部材12の径および配置などが異なる多様なシステム10にプレファブユニット化した排水配管144を適用できるようになる。なお、枠体142と排水配管144とは、着脱可能に予め一体化しておいてもよい。
このような底上げ部140を用いて便器102および仮設小屋104を設置する際には、先ず、防護蓋22の鉄蓋22aおよび内蓋を取り外し、縦管部材12の上方の地表面に枠体142を載置する。次に、枠体142の開口部142aに排水配管144を通し、縦管部144cの下流側端部を縦管部材12の上端部に嵌め込んだ状態で、固定金具146を用いて排水配管144を固定する。続いて、枠体142の上に仮設小屋104を載置し、便器102の排水口102aと排水配管144の曲管部144aの上流側端部とを自在継手148を用いて接続する。その後、仮設小屋104に掛け渡した固定部材110を固定用支点16に接続することにより、仮設小屋104を固定する。このように、プレファブユニット化した排水配管144を用いることで、仮設トイレ100の設置が容易となる。また、排水配管144は、繰り返し使用することもできるので、環境保全に役立つ。
また、上述の実施例では、仮設小屋104の底板に対して便器102が予め固定的に一体化されているものを用いたが、便器102は、仮設小屋104の底板に対して着脱可能であってもよい。これによって、仮設小屋104の位置決め作業および便器102から縦管部材12への排水管(案内部材120)の配管作業が容易となる。たとえば、便器102としてS型便器を用いる場合には、先ず、仮設小屋104を所定位置に設置する。この際には、仮設小屋104の底板に形成された便器102の排水口102aを通すための開口の位置と、縦管部材12の位置とを合わせるようにする。縦管部材12の位置は、底板の開口から目視できるので、底板の開口と縦管部材12との位置合わせは容易に行うことができる。一方、便器102の排水口102aには、案内部材120を予め接続しておく。そして、仮設小屋104の底板の開口に案内部材120および排水口102aを通し、案内部材120の下端部を縦管部材12の上端部に嵌め込むことで、仮設小屋104の底板上に便器102を設置する。その後、ボルト等を用いて便器102を底板に固定すると共に、便器102とロータンク112とを接続する。このように、便器102を仮設小屋104の底板に対して着脱可能としておくことで、便器102および仮設小屋104の設置作業が容易となるので、作業者1人での施工も可能となる。なお、便器102の下面と仮設小屋104の底板の開口周縁部との間には、防臭用パッキンを挟み込んでおくとよい。
また、便器102を仮設小屋104の底板に対して着脱可能とする場合には、底板に対する便器102の位置を調整可能とすることもできる。たとえば、仮設小屋104の底板には、比較的大きな開口部を形成しておく。一方、便器102の下面側には、位置調整板を設けておく。位置調整板は、仮設小屋104の底板に形成した開口部よりも大きい外形状を有し、かつ、便器102の排水口と連通される最小限の大きさの開口部が形成されたものである。なお、位置調整板は、便器102に対して着脱可能に取り付けられてもよいし、一体成形されていてもよい。また、位置調整板の開口部には、縦管部材12まで延びる短筒状の案内部材120を接続しておくとよい。これによって、便器102に位置調整機能を持たせることができるので、仮に仮設小屋104の設置位置が所定位置からずれたとしても、便器102の位置を調整することで、案内部材120の位置と縦管部材12の位置とを合わせることができる。また、案内部材120として蛇腹管またはゴムホース等の可撓性を有する管を用いるようにすれば、仮に案内部材120の位置が縦管部材12の位置から少しずれたとしても、その位置ずれを吸収できるようになる。
また、上述の実施例では、仮設小屋104の底板が固定的に一体化されているものを用いたが、底板のない仮設小屋104と仮設小屋104と分離された敷板であってもよい。たとえば、便器102としてS型便器を用いる場合には、先ず、敷板を所定位置に設置する。この際には、敷板に形成された便器102の排水口と連通される最小限の大きさの開口の位置と、縦管部材12の位置を合わせるようにする。そして、底板のない仮設小屋104を所定位置に設置する。そして、敷板の開口に案内部材120および排水口102aを通し、案内部材120の下端部を縦管部材12の上端部に嵌め込むことで、敷板上に便器102を設置する。その後、ボルト等を用いて便器102と敷板を固定すると共に、便器102とロータンク112とを接続する。このように底板のない仮設小屋104と敷板を用いることで、仮設小屋104の設置作業が容易となるので、作業者1人での施工も可能になる。敷板は仮設小屋104の底板より、大きくても小さくてもよく、仮設小屋104は、テント式またはパネル組立式のもであってもよい。
さらに、上述の実施例では、固定用支点16から仮設小屋104の天壁に掛け渡した固定部材110によって仮設小屋104を固定するようにしたが、仮設小屋104をより強固に固定するために、さらに、ロープ等の補助固定部材を固定用支点16から仮設小屋104の周方向に巻くようにして仮設小屋104を固定してもよい。また、補助固定部材として、仮設小屋104の下面と地表面との間にゴム板等の滑り止め用の板材を設けておくこともできる。この滑り止め用の板材は、仮設小屋104の下面の全周に設けておくことで、防臭機能も発揮する。さらに、仮設小屋104が底上げ部140を有する場合には、補助固定部材として、防護蓋22の受枠にLアングル等の支持金具を取り付け、底上げ部140の枠体142の内側から仮設小屋104を固定することもできる。このように、仮設小屋をより強固に固定するための補助固定部材を設けておくことによって、仮設小屋104の側面から強い力が加わったとしても、仮設小屋104の横ずれを確実に防止できる。したがって、仮設小屋104の横ずれに起因する配管接続部の抜けまたは配管位置のずれ等の発生が無くなり、排水が漏れる等の不具合の発生が防止される。
また、水洗式の便器102を用いる場合には、便器102に供給する水洗用の水の量(排水量)を変更可能にすることもできる。排水量を変更する方法としては、たとえば、ロータンク112内に設けられるボールタップの設置位置を調整可能にすることが考えられる。また、たとえば、ロータンク112内に風船を入れたり、ロータンク112内に堰を設けておき、この堰を着脱したりすること等によって、ロータンク112の容積を調整可能にすることが考えられる。このように、便器102への排水量を変更可能としておくことによって、給水が十分なときと不十分なとき等、状況に応じた対応が可能となる。たとえば、発災による断水時には、1回あたりの排水量を必要最小限に調整することで、貴重な水を節約する。一方、給水が復旧した際には、通常の排水量に調整し、確実に排水できる環境を提供するとよい。
また、ボックス型の仮設小屋104を用いる場合には、仮設小屋104の天壁(屋根)上に吸気弁を備える給水タンク(バッファタンク)を設置し、水洗用給水管116からの給水は、この給水タンクを介してロータンク112に供給するようにしてもよい。水洗式の便器102を複数設置した場合に、トイレの使用が集中したことによって水洗用給水管116からの給水量が不足した際には、ロータンク112への充水時間、つまり待ち時間が長くなってしまう。これに対して、仮設小屋104の天壁上に吸気弁を備える給水タンクを設置しておくことにより、水洗用給水管116からの給水圧が下がる給水不足時には、給水タンク内に貯留された水が重力によってロータンク112に供給されるため、待ち時間を低減することができる。
また、仮設トイレ100の防臭対策として、排水時は開き、通常時は密閉状態となるフラップ弁または自封式トラップ(自己閉鎖膜)等の臭気遮断部を縦管部材12に設けることもできる。これによって、簡易水洗式または非水洗式などの簡易な便器102を用いる場合でも、下水本管108に繋がる縦管部材12からトイレ空間(仮設小屋104)内への臭気の漏れを防止または抑制することができる。また、縦管部材12からトイレ空間内への蚊の侵入も防止または抑制することができるので、蚊媒介感染症の予防に繋がる。さらに、便器102の封水トラップが不要となるため、更なる節水化が可能になる。さらにまた、システム10の非使用時においても、縦管部材12から外部(地上)への臭気の漏れを防止または抑制できる。なお、フラップ弁または自封式トラップ等の臭気遮断部は、便器102または位置調整板に接続した案内部材120に設けることもできる。
また、このシステム10が適用される地盤は、コンクリート基礎またはアスファルトでもよく、この発明で言う「地中」とは、コンクリート内またはアスファルト内を含むものであり、「地表面」とは、コンクリート面またはアスファルト面を含むものである。
なお、上で挙げた寸法などの具体的数値および材質などは、いずれも単なる一例であり、製品の仕様などの必要に応じて適宜変更可能である。