JP7336611B1 - エビの切り身及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】みずみずしさと鮮度を保持し、食品ロスの問題を解決し得るエビの切り身及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明の1つのエビの切り身100a,100bは、エビのある1つの腹節の第1端P1から、該腹節に隣接する、該腹節の二つ隣の、該腹節の三つ隣の、又は該腹節の四つ隣の腹節の第2端Q1にかけて、略直線的に切断されて形成された切断面10a,10bを有する。このエビの切り身によれば、冷凍工程を経ることなく、生エビとしてのみずみずしさと鮮度を保持するとともに、一定の見栄えも備えた、いずれも商品価値を保持し得る二片のエビの切り身が実現され得る。また、その商品価値の保持について見方を変えれば、上述の切断面を備える分割されたエビの切り身(二片)のいずれもが廃棄されずに済むため、食品ロスが生じない。【選択図】図3

Description

本発明は、エビの切り身及びその製造方法に関する。
市民の生活水準が向上し豊富な食材が供給可能な環境下では美食家が増える。他の食材と同様、平均的な消費者が海老・カニに代表される魚介類(商品)を選ぶ目は、市民の生活水準が向上するにつれて肥えてくるため、特に魚介類に慣れ親しんだ国の消費者の魚介類の品質に対する目は、非常に厳しいといえる。魚介類の加工品を製造販売する企業にとっては、消費者の舌を満足させる商品の開発と提供を常に追求していく姿勢が市場において求められる。
これまでに、海鮮丼の種及び寿司種など、様々なエビの食材が提案されている。長期保存の容易性から、特に冷凍エビが広く採用されているが、その一つに、食するのに適切な大きさとなるように工夫された冷凍エビが提案されている(特許文献1)。
特開2019-41611号公報
しかしながら、最終製品に至るまでに冷凍処理が多く施されたエビを食材として用いることは、冷凍処理の回数が少ないエビが有する幾つかの利点を失わせることになる。具体的には、エビ(例えば、生エビ)の冷凍工程(又は凍結工程、以下、総称して「冷凍工程」という。)を経ると、エビの表面がいわば「乾燥」することになり、みずみずしさや鮮度が失われることになる。また、生エビを冷凍すると、エビの組織の一部又は全部が劣化又は破壊して、いわゆるドリップが生じることにより、ヒトが食したときの食感及び食味の低下が生じ得る。さらに、冷凍工程の手段によっては、エビ自身に対する細菌等の汚染リスクが生じ得る。また、生エビの冷凍工程を経ることになれば、食材としてのエビの生産効率が低下することになる。
一方、冷凍処理の回数が少ないエビは、冷凍処理が多く施されたエビに対して不利な点も存在する。例えば、冷凍されたエビを切断する際には、その硬さから切断方法の自由度が得られ易いが、切断の際に冷凍されていない状態のエビにはその利点がない。そのため、食するのに適切な大きさとなるように冷凍されていないエビを切断する場合は、図7に示すように、エビの腹節の1つ(例えば、第2腹節)に、エビ全長の長手方向に略直交するように切込みを入れて、2つのエビ片(例えば、第1腹節から第2腹節までの部分(片)と、第2腹節から尾扇までの部分(片))に分割する切断する方法が採用され得る。その場合、食材としての十分な長さを有しない側の部分(例えば、第1腹節から第2腹節までの部分)は商品価値が低いという理由で廃棄されることがある。これは、昨今、世界中で社会問題化している食品ロス(food loss)の問題につながるため、軽視することができないことから、上述の切断自体が採用されないことが一般的である。
上述のとおり、市民の生活水準の向上に伴い、食材としての魚介類、とりわけエビの加工品に対する消費者の満足度を高めるとともに、食品ロスの問題の解決にも貢献することは、食品を取り扱う業界において重要な技術課題といえる。
本発明は、みずみずしさと鮮度を保持したエビの切り身、及びその製造方法の実現、並びに食品ロスの問題の解決に大きく貢献するものである。
本発明者らは、生エビが持つ食材としての良さを保持するため、冷凍処理が施される回数が少ない状態で人にとって食べやすいサイズに加工されるとともに、生エビとしての一定の見栄えも備えたエビの切り身の実現のため、鋭意検討、分析し、試行錯誤を重ねた。その結果、本発明者らは、エビの切り身の製造過程における切断工程を工夫することにより、冷凍された状態のエビを準備することなく、生エビとしてのみずみずしさと鮮度を保持し得るエビの切り身を実現し得ることを知得した。さらに、その切断工程の工夫により、1つのエビを切断することによって分割される2つの片(1つの「片」を「エビ片」ともいう。)のいずれもが商品価値を保持し得る、換言すれば廃棄されることなく利用され得るエビの切り身を実現し得ることを本発明者らは知得した。本発明は、上述の視点に基づいて創出された。
本発明の1つのエビの切り身は、エビのある1つの腹節の第1端から、該腹節に隣接する、該腹節の二つ隣の、該腹節の三つ隣の、又は該腹節の四つ隣の腹節の第2端にかけて、略直線的に切断されて形成された切断面を有する。
このエビの切り身によれば、冷凍されていない状態で切断され得るため、生エビとしてのみずみずしさと鮮度を保持するとともに、一定の見栄えも備えた、いずれも商品価値を保持し得る2つのエビの切り身(すなわち、二片のエビ片)が実現され得る。また、その商品価値の保持について見方を変えれば、上述の切断面を備える分割されたエビの切り身(二片のエビ片)のいずれもが廃棄されずに済むため、食品ロスが生じない。
また、本発明の1つのエビの切り身の製造方法は、エビのある1つの腹節の第1端から、該腹節に隣接する、該腹節の二つ隣の、該腹節の三つ隣の、又は該腹節の四つ隣の腹節の第2端にかけて、略直線的に切断する第1切断工程を含み、該エビの冷凍原料の解凍後から第1該切断工程までの間に、該エビの表面温度が-2℃以下になる環境下で該エビを保管しない。
このエビの切り身の製造方法によれば、該エビの冷凍原料の解凍後から上述の第1切断工程までの間に、該エビの表面温度が-2℃以下になる環境下で該エビを保管する冷凍工程を経ないため、生エビとしてのみずみずしさと鮮度を保持するとともに、一定の見栄えも備えた、いずれも商品価値を保持し得る二片のエビの切り身を製造することができる。また、該エビの切り身の商品価値の保持について見方を変えれば、この製造方法により、上述の切断工程によって形成される分割されたエビの切り身(二片)のいずれもが廃棄されずに済むため、食品ロスが生じない。
なお、上述の第1切断工程から、上述のエビの背側又は腹側から切り込みを入れて開きエビにする第2切断工程までの間に、該エビの表面温度が-2℃以下になる環境下で該エビを保管しないことは、生エビとしてのみずみずしさと鮮度を確度高く保持する観点から好適な一態様である。
また、上述の各発明においては、エビのある1つの腹節の第1端から該腹節の二つ隣以上離れた腹節の第2端にかけて切断された切断面を該エビの切り身が備えることは、食品ロスを確度高く抑止する観点から好適な一態様である。前述の態様のエビの切り身の方が、ある1つの腹節の第1端から該腹節に隣接する腹節の第2端にかけて切断されたエビの切り身よりも、エビの切り身としての全長を長くすることができるため、より確度高く、切断された二片のエビの切り身の見栄えの良さを実現し、商品価値を保持し得る。
本発明の1つのエビの切り身によれば、冷凍されていない状態で切断され得るため、生エビとしてのみずみずしさと鮮度を保持するとともに、一定の見栄えも備えた、いずれも商品価値を保持し得る二片のエビの切り身が実現され得る。
また、本発明の1つのエビの切り身の製造方法によれば、該エビの冷凍原料の解凍後から少なくとも上述の第1切断工程までの間に、該エビの表面温度が-2℃以下になる環境下で該エビを保管する冷凍工程を経ないため、生エビとしてのみずみずしさと鮮度を保持するとともに、一定の見栄えも備えた、いずれも商品価値を保持し得る二片のエビの切り身を製造することができる。
第1の実施形態におけるエビの切り身の製造工程を示すフローチャートである。 第1の実施形態におけるエビの主に腹節を説明するための写真である。 第1の実施形態におけるエビの切り身の切断工程を説明するための写真である。 第2の実施形態におけるエビの切り身の切断工程を説明するための写真である。 第3の実施形態におけるエビの切り身の切断工程を説明するための写真である。 第4の実施形態におけるエビの切り身の切断工程を説明するための写真である。 従来の切断工程を説明する参考写真である。
本発明の実施形態におけるエビの切り身及び該エビの切り身の製造方法を、添付する図面に基づいて詳細に述べる。また、図中、本実施形態の要素は必ずしも互いの縮尺を保って記載されるものではない。
<第1の実施形態>
図1は、本実施形態におけるエビの切り身100a,100bの製造工程を示すフローチャートである。また、図2は、本実施形態におけるエビの主に腹節を説明するための写真である。また、図3は、本実施形態におけるエビの切り身100a,100bの切断工程を説明するための写真である。
なお、図3における上段(X)は、後述する第1切断工程(ステップSt5)及び第2切断工程(ステップSt6)の各矢印によって区分される以下の(1)及び(2)の2種類のエビの切り身の状態の写真を示している。
(1)殻が剥かれたエビSに対して後述する第1切断工程が行われることにより分離された二片のうち、尾扇が無い方の一片に着目したときの第1切断工程後の写真
(2)上記(1)の後の開かれた状態のエビ(以下、「開きエビ」という。)の両面を示す写真((A)列側がエビの体内面側であり、(B)列側がエビの体表面側である。)
また、図3における下段(Y)は、後述する第1切断工程(ステップSt5)及び第2切断工程(ステップSt6)の各矢印によって区分される以下の(3)及び(4)の2種類のエビの切り身の状態の写真を示している。
(3)殻が剥かれたエビSに対して後述する第1切断工程が行われることにより分離された二片のうち、尾扇を備える方の一片に着目したときの第1切断工程後の写真
(4)上記(3)の後の後述する第2切断工程によって製造される開きエビの両面を示す写真((A)列側がエビの体内面側であり、(B)列側がエビの体表面側である。)
また、図3における(A)列の各写真は、後述する第2切断工程によって製造される開きエビの一面(体内面側)からの写真である。また、図3における(B)列の各写真は、後述する第2切断工程によって製造される開きエビの他面(体表面側)からの写真である。
本実施形態においては、一例として、図1に示す本実施形態のエビの切り身100a,100bの製造過程(ステップSt1~ステップSt7)における各処理工程を経ることにより、切断面10a又は切断面10bを備えた二片のエビの切り身100a,100bが製造され得る。なお、図1に示す例のエビの種類は、アカエビ(アルゼンチンアカエビ)である。なお、本実施形態はアカエビを採用しているが、本実施形態のエビの対象はアカエビに限定されない。例えば、前述のアカエビ、バナメイエビ、ウシエビ、クマエビ、シンチュウエビ、及びクルマエビの群から選択される1種の食用海老を採用することは、本実施形態の他の一態様である。
<エビの切り身の製造工程>
具体的には、まず、凍結状態のエビを受け入れる(ステップSt1)。続いて、そのエビを解凍(ステップSt2)した後、洗浄する(ステップSt3)。なお、本実施形態の洗浄工程の前後に、例えば塩水への漬込み等の工程が行われることも、採用し得る一態様である。また、本実施形態においては、凍結状態から解凍されたエビが採用されるが、本実施形態はそのようなエビに限定されない。例えば、該エビの代わりに、水揚げされて未凍結状態の食用海老を採用することも、本実施形態の他の一態様である。
洗浄工程(ステップSt3)が行われた後、本実施形態においては、エビの殻を剥く、殻剥き工程(ステップSt4)が行われる。その後、図3に示すように、殻が剥かれたエビSに対して次の第1切断工程(ステップSt5)が行われることにより、本実施形態の切断面10a,10bを備えたエビ100a,100bが製造される。
具体的には、図3に示すように、エビのある1つの背側の腹節(本実施形態においては、第3節)の第1端(図3のP)から、該腹節の二つ隣の腹側の腹節(本実施形態においては、第1節)の第2端(図3のQ)にかけて、略直線的に切断されることにより切断面10a,10bが形成される、最初の切断工程(第1切断工程)が行われる(ステップSt5)。従って、本実施形態においては、背側における尾扇に近い位置の第1端(図3のP)から腹側における尾扇から遠い位置の第2端(図3のQ)にかけて切断する切断工程が採用される。
ここで、本実施形態においては、解凍工程(ステップSt2)が行われてから第1切断工程(ステップSt5)が行われるまでに、殻付きのエビ又は殻が剥かれたエビSの表面温度が-2℃以下になる環境下で保管する冷凍工程は行われない。加えて、本実施形態の第1切断工程は、エビSの腹節の1つ(例えば、第2腹節)のみに、エビ全長の長手方向に略直交するように切込みを入れる切断工程を採用しない。そのため、この第1切断工程においては、完全に直線状となるようにエビSに切り込みを入れて二片に分離する切断を行うことが容易ではない。従って、本実施形態の切断面10a,10bは、必ずしも完全な直線状の切り込みによって形成された面ではなく、不完全な直線状、すなわち略直線状というべき切り込みによって形成され得る。但し、本実施形態においては、「略直線状」という意味は、「不完全な直線状」という意味のみならず、「完全な直線状」という意味も包含する。これは、本実施形態における数多くのエビSの切断を行う中に、完全な直線状の切り込みによって形成された切断面10a,10bを備えるエビ100a,100bも製造され得ることを意味する。
本実施形態においては、さらにその後、図3に示すように、背側から切込みを入れる、いわゆる背開きによって、開きエビ100a,100bを製造する第2切断工程(ステップSt6)が行われる。なお、本実施形態においては、上述の第1切断工程から、この第2切断工程までの間においても、該エビの表面温度が-2℃以下になる環境下で該エビを保管しない。従って、上述の解凍工程(ステップSt2)が行われてから該第2切断工程(ステップSt6)が行われるまで、生エビとしてのみずみずしさと鮮度を確度高く保持することが可能となる。
なお、背開きにより、図3の(A)列上段の尾扇の無い方の開きエビ100aの写真中に切断面10aは観察されず、エビの体内面側20aが観察される。一方、図3の(B)列上段の開きエビ100aの写真中には、エビの体表面側30aが観察されるとともに、図3の(B)列上段の写真における点線の枠に示すように、いわば中心部に折り込まれるような状態で切断面10aが観察される。
また、背開きにより、図3の(A)列下段の尾扇を備えた開きエビ100bの写真中に、エビの体内面側20bが観察されるとともに、図3の(A)列下段の写真における2つの点線の枠に示すように、尾扇から離れた外周側に切断面10bが観察される。一方、図3の(B)列下段の開きエビ100bの写真中には、尾扇から離れた外周部を除いて切断面10bは観察されず、エビの体表面側30bが観察される。
なお、本実施形態においては、背開きによって開きエビ100a,100bが製造されているが、腹側から切込みを入れる、いわゆる腹開きによって開きエビを製造する工程(第2切断工程の他の一例)も採用し得る他の一態様である。しかしながら、背開きによる切込みを行うことによって、背腸を除去する処理が実質的に同時に行われることになるため、背腸処理の工程を省くことができる観点から、背開きによる第2切断工程(ステップSt6)が行われることは好適な一態様である。
ところで、本実施形態においては、解凍工程(ステップSt2)が行われてから第2切断工程(ステップSt6)が行われるまでに、殻付きのエビ又は殻が剥かれたエビSの表面温度が-2℃以下になる環境下で保管する冷凍工程は行われない。従って、本実施形態の第1切断工程(ステップSt5)が採用されることにより、冷凍処理が施される回数が少ない状態で人にとって食べやすいサイズに加工されるとともに、生エビとしての一定の見栄え及び長さも備えたエビの切り身100a,100bを実現することができる。本実施形態においては、1つのエビSを切断することによって分割されるエビ片のいずれもが商品価値を保持し得る、換言すれば廃棄されることなく利用され得るエビの切り身100a,100bを実現し得るため、食品ロスの問題の解決にも貢献し得る。
その後、二片に分離されたエビの切り身100a,100bは、包装等の公知の出荷準備工程(ステップSt7)を経て出荷される。
上述のとおり、本実施形態の、最終製品に至るまでに冷凍処理が施される回数が少ないエビの切り身を実現することにより、冷凍工程による種々の弊害、例えば、みずみずしさや鮮度の低下、エビの組織の一部又は全部の劣化又は破壊による食感及び食味の低下、エビ自身に対する細菌等の汚染リスクの発生、及び/又は食材としてのエビの生産効率が低下という問題を解決し得る。また、本実施形態の切断工程(特に、第1切断工程)を採用することにより、生エビとしての一定の見栄え及び長さも備えたエビの切り身を実現するとともに、食品ロスの問題の解決にも貢献し得る。
<第2の実施形態>
本実施形態においては、第1の実施形態の第1切断工程における切断箇所(P-Q)の代わりに、次に説明する切断箇所(P-Q)が採用された点を除き、第1の実施形態のエビの切り身及びその製造方法と同一である。よって、第1の実施形態と重複する説明は省略され得る。
図4は、本実施形態におけるエビの切り身100c,100dの切断工程を説明するための写真である。なお、図4における上段(X)及び下段(Y)の各写真は、殻剥き工程(ステップSt4)によって殻が剥かれたエビSに関する、第1の実施形態における図3の上段(X)及び下段(Y)の各写真に対応する写真である。
本実施形態の第1切断工程においては、図4に示すように、エビのある1つの背側の腹節(本実施形態においては、第2節)の第1端(図4のP)から、該腹節の二つ隣の腹側の腹節(本実施形態においては、第4節)の第2端(図4のQ)にかけて、略直線的に切断されて形成された切断面10c,10dを備えたエビの切り身100c,100dが製造される。(ステップSt5)。従って、本実施形態においては、背側における尾扇から遠い位置の第1端(図4のP)から腹側における尾扇に近い位置の第2端(図4のQ)にかけて切断する切断工程が採用される。
その後、第1の実施形態と同様に、いわゆる背開きによる切り込みによって、開きエビ100c,100dを製造する第2切断工程(ステップSt6)が行われる。
なお、背開きにより、図4の(A)列上段の尾扇の無い方の開きエビ100cの写真中に、エビの体内面側20cが観察されるとともに、図4の(A)列上段の写真における2つの点線の枠に示すように、尾扇に近い外周側に切断面10cが観察される。一方、図4の(B)列上段の開きエビ100cの写真中には、尾扇に近い外周部を除いて切断面10cは観察されず、エビの体表面側30cが観察される。
また、背開きにより、図4の(A)列下段の尾扇を備えた開きエビ100dの写真における2つの点線の枠に示すように、尾扇から離れた外周側に切断面10dが観察される。一方、図4の(B)列下段の開きエビ100dの写真中には、点線の枠に示す尾扇から離れた一部の内側(凹部)に切断面20dが観察されるとともに、エビの体表面側30dが観察される。
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、解凍工程(ステップSt2)が行われてから第2切断工程(ステップSt6)が行われるまでに、殻付きのエビ又は殻が剥かれたエビSの表面温度が-2℃以下になる環境下で保管する冷凍工程は行われない。
従って、本実施形態の、最終製品に至るまでに冷凍処理が施される回数が少ないエビの切り身を実現することにより、冷凍工程による種々の弊害、例えば、みずみずしさや鮮度の低下、エビの組織の一部又は全部の劣化又は破壊による食感及び食味の低下、エビ自身に対する細菌等の汚染リスクの発生、及び/又は食材としてのエビの生産効率が低下という問題を解決し得る。また、本実施形態の切断工程(特に、第1切断工程)を採用することにより、生エビとしての一定の見栄え及び長さも備えたエビの切り身を実現するとともに、食品ロスの問題の解決にも貢献し得る。
<第3の実施形態>
本実施形態においては、第1の実施形態の第1切断工程における切断箇所(P-Q)の代わりに、次に説明する切断箇所(P-Q)が採用された点を除き、第1の実施形態のエビの切り身及びその製造方法と同一である。よって、第1の実施形態と重複する説明は省略され得る。
図5は、本実施形態におけるエビの切り身100e,100fの切断工程を説明するための写真である。なお、図5における上段(X)及び下段(Y)の各写真は、殻剥き工程(ステップSt4)によって殻が剥かれたエビSに関する、第1の実施形態における図3の上段(X)及び下段(Y)の各写真に対応する写真である。
本実施形態の第1切断工程においては、図5に示すように、エビのある1つの背側の腹節(本実施形態においては、第5節)の第1端(図5のP)から、該腹節の四つ隣の腹側の腹節(本実施形態においては、第1節)の第2端(図5のQ)にかけて、略直線的に切断されて形成された切断面10e,10fを備えたエビの切り身100e,100fが製造される。(ステップSt5)。従って、本実施形態においては、背側における尾扇に近い位置の第1端(図5のP)から腹側における尾扇から遠い位置の第2端(図5のQ)にかけて切断する切断工程が採用される。
その後、第1の実施形態と同様に、いわゆる背開きによる切り込みによって、開きエビ100e,100fを製造する第2切断工程(ステップSt6)が行われる。
なお、背開きにより、図5の(A)列上段の尾扇の無い方の開きエビ100eの写真中に切断面10eは観察されず、エビの体内面側20eが観察される。一方、図5の(B)列上段の開きエビ100eの写真中には、エビの体表面側30eが観察されるとともに、図5の(B)列上段の写真における点線の枠に示すように、いわば中心部に折り込まれるような状態で切断面10eが観察される。
また、背開きにより、図5の(A)列下段の尾扇を備えた開きエビ100fの写真中に、エビの体内面側20fが観察されるとともに、図5の(A)列下段の写真における2つの点線の枠に示すように、尾扇から離れた外周側に切断面10fが観察される。一方、図5の(B)列下段の開きエビ100fの写真中には、尾扇から離れた外周部を除いて切断面10fは観察されず、エビの体内面側30fが観察される。
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、解凍工程(ステップSt2)が行われてから第2切断工程(ステップSt6)が行われるまでに、殻付きのエビ又は殻が剥かれたエビSの表面温度が-2℃以下になる環境下で保管する冷凍工程は行われない。
加えて、本実施形態の第1切断工程において、エビのある1つの背側の腹節の第1端(図5のP)から、該腹節の四つ隣の腹側の腹節の第2端(図5のQ)にかけて、略直線的に切断されているため、形成された二片のエビの切り身100e,100fは、開きエビの状態であるか否かを問わず、第1の実施形態のエビの切り身100a,100b又は第2の実施形態のエビの切り身100c,100dと比較して、より長いエビ全長(正確には、エビの切り身の全長)を有することになる。
従って、本実施形態の、最終製品に至るまでに冷凍処理が施される回数が少ないエビの切り身を実現することにより、冷凍工程による種々の弊害、例えば、みずみずしさや鮮度の低下、エビの組織の一部又は全部の劣化又は破壊による食感及び食味の低下、エビ自身に対する細菌等の汚染リスクの発生、及び/又は食材としてのエビの生産効率が低下という問題を解決し得る。また、本実施形態の切断工程(特に、第1切断工程)を採用することにより、本実施形態の100e,100fは、第1及び第2の実施形態のエビの切り身100a,100b,100c,100dよりも、生エビとしての一定の見栄え及び長さも備えたエビの切り身を実現し得るとともに、食品ロスの問題の解決にも貢献し得る。
<第4の実施形態>
本実施形態においては、第1の実施形態の第1切断工程における切断箇所(P-Q)の代わりに、次に説明する切断箇所(P-Q)が採用された点を除き、第1の実施形態のエビの切り身及びその製造方法と同一である。よって、第1の実施形態と重複する説明は省略され得る。
図6は、本実施形態におけるエビの切り身100g,100hの切断工程を説明するための写真である。なお、図6における上段(X)及び下段(Y)の各写真は、殻剥き工程(ステップSt4)によって殻が剥かれたエビSに関する、第1の実施形態における図3の上段(X)及び下段(Y)の各写真に対応する写真である。
本実施形態の第1切断工程においては、図6に示すように、エビのある1つの背側の腹節(本実施形態においては、第1節)の第1端(図6のP)から、該腹節の四つ隣の腹側の腹節(本実施形態においては、第5節)の第2端(図6のQ)にかけて、略直線的に切断されて形成された切断面10g,10hを備えたエビの切り身100g,100hが製造される。(ステップSt5)。従って、本実施形態においては、背側における尾扇から遠い位置の第1端(図6のP)から腹側における尾扇に近い位置の第2端(図6のQ)にかけて切断する切断工程が採用される。
その後、第1の実施形態と同様に、いわゆる背開きによる切り込みによって、開きエビ100g,100hを製造する第2切断工程(ステップSt6)が行われる。
なお、背開きにより、図6の(A)列上段の尾扇の無い方の開きエビ100gの写真中に、エビの体内面側20gが観察されるとともに、図6の(A)列上段の写真における2つの点線の枠に示すように、尾扇に近い外周側に切断面10gが観察される。一方、図6の(B)列上段の開きエビ100gの写真中には、尾扇に近い外周部を除いて切断面10gは観察されず、エビの体表面側30gが観察される。
また、背開きにより、図6の(A)列下段の尾扇を備えた開きエビ100hの写真における2つの点線の枠に示すように、尾扇から離れた外周側に切断面10hが観察される。一方、図6の(B)列下段の開きエビ100hの写真中には、点線の枠に示す尾扇から離れた一部の内側(凹部)に切断面20hが観察されるとともに、エビの体表面側30hが観察される。
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、解凍工程(ステップSt2)が行われてから第2切断工程(ステップSt6)が行われるまでに、殻付きのエビ又は殻が剥かれたエビSの表面温度が-2℃以下になる環境下で保管する冷凍工程は行われない。
加えて、本実施形態の第1切断工程において、エビのある1つの背側の腹節の第1端(図6のP)から、該腹節の四つ隣の腹側の腹節の第2端(図6のQ34)にかけて、略直線的に切断されているため、形成された二片のエビの切り身100g,100hは、開きエビの状態であるか否かを問わず、第1の実施形態のエビの切り身100a,100b又は第2の実施形態のエビの切り身100c,100dと比較して、より長いエビ全長(正確には、エビの切り身の全長)を有することになる。
従って、本実施形態の、最終製品に至るまでに冷凍処理が施される回数が少ないエビの切り身を実現することにより、冷凍工程による種々の弊害、例えば、みずみずしさや鮮度の低下、エビの組織の一部又は全部の劣化又は破壊による食感及び食味の低下、エビ自身に対する細菌等の汚染リスクの発生、及び/又は食材としてのエビの生産効率が低下という問題を解決し得る。また、本実施形態の切断工程(特に、第1切断工程)を採用することにより、本実施形態の100g,100hは、第1及び第2の実施形態のエビの切り身100a,100b,100c,100dよりも、生エビとしての一定の見栄え及び長さも備えたエビの切り身を実現し得るとともに、食品ロスの問題の解決にも貢献し得る。
<その他の実施形態>
ところで、上述の各実施形態においては、エビのある1つの腹節の第1端(例えば、図3のP)から、該腹節の二つ隣の腹節の第2端(例えば、図3のQ)にかけて、略直線的に切断されて形成された切断面を有するエビの切り身、あるいは、エビのある1つの腹節の第1端(例えば、図5のP)から、該腹節の四つ隣の腹節の第2端(例えば、図5のQ)にかけて、略直線的に切断されて形成された切断面を有するエビの切り身について説明したが、上述の各実施形態は、そのような態様に限定されない。
例えば、エビのある1つの腹節の第1端から、該腹節の一つ隣の腹節の第2端にかけて、略直線的に切断されて形成された切断面を有するエビの切り身、あるいはエビのある1つの腹節の第1端から、該腹節の三つ隣の腹節の第2端にかけて、略直線的に切断されて形成された切断面を有するエビの切り身であっても、上述の各実施形態における効果の少なくとも一部の効果が奏され得る。但し、エビのある1つの腹節の第1端から該腹節の二つ隣以上(より好適には、三つ隣以上)離れた腹節の第2端にかけて切断された切断面を該エビの切り身が備えることは、生エビとしての一定の見栄え及び長さをより確度高く備えることができ、且つ食品ロスをより確度高く抑止する観点から好適な一態様である。
上述の各実施形態の開示は、該実施形態の説明のために記載したものであって、本発明を限定するために記載したものではない。加えて、上述の各実施形態における他の組合せを含む本発明の範囲内に存在する変形例もまた、特許請求の範囲に含まれるものである。
本発明の1つのエビの切り身及びその製造方法は、みずみずしさと鮮度を保持したエビの切り身を実現するとともに、食品ロスの問題解決を求める、食品業、飲食業及び水産業に限らず、該加工品を扱う各種の産業(航空産業及び鉄道産業など)においても極めて有用である。
10a,10b,10c,10d,10e,10f,10g,10h 切断面
20a,20b,20c,20d,20e,20f,20g,20h エビの体内面側
30a,30b,30c,30d,30e,30f,30g,30h エビの体表面側
100a,100c,100e,100g 尾扇が無いエビの切り身
100b,100d,100f,100h 尾扇を備えるエビの切り身

Claims (5)

  1. エビのある1つの腹節の第1端から、該腹節に隣接する、該腹節の二つ隣の、該腹節の三つ隣の、又は該腹節の四つ隣の腹節の第2端にかけて、略直線的に切断されて形成された切断面を有し、
    前記エビの背側から腹側への切込みによる開き面を備える、
    エビの切り身。
  2. 前記第1端が第1腹節乃至第5腹節のいずれか1つである、
    請求項1に記載のエビの切り身。
  3. 前記第1端が背側の第2腹節乃至第5腹節のいずれか1つであり、前記第2端が腹側の第1腹節乃至第4腹節のいずれか1つである、
    請求項1に記載のエビの切り身。
  4. 前記第1端が背側の第1腹節乃至第4腹節のいずれか1つであり、前記第2端が腹側の第2腹節乃至第5腹節のいずれか1つである、
    請求項1に記載のエビの切り身。
  5. エビのある1つの腹節の第1端から、該腹節に隣接する、該腹節の二つ隣の、該腹節の三つ隣の、又は該腹節の四つ隣の腹節の第2端にかけて、略直線的に切断する第1切断工程を含み、該エビの冷凍原料の解凍後から第1該切断工程までの間、及び前記第1切断工程から、前記エビの背側又は腹側から切り込みを入れて開きエビにする第2切断工程までの間に、該エビの表面温度が-2℃以下になる環境下で該エビを保管しない、
    エビの切り身の製造方法。
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