JP7323164B2 - 可撓性外歯歯車および波動歯車装置 - Google Patents

可撓性外歯歯車および波動歯車装置 Download PDF

Info

Publication number
JP7323164B2
JP7323164B2 JP2019122639A JP2019122639A JP7323164B2 JP 7323164 B2 JP7323164 B2 JP 7323164B2 JP 2019122639 A JP2019122639 A JP 2019122639A JP 2019122639 A JP2019122639 A JP 2019122639A JP 7323164 B2 JP7323164 B2 JP 7323164B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flexible
external gear
teeth
flexible external
gear
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019122639A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021008911A (ja
Inventor
暉久夫 岡村
仁 井上
Original Assignee
ニデックドライブテクノロジー株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ニデックドライブテクノロジー株式会社 filed Critical ニデックドライブテクノロジー株式会社
Priority to JP2019122639A priority Critical patent/JP7323164B2/ja
Priority to CN202010620237.5A priority patent/CN112178155A/zh
Publication of JP2021008911A publication Critical patent/JP2021008911A/ja
Priority to JP2023118307A priority patent/JP2023134757A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7323164B2 publication Critical patent/JP7323164B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H55/00Elements with teeth or friction surfaces for conveying motion; Worms, pulleys or sheaves for gearing mechanisms
    • F16H55/02Toothed members; Worms
    • F16H55/17Toothed wheels
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H49/00Other gearings
    • F16H49/001Wave gearings, e.g. harmonic drive transmissions
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/08General details of gearing of gearings with members having orbital motion

Description

本発明は、可撓性外歯歯車および波動歯車装置に関する。
従来、剛性内歯歯車と可撓性外歯歯車とを備える波動歯車装置が知られている。この種の波動歯車装置は、主に減速機として用いられる。従来の波動歯車装置については、例えば、特開2010-190373号公報に開示されている。この特開2010-190373号公報に開示された波動歯車装置(1)は、環状の剛性内歯歯車(2)と、カップ状またはシルクハット状の可撓性外歯歯車(3,3A)と、波動発生器(4)とを有する。
カップ状の可撓性外歯歯車(3)は、円筒状の胴部(31)と、その一端に連続している環状のダイヤフラム(32)と、このダイヤフラム(32)の中心部分に一体形成されている円環状のボス(33)と、胴部(31)の開口部(34)の外周面に形成された外歯(35)とを有する。シルクハット状の可撓性外歯歯車(3A)は、ダイヤフラム(32A)が半径方向の外方に広がった環状板であり、その外周縁に環状のボス(33A)が一体的に形成された形状を有する。可撓性外歯歯車(3)は波動発生器(4)によって楕円形に撓められ、その楕円形の長軸(3a)上に位置する外歯(35)が、剛性内歯歯車(2)の内歯(21)に噛み合う。
特開2010-190373号公報
一般に、可撓性外歯歯車は、上記のような複雑な形状を有し、かつ、高い精度が求められることから、製造にあたっては高度な加工技術が必要とされる。このため、鋳造やプレス加工等によって成形することは難しく、製造コストが増加する虞がある。特開2010-190373号公報においても、可撓性外歯歯車(3,3A)の材料としては、硬度40~50の範囲内である素材が用いられ、仮に硬度50を超える素材を用いると可撓性外歯歯車(3,3A)を成形することは困難である旨が記載されている。
本発明の目的は、用いる素材または硬度に依らず、可撓性外歯歯車を容易に製造できる技術を提供することである。
本発明は、可撓性外歯歯車であって、前記中心軸を中心として軸方向に筒状に延びる可撓性筒状胴部と、前記可撓性筒状胴部の軸方向一方側の端部から径方向外側へ突出する複数の外歯と、前記可撓性筒状胴部の軸方向他方側の端部から径方向に拡がる平板部と、を有し、前記可撓性筒状胴部は、軸方向一方側へ向かうにつれて前記平板部の拡がる径方向一方側に対して径方向他方側へ傾斜する傾斜部と、前記傾斜部よりも軸方向一方側に配置される第1胴部と、前記傾斜部よりも軸方向他方側に配置される第2胴部と、を有し、前記外歯は、前記第1胴部の外周面から径方向外側へ突出し、前記可撓性筒状胴部は、周方向に配列される前記複数の外歯を、軸方向に1列のみ有する。
本発明によれば、互いに軸方向に分割させることが可能な一対の金型を用いることによって、可撓性外歯歯車を鋳造やプレス加工等によって成形することができる。これにより、可撓性外歯歯車を容易に製造することができる。
図1は、第1実施形態に係る波動歯車装置の縦断面図である。 図2は、第1実施形態に係る波動歯車装置の横断面図である。 図3は、第1実施形態に係る可撓性外歯歯車の部分縦断面図である。 図4は、第1実施形態に係る可撓性外歯歯車の横断面図である。 図5は、第1実施形態に係る可撓性外歯歯車の成形時の様子を示す縦断面図である。 図6は、変形例に係る可撓性外歯歯車の部分縦断面図である。 図7は、変形例に係る可撓性外歯歯車の部分縦断面図である。 図8は、変形例に係る可撓性外歯歯車の横断面図である。 図9は、第2実施形態に係る波動歯車装置の縦断面図である。 図10は、第2実施形態に係る可撓性外歯歯車の部分縦断面図である。 図11は、第2実施形態に係る可撓性外歯歯車の成形時の様子を示す縦断面図である。 図12は、変形例に係る可撓性外歯歯車の部分縦断面図である。 図13は、変形例に係る可撓性外歯歯車の部分縦断面図である。 図14は、第3実施形態に係る波動歯車装置の縦断面図である。 図15は、第3実施形態に係る波動歯車装置の横断面図である。 図16は、第4実施形態に係る波動歯車装置の縦断面図である。
以下、本願の例示的な実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本願では、後述する波動歯車装置の中心軸と平行な方向を「軸方向」、波動歯車装置の中心軸に直交する方向を「径方向」、波動歯車装置の中心軸を中心とする円弧に沿う方向を「周方向」、とそれぞれ称する。また、本願では、後述する図1,図3,図5,図6,図7,図9,図10,図11,図12,図13,図14,図16において、軸方向を左右方向とし、右側を「軸方向一方側」、左側を「軸方向他方側」として、各部の形状や位置関係を説明する。ただし、この左右方向の定義により、本発明に係る波動歯車装置の使用時の向きを限定する意図はない。また、本願において「平行な方向」とは、略平行な方向も含む。また、本願において「直交する方向」とは、略直交する方向も含む。
<1.第1実施形態>
<1-1.波動歯車装置の構成>
以下では、本発明の第1実施形態に係る波動歯車装置100の構成について説明する。図1は、第1実施形態に係る波動歯車装置100の縦断面図である。図2は、図1のI-I位置を軸方向から見たときの波動歯車装置100の横断面図である。なお、図2では、後述する内歯11および外歯21の形状を模式的に表示している。また、第1実施形態では、径方向内側を「径方向一方側」と定義し、径方向外側を「径方向他方側」と定義する。
本実施形態の波動歯車装置100は、後述する剛性内歯歯車10と後述する可撓性外歯歯車20との差動を利用して、入力された回転運動を変速する装置である。波動歯車装置100は、例えば、小型ロボットの関節に組み込まれ、電動機から得られる回転運動を減速して出力させる減速機として用いられる。ただし、本発明の波動歯車装置100は、アシストスーツ、ターンテーブル、工作機械の割出盤、車椅子、無人搬送車などの他の機器に組み込まれて、各種の回転運動を実現させるものであってもよい。
図1および図2に示すように、波動歯車装置100は、剛性内歯歯車10と、可撓性外歯歯車20と、波動発生器30とを有する。また、波動歯車装置100には、外部から動力を得るための入力部101が設けられている。入力部101は、例えば、電動機の回転部に接続され、中心軸9を中心として軸方向に円柱状に延びる。また、入力部101は、中心軸9を中心として回転する。
剛性内歯歯車10は、中心軸9を中心として円環状に拡がる部材である。剛性内歯歯車10の剛性は、後述する可撓性筒状胴部25の剛性よりも、はるかに高い。したがって、剛性内歯歯車10は、実質的に剛体とみなすことができる。図2に示すように、剛性内歯歯車10の内周面には、複数の内歯11が形成されている。複数の内歯11は、周方向に沿って、一定のピッチで配列される。また、剛性内歯歯車10には、複数(本実施形態では8つ)の貫通孔102が、設けられている。複数の貫通孔102は、中心軸9を中心として、周方向に等間隔に並んでいる。また、各貫通孔102は、剛性内歯歯車10を軸方向に貫通する。剛性内歯歯車10は、8つの貫通孔102のそれぞれに挿入されるネジを、波動歯車装置100が配置される筐体にネジ止めすることにより、当該筐体に固定される。
可撓性外歯歯車20は、可撓性筒状胴部25と、複数の外歯21と、平板部26とを有する。可撓性筒状胴部25は、中心軸9を中心として軸方向に筒状に延びる部位である。また、可撓性筒状胴部25は、可撓性を有し、径方向に撓み可能な円筒状の部分である。可撓性筒状胴部25の外周面には、複数の外歯21が形成されている。複数の外歯21はそれぞれ、可撓性筒状胴部25の軸方向一方側の端部から径方向外側(径方向他方側)へ突出する。また、複数の外歯21は、周方向に沿って、一定のピッチで配列される。平板部26は、可撓性筒状胴部25の軸方向他方側の端部から径方向内側(径方向一方側)に拡がる部位である。また、平板部26は、可撓性筒状胴部25よりも撓み難い平板状の部分である。
図1に示すように、可撓性筒状胴部25の軸方向一方側の端部は、剛性内歯歯車10の径方向内側に配置される。上記の剛性内歯歯車10が有する内歯11の歯数と、当該可撓性外歯歯車20が有する外歯21の歯数とは、僅かに相違する。平板部26の中央には、減速後の動力を取り出すための出力軸(図示省略)が固定される。可撓性外歯歯車20の詳細な構成については、後述する。
波動発生器30は、可撓性外歯歯車20を撓み変形させるための機構である。波動発生器30は、非真円カム31と、波動軸受32とを有する。
非真円カム31は、中心軸9を中心として環状に拡がる部材である。非真円カム31の内周面は、入力部101の外周面に、例えば、軸方向に延びる固定部材のキー103を用いて、互いに相対回転不能に固定される。これにより、非真円カム31は、入力部101とともに、中心軸9を中心として減速前の回転数で回転する。ただし、非真円カム31は、入力部101に、接着または圧入等の他の方法を用いて固定されてもよい。本実施形態の非真円カム31は、楕円形のカムプロフィールを有する。つまり、非真円カム31は、周方向の位置によって異なる外径を有する。
波動軸受32は、剛性内歯歯車10および可撓性筒状胴部25の径方向内側に位置する可撓性の軸受である。波動軸受32は、内輪321と、複数のボール322と、弾性変形可能な外輪323とを有する。内輪321は、非真円カム31の外周面に固定される。複数のボール322は、内輪321と外輪323との間に介在し、周方向に沿って配列される。外輪323は、回転される非真円カム31のカムプロフィールを反映するように、内輪321およびボール322を介して弾性変形(撓み変形)する。また、外輪323は、可撓性筒状胴部25のうちの外周面に外歯21が形成される部位の内周面に接触する。このように、本実施形態の波動軸受32には、ボールベアリングが用いられる。ただし、ボールベアリングに代えて、ローラベアリング等の他方式の軸受が用いられていてもよい。
このような構成の波動歯車装置100において、上記の入力部101が減速前の回転数で回転すると、波動発生器30の非真円カム31および波動軸受32が一体的に中心軸9を中心として回転する。また、波動発生器30の中心軸9を中心とした回転に伴って、可撓性筒状胴部25が径方向内側から押されることにより、可撓性筒状胴部25が径方向に撓み、軸方向に見て楕円状に変形する。そして、非真円カム31がなす楕円の長軸の両端の2箇所の径方向外側付近において、可撓性外歯歯車20の外歯21と剛性内歯歯車10の内歯11とが噛み合う。非真円カム31がなす楕円の短軸の両端の2箇所の径方向外側付近においては、可撓性外歯歯車20の外歯21と剛性内歯歯車10の内歯11とが噛み合わない。つまり、本実施形態では、外歯21と内歯11とが、互いに周方向において部分的に噛み合う。なお、本実施形態では、周方向における内歯11と外歯21とが噛み合う位置において、内歯11の歯筋と、外歯21の歯筋は、それぞれ中心軸9と平行である。
非真円カム31が回転すると、非真円カム31がなす楕円の長軸の両端の位置が周方向に移動するので、外歯21と内歯11との噛み合い位置も周方向に移動する。ここで、上記のように、剛性内歯歯車10の内歯11の歯数と、可撓性外歯歯車20の外歯21の歯数とは、僅かに相違する。このため、非真円カム31の1回転ごとに、内歯11と外歯21との噛み合い位置が僅かに変化する。一方、本実施形態では、剛性内歯歯車10は、波動歯車装置100が配置される筐体に固定されているため、周方向に回転しない。その結果、剛性内歯歯車10に対して可撓性外歯歯車20および出力軸が、減速された回転数で回転する。つまり、可撓性外歯歯車20および出力軸は、可撓性外歯歯車20の外歯21と剛性内歯歯車10の内歯11との噛み合い位置を周方向に移動させながら、外歯21と内歯11との歯数の違いによって剛性内歯歯車10に対して相対回転する。
<1-2.可撓性外歯歯車の詳細な構成>
次に、可撓性外歯歯車20の詳細な構成について、説明する。図3は、第1実施形態に係る可撓性外歯歯車20の部分縦断面図である。図4は、第1実施形態に係る可撓性外歯歯車20の横断面図である。また、以下では、図1および図2も適宜に参照しつつ、説明する。さらに、以下では、可撓性外歯歯車20が剛性内歯歯車10および波動発生器30とともに組み上げられる前の状態、すなわち、波動歯車装置100の製造前に単体で配置されている状態の可撓性外歯歯車20について、記載する。
図3に示すように、本実施形態の可撓性筒状胴部25は、第1胴部251と第2胴部252とを有する。複数の外歯21はそれぞれ、第1胴部251の外周面から径方向外側へ突出する。第2胴部252は、第1胴部251よりも軸方向他方側に位置する。また、可撓性外歯歯車20の外歯21の歯底210は、第2胴部252の外周面よりも径方向外側に位置する。本実施形態の第1胴部251の母線、第2胴部252の母線、および外歯21の歯筋はそれぞれ、中心軸9と平行である。
また、図3に示すように、可撓性外歯歯車20が単体で配置されている状態で、可撓性筒状胴部25の少なくとも一部には、傾斜部250が形成される。傾斜部250は、軸方向一方側へ向かうにつれて、平板部26の拡がる径方向内側に対して径方向外側へ傾斜する部位である。可撓性外歯歯車20が単体で配置されている状態で、本実施形態の可撓性筒状胴部25および外歯21の歯先211は、軸方向他方側の端部から軸方向一方側の端部まで、径方向内側へ縮径することなく延びる。
本実施形態の可撓性外歯歯車20は、金属ガラスを材料として、鋳造により製造される。これにより、樹脂製の可撓性外歯歯車と比べて、可撓性外歯歯車20の弾性および強度を高めることができる。また、可撓性外歯歯車20の製造後の、剛性内歯歯車10および波動発生器30とともに組み上げられた後の状態における、可撓性外歯歯車20の外歯21と剛性内歯歯車10の内歯11との噛み合い状態を改善し、かつ、耐久性を向上できる。
図5は、第1実施形態に係る可撓性外歯歯車20の成形時の様子を示す縦断面図である。図5に示すように、可撓性外歯歯車20を鋳造により成形するときには、まず、成形用の第1金型91および第2金型92を用意する。第1金型91は、中心軸9に沿って軸方向に円柱状に延びる。また、第1金型91は、軸方向一方側の端部付近において、周方向の全周に亘って径方向外側へ突出する突出部911を有する。第2金型92は、中心軸9を中心として径方向外側に円盤板状に拡がる。第2金型92は、径方向外側の端部付近において、周方向の全周に亘って軸方向一方側へ突出する突出部921を有する。
次に、第1金型91の突出部911における軸方向他方側の端面910を、第2金型92の突出部921の軸方向一方側の端面920に接触させる。これにより、第1金型91と第2金型92との軸方向の間に、空洞90が形成される。さらに、空洞90内に高温の液体状の金属ガラスを流し込む。その後、当該流動状態の金属ガラスを空洞90内に行き渡らせた後、冷却し、硬化させる。これにより、第1金型91および第2金型92の形状に沿って形成された可撓性外歯歯車20が得られる。
さらに、第1金型91と第2金型92とを軸方向に分離することによって、可撓性外歯歯車20を取り出す。ここで、上記のとおり、本実施形態の可撓性筒状胴部25および外歯21の歯先211は、軸方向他方側の端部から軸方向一方側の端部まで、径方向内側へ縮径することなく延びる。このため、第1金型91および第2金型92を互いに軸方向に取り外す際に、可撓性筒状胴部25の一部が第1金型91または第2金型92に引っかかる等の障害となることはない。また、上記のとおり、可撓性筒状胴部25の一部には、軸方向一方側へ向かうにつれて径方向外側へ傾斜する傾斜部250が形成されている。これにより、第1金型91および第2金型92を軸方向にさらに容易に取り外すことができる。
ただし、可撓性外歯歯車20の形状は、これに限定されない。図6および図7はそれぞれ、変形例に係る可撓性外歯歯車20の部分縦断面図である。図6の例では、第1胴部251の母線、第2胴部252の母線、および外歯21の歯筋はそれぞれ、中心軸9に対して径方向に傾斜している。ただし、本変形例においても、可撓性外歯歯車20が単体で配置されている状態で、可撓性筒状胴部25および外歯21の歯先211は、軸方向他方側の端部から軸方向一方側の端部まで、径方向内側へ縮径することなく延びる。このため、可撓性外歯歯車20の製造時に、第1金型91および第2金型92を互いに軸方向に取り外す際に、可撓性筒状胴部25の一部が第1金型91または第2金型92に引っかかる等の障害となることはない。また、本変形例では、可撓性外歯歯車20が単体で配置されている状態で、可撓性筒状胴部25の全体に亘って、軸方向一方側へ向かうにつれて径方向外側へ傾斜する傾斜部250が形成されている。これにより、第1金型91および第2金型92を軸方向にさらに容易に取り外すことができる。
図7の例では、複数の外歯21はそれぞれ、可撓性筒状胴部25の軸方向の全体から径方向外側へ突出する。すなわち、本変形例の可撓性筒状胴部25は、全体が第1胴部251となっている。また、第1胴部251の母線および外歯21の歯筋はそれぞれ、中心軸9に対して径方向に傾斜している。ただし、本変形例においても、可撓性外歯歯車20が単体で配置されている状態で、可撓性筒状胴部25および外歯21の歯先211は、軸方向他方側の端部から軸方向一方側の端部まで、径方向内側へ縮径することなく延びる。このため、可撓性外歯歯車20の製造時に、第1金型91および第2金型92を互いに軸方向に取り外す際に、可撓性筒状胴部25の一部が第1金型91または第2金型92に引っかかる等の障害となることはない。また、可撓性外歯歯車20が単体で配置されている状態で、可撓性筒状胴部25の全体に亘って、軸方向一方側へ向かうにつれて径方向外側へ傾斜する傾斜部250が形成されている。これにより、第1金型91および第2金型92を軸方向にさらに容易に取り外すことができ、作業性が向上する。
可撓性外歯歯車20を鋳造により成形した後、さらに、外歯21の表面を機械加工等することによって、外歯21の寸法精度を向上させる。なお、図4に示すように、外歯21を形成した後、第1胴部251の内周面は、中心軸9を中心として円環状に拡がり、凹凸の無い環状となる。すなわち、外歯21は、中実構造を有する。
上記のとおり、本実施形態では、可撓性外歯歯車20における可撓性筒状胴部25の形状を工夫することによって、用いる素材または硬度に依らず、一対の第1金型91と第2金型92を用いて可撓性外歯歯車20を容易に製造することができる。すなわち、本実施形態では、可撓性外歯歯車20を鋳造によって容易に成形することができるため、製造コストを抑制できる。なお、可撓性外歯歯車20は、樹脂を材料として、射出成形により製造してもよい。これにより、可撓性外歯歯車20をより軽量化できる。
また、可撓性外歯歯車20は、プレス加工によって成形してもよい。この場合、金属ガラス製の板を、第1金型91と第2金型92とで軸方向に挟み込むことによって、可撓性外歯歯車20を生成することができる。図8は、プレス加工により生成された可撓性外歯歯車20の横断面図である。図8に示すように、可撓性外歯歯車20をプレス加工で製造した場合、第1胴部251の内周面は、外歯21の外形に沿う凹凸形状を有する。すなわち、本変形例の外歯21は、中空構造を有することとなる。外歯21が中空構造を有する場合、外歯21が撓み易くなるため、可撓性外歯歯車20の製造後の、剛性内歯歯車10および波動発生器30とともに組み上げられた後の状態における、剛性内歯歯車10の内歯11との噛み合い状態を改善できる。また、剛性内歯歯車10の内歯11との噛み合い時の可撓性外歯歯車20における応力の偏りを抑制できる。これにより、可撓性外歯歯車20の破損を防止できる。
<2.第2実施形態>
<2-1.波動歯車装置の構成>
続いて、本発明の第2実施形態に係る波動歯車装置100Bの構成について説明する。なお、以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態と同等の部分については、重複説明を一部省略する。図9は、第2実施形態に係る波動歯車装置100Bの縦断面図である。この第2実施形態では、径方向外側を「径方向一方側」と定義し、径方向内側を「径方向他方側」と定義する。
図9に示すように、波動歯車装置100Bは、剛性内歯歯車10Bと、第1連結部151Bと、第2連結部152Bと、可撓性外歯歯車20Bと、波動発生器30Bとを有する。
剛性内歯歯車10Bは、中心軸9Bを中心として円環状に拡がる部材である。剛性内歯歯車10Bの内周面には、複数の内歯11Bが形成されている。複数の内歯11Bは、周方向に沿って、一定のピッチで配列される。また、剛性内歯歯車10Bには、複数の貫通孔102Bが、設けられている。複数の貫通孔102Bは、中心軸9Bを中心として、周方向に等間隔に並んでいる。また、各貫通孔102Bは、剛性内歯歯車10Bを軸方向に貫通する。剛性内歯歯車10Bは、複数の貫通孔102Bのそれぞれに挿入されるネジを、剛性内歯歯車10Bの軸方向他方側に隣接する第1連結部151Bにネジ止めすることにより、第1連結部151Bに固定される。剛性内歯歯車10Bの軸方向一方側には、減速後の動力を取り出すための出力軸(図示省略)が固定される。
第1連結部151Bは、中心軸9Bを中心として軸方向に円筒状に延びる部材である。第1連結部151Bの径方向外側には、第2連結部152Bが配置されている。第2連結部152Bは、第1連結部151Bの外径よりも僅かに大きな内径を有し、中心軸9Bを中心として軸方向に円筒状に延びる部材である。第1連結部151Bおよび第2連結部152Bは、ともに高い剛性を有する。第2連結部152Bには、ネジ(図示省略)を挿入するための複数の貫通孔153Bが、設けられている。各貫通孔153Bは、第2連結部152Bを軸方向に貫通する。
第1連結部151Bは、第2連結部152Bに対して、軸受16Bによって回転可能に接続される。本実施形態の軸受16Bには、クロスローラベアリングが用いられる。図9に示すように、軸受16Bは、第2連結部152Bの内周面と、第1連結部151Bの外周面との間に、複数の円筒ころ161Bを有する。複数の円筒ころ161Bは、第2連結部152Bの内周面に設けられた環状のV溝と、第1連結部151Bの外周面に設けられた環状のV溝との間に、向きを交互に変えながら配置される。これにより、第2連結部152Bに対する第1連結部151Bの回転を許容しながら、第2連結部152Bと第1連結部151Bとが高剛性に接続される。このようなクロスローラベアリングは、ボールベアリングのように一対で用いずとも、軸方向および径方向に、十分な剛性を得ることができる。すなわち、クロスローラベアリングを用いることで、波動歯車装置100Bに設けられるベアリング(軸受)の数を減らすことができる。これにより、軸受16Bの重量を低減できるとともに、軸受16Bの軸方向の寸法を抑えることができる。
可撓性外歯歯車20Bは、可撓性筒状胴部25Bと、複数の外歯21Bと、平板部26Bとを有する。可撓性筒状胴部25Bは、中心軸9Bを中心として軸方向に筒状に延びる部位である。また、可撓性筒状胴部25Bは、可撓性を有し、径方向に撓み可能な円筒状の部分である。可撓性筒状胴部25Bの外周面には、複数の外歯21Bが形成されている。複数の外歯21Bはそれぞれ、可撓性筒状胴部25Bの軸方向一方側の端部から径方向外側(径方向一方側)へ突出する。また、複数の外歯21Bは、周方向に沿って、一定のピッチで配列される。
平板部26Bは、可撓性筒状胴部25Bの軸方向他方側の端部から径方向外側(径方向一方側)に拡がる部位である。また、平板部26Bは、可撓性筒状胴部25Bよりも撓み難い平板状の部分である。平板部26Bにおける径方向外側の肉厚の部位には、複数の貫通孔260Bが設けられている。各貫通孔260Bは、平板部26Bを軸方向に貫通する。そして、平板部26Bは、第2連結部152Bの貫通孔153Bおよび平板部26Bの貫通孔260Bに挿入されるネジを、波動歯車装置100Bが配置される筐体にネジ止めすることにより、当該筐体に軸方向に固定される。
図9に示すように、可撓性筒状胴部25Bの軸方向一方側の端部は、剛性内歯歯車10Bの径方向内側に配置される。上記の剛性内歯歯車10Bが有する内歯11Bの歯数と、当該可撓性外歯歯車20Bが有する外歯21Bの歯数とは、僅かに相違する。可撓性外歯歯車20Bの詳細な構成については、後述する。
波動発生器30Bは、可撓性外歯歯車20Bを撓み変形させるための機構である。波動発生器30Bは、非真円カム31Bと、波動軸受32Bとを有する。
非真円カム31Bは、中心軸9Bを中心として環状に拡がる部材である。非真円カム31Bの内周面は、波動歯車装置100Bの外部から動力を得るための入力部101Bの外周面に、例えば、軸方向に延びる固定部材のキー103Bを用いて、互いに相対回転不能に固定される。これにより、非真円カム31Bは、入力部101Bとともに、中心軸9Bを中心として減速前の回転数で回転する。ただし、非真円カム31Bは、入力部101Bに、接着または圧入等の他の方法を用いて固定されてもよい。本実施形態の非真円カム31Bは、楕円形のカムプロフィールを有する。つまり、非真円カム31Bは、周方向の位置によって異なる外径を有する。
波動軸受32Bは、剛性内歯歯車10Bおよび可撓性筒状胴部25Bの径方向内側に位置する可撓性の軸受である。波動軸受32Bは、内輪321Bと、複数のボール322Bと、弾性変形可能な外輪323Bとを有する。内輪321Bは、非真円カム31Bの外周面に固定される。複数のボール322Bは、内輪321Bと外輪323Bとの間に介在し、周方向に沿って配列される。外輪323Bは、回転される非真円カム31Bのカムプロフィールを反映するように、内輪321Bおよびボール322Bを介して弾性変形(撓み変形)する。また、外輪323Bは、可撓性筒状胴部25Bのうちの外周面に外歯21Bが形成される部位の内周面に接触する。このように、本実施形態の波動軸受32Bには、ボールベアリングが用いられる。ただし、ボールベアリングに代えて、ローラベアリング等の他方式の軸受が用いられていてもよい。
このような構成の波動歯車装置100Bにおいて、上記の入力部101Bが減速前の回転数で回転すると、波動発生器30Bの非真円カム31Bおよび波動軸受32Bが一体的に中心軸9Bを中心として回転する。また、波動発生器30Bの中心軸9Bを中心とした回転に伴って、可撓性筒状胴部25Bが径方向内側から押されることにより、可撓性筒状胴部25Bが径方向に撓み、軸方向に見て楕円状に変形する。そして、非真円カム31Bがなす楕円の長軸の両端の2箇所の径方向外側付近において、可撓性外歯歯車20Bの外歯21Bと剛性内歯歯車10Bの内歯11Bとが噛み合う。非真円カム31Bがなす楕円の短軸の両端の2箇所の径方向外側付近においては、可撓性外歯歯車20Bの外歯21Bと剛性内歯歯車10Bの内歯11Bとが噛み合わない。つまり、本実施形態では、外歯21Bと内歯11Bとが、互いに周方向において部分的に噛み合う。なお、本実施形態では、周方向における内歯11Bと外歯21Bとが噛み合う位置において、内歯11Bの歯筋と、外歯21Bの歯筋は、それぞれ中心軸9Bと平行である。
非真円カム31Bが回転すると、非真円カム31Bがなす楕円の長軸の両端の位置が周方向に移動するので、外歯21Bと内歯11Bとの噛み合い位置も周方向に移動する。ここで、上記のように、剛性内歯歯車10Bの内歯11Bの歯数と、可撓性外歯歯車20Bの外歯21Bの歯数とは、僅かに相違する。このため、非真円カム31Bの1回転ごとに、内歯11Bと外歯21Bとの噛み合い位置が僅かに変化する。一方、本実施形態では、可撓性外歯歯車20Bは、第2連結部152Bとともに、波動歯車装置100Bが配置される筐体に固定されているため、周方向に回転しない。その結果、可撓性外歯歯車20Bに対して剛性内歯歯車10Bおよび出力軸が、減速された回転数で回転する。つまり、剛性内歯歯車10Bおよび出力軸は、可撓性外歯歯車20Bの外歯21Bと剛性内歯歯車10Bの内歯11Bとの噛み合い位置を周方向に移動させながら、外歯21Bと内歯11Bとの歯数の違いによって可撓性外歯歯車20Bに対して相対回転する。
<2-2.可撓性外歯歯車の詳細な構成>
次に、可撓性外歯歯車20Bの詳細な構成について、説明する。図10は、第2実施形態に係る可撓性外歯歯車20Bの部分縦断面図である。また、以下では、図9も適宜に参照しつつ、説明する。さらに、以下では、可撓性外歯歯車20Bが剛性内歯歯車10Bおよび波動発生器30Bとともに組み上げられる前の状態、すなわち、波動歯車装置100Bの製造前に単体で配置されている状態の可撓性外歯歯車20Bについて、記載する。
図10に示すように、本実施形態の可撓性筒状胴部25Bは、第1胴部251Bと第2胴部252Bとを有する。複数の外歯21Bはそれぞれ、第1胴部251Bの外周面から径方向外側へ突出する。第2胴部252Bは、第1胴部251Bよりも軸方向他方側に位置する。また、本実施形態の可撓性外歯歯車20Bの外歯21Bの歯先211Bは、第2胴部252Bの外周面よりも径方向内側に位置する。本実施形態の第1胴部251Bの母線、第2胴部252Bの母線、および外歯21Bの歯筋はそれぞれ、中心軸9Bと平行である。
また、図10に示すように、可撓性外歯歯車20Bが単体で配置されている状態で、可撓性筒状胴部25Bの少なくとも一部には、傾斜部250Bが形成される。傾斜部250Bは、軸方向一方側へ向かうにつれて、平板部26Bの拡がる径方向外側に対して径方向内側へ傾斜する部位である。可撓性外歯歯車20Bが単体で配置されている状態で、本実施形態の可撓性筒状胴部25Bおよび外歯21Bの歯先211Bは、軸方向他方側の端部から軸方向一方側の端部まで、径方向外側へ拡径することなく延びる。
本実施形態の可撓性外歯歯車20Bは、金属ガラスを材料として、鋳造により製造される。これにより、樹脂製の可撓性外歯歯車と比べて、可撓性外歯歯車20Bの弾性および強度を高めることができる。また、可撓性外歯歯車20Bの製造後の、剛性内歯歯車10Bおよび波動発生器30Bとともに組み上げられた後の状態における、可撓性外歯歯車20Bの外歯21Bと剛性内歯歯車10Bの内歯11Bとの噛み合い状態を改善し、かつ、耐久性を向上できる。
図11は、第2実施形態に係る可撓性外歯歯車20Bの成形時の様子を示す縦断面図である。図11に示すように、可撓性外歯歯車20Bを鋳造により成形するときには、まず、成形用の第1金型91Bおよび第2金型92Bを用意する。第1金型91Bは、中心軸9Bを中心として径方向に円盤板状に拡がる。第1金型91Bは、径方向外側の端部付近において、周方向の全周に亘って軸方向他方側へ突出する突出部911Bを有する。第2金型92Bは、中心軸9Bに沿って軸方向に円柱状に延びる。また、第2金型92Bは、軸方向他方側の端部付近において、周方向の全周に亘って径方向外側へ突出する突出部921Bを有する。
次に、第1金型91Bの突出部911Bにおける軸方向他方側の端面910Bを、第2金型92Bの突出部921Bの軸方向一方側の端面920Bに接触させる。これにより、第1金型91Bと第2金型92Bとの軸方向の間に、空洞90Bが形成される。さらに、空洞90B内に高温の液体状の金属ガラスを流し込む。その後、当該流動状態の金属ガラスを空洞90B内に行き渡らせた後、冷却し、硬化させる。これにより、第1金型91Bおよび第2金型92Bの形状に沿って形成された可撓性外歯歯車20Bが得られる。
さらに、第1金型91Bと第2金型92Bとを軸方向に分離することによって、可撓性外歯歯車20Bを取り出す。ここで、上記のとおり、可撓性外歯歯車20Bが単体で配置されている状態で、本実施形態の可撓性筒状胴部25Bおよび外歯21Bの歯先211Bは、軸方向他方側の端部から軸方向一方側の端部まで、径方向外側へ拡径することなく延びる。このため、第1金型91Bおよび第2金型92Bを互いに軸方向に取り外す際に、可撓性筒状胴部25Bの一部が第1金型91Bまたは第2金型92Bに引っかかる等の障害となることはない。また、上記のとおり、可撓性筒状胴部25Bの一部には、軸方向一方側へ向かうにつれて径方向内側へ傾斜する傾斜部250Bが形成されている。これにより、第1金型91Bおよび第2金型92Bを軸方向にさらに容易に取り外すことができる。
ただし、可撓性外歯歯車20Bの形状は、これに限定されない。図12および図13はそれぞれ、変形例に係る可撓性外歯歯車20Bの部分縦断面図である。図12の例においても、可撓性外歯歯車20Bが単体で配置されている状態で、可撓性筒状胴部25Bおよび外歯21Bの歯先211Bは、軸方向他方側の端部から軸方向一方側の端部まで、径方向外側へ拡径することなく延びる。このため、可撓性外歯歯車20Bの製造時に、第1金型91Bおよび第2金型92Bを互いに軸方向に取り外す際に、可撓性筒状胴部25Bの一部が第1金型91Bまたは第2金型92Bに引っかかる等の障害となることはない。また、本変形例では、可撓性外歯歯車20Bが単体で配置されている状態で、可撓性筒状胴部25Bの全体に亘って、軸方向一方側へ向かうにつれて径方向内側へ傾斜する傾斜部250Bが形成されている。これにより、第1金型91Bおよび第2金型92Bを軸方向にさらに容易に取り外すことができる。
図13の例では、複数の外歯21Bはそれぞれ、可撓性筒状胴部25Bの軸方向の全体から径方向外側へ突出する。すなわち、本変形例の可撓性筒状胴部25Bは、全体が第1胴部251Bとなっている。本変形例においても、可撓性外歯歯車20Bが単体で配置されている状態で、可撓性筒状胴部25Bおよび外歯21Bの歯先211Bは、軸方向他方側の端部から軸方向一方側の端部まで、径方向外側へ拡径することなく延びる。このため、可撓性外歯歯車20Bの製造時に、第1金型91Bおよび第2金型92Bを互いに軸方向に取り外す際に、可撓性筒状胴部25Bの一部が第1金型91Bまたは第2金型92Bに引っかかる等の障害となることはない。また、可撓性外歯歯車20Bが単体で配置されている状態で、可撓性筒状胴部25Bの全体に亘って、軸方向一方側へ向かうにつれて径方向内側へ傾斜する傾斜部250Bが形成されている。これにより、第1金型91Bおよび第2金型92Bを軸方向にさらに容易に取り外すことができ、作業性が向上する。
可撓性外歯歯車20Bを鋳造により成形した後、さらに、外歯21Bの表面を機械加工等することによって、外歯21Bの寸法精度を向上させる。上記のとおり、本実施形態では、可撓性外歯歯車20Bにおける可撓性筒状胴部25Bの形状を工夫することによって、用いる素材または硬度に依らず、一対の第1金型91Bと第2金型92Bを用いて可撓性外歯歯車20Bを容易に製造することができる。すなわち、本実施形態では、可撓性外歯歯車20Bを鋳造によって容易に成形することができるため、製造コストを抑制できる。なお、可撓性外歯歯車20Bは、樹脂を材料として、射出成形により製造してもよい。これにより、可撓性外歯歯車20Bをより軽量化できる。
また、可撓性外歯歯車20Bは、プレス加工によって成形してもよい。この場合、金属ガラス製の板を、第1金型91Bと第2金型92Bとで軸方向に挟み込むことによって、可撓性外歯歯車20Bを生成することができる。
<3.第3実施形態>
続いて、本発明の第3実施形態に係る波動歯車装置100Cの構成について説明する。なお、以下では、第1実施形態および第2実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態および第2実施形態と同等の部分については、重複説明を省略する。また、第3実施形態では、径方向内側を「径方向一方側」と定義し、径方向外側を「径方向他方側」と定義する。
図14は、第3実施形態に係る波動歯車装置100Cの縦断面図である。図15は、図14のII-II位置を軸方向から見たときの波動歯車装置100Cの横断面図である。なお、図15では、後述する内歯11Cおよび外歯21Cの形状を模式的に表示している。図14および図15に示すように、波動歯車装置100Cは、剛性内歯歯車10Cと、可撓性外歯歯車20Cと、波動発生器30Cとを有する。本実施形態の波動歯車装置100Cは、主として波動発生器30Cの構成が、上記の第1実施形態と異なる。また、波動歯車装置100Cには、外部から動力を得るための入力部101Cが設けられている。入力部101Cは、中心軸9Cを中心として回転する。
剛性内歯歯車10Cについては、第1実施形態に係る剛性内歯歯車10と同等の構成を有するため、重複説明を省略する。
可撓性外歯歯車20Cについても、第1実施形態に係る可撓性外歯歯車20と同等の構成を有する。すなわち、可撓性外歯歯車20Cは、可撓性筒状胴部25Cと、複数の外歯21Cと、平板部26Cとを有する。複数の外歯21Cはそれぞれ、可撓性筒状胴部25Cの軸方向一方側の端部から径方向外側へ突出する。平板部26Cの中央には、減速後の動力を取り出すための出力軸(図示省略)が固定される。
また、第1実施形態および第2実施形態と同様に、本実施形態の可撓性外歯歯車20Cは、金属ガラスを材料として、鋳造により製造される。これにより、樹脂製の可撓性外歯歯車と比べて、可撓性外歯歯車20Cの弾性および強度を高めることができる。また、可撓性外歯歯車20Cの製造後の、剛性内歯歯車10Cおよび波動発生器30Cとともに組み上げられた後の状態における、可撓性外歯歯車20Cの外歯21Cと剛性内歯歯車10Cの内歯11Cとの噛み合い状態を改善し、かつ、耐久性を向上できる。
また、第1実施形態と同様に、可撓性外歯歯車20Cが単体で配置されている状態で、可撓性筒状胴部25Cの少なくとも一部には、傾斜部が形成される。傾斜部は、軸方向一方側へ向かうにつれて、平板部26Cの拡がる径方向内側に対して径方向外側へ傾斜する部位である。さらに、可撓性外歯歯車20Cが単体で配置されている状態で、本実施形態の可撓性筒状胴部25Cおよび外歯21Cの歯先は、軸方向他方側の端部から軸方向一方側の端部まで、径方向内側へ縮径することなく延びる。このため、可撓性外歯歯車20Cの製造時に、第1実施形態の第1金型91および第2金型92と同等の構成を有する一対の金型を、互いに軸方向に取り外す際に、可撓性筒状胴部25Cの一部が当該一対の金型に引っかかる等の障害となることはない。また、可撓性外歯歯車20Cが単体で配置されている状態で、可撓性筒状胴部25Cにおいて上記の傾斜部250Cが形成されていることによって、当該一対の金型を軸方向にさらに容易に取り外すことができる。
波動発生器30Cは、可撓性外歯歯車20Cを撓み変形させるための機構である。本実施形態の波動発生器30Cは、円環状のキャリア33Cと、複数(本実施形態では、2つ)の支持ピン34Cと、複数(本実施形態では、2つ)の軸受35Cとを有する。
キャリア33Cは、2つの軸受35Cをそれぞれ保持する部材である。キャリア33Cは、可撓性筒状胴部25Cの径方向内側において、入力部101Cの外周面に、互いに相対回転不能に固定されている。これにより、キャリア33Cは、入力部101Cとともに、中心軸9Cを中心として減速前の回転数で回転する。
2本の支持ピン34Cは、中心軸9Cに対して互いに反対側に位置する。各支持ピン34Cは、中心軸9Cに対して傾斜した姿勢で、キャリア33Cに固定される。具体的には、支持ピン34Cの軸方向一方側の端部は、支持ピン34Cの軸方向他方側の端部よりも、中心軸9Cから離れている。そして、各支持ピン34Cの軸方向他方側の端部が、キャリア33Cに固定されている。
各支持ピン34Cの軸方向一方側の端部には、軸受35Cが取り付けられている。すなわち、2つの軸受35Cは、中心軸9Cを中心として互いに周方向に180度の間隔を空けて配置されている。各軸受35Cは、剛性内歯歯車10Cおよび可撓性筒状胴部25Cの径方向内側に位置する。また、各軸受35Cは、内輪351Cと、複数のボール352Cと、外輪353Cとを有する。内輪351Cは、各支持ピン34Cの外周面に固定される。複数のボール352Cは、内輪351Cと外輪353Cとの間に介在する。これにより、各軸受35Cの外輪353Cは、支持ピン34Cを中心として回転(自転)することが可能となる。すなわち、本実施形態の外輪353Cは、軸方向一方側へ向かうにつれて中心軸9Cからの距離が広がるように、中心軸9Cに対して傾斜した回転軸19Cを中心として回転(自転)する。このように、軸受35Cには、ボールベアリングが用いられる。ただし、ボールベアリングに代えて、ローラベアリング等の他方式の軸受が用いられていてもよい。
このような構成の波動歯車装置100Cにおいて、上記の入力部101Cが減速前の回転数で回転すると、まず、各軸受35Cは、入力部101Cからキャリア33Cおよび支持ピン34Cを介して、中心軸9Cを中心として減速前の回転数で公転(回転)する。また、各軸受35Cの外輪353Cは、可撓性筒状胴部25Cのうちの、剛性内歯歯車10Cの内歯11Cと可撓性外歯歯車20Cの外歯21Cとの後述の噛み合い位置の内周面に直接的に接触して摩擦力を受ける。これにより、各軸受35Cは、当該摩擦力によって自転する。すなわち、各軸受35Cは、中心軸9Cを中心として公転とともに自転する。
また、波動発生器30Cの2つの軸受35Cの中心軸9Cを中心とした回転(公転)に伴って、可撓性筒状胴部25Cが径方向内側から押されることにより、可撓性筒状胴部25Cが径方向に撓み、軸方向に見て楕円状に変形する。そして、可撓性筒状胴部25Cは、2つの軸受35Cの径方向外側付近において、軸方向一方側の端部へ向かうにつれて拡径する方向に傾斜する。これにより、図15に示すように、2つの軸受35Cの径方向外側付近において、可撓性外歯歯車20Cの外歯21Cと剛性内歯歯車10Cの内歯11Cとが噛み合う。なお、本実施形態では、周方向における内歯11Cと外歯21Cとが噛み合う位置において、内歯11Cの歯筋を延長した直線と、外歯21Cの歯筋を延長した直線とは、中心軸9C上の1点において交差する。
また、可撓性筒状胴部25Cは、周方向における、中心軸9Cを中心として2つの軸受35Cから周方向に90度程度離れた位置の径方向外側においては、可撓性外歯歯車20Cの外歯21Cと剛性内歯歯車10Cの内歯11Cとが噛み合わない。つまり、外歯21Cと内歯11Cとが、互いに周方向において部分的に噛み合う。
2つの軸受35Cが公転すると、外歯21Cと内歯11Cとの噛み合い位置も周方向に移動する。ここで、剛性内歯歯車10Cの内歯11Cの歯数と、可撓性外歯歯車20Cの外歯21Cの歯数とは、僅かに相違する。このため、各軸受35Cの1公転ごとに、内歯11Cと外歯21Cとの噛み合い位置が僅かに変化する。一方、本実施形態では、剛性内歯歯車10Cは、波動歯車装置100Cが配置される筐体に固定されているため、周方向に回転しない。その結果、剛性内歯歯車10Cに対して可撓性外歯歯車20Cおよび出力軸が、減速された回転数で回転する。つまり、可撓性外歯歯車20Cおよび出力軸は、可撓性外歯歯車20Cの外歯21Cと剛性内歯歯車10Cの内歯11Cとの噛み合い位置を周方向に移動させながら、外歯21Cと内歯11Cとの歯数の違いによって剛性内歯歯車10Cに対して相対回転する。
<4.第4実施形態>
続いて、本発明の第4実施形態に係る波動歯車装置100Dの構成について説明する。なお、以下では、第1実施形態~第3実施形態との相違点を中心に説明し、第1実施形態~第3実施形態と同等の部分については、重複説明を省略する。また、第4実施形態では、径方向外側を「径方向一方側」と定義し、径方向内側を「径方向他方側」と定義する。
図16は、第4実施形態に係る波動歯車装置100Dの縦断面図である。図16に示すように、波動歯車装置100Dは、剛性内歯歯車10Dと、第1連結部151Dと、第2連結部152Dと、可撓性外歯歯車20Dと、波動発生器30Dとを有する。剛性内歯歯車10D、第1連結部151Dと、第2連結部152D、および可撓性外歯歯車20Dについては、第2実施形態に係る剛性内歯歯車10B、第1連結部151Bと、第2連結部152B、および可撓性外歯歯車20Bと同等の構成を有する。また、波動歯車装置100Dには、外部から動力を得るための入力部101Dが設けられている。入力部101Dは、中心軸9Dを中心として回転する。剛性内歯歯車10Dの軸方向一方側には、減速後の動力を取り出すための出力軸(図示省略)が固定される。
本実施形態の可撓性外歯歯車20Dは、可撓性筒状胴部25Dと、複数の外歯21Dと、平板部26Dとを有する。複数の外歯21Dはそれぞれ、可撓性筒状胴部25Dの軸方向一方側の端部から径方向外側へ突出する。
また、第1実施形態~第3実施形態と同様に、本実施形態の可撓性外歯歯車20Dは、金属ガラスを材料として、鋳造により製造される。これにより、樹脂製の可撓性外歯歯車と比べて、可撓性外歯歯車20Dの弾性および強度を高めることができる。また、可撓性外歯歯車20Dの製造後の、剛性内歯歯車10Dおよび波動発生器30Dとともに組み上げられた後の状態における、可撓性外歯歯車20Dの外歯21Dと剛性内歯歯車10Dの内歯11Dとの噛み合い状態を改善し、かつ、耐久性を向上できる。
また、第2実施形態と同様に、可撓性外歯歯車20Dが単体で配置されている状態で、可撓性筒状胴部25Dの少なくとも一部には、傾斜部が形成される。傾斜部は、軸方向一方側へ向かうにつれて、平板部26Dの拡がる径方向外側に対して径方向内側へ傾斜する部位である。さらに、可撓性外歯歯車20Dが単体で配置されている状態で、本実施形態の可撓性筒状胴部25Dおよび外歯21Dの歯先は、軸方向他方側の端部から軸方向一方側の端部まで、径方向外側へ拡径することなく延びる。このため、可撓性外歯歯車20Dの製造時に、第2実施形態の第1金型91Bおよび第2金型92Bと同等の構成を有する一対の金型を、互いに軸方向に取り外す際に、可撓性筒状胴部25Dの一部が当該一対の金型に引っかかる等の障害となることはない。また、可撓性外歯歯車20Dが単体で配置されている状態で、可撓性筒状胴部25Dにおいて上記の傾斜部250Dが形成されていることによって、当該一対の金型を軸方向にさらに容易に取り外すことができる。
本実施形態の波動発生器30Dは、円環状のキャリア33D、複数(本実施形態では、2つ)の支持ピン34D、および複数(本実施形態では、2つ)の軸受35Dに加え、各軸受35Dの外輪353Dに固定されたローラ36Dをさらに有する。本実施形態のキャリア33D、支持ピン34D、および2つの軸受35Dは、第3実施形態のキャリア33C、支持ピン34C、および2つの軸受35Cと同等の構成を有する。
波動歯車装置100Dにおいて、上記の入力部101Dが減速前の回転数で回転すると、まず、各軸受35Dは、入力部101Dからキャリア33Dおよび支持ピン34Dを介して、中心軸9Dを中心として減速前の回転数で公転(回転)する。また、各軸受35Dの外輪353Dは、上記のローラ36Dを介して、可撓性筒状胴部25Dのうちの、剛性内歯歯車10Dの内歯11Dと可撓性外歯歯車20Dの外歯21Dとの後述の噛み合い位置の内周面に間接的に接触して摩擦力を受ける。これにより、各軸受35Dおよびローラ36Dは、当該摩擦力によって自転する。すなわち、各軸受35Dおよびローラ36Dは、中心軸9Dを中心として公転とともに自転する。
また、波動発生器30Dの2つの軸受35Dおよびローラ36Dの中心軸9Dを中心とした回転(公転)に伴って、可撓性筒状胴部25Dが径方向内側から押されることにより、可撓性筒状胴部25Dが径方向に撓み、軸方向に見て楕円状に変形する。そして、2つの軸受35Dおよびローラ36Dの径方向外側付近において、可撓性外歯歯車20Dの外歯21Dと剛性内歯歯車10Dの内歯11Dとが噛み合う。また、可撓性筒状胴部25Dは、周方向における、中心軸9Dを中心として2つの軸受35Dから周方向に90度程度離れた位置の径方向外側付近においては、可撓性外歯歯車20Dの外歯21Dと剛性内歯歯車10Dの内歯11Dとが噛み合わない。つまり、外歯21Dと内歯11Dとが、互いに周方向において部分的に噛み合う。
2つの軸受35Dおよびローラ36Dが公転すると、外歯21Dと内歯11Dとの噛み合い位置も周方向に移動する。ここで、剛性内歯歯車10Dの内歯11Dの歯数と、可撓性外歯歯車20Dの外歯21Dの歯数とは、僅かに相違する。このため、各軸受35Dおよびローラ36Dの1公転ごとに、内歯11Dと外歯21Dとの噛み合い位置が僅かに変化する。一方、本実施形態では、可撓性外歯歯車20Dは、第2連結部152Dとともに、波動歯車装置100Dが配置される筐体に固定されるため、周方向に回転しない。その結果、可撓性外歯歯車20Dに対して剛性内歯歯車10Dおよび上記の出力軸が、減速された回転数で回転する。つまり、剛性内歯歯車10Dおよび出力軸は、可撓性外歯歯車20Dの外歯21Dと剛性内歯歯車10Dの内歯11Dとの噛み合い位置を周方向に移動させながら、外歯21Dと内歯11Dとの歯数の違いによって可撓性外歯歯車20Dに対して相対回転する。
<5.変形例>
以上、本発明の例示的な実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
上記の実施形態では、金属ガラスを材料として、鋳造またはプレス加工により可撓性外歯歯車を製造していた。しかしながら、上記の鋳造またはプレス加工のほか、しぼり加工によって可撓性外歯歯車を製造してもよい。
上記のとおり、第1実施形態および第3実施形態の可撓性外歯歯車は、平板部が可撓性筒状胴部の軸方向他方側の端部から径方向内側に拡がる、いわゆる「カップ形状」を有していた。また、可撓性外歯歯車が単体で配置されている状態で、可撓性筒状胴部および外歯の歯先は、軸方向他方側の端部から軸方向一方側の端部まで、径方向内側へ縮径することなく延びる構造を有していた。また、第2実施形態および第4実施形態の可撓性外歯歯車は、平板部が可撓性筒状胴部の軸方向他方側の端部から径方向外側に拡がる、いわゆる「シルクハット形状」を有していた。また、可撓性外歯歯車が単体で配置されている状態で、可撓性筒状胴部および外歯の歯先は、軸方向他方側の端部から軸方向一方側の端部まで、径方向外側へ拡径することなく延びる構造を有していた。すなわち、本発明の可撓性外歯歯車は、可撓性筒状胴部の軸方向他方側の端部から径方向一方側に拡がる平板部を有し、かつ、単体で配置されている状態で、可撓性筒状胴部および外歯の歯先が、軸方向他方側の端部から軸方向一方側の端部まで、径方向一方側へ傾斜することなく延びる構造を有していればよい。
上記の実施形態では、可撓性外歯歯車の可撓性筒状胴部の少なくとも一部または全部に、1つの傾斜部が設けられていた。しかしながら、可撓性筒状胴部に設けられる傾斜部の数は、2つ以上であってもよい。
また、波動歯車装置の細部の形状については、上記の実施形態の各図に示された形状と相違していてもよい。
本願は、可撓性外歯歯車および波動歯車装置に利用できる。
9,9B,9C,9D 中心軸
10,10B,10C,10D 剛性内歯歯車
11,11B,11C,11D 内歯
16B 軸受
19C 回転軸
20,20B,20C,20D 可撓性外歯歯車
21,21B,21C,21D 外歯
25,25B,25C,25D 可撓性筒状胴部
26,26B,26C,26D 平板部
30,30B,30C,30D 波動発生器
31,31B 非真円カム
32,32B 波動軸受
33C,33D キャリア
34C,34D 支持ピン
35C,35D 軸受
36D :ローラ
90,90B 空洞
91,91B 第1金型
92,92B 第2金型
100,100B,100C,100D 波動歯車装置
101,101B,101C,101D 入力部
102,102B 貫通孔
103,103B キー
151B,151D 第1連結部
152B,152D 第2連結部
153B 貫通孔
210 歯底
211,211B 歯先
250,250B,250C,250D 傾斜部
251,251B 第1胴部
252,252B 第2胴部
260B 貫通孔
321,321B 内輪
322,322B ボール
323,323B 外輪
351C 内輪
352C ボール
353C,353D 外輪
910,910B 端面
911,911B 突出部
920,920B 端面
921,921B 突出部

Claims (16)

  1. 心軸を中心として軸方向に筒状に延びる可撓性筒状胴部と、
    前記可撓性筒状胴部の軸方向一方側の端部から径方向外側へ突出する複数の外歯と、
    前記可撓性筒状胴部の軸方向他方側の端部から径方向に拡がる平板部と、
    を有し
    記可撓性筒状胴部は、
    軸方向一方側へ向かうにつれて前記平板部の拡がる径方向一方側に対して径方向他方側へ傾斜する傾斜部と、
    前記傾斜部よりも軸方向一方側に配置される第1胴部と、
    前記傾斜部よりも軸方向他方側に配置される第2胴部と、
    を有し、
    前記外歯は、前記第1胴部の外周面から径方向外側へ突出し、
    前記可撓性筒状胴部は、周方向に配列される前記複数の外歯を、軸方向に1列のみ有する、可撓性外歯歯車。
  2. 請求項1に記載の可撓性外歯歯車であって、
    前記径方向一方側は、径方向内側であり、
    前記平板部は、前記可撓性筒状胴部の軸方向他方側の端部から径方向内側に拡がり、
    前記可撓性筒状胴部は、前記傾斜部において軸方向一方側へ向かうにつれて径方向外側へ傾斜する、可撓性外歯歯車。
  3. 請求項1または請求項2に記載の可撓性外歯歯車であって
    記外歯の歯底は、前記第2胴部の外周面よりも径方向外側に位置する、可撓性外歯歯車。
  4. 請求項1に記載の可撓性外歯歯車であって、
    前記径方向一方側は、径方向外側であり、
    前記平板部は、前記可撓性筒状胴部の軸方向他方側の端部から径方向外側に拡がり、
    前記可撓性筒状胴部は、前記傾斜部において軸方向一方側へ向かうにつれて径方向内側へ傾斜する、可撓性外歯歯車。
  5. 請求項1または請求項4に記載の可撓性外歯歯車であって
    記外歯の歯先は、前記第2胴部の外周面よりも径方向内側に位置する、可撓性外歯歯車。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の可撓性外歯歯車であって
    記第2胴部の母線および前記外歯の歯筋はそれぞれ前記中心軸と平行である、可撓性外歯歯車。
  7. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の可撓性外歯歯車であって
    記第2胴部の母線および前記外歯の歯筋はそれぞれ前記中心軸に対して径方向に傾斜している、可撓性外歯歯車。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の可撓性外歯歯車であって
    記第1胴部の内周面は、前記中心軸を中心として円環状に拡がる、可撓性外歯歯車。
  9. 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の可撓性外歯歯車であって
    記第1胴部の内周面は、前記外歯の外形に沿う凹凸形状を有する、可撓性外歯歯車。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の可撓性外歯歯車であって、
    前記可撓性外歯歯車の材料は樹脂である、可撓性外歯歯車。
  11. 請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の可撓性外歯歯車であって、
    前記可撓性外歯歯車の材料は金属ガラスである、可撓性外歯歯車。
  12. 請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の可撓性外歯歯車と、
    前期外歯と部分的に噛み合う内歯を有し、前期中心軸を中心として円環状に拡がる剛性内歯歯車と、
    前期中心軸を中心とした回転に伴って前期可撓性外歯歯車を径方向内側から押す波動発生器と、
    を有し、
    前記波動発生器は、
    前記中心軸を中心として回転し、周方向の位置によって異なる外径を有する非真円カム
    を有し、
    前記非真円カムの回転に伴って、前記内歯と前記外歯との噛み合い位置が周方向に移動する、波動歯車装置。
  13. 請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の可撓性外歯歯車と、
    前期外歯と部分的に噛み合う内歯を有し、前期中心軸を中心として円環状に拡がる剛性内歯歯車と、
    前期中心軸を中心とした回転に伴って前期可撓性外歯歯車を径方向内側から押す波動発生器と、
    を有し、
    前記波動発生器は、
    前記中心軸を中心として互いに周方向に間隔を空けて配置された複数の軸受と、
    前記中心軸を中心として回転する入力部に固定され、前記複数の軸受をそれぞれ保持するキャリアと、
    を有し、
    前記複数の軸受は、前記可撓性外歯歯車に直接的または間接的に接触しつつ、前記入力部から前記キャリアを介して回転することによって前記中心軸を中心として公転とともに自転する、波動歯車装置。
  14. 請求項13に記載の波動歯車装置であって、
    前記波動発生器は、
    前記複数の軸受の外輪に固定されたローラ
    をさらに有し、
    前記複数の軸受は、前記ローラを介して前記可撓性外歯歯車に間接的に接触する、波動歯車装置。
  15. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の可撓性外歯歯車と、
    前期外歯と部分的に噛み合う内歯を有し、前期中心軸を中心として円環状に拡がる剛性内歯歯車と、
    前期中心軸を中心とした回転に伴って前期可撓性外歯歯車を径方向内側から押す波動発生器と、
    を有し
    方向における前記内歯と前記外歯とが噛み合う位置において、前記内歯の歯筋を延長した直線と、前記外歯の歯筋を延長した直線とは、それぞれ、前記中心軸上の1点において前期中心軸と交差する、波動歯車装置。
  16. 請求項4または請求項5の可撓性外歯歯車と、
    前期外歯と部分的に噛み合う内歯を有し、前期中心軸を中心として円環状に拡がる剛性内歯歯車と、
    前期中心軸を中心とした回転に伴って前期可撓性外歯歯車を径方向内側から押す波動発生器と、
    を有し、
    周方向における前記内歯と前記外歯とが噛み合う位置において、前記内歯の歯筋と、前記外歯の歯筋は、それぞれ前記中心軸と平行である、波動歯車装置。
JP2019122639A 2019-07-01 2019-07-01 可撓性外歯歯車および波動歯車装置 Active JP7323164B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019122639A JP7323164B2 (ja) 2019-07-01 2019-07-01 可撓性外歯歯車および波動歯車装置
CN202010620237.5A CN112178155A (zh) 2019-07-01 2020-07-01 挠性外齿齿轮以及波动齿轮装置
JP2023118307A JP2023134757A (ja) 2019-07-01 2023-07-20 可撓性外歯歯車、波動歯車装置、および、ロボット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019122639A JP7323164B2 (ja) 2019-07-01 2019-07-01 可撓性外歯歯車および波動歯車装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023118307A Division JP2023134757A (ja) 2019-07-01 2023-07-20 可撓性外歯歯車、波動歯車装置、および、ロボット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021008911A JP2021008911A (ja) 2021-01-28
JP7323164B2 true JP7323164B2 (ja) 2023-08-08

Family

ID=73918836

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019122639A Active JP7323164B2 (ja) 2019-07-01 2019-07-01 可撓性外歯歯車および波動歯車装置
JP2023118307A Pending JP2023134757A (ja) 2019-07-01 2023-07-20 可撓性外歯歯車、波動歯車装置、および、ロボット

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023118307A Pending JP2023134757A (ja) 2019-07-01 2023-07-20 可撓性外歯歯車、波動歯車装置、および、ロボット

Country Status (2)

Country Link
JP (2) JP7323164B2 (ja)
CN (1) CN112178155A (ja)

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004028122A (ja) 2002-06-21 2004-01-29 Harmonic Drive Syst Ind Co Ltd シルクハット型波動歯車装置
JP2013194836A (ja) 2012-03-21 2013-09-30 Honda Motor Co Ltd 波動歯車装置および歩行補助装置
JP5335152B1 (ja) 2012-05-23 2013-11-06 株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズ 波動歯車装置の波動発生器
CN104747660A (zh) 2015-04-14 2015-07-01 上海鑫君传动科技有限公司 提高寿命的谐波减速机结构
JP2017180628A (ja) 2016-03-30 2017-10-05 株式会社駿河生産プラットフォーム 波動歯車装置
DE102016218927A1 (de) 2016-09-29 2017-11-02 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Wellgetriebe
CN108488354A (zh) 2018-03-21 2018-09-04 佛山市领卓科技有限公司 一种谐波减速器柔轮结构设计与优化方法
CN109027180A (zh) 2018-09-19 2018-12-18 珠海格力电器股份有限公司 减速器和机器人
JP2019027519A (ja) 2017-07-31 2019-02-21 日本電産シンポ株式会社 波動歯車装置
WO2019111409A1 (ja) 2017-12-08 2019-06-13 株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズ カップ型の波動歯車装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4844710B1 (ja) * 1969-12-15 1973-12-26
JP3781315B2 (ja) * 1996-04-19 2006-05-31 株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズ シルクハット型撓み噛み合い式歯車装置
KR101228033B1 (ko) * 2010-05-11 2013-02-25 주식회사 에스비비테크 조화감속기
JP6711535B2 (ja) * 2016-08-31 2020-06-17 日本電産シンポ株式会社 電動機付き波動歯車減速機
JP2019019861A (ja) * 2017-07-14 2019-02-07 日本電産シンポ株式会社 波動歯車装置
JP7248223B2 (ja) * 2017-07-31 2023-03-29 日本電産シンポ株式会社 車輪駆動装置

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004028122A (ja) 2002-06-21 2004-01-29 Harmonic Drive Syst Ind Co Ltd シルクハット型波動歯車装置
JP2013194836A (ja) 2012-03-21 2013-09-30 Honda Motor Co Ltd 波動歯車装置および歩行補助装置
JP5335152B1 (ja) 2012-05-23 2013-11-06 株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズ 波動歯車装置の波動発生器
CN104747660A (zh) 2015-04-14 2015-07-01 上海鑫君传动科技有限公司 提高寿命的谐波减速机结构
JP2017180628A (ja) 2016-03-30 2017-10-05 株式会社駿河生産プラットフォーム 波動歯車装置
DE102016218927A1 (de) 2016-09-29 2017-11-02 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Wellgetriebe
JP2019027519A (ja) 2017-07-31 2019-02-21 日本電産シンポ株式会社 波動歯車装置
WO2019111409A1 (ja) 2017-12-08 2019-06-13 株式会社ハーモニック・ドライブ・システムズ カップ型の波動歯車装置
CN108488354A (zh) 2018-03-21 2018-09-04 佛山市领卓科技有限公司 一种谐波减速器柔轮结构设计与优化方法
CN109027180A (zh) 2018-09-19 2018-12-18 珠海格力电器股份有限公司 减速器和机器人

Also Published As

Publication number Publication date
CN112178155A (zh) 2021-01-05
JP2021008911A (ja) 2021-01-28
JP2023134757A (ja) 2023-09-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100988215B1 (ko) 전위기어를 이용하는 하모닉 감속기
CN110469651B (zh) 波动齿轮装置
EP2463548B1 (en) Eccentric oscillating-type planetary gear device
JP5496416B1 (ja) 波動歯車装置および可撓性内歯歯車
JP7162280B2 (ja) 回転減速伝達装置
JP2017096478A (ja) 撓み噛合い式歯車装置およびその起振体の製造方法
JP6702586B2 (ja) 軸受および減速機
JP7323164B2 (ja) 可撓性外歯歯車および波動歯車装置
JP5475153B2 (ja) 撓み噛合い式歯車装置
JP2018044610A (ja) ロボットの減速伝達装置
JP5425550B2 (ja) 撓み噛合い式歯車装置及び撓み噛合い式歯車装置の歯形の決定方法
WO2020017310A1 (ja) 波動歯車装置
US20200292046A1 (en) Rotation deceleration transmission apparatus
JP7468827B2 (ja) 波動歯車装置
JP2023006337A (ja) フレキシブルギア、波動減速機、およびロボット
JP2018145987A (ja) 波動歯車装置の製造方法
JPWO2018229987A1 (ja) 波動歯車装置
JP2022183468A (ja) 可撓性外歯歯車、波動歯車装置、およびロボット装置
JP7080790B2 (ja) 撓み噛合い式歯車装置及び内歯歯車の製造方法
JP6563640B2 (ja) 偏心揺動型歯車装置
WO2022153347A1 (ja) 保持器及び転がり軸受
JP2017160963A (ja) ロボットの減速伝達装置
JP2021191958A (ja) 転がり軸受及び波動減速機
JP2021116863A (ja) 歯車装置およびロボット
CN105822750B (zh) 偏心摆动型齿轮装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20220623

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220624

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230330

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230411

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230607

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230608

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230627

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230720

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7323164

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150