JP2021191958A - 転がり軸受及び波動減速機 - Google Patents

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恵司 早川
Keiji Hayakawa
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Abstract

【課題】転がり軸受が組み立てられた状態で、保持器が、その軸方向の移動が玉によって制限されない構成であったとしても、保持器が転がり軸受から脱落するのを防ぐ。【解決手段】転がり軸受32は、径方向に弾性変形可能である内輪34と、径方向に弾性変形可能である外輪33と、内輪34と外輪33との間に設けられている複数の玉35と、複数の玉35を周方向に間隔をあけて保持する環状の保持器36とを備える。保持器36の外周面と内周面とのうちの少なくとも一方の周面に、周方向に沿って突起46,47が設けられている。内輪34と外輪33とのうちの前記周面の対向面に、周溝48,49が設けられている。内輪34及び外輪33が変形しないで断面真円形状である場合、周溝48,49に突起46,47が収容されず、内輪34及び外輪33が変形して断面非円形状にある場合、周溝48,49に突起46,47の一部が収容される。【選択図】図8

Description

本開示は、転がり軸受及び波動減速機に関する。
減速機の一つとして波動減速機が知られている(例えば特許文献1参照)。波動減速機は、内歯を有する環状のサーキュラスプライン、そのサーキュラスプラインの内側に設けられ前記内歯と噛み合う外歯を有する環状のフレクスプライン、及び、そのフレクスプラインの内側に設けられている回転体を備える。外歯の歯数は内歯の歯数よりも少なく設定されている。
回転体は、カムと、そのカムに外嵌していると共にフレクスプラインが外嵌している転がり軸受とを有する。カムは楕円形を有する。このため、その外側の転がり軸受及びフレクスプラインは楕円形に撓み、フレクスプラインの外歯がサーキュラスプラインの内歯に部分的に噛み合う。楕円形に撓むフレクスプラインの長軸の部分においてサーキュラスプラインと歯が噛み合う。これに対して、楕円形に撓むフレクスプラインの短軸の部分においてサーキュラスプラインと歯が離れた状態となる。
カムが回転すると、サーキュラスプラインに対して、フレクスプラインの楕円の長軸位置(つまり、内歯との噛合位置)が移動し、この移動と共に部分的に歯が噛み合った状態でフレクスプラインが回転する。このフレクスプラインの回転が、減速され、出力として取り出される。
特開2018−200112号公報
転がり軸受は、フレクスプラインが外嵌する外輪、カムに外嵌する内輪、これら外輪と内輪との間に設けられている複数の玉、および、複数の玉を保持する環状の保持器を有する。内輪及び外輪は、転がり軸受が波動減速機に組み込まれる前の状態で、断面真円形状にある。
転がり軸受が波動減速機に組み込まれると、つまり、転がり軸受がカムに外嵌すると、内輪及び外輪は弾性変形し断面楕円形状となる。これに対して、保持器は、内輪及び外輪の変形の影響を受けず、断面真円形状に保たれる。
波動減速機では、外輪はカムの楕円形状が転写されるようにして楕円となるべきである。つまり、外輪が多角形となるのを防ぐことが必要である。そこで、波動減速機用の転がり軸受の場合、一般的な転がり軸受よりも、多くの玉が内輪と外輪との間に設けられる。玉の数が多くなると、図11及び図12それぞれに示すように、保持器90において、玉95を収容するポケット99の間隔が狭くなる。すると、保持器90が有する柱91が細くなり、保持器90の設計に制限が生じる。
波動減速機用の転がり軸受が有する保持器90は、主に樹脂製であり、次の二つの形態が採用され得る。樹脂製の保持器90は、金型を用いた射出成型により製造される。
図11は、保持器90の例(第一の従来例)を示す説明図である。図11のうち(A)は、保持器90の一部を径方向から見た図であり、(B)は、その一部を軸方向から見た図である。図11に示す保持器90の場合、ポケット99は、保持器90の径方向を中心線方向とする仮想円筒面に沿った形状を有する。この場合、周方向で隣り合う柱91,91の開口側の最小寸法Eは、玉95の直径dよりも小さいことから、転がり軸受が組み立てられた状態で、玉95によって保持器90の軸方向の移動が制限され、保持器90が転がり軸受から脱落しない。
図12は、保持器90の他の例(第二の従来例)を示す説明図である。図12のうち(A)は、保持器90の一部を径方向から見た図であり、(B)は、その一部を軸方向から見た図である。図12に示す保持器90の場合、ポケット99は、保持器90の中心線に平行な線を中心とする仮想円筒面に沿った形状を有する。この場合、保持器90を射出成形する場合に用いる金型は、軸方向に二分割する割金型を採用することが可能となり、成型設備費の低減が可能となる。
図11に示す第一の従来例の場合、前記のとおり、保持器90が転がり軸受から脱落しないという利点があるが、図12の第二の従来例のような、軸方向に二分割する割金型を採用することができない。図11に示す第一の従来例の場合、ポケット99毎に径方向に移動する部分金型が必要となり、金型部品数が増加し、成型設備費が高額となる。
図12に示す第二の従来例の場合、前記のとおり、成型設備費の低減が可能となるが、転がり軸受が組み立てられた状態で、玉95によって保持器90の軸方向の移動が制限されず、保持器90が軸方向に脱落してしまう。
そこで、本開示は、転がり軸受が組み立てられた状態で、保持器が、その軸方向の移動が玉によって制限されない構成であったとしても、保持器が転がり軸受から脱落するのを防ぐことが可能となる転がり軸受、及び、そのような転がり軸受を備える波動減速機を提供することを目的とする。
本開示の転がり軸受は、径方向に弾性変形可能である内輪と、径方向に弾性変形可能である外輪と、前記内輪と前記外輪との間に設けられている複数の玉と、複数の前記玉を周方向に間隔をあけて保持する環状の保持器と、を備え、前記保持器の外周面と内周面とのうちの少なくとも一方の周面に、周方向に沿って突起が設けられていて、前記内輪と前記外輪とのうちの前記周面の対向面に、周溝が設けられていて、前記内輪及び前記外輪が変形しないで断面真円形状である場合、前記周溝に前記突起が収容されず、前記内輪及び前記外輪が変形して断面非円形状にある場合、前記周溝に前記突起の一部が収容される。
転がり軸受が組み立てられた状態で、保持器が、その軸方向の移動が玉によって制限されない構成であったとしても、転がり軸受が例えば波動減速機に組み込まれて、内輪及び外輪が変形して断面非円形状となることにより、前記周溝に前記突起の一部が収容される。よって、保持器は転がり軸受から脱落しない。
転がり軸受が組み立てられた状態で、保持器の軸方向の移動が玉によって制限されない構成として、保持器は次のように構成されるのが好ましい。前記保持器は、樹脂製であって、前記玉の軸方向一方に位置する環状体と、前記環状部から軸方向他方に延びて設けられている複数の柱と、を有し、周方向で隣り合う前記柱の間が前記玉を収容するポケットであり、前記ポケットは、軸方向他方に向かって開口していて、前記ポケットに収容されている前記玉の中心よりも少なくとも軸方向他方側において、当該ポケットは、前記保持器の中心線に平行な線を中心とする仮想円筒面に沿った形状を有し、当該仮想円筒面の直径は前記玉の直径よりも大きい。
この構成により、保持器が金型を用いた射出成型により製造される場合、その金型の構成が簡素化される。例えば、軸方向に分割する二分割金型によって保持器を成型することが可能となる。
本開示の波動減速機は、内歯を有するサーキュラスプライン、当該サーキュラスプラインの内側に設けられ前記内歯と噛み合う外歯を有するフレクスプライン、及び、当該フレクスプラインの内側に設けられ当該フレクスプラインを断面非円形に撓ませて前記外歯を前記内歯に部分的に噛み合わせるための回転体を備え、前記回転体は、断面非円形のカムと、当該カムと前記フレクスプラインとの間に介在している前記転がり軸受と、を有する。
前記波動減速機によれば、転がり軸受が有する保持器は、その軸方向の移動が玉によって制限されない構成であったとしても、その転がり軸受が波動減速機に組み込まれて、内輪及び外輪が変形して断面非円形状となることにより、前記周溝に前記突起の一部が収容される。よって、保持器は転がり軸受から脱落しない。
前記転がり軸受及び前記波動減速機それぞれにおいて、転がり軸受の組み立ての際、内輪及び外輪は変形しないで断面真円形状となる。この場合、突起が周溝に収容されない関係にあることから、内輪と外輪との間に配置された複数の玉に対して、保持器を軸方向から接近させて、その保持器を内輪と外輪との間の所定位置に組み付けることができる。
本開示によれば、転がり軸受が組み立てられた状態で、保持器が、その軸方向の移動が玉によって制限されない構成であったとしても、保持器が転がり軸受から脱落するのを防ぐことが可能となる。
波動減速機の一例を示す模式図である。 図1に示す波動減速機の縦断面図である。 転がり軸受及びその周囲を示す縦断面図である。 波動減速機の動作の説明図である。 図3に示す保持器の一部を径方向から見た図である。 図3に示す保持器の一部を軸方向から見た図である。 転がり軸受の縦断面図である。 カムに取り付けられた転がり軸受のイメージ図である。 楕円形状となる転がり軸受の長軸となる部分における断面図である。 楕円形状となる転がり軸受の短軸となる部分における断面図である。 保持器を成型する金型の断面図である。 保持器の例(第一の従来例)を示す説明図である。 保持器の例(第二の従来例)を示す説明図である。
〔波動減速機の構成について〕
図1は、波動減速機の一例を示す模式図であり、波動減速機をその軸方向から見た図である。図2は、図1に示す波動減速機の縦断面図である。波動減速機5は、サーキュラスプライン10、フレクスプライン20、及び回転体30を備える。本実施形態では、波動減速機5の中心線Cに平行な方向が、波動減速機5の軸方向である。
サーキュラスプライン10は、剛性の高い環状の部材(金属部材)からなり、その内周面に内歯11を有する。内歯11が形成されている内周面は、サーキュラスプライン10の中心線を中心とする円形(断面真円)の面からなる。サーキュラスプライン10の中心線は、波動減速機5の中心線Cと一致する。サーキュラスプライン10は、波動減速機5のケーシング(図示せず)に固定されている。
フレクスプライン20は、サーキュラスプライン10の内側(径方向内方)に設けられており、その外周面に内歯11と部分的に噛み合う外歯21を有する。フレクスプライン20は、図2に示すように、薄肉カップ形状の金属弾性体からなり、円筒部22と、底部23とを有する。外歯21は、円筒部22の外周面に設けられている。底部23に、図外の出力軸が取り付けられる。フレクスプライン20の外歯21の歯数は、サーキュラスプライン10の内歯11の歯数よりも少ない。本実施形態では、外歯21の歯数は、内歯11の歯数よりも二つ少ない。なお、この歯数差は任意である。
フレクスプライン20の円筒部22は、自然状態では断面円形(断面真円)であるが、図1に示すように、弾性変形することで断面非円形(本実施形態では断面楕円形)に撓むことができる。そして、この楕円形の長軸となる部分S1において、外歯21と内歯11とが噛み合った状態となり、短軸となる部分S2で、外歯21と内歯11とが離れた状態となる。
回転体30は、フレクスプライン20の円筒部22の内側(径方向内方)に設けられており、カム31と、転がり軸受32とを有する。カム31は、断面非円形であり、本実施形態では楕円形を有する(図1参照)。カム31の中心線、つまり、前記楕円形の中心線は、波動減速機5の中心線Cと一致する。転がり軸受32は、カム31とフレクスプライン20との間に介在している。転がり軸受32はカム31に外嵌していて、その転がり軸受32にフレクスプライン20の円筒部22が外嵌している。
転がり軸受32は、図3に示すように、薄肉の外輪33と、薄肉の内輪34と、これら外輪33と内輪34との間に設けられている複数の玉35と、環状の保持器36とを有する。外輪33は、それ単体で、軸方向から見て真円形状(断面真円形状)であり、内輪34は、それ単体で、軸方向から見て真円形状(断面真円形状)である。外輪33及び内輪34の間に玉35及び保持器36が介在する転がり軸受32の完成品の状態であり、かつ、波動減速機5に組み付けられる前の状態で、転がり軸受32(外輪33及び内輪34)は真円形状(断面真円形状)である。これに対して、転がり軸受32が波動減速機5に組み付けられた状態では、転がり軸受32(外輪33及び内輪34)は断面非円形(本実施形態では断面楕円形)に弾性変形する。なお、本開示において、非円形とは、真円ではない円であり、非円形は非真円形ともいう。
転がり軸受32の説明において「軸方向」とは、転がり軸受32の中心線に平行な方向であり、転がり軸受32の中心線は、波動減速機5の中心線Cと一致する。転がり軸受32及びその構成部材(外輪33、内輪34、及び保持器36)の軸方向を「軸受軸方向」と称することができるが、単に「軸方向」と称する。
転がり軸受32の中心線に直交する方向が「径方向」であり、転がり軸受32及びその構成部材(外輪33、内輪34、及び保持器36)の径方向を「軸受径方向」と称することができるが、単に「径方向」と称する。
転がり軸受32の中心線を中心とする円(楕円)に沿った方向が「周方向」であり、転がり軸受32及びその構成部材(外輪33、内輪34、及び保持器36)の周方向を「軸受周方向」と称することができるが、単に「周方向」と称する。
以下、保持器36の中心線は転がり軸受32の中心線と一致する場合について、説明する。
保持器36は、その軸方向から見て真円形状(断面真円形状)である。保持器36には、玉35を収容するポケット37が周方向に間隔をあけて複数形成されている。保持器36は、複数の玉35を周方向に間隔をあけて保持する。複数の玉35は全て同じ形状(同じ直径)である。なお、図1及び後に波動減速機5の動作を説明する図4では、保持器36が省略されている。
外輪33及び内輪34は、例えば軸受鋼等の金属製の環状部材であるが、薄肉であることから、全体として径方向について弾性変形が可能である。径方向について弾性変形が容易となるように、外輪33及び内輪34の厚さ(最大厚さ)が、例えば、玉35の直径dの1/7以上、1/4以下となっていて、厚さが薄い。なお、玉35も、例えば軸受鋼等の金属製である。
外輪33の内周面には、断面が円弧形状である軌道溝38が形成されている。内輪34の外周面には、断面が円弧形状である軌道溝39が形成されている。これら軌道溝38,39に沿って、各玉35は転動自在となる。内輪34は、軌道溝39の軸方向の両側に、全周にわたって同じ高さに形成されている肩部34a,34aを有する。外輪33は、軌道溝38の軸方向の両側に、全周にわたって同じ高さに形成されている肩部33a,33aを有する。
内輪34は、カム31に外嵌して固定されており、内輪34とカム31とは一体回転可能である。外輪33にフレクスプライン20の円筒部22が外嵌している。外輪33は、円筒部22に固定されており、外輪33とフレクスプライン20とは一体回転可能である。
内輪34及び外輪33それぞれは自然状態では円形(断面真円形状)であるが、カム31の外周輪郭形状は楕円形であることから(図1参照)、内輪34はカム31に取り付けられると弾性変形してカム31の形状に沿って楕円形となり、また、複数の玉35を介して外輪33及び円筒部22も弾性変形して楕円形となる。このように、外輪33及び内輪34は、全体として断面円形から断面非円形に弾性変形可能である。本実施形態の転がり軸受32は、全体として自然状態では断面円形であるが、非円形断面を有するカム31に外嵌して取り付けられることで断面非円形に弾性変形する。
以上より、楕円形であるカム31を含む回転体30は、フレクスプライン20を楕円形に撓ませ、このフレクスプラインの外歯21を、サーキュラスプライン10の内歯11に部分的に噛み合わせることができる。本実施形態では、外歯21と内歯11とが180度離れた二箇所で噛み合う。
カム31及び転がり軸受32を有する回転体30は、波動発生器とも呼ばれ、カム31には、図外の入力軸が取り付けられる。
〔波動減速機5の動作について〕
図1に示すように、フレクスプライン20は、回転体30により楕円形に撓んだ状態にある。この楕円の長軸の部分S1で外歯21と内歯11とが噛み合い、短軸の部分S2で外歯21と内歯11とは離れた状態にある。サーキュラスプライン10は固定状態にあり、この状態でカム31を、中心線Cを中心として時計回りに回転させると(図4(A)参照)、フレクスプライン20の長軸の部分S1の位置が移動(変化)し、外歯21と内歯11との噛み合い部分が移動(変化)する。
図4(B)に示すように、カム31が図1の状態から180度回転すると、フレクスプライン20は、外歯21と内歯11との歯数差の半分である一枚分に相当する距離だけ、カム31の回転方向と反対の方向(反時計回りの方向)に移動することとなる。
そして、図4(C)に示すように、カム31が図4(B)の状態から更に180度回転すると、フレクスプライン20は、図1に示す状態から、外歯21と内歯11との歯数差である二枚分に相当する距離だけ、カム31の回転方向と反対の方向(反時計回りの方向)に移動する。カム31は図外の入力軸と一体回転可能であり、フレクスプライン20は図外の出力軸と一体回転可能である。このため、波動減速機5では、カム31の入力に対して、フレクスプライン20の回転が、減速され、出力として取り出される。
〔転がり軸受32について〕
本実施形態の転がり軸受32では(図1参照)、玉35と玉35との間隔を小さくし、玉35の数を多くしている。つまり、周方向で隣り合うポケット37,37の間隔P(図5A参照)が狭くなっている。図5Aは、図3に示す保持器36の一部を径方向から見た図であり、図5Bは、その一部を軸方向から見た図である。
図6は、転がり軸受32の縦断面図である。転がり軸受32は、前記のとおり、内輪34と、外輪33と、複数の玉35と、樹脂製である保持器36とを有する。
図5A、図5B、及び図6において、保持器36は、玉35の軸方向一方に位置する環状体(環状部)41と、環状部41から軸方向他方に延びて設けられている複数の柱(柱部)42とを有する。環状体41の軸方向他方であって周方向で隣り合う柱42,42の間が、玉35を収容するポケット37である。ポケット37は、軸方向他方に向かって開口している。
ポケット37の形状について説明する。
本実施形態のポケット37は、保持器36の中心線に平行な線Liを中心とする仮想円筒面に沿った形状を有する。図5Bに示すように、その仮想円筒面の直径Dは、玉35の直径dよりも僅かに大きい。この構成により、ポケット37の軸方向の全長にわたって、ポケット37は前記仮想円筒面に沿った形状を有し、その全長にわたって、ポケット37の横断面形状は、玉35の横断面形状(玉35の中心を通過する断面の形状)よりも大きくなる。なお、ポケット37が、前記仮想円筒面に沿った形状を有する範囲は、ポケット37に収容されている玉35の中心よりも少なくとも軸方向他方側であればよい。
保持器36が径方向に変位すると、柱42の径方向外側部42a及びその径方向内側部42bが玉35に接触可能である。このため、保持器36の径方向についての位置決めが、玉35によって行われる。
本実施形態のポケット37の形状の場合、保持器36は、その軸方向の移動が玉35によって制限されない構成となる。そこで、転がり軸受32が波動減速機5に組み込まれた状態で、保持器36の軸方向についての位置決めは、後述する(図6参照)突起46,47と周溝48,49とによって行われる。
本実施形態では、保持器36の環状体41の外周面41aに、周方向に沿って外側の突起46が設けられている。外側の突起46は、環状体41に沿って全周に設けられている。更に、環状体41の内周面41bに、周方向に沿って内側の突起47が設けられている。内側の突起47は、環状体41に沿って全周に設けられている。
外輪33のうち、環状体41の外周面41aと径方向について対向する対向面33bに、外側の周溝48が設けられている。つまり、外輪33の軸方向一方側の肩部33aの内周面に、外側の周溝48が設けられている。周溝48は、外輪33に沿って全周に設けられている。
内輪34のうち、環状体41の内周面41bと径方向について対向する対向面34bに、内側の周溝49が設けられている。つまり、内輪34の軸方向一方側の肩部34aの外周面に、内側の周溝49が設けられている。周溝49は、内輪34に沿って全周に設けられている。
図6は、転がり軸受32が、カム31に取り付けられる前の状態であり、内輪34及び外輪33が弾性的に変形しないで断面真円形状である。この場合、保持器36の中心線が転がり軸受32の中心線と一致している状態で、外側の周溝48に外側の突起46が全周にわたって収容されない。更に、内側の周溝49に内側の突起47が全周にわたって収容されない。
図7は、カム31に取り付けられた転がり軸受32のイメージ図であり、転がり軸受32の中心線に直交しかつ周溝48,49を通過する断面を示す。つまり、図7は、図8及び図9それぞれの矢印Y方向から見た断面図である。図8は、図7において楕円形状となる転がり軸受32の長軸となる部分S1における断面図である。図9は、図7において楕円形状となる転がり軸受32の短軸となる部分S2における断面図である。図7、図8、図9では、転がり軸受32の中心線は、波動減速機5の中心線Cと一致している。
図7では、説明のために玉35及びフレクスプライン20を省略している。転がり軸受32がカム31に取り付けられると、前記のとおり、内輪34及び外輪33は、カム31の形状にあわせて弾性変形し、楕円形状(断面非円形状)となる。これに対して、保持器36は、内輪34及び外輪33の変形の影響を受けず、断面真円形状に保たれる。つまり、内輪34及び外輪33それぞれと保持器36との間には、隙間が設定されていて、また、保持器36の突起46,47と、その突起46,47を収容可能とする周溝48,49の底面との間にも、隙間が設定されている。このため、内輪34及び外輪33が上記のように弾性変形しても、その弾性変形による各部の変位が前記各隙間によって吸収され、保持器36は、断面真円形状に保たれる。図7では、保持器36のうち突起46,47を含む環状体41が断面で示されている。
図8に示すように、内輪34及び外輪33が変形して楕円形状にある場合、内側の周溝49に内側の突起47が収容される。このように内側の周溝49に内側の突起47が収容される部分は、図7に示すように、長軸となる部分S1を含む一部である。図8に示すように、環状体41の内周面41bのうち、内側の突起47以外の面は、内輪34の外周面(対向面34b)に非接触である。
図9に示すように、内輪34及び外輪33が変形して楕円形状にある場合、外側の周溝48に外側の突起46が収容される。このように外側の周溝48に外側の突起46が収容される部分は、図7に示すように、短軸となる部分S2を含む一部である。図9に示すように、環状体41の外周面41aのうち、外側の突起46以外の面は、外輪33の内周面(対向面33b)に非接触である。
なお、保持器36において、前記のような「突起」は、環状体41の外周面41aと内周面41bとのうちの少なくとも一方の周面に設けられていればよい。そして、内輪34と外輪33とにおいて、前記「突起」が設けられている周面(外周面41a、内周面41b)と径方向について対向する対向面に、前記のような「周溝」が設けられていればよい。
すなわち、保持器36(環状体41)の外周面41aと内周面41bとのうちの少なくとも一方の周面に、周方向に沿って「突起」が設けられていて、内輪34と外輪33とのうちの前記周面の対向面に「周溝」が設けられていればよい。そして、内輪34及び外輪33が変形しないで断面真円形状である場合、前記「周溝」に前記「突起」が全周にわたって収容されない。内輪34及び外輪33が変形して断面非円形状(楕円形状)にある場合、前記「周溝」に前記「突起」の一部が収容される。
以上の構成を備える転がり軸受32によれば、図5A、図5B、図6に示すように、組み立てられた状態で、つまり、転がり軸受32が断面真円形状の状態で、保持器36は、その軸方向の移動が玉35によって制限されない構成である。
これに対して、転がり軸受32が波動減速機5に組み込まれて、内輪34及び外輪33が変形して断面非円形状となることにより、図7、図8及び図9に示すように、外側の周溝48に外側の突起46の一部が収容され、内側の周溝49に内側の突起47の一部が収容されることから、保持器36は転がり軸受32から脱落しない。
本実施形態の保持器36は、樹脂製であり、金型を用いた射出成型により製造される。保持器36が有するポケット37は、前記のとおり(図5A、図5B参照)、軸方向他方に向かって開口していて、ポケット37に収容されている玉35の中心よりも少なくとも軸方向他方側において、そのポケット37は、保持器36の中心線に平行な線Liを中心とする仮想円筒面に沿った形状を有し、その仮想円筒面の直径Dは玉35の直径dよりも大きい。
このため、図10に示すように、軸方向に分割する二分割金型によって保持器36を成型することが可能となる。なお、図10は、保持器36を成型する金型51,52の断面図である。二つの金型51,52の合わせ面53は、外側の突起46の外周面及び内側の突起47の内周面それぞれと交差する。この構成により、射出成型に用いられる金型(51,52)の構成が簡素化され、しかも、脱型の際、二つの金型51,52は無理抜きとならず、成型品である保持器36を損傷させない。
更に、本実施形態の転がり軸受32において(図6参照)、その組み立ての際、内輪34及び外輪33は変形しないで断面真円形状にある。この場合、内輪34、外輪33、及び、保持器36が同心円上に配置された状態で、突起46,47が周溝48,49に収容されない関係にある。このため、内輪34と外輪33との間に配置された玉35に対して、保持器36を軸方向から接近させて、その保持器36を内輪34と外輪33との間の所定位置に組み付けることができる。
今回開示した実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された構成と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
5:波動減速機 10:サーキュラスプライン 11:内歯
20:フレクスプライン 21:外歯 30:回転体
31:カム 32:転がり軸受 33:外輪
33b:対向面 34:内輪 34b:対向面
35:玉 36:保持器 37:ポケット
41:環状体 42:柱 46:突起
47:突起 48:周溝 49:周溝
D:仮想円筒面の直径 d:玉の直径 Li:平行な線

Claims (3)

  1. 径方向に弾性変形可能である内輪と、径方向に弾性変形可能である外輪と、前記内輪と前記外輪との間に設けられている複数の玉と、複数の前記玉を周方向に間隔をあけて保持する環状の保持器と、を備え、
    前記保持器の外周面と内周面とのうちの少なくとも一方の周面に、周方向に沿って突起が設けられていて、
    前記内輪と前記外輪とのうちの前記周面の対向面に、周溝が設けられていて、
    前記内輪及び前記外輪が変形しないで断面真円形状である場合、前記周溝に前記突起が収容されず、前記内輪及び前記外輪が変形して断面非円形状にある場合、前記周溝に前記突起の一部が収容される、
    転がり軸受。
  2. 前記保持器は、樹脂製であって、前記玉の軸方向一方に位置する環状体と、前記環状部から軸方向他方に延びて設けられている複数の柱と、を有し、周方向で隣り合う前記柱の間が前記玉を収容するポケットであり、
    前記ポケットは、軸方向他方に向かって開口していて、
    前記ポケットに収容されている前記玉の中心よりも少なくとも軸方向他方側において、当該ポケットは、前記保持器の中心線に平行な線を中心とする仮想円筒面に沿った形状を有し、当該仮想円筒面の直径は前記玉の直径よりも大きい、請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 内歯を有するサーキュラスプライン、当該サーキュラスプラインの内側に設けられ前記内歯と噛み合う外歯を有するフレクスプライン、及び、当該フレクスプラインの内側に設けられ当該フレクスプラインを断面非円形に撓ませて前記外歯を前記内歯に部分的に噛み合わせるための回転体を備え、
    前記回転体は、断面非円形のカムと、当該カムと前記フレクスプラインとの間に介在している転がり軸受と、を有し、
    前記転がり軸受は、請求項1又は2に記載の転がり軸受である、波動減速機。
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KR102616219B1 (ko) * 2023-07-05 2023-12-20 주식회사 퓨트로닉 2단 감속기

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