JP2017026021A - 波動減速機、及び波動減速機用の玉軸受 - Google Patents

波動減速機、及び波動減速機用の玉軸受 Download PDF

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Abstract

【課題】内輪の早期破損を防止又は抑制することができる波動減速機を提供する。
【解決手段】内歯11を有する環状のサーキュラスプライン10、サーキュラスプラインの内側に設けられ内歯と噛み合う外歯21を有する環状のフレクスプライン20、及び、フレクスプラインの内側に嵌入されフレクスプラインを非円形に撓ませて外歯を内歯に部分的に噛み合わせるための回転体30を備える波動減速機5。回転体は、横断面が非円形のカム31と、カムとフレクスプラインとの間に介在している玉軸受32と、を有している。玉軸受は、弾性変形が可能である外輪33及び内輪と、外輪と内輪との間に設けられている複数の玉35と、玉を収容するポケットが周方向に複数形成されている保持器と、を有している。また、内輪は、自由状態において、軸方向から見て内輪が外嵌されるカムにならう非円形の形状を呈している。
【選択図】図1

Description

本発明は波動減速機、及び波動減速機用の玉軸受に関する。
従来、内歯を有する環状のサーキュラスプライン、このサーキュラスプラインの内側に設けられ前記内歯と噛み合う外歯を有する環状のフレクスプライン、及び、このフレクスプラインの内側に設けられている回転体を備えた波動減速機が知られている(例えば、特許文献1参照)。波動減速機では、外歯の歯数が内歯の歯数よりも少なく設定されている。回転体は、カムと、このカムに外嵌している玉軸受とを有している。フレクスプラインは、この玉軸受に外嵌している。
カムの横断面は楕円形状を呈しているので、当該カムの外側に設けられている玉軸受及びフレクスプラインは楕円形に撓み、フレクスプラインの外歯をサーキュラスプラインの内歯に、部分的に噛み合わせることができる。つまり、楕円形に撓むフレクスプラインの長軸の両端部分において、フレクスプラインの外歯とサーキュラスプラインと内歯とが噛み合い、フレクスプラインの短軸の両端部分において、フレクスプラインの外歯とサーキュラスプラインと内歯とは離れた状態にある。
そして、カムを回転させることで、サーキュラスプラインに対して、フレクスプラインの楕円の長軸の両端位置(内歯との噛合位置)を移動させることができ、この移動と共に部分的に歯が噛み合った状態でフレクスプラインを回転させることができる。
回転体を構成する要素である玉軸受は、薄肉の外輪と、薄肉の内輪と、外輪と内輪との間に設けられている複数の玉と、環状の保持器とを備えている。内輪はカムに外嵌され、また、フレクスプラインは外輪に外嵌されている。
特開2008−57702号公報
従来の波動減速機では、図7に誇張して示されているように、実質的に真円の内輪51が、例えば楕円形(非円形)であるカム52に外嵌されている。図7の(A)は、カム52に外嵌される前の内輪51及びカム52を示しており、図7の(B)はカム52に内輪51が外嵌された状態を示している。なお、分かりやすくするために、玉軸受の外輪、玉及び保持器の図示は省略している。また、図7の(A)の右側の図には、内輪51の形状(真円)とカム52の形状(楕円形)との違いを示すために、当該内輪51を二点鎖線で描いている。
内輪51は実質的に真円であるので、かかる内輪51を楕円形(非円形)のカム52に外嵌すると、カム52の長軸Lの両端に外嵌される内輪部分51a、51bに曲げ応力とともに円周方向の引張応力が作用する。一方、カム52の短軸Sの両端に外嵌される内輪部分51c、51dには曲げ応力とともに円周方向の圧縮応力が発生する。これら内輪51に作用する引張応力及び圧縮応力は、図8に模式的に示されるように、内輪部分51a、51bに作用する引張応力の方が、内輪部分51c、51dに作用する圧縮応力よりも大きい。図8において、縦軸は内輪に作用する圧縮応力又は引張応力を示しており、横軸は、内輪の位相(周方向の位置)を示している。図7の(B)に示されるように、0°、180°及び360°がカム52の楕円の長軸Lの端部に外嵌される内輪部分の位相であり、90°及び270°がカム52の短軸Sの端部に外嵌される内輪部分の位相である。そして、0°、180°及び360°が、後述する転動体荷重が作用する位置(荷重位置)である。
また、波動減速機の駆動時には、前述したように、フレクスプラインの楕円の長軸の両端部分において、フレクスプラインの外歯とサーキュラスプラインと内歯とが噛み合うので、カム52の長軸Lの両端に外嵌される内輪部分51a、51b(図8において、「荷重位置」と表記されている部分)に噛み合いによる転動体荷重が繰り返し作用する。すなわち、内輪部分51a,51bには、波動減速機を組み立てた時点で曲げ応力及び引張応力が作用するとともに、波動減速機に駆動時には、さらに歯の噛み合いによる転動体荷重が繰り返し作用する。このため、内輪51のうち、カム52の長軸Lの両端に外嵌される内輪部分51a,51bを起点として早期に内輪が破損する虞がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、内輪の早期破損を防止又は抑制して軸受寿命を延ばすことができる波動減速機、及び波動減速機用の玉軸受を提供することを目的としている。
本発明の波動減速機は、
(1)内歯を有する環状のサーキュラスプライン、当該サーキュラスプラインの内側に設けられ前記内歯と噛み合う外歯を有する環状のフレクスプライン、及び、当該フレクスプラインの内側に嵌入され当該フレクスプラインを非円形に撓ませて前記外歯を前記内歯に部分的に噛み合わせるための回転体を備える波動減速機であって、
前記回転体は、横断面が非円形のカムと、当該カムと前記フレクスプラインとの間に介在している玉軸受と、を有し、
前記玉軸受は、弾性変形が可能である外輪及び内輪と、当該外輪と当該内輪との間に設けられている複数の玉と、当該玉を収容するポケットが周方向に複数形成されている保持器と、を有し、且つ、
前記内輪は、自由状態において、軸方向から見て当該内輪が外嵌される前記カムにならう非円形の形状を呈している。
本発明の波動減速機は、カムの外周に外嵌される内輪が、自由状態において、軸方向から見て当該内輪が外嵌される前記カムにならう非円形の形状を呈している。このため、カムに外嵌された状態の内輪に作用する曲げ応力や引張応力を従来よりも小さくすることができる。その結果、波動減速機を駆動させたときに、サーキュラスプラインの内歯とフレクスプラインの外歯とが噛み合う部分の内輪に転動体荷重が作用するものの、かかる内輪部分に作用している曲げ応力や引張応力は前記のように従来に比べて小さいため、当該内輪部分を起点として内輪が早期に破損することが防止又は抑制される。これにより、玉軸受の軸受寿命を従来よりも延ばすことができる。
なお、本明細書において、「非円形」とは、波動減速機のカムの横断面形状に採用される円形(真円)以外の形状をいい、フレクスプラインを撓ませて当該フレクスプラインの外歯をサーキュラスプラインの内歯に部分的に噛み合わせることができる限り、本発明において特に限定されるものではない。長軸及び短軸を有する楕円形が一般的に採用されている「非円形」の例であるが、かかる楕円形以外に、長円形、角丸長方形(二つの等しい平行線と二つの半円形とからなり、競技場などに採用されている形状)など他の形状を採用することもできる。
また、本発明の波動減速機用の玉軸受(以下、単に「玉軸受」ともいう)は、
(2)内歯を有する環状のサーキュラスプライン、当該サーキュラスプラインの内側に設けられ前記内歯と噛み合う外歯を有する環状のフレクスプライン、及び、当該フレクスプラインの内側に嵌入され当該フレクスプラインを非円形に撓ませて前記外歯を前記内歯に部分的に噛み合わせるための回転体を備える波動減速機用の玉軸受であって、
前記回転体が有する、横断面が非円形のカムと一体回転可能であり、且つ、弾性変形が可能である内輪と、前記フレクスプラインと一体回転可能でありかつ弾性変形が可能である外輪と、当該外輪と当該内輪との間に設けられている複数の玉と、当該玉を収容するポケットが周方向に複数形成されている保持器と、を有し、
前記内輪は、自由状態において、軸方向から見て当該内輪が外嵌される前記カムにならう非円形の形状を呈している。
本発明の玉軸受は、カムの外周に外嵌される内輪が、自由状態において、軸方向から見て当該内輪が外嵌される前記カムにならう非円形の形状を呈している。このため、カムに外嵌された状態の内輪に作用する曲げ応力や引張応力を従来よりも小さくすることができる。その結果、波動減速機を駆動させたときに、サーキュラスプラインの内歯とフレクスプラインの外歯とが噛み合う部分の内輪に転動体荷重が作用するものの、かかる内輪部分に作用している曲げ応力や引張応力は前記のように従来に比べて小さいため、当該内輪部分を起点として内輪が早期に破損することが防止又は抑制される。これにより、玉軸受の軸受寿命を従来よりも延ばすことができる。
(3)上記(2)の玉軸受において、前記内輪は、玉軸受の軸心を挟んで対向する2箇所で分割されていることが望ましい。波動減速機用の玉軸受は、一般的な玉軸受に比べて玉の数が多い。したがって、一体型の内輪の場合、カムへの組付けが難しいが、内輪が2つに分割されていると各分割内輪に設ける玉の数を一体型の場合の半数にすることができるので、玉軸受を容易にカムに組み付けることができる。また、分割型の内輪は、プレス加工により作製することが可能となるので、内輪の加工性を向上させることができる。
本発明の波動減速機、及び波動減速機用の玉軸受によれば、内輪の早期破損を防止又は抑制することができる。
本発明の波動減速機の一実施形態を軸方向から見た模式図である。 図1に示される波動減速機の縦断面図である。 図1に示される波動減速機における玉軸受の縦断面図である。 本発明における内輪をカムに外嵌する際の説明図であり、(A)は外嵌前の状態、(B)は外嵌後の状態を示している。 波動減速機の動作を説明する説明図である。 内輪の他の例を説明する説明図である。 従来の内輪をカムに外嵌する際の説明図であり、(A)は外嵌前の状態、(B)は外嵌後の状態を示している。 カムに外嵌された内輪に作用する圧縮応力又は引張応力と内輪位置との関係を示すグラフである。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の波動減速機、及び波動減速機用の玉軸受の実施形態を詳細に説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
〔波動減速機の構成〕
図1は、本発明の一実施形態に係る波動減速機5を軸方向から見た模式図であり、図2は、この波動減速機5の縦断面図である。波動減速機5は、サーキュラスプライン10、フレクスプライン20、及び回転体30を備えている。
サーキュラスプライン10は環状であり、剛性の高い環状の部材(金属部材)で作製されている。サーキュラスプライン10は、その内周面に内歯11を有している。内周面は、軸方向から見て軸心Cを中心とする円形(真円)の面からなる。サーキュラスプライン10は、波動減速機5のケーシング(図示せず)に固定されている。
フレクスプライン20は環状であり、サーキュラスプライン10の径方向内側に設けられている。フレクスプライン20は、その外周面に内歯11と部分的に噛み合う外歯21を有している。本実施形態のフレクスプライン20は、図2に示されるように、薄肉カップ形状の金属製の弾性体からなり、円筒部22と、底部23とを有している。外歯21は、円筒部22の外周面に設けられており、底部23には、出力軸(図示せず)が取り付けられる。フレクスプライン20の外歯21の歯数は、サーキュラスプライン10の内歯11の歯数よりも少ない。本実施形態では、外歯21の歯数は、内歯11の歯数よりも二つ少ない。なお、この歯数差は任意であり、本発明において特に限定されるものではない。
また、後にも説明するが、フレクスプライン20の円筒部22は、図1に示されるように、弾性変形することで非円形(本実施形態では楕円形)に撓むことができる。そして、この楕円形の長軸の両端部分S1において、外歯21と内歯11とが噛み合った状態となり、楕円形の短軸の両端部分S2で、外歯21と内歯11とが離れた状態となる。
回転体30は、フレクスプライン20の円筒部22の径方向内側に嵌入されており、フレクスプライン20を非円形に撓ませる。回転体30は、カム31と、玉軸受32とを有している。カム31の横断面は非円形であり、本実施形態では楕円形を呈している(図1参照)。玉軸受32はカム31に外嵌している。また、この玉軸受32にフレクスプライン20の円筒部22が外嵌している。
玉軸受32は、図3に示されるように、薄肉の外輪33と、薄肉の内輪34と、これら外輪33と内輪34との間に設けられている複数の玉35と、環状の保持器36とを有している。保持器36には、玉35を収容するポケット37が周方向に間隔をあけて複数形成されている。なお、図1〜2及び後に波動減速機5の動作を説明する図5では、分かりやすくするために保持器36の図示を省略している。
外輪33及び内輪34は、例えば軸受鋼等の金属で作製された環状部材であるが、薄肉であることから、径方向について弾性変形が可能(弾性変形が容易)である。外輪33及び内輪34の厚さ(最大厚さ)は、例えば、玉35の直径の1/7以上、1/2以下とされている。なお、玉35も、例えば軸受鋼等の金属で作製することができる。外輪33の内周面には、断面が円弧形状である軌道溝38が形成されており、内輪34の外周面には、断面が円弧形状である軌道溝39が形成されている。そして、これら軌道溝38,39に沿って、各玉35は転動自在となっている。
なお、本実施形態の玉軸受32では、玉35を軌道溝38,39間に位置させるために、外輪33の内周面及び内輪34の外周面に、これら外輪33及び内輪34の軸方向側面から軌道溝38,39に延びるいわゆる「入れ溝」は形成されていない。つまり、外輪33の軸方向両側の肩部33aは、周方向に沿って連続しており、周方向全長にわたって断面形状が変化しない構成である。また、内輪34の軸方向両側の肩部34aも、周方向に沿って連続しており、周方向全長にわたって断面形状が変化しない構成である。
内輪34はカム31に締り嵌めにより固定されており、内輪34とカム31とは一体回転可能である。内輪34のサイズは、カム31に外嵌されたときに締り嵌めとなるサイズである。一方、外輪33は、フレクスプライン20の円筒部22に固定されており(円筒部22が外輪33に外嵌しており)、外輪33とフレクスプライン20とは一体回転可能である。
カム31の外周輪郭形状は、図1及び図4に示されるように非円形の一態様である楕円形である。一方、本実施形態における内輪34の軸方向から見た輪郭形状は、図4の(A)に示されるように、嵌合前の自由状態において、カム31にならう楕円形である。このため、内輪34は、カム31に外嵌させる際に、若干弾性変形するが、カム31に外嵌された後(図4の(B)参照)は、カム31の長軸Lの両端部分に外嵌される内輪部分34a、34bに従来のように大きな曲げ応力や引張応力が作用しない。したがって、波動減速機5を駆動させたときに、サーキュラスプライン10の内歯11とフレクスプライン20の外歯21とが噛み合う部分の内径側の内輪部分34a,34bに転動体荷重が作用するものの、かかる内輪部分34a,34bに作用している曲げ応力や引張応力は前記のように従来に比べて小さいため、当該内輪部分34a,34bを起点として内輪34が早期に破損することは防止又は抑制される。その結果、玉軸受32の軸受寿命を従来よりも延ばすことができる。
なお、本明細書において、「カムにならう」とは、カム31の外周輪郭形状にならう、又は、カム31の外周輪郭形状と同様である、という趣旨である。したがって、例えばカム31の外周輪郭形状が楕円形の場合、嵌合前の自由状態における内輪34を軸方向から見た輪郭形状も楕円形となり、カム31の外周輪郭形状が長円形の場合、嵌合前の自由状態における内輪34を軸方向から見た輪郭形状も長円形となる。
本実施形態における外輪33は、内輪34と同様に、軸方向から見た輪郭形状がカム31にならい楕円形である。しかし、外輪33の輪郭形状は、本発明において特に限定されるものではなく、従来のような円形であってもよい。この場合、外輪33及び円筒部22は、複数の玉35を介して弾性変形して、カム31の外周輪郭形状に沿った楕円形となる。
図1及び図2において、カム31及び玉軸受32を有する回転体30は、波動発生器とも呼ばれ、カム31には、入力軸(図示せず)が取り付けられる。
以上より、回転体30は、フレクスプライン20を楕円形に撓ませ、このフレクスプラインの外歯21を、サーキュラスプライン10の内歯11に部分的に噛み合わせることができる。本実施形態に係る波動減速機5では、外歯21と内歯11とが180度離れた二箇所(図1において、S1で示される箇所)で噛み合う。
〔波動減速機5の動作〕
つぎに、前述した構成を有する波動減速機5の動作について説明する。
図1に示されるように、フレクスプライン20は、回転体30により楕円形に撓んだ状態にある。この楕円の長軸の両端部分S1で外歯21と内歯11とが噛み合い、短軸の両端部分S2で外歯21と内歯11とは離れた状態にある。サーキュラスプライン10は固定状態にあり、この状態でカム31を、図1において軸芯Cを中心として時計回りに回転させると(図5(A)参照)、フレクスプライン20の楕円の長軸の両端部分S1の位置が移動(変化)し、外歯21と内歯11との噛み合い部分が移動(変化)する。
図5の(B)に示されるように、カム31を図1の状態から時計回りに180度回転させると、フレクスプライン20は、外歯21と内歯11との歯数差の半分である一枚分に相当する距離だけ、カム31の回転方向と反対の方向(反時計回りの方向)に移動することとなる。
そして、図5の(C)に示されるように、カム31を図5の(B)の状態から更に時計回りに180度回転させると、フレクスプライン20は、外歯21と内歯11との歯数差である二枚分に相当する距離だけ、カム31の回転方向と反対の方向(反時計回りの方向)に移動する。カム31は図示しない入力軸と一体回転可能であり、フレクスプライン20は図示しない出力軸と一体回転可能であることから、この波動減速機5では、カム31の入力に対して、フレクスプライン20の回転が出力として取り出される。
〔その他の変形例〕
本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、前述した実施形態では、一体型の内輪を採用しているが、分割型の内輪を採用することもできる。図6は、玉軸受の軸心Cを挟んで対向する2箇所で分割されている内輪44を示している。波動減速機用の玉軸受は、一般的な玉軸受に比べて玉の数が多いので、一体型の内輪の場合、カムへの組付けが難しい。これに対し、内輪44が2つに分割されていると各分割内輪44a,44bに設ける玉の数を一体型の場合の半数にすることができるので、玉軸受を容易にカムに組み付けることができる。また、分割型の内輪は、プレス加工により作製することが可能となるので、内輪の加工性を向上させることができる。図6に示される例では、転動体荷重がかからない、カムの短軸の両端部分に外嵌される箇所dで内輪が二つに分割されている。分割内輪44a,44bは互いに同じ形状及びサイズの部材である。
5:波動減速機 10:サーキュラスプライン 11:内歯
20:フレクスプライン 21:外歯 30:回転体
31:カム 32:玉軸受 33:外輪
34:内輪 35:玉 36:保持器 44:内輪









Claims (3)

  1. 内歯を有する環状のサーキュラスプライン、当該サーキュラスプラインの内側に設けられ前記内歯と噛み合う外歯を有する環状のフレクスプライン、及び、当該フレクスプラインの内側に嵌入され当該フレクスプラインを非円形に撓ませて前記外歯を前記内歯に部分的に噛み合わせるための回転体を備える波動減速機であって、
    前記回転体は、横断面が非円形のカムと、当該カムと前記フレクスプラインとの間に介在している玉軸受と、を有し、
    前記玉軸受は、弾性変形が可能である外輪及び内輪と、当該外輪と当該内輪との間に設けられている複数の玉と、当該玉を収容するポケットが周方向に複数形成されている保持器と、を有し、且つ、
    前記内輪は、自由状態において、軸方向から見て当該内輪が外嵌される前記カムにならう非円形の形状を呈していることを特徴とする波動減速機。
  2. 内歯を有する環状のサーキュラスプライン、当該サーキュラスプラインの内側に設けられ前記内歯と噛み合う外歯を有する環状のフレクスプライン、及び、当該フレクスプラインの内側に嵌入され当該フレクスプラインを非円形に撓ませて前記外歯を前記内歯に部分的に噛み合わせるための回転体を備える波動減速機用の玉軸受であって、
    前記回転体が有する、横断面が非円形のカムと一体回転可能であり、且つ、弾性変形が可能である内輪と、前記フレクスプラインと一体回転可能でありかつ弾性変形が可能である外輪と、当該外輪と当該内輪との間に設けられている複数の玉と、当該玉を収容するポケットが周方向に複数形成されている保持器と、を有し、
    前記内輪は、自由状態において、軸方向から見て当該内輪が外嵌される前記カムにならう非円形の形状を呈していることを特徴とする波動減速機用の玉軸受。
  3. 前記内輪は、玉軸受の軸心を挟んで対向する2箇所で分割されている、請求項2に記載の波動減速機用の玉軸受。

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