JP2022154796A - 波動歯車減速機の外歯歯車及び波動歯車減速機 - Google Patents

波動歯車減速機の外歯歯車及び波動歯車減速機 Download PDF

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憲太郎 菅沼
Kentaro Suganuma
護 青木
Mamoru Aoki
大樹 梅原
Daiki Umehara
佑他 杉林
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Abstract

【課題】破損し難く、且つ、外歯を確実に形成することができる波動歯車減速機の外歯歯車、及び静音性に優れ、かつ耐久性の高い波動歯車減速機を提供する。【解決手段】波動歯車減速機10は、内周面に複数の内歯23が形成された剛性を有する内歯歯車20と、内歯歯車20の内側に配置され、外径面に複数の外歯35が形成された可撓性を有する外歯歯車30と、外歯歯車30の内側に配置され、可撓性を有する転がり軸受41を有し、外歯歯車30を非円形に撓めて外歯35を内歯23に部分的に噛合させる波動発生器40と、を備える。外歯歯車30は、円筒状の金属母材(円筒部)31と、円筒部材31の外径面に形成された樹脂環状部36と、該樹脂環状部36の外径面に形成された複数の外歯35とを備え、樹脂環状部36の内周面の最外径から外歯35の歯底までの厚さTmは、外歯35の径方向の厚さTtより大きい(Tm>Tt)。【選択図】図1

Description

本発明は、波動歯車減速機の外歯歯車及び波動歯車減速機に関する。
一般的な波動歯車減速機は、剛性を有する環状の内歯歯車と、内歯歯車の内側に配置されたカップ形状の薄肉で撓ませて使用する外歯歯車と、外歯歯車の内側にはめあう波動発生器(楕円に撓ませられた薄肉の軸受)の3部品を有する。内歯歯車は、剛性を有する円筒部の内径面に内歯を有する。一方、外歯歯車は、カップ底面がフランジとなっており、通常はこれを出力軸としている。外歯歯車はカップ形状以外に、シルクハット形状と、円筒形状(パンケーキ形状)の3型式が存在する。このうち円筒形状のものは、外歯歯車がフランジ部を持たない為、2枚の内歯歯車を備え、このうち1枚の内歯歯車が出力軸となる。
波動歯車減速機は、コンパクトな構造でありながら、大きな減速比が得られるため、産業機械用ロボットアームの手首等に多く使用されており、近年、人協働ロボットやサービスロボット等、人の近くで使用されるケースが増えている。このため、騒音の主原因となるモータや波動歯車減速機を含むギアボックスにも静音性が求められる。波動歯車減速機を始めとした歯車による減速機の音の主たる原因は、歯車同士の衝突音となり、歯車の精度が大きく影響する。
また、薄肉カップ等の外径面への外歯の歯切りや、内歯歯車の内歯の歯切りは高精度な加工が困難である。一方、外歯歯車と内歯歯車のどちらか一方、あるいは両方の歯の材質を樹脂にすることで、精度が金型依存となるため、高精度な歯車の大量生産が可能となる。
特許文献1には、カップを薄板のプレス加工で作り、薄板から液圧成形法等で製造した歯車リングをカップに外接して嵌合させ、両者の空間を充填材で充填して一体化したハーモニック減速機の可撓歯車が記載されている。
特許第4915604号公報
上述したように、高精度な射出成形用の金型を使用することで、高精度且つ安価な樹脂製の外歯歯車を成形できる。その一方で、外歯歯車は、楕円変形による負荷と、噛み合いトルクによる負荷を同時に受けるため、外歯に荷重が掛かった際にも、樹脂が破損し難いことが望まれる。
特許文献1に記載のハーモニック減速機の可撓歯車は、歯切り加工を行わず、波型の薄板で歯を形成しているが、この手法では高精度な歯形を形成することは困難であり、また、小型の減速機や、減速比が高くモジュールが小さい歯形の製造は困難である。
また、前記可撓歯車の円筒状金属部材の内周面には、玉軸受を組込むことがあるが、前記玉軸受の外輪により前記可撓歯車の前記内周面が摩耗する可能性がある。
本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、破損し難く、且つ、外歯を確実に形成することができる波動歯車減速機の外歯歯車、及び静音性に優れ、かつ耐久性の高い波動歯車減速機を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1)円筒状の金属母材と、前記金属母材の外径面に形成された樹脂環状部と、を備え、該樹脂環状部の外径面に複数の外歯が形成され、且つ、可撓性を有する、波動歯車減速機の外歯歯車であって、
前記樹脂環状部の内周面の最外径から前記外歯の歯底までの厚さをTm、前記外歯の径方向の厚さをTtとしたとき、Tm>Ttである、
波動歯車減速機の外歯歯車。
(2)前記金属母材と前記樹脂環状部が周方向で互いに凹凸嵌合している、(1)に記載の波動歯車減速機の外歯歯車
(3)前記金属母材の前記外径面に形成された複数の凹部又は凸部の数は、前記外歯の歯数以上である、(2)に記載の波動歯車減速機の外歯歯車。
(4)前記凸部の径方向の厚さをTbとしたとき、Tm>Tbである、(3)に記載の波動歯車減速機の外歯歯車。
(5)前記凹部の対向する2面のなす角度θが90°以下である、(4)に記載の波動歯車減速機の外歯歯車。
(6)前記凹部の底部側の幅D1が開口側の幅D2より大きい、(5)に記載の波動歯車減速機の外歯歯車。
(7)前記金属母材の円筒部の径方向の厚さをTcとしたとき、Tc>Tbである、(6)に記載の波動歯車減速機の外歯歯車。
(8)前記凸部を軸方向に係止する係止部が形成された、(7)に記載の波動歯車減速機の外歯歯車。
(9)前記樹脂はポリアミドである、(8)に記載の波動歯車減速機の外歯歯車。
(10)内周面に複数の内歯が形成された剛性を有する内歯歯車と、
前記内歯歯車の内側に配置される、(1)~(9)のいずれかに記載の外歯歯車と、
前記外歯歯車の内側に配置され、可撓性を有する転がり軸受を有し、前記外歯歯車を非円形に撓めて前記外歯を前記内歯に部分的に噛合させる波動発生器と、
を備える波動歯車減速機。
(11)前記転がり軸受としてころ軸受が使用され、前記ころ軸受の内輪が楕円カムによって構成され、前記ころ軸受は、円筒ころを有し、前記円筒ころの面取り部の軸方向幅Kmは、前記楕円カムの面取り部の軸方向幅Nmより大きく形成されている、(10)に記載の波動歯車減速機。
本発明によれば、破損し難く、且つ、外歯を確実に形成することができる波動歯車減速機の外歯歯車を得ることができ、また、上記外歯歯車を用いることで、静音性に優れ、かつ耐久性の高い波動歯車減速機を提供できる。
本発明の第1実施形態に係る波動歯車減速機の断面図である。 図1に示す外歯歯車の斜視図である。 図2に示す外歯歯車の断面図である。 図4(a)は、図3の円IVで囲む部分の拡大図、図4(b)は、図3の円IV´で囲む部分の拡大図である。 図3のV-V線断面図である。 第1変形例の図5相当の断面図である。 第2変形例の図5相当の断面図である。 図8(a)は、図7のVIII-VIII線断面図であり、図8(b)は、図7のVIII´-VIII´線断面図である。 第3変形例の図5相当の断面図である。 図9のX-X線断面図である。 本発明の第2実施形態に係る波動歯車減速機の断面図である。 図11の円XIIで囲む部分の拡大図である。
以下、本発明に係る波動歯車減速機の各実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、波動歯車減速機の基本的構造には、外歯歯車の形状によってカップ形状、シルクハット形状及びパンケーキ形状(円筒形状)の3種類があるが、波動歯車減速機としての動作原理は全て同じであるので、以下の説明ではカップ形状の波動歯車減速機について説明する。
図1に示すように、波動歯車減速機10は、剛性を有する環状の内歯歯車20と、可撓性を有し、内歯歯車20と噛合する外歯歯車30と、外歯歯車30の内側に配置された波動発生器40と、を主に備える。
内歯歯車20は、鋼材などの金属材料により形成され、剛性リング21の内径面に複数の内歯23を有する。内歯歯車20の内側には、外歯歯車30が同心状に配置されている。
外歯歯車30は、例えば、鋼材により形成された薄肉の円筒部(円筒状の金属母材)31と、円筒部31の軸方向一端側(図1において右端)の外径面(表面)31aに、例えば、ポリアミドなどの樹脂が射出成形されてなる複数の外歯35と、を備える。また、前記ポリアミドには、強度や剛性の面では炭素繊維、流入性の面ではウィスカーのいずれか一種類を含有することが好ましい。
外歯歯車30は、該円筒部31の軸方向他端(図1において左端)を塞ぐように、円筒部31から内径側に向かって形成されたフランジ部32を備え、略カップ形状に形成されている。また、フランジ部32の中心には、ボス部33が設けられている。
外歯35は、内歯歯車20の内歯23と噛合可能であり、その枚数は、内歯歯車20の内歯23の枚数よりも、例えば、2枚少なく設定されている。また、図2に示すように複数の外歯35は、円筒部31の外径面31aの全周に亘って形成された樹脂環状部36から外径側にそれぞれ突出している。
なお、内歯歯車20の剛性リング21は、球状黒鉛鋳鉄が好適に使用され、外歯歯車30の円筒部31は、ニッケルクロムモリブデン鋼鋼材(SNCM材)が好適に使用される。
波動発生器40は、可撓性を有する転がり軸受である深溝玉軸受41と、深溝玉軸受41の内輪42に嵌合する楕円カム46と、を備える。深溝玉軸受41は、外径面に内輪軌道42aが設けられた可撓性の内輪42と、内周面に外輪軌道43aが設けられた可撓性の外輪43と、内輪軌道42a及び外輪軌道43a間に転動自在に配設された複数の転動体である玉44と、該玉44を回動可能に支持する保持器45と、を備える。深溝玉軸受41の可撓性の外輪43は、円筒部31の内径面に嵌合している。
深溝玉軸受41の内側、つまり可撓性の内輪42の内周には、楕円カム46が固着されている。これにより、外歯歯車30が非円形(楕円形)に撓められて、楕円形の長径方向両端部の2か所で外歯35と内歯23が部分的に噛合する。
このような構成を有する波動歯車減速機10において、楕円カム46が回転すると、楕円カム46によって楕円形に撓まされた外歯歯車30の長径部分が円周方向に移動する。即ち、内歯歯車20と外歯歯車30の噛み合い位置が円周方向に移動する。
外歯歯車30の歯数は、内歯歯車20の歯数よりも、2枚少なく設定されているので、噛み合い位置の移動に伴って、内歯歯車20と外歯歯車30との間に相対回転が発生する。従って、例えば、内歯歯車20を固定しておけば、楕円カム46が入力部、外歯歯車30が出力部となって、減速回転を外歯歯車30から取り出すことができる。
ここで、外歯歯車30では、図5に示すように複数の外歯35の内径側で、複数の外歯35と一体に全周に亘って形成される樹脂環状部36が、円筒部31の軸方向一端側の外径面31aと嵌合する。
円筒部31の軸方向一端側には、外径面31aから径方向外方に突出し、軸方向に延びる断面台形状の複数の凸部37が周方向に等間隔に形成され、隣接する凸部37、37間には、それぞれV字状の凹部38が形成される。したがって、金属母材Mの外径面には、複数の凸部37と凹部38とが、周方向に交互に形成されている。また、樹脂環状部36の内径面には、複数の凹部38に充填される複数の樹脂側の凸部39が、周方向に等間隔に形成される。
このように、金属母材Mの外径面と樹脂環状部36の内径面とが凹凸嵌合することで、外歯歯車30が回転する際に、複数の外歯35及び樹脂環状部36を形成する樹脂部分Rが金属母材Mから外れ難くなる。
また、円筒部31の径方向の厚さをTc、凸部37の径方向の厚さ(高さ)をTbとしたとき、Tc>Tbとすることで、円筒部31に、カップ部からのねじれ応力や、凸部379からの応力がかかっても、円筒部31が破損し難くなる。これにより歯車30の耐久性が向上する。
また、樹脂環状部36の厚さをTmとしたとき、Tm>Tbとすることで、樹脂側の凸部39からの応力に対して、樹脂環状部36が破損し難くなる。これにより歯車30の耐久性が向上する。また、例えば射出成型で樹脂側の凸部39を形成する際、樹脂環状部36から凹部38に十分な量の樹脂を供給し易くなる。
さらに、外歯35の径方向の厚さ(高さ)をTtとしたとき、Tm>Ttとすることで、外歯35に荷重がかかった際に、樹脂環状部36が破損し難くなる。これにより歯車30の耐久性が向上する。また、例えば、射出成型で外歯35を形成する際、樹脂環状部36から外歯35に十分な量の樹脂が供給されて精度の高い外歯35が形成できる。
なお、上記の関係式Tm>Ttは、円筒部31の外径面31aに複数の凸部37及び凹部38がない仕様においても、同様の効果が期待できる。
また、凹部38の対向する2面のなす角度θを、90°以下としている。これにより、円筒部31が回転する際に、互いに嵌合している複数の凹凸が、外歯35からの回転方向の応力を支持しやすくなり、樹脂環状部36が円筒部31から外れ難くなる。特に、角度θを鋭角とすることで、外歯35からの回転方向の応力をより支持しやすくなる。なお、角度θは、30°以上とすることが、加工性のし易さと固定力の点で好ましい。
また、図3及び図4(b)に示すように各凸部37の軸方向両端部は、面取り加工されて面取り部37aが形成されている。そして、樹脂環状部36は、面取り部37aを含む凸部37全体を覆うように形成されているので、樹脂環状部36の軸方向両端部には、各面取り部37aに係止する係止部36aが軸方向両側に形成される。
これにより、外歯35に軸方向力が作用しても、係止部36aが面取り部37aに係止することで樹脂環状部36が円筒部31から外れ難くなる。係止部36aは、軸方向一方側に設けられてもよいが、本実施形態のように、軸方向両側に設けて、両側の面取り部37aと係止することがより好ましい。
また、本実施形態では、外歯35は、外歯歯車30の円筒部31の外径面31aに、例えば、ポリアミドなどの樹脂が射出成形されて形成されている。また、前記ポリアミドには、強度や剛性の面では炭素繊維、流入性の面ではウィスカーのいずれか一種類を含有することが好ましい。したがって、外歯35の精度は、主に金型の精度に依存するので、高精度の外歯35を安価に量産することができる。また、樹脂の射出成形により形成された外歯35(樹脂歯車)は、金属歯車と比較しても静音性が高い。
さらに、外歯歯車30の外歯35には、波動発生器40によって楕円形に変形される際の負荷、及び内歯歯車20との噛合トルク負荷が同時に作用するため、歯底には応力が集中する。本実施形態の外歯歯車30では、外歯35が樹脂であるため、楕円形に変形される際の負荷が小さく、また、応力集中も緩和されて、長寿命化を図ることができる。
なお、上記実施形態では、複数の凸部37又は凹部38の数は、外歯35の歯数と同数であるが、図6に示す第1変形例のように、複数の凸部37又は凹部38の数は、外歯35の歯数より多くしてもよい。
複数の凸部37又は凹部38の数を、外歯35の歯数と同数又はより多くすることにより、外歯歯車30が回転する際、1枚の外歯35に対して1つ以上の凸部37又は凹部38が、それぞれの外歯35からの回転方向の応力を支えることができ、樹脂環状部36が円筒部31から外れ難くなる。
また、上記実施形態では、凸部37の形状を略台形状としているが、図7に示す第2変形例のように、凸部37は、外径側に向かって幅広の断面凸曲面状であってもよい。したがって、隣接する凸部37、37間に形成される穴状の凹部38では、底部側(内径側)の幅D1が開口側(外径側)の幅D2より大きい(D2<D1)。なお、このような形状は、例えばアリ溝カッター等で切削したり、又はレーザー加工で形成しても良い。
これに対応して、樹脂環状部36の樹脂側の凸部39も、先端側(内径側)の幅が基部側(外径側)の幅がより大きい。これにより、樹脂側の凸部39が穴状の凹部38に噛み込んで抜け難くなっており、外歯歯車30が回転する際、外歯35に回転方向の応力が作用しても、樹脂環状部36が円筒部31から外れ難い。
なお、この変形例おいても、図8(a)及び図8(b)に示すように、円環状の凸部37の軸方向両端部には面取り部37aが形成され、軸方向両端部に設けられた係止部36aを各面取り部37aに係止させることができる。
また、図9と図10の第3変形例に示されているように、凸部37と穴状の凹部38は、周方向にも軸方向にも並んでいるように形成されていても良い。また、凸部37は、周方向にも軸方向にも外径側に向かって幅広の断面凸曲面状であってもよい。したがって、隣接する凸部37、37間に形成される穴状の凹部38では、周方向にも軸方向にも底部側(内径側)の幅D1が開口側(外径側)の幅D2より大きい(D2<D1)。
以上説明したように、本実施形態の外歯歯車30は、外歯35をポリアミドなどの樹脂により成形することで、歯同士の衝突音や噛み合い音が低減し、静音性が向上する。また、樹脂環状部36の内周面の最外径から外歯35の歯底までの厚さTmを、外歯35の径方向の厚さTtより大きくすることで(Tm>Tt)、樹脂環状部36の強度が向上し、外歯35に荷重が掛かった際に、樹脂環状部36が破損し難くなる。これにより、歯車の耐久性が向上する。
また、波動歯車減速機10に、上記構成の外歯歯車30を用いることで、静音性が高く、耐荷重性や耐摩耗性に優れた波動歯車減速機10を提供できる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る波動歯車減速機について図11及び図12を参照して説明する。この波動歯車減速機10Aは、上記実施形態の波動歯車減速機10に対して、深溝玉軸受41の代わりに、円筒ころ軸受51が使用されている。また、その内輪が楕円カム46によって構成され、さらに外輪が外歯歯車30の円筒部31によって構成されている。即ち、円筒ころ軸受51は、所謂、ケージ&ローラによって構成される。外輪が外歯歯車30の円筒部31によって構成され、深溝玉軸受の外輪が省略されているので、深溝玉軸受の外輪の外周面による外歯歯車の内周面の摩耗が防止される。
円筒ころ軸受51は、楕円カム46(内輪)と円筒部31(外輪)との間に転動自在に配設された転動体である複数の円筒ころ54と、該円筒ころ54を回動可能に支持する保持器55と、を備える。また、楕円カム46の軸方向両側面には、それぞれサイドプレート47が固定されている。サイドプレート47は、楕円カム46の外周面46aよりも外周面が大きな楕円状輪郭を有する。すなわち、サイドプレート47は、楕円カム46の外周面46aから外径側に突出する外周縁部47aを備えている。なお、サイドプレート47は円形であってもよい。
そして、波動歯車減速機10Aの運転時に、円筒ころ54にスラスト力が作用すると、円筒ころ54が軸方向に移動しようとする。しかしながら、円筒ころ54の両側面がサイドプレート47の外周縁部47aに当接することで、円筒ころ54の軸方向の移動が制限される。また、各円筒ころ54は、保持器55により回動可能に保持されているので、保持器55が軸線方向に移動しようとしても、移動が制限されている円筒ころ54によって、保持器55の軸線方向移動が制限される。
円筒ころ軸受51は、深溝玉軸受41と比較して負荷容量が大きいので、深溝玉軸受41と同じ外径であっても内径をさらに大きくすることができ、波動歯車減速機10Aの中空化が容易になる。また、第1実施形態で説明した波動歯車減速機10と比較して部品点数が削減され、コストダウンと共に軽量化が可能となる。また、転動体が円筒ころ54であるため、外輪は、カップ形状やシルクハット形状の外歯歯車30によって、容易に構成できる。
図12は、図11の円Xで囲む部分の拡大図であり、円筒ころ54及び楕円カム46(内輪)の端面の面取り部の大きさの関係を示す。本実施形態の波動歯車減速機10Aは、円筒ころ54の転動面54aと端面54bとの角部に、曲面形状の面取り部54cが形成されている。また、内輪(楕円カム46)の外径面と端面との角部に、45°の面取り部46bが形成されている。円筒ころ54の面取り部54cの軸方向幅Kmは、楕円カム46の面取り部46bの軸方向幅Nmより大きく形成されている(Km>Nm)。
このように、Km>Nmとすることで、円筒ころ54に荷重が掛かって、円筒ころ54の面取り部54cの一部が、楕円カム46の転動面に接触するような場合でも、円筒ころ54をより広い面積で支持することができ、耐荷重性や耐摩耗性に優れた波動歯車減速機10Aを提供することができる。
尚、本発明は、前述した各実施形態及び各変形例に限定されるものではなく、適宜、変形、改良等が可能である。
例えば、上記実施形態では、カップ形状の外歯歯車を備える波動歯車減速機について説明したが、本発明は、これに限定されず、他の形式の外歯歯車を備える波動歯車減速機にも適用することができる。外歯歯車がパンケーキ形状の場合、外歯歯車はフランジ部を有しないため、内歯歯車が2枚の内歯を備え、そのうち一枚の内歯が出力軸となる。
また、本発明の波動歯車減速機は、外歯歯車の外歯が、円筒部の外径面に樹脂により直接形成され、内歯歯車の内歯が、剛性リングの内径面に樹脂により形成される構成であってもよい。
以上の通り、本明細書には次の事項が開示されている。
(1) 円筒状の金属母材と、前記金属母材の外径面に形成された樹脂環状部と、を備え、該樹脂環状部の外径面に複数の外歯が形成され、且つ、可撓性を有する、波動歯車減速機の外歯歯車であって、
前記樹脂環状部の内周面の最外径から前記外歯の歯底までの厚さをTm、前記外歯の径方向の厚さをTtとしたとき、Tm>Ttである、
波動歯車減速機の外歯歯車。
この構成によれば、外歯に荷重が掛かった際に、樹脂環状部が破損し難くできる。
(2) 前記金属母材と前記樹脂環状部が周方向で互いに凹凸嵌合している(1)に記載の波動歯車減速機の外歯歯車
(3)前記金属母材の前記外径面に形成された複数の凹部又は凸部の数は、前記外歯の歯数以上である、(2)に記載の波動歯車減速機の外歯歯車。
(4)前記凸部の径方向の厚さをTbとしたとき、Tm>Tbである、(3)に記載の波動歯車減速機の外歯歯車。
(5)前記凹部の対向する2面のなす角度θが90°以下である、(4)に記載の波動歯車減速機の外歯歯車。
(6)前記凹部の底部側の幅D1が開口側の幅D2より大きい、(5)に記載の波動歯車減速機の外歯歯車。
(7)前記金属母材の円筒部の径方向の厚さをTcとしたとき、Tc>Tbである、(6)に記載の波動歯車減速機の外歯歯車。
(8)前記凸部を軸方向に係止する係止部が形成された、(7)に記載の波動歯車減速機の外歯歯車。
(9)前記樹脂はポリアミドである、(8)に記載の波動歯車減速機の外歯歯車。
(10) 内周面に複数の内歯が形成された剛性を有する内歯歯車と、
前記内歯歯車の内側に配置される、(1)~(9)のいずれかに記載の外歯歯車と、
前記外歯歯車の内側に配置され、可撓性を有する転がり軸受を有し、前記外歯歯車を非円形に撓めて前記外歯を前記内歯に部分的に噛合させる波動発生器と、
を備える波動歯車減速機。
(11) 前記転がり軸受としてころ軸受が使用され、前記ころ軸受の内輪が楕円カムによって構成され、前記ころ軸受は、円筒ころを有し、前記円筒ころの面取り部の軸方向幅Kmは、前記楕円カムの面取り部の軸方向幅Nmより大きく形成されている、(10)に記載の波動歯車減速機。
10、10A 波動歯車減速機
20 内歯歯車
23 内歯
30 外歯歯車
31 円筒部(金属母材)
31a 外径面
35 外歯
36 樹脂環状部
37 凸部
38 凹部
40 波動発生器
41 深溝玉軸受(可撓性を有する転がり軸受)
51 円筒ころ軸受(可撓性を有する転がり軸受)
Tm 樹脂環状部の内周面の最外径から外歯の歯底までの厚さ
Tt 外歯の径方向の厚さ

Claims (11)

  1. 円筒状の金属母材と、前記金属母材の外径面に形成された樹脂環状部と、を備え、該樹脂環状部の外径面に複数の外歯が形成され、且つ、可撓性を有する、波動歯車減速機の外歯歯車であって、
    前記樹脂環状部の内周面の最外径から前記外歯の歯底までの厚さをTm、前記外歯の径方向の厚さをTtとしたとき、Tm>Ttである、
    波動歯車減速機の外歯歯車。
  2. 前記金属母材と前記樹脂環状部が周方向で互いに凹凸嵌合している、請求項1に記載の波動歯車減速機の外歯歯車。
  3. 前記金属母材の前記外径面に形成された複数の凹部又は凸部の数は、前記外歯の歯数以上である、請求項2に記載の波動歯車減速機の外歯歯車。
  4. 前記凸部の径方向の厚さをTbとしたとき、Tm>Tbである、請求項3に記載の波動歯車減速機の外歯歯車。
  5. 前記凹部の対向する2面のなす角度θが90°以下である、請求項4に記載の波動歯車減速機の外歯歯車。
  6. 前記凹部の底部側の幅D1が開口側の幅D2より大きい、請求項5に記載の波動歯車減速機の外歯歯車。
  7. 前記金属母材の円筒部の径方向の厚さをTcとしたとき、Tc>Tbである、請求項6に記載の波動歯車減速機の外歯歯車。
  8. 前記凸部を軸方向に係止する係止部が形成された、請求項7に記載の波動歯車減速機の外歯歯車。
  9. 前記樹脂はポリアミドである、請求項8に記載の波動歯車減速機の外歯歯車。
  10. 内周面に複数の内歯が形成された剛性を有する内歯歯車と、
    前記内歯歯車の内側に配置される、請求項1~9のいずれか1項に記載の外歯歯車と、
    前記外歯歯車の内側に配置され、可撓性を有する転がり軸受を有し、前記外歯歯車を非円形に撓めて前記外歯を前記内歯に部分的に噛合させる波動発生器と、
    を備える波動歯車減速機。
  11. 前記転がり軸受としてころ軸受が使用され、前記ころ軸受の内輪が楕円カムによって構成され、前記ころ軸受は、円筒ころを有し、前記円筒ころの面取り部の軸方向幅Kmは、前記楕円カムの面取り部の軸方向幅Nmより大きく形成されている、請求項10に記載の波動歯車減速機。
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