JP7293264B2 - トンネル覆工構築工法 - Google Patents

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Description

本発明は、掘削したトンネルの地山表面に対し、コンクリートを吹付けることによってトンネルの一次覆工を構築するトンネル覆工構築工法に関するものである。
近年、例えば山岳トンネル建設工事などでは、掘削したトンネルの地山表面に対し、コンクリートを吹付けることによって一次覆工を構築し、これによって地山の崩落を防止することとしている。
ここで、従来の一時覆工工法(図5参照)では、コンクリートを地山表面に吹付ける場合、付着せずに跳ね返るコンクリートが大量に発生するためコンクリートのロスが多くなっていた。また、空気の送出(吹き付けエア)によってコンクリートを吹付けるため、粉じんが大量に発生してしまうとの課題もあった。
さらに、地山が未固結地山の場合、吹付けコンクリートの衝撃により地山が削られる場合もあり、その場合は削ったボリューム分だけコンクリートを吹付ける必要があり、材料ロスとともに作業時間も増加してしまうとの課題もあった。
そこで、上記課題を解消する対策として、特開平2-54063号や特開平9-13883号のように型枠を使用し、地山と型枠との間に急結剤入りのコンクリートを吹付けることで、材料ロスや粉じんを低減する技術が提案された。
しかしながら上記従来の技術においては、吹付けコンクリートをそのまま使用すると、急結剤によりコンクリートが瞬時に凝結するため、コンクリートに豆板が発生するなど品質が確保できないことが課題となった。すなわち、前記急結剤の作用でコンクリートの凝結が早く進行し、型枠内にてコンクリートに偏りが生じたり、豆板等の発生によってコンクリート品質を確保できないという課題である。
なお、急結剤を添加しない通常のコンクリートを使用すると凝結に時間がかかり、一次覆工構築のために多大な時間を要することとなる。
特開平2-54063号公報 特開平9-13883号公報
かくして、本発明は前記従来の課題に対処すべく創案されたものであって、本発明は、所定の吹付け厚さに相当する位置に型枠を配置し、型枠と地山で囲まれた中に急結剤入りのコンクリートを吹込む工法において、コンクリートのリバウンドが生ぜず、また材料ロスもなく、未固結地山などに対しても地山を吹付けにより削ることがなく、コンクリート吹き込み時に急結剤の作用が生じても、型枠内にてコンクリートに偏りが生じたり、豆板等の発生が生ぜず、もって良好な品質が確保された一次覆工が通常の施工サイクルと同等以上の時間で構築できるとのトンネル覆工構築工法を提供することを目的とするものである。
本発明は、
掘削したトンネルの地山面と該地山面より間隔をあけて配置された型枠との間にコンクリートを吹き込み、トンネルの覆工構築を行うトンネル覆工構築工法において、
コンクリートにコンクリート急結剤及びコンクリート凝結遅延剤を添加し、前記地山面と前記型枠間に吹き込まれたコンクリートの締固め時間分コンクリート凝結の進行を遅延させてなり、
前記コンクリートへのコンクリート凝結遅延剤の添加は、コンクリートを移送する接続管の間に取り付けられたシャワリング管の箇所で添加し、添加したコンクリート凝結遅延剤は、シャワリング管内でのコンクリートの流動によってコンクリートと混合し、
コンクリートへのコンクリート急結剤の添加については、シャワリング管を通過した後の接続管の箇所で添加した、
ことを特徴とし、
または、
掘削したトンネルの地山面と該地山面より間隔をあけて配置された型枠との間にコンクリートを吹き込み、トンネルの覆工構築を行うトンネル覆工構築工法において、
コンクリートに液体コンクリート急結剤及び補助剤としての粉体コンクリート急結剤、そしてコンクリート凝結遅延剤を添加し、前記地山面と前記型枠間に吹き込まれたコンクリートの締固め時間分コンクリート凝結の進行を遅延させてなり、
前記コンクリートへのコンクリート凝結遅延剤の添加は、コンクリートを移送する接続管の箇所で添加し、
コンクリートへの液体コンクリート急結剤及び補助剤としての粉体コンクリート急結剤の添加は、前記コンクリート凝結遅延剤を添加した接続管の箇所で添加した、
ことを特徴とし、
または、
各々トンネル一時覆工現場の状況に応じて吹込むコンクリートの凝結遅延時間の調整が必要とされ、
前記調整は、コンクリート急結剤の種類、コンクリート急結剤の添加量、コンクリート温度、コンクリートスランプの状態との関係からコンクリート凝結遅延剤の添加量を増減して調整する、
ことを特徴とし、
または、
掘削したトンネルの地山面と該地山面より間隔をあけて配置した型枠との間に、コンクリートを吹き込んで充填する際、充填したコンクリートに振動を与える、
ことを特徴とするものである。
本発明によれば、コンクリートの吹付に際し、コンクリートのリバウンドが生ぜず、また材料ロスもなく、未固結地山などに対しても地山を吹付けにより削ることがなく、コンクリート吹き込み時に急結剤の作用が生じても、型枠内にてコンクリートに偏りが生じたり、豆板等の発生が生ぜず、もって良好な品質が確保された一次覆工が通常の施工サイクルと同等以上の時間で構築できるとの優れた効果を奏する。
第1実施例の概略構成を説明する説明図である。 本発明の実験データを説明する説明図である。 型枠を用いて地山にコンクリートを吹き込む構成を説明する説明図である。 第2実施例の概略構成を説明する説明図である。 従来例の構成を説明する説明図である。
以下本発明を図に示す実施例に基づいて説明する。
図3に示すように、トンネルの地山面1から所定の間隔をあけて型枠2が配置される。そして、コンクリート3が地山面1と型枠2の間に吹き込まれて地山面1が締固めされる。ここで、トンネル構築に際し、掘削した地山の崩落を防止するなどの観点から、掘削した地山面1を早期に覆う必要がある。
よって、吹付ノズル4によりコンクリート急結剤5が添加されたコンクリート3が地山面1と型枠2の間に吹き込まれ、充填され、締固めされるものとなる。
図1に第1実施例の詳細を示す。
図1において、符号7はアジテータ車、符号8はコンクリートポンプ、符号9はシャワリング管を示す。そして、アジテータ車7、コンクリートポンプ8及びシャワリング管9は中空パイプ状の接続管13により接続されている。
また、シャワリング管9にはコンクリート凝結遅延剤液タンク10、液体ポンプ11及びコンプレッサー12が接続されており、シャワリング管9の箇所でコンクリート凝結遅延剤6が添加され、接続管13での移送により混合できる、すなわち配管配合構造として形成されている。
そして、シャワリング管9からは接続管13を介して吹付ノズル4が先端部に接続され、その間の接続管13には図に示すようにNATMコンクリートタンク14、コンプレッサー12及びエアードライヤー16が接続されており、シャワリング管9を通過してきたコンクリート3にコンクリート急結剤5(図1における「NATMIC」は登録商標)が添加される。なお、本実施例では、コンクリート急結剤5として粉体急結剤を使用した実施例であり、コンクリート急結剤5として粉体急結剤を使用する場合には、その粉体急結剤を添加する前の段階でコンクリート3をほぐしておく必要がある。
よって、前段階位置でシャワリング管9を接続しておき、該シャワリング管9にいわゆる、ほぐしエアを送出してコンクリート3をほぐしておくのである。
これにより、コンクリート急結剤5として粉体急結剤とコンクリート3との混合を良好に行うことができるからである。
以上において、アジテータ車7で混練りされたコンクリートは接続管13内をシャワリング管9の方向に移送される。そして、第1実施例では、シャワリング管9の箇所でコンクリート凝結遅延剤液タンク10内のコンクリート凝結遅延剤6の液体がコンプレッサー12により押し出されてシャワリング管9内に送出され、コンクリート3に添加されるものとした。
コンクリート凝結遅延剤6の液体が添加されたコンクリート3はさらに接続管13内を吹付ノズル4側に向かい移送される。
そしてその移送の段階で前述したとおりコンクリート凝結遅延剤6の液体が接続管13内でスムーズに混ざり合い、いわゆる配管配合されるものとなる。このように本実施例ではコンクリート凝結遅延剤6のコンクリート3への混合動作と吹付ノズル4側へのコンクリート3の移送動作を同時に行えるものとなっている。
そして、スムーズに配管配合されたコンクリート凝結遅延剤6とコンクリート急結剤5入りのコンクリート3が吹付ノズル4の手前位置でよりよく混合され、混合されたコンクリート3が吹付ノズル4より所定の地山面1と型枠2との間に吹き込まれる。
吹き込まれたコンクリート3は、コンクリート3の充填および締固めに必要な時間と同等の時間分だけコンクリート3の凝結の進行を遅延させるものとなり、もって、コンクリート3の充填性が悪くなったり、豆板だらけのコンクリート充填となることがない。
次に、図4に第2実施例の構成を示す。
第2実施例では、コンクリート急結剤5として、液体急結剤を使用し、補助剤として粉体助剤を使用した例である。
コンクリート急結剤5として、液体急結剤と補助剤としての粉体助剤を使う場合がある。上記のように液体急結剤単独では使用されず補助剤として粉体助剤も添加されるものとなる。液体のコンクリート急結剤5だけでは、第1実施例に示す粉体のコンクリート急結剤5に比べ、吹き込み初期にコンクリート強度が上がらないという課題があった。よって、補助剤としての粉体のコンクリート急結剤5(粉体助剤)を併用することで、粉体のコンクリート急結剤5と同等以上のコンクリート強度が発現できるものとなった。
しかるに、液体急結剤と補助剤としての粉体助剤を使う場合、第1実施例で説明した、粉体急結剤の添加で使用するほぐしエアを使う必要がない。液体急結剤と補助剤としての粉体助剤を使う場合には、ほぐしエアを使用しなくともコンクリート3と液体急結剤、補助剤としての粉体助剤を混合できるからである。また、このほぐしエアを使用しないことで、液体のコンクリート急結剤5を使用したシステムではエア量が少なくなり、第1実施例における粉体のコンクリート急結剤5のシステムに比べ、コンクリート3の吹き込みの際の粉じん発生量を低減することができる。
このように第2実施例では、第1実施例のように、コンクリート凝結遅延剤6を、コンクリート急結剤5より前の添加位置(シャワリング管9の設置位置)では添加せず、液体のコンクリート急結剤5の添加位置にて添加する、すなわち、液体のコンクリート急結剤5と一緒に(ほとんど同時に)コンクリート凝結遅延剤6をコンクリートに添加することとした。
もし、液体のコンクリート急結剤5を使用する場合にコンクリート急結剤5およびコンクリート凝結遅延剤6を第1実施例と同様の添加位置とすると、液体のコンクリート急結剤5では必要としないほぐしエアが使用されるため、エア量が多くなってしまい吹き込みの際の粉じん量が多くなってしまうからである。
なお、図4において、ナトミックLSA(「ナトミック」は登録商標)は液体のコンクリート急結剤5であり、ナトミックUSS(「ナトミック」は登録商標)は補助剤としての粉体のコンクリート急結剤5(粉体助剤)を示している。
ところで、前記したように、掘削した地山面1は早期に覆う必要があるため、吹付けるコンクリート3にはコンクリート急結剤5があらかじめ添加してある。瞬間的(例えば数秒)にコンクリート3を凝結させ、吹き付けた後の数10秒~数分間後には指で触っても変形しない程度に固化させる必要があるからである。
そこで、本発明や従来の先行発明では、前記コンクリート急結剤5を添加したコンクリート3を型枠2で閉鎖した空間に吹込んでいた。
しかしながら従来では、吹き込んだコンクリート3が瞬時に固化しすぎてしまい、もって、コンクリート3の充填性も悪くなり、また豆板だらけのコンクリート充填となる課題が生じた。本発明ではこのような状況を解消するため、コンクリート3に、コンクリート急結剤5だけでなくコンクリート凝結遅延剤6を添加することとしたのである。
なお、コンクリート凝結遅延剤6とは、例えばリグニンスルホン酸塩やオキシカルボン酸塩などを主成分として構成されたものである。
掘削したトンネルの地山面1と該地山面1より間隔をあけて配置された型枠2との間に、コンクリート急結剤5が添加されたコンクリート3を吹き込み、トンネルの覆工構築を行うトンネル覆工構築工法において、コンクリート3にコンクリート急結剤5及びコンクリート凝結遅延剤6を添加し、前記地山面1と前記型枠2間に吹き込まれたコンクリート3の締固め時間分コンクリート凝結の進行を遅延させるものとなる。
前記コンクリート凝結遅延剤6を添加し、コンクリート3の凝結を遅らせ、コンクリート3の吹込み直後、すなわち、コンクリート3の吹込み初期段階でのコンクリート3の可塑性を確保し、もって、コンクリート3を凝結が進行していない柔らかい状態にしておくことで、コンクリート3の充填性を確保し、また、吹付ノズル4の吹込みエアによる締固めを確実化したのである。
ここで、前記「コンクリート3の吹込み初期」とは、吹き込みから何分程度までをいうかであるが、吹き込みから約30秒~2分程度が一般的に想定されている時間である。
しかし、前記型枠2のサイズ(高さ)や吹込み範囲幅によっては「コンクリート3の吹込み初期」は変わることがあり、吹き込みから5分~10分程度までが想定されことがある。
前記コンクリート3にコンクリート凝結遅延剤6を大量に添加し、もって長時間凝結を遅らせること、または、そもそも当初よりコンクリート急結剤5を添加せずに凝結させればいいのではとも考えられる。
しかしながら、トンネル工事においては、吹付けコンクリートを早期にトンネルの支保構造とさせるため、早期に強度を出すことが第1の必須要件となる。また、施工効率の観点からも、早期に型枠を脱型し次の工程に移動できるよう、早期に吹き付けたコンクリートに強度を出す必要がある。
よって、吹き付けるコンクリート3にコンクリート急結剤5を添加しておくことは本発明にとって必須条件なのである。
そして、早期に強度を出すとの観点から考えて、凝結の遅延時間は、一般的に吹き付けから約30秒乃至2分程度となる。
従って「コンクリートの充填および締固めに必要な時間分凝結の進行の遅延時間」とは、「早期に強度を出す」ことを前提にして、その上で充分な充填と締固めができる時間分ということになる。
なお、吹付け幅や型枠高さ、吹込みコンクリートのボリューム、コンクリートの配合(もともとのコンクリートの柔らかさ)、急結剤添加量(添加量が増えると凝結は早くなる)、コンクリート温度(コンクリート温度が高くなると凝結は早くなる) によって、各々「コンクリートの充填および締固めに必要な時間分凝結の進行の遅延時間」は、異なるものと考えられる。
ここで、「コンクリートの充填および締固めに必要な時間分凝結の進行の遅延時間」の決定の単純な一例を挙げると、「現場で、約高さ50cmの高さまでコンクリート3を吹込む時間」とされる。すなわち、約高さ50cmの高さまでコンクリート3を吹込む時間が経過するまでコンクリート3の凝結を遅延させるのである。そうすれば、「早期に強度を出す」ことを前提に、その上で充分な充填と締固めができるのである。そして、その時間は概ね約30秒~1分程度の遅延時間とされるのである。
次に、吹込むコンクリート3の凝結遅延時間の調整方法につき説明する。
吹き込んだコンクリート3につき早期に強度を出すことを前提に、その上で吹き込んだコンクリート3の充分な充填と締固めができるコンクリート3の凝結遅延時間は、各々トンネル掘削現場、すなわち各々のトンネル一時覆工現場の状況などによって異なってくる。よって、各々のトンネル一時覆工現場の状況などによってはコンクリート3の凝結遅延時間を調整する必要が生じる。
ここで、前記吹込むコンクリート3の凝結遅延時間の調整に関係するパラメータとしては、コンクリート急結剤5の種類(急結剤種別による)、コンクリート急結剤5の添加量(添加量増で遅延時間が短くなる)、コンクリート温度(温度が高いと遅延時間が短くなる)、コンクリートスランプの状態(スランプが大きい:柔らかいと遅延時間が長くなる)などがある。そして、これらパラメータとの関係からコンクリート凝結遅延剤6の添加量が調整され、もって各々トンネル掘削現場の状況などに応じた吹込むコンクリート3の凝結遅延時間の増減調整が行えるものとなる。
なお、図2に、コンクリート凝結遅延剤6の添加量の違いによりコンクリートの初期の凝結がどのように異なるかを実験した結果を示す。
コンクリート凝結遅延剤6を0.00%、0.25%、0.50%、0.75%添加したコンクリート3それぞれに、コンクリート急結剤5としてナトミックZ(「ナトミック」は登録商標)を9%添加した場合のコンクリートの貫入抵抗値(N/mm)の変化につき考察したものである。
図2から理解できるように、コンクリート凝結遅延剤6を0.75%添加したときの貫入抵抗値(N/mm)は4分弱の時間まで0の値を示した。すなわち、4分弱の時間までコンクリート3の凝結を遅延できることが示された。
また、コンクリート凝結遅延剤6を0.50%添加したときの貫入抵抗値(N/mm)は約2分30秒の時間まで0の値を示し、約2分30秒の時間までコンクリート3の凝結を遅延できることが示された。
さらに、コンクリート凝結遅延剤6を0.25%添加したときの貫入抵抗値(N/mm)は約1分の時間まで0の値を示し、約1分の時間までコンクリート3の凝結を遅延できることが示された。
上記のように、コンクリート凝結遅延剤6の添加量の違いによりコンクリートの初期の凝結時間が異なることが証明された。よって、このデータを基本のパラメータとして使用し、コンクリート3の凝結遅延時間の調整を行うことが考えられる。
次に、コンクリート凝結遅延剤6はいつの時点で、換言すればいずこの工程で添加したらよいのかについて説明する。
(練り混ぜ時にミキサに添加する方法)
この時点での長所としては、コンクリート凝結遅延剤6の添加設備を設置すれば、添加に関する労力がかからなくなる点があげられる。短所としては、添加率に関し、一旦作られたコンクリート3のコンクリート凝結遅延剤6の添加率を変更することが困難になる点がある。
また、コンクリート凝結遅延剤6が添加されたコンクリート3となるため、他用途(鏡吹き等吹付けコンクリート)には使えないとの欠点がある。
(練り混ぜ後輸送するアジテータ車において添加する方法)
長所としては、アジテータ車7ごとにコンクリート凝結遅延剤6を添加すること、あるいは添加しないことが選択できる。またアジテータ車7ごとにコンクリート凝結遅延剤6の添加率を変更できる。
短所としては、添加率に関して、一旦作られたアジテータ車7のコンクリート3の添加率を変更することが困難な点がある。また、一旦作られたアジテータ車7のコンクリート3は、コンクリート凝結遅延剤6が添加されたコンクリートとなるため、他用途(鏡吹き等吹付けコンクリート)には使えない。
(吹付け機配管に添加する方法)
長所としては、吹込み直前にコンクリート凝結遅延剤6を添加するため、添加するか、添加しないか、あるいは添加率の変更が吹込み直前まで可能である。よって、添加をしない選択が長い時間可能となり、添加しない選択をすれば、そのコンクリートは他用途(鏡吹き等吹付けコンクリート)にも充分使えることとなる。
短所としては、吹付け機械に添加装置を別途設置する必要があることである。
なお、現段階でもっとも好ましい方法として考えられるのは、図1に示したようにシャワリング管9を利用するとともに、該シャワリング管9の箇所で配管配合(配管途中で添加)し、その後の配管内での流動等によって添加されたコンクリート凝結遅延剤6をコンクリート中に混合する実施例ではないかと考えられる。
以上において、本発明の概略を説明すると、まず、トンネル掘削後において地山から所定の吹付けコンクリート厚さの位置に型枠2をセットする。この型枠2のセットに関しては、型枠2を専用機械にてセットする方法やエレクタ付き吹付け機等でエレクタにて把持してセットする方法などがある。また、型枠2にはあらかじめ剥離剤を塗布しておくのも良い。
ついで、吹込むコンクリート3を製造し所定位置まで輸送する。さらに、このコンクリート3にコンクリート凝結遅延剤6を添加するが、練り混ぜ時にミキサに添加する方法、練り混ぜ後輸送するアジテータ車において添加する方法、吹付け装置の配管に添加する方法などがあるが、図1に示す方法が好ましいと考えられる。また、吹付け装置の配管にてコンクリート3にコンクリート急結剤5を添加する。
そして、前記コンクリート3を地山面1と型枠2内に吹込む。コンクリート3の凝結が進行し、自立後には型枠2を外し、次の箇所に型枠2をセットしコンクリート3を地山面1と型枠2内に吹込む。これら作業が繰り返されてトンネルの一時覆工が構築される。
ところで、吹き込んだコンクリート3の締固めをさらに強固にするためには、以下の方法が考えられる。すなわち、コンクリート3を吹込んだ際の吹込みエアによりコンクリート3を締固めるだけでなく、使用する型枠2に型枠バイブレータを取り付けて振動させることが考えられる。型枠2を振動させることで吹き込んだコンクリート3は型枠2内で良好に締固めされるものとなり、吹き込んだコンクリート3の品質をさらに向上させることができる。
また、例えば内部振動機(コンクリート内部に挿入して振動を与える棒状振動器具など)を使用して、充填されたコンクリート3に振動を与えることも良好に締固めできるものとなる。
1 地山面
2 型枠
3 コンクリート
4 吹付ノズル
5 コンクリート急結剤
6 コンクリート凝結遅延剤
7 アジテータ車
8 コンクリートポンプ
9 シャワリング管
10 コンクリート凝結遅延剤液タンク
11 液体ポンプ
12 コンプレッサー
13 接続管
14 NATMコンクリートタンク
16 エアードライヤー

Claims (4)

  1. 掘削したトンネルの地山面と該地山面より間隔をあけて配置された型枠との間にコンクリートを吹き込み、トンネルの覆工構築を行うトンネル覆工構築工法において、
    コンクリートにコンクリート急結剤及びコンクリート凝結遅延剤を添加し、前記地山面と前記型枠間に吹き込まれたコンクリートの締固め時間分コンクリート凝結の進行を遅延させてなり、
    前記コンクリートへのコンクリート凝結遅延剤の添加は、コンクリートを移送する接続管の間に取り付けられたシャワリング管の箇所で添加し、添加したコンクリート凝結遅延剤は、シャワリング管内でのコンクリートの流動によってコンクリートと混合し、
    コンクリートへのコンクリート急結剤の添加については、シャワリング管を通過した後の接続管の箇所で添加した、
    ことを特徴としたトンネル覆工構築工法。
  2. 掘削したトンネルの地山面と該地山面より間隔をあけて配置された型枠との間にコンクリートを吹き込み、トンネルの覆工構築を行うトンネル覆工構築工法において、
    コンクリートに液体コンクリート急結剤及び補助剤としての粉体コンクリート急結剤、そしてコンクリート凝結遅延剤を添加し、前記地山面と前記型枠間に吹き込まれたコンクリートの締固め時間分コンクリート凝結の進行を遅延させてなり、
    前記コンクリートへのコンクリート凝結遅延剤の添加は、コンクリートを移送する接続管の箇所で添加し、
    コンクリートへの液体コンクリート急結剤及び補助剤としての粉体コンクリート急結剤の添加は、前記コンクリート凝結遅延剤を添加した接続管の箇所で添加した、
    ことを特徴としたトンネル覆工構築工法。
  3. 各々トンネル一時覆工現場の状況に応じて吹込むコンクリートの凝結遅延時間の調整が必要とされ、
    前記調整は、コンクリート急結剤の種類、コンクリート急結剤の添加量、コンクリート温度、コンクリートスランプの状態との関係からコンクリート凝結遅延剤の添加量を増減して調整する、
    ことを特徴とした請求項1または請求項2記載のトンネル覆工構築工法。
  4. 掘削したトンネルの地山面と該地山面より間隔をあけて配置した型枠との間に、コンクリートを吹き込んで充填する際、充填したコンクリートに振動を与える、
    ことを特徴とした請求項1、請求項2または請求項3記載のトンネル覆工構築工法。
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