JPS621077B2 - - Google Patents
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- JPS621077B2 JPS621077B2 JP53112982A JP11298278A JPS621077B2 JP S621077 B2 JPS621077 B2 JP S621077B2 JP 53112982 A JP53112982 A JP 53112982A JP 11298278 A JP11298278 A JP 11298278A JP S621077 B2 JPS621077 B2 JP S621077B2
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Landscapes
- Lining And Supports For Tunnels (AREA)
- Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明は主としてシールド工法に採用してその
作業能率を著しく向上せしめると共に、掘削作業
状態に即応して裏込め材の供給を制御自在にでき
る覆工セグメントの裏込め工法に関するものであ
る。 シールド工法で構築されるトンネルでは、シー
ルド外殻に沿つてトンネルが掘削されて行くもの
であるが、覆工セグメント(以下単にセグメント
と称する)はシールドのテール部分にて組立てら
れるものであるから、掘削された地層とセグメン
ト外径との間には、シールド外殻の厚さとシール
ドテール内径とセグメントの余裕間隙との合計さ
れた寸法の隙間が残されるものであり、これを一
般にテールボイドと称している。そしてこのテー
ルボイドはセグメントがシールド内部で組立てら
れているときはセグメントの中心とシールドの中
心線とは略一致するものであるが、シールドが一
旦推進されると組立られたセグメントは掘削され
たトンネルの底部に自重によつて下つて接し、目
的とするトンネルの中心線に従うことになる。そ
のために組立られたセグメントのリング頂部と掘
削後の地盤との間隙は前記の間隙が倍加されて大
きな空隙となり、そのため長期間この空隙を放置
することは必然的に地盤に緩みを生じ、沈下現象
を起すのみならず、セグメントに偏圧を生ぜしめ
ることになる。この問題を解決し、更にセグメン
トによるライニングの防水効果を高めるために、
テールボイドにはセメントモルタルなどを裏込め
注入して空隙をなくすことが行なわれている。そ
して従来は、この裏込め材として豆砂利、グラウ
ト用砂モルタルなどの他に、流動性を良好にする
目的を含めてクレーサンドとセメントとに発泡剤
を混入したエアーモルタルと称するものも使用さ
れている。しかし乍ら、これら従来の裏込め材を
使用しても、掘削地盤内での湧水等によりその凝
結時間が一様ではないのでその状況に即応した凝
結時間を適確に把握し、それに見合つた凝結剤の
配合を行なわないと切角裏込め注入を行なつて
も、該注入材は凝結するまでの間に重力によつて
前方へ流動してシールド直後のテールボイド上部
が空隙のまま残り、そのため軟弱地盤でのシール
ド掘削ではしばしば地盤沈下を来たす等多くの問
題点があり、更に斯かる問題点のみならず裏込め
材の凝結時間を調節するための凝結剤配合や裏込
め材の供給をトンネル内で行なわねばならないた
め掘削排土の排出作業、ライニング用のセグメン
トの搬入作業等にも支障を来たす等、従来のシー
ルド工法では掘削推進、セグメント組立、裏込め
材注入の各作業工程が円滑に行なわれず、それだ
け作業能率が低下して極めて効率の悪い作業が行
なわれている。更にまたシールド工法によるトン
ネル掘削に際して、シールド機の掘進に合せてそ
の後部でセグメントを組立る作業を行なうのに、
初期掘進の段階或いは切羽の状態、更にはシール
ド機若しくにその関連機器の故障等により、掘進
速度が常に一様でなく、しばしば掘削を停止して
各種の調整を行なわねばならず、そのためトンネ
ル外部等で調整されて配管輸送されるセグメント
裏込め注入材は、その滞溜時間が長引くと配管等
の内部でブリージングして作業が進行し裏込め操
作に移行しようとすると使用不能となり、そのた
め配管等を分解して洗滌し、改めて裏込め注入材
を供給することにしなければならず、その結果該
注入材の廃棄分はすべて損失となるのみならず、
この洗滌から再運転までの時間損失と併せて全作
業の損失が著しく、大きな工費の損失が計上され
ることになる。そしてこのようなことが工事期間
中しばしば発生し、また終日工事を連続して行な
わないような場合には当然その作業終了に際して
供給途中の配管内注入材はすべて廃棄しなければ
ならないことになる。しかもこのような注入材の
廃棄にあたつては当然配管、機器等の内部を水洗
いすることになり、殊にクレーサンドに発泡剤を
混入してセメントと混練してなるクレーサンド気
泡モルタルは注入部において水ガラス等の凝結促
進剤を加える迄の輸送についてモルタル中に含む
気泡が遅延剤の機能をはたし、水和反応を抑制す
る作用をなし、また流動性大なると共にブリージ
ングを起し難いので比較的長い時間(しかし約2
時間)は使用に対応できる反面、水洗いすると発
泡剤の気泡が消泡しにくく、そのため消泡剤を使
用しなければならず、またセメントの水溶液はア
ルカリ性が高いので中和処理しないと外部に放流
できない等取扱い上種々の難点がある。 本発明者は先願発明にてクレーサンド気泡モル
タル裏込め注入材を巧みに使用する工法を得てシ
ールド工法を能率よく施工できる手段を完成した
のであるが、前記の如くシールド掘削作業中の
種々の悪条件に対し、これに対応し得る手段につ
いて研究を重ね、先願発明によつて得た利点を損
うことなく作業途中において、更に長時間裏込め
注入作業が中断しても、輸送途中のモルタルがブ
リージングを起さず、勿論凝結することなく作業
再開時には即使用できる態勢になし得る手段を本
発明にて提供せんとするものである。 本発明は裏込め材としてクレーサンドとセメン
トとに発泡剤と、ヒドロキシカルボン酸塩と縮合
リ酸塩類とからなる凝結抑制剤及び水を適量混入
混練した充填材と、水ガラスの如き凝結剤とを、
注入部の直前個所で混合する状態にて供給するよ
う、充填用モルタル混練供給装置及び凝結材の吐
出量を複数多段階に切換えて選択的に供給できる
調整装置とを坑外に設置しておき、或いは調整装
置を坑内に配置して、前記両材を別個の配管にて
シールド機後部まで輸送し、シールドテールで組
立てテールボイドに配された覆工セグメントの注
入口直前個所で混合器にて両液を混合して、かつ
当該位置で試料を取出し注入個所の状態に応じ前
記調整装置における凝結剤供給量を選定する指令
を与え、対応する適正凝結時間を設定して裏込め
注入することにあり、無機物粒子に対する分散力
の大きいヒドロキシカルボン酸塩と強力な防蝕性
を有する縮合リン酸塩とを配合してなる凝結遅延
剤を少量充填材中に混入することでクレーサンド
に含有するモンモリロナイト等の膨潤、粘調性に
より発泡剤混入にて形成された強靭な独立微細気
泡と相乗的に作用して滞溜中でのブリージングと
水和反応を抑制し、著しく長時間にわたつて配管
等の内部に保留することができ、しかも凝結剤と
混合して裏込め注入後は従来のセメントモルタル
と同様に凝結し、その凝固強度を低下せしめるこ
となく填充することができるようにしたのであ
る。 本発明によれば、シールド工法によるトンネル
掘削工事において、シールド掘進の状況やセグメ
ントの組立操作の状態、地質条件等により覆工作
業サイクルが不期則になり、長時間にわたつて裏
込め注入作業が停滞しても作業の再開と同時にテ
ールボイドへの裏込め注入を直ちに行なうことが
でき、クレーサンドを細骨材として気泡混在によ
るセメントモルタルの長距離輸送の容易化と、裏
込め注入個所での凝結時間設定を現状に合せて注
入材供給操作部と連絡して、所要の状態に応じた
凝結剤供給量に直ちに切換え最適条件に設定して
裏込め作業を行なうことができ、従つて従来作業
の中断によつて供給管路中に滞溜した注入材が凝
結して分解洗滌しなければならなかつたものが、
何等このようなことなく継続的に作業の遂行がで
きるようになり、気泡モルタルの輸送流動性の向
上、掘削現場の条件に即応できる態勢等と相俟つ
て流動填充性を損うことなく凝結を抑制し、不安
定要素の過多なシールド工法による裏込め作業の
安定性を促進向上して、理想的な作業ができるよ
うになつたのである。 以下本発明を一実施例について詳述すれば、シ
ールド工法による掘削トンネルの坑外に裏込め用
のモルタルプラントを設置し、ここにおいて周知
構造のモルタルミキサーで、クレーサンドとポル
トランドセメント、及び発泡剤や水と共に凝結抑
制剤を適量配合混練して裏込め用モルタルをつく
り、周知のポンプにより配管を通じてシールド機
後部に圧送し、併せて水ガラスの如き凝結剤もそ
の供給量を段階的に切換え得る多数の流量が異な
る調節弁を備えた調節装置を通じてトンネル内に
配管で導き、両配管の先端を混合器に繋いで、シ
ールドの後部で覆工セグメントが1リング組立ら
れてテールボイドに移行する間に、混合器付属の
試料取出し口を開いて適量の試料を適宜容器に取
出し、注入材の凝結時間を測定し、シールドの切
羽部における湧水の状況等から判断して当該場所
での作業者が予め用意している携帯送受信器で坑
外のプラント操作者と連絡をとり、凝結剤調節装
置の所要流量の弁を選択して開閉操作し、混合器
個所での凝結剤と充填材との混合比を連絡をとり
つつ調整して設定し、最適なゲルタイムを設定し
た後セグメントの注入口に混合器からの注入ホー
スを繋いで裏込め注入する。このようにして裏込
め充填された注入材は予め設定したゲルタイムに
応じて充填部で凝固するも、この充填途中で湧水
の多い地層などに到つた場合、セグメントの接合
部分等からの漏水状態を確認しつつ、充填部分に
おいて予定より長い時間経過しても漏水が続く場
合には直ちに凝結剤の送入量を多くするように連
絡して切換えることでゲルタイムの変更を行なえ
ば、湧水の激しい即ち悪条件の場合でもこれに即
応した対策が取れて効果的な作業が行なえる。 而してシールドの切羽部での出水等による掘進
停滞、或いは機構部分の故障、若しくはその他の
理由により掘削が進行せず、覆工セグメントの組
立が行なわれない状態が長時間にわたり続いた場
合、注入用の混合器に到るまでの充填材にはその
混練時に凝結抑制剤としてヒドロキシカルボン酸
塩と縮合リン酸塩とを配合調整したものを適量混
入してあるから、この凝結抑制剤の作用により、
気泡セメントモルタルの強靭な独立微細気泡によ
る材料分離抑制力と、該薬剤によるクレーサンド
やセメントの無機物粒子分散効果が相乗的に作用
して、従来の気泡セメントモルタルでは2〜3時
間程度の停滞で以後の輸送に支障を来たしたもの
が、本願発明手段によれば約10〜12時間は放置し
ても凝結せず、直ちに使用できる状態に保ち得た
のである。そして該凝結抑制剤はその成分中の縮
合リン酸塩が金属イオン封鎖力を有するので長時
間配管や機器類中に停滞していてもこれら機器類
等に傷害を与えることはない。 次に本発明工法における注入材の具体例を示せ
ば第1表の如くであり、この表に示したものは最
も実施の状態において好ましい効果を呈した。な
お、凝結抑制剤はセメント使用量に対して重量比
で5%程度まで添加することが可能であり、この
場合は約160時間材料分離を起すことなく保持す
ることができた。 そして上記の最も好ましい具体例におけるゲル
タイム、及び一軸圧縮強度についての試験結果を
示せば第1図イ,ロの通りであり、この表から見
て凝結抑制剤を添加しない場合と比較しても強度
的にほとんど低下しないことがわかる。 【表】
作業能率を著しく向上せしめると共に、掘削作業
状態に即応して裏込め材の供給を制御自在にでき
る覆工セグメントの裏込め工法に関するものであ
る。 シールド工法で構築されるトンネルでは、シー
ルド外殻に沿つてトンネルが掘削されて行くもの
であるが、覆工セグメント(以下単にセグメント
と称する)はシールドのテール部分にて組立てら
れるものであるから、掘削された地層とセグメン
ト外径との間には、シールド外殻の厚さとシール
ドテール内径とセグメントの余裕間隙との合計さ
れた寸法の隙間が残されるものであり、これを一
般にテールボイドと称している。そしてこのテー
ルボイドはセグメントがシールド内部で組立てら
れているときはセグメントの中心とシールドの中
心線とは略一致するものであるが、シールドが一
旦推進されると組立られたセグメントは掘削され
たトンネルの底部に自重によつて下つて接し、目
的とするトンネルの中心線に従うことになる。そ
のために組立られたセグメントのリング頂部と掘
削後の地盤との間隙は前記の間隙が倍加されて大
きな空隙となり、そのため長期間この空隙を放置
することは必然的に地盤に緩みを生じ、沈下現象
を起すのみならず、セグメントに偏圧を生ぜしめ
ることになる。この問題を解決し、更にセグメン
トによるライニングの防水効果を高めるために、
テールボイドにはセメントモルタルなどを裏込め
注入して空隙をなくすことが行なわれている。そ
して従来は、この裏込め材として豆砂利、グラウ
ト用砂モルタルなどの他に、流動性を良好にする
目的を含めてクレーサンドとセメントとに発泡剤
を混入したエアーモルタルと称するものも使用さ
れている。しかし乍ら、これら従来の裏込め材を
使用しても、掘削地盤内での湧水等によりその凝
結時間が一様ではないのでその状況に即応した凝
結時間を適確に把握し、それに見合つた凝結剤の
配合を行なわないと切角裏込め注入を行なつて
も、該注入材は凝結するまでの間に重力によつて
前方へ流動してシールド直後のテールボイド上部
が空隙のまま残り、そのため軟弱地盤でのシール
ド掘削ではしばしば地盤沈下を来たす等多くの問
題点があり、更に斯かる問題点のみならず裏込め
材の凝結時間を調節するための凝結剤配合や裏込
め材の供給をトンネル内で行なわねばならないた
め掘削排土の排出作業、ライニング用のセグメン
トの搬入作業等にも支障を来たす等、従来のシー
ルド工法では掘削推進、セグメント組立、裏込め
材注入の各作業工程が円滑に行なわれず、それだ
け作業能率が低下して極めて効率の悪い作業が行
なわれている。更にまたシールド工法によるトン
ネル掘削に際して、シールド機の掘進に合せてそ
の後部でセグメントを組立る作業を行なうのに、
初期掘進の段階或いは切羽の状態、更にはシール
ド機若しくにその関連機器の故障等により、掘進
速度が常に一様でなく、しばしば掘削を停止して
各種の調整を行なわねばならず、そのためトンネ
ル外部等で調整されて配管輸送されるセグメント
裏込め注入材は、その滞溜時間が長引くと配管等
の内部でブリージングして作業が進行し裏込め操
作に移行しようとすると使用不能となり、そのた
め配管等を分解して洗滌し、改めて裏込め注入材
を供給することにしなければならず、その結果該
注入材の廃棄分はすべて損失となるのみならず、
この洗滌から再運転までの時間損失と併せて全作
業の損失が著しく、大きな工費の損失が計上され
ることになる。そしてこのようなことが工事期間
中しばしば発生し、また終日工事を連続して行な
わないような場合には当然その作業終了に際して
供給途中の配管内注入材はすべて廃棄しなければ
ならないことになる。しかもこのような注入材の
廃棄にあたつては当然配管、機器等の内部を水洗
いすることになり、殊にクレーサンドに発泡剤を
混入してセメントと混練してなるクレーサンド気
泡モルタルは注入部において水ガラス等の凝結促
進剤を加える迄の輸送についてモルタル中に含む
気泡が遅延剤の機能をはたし、水和反応を抑制す
る作用をなし、また流動性大なると共にブリージ
ングを起し難いので比較的長い時間(しかし約2
時間)は使用に対応できる反面、水洗いすると発
泡剤の気泡が消泡しにくく、そのため消泡剤を使
用しなければならず、またセメントの水溶液はア
ルカリ性が高いので中和処理しないと外部に放流
できない等取扱い上種々の難点がある。 本発明者は先願発明にてクレーサンド気泡モル
タル裏込め注入材を巧みに使用する工法を得てシ
ールド工法を能率よく施工できる手段を完成した
のであるが、前記の如くシールド掘削作業中の
種々の悪条件に対し、これに対応し得る手段につ
いて研究を重ね、先願発明によつて得た利点を損
うことなく作業途中において、更に長時間裏込め
注入作業が中断しても、輸送途中のモルタルがブ
リージングを起さず、勿論凝結することなく作業
再開時には即使用できる態勢になし得る手段を本
発明にて提供せんとするものである。 本発明は裏込め材としてクレーサンドとセメン
トとに発泡剤と、ヒドロキシカルボン酸塩と縮合
リ酸塩類とからなる凝結抑制剤及び水を適量混入
混練した充填材と、水ガラスの如き凝結剤とを、
注入部の直前個所で混合する状態にて供給するよ
う、充填用モルタル混練供給装置及び凝結材の吐
出量を複数多段階に切換えて選択的に供給できる
調整装置とを坑外に設置しておき、或いは調整装
置を坑内に配置して、前記両材を別個の配管にて
シールド機後部まで輸送し、シールドテールで組
立てテールボイドに配された覆工セグメントの注
入口直前個所で混合器にて両液を混合して、かつ
当該位置で試料を取出し注入個所の状態に応じ前
記調整装置における凝結剤供給量を選定する指令
を与え、対応する適正凝結時間を設定して裏込め
注入することにあり、無機物粒子に対する分散力
の大きいヒドロキシカルボン酸塩と強力な防蝕性
を有する縮合リン酸塩とを配合してなる凝結遅延
剤を少量充填材中に混入することでクレーサンド
に含有するモンモリロナイト等の膨潤、粘調性に
より発泡剤混入にて形成された強靭な独立微細気
泡と相乗的に作用して滞溜中でのブリージングと
水和反応を抑制し、著しく長時間にわたつて配管
等の内部に保留することができ、しかも凝結剤と
混合して裏込め注入後は従来のセメントモルタル
と同様に凝結し、その凝固強度を低下せしめるこ
となく填充することができるようにしたのであ
る。 本発明によれば、シールド工法によるトンネル
掘削工事において、シールド掘進の状況やセグメ
ントの組立操作の状態、地質条件等により覆工作
業サイクルが不期則になり、長時間にわたつて裏
込め注入作業が停滞しても作業の再開と同時にテ
ールボイドへの裏込め注入を直ちに行なうことが
でき、クレーサンドを細骨材として気泡混在によ
るセメントモルタルの長距離輸送の容易化と、裏
込め注入個所での凝結時間設定を現状に合せて注
入材供給操作部と連絡して、所要の状態に応じた
凝結剤供給量に直ちに切換え最適条件に設定して
裏込め作業を行なうことができ、従つて従来作業
の中断によつて供給管路中に滞溜した注入材が凝
結して分解洗滌しなければならなかつたものが、
何等このようなことなく継続的に作業の遂行がで
きるようになり、気泡モルタルの輸送流動性の向
上、掘削現場の条件に即応できる態勢等と相俟つ
て流動填充性を損うことなく凝結を抑制し、不安
定要素の過多なシールド工法による裏込め作業の
安定性を促進向上して、理想的な作業ができるよ
うになつたのである。 以下本発明を一実施例について詳述すれば、シ
ールド工法による掘削トンネルの坑外に裏込め用
のモルタルプラントを設置し、ここにおいて周知
構造のモルタルミキサーで、クレーサンドとポル
トランドセメント、及び発泡剤や水と共に凝結抑
制剤を適量配合混練して裏込め用モルタルをつく
り、周知のポンプにより配管を通じてシールド機
後部に圧送し、併せて水ガラスの如き凝結剤もそ
の供給量を段階的に切換え得る多数の流量が異な
る調節弁を備えた調節装置を通じてトンネル内に
配管で導き、両配管の先端を混合器に繋いで、シ
ールドの後部で覆工セグメントが1リング組立ら
れてテールボイドに移行する間に、混合器付属の
試料取出し口を開いて適量の試料を適宜容器に取
出し、注入材の凝結時間を測定し、シールドの切
羽部における湧水の状況等から判断して当該場所
での作業者が予め用意している携帯送受信器で坑
外のプラント操作者と連絡をとり、凝結剤調節装
置の所要流量の弁を選択して開閉操作し、混合器
個所での凝結剤と充填材との混合比を連絡をとり
つつ調整して設定し、最適なゲルタイムを設定し
た後セグメントの注入口に混合器からの注入ホー
スを繋いで裏込め注入する。このようにして裏込
め充填された注入材は予め設定したゲルタイムに
応じて充填部で凝固するも、この充填途中で湧水
の多い地層などに到つた場合、セグメントの接合
部分等からの漏水状態を確認しつつ、充填部分に
おいて予定より長い時間経過しても漏水が続く場
合には直ちに凝結剤の送入量を多くするように連
絡して切換えることでゲルタイムの変更を行なえ
ば、湧水の激しい即ち悪条件の場合でもこれに即
応した対策が取れて効果的な作業が行なえる。 而してシールドの切羽部での出水等による掘進
停滞、或いは機構部分の故障、若しくはその他の
理由により掘削が進行せず、覆工セグメントの組
立が行なわれない状態が長時間にわたり続いた場
合、注入用の混合器に到るまでの充填材にはその
混練時に凝結抑制剤としてヒドロキシカルボン酸
塩と縮合リン酸塩とを配合調整したものを適量混
入してあるから、この凝結抑制剤の作用により、
気泡セメントモルタルの強靭な独立微細気泡によ
る材料分離抑制力と、該薬剤によるクレーサンド
やセメントの無機物粒子分散効果が相乗的に作用
して、従来の気泡セメントモルタルでは2〜3時
間程度の停滞で以後の輸送に支障を来たしたもの
が、本願発明手段によれば約10〜12時間は放置し
ても凝結せず、直ちに使用できる状態に保ち得た
のである。そして該凝結抑制剤はその成分中の縮
合リン酸塩が金属イオン封鎖力を有するので長時
間配管や機器類中に停滞していてもこれら機器類
等に傷害を与えることはない。 次に本発明工法における注入材の具体例を示せ
ば第1表の如くであり、この表に示したものは最
も実施の状態において好ましい効果を呈した。な
お、凝結抑制剤はセメント使用量に対して重量比
で5%程度まで添加することが可能であり、この
場合は約160時間材料分離を起すことなく保持す
ることができた。 そして上記の最も好ましい具体例におけるゲル
タイム、及び一軸圧縮強度についての試験結果を
示せば第1図イ,ロの通りであり、この表から見
て凝結抑制剤を添加しない場合と比較しても強度
的にほとんど低下しないことがわかる。 【表】
第1図は本発明工法による凝結抑制剤添加裏込
め注入材の実施具体例として第1表に示したもの
の混練後の態様を示すもので、イは各経過時間の
ゲルタイムを示し、ロは各経過時間の一軸圧縮強
度を示す。
め注入材の実施具体例として第1表に示したもの
の混練後の態様を示すもので、イは各経過時間の
ゲルタイムを示し、ロは各経過時間の一軸圧縮強
度を示す。
Claims (1)
- 1 裏込め材としてクレーサンドとセメントとに
発泡剤、ヒドロキシカルボン酸塩と縮合リン酸塩
類とからなる凝結抑制剤及び水をそれぞれ適量配
合して、坑外において充填用気泡モルタルを調製
し、また坑外または坑内に配置した吐出量を複数
多段階に切換えて選択的に供給できる調整装置に
て水ガラスの如き凝結剤を、前記充填用気泡モル
タルとは別にそれぞれ注入部の直前個所で混合で
きるように供給し、シールド機後部で組立てテー
ルボイドに配された覆工セグメントの注入口直前
個所で混合器にて両液材を混合して注入するに際
し、該混合器部分で試料を取出して注入個所の状
態に応じ凝結剤調整装置操作部に凝結剤供給量の
選択切換え指令を与え、対応する適正凝結時間を
設定して裏込め注入することを特徴とするシール
ド掘削工法における覆工部の裏込め注入工法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11298278A JPS5539564A (en) | 1978-09-12 | 1978-09-12 | Method of reverseeside injection for cover in shielded excavation |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11298278A JPS5539564A (en) | 1978-09-12 | 1978-09-12 | Method of reverseeside injection for cover in shielded excavation |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5539564A JPS5539564A (en) | 1980-03-19 |
JPS621077B2 true JPS621077B2 (ja) | 1987-01-10 |
Family
ID=14600433
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11298278A Granted JPS5539564A (en) | 1978-09-12 | 1978-09-12 | Method of reverseeside injection for cover in shielded excavation |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5539564A (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57143098A (en) * | 1981-02-27 | 1982-09-04 | Tetsuya Takigawa | Back filling method and material of covering segment in shield constructing method |
JPH01310097A (ja) * | 1988-06-06 | 1989-12-14 | Daimei Denwa Kogyo Kk | 裏込材同時自動注入装置の注入ポンプ吐出量制御装置 |
EP3048243B1 (de) * | 2015-01-20 | 2017-09-06 | MC-Bauchemie Müller GmbH & Co. KG Chemische Fabriken | Verfahren zum Verfüllen eines Ringraums zwischen der Außenfläche eines Tübbingrings und einem ihn umgebenden Baugrund eines Tunnelbauwerks |
-
1978
- 1978-09-12 JP JP11298278A patent/JPS5539564A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5539564A (en) | 1980-03-19 |
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